JP2000094717A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2000094717A
JP2000094717A JP26590198A JP26590198A JP2000094717A JP 2000094717 A JP2000094717 A JP 2000094717A JP 26590198 A JP26590198 A JP 26590198A JP 26590198 A JP26590198 A JP 26590198A JP 2000094717 A JP2000094717 A JP 2000094717A
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勝彦 佐藤
Yasunari Kabasawa
康成 椛澤
Naohiro Osugi
直寛 大杉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高解像度で高階調な多種モードの画像を高速で
印字する小型なインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】印字ヘッド43は副走査方向に交互に半ド
ットずれて配置された8列のノズル列52a〜52hを
備え、これらのノズル列52a〜52hに連通する8個
のサブタンク48−1〜48−8と一体化され、矢印x
で示す主走査方向に往復移動してシングルパスで印字す
る。装置本体側に装着・固定される5個のタンク46a
〜46eはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各
インク液と洗浄液又は希釈液を収容し、これらの液はポ
ンプ機構47a〜47eにより、いずれのサブタンク4
8に対しても供給可能である。4組のノズル列に分けて
組毎にブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)のインクを供給し、実分解能の2
倍の解像度の画像をマルチパスの1/8の時間で印字す
る。シアン及びマゼンタの一方のノズル列に希釈液を混
入すると高階調の画像を印字できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高解像度で高階調
な多種モードの画像を高速で印字する小型なインクジェ
ットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、個人向けの画像形成装置として、
印字ヘッドの発熱素子を駆動してインクリボンのインク
を用紙面に熱転写して印字を行う熱転写プリンタや、イ
ンクボトルのインクを用紙面に吐出して印字を行うイン
クジェットプリンタなどの比較的軽便なシリアルプリン
タが主流となって広く用いられている。
【0003】特に、インクジェットプリンタにおける印
字方法は、印字ヘッドのノズルからインクの液滴を吐出
させ、このインク滴を紙、布などの被記録材に吸収させ
て文字や画像等の記録を行なうものであり、騒音の発生
が少なく、特別な定着処理を要することもなく、且つフ
ルカラー記録も比較的容易な記録方法である。
【0004】フルカラー記録は、通常、減法混色の三原
色であるイエロー(黄色)、マゼンタ(赤色染料名)及
びシアン(緑味のある青色)の3色のインクを用い、も
のによっては、文字や画像の黒色部分に専用されるブラ
ック(黒)を加えた4色のインクを用いて行なわれる。
【0005】図12は、そのようなシリアルインクジェ
ットプリンタ(以下、単にプリンタという)の構成を模
式的に示す斜視図である。同図に示すプリンタ1は、家
庭で個人的に使用される小型のプリンタであり、キャリ
ッジ2に、印字を実行する印字ヘッド3とインクを収容
しているインクカートリッジ4が取り付けられている。
印字ヘッド3はインクカートリッジ4と共にヘッドユニ
ットとして初めから一体に構成されてキャリッジ2に着
脱自在に固定されるか、又はキャリッジに印字ヘッド3
が固定されていて、この印字ヘッド3にインクカートリ
ッジ4が着脱自在に係合して一体化するようになってい
る。
【0006】キャリッジ2は、一方ではガイドレール5
により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト
6に固着している。これにより、印字ヘッド3及びイン
クタンク4は、図の両方向矢印Xで示す装置本体(プリ
ンタ1)の幅方向、つまり印字画像の主走査方向に往復
駆動される。この印字ヘッド3と装置本体の不図示の制
御装置との間にフレキシブル通信ケーブル7が接続さ
れ、このフレキシブル通信ケーブル7を介して制御装置
から印字データと制御信号が印字ヘッド3に送出され
る。
【0007】この印字ヘッド3に対向し、印字ヘッド3
の往復移動方向に延在して、装置本体のフレーム8の下
端部にプラテン9が配設されている。このプラテン9に
接して用紙11が紙送りローラ12により図の矢印Yで
示す副走査方向(図の斜め右下方向)に間欠的に搬送さ
れる。この間欠搬送の停止期間中に、印字ヘッド3は、
モータ10により歯付き駆動ベルト6及びキャリッジ2
を介して駆動されながら、用紙11に近接してインクを
吐出し、紙面に印字する。
【0008】図13(a) は、図12の印字ヘッド3を用
紙11側から見た拡大図(図12のA矢視拡大図)であ
り、図13(b) は、印字ヘッド3を側面方向から見た拡
大断面図(図12のB矢視拡大断面図)である。旧来の
インクジェットプリンタはモノクロプリンタが主流であ
ったが、昨今では、上述したようにフルカラープリンタ
が主流であり、図13(a) に示すように、印字ヘッド3
のインク吐出面には、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4種類のイ
ンクを吐出する4列のノズル列13(13y、13m、
13c、13k)が形成されている。1列のノズル列1
3には、およそ125個又は256個のノズル14が、
例えば300dpi(ドット/インチ)の密度(1mm
当り約12個)で縦1列に並んで配置されている。
【0009】このような印字ヘッド3は、図13(b) に
示すように、例えば10×15mmの大きさのシリコン
チップ15に、LSI形成処理技術や薄膜形成処理技術
を用いて、図外左方の駆動回路、発熱素子16、駆動電
極17、共通電極18、駆動回路側インク隔壁19a、
インク供給孔側インク隔壁19b、ノズル板21、この
ノズル板21に形成されたノズル14、シリコンチップ
15に穿設・貫通されたインク受給孔22、このインク
受給孔22から上記発熱素子16上に連通するインク通
路23等がモノリシックに形成されている。上記のイン
ク隔壁19a及び19bの厚さはおよそ10μmであ
る。
【0010】この印字ヘッド3の裏面(図13(b) では
上面)に、図12に示すようにインクカートリッジ4が
係合しており、インクカートリッジ4内には、図12の
破線で示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、
シアン(C)及びブラック(K)のインクに対応する4
つのインク室25が設けられている。これら4つのイン
ク室25のインク供給口24が、図13(a) に示す4列
のノズル列13に対応する図13(b) に示す4個のイン
ク受給孔24にそれぞれ連通している。
【0011】図14(a) 〜(d) は、上記インクカートリ
ッジ4のインク室25と印字ヘッド3のインク受給孔2
2との連通状態を模式的に示す図12のB矢視断面図で
ある。図14(a) に示すように、4つのインク室25の
うちのイエローインクを収容しているインク室25y
は、その底部の最右端部にインク供給口24が形成され
ており、そのインク供給口24が、印字ヘッド3のノズ
ル列13yのインク受給孔22に連通している。同様
に、マゼンタインクを収容しているインク室25mは、
同図(b) に示すように、底部の中央より右端寄りにイン
ク供給口24が形成されており、そのインク供給口24
が、印字ヘッド3のノズル列13mのインク受給孔22
に連通している。
【0012】また、シアンインクを収容しているインク
室25cは、同図(c) に示すように、底部の中央より左
端寄りにインク供給口24が形成されており、そのイン
ク供給口24が、印字ヘッド3のノズル列13cのイン
ク受給孔22に連通している。そして、ブラックインク
を収容しているインク室25kは、同図(d) に示すよう
に、底部の最左端にインク供給口24が形成されてお
り、そのインク供給口24が、印字ヘッド3のノズル列
13kのインク受給孔22に連通している。
【0013】このように印字ヘッド3には各色専用のノ
ズル列13が配設されており、印字ヘッド3は、これら
のノズル列13からイエロー、マゼンタ、シアン及びブ
ラックの4色のインクを印字データに応じて吐出しなが
ら前述したように主走査方向に移動して用紙11の紙面
に、1画素毎に各々のインクを混合吸収させてフルカラ
ーの印字を実行する。
【0014】ところで、近年ますますフルカラーの写真
画像やグラフィック画像の印刷需要が高まり、これに応
じて各色インクの使用量が格段に増加している。例え
ば、インク使用量の多い場合では、1枚の用紙片面に5
0%もの付着率でインクが消費されることがある。これ
は、通常の文字の印字では印字率(インク付着率)が5
%以下であることを考えると、これの10倍もの量であ
り、如何に大きなインク使用量であるかが分かる。
【0015】したがって、インクタンクの容量が充分に
大きくない場合には、僅か数十枚の用紙に印刷しただけ
でインクが無くなってしまうということがしばしば発生
する。例えば、720dpiのインクジェットプリンタ
では通常1滴(1ドット)の吐出量は約20pl(ピコ
リットル)くらいであるので、A4サイズの用紙に付着
率50%で印字を続けると、インクカートリッジのイン
ク室容量が10ml(ミリリットル)の場合、用紙20
枚分しかインクがもたない計算になる。したがって、印
字ヘッドにインクを長期にわたり間断なく供給する方法
の開発が望まれている。
【0016】また、上記のノズル列による印字方法にお
いては、印字ヘッド3の実分解能(ノズル14の配設密
度、図13(a) のピッチP)を、分かり易く例えば60
0dpiであるとすると、この実分解能に拘わりなく、
これよりも高い印字解像度、例えば1200dpiで印
字する方法が知られている。
【0017】図15(a),(b),(c) は、そのような実分解
能よりも高い印字解像度で印字した場合の印字画像を説
明する図である。同図(a) は、説明の便宜上、印字ヘッ
ドを分かり易く示すため、例として1列のノズル列に4
個のノズルを備えた印字ヘッドを正面図で示している。
同図(a) に示すように、印字ヘッド26には4個のノズ
ル27が副走査方向(図では上下方向)に並んで1列の
ノズル列28を形成している。
【0018】同図(b) は、上記の印字ヘッド26で、実
分解能すなわち600dpiの解像度で印字した画像を
示しており、分かり易いように主走査方向に8ドットを
印字した即ち縦横4×8ドットのベタ印字画像で示して
いる。尚、同図(b) は、枡目4個で1ドットの印字領域
を示している。同図(c) は、同図(b) の画像を、2倍の
解像度すなわち「8×16=1200」dpiで印字し
た高精細画像30を示している。同図(c) には、分かり
易いように、実分解能による印字ドット31と倍増分の
印字ドット32とに分けて示している。
【0019】このような実分解能よりも高い解像度で高
精細印字を行うためには、同図(b)に示すシングルパス
(1回の主走査でノズル列分の1ラインの印字が完成す
る印字方法)に対して、一般的にマルチパス(ノズル列
分の1ラインの印字が複数回の主走査で完成する印字方
法)と呼ばれる印字制御を行う必要がある。マルチパス
印字の最も一般的な方法は、画像を印字解像度に応じて
一定のパターンに分割して、それぞれの分割画像を複数
回の主走査によって形成する方法である。以下これにつ
いて簡単に説明する。
【0020】図16(a),(b),(c),(d) は、上記のマルチ
パス制御の印字方法を説明する図である。尚、同図(a)
〜(d) には、見た目に分かりやすくするために印字ノズ
ル(以下、ドットという)を各主走査毎にそれぞれ異な
るマーク(右下りのハッチング、網点、右上りのハッチ
ング)で示している。
【0021】先ず、同図(a),(b) に示すように、1回目
の主走査(走査1)で、副走査方向に高解像度の8ドッ
トに分割された精細画像30の上半分のうち、1番目の
ドット行34−1と3番目のドット行34−3の印字デ
ータが、印字ヘッド26のドット27−3とノズル27
−4にそれぞれ割り当てられて印字される。このとき、
ノズル27−1とノズル27−2には白紙データ(非印
字データ)が送られる。つまり、精細画像30の上方の
領域35aは非印字領域となる。
【0022】続いて、同図(a),(c) に示すように、2回
目の主走査(走査2)では、用紙がノズル列26(図1
5(a) 参照)の半分の長さaと更に半ドット分b(実分
解能/印字解像度)だけ副走査方向に搬送される。そし
て、精細画像30の上半分では、走査1で印字されたド
ット行34−1と34−3の間、及びドット行34−3
の下に隣接して、走査2によるドット行34−2及び3
4−4の印字が行われると共に下半分のドット行34−
6及び34−8の印字が行われる。ここで精細画像30
の上半分の印字が完成する。
【0023】そして、同図(a),(d) に示すように、3回
目の主走査(走査3)が行われる。この3回目の主走査
では、用紙が上記の長さaから半ドット分bを引いた距
離だけ搬送される。そして、精細画像30の下半分の、
走査2で印字されたドット行34−4と34−6の間、
及びドット行34−6と34−8の間に、走査3による
ドット行34−5及び34−7の印字が行われる。尚、
ノズル27−3とノズル27−4には白紙データ(非印
字データ)が送られ、精細画像30の下方の領域35b
は非印字領域となる。これで精細画像30の印字が完成
する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
マルチパス印字は複数回の主走査によって印字ヘッドの
ノズル列の実分解能以上の高精細な印字画像を形成する
ものであるため主走査の回数が多くなる分だけ印字時間
が長くなってしまうという問題を有している。
【0025】図17は、マルチパス印字の所要時間を説
明する図表である。同図は、実分解能を600dpiと
し、これに対して、比較のため高精細画像を1200d
piで印字した場合と2400dpiで印字した場合の
2通りを示している。同図の所要時間の欄に示す「T」
は600dpiで印字する場合の1回の主走査時間であ
り、「R」はキャリッジのリターンに要する時間であ
る。また、比率の算出はT≒Rとしている。
【0026】600dpiの実分解能による印字では、
図15(b) に示したように、1回の主走査で印字画像が
完成する。即ち、図17に示すように、所要時間はTの
みである。これに対して、2倍の分解能(解像度)で
は、図15(c) に示したように、実分解能ピッチの印字
ドット31と解像度倍増分の印字ドット32とを印字す
るため印字周波数を一定として走査速度を1/2に低下
させなければならないから、1回の主走査の時間は「T
×2」である。そして、この主走査を図16に示したよ
うに3回行わなければならないから総主走査時間は
「(T×2)×3」である。そして、図16(b) の走査
1と同図(c) の走査2の間、及び同図(c) の走査2と同
図(d) の走査3の間に、キャリッジのリターンが入るか
ら、この時間「R×2」を足して全体の印字時間は
「(T×2)×3+(R×2)」である。これは、T=
Rとして、8Tとなる。即ち、600dpiの実分解能
による印字時間「T」に対して8倍の印字時間「8T」
である。
【0027】同様に、解像度を2400dpiにして印
字した場合には、実例を上げての説明は長くなるので省
略するが、図17に示すように、所要時間は「(T×
4)×7+(R×6)」である。即ち、34Tとなる。
これは、600dpiの実分解能による印字時間「T」
に対して実に34倍の印字時間を必要とする。このよう
に、マルチパス印字による場合、解像度が高くなる程印
字時間が著しく長くなってしまうという問題を有してい
た。
【0028】また、従来のインクジェットプリンタは、
印字ヘッドのノズル列とインクカートリッジの各色イン
クとが1対1の対応関係で各インクが印字ヘッドに供給
されているため、各ノズル列から吐出するインクの種類
(色)は変更することができない。カラーインクジェッ
トプリンタでは、ブラックインクが供給されるノズル列
は通常は1列のみであり、インクカートリッジのインク
室に保持されているインク量は特に多くはないから、印
字画像の印字文字データが多い場合には、ブラックイン
クが多量に使用される為にじきに無くなり、そのため印
字途中でインクカートリッジの交換が必要になり、この
交換のために費やされる時間が実印字時間に比較して無
視できない程長く、全体として印字に要する時間が極め
て長くなるという問題も有していた。
【0029】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
高解像度で高階調な多種モードの画像を高速で印字する
小型なインクジェットプリンタを提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明のインク
ジェットプリンタの構成を述べる。先ず、請求項1記載
の発明のインクジェットプリンタは、列数がNで該列内
の配置ピッチがPのノズル群をm(2≦m<Nの自然
数)列づつk(k=N/mの自然数)組に分けて各組内
におけるノズル列をP/mづつ副走査方向にずらして形
成された複数のノズル列を備えた印字ヘッドを有して構
成される。
【0031】次に、請求項2記載の発明のインクジェッ
トプリンタは、列数がNで該列内の配置ピッチがPのノ
ズル群をm(2≦m<Nの自然数)列づつk(k=N/
mの自然数)組に分けて各組内におけるノズル列をP/
mづつ副走査方向にずらして形成された複数のノズル列
を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドの複数の前記ノズ
ル列にそれぞれ対応して設けられ外部から供給されるイ
ンクを一時的に保持して該インクを対応するノズル列に
供給するサブタンクと、を備え、用紙の進行方向と直角
な主走査方向に往復移動しながら上記ノズル列より上記
インクを吐出して上記用紙に印字を行うヘッドユニット
と、該ヘッドユニットの上記サブタンクに上記インクを
供給すべく該インクを収容して装置本体に配置される複
数のメインタンクと、該メインタンク夫々に連通させて
該メインタンクに収容されている上記インクを上記印字
ヘッドのいずれのサブタンクにも任意の量を供給可能で
あるように配置される複数の液供給口と、該液供給口の
動作と前記ヘッドユニットの位置とを制御して上記メイ
ンタンクの上記インクを任意の上記ノズル列に対応する
上記サブタンクに供給させる液供給制御手段と、を有し
て構成される。
【0032】そして、例えば請求項3記載のように、上
記印字ヘッドは、8列(N=8)のノズル群を備え、上
記液供給制御手段は、上記8列のノズル列を2列(m=
2)づつ4組(k=4)に分けて該4組のノズル列の1
組毎にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのイン
クをそれぞれ供給するよう上記サブタンクの位置と上記
液供給口の動作とを制御するように構成される。
【0033】また、例えば請求項4記載のように、上記
印字ヘッドは、6列(N=6)のノズル群を備え、上記
液供給制御手段は、上記6列のノズル列を2列(m=
2)づつ3組(k=3)に分けて該3組のノズル列の1
組毎にイエロー、マゼンタ及びシアンのインクをそれぞ
れ供給するよう上記サブタンクの位置と上記液供給口の
動作とを制御するように構成される。
【0034】更に、例えば請求項5記載のように、上記
印字ヘッドは、6列(N=6)のノズル群を備え、上記
液供給制御手段は、上記6列のノズル列を2列(m=
2)づつ3組(k=3)に分けて該3組のうちの1組の
ノズル列にマゼンタインク、他の1組のノズル列にシア
ンインク、残る1組の1列のノズル列にイエローイン
ク、他の1列のノズル列にブラックインクをそれぞれ供
給するよう上記サブタンクの位置と上記液供給口の動作
とを制御するように構成される。
【0035】上記液供給制御手段は、例えば請求項6記
載のように、全ての上記ノズル列に一色のインクを供給
するよう上記サブタンクの位置と上記液供給口の動作と
を制御するように構成される。
【0036】また、例えば請求項7記載のように、上記
複数のメインタンクに、ブラックインク、イエローイン
ク、マゼンタインク、シアンインク及び希釈液をそれぞ
れ収容し、上記液供給制御手段は、6列のノズル列を2
列づつ3組に分け、1組の一方のノズル列にブラックイ
ンクを供給し、他方のノズル列にイエローインクを供給
し、他の1組の一方のノズル列にマゼンタインクを供給
し、他方のノズル列にマゼンタインクと希釈液を供給
し、残りの1組の一方のノズル列にシアンインクを供給
し、他方のノズル列にシアンインクと希釈液を供給する
よう上記サブタンクの位置と上記液供給口の動作とを制
御するように構成される。
【0037】そして、例えば請求項8記載のように、上
記ヘッドユニットに対し主走査方向への短い往復移動を
少なくとも1回行わせることにより上記インクと上記希
釈液とを混合する主走査移動制御手段を更に備えて構成
される。
【0038】また、上記印字ヘッドは、例えば請求項9
記載のように、列内の配置ピッチがPであるN列のノズ
ル群を備え、該N列のノズル列を1組として該1組内の
各ノズル列をP/Nづつ副走査方向にずらして形成され
る。
【0039】そして、例えば請求項10記載のように、
上記複数のメインタンクに、ブラックインク、イエロー
インク、マゼンタインク、シアンインク及び洗浄液又は
希釈液をそれぞれ収容し、上記メインタンクに係合する
上記液供給口は、上記ヘッドユニットのいずれの上記サ
ブタンクにも上記ブラックインク、イエローインク、マ
ゼンタインク、シアンインク、洗浄液、又は希釈液を供
給可能であるように配置される。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a) は、第1の実施の形
態におけるインクジェットプリンタの主要部の構成を示
す斜視図であり、同図(b) は、その主要部を構成する印
字ヘッドを同図(a) の矢印Cで示す方向から見た模式的
な正面図である。
【0041】同図(a) に示すように、このインクジェッ
トプリンタの主要部の構成は、ヘッドユニット部41と
メインタンク部42とからなる。ヘッドユニット部41
は、印字ヘッド43とサブタンク部44とが一体に形成
されており、不図示のキャリッジに保持されている。そ
のキャリッジがこれも不図示のモータ及び駆動ベルトに
よって駆動されることにより、ヘッドユニット部41
は、同図(a) の両方向矢印xで示す主走査方向に往復移
動する。尚、同図(a) はヘッドユニット部41が基準位
置(ホームポジション)に在る状態を示している。
【0042】上記のメインタンク部42には、細長い形
状に形成された5個のタンク46(46a、46b、4
6c、46d、46e)が着脱自在に装着されて装置本
体側に固定される。これらのタンク46は、その長手方
向が印字ヘッド43の主走査方向に並行して配置され
る。5個のタンク46には、例えばイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの各インクと洗浄液がそれぞれ収
容されている。これらのタンク46は、中身が空になる
と新品と交換される。
【0043】各タンク46のホームポジション側の下部
には、ポンプ機構47(47a、47b、47c、47
d、47e)が連結される。ポンプ機構47は、特には
図示しないが電磁マイクロポンプから成る。電磁マイク
ロポンプは、メインタンク部42の下部のポンプベース
に支持されて下向きに開口部を形成されたダイヤフラム
と、このダイヤフラムの開口部に形成された入力弁及び
出力弁と、ダイヤフラムの開口部と対極の上部外側に一
端を固着され、磁極が円柱軸の両端に分極している円柱
状の永久磁石と、この永久磁石の側周面を滑動自在に支
持するガイド部材と、永久磁石の自由端側に緩やかに外
嵌するスパイラル状のマイクロコイルとを有している。
【0044】このマイクロコイルに、電流が印加される
と、スイッチング電流によって発生する磁力の極性変化
に追従して永久磁石が上下しダイヤフラムの上部を引上
げ、或は押圧する。これにより、ダイヤフラムの内部圧
力がスイッチング電流の周波数に応じて減増し、入力弁
に連通するタンク46のインクがダイヤフラム内に吸引
され、このインクが出力弁から外部つまりサブタンク部
44に流出する。このポンプ機構47から供給するイン
クの液量は、マイクロコイルに印加する電流の周波数に
よって制御が可能である。これにより、サブタンク部4
4に供給される液量を、所望の液量に制御することがで
きる。
【0045】一方のヘッドユニット部41のサブタンク
部44は、スリット状に形成されたインク受給口を備え
た8個のサブタンク48(48−1、48−2、・・
・、48−8)を備えている。これらサブタンク48の
上記スリット状に形成されたインク受給口は、それぞれ
のインク受給位置(図1(a) のホームポジション及びそ
れより印字領域方向へインク受給口分だけ順次ずれた位
置)で全てのポンプ機構47(インク供給口)に同時に
対応すべく形成されている。
【0046】これらサブタンク48の1個毎の大きさ
(容量)は、標準的な画像を印字する場合を想定し、A
4判の用紙1枚に印字できる大きさに決めている。すな
わち、ここでサブタンクの容量をQ、1ドットの吐出イ
ンク量を50pl(ピコリットル)、解像度(実分解
能)を300dpiとしてA4判の印字有効領域を略2
460×3300ドット、各色ともに印字率を10%、
安全係数A=1.2とすると、Q=50×2460×3
300×l0×A=49μl(マイクロリットル)であ
る。
【0047】また、上記のヘッドユニット部41の印字
ヘッド43は、同図(b) に示すように、インク吐出面
に、例えば1列が125個又は256個というような多
数のインク吐出ノズル51からなる複数列のノズル列5
2(同図(b) の例では8列のノズル列52a、52b、
52c、52d、52e、52f、52g、52h)を
備えている。上述したように、図1(b) に示す例では、
印字ヘッド43の実分解能は300dpiであり、した
がって各ノズル列52の各インク吐出ノズル51の間隔
(配置ピッチP)は、84. 7μmである。そして、同
図(b) に示すように、ノズル列の列数がN(図の例では
N=8)で、各列内の配置ピッチがP(この例ではP=
84. 7μm)のノズル群をm(2≦m<Nの自然数、
この例ではm=2)列づつk(k=N/mの自然数、こ
の例ではk=4)組に分けて各組内におけるノズル列を
P/m(この例ではP/2)づつ副走査方向(Y方向)
にずらして形成されている。
【0048】この印字ヘッド43の上記ノズル列52が
形成されている層の裏面には、特には図示しないが、図
13(b) に示したものと略同様に、LSI形成処理技術
や薄膜形成処理技術を用いてシリコンチップ上に形成さ
れた上記ノズル列52のインク吐出ノズル51に対応す
る数μm単位のサイズの多数の駆動回路、電極、発熱素
子、インク隔壁、インク通路が形成されている。そし
て、そのインク通路に連通するインク受給孔が各ノズル
列に対応してそれぞれシリコンチップを表裏に貫通して
形成されている。
【0049】そして、ノズル列52aのインク受給孔に
はサブタンク48−1の底部に形成されているインク供
給孔が連通し、ノズル列52bのインク受給孔にサブタ
ンク48−3のインク供給孔が連通し、ノズル列52c
のインク受給孔にサブタンク48−5のインク供給孔が
連通し、ノズル列52dのインク受給孔にサブタンク4
8−7のインク供給孔が連通している。
【0050】上述したように、各サブタンク48のスリ
ット状に形成されたインク受給口はそれぞれのインク受
給位置で全てのポンプ機構47に同時に対応するように
形成されているので、いずれのサブタンク48つまりノ
ズル列52に対しても、任意のタンク46のインク又は
洗浄液を供給することができる。
【0051】図1(b) に示す例では、2列1組のノズル
列52aと52bつまりサブタンク48−1と48−2
には、イエローインク(Y)が供給され、これに隣接す
る2列1組のノズル列52cと52dつまりサブタンク
48−3と48−4には、マゼンタインク(M)が供給
され、これに隣接する2列1組のノズル列52eと52
fつまりサブタンク48−5と48−6には、シアンイ
ンク(C)が供給され、そして、これに隣接する2列1
組のノズル列52gと52hつまりサブタンク48−7
と48−8には、ブラックインク(K)が供給される。
【0052】尚、この構成によれば、それぞれのタンク
46のメインタンク部42への挿入は、プリンタ使用者
の任意の個所に挿入することができる。装置本体側でど
のような種類のインクが入っているタンク46であるか
を認識できるように、タンク46側に通知方法さえあれ
ば良い。例えば、タンク46に種類毎の突起物を持たせ
て装置本体側で検知するようにすれば良い。
【0053】このように、インクを収容したタンク46
と印字ヘッド43とを分離し、印字ヘッド43には少量
のインクを一時的に保持するサブタンク48を一体に取
付け、印字の際には印字ヘッド43のみを小さなサブタ
ンク48と共に主走査方向に走行させ、必要に応じて所
定の位置でタンク46からインクをチューブレスでサブ
タンクに供給し、これによって、多種モードの画像に対
しても高速に印字を行う小型のインクジェットプリンタ
を実現することができる。
【0054】また、この印字ヘッド43の構成におい
て、同図(a) に示すx方向(主走査方向)にシングルパ
スで印字するだけで、このインク吐出ノズル51の実分
解能300dpiよりも解像度が2倍大きい600dp
iの高精細のフルカラー画像を形成することができる。
【0055】図2は、上記本発明の高精細画像のシング
ルパス印字の所要時間と従来の高精細画像のマルチパス
印字の所要時間とを比較した図表である。同図に示すよ
うに、従来では実分解能300dpiによる印字時間に
対して倍密度の600dpiのマルチパス印字をした場
合には、図17で説明したように、8倍の時間を必要と
する。
【0056】これに対して、本発明の図1(b) に示す印
字ヘッド43によるシングルパスによる600dpiの
印字では、同じ周波数で印字する場合は、主走査方向の
ピッチも1/2にする為に主走査速度も1/2に低下さ
せるから、300dpiの場合の所要時間Tよりも時間
がかかる。すなわち、「T×2」の時間がかかる。つま
り、2倍の時間がかかるだけである。
【0057】これは、図2からも分かるように従来のマ
ルチパス印字に比較して所要時間が1/4に短縮されて
いる。すなわち、本発明によれば、従来のマルチパスで
印字してインク吐出ノズルの実分解能よりも2倍大きい
解像度で高精細のフルカラー画像を形成する場合より
も、4倍速い印字速度で同様な高精細の画像を印字する
ことができる。
【0058】尚、上記の例ではノズル列を8列としてい
るが、ノズル列はこれに限ることなく、例えば6列であ
っても高精細のフルカラー画像を印字することができ
る。これを第2の実施の形態として以下に説明する。
【0059】図3(a) は、第2の実施の形態における印
字ヘッドの正面図であり、同図(b)はそのサブタンク部
の平面図である。同図(a) に示すように、この印字ヘッ
ド55は、インク吐出面に、1列が125個又は256
個のインク吐出ノズル56からなる6列のノズル列57
(57a、57b、57c、57d、57e、57f)
を備えている。この印字ヘッド55の実分解能は例えば
300dpiである。この場合も、列数が6列(N=
6)のノズル群を2列(m=2)づつ3組(k=3)に
分けて各組内におけるノズル列57がP/2づつ副走査
方向(Y方向)にずらして形成されている。
【0060】これらのノズル列57にそれぞれ対応し
て、同図(b) に示すようにサブタンク部59のサブタン
ク58(58−1、58−2、58−3、58−4、5
8−5、58−6)が印字ヘッド55の裏面に係合して
印字ヘッド55と一体に形成されている。この場合も、
互いにP/2づつ副走査方向にずれた2列1組のノズル
列57に対応する2つのサブタンク58に同一の色イン
クが供給される。すなわち、サブタンク58−1と58
−2にイエローインク(Y)、サブタンク58−3と5
8−4にマゼンタインク(M)、サブタンク58−5と
58−6にシアンインク(C)がそれぞれ供給される。
Y、M、Cの3色を重ね印字して3色を混合すれば略黒
に近い色が発色するから、これでも文字や画像の黒部分
の印字に対応することができる。
【0061】したがって、この場合も、ノズル列のより
少ない印字ヘッド55の主走査方向(X方向)へのシン
グルパスの印字で、インク吐出ノズル56の実分解能よ
りも解像度が2倍大きい600dpiの高精細のフルカ
ラー画像の印字が、従来のマルチパスによるインク吐出
ノズルの実分解能よりも解像度が2倍大きいフルカラー
画像の印字の場合よりも、速い印字速度で印字する高速
印字が実現する。
【0062】尚、文字や画像の黒部分の印字は上述した
ようにY、M、Cの3色を重ねて印字して3色を混合す
れば略黒に近い色が発色する。しかし、このように混色
による黒色部分の印字は、ブラックインクで黒色部分を
印字する場合に比べて濃度が低く、完成した印字画像の
コントラストが多少不足ぎみの画像となり、視覚的にや
や物足りないと不満に思われる場合もある。
【0063】そこで、このような場合には、印字画像の
画質が視覚的に良好な印象を受けるものにするために、
黒色部分の印字にはブラックインクを使用することにし
て、ブラックインクを供給するサブタンクについては、
イエローインク、マゼンタインク、シアンインクのサブ
タンクのうちで、印字解像度の視認性が最も低いインク
を供給していたサブタンクの個数を半分に減らして、そ
の減らして空いた半分のサブタンクにブラックインクを
供給するようにする。以下、これを第3の実施の形態と
して説明する。
【0064】図4は、第3の実施の形態におけるヘッド
ユニット部の平面図である。尚、同図に示すヘッドユニ
ット部60は、図3の印字ヘッド55とサブタンク部5
9からなるヘッドユニット部と同一であるので、各構成
部分には図3と同一の番号を付して示している。
【0065】同図に示すように、図3ではイエローイン
ク(Y)を供給していた2つのサブタンク58−1及び
58−2の半分つまり一方のサブタンク58−1を減ら
して空け(イエローインクの供給をやめて開放し)、こ
の空けた(開放した)サブタンク58−1にブラックイ
ンク(K)を供給するようにする。
【0066】このように、イエローインク(Y)のサブ
タンク数を半分に減らす理由は、イエローインク、マゼ
ンタインク、及びシアンインクのなかで、印字解像力の
視認性が最も低いインク(色)はイエローだからであ
る。また、ブラックは、文字やカラー画像の黒部分を強
調するだけのものであるため、カラー部分よりも解像度
が低くても不自然に感じ取られることは殆どない。
【0067】尚、この場合、例えば図3(b) に示すブラ
ックインク無しのフルカラー印字モードから、本例のブ
ラックインク付きのフルカラー印字モードに変更になる
と、まず、印字を開始する前に、メインタンク部42か
らヘッドユニット部60のサブタンク58にインクを供
給する必要がある。このとき、新たな印字モードで印字
を開始する前に、各サブタンク58に入っていたインク
の色と新たにサブタンク58に入れるインクの色とが混
色しないようにする必要がある。
【0068】上述したように、5個のタンク46から
は、その収納するインク又は洗浄液を、ノズル列57毎
に連通する6個のサブタンク58のいずれにも供給する
ことができるようになっているから、まず、洗浄液で各
サブタンクの洗浄を実行する。これには、先ず始めに、
タンク46eに収容されている洗浄液を用い、ヘッドユ
ニット60のx方向(主走査方向)への移動動作によっ
て、ポンプ機構47を各サブタンク58−1〜58−5
の位置にそれぞれ合わせながら、それらのサブタンク5
8−1〜58−5に適量の洗浄液を注入する。
【0069】そして、各サブタンク58に対応して連通
している各ノズル列57からその注入した洗浄液を吐出
する。これによって、各サブタンク58内及び各ノズル
列57が洗浄されて混色が防止される。この洗浄処理の
後、新たな印字モードで印字を実行するために、各タン
ク46a〜46dから各サブタンク58a〜58fに新
たなインクを供給する。
【0070】この後、この場合も、主走査方向(X方
向)にシングルパスで印字するだけで、印字解像度の視
認性が最も低いイエローインクについては印字解像度が
インク吐出ノズルの実分解能と等しく低いがその低さが
目立たず、これ以外のカラーインクについては印字解像
度がインク吐出ノズルの実分解能の2倍で印字されて視
覚的に高いカラー解像度が観取され、且つ、黒色部分の
印字濃度の高くコントラストの明快なフルカラー画像が
得られる。
【0071】すなわち、インク吐出ノズル56の実分解
能300dpiよりも走査解像度が2倍大きい600d
piの、ブラックインクによる印字部分を伴った、視覚
的なコントラストが良好な高精細のフルカラー画像を形
成することができる。
【0072】尚、一般の文章の印字に比較して上述のフ
ルカラー画像の印字はインクを多量に使用するので、用
紙の乾燥が遅くなる虞がある。したがって、用紙の乾燥
を早めるためにファンを取り付けるようにするとよい結
果が得られる。
【0073】図5は、第4の実施の形態における用紙乾
燥ファンを配設したインクジェットプリンタの主要部の
構成を示す斜視図である。同図に示すヘッドユニット部
は、図3及び図4に示した6列のノズル列の印字ヘッド
55とこれに対応する6個のサブタンクを有するサブタ
ンク部59からなるヘッドユニット部60であり、メイ
ンタンク部は、図1に示したイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック及び洗浄液をそれぞれ収納した5つのタン
ク46を装着されたメインタンク部42である。
【0074】図5の破線55′に示すように、ヘッドユ
ニット部60は、主走査方向(矢印x方向)に往復移動
して印字を行い、その印字ヘッド55のインク吐出面に
対向して、用紙61が副走査方向(矢印y方向)に搬送
される。ヘッドユニット部60が往復走行する印字部の
用紙搬送方向下流側に、用紙61の幅に対応する長尺の
ファン62が、用紙61に対してヘッドユニット部60
の反対側に配置されている。勿論、ファン62は用紙6
1に対してヘッドユニット部60と同じ側に配置しても
よい。
【0075】このファン62を用いて風を当て、印字用
紙上に吐出されたインクを乾燥させる。上述したよう
に、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクに
よる印字、または、ブラックインクを加えた印字を実行
するに際しては、多量のインクを混色させるから、印字
画像の画質劣化を防ぐために、本来は自然乾燥させる時
間が必要である。しかし、上述のように、インク乾燥機
構を配設して、強制的に印字用紙上に吐出されたインク
を乾燥させることにより、印字時間をさらに短縮するこ
とができる。尚、このファン62には温風ファンを用い
ると一層よい結果が得られる。
【0076】図6は、上記のインクジェットプリンタの
システム構成を示すブロック図である。尚、このシステ
ム構成は、上記の第4の実施形態のインクジェットプリ
ンタだけに限らず、前述した第1〜第3の実施形態にお
けるインクジェットプリンタに共通するシステム構成で
ある。
【0077】同図に示すように、インクジェットプリン
タ65のシステム構成は、キャリッジによって主走査方
向に往復移動する移動部66と、その他の固定配置され
ている部分である静止部(制御部)67とに分かれてい
る。
【0078】上記一方の移動部66は、印字ヘッド55
を印字駆動するドライバ68からなる。そして、他方の
静止部67は、MPU(micro processing unit) 71
と、このMPU71にバス72を介して接続されたI/
F(インターフェース)73及びヘッド制御部74、並
びに上記I/F73に接続されたメモリA75及びヘッ
ド制御部74に接続されたメモリB76からなる。
【0079】このインクジェットプリンタ65には、ホ
スト機器であるPC(パーソナルコンピュータ)77か
ら、I/F73を介して、印字データ及び制御データが
入力する。MPU71は、I/F73を介しメモリA7
5を制御しながら上記の印字データ及び制御データを受
信する。
【0080】また、MPU71には、各部を監視するセ
ンサの出力78が入力し、MPU71からは用紙を搬送
させるためのモータや、歯付き平ベルト(つまりヘッド
ユニット部60)を往復移動させるためのベルト駆動モ
ータを回転させる駆動信号79が出力される。また、M
PU71は、ヘッド制御部74を介してメモリB76に
1ライン毎の印字データを展開し、その展開した印字デ
ータに基づいて、ヘッド制御部74を介してドライバ6
8を制御する。
【0081】MPU71は、これら各部を上記センサの
出力78を参照しながら駆動する。また、ヘッド制御部
74からドライバ68への印字データや制御信号の転送
は、IrDA67−1、66−1によって行われる。勿
論、図12の場合と同様に、フレキシブル通信ケーブル
を用いるようにしてもよい。
【0082】前述の図3(b) に示したサブタンク58−
1のイエローインク(Y)の供給を取りやめて、図4に
示したようにブラックインクを供給する切り換え作業は
上記のMPU71の制御により、ヘッドユニット部60
のサブタンク部59のサブタンク58−1を、図5に示
すように、ポンプ機構47の位置に停止させ、先ず洗浄
液を供給してサブタンク58−1内を洗浄し、この後、
ブラックインクを供給して、印字を開始するものであ
る。
【0083】このように、図3(b) に示すブラックイン
クを用いないフルカラー印字モードと、図4に示すブラ
ックインクを用いるフルカラー印字モードと、さらに
は、2列1組のなかの1列のノズル列のみを駆動して行
う300dpiの実分解能による低解像度のフルカラー
印字モード等の印字モードの切り換えは、外部からの指
示入力に応じてMPU71により制御されて切り換えら
れる。
【0084】尚、上述した実施の形態では、いずれもフ
ルカラー画像の印字を想定して説明しているが、一色の
印字の場合には、更に高速に高精細の印字を行うことが
できる。例えば、芸術性の高い写真では、フルカラーで
なく、わざわざモノクロで撮影する場合が多い。インク
ジェットプリンタにおいても上述した高精細の印字モー
ドで印字すれば、そのようなモノクロのハーフトーンの
美麗な画像を印刷することができる。また、文章を印字
する場合もモノクロ印字が圧倒的に多いが、そのような
場合にも、時間に無駄なく高速に印字することができ
る。以下、これを第5の実施の形態として説明する。
【0085】図7(a),(b) は、第5の実施の形態におけ
るヘッドユニット部の平面図である。尚、同図(a),(b)
に示すヘッドユニット部の構成は、図4のヘッドユニッ
ト部60と同一であり、主要部のハード構成は図5と同
一であり、システム構成は図6と同一である。
【0086】図7(a),(b) において、図6に示したMP
U71は、単色(モノクロ)の印字画像を形成する場合
において、まず、モノクロ印字画像の印字データ量を算
出して、印字画像全体を形成するために必要なブラック
インクの使用量を算出する。
【0087】前述したように、解像度を300dpiと
し、A4判の印字有効領域を略2460×3300ドッ
トとし、印字率を10%とし、安全係数A=1.2とす
ると、A4判用紙1枚のインク使用量は49μl(マイ
クロリットル)である。本例では、この量をサブタンク
1個の容量としていることは既に述べたが、これを基に
して、いまから用紙何枚分の画像を印字するのかが分か
れば容易にその使用インク量を算出することができる。
【0088】上記のインク量が例えば解像度600dp
iでA4判の用紙5枚分であると算出されると、MPU
71は、図7(a) に示すように、先ず6個全てのサブタ
ンク58にブラックインクを満杯に供給する。これで3
頁分の解像度600dpiの画像の印字が可能である。
最初は例えばノズル列57aと57bの1組で1頁の印
字を行う。これで、サブタンク58−1と58−2のブ
ラックインクが空になる。次に、ノズル列57cと57
dの1組で2頁目の印字を行ってサブタンク58−3と
58−4のブラックインクが空になると、更に、ノズル
列57eと57fの1組で3頁目の印字を行う。これで
6個全てのサブタンク58が空になる。ここまでは、イ
ンク補給のために停止することなく連続して印字が実行
される。
【0089】ここで、ヘッドユニット60をホームポジ
ションに移動させ、ホームポジション各インク供給位置
において、同図(b) に示すように、サブタンク58−1
〜58−4にブラックインクを満杯に補給する。サブタ
ンク58−5と58−6は空のままにしておく。これ
で、残り2頁分の印字をインク補給のために停止するこ
となく連続して印字することができる。
【0090】尚、上記のインク補給では、残り2頁分の
ブラックインクを6個のサブタンク58−1〜58−6
に平均して補給するようにしてもよい。また、インクの
残量検知の方法は、センサを用いてよく、或は吐出した
インクの液滴量を計数して予測制御することも可能であ
る。
【0091】いずれにしても、印字ヘッド55のシング
ルパス印字で、インク吐出ノズル56の実分解能よりも
解像度が2倍大きいモノクロ画像の印字が、従来のマル
チパスによるインク吐出ノズルの実分解能よりも解像度
が2倍大きいモノクロ画像の印字の場合よりも、速い印
字速度(具体的には図2で説明したように8倍の速度)
で印字できると共に、極めて少ないインク補給回数(具
体的には従来の構成では4回の補給を行うべきところ1
回の補給すなわち1/4の補給時間)で補給を行い、高
速に印字を実行することができる。
【0092】このように、一色のインクによる印字の場
合であれば、いずれの色のインクであっても、上記同様
に全てのサブタンクを用いて、最低限のインク補給回数
による高速印字が実現する。
【0093】尚、上述の各実施の形態では、メインタン
ク部42の各タンク46にはブラックインク、イエロー
インク、マゼンタインク及びシアンインクの他に洗浄液
を収容しているが、洗浄液を廃止し、その代わりに補給
するインクそのものを使用して洗浄するようにしてもよ
い。
【0094】この洗浄処理は、専用の洗浄液による洗浄
の場合と同様に、各サブタンク58に供給されるインク
の種類が変更される印字モードの変更の際に実施され
る。まず、印字モードの変更が指定されると、全ての各
サブタンク58に供給されていたインクの残りインク
を、各サブタンク58に対応して連通している各ノズル
列57から排出する。この排出処理で各サブタンク58
に残っているインクを完全に排出することは出来ない
が、上記に続けて、印字モード変更後に各サブタンク5
8に供給すべきインクをそれぞれ対応するサブタンク5
8に供給する。このままの状態では印字を実行しても混
色を起こしてしまうから再度各サブタンク58に供給さ
れているインクを各ノズル列57から排出する。このよ
うにインクの供給と排出とを何度か繰り返すことによ
り、各サブタンク58内において、印字モードを変更す
る前後の2種類のインクの混色が解消されて、各サブタ
ンク58の洗浄が完了する。
【0095】このように洗浄液を用いない洗浄方法を用
いれば、洗浄液用のタンクが不要となり、メインタンク
部42の形状を小さくする、すなわち、装置本体を更に
小型にすることができる。また、そのようにしても、各
タンク46には多量のインクが収容されているので、イ
ンク不足を引き起こすようなことはない。
【0096】また、メインタンク部42の構成を縮小す
るのではなく、専用の洗浄液の代わりにインクの希釈液
を収容するようにしてもよい。このようにすると、高精
細で且つ高階調の画像を印刷することができる。以下、
これについて、第6の実施の形態として説明する。
【0097】図8は、第6の実施の形態におけるヘッド
ユニット部の平面図である。このヘッドユニット部の構
成も、図4のヘッドユニット部60と同一であり、主要
部のハード構成は図5と同一であり、システム構成は図
6と同一である。ただ、図5に示すメインタンク部42
において、上記までの実施の形態では専用の洗浄液を収
容していたタンク46の代わりに、インクの希釈液を収
容したタンク46を装着するようにする。この希釈液
は、マゼンタインク又はシアンインクを希釈してライト
マゼンタインク又はライトシアンインクを生成するため
に使用されると共に、サブタンク58の洗浄を行う洗浄
液に兼用される。
【0098】本例では、図8に示すように、2列づつ3
組に分けられた6列のノズル列57の1組のノズル列5
7a及び57bの一方のノズル列57aに対応するサブ
タンク58−1にブラックインクが供給され、他方のノ
ズル列57bに対応するサブタンク58−2にはイエロ
ーインクが供給される。隣接する他の1組の一方のノズ
ル列57cに対応するサブタンク58−3にマゼンタイ
ンクが供給され、他方のノズル列57dに対応するサブ
タンク58−4にはマゼンタインクと希釈液が供給され
る。そして、残りの1組の一方のノズル列57eに対応
するサブタンク58−5にシアンインクが供給され、他
方のノズル列57fに対応するサブタンク58−6には
シアンインクと希釈液が供給される。
【0099】この後、サブタンク58の上面全体を不図
示の蓋部材で覆った状態で、ヘッドユニット部60を所
定の微小区間内で数回往復移動させて、サブタンク58
−4内のマゼンタインクと希釈液及びサブタンク58−
6内のシアンインクと希釈液を攪拌して混ぜ合わせる。
これにより、図18に示すように、サブタンク58−1
にはブラックインク(K)、サブタンク58−2にはイ
エローインク(Y)、サブタンク58−3にはマゼンタ
インク(M)、サブタンク58−4にはライトマゼンタ
インク(Lm)、サブタンク58−5にはシアンインク
(C)、そして、サブタンク58−6にはライトシアン
インク(Lc)がそれぞれ供給されたことになる。
【0100】この場合は、ヘッドユニット部60を主走
査方向に印字走査させて、印字用紙に各インクを適量吐
出させるフルカラー高階調印字モードによる印字を行う
ことにより、フルカラーの高階調の印字画像が形成され
る。
【0101】以上述べたように、指定又は選択された印
字モード(実分解能による通常印字モード又は2倍の分
解能による高精細印字モード、それぞれについて、フル
カラー印字モード又はモノクロ等一色のみの印字モー
ド、高精細のフルカラーの場合はブラックインクを用い
る場合と用いない場合)に応じて、ノズル列とインクの
種類との対応関係が設定され、変更された印字モードに
おいて、サブタンク内のそれまでのインクが変更となる
場合は、専用の洗浄液による洗浄、洗浄兼用の希釈液に
よる洗浄、又はインクそのものによる洗浄が行われてイ
ンクが入れ換えられた後、変更された印字モードによる
印字が実行される。
【0102】続いて、インク吐出ノズルのピッチが30
0dpiで、上記よりも更に高精細な画像を印字する、
すなわち超高精細画像を印字する方法について、第7の
実施の形態として説明する。
【0103】図9(a) は、第7の実施の形態における印
字ヘッドの正面図であり、同図(b),(c) は、そのヘッド
ユニット部のサブタンクへのインク色配分の例を示す図
である。同図(a) に示すように、この印字ヘッド80
は、列内の配置ピッチがPである複数のインク吐出ノズ
ル81からなるN列(この例ではN=6)のインク吐出
ノズル群を備えている。そして、これらN(6)列のノ
ズル列82(82a、82b、・・・、82f)を1組
として、該1組内の各ノズル列82をP/N(この例で
はN/6)づつ副走査方向にずらして形成されている。
【0104】尚、印字ヘッド80のノズル列82のずれ
方が異なるだけで、ヘッドユニット部の他の構成は図4
のヘッドユニット部60の場合と同一であり、主要部の
ハード構成は図5と同一であり、システム構成は図6と
同一である。また、この場合、図5に示すメインタンク
部42においては、専用の洗浄液を収容していたタンク
46eの装着部に、インクの希釈液を収容したタンク4
6を装着するようにする。
【0105】これにより、この場合も、各タンクに収容
されているブラックインク、イエローインク、マゼンタ
インク、シアンインク及び希釈液は、上記ヘッドユニッ
トのいずれのサブタンクにも供給が可能である。そし
て、この場合も、ヘッドユニットを交換することなく、
サブタンクに供給するインクの種類(色)を変更するこ
とにより、各種の印字モード、すなわち、モノクロ超高
解像度印字モード、フルカラー高階調印字モード、フル
カラー超高解像度印字モード、フルカラー超高解像度・
高階調印字モードの4つ印字モードを任意に切り換えて
印字することができる。
【0106】すなわち、同図(b) に示す印字モードはモ
ノクロ超高解像度の印字モードであり、上記の各ノズル
列82a〜82fに対応する各サブタンク83−1〜8
3−6の全てのサブタンク83(83−1〜83−6)
にブラックインクが供給される。
【0107】この場合は、主走査方向(x方向)にシン
グルパスで印字走査するだけで、インク吐出ノズル81
の実分解能300dpiよりも走査解像度が6倍大きい
1800dpiの超高解像度のモノクロ画像を形成する
ことができる。この場合もシングルパスの1走査は、3
00dpiの場合の6倍の時間で済み、図17からも分
かるように、これでもなおマルチパスの上記よりも低解
像度である2倍の解像度の場合よりも速く、さらにマル
チパスの4倍の解像度の場合に比べるとおよそ5.5倍
の速度であって極めて高速であることが分かる。一般
に、実分解能300dpiの印字ヘッドによってマルチ
パスによる6倍の走査解像度で印字を行うとしても、時
間が掛り過ぎて実用にならない。
【0108】また、同図(c) は、上記の印字ヘッド80
を用いてフルカラー高階調の印字モードで画像を印字す
る場合のサブタンクへのインク配分を示している。同図
(c)に示すように、サブタンク83−1にはブラックイ
ンク、サブタンク83−2にはイエローインク、サブタ
ンク83−3にはマゼンタインク、サブタンク83−4
にはライトマゼンタインク(マゼンタインクと希釈
液)、サブタンク83−5にはシアンインク、サブタン
ク83−6にはライトシアンインク(シアンインクと希
釈液)が供給される。このより、シングルパスで印字走
査して、フルカラー高階調の画像を印字することができ
る。
【0109】図10(a) 〜(d) は、上記の印字ヘッド8
0によるフルカラー超高解像度の画像の印字を行う場合
のサブタンクへのインク配分を示す図である。先ず、同
図(a) に示すように、全てのサブタンクにブラックイン
クを供給して用紙一面にブラックの印字データによる画
像をシングルパスで印刷する。次に、全てのサブタンク
を洗浄した後、同図(b) に示すように、全てのサブタン
クにイエローインクを供給して上記ブラック画像を印刷
済みの用紙一面に重ねてイエローの印字データによる画
像をシングルパスで印刷する。
【0110】続いて、再び全てのサブタンクを洗浄した
後、同図(c) に示すように、全てのサブタンクにマゼン
タインクを供給して上記ブラックとイエローの画像を重
ねて印刷済みの用紙一面に更に重ねてマゼンタの印字デ
ータによる画像をシングルパスで印刷する。そして、最
後に、三度目の全てのサブタンクの洗浄を行った後、そ
れら全てのサブタンクに、同図(d) に示すようにシアン
インクを供給し、上記ブラックとイエローとマゼンタの
画像を重ねて印刷済みの用紙一面に更に重ねてシアンの
印字データによる画像をシングルパスで印刷する。これ
により、フルカラー超高解像度の画像を印字することが
できる。
【0111】図11(a) 〜(f) は、上記の印字ヘッド8
0によるフルカラー超高解像度・高階調の画像の印字を
行う場合のサブタンクへのインク配分を示す図である。
この場合も、同図(a),(b),(c),(e) に示すように、ブラ
ック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各インクを重ね
て印字する方法は、上記の解像度印字の場合と同様であ
る。そして、この場合は、更に途中で同図(d) に示すよ
うにライトマゼンタインク(マゼンタと希釈液の混合)
に切り換えられて、ライトマゼンタの印字データによる
画像がシングルパスで重ね印刷され、そして最後に同図
(f) に示すようにライトシアン(シアンインクと希釈液
の混合)に切り換えられて、ライトシアンの印字データ
による画像がシングルパスで重ね印刷される。
【0112】これにより、フルカラー超高解像度・高階
調の画像がシングルパス印字で高速に印字される。
【0113】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、印字ヘッドのN列の配置ピッチPのノズル群をm
(2≦m≦Nの自然数)列づつk(k=N/mの自然
数)組に分けて各組内におけるノズル列をP/mづつ副
走査方向にずらして形成し、各ノズル列に対応するサブ
タンクを印字ヘッドと一体に設け、これらのサブタンク
にインク、洗浄液あるいは希釈液を供給又は補給するメ
インタンクを印字ヘッドから切り離してプリンタ本体側
に位置固定して配置し、メインタンクの各液を任意のサ
ブタンク供給できる構成としたので、印字ヘッドやサブ
タンクを交換することなく任意の色のインクを印字ヘッ
ドに円滑に供給することができ、これにより、高解像
度、高階調、又は超高解像度且つ高階調のモノクロ画像
又はフルカラー画像を、シングルパスにより高速に印字
することができ、加えて、小型でありながら多枚数の用
紙にインクタンクを交換しなくても連続して印字できる
と共に、多様な印字モードを印字ヘッドを交換する等の
煩わしい切り換え手数をかけることなく任意に選択して
印字できる極めて使い勝手の良いインクジェットプリン
タを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は第1の実施の形態におけるインクジェッ
トプリンタの主要部の構成を示す斜視図、(b) はその印
字ヘッドを矢印Cで示す方向から見た模式的な正面図で
ある。
【図2】第1の実施の形態におけるインクジェットプリ
ンタによる高精細画像のシングルパス印字の所要時間と
従来の高精細画像のマルチパス印字の所要時間とを比較
した図表である。
【図3】(a) は第2の実施の形態の印字ヘッドの正面
図、(b) はそのサブタンクの平面図である。
【図4】第3の実施の形態におけるヘッドユニット部の
平面図である。
【図5】第4の実施の形態における用紙乾燥ファンを配
設したインクジェットプリンタの主要部の構成を示す斜
視図である。
【図6】各実施形態におけるインクジェットプリンタの
システム構成を示すブロック図である。
【図7】(a),(b) は、第5の実施の形態におけるヘッド
ユニット部の平面図である。
【図8】第6の実施の形態におけるヘッドユニット部の
平面図である。
【図9】(a) は第7の実施の形態における印字ヘッドの
正面図、(b),(c) はそのヘッドユニット部のサブタンク
へのインク色配分の例を示す図である。
【図10】(a) 〜(d) は第7の実施の形態における印字
ヘッドによる超高解像度のフルカラー画像の印字を行う
場合のサブタンクへのインク配分を示す図である。
【図11】(a) 〜(f) は第7の実施の形態における印字
ヘッドによる超高階調度のフルカラー画像の印字を行う
場合のサブタンクへのインク配分を示す図である。
【図12】従来のシリアルインクジェットプリンタの構
成を模式的に示す斜視図である。
【図13】(a) は従来の印字ヘッドを用紙側から見た拡
大図(図11のA矢視拡大図)、(b) はその印字ヘッド
を側面方向から見た拡大断面図(図11のB矢視拡大断
面図)である。
【図14】(a),(b),(c),(d) は従来のインクカートリッ
ジのインク室と印字ヘッドのインク受給孔との連通状態
を模式的に示す断面図である。
【図15】(a),(b),(c) は従来の実分解能よりも高い印
字解像度で印字する場合の印字画像を説明する図であ
る。
【図16】(a),(b),(c),(d) は従来のマルチパス制御の
印字方法を説明する図である。
【図17】従来のマルチパス印字の所要時間を説明する
図表である。
【符号の説明】
1 シリアルインクジェットプリンタ(プリンタ) 2 キャリッジ 3 印字ヘッド 4 インクタンク(インクカートリッジ) 5 ガイドレール 6 歯付き駆動ベルト 7 フレキシブル通信ケーブル 8 フレーム 9 プラテン 10 モータ 11 用紙 12 紙送りローラ 13(13y、13m、13c、13k) ノズル列 14 ノズル 15 シリコンチップ 16 発熱素子 17 駆動電極 18 共通電極 19a 駆動回路側インク隔壁 19b インク供給孔側インク隔壁 21 ノズル板 22 インク受給孔 23 インク通路 24 インク供給口 25(25y、25m、25c、25k) インク室 26 印字ヘッド 27 ノズル 27−1、27−2、27−3、27−4 ノズルのド
ット 28 ノズル列 30 高精細画像 31 実分解能の印字ドット 32 解像度倍増分の印字ドット 34−1〜34−8 精細画像のドット行 41 ヘッドユニット部 42 メインタンク部 43 印字ヘッド 44 サブタンク部 46(46a、46b、46c、46d、46e) タ
ンク 47(47a、47b、47c、47d、47e) ポ
ンプ機構 48(48−1、48−2、・・・、48−8) サブ
タンク 51 インク吐出ノズル(ノズル) 52(52a、52b、・・・、52h) ノズル列 55 印字ヘッド 56 インク吐出ノズル 57(57a、57b、・・・、57f) ノズル列 58(58−1、58−2、・・・、58−6) サブ
タンク 59 サブタンク部 60 ヘッドユニット部 61 用紙 62 ファン 65 インクジェットプリンタ 66 移動部 66−1 IrDA 67 静止部(制御部) 67−1 IrDA 68 ドライバ 71 MPU(micro processing unit) 72 バス 73 I/F(インターフェース) 74 ヘッド制御部 75 メモリA 76 メモリB 77 PC(パーソナルコンピュータ) 78 センサの出力 79 駆動信号 80 印字ヘッド 81 インク吐出ノズル 82(82a、82b、・・・、82f) ノズル列 83(83−1、83−2、・・・、83−6) サブ
タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大杉 直寛 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 Fターム(参考) 2C056 EA00 EA04 EA11 EC11 EC19 EC64 EC65 EC66 ED08 EE08 HA22 KB05 KB21 KB37 KD01 2C057 AF01 AF33 AF91 AG14 AG15 AG16 AM26 CA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 列数がNで該列内の配置ピッチがPのノ
    ズル群をm(2≦m≦Nの自然数)列づつk(k=N/
    mの自然数)組に分けて各組内におけるノズル列をP/
    mづつ副走査方向にずらして形成された複数のノズル列
    を備えた印字ヘッドを有することを特徴とするインクジ
    ェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 列数がNで該列内の配置ピッチがPのノ
    ズル群をm(2≦m≦Nの自然数)列づつk(k=N/
    mの自然数)組に分けて各組内におけるノズル列をP/
    mづつ副走査方向にずらして形成された複数のノズル列
    を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドの前記ノズル列に
    それぞれ対応して設けられ外部から供給されるインクを
    一時的に保持して該インクを対応するノズル列に供給す
    るサブタンクと、を備え、用紙の進行方向と直角な主走
    査方向に往復移動しながら前記ノズル列より前記インク
    を吐出して前記用紙に印字を行うヘッドユニットと、 該ヘッドユニットの前記サブタンクに前記インクを供給
    すべく該インクを収容して装置本体に配置される複数の
    メインタンクと、 該メインタンク夫々に連通させて該メインタンクに収容
    されている前記インクを前記ヘッドユニットのいずれの
    前記サブタンクにも任意の量を供給可能であるように配
    置される複数の液供給口と、 該液供給口の動作を制御して前記メインタンクの前記イ
    ンクを任意の前記ノズル列に対応する前記サブタンクに
    供給させる液供給制御手段と、 を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記印字ヘッドは、8列(N=8)のノ
    ズル群を備え、前記液供給制御手段は、前記8列のノズ
    ル列を2列(m=2)づつ4組(k=4)に分けて該4
    組のノズル列の1組毎にイエロー、マゼンタ、シアン及
    びブラックのインクをそれぞれ供給するよう前記サブタ
    ンクの位置と前記液供給口の動作とを制御することを特
    徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記印字ヘッドは、6列(N=6)のノ
    ズル群を備え、前記液供給制御手段は、前記6列のノズ
    ル列を2列(m=2)づつ3組(k=3)に分けて該3
    組のノズル列の1組毎にイエロー、マゼンタ及びシアン
    のインクをそれぞれ供給するよう前記サブタンクの位置
    と前記液供給口の動作とを制御することを特徴とする請
    求項2記載のインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記印字ヘッドは6列(N=6)のノズ
    ル群を備え、前記液供給制御手段は、前記6列のノズル
    列を2列(m=2)づつ3組(k=3)に分けて該3組
    のうちの1組のノズル列にマゼンタインク、他の1組の
    ノズル列にシアンインク、残る1組の1列のノズル列に
    イエローインク、他の1列のノズル列にブラックインク
    をそれぞれ供給するよう前記サブタンクの位置と前記液
    供給口の動作とを制御することを特徴とする請求項2記
    載のインクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記液供給制御手段は、全ての前記ノズ
    ル列に一色のインクを供給するよう前記サブタンクの位
    置と前記液供給口の動作とを制御することを特徴とする
    請求項2、3又は4記載のインクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記複数のメインタンクに、ブラックイ
    ンク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク
    及び希釈液をそれぞれ収容し、前記液供給制御手段は、
    6列のノズル列を2列づつ3組に分け、1組の一方のノ
    ズル列にブラックインクを供給し、他方のノズル列にイ
    エローインクを供給し、他の1組の一方のノズル列にマ
    ゼンタインクを供給し、他方のノズル列にマゼンタイン
    クと希釈液を供給し、残りの1組の一方のノズル列にシ
    アンインクを供給し、他方のノズル列にシアンインクと
    希釈液を供給するよう前記サブタンクの位置と前記液供
    給口の動作とを制御することを特徴とする請求項4記載
    のインクジェットプリンタ。
  8. 【請求項8】 前記ヘッドユニットに対し主走査方向へ
    の短い往復移動を少なくとも1回行わせることにより前
    記インクと前記希釈液とを混合する主走査移動制御手段
    を更に備えることを特徴とする請求項7記載のインクジ
    ェットプリンタ。
  9. 【請求項9】 前記印字ヘッドは、列内の配置ピッチが
    PであるN列のノズル群を備え、該N列のノズル列を1
    組として該1組内の各ノズル列をP/Nづつ副走査方向
    にずらして形成されたことを特徴とする請求項2記載の
    インクジェットプリンタ。
  10. 【請求項10】 前記複数のメインタンクに、ブラック
    インク、イエローインク、マゼンタインク、シアンイン
    ク及び洗浄液又は希釈液をそれぞれ収容し、前記メイン
    タンクに連通する前記液供給口は、前記ヘッドユニット
    のいずれの前記サブタンクにも前記ブラックインク、イ
    エローインク、マゼンタインク、シアンインク、洗浄
    液、又は希釈液を供給可能であるように配置されること
    を特徴とする請求項9記載のインクジェットプリンタ。
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