JP2005349639A - 印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制する。
【解決手段】 インクを噴射するヘッド41と、ヘッドを所定方向に移動させるヘッド移動機構(キャリッジ移動機構30)と、温度を測定する温度測定部(ヘッド温度センサ65)と、コントローラ(プリンタドライバ116,プリンタコントローラ70)とを有する。コントローラは、ヘッド移動機構によってヘッドを所定方向に移動させつつ、ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作(ドット形成動作)を行わせることで、媒体(用紙S)に、所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させる。また、コントローラは、温度測定部によって測定された測定温度に応じて、1つのライン領域(ラスタライン)の画像を完成させるために必要な移動噴射動作の回数を定める。
【選択図】 図17

Description

本発明は、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制する印刷装置、及び印刷方法に関する。
画像を印刷する印刷装置として、媒体にインクを噴射してドットを形成するインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという。)が知られている。このプリンタは、キャリッジ移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射し、媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送機構により媒体を搬送方向へ搬送する搬送動作とを行う。これらのドット形成動作と搬送動作とが繰り返し行われることにより、媒体には、画像が印刷される。すなわち、ドット形成動作によって、キャリッジの移動方向に沿ったライン領域(ラスタライン)には単位画像が形成される。そして、ドット形成動作と搬送動作とが繰り返し行われることで、単位画像が交差方向に複数形成され、媒体には、所望の画像が印刷される。
このプリンタでは、噴射部としてのノズルからインクが噴射される。このため、インクの一部は、ノズルを通じて外気に晒されている。インクに含まれるインク溶媒は、ノズルを通じて外気に晒されている部分(メニスカスともいう。)から蒸発する。このインク溶媒の蒸発により、インクが増粘してしまったり、色材濃度が上昇してしまったりする。このようなインク溶媒の蒸発に起因するインク増粘や色材濃度の上昇を防止するため、メニスカスを微振動させるプリンタが提案されている。このプリンタでは、例えば、各ノズルの噴射状態(稼働状態)に基づき、各ノズルに適した微振動を行わせる。
特開2000−37867号公報
ところで、インク溶媒の蒸発度合いは、ヘッドの温度やヘッドが晒されている環境の温度によっても変化する。このため、単に、各ノズルの噴射状態に基づき定められた条件で微振動を行わせただけでは攪拌が不十分となり、色材濃度が上昇したインクを印刷に用いざるを得ない場合がある。
この場合、色材濃度が上昇したインクで印刷された部分と、通常濃度のインクで印刷された部分との間で色目が異なってしまい、画像の濃度ムラとなる。そして、色材濃度が上昇したインクがノズルから排除されるまでには、インクの噴射を複数回続けて行う必要がある。このため、媒体上には濃いドットが連続的に形成され、濃度ムラが目視し得る範囲で生じてしまう。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制することにある。
主たる発明は、
インクを噴射するヘッドと、
前記ヘッドを所定方向に移動させるヘッド移動機構と、
温度を測定する温度測定部と、
前記ヘッド移動機構によって前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させ、且つ、前記温度測定部によって測定された測定温度に応じて、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を定めるコントローラと、
を有する印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、インクを噴射するヘッドと、前記ヘッドを所定方向に移動させるヘッド移動機構と、温度を測定する温度測定部と、前記ヘッド移動機構によって前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させ、且つ、前記温度測定部によって測定された測定温度に応じて、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を定めるコントローラと、を有する印刷装置が実現できること。
このような印刷装置によれば、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な移動噴射動作の回数が、測定温度に応じて定められる。つまり、インク溶媒の蒸発し易さの度合いに応じて定められる。そして、同じ回の移動噴射動作において形成される、隣り合うドット同士の間隔は、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な移動噴射動作の回数に応じて定まる。従って、必要な移動噴射動作の回数を測定温度に応じて定めることにより、インク溶媒の蒸発によって通常よりも濃く形成されるドットを、媒体上において分散させることができる。その結果、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制することができる。
かかる印刷装置であって、前記コントローラは、前記測定温度が高い程、前記移動噴射動作の回数を多く定めること。
このような印刷装置によれば、必要な移動噴射動作の回数が多い程、隣り合うドット同士の間隔が広くなる。このため、通常よりも濃いドットが形成される可能性が高い条件になる程、同じ回の移動噴射動作において形成される、隣り合うドット同士の間隔が広くなる。その結果、測定温度が高い程、濃いドットを広い範囲に分散させることができ、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラをより効果的に抑制することができる。
かかる印刷装置であって、前記測定温度と前記移動噴射動作の回数の相関関係を示す相関情報を記憶可能な相関情報記憶部を有し、前記コントローラは、前記相関情報に基づいて、前記移動噴射動作の回数を定めること。
このような印刷装置によれば、相関情報記憶部に記憶された相関情報に基づき、必要な移動噴射動作の回数が定められるので、移動噴射動作の回数の設定を短時間で行える。このため、印刷処理を迅速に行うことができる。
かかる印刷装置であって、前記コントローラは、前記インクの種類に基づいて、前記移動噴射動作の回数を定めること。
このような印刷装置によれば、必要な移動噴射動作の回数が定められるにあたり、インクの種類も用いられる。これにより、通常よりも濃く形成されるドットの分散状態を、使用されるインクの種類にあわせて定めることができる。その結果、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを、適切な条件で抑制することができる。
かかる印刷装置であって、前記インクの種類は、インク溶媒の蒸発し易さに基づいて定められ、前記コントローラは、前記インク溶媒が蒸発し易い程、前記移動噴射動作の回数を多く定めること。
このような印刷装置によれば、インク溶媒が蒸発し易い程、すなわち、通常よりも濃いドットが形成される可能性が高い条件になる程、同じ回の移動噴射動作において形成される、隣り合うドット同士の間隔が広くなる。その結果、濃いドットを広い範囲に分散させることができ、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを効果的に抑制することができる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッドは、前記インクが噴射される噴射部を、前記所定方向とは交差する噴射部配列方向に沿って、複数有し、前記コントローラは、前記1つのライン領域を、複数の噴射部によって担当させること。
このような印刷装置によれば、1つのライン領域を、複数の噴射部が完成させるので、濃いドットをより効率よく分散させることができる。その結果、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラをより効果的に抑制することができる。
そして、この印刷装置においては、前記媒体を、前記所定方向とは交差する他の所定方向に搬送する搬送機構を有し、前記コントローラは、前記搬送機構によって前記媒体を搬送させる搬送動作を、前回の移動噴射動作の終了から次回の移動噴射動作の開始までの間に行わせる構成が好ましい。
かかる印刷装置であって、前記コントローラは、印刷指示情報の受信を契機に、前記測定温度を取得すること。
このような印刷装置によれば、印刷指示情報の受信を契機に測定温度を取得するので、必要な移動噴射動作の回数は、印刷指示情報を受信する毎に定められる。すなわち、1回の印刷指示によって印刷される画像は、たとえそれが複数枚の印刷であったとしても、必要な移動噴射動作の回数が同じになる。このため、複数枚の媒体に対する印刷について、画質を安定化できる。
かかる印刷装置であって、前記温度測定部は、前記ヘッドの温度を測定するヘッド温度測定部、若しくは、前記ヘッドが晒されている環境の温度を測定する環境温度測定部であること。
このような印刷装置によれば、インク溶媒の蒸発に影響を与えるヘッドの温度や環境の温度に基づいて、必要な移動噴射動作の回数が定められる。このため、適切な回数を設定できる。
また、インクを噴射するヘッドと、前記ヘッドを所定方向に移動させるヘッド移動機構と、前記媒体を、前記所定方向とは交差する他の所定方向に搬送する搬送機構と、温度を測定する温度測定部と、前記ヘッド移動機構によって前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させ、且つ、前記温度測定部によって測定された測定温度に応じて、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を定めるコントローラと、前記測定温度と前記移動噴射動作の回数の相関関係を示す相関情報を記憶可能な相関情報記憶部と、を有し、前記ヘッドは、前記インクが噴射される噴射部を、前記所定方向とは交差する噴射部配列方向に沿って、複数有し、前記温度測定部は、前記ヘッドの温度を測定するヘッド温度測定部、若しくは前記ヘッドが晒されている環境の温度を測定する環境温度測定部であり、前記コントローラは、印刷指示情報の受信を契機に、前記測定温度を取得し、前記相関情報に基づき、前記測定温度が高い程、前記移動噴射動作の回数を多く定め、インク溶媒の蒸発し易さに基づいて定められるインクの種類に基づき、前記インク溶媒が蒸発し易い程、前記移動噴射動作の回数を多く定め、前記搬送機構によって前記媒体を搬送させる搬送動作を、前回の移動噴射動作の終了から次回の移動噴射動作の開始までの間に行わせることで、前記1つのライン領域を複数の前記噴射部によって担当させる印刷装置が実現できること。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、ヘッドを所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させる印刷方法であって、温度を測定するステップと、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を、測定温度に応じて定めるステップと、を有する印刷方法を実現することもできる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、印刷システム100の外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。この例では、プリンタ1とコンピュータ110とが印刷装置を構成している。すなわち、プリンタ1は、印刷装置本体に相当し、印刷制御装置としてのコンピュータ110により、その動作が制御される。そして、このプリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体に関し、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図5を参照。)を例に挙げて説明する。
コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116(図2を参照。)がインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116等のユーザーインタフェースを表示することができる。入力装置130は、例えばキーボード131やマウス132であり、表示装置120に表示されたユーザーインタフェースに沿って、アプリケーションプログラム114の操作やプリンタドライバ116の設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142が用いられる。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムであり、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。本実施形態のプリンタドライバ116は、この機能に加えて、表示装置120にユーザーインタフェースを表示させる機能も有する。なお、このプリンタドライバ116は、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録された状態で提供される。また、プリンタドライバ116は、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバ116について>
図2は、プリンタドライバ116の説明図であり、プリンタドライバ116が行う基本的な処理と、参照されるテーブルを示した図である。なお、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
コンピュータ110では、コンピュータ110に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112、アプリケーションプログラム114、及びプリンタドライバ116などのプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザーインタフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム114のユーザーインタフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
アプリケーションプログラム114のユーザーインタフェース上で、ユーザーが印刷を指示すると、プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取る。そして、プリンタドライバ116は、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタ1に出力する。画像データは、印刷される画像の画素に関するデータとして画素データを有している。この画素データは、後述する各処理の段階に応じて、その階調値等が変換される。そして、画素データは、最終的な印刷データの段階において、用紙上に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)に変換される。なお、画素とは、インクを着弾させドットを形成する位置を規定するために、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目である。言い換えると、この画素は、ドットを形成し得る媒体上の領域であり、「ドットの形成単位」と表現することもできる。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、画素データと、各種のコマンドデータとを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータであり、例えば、給紙を指示するデータ、搬送量を示すデータ、排紙を指示するデータである。プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。このプリンタドライバ116は、コントローラの一部に相当する。言い換えれば、このプリンタドライバ116がインストールされたコンピュータ110は、印刷制御装置として機能する。以下、プリンタドライバ116が行う各処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合には、アプリケーションプログラム114から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。この変換方法としては、画素データの補間や間引きなどがある。例えば、画像データの解像度が指定された印刷解像度よりも低い場合には、線形補間等を行って隣り合う画素データ同士の間に新たな画素データを生成する。逆に、画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合で画素データを間引く等して、画像データの解像度を前記印刷解像度に揃える。また、この解像度変換処理においては、画像データに基づいて印刷領域(実際にインクが噴射される領域をいう。)のサイズ調整も行う。
なお、この画像データ中の各画素データは、RGB色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータである。以下、このRGBの階調値を有する画素データのことをRGB画素データといい、また、これらRGB画素データから構成される画像データをRGB画像データという。
色変換処理は、RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータに変換する処理である。このCMYKは、プリンタ1が有するインクの色である。すなわち、Cはシアンを意味する。また、Mはマゼンタを、Yはイエローを、Kはブラックをそれぞれ意味する。以下、このCMYKの階調値を有する画素データのことをCMYK画素データといい、これらCMYK画素データから構成される画像データのことをCMYK画像データという。この色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ116が参照することによって行われる。
ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンタ1が表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256段階の階調値を示すCMYK画素データが、4段階の階調値を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。この2ビットのCMYK画素データは、各色について、例えば、「ドットの形成なし」(2進数の値として「00」)、「小ドットの形成」(同じく「01」)、「中ドットの形成」(同じく「10」)、「大ドットの形成」(同じく「11」)を示すデータである。
このようなハーフトーン処理には、例えばディザ法等が利用され、プリンタ1がドットを分散して形成できるような2ビットのCMKY画素データを作成する。なお、このハーフトーン処理に用いる方法は、ディザ法に限るものではなく、γ補正法や誤差拡散法等を利用しても良い。
ラスタライズ処理は、ハーフトーン処理がなされたCMYK画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。本実施形態では、このラスタライズ処理の中で、インターレース処理が行われる。すなわち、インターレース処理では、CMYK画像データがインターレース方式(後述する。)に適合したデータ順に変更される。
<プリンタドライバ116の設定について>
図3は、プリンタドライバ116のユーザーインタフェースの説明図である。このプリンタドライバ116のユーザーインタフェースは、ビデオドライバ112を介して、表示装置120に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバ116の各種の設定を行うことができる。基本設定としては、余白形態モードや画質モードの設定が用意されている。そして、画質モードとしては、速いモード、きれいモード、高精細モードの3種類が用意されている。ここで、速いモードは、テキスト印刷に適した画質モードである。また、きれいモードは、ディスプレイで表示される比較的低画素数の画像印刷に適した画質モードである。また、高精細モードは、デジタルカメラで撮影された高画素数の画像印刷に適した画質モードである。本実施形態では、これらの各モードに対応させて、ドット形成動作の基本回数(1つのラスタラインを完成させるために必要な、ドット形成動作の回数であって、常温範囲における回数。後述する。)が定められている。本実施形態では、速いモードが1回、きれいモードが2回、高精細モードが4回に、それぞれ定められている。これらの画質モードと基本回数の相関関係は、プリンタドライバ116にテーブル情報として格納されている。すなわち、プリンタドライバ116は、走査回数設定用テーブルSTを備えている。そして、この走査回数設定用テーブルSTに、画質モードと回数の相関関係が定められている。なお、この走査回数設定用テーブルSTには、この他に、ヘッド温度やインク種類が因子として定められている。この走査回数設定用テーブルSTついては、後で説明する。
<プリンタ1の構成について>
図4は、本実施形態のプリンタ1の全体構成を示すブロック図である。図5は、プリンタ1の全体構成を示す概略図である。図6は、このプリンタ1の横断面図である。図7Aは、ヘッドユニット40をインク供給針側から見た図である。図7Bは、ヘッドユニット40をヘッド側から見た図である。図8は、ヘッド制御基板42の取り付け状態を説明する図である。図9は、ノズルNzの配列を説明する図である。図10は、インクカートリッジ50を説明する図である。以下、これらの図を参照して、プリンタ1の構成について説明する。
プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、インクカートリッジ50、センサ群60、及びプリンタコントローラ70を有する。
外部装置であるコンピュータ110から印刷信号を受信したプリンタ1(印刷装置本体)は、プリンタコントローラ70によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40を制御する。すなわち、プリンタコントローラ70は、コントローラの一部に相当する。言い換えれば、プリンタドライバ116とプリンタコントローラ70とが、コントローラを構成する。そして、プリンタコントローラ70は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。このとき、センサ群60の各センサは、プリンタ1内の状況を監視している。これらの各センサは、検出結果をプリンタコントローラ70に出力する。各センサからの検出結果を受けたプリンタコントローラ70は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
また、プリンタコントローラ70は、ヘッドユニット40に搭載されたヘッド温度センサ65(図8を参照。)からの検出信号に基づき、ヘッドの温度を認識する。そして、プリンタコントローラ70は、認識したヘッドの温度に基づき、1つのラスタラインを完成させるために必要なドット形成動作の回数(必要パス数ともいう。)を定める。さらに、プリンタコントローラ70は、インクカートリッジ50が有するカートリッジメモリ(図10を参照。)に記憶されたインク種類情報に基づき、インクの種類を認識する。ここで、インクの種類とは、例えば、インクの色や色材の種類である。そして、プリンタコントローラ70は、認識したインクの種類に基づいて、前述した必要パス数を定める。
用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に、所定の搬送量で搬送させたりする搬送機構である。ここで、この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。従って、この搬送方向は、他の所定方向に相当する。この用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラである。例示した給紙ローラ21は、D形の断面形状をしている。そして、円周部分を用紙表面に当接させた状態で給紙ローラ21を回転させることにより、用紙Sを搬送ローラ23の位置まで送ることができる。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送するためのモータであり、例えばDCモータによって構成される。この搬送モータ22の動作は、プリンタコントローラ70によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作も搬送モータ22によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。また、排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転される。
キャリッジ移動機構30は、ヘッド41が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向(所定の方向に相当する。)に移動させるための機構であり、ヘッド移動機構に相当する。このキャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを備える。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31は、前述したプリンタコントローラ70によって、その動作が制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。このため、駆動プーリー34は、キャリッジモータ31によって回転される。駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。そして、駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する部材である。例示したガイド軸32は、断面形状が円形の金属棒によって構成されている。そして、このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。キャリッジCRには、ヘッドユニット40が取り付けられる。そして、このヘッドユニット40が装着されることで、このキャリッジCRには、インクカートリッジ50が装着されるカートリッジ装着部(図示せず。)が形成される。
ヘッドユニット40は、インクを噴射するヘッド41と、プリンタコントローラ70からの電気信号をヘッド41に供給するためのヘッド制御基板42(図8を参照。)と、ヘッド41が取り付けられるフレーム43とを有する。
ヘッド41は、ピエゾ素子と、このピエゾ素子が設けられる圧力発生室とを有する(何れも図示せず。)。また、ヘッド41は、圧力発生室に連通されたノズルNz(#1〜#180,図9を参照。)を有する。これらの圧力発生室やノズルNzはインクで満たされており、ピエゾ素子は圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせる。そして、このヘッド41では、ピエゾ素子によって圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせ、ノズルNzからインクを噴射させる。
ノズルNzは、インクを噴射させる部分であり、噴射部に相当する。本実施形態において、ノズルNzは、前述したキャリッジ移動方向とは交差する方向(噴射部配列方向に相当する。)に複数形成されている。具体的には、搬送方向に沿って180個形成されている。そして、この180個のノズル群によって1つのノズル列が構成されている。このノズル列は、噴射されるインクの色毎に設けられている。本実施形態のヘッド41は、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの4種類のインクを噴射させる。このため、ヘッド41には、ブラックインクノズル列Nkと、シアンインクノズル列Ncと、マゼンタインクノズル列Nmと、イエローインクノズル列Nyが設けられている。各ノズル列に属する複数のノズルNzは、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)で設けられている。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ、つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔である。また、kは、最小のドットピッチDとノズルピッチとの関係を表す係数であり、1以上の整数に定められる。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。図9の例において、各ノズル列のノズルNzは、下流側のノズルNzほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズルNz(♯1)は、ノズルNz(♯180)よりも搬送方向の下流側に位置している。
ヘッド制御基板42は、長方形状の基板本体421と、この基板本体421に実装されるコネクタ422とを有する。基板本体421には、ヘッド制御回路(制御用IC)や配線パターンが設けられている。また、フレーム43には、ヘッド41が取り付けられる。そして、ヘッド41の取付面とは反対側の面には、インク供給針431が設けられている。このインク供給針431は、インクカートリッジ50に収容されたインクをヘッドユニット40内に供給するため、インクカートリッジ50に挿入される。また、フレーム43におけるインク供給針431の近傍には、端子基板432が設けられている。この端子基板432は、その表面に複数の端子が設けられた配線基板である。そして、端子基板432の各端子は、プリンタコントローラ70へ電気的に接続されている。
インクカートリッジ50は、図10に示すように、インクを収容する収容部としてのケーシング51と、このケーシング51に取り付けられるカートリッジメモリ52と、インクが含浸されるスポンジ(図示せず)とを有する。ケーシング51は、中空の箱状であり、その内部にスポンジが配置されている。そして、スポンジから染み出したインクがヘッド41に供給される。また、カートリッジメモリ52には、そのインクカートリッジ50に収容されているインクの種類(色,色材種類等)、製造年月日、インクの消費量等の情報が記憶されている。すなわち、このカートリッジメモリ52は、種類情報記憶部に相当する。そして、このカートリッジメモリ52は、複数の端子を有している。これらの端子は、カートリッジ装着部にインクカートリッジ50が装着された状態で、端子基板432の対応する端子に接触する。
センサ群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図5、図6及び図8に示すように、このセンサ群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出センサ63、紙幅センサ64、及びヘッド温度センサ65等が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCR(ヘッド41)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ63は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅センサ64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。この紙幅センサ64は、例えば、キャリッジCRに取り付けられる。ヘッド温度センサ65は、ヘッド41の温度を測定するものであり、ヘッド温度測定部(温度測定部の一種)に相当する。この例において、ヘッド温度センサ65は、ヘッド制御基板42に実装されている。このヘッド温度センサ65としては、例えば、サーミスタが用いられる。また、ヘッド温度センサ65は、ダイオードを用いることもできる。すなわち、ダイオードの順方向電圧は、ダイオードの温度に応じて変化する。従って、ダイオードをヘッド41の直近に配置し、そのアノード電極側に定電流回路を接続することにより、ヘッド41の温度を測定することができる。
プリンタコントローラ70は、プリンタ1の制御を行うものである。図4に示すように、このプリンタコントローラ70は、インタフェース部71と、CPU72と、メモリ73と、制御ユニット74とを有する。インタフェース部71は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間に介在し、データの送受信を行う。CPU72は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ73は、CPU72のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶部を有する。そして、CPU72は、メモリ73に格納されているプログラムに従い、制御ユニット74を介して各制御対象部を制御する。
<印刷動作について>
図11は、印刷時の動作のフローチャートである。以下に説明される各動作は、プリンタコントローラ70が、メモリ73内に格納されたプログラムに従って、各制御対象部を制御することにより実行される。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):プリンタコントローラ70は、コンピュータ110からインタフェース部71を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、プリンタコントローラ70は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙動作、搬送動作、ドット形成動作、排紙処理等を行う。
給紙動作(S002):次に、プリンタコントローラ70は、給紙動作を行う。給紙動作とは、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする処理である。すなわち、プリンタコントローラ70は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、プリンタコントローラ70は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。なお、用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルNzは、用紙Sと対向している。
ドット形成動作(S003):次に、プリンタコントローラ70は、ドット形成動作を行う。ドット形成動作とは、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に噴射させ、用紙Sにドットを形成する動作である。すなわち、このドット形成動作は、ヘッド41を所定方向に移動させつつ、ヘッド41からインクを噴射させる移動噴射動作に相当する。なお、以下の説明では、インクを噴射させるべく、ヘッド41(ノズルNz)をキャリッジ移動方向の一側から他側に、若しくは、他側から一側に1回移動させる動作のことを、「パス」ということにする。
このドット形成動作において、プリンタコントローラ70は、キャリッジモータ31を駆動し、キャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させる。また、プリンタコントローラ70は、キャリッジCRが移動している間に、印刷データに基づいてヘッド41からインクを噴射させる。そして、ヘッド41から噴射されたインクが用紙上に着弾することにより、用紙上にドットが形成される。従って、このドット形成動作が行われると、キャリッジCRの移動方向に沿ったライン領域(ラスタライン)には、ドットが適宜に形成される。つまり、ライン領域毎の単位画像が形成される。
搬送動作(S004):次に、プリンタコントローラ70は、搬送動作を行う。搬送動作とは、用紙Sを、ヘッド41に対し、搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。プリンタコントローラ70は、搬送モータ22を駆動し、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。従って、ドット形成動作と搬送動作とを繰り返し行うことにより、前述したライン領域の画像が交差方向に複数形成され、用紙Sに画像が印刷される。
排紙判断(S005):次に、プリンタコントローラ70は、印刷中の用紙Sについて排紙の判断を行う。この判断時において、印刷中の用紙Sに印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。すなわち、ドット形成動作が行われる。そして、プリンタコントローラ70は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。
そして、印刷中の用紙Sに印刷するためのデータがなくなったならば、プリンタコントローラ70は、排紙処理を行う。なお、排紙処理を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいて行っても良い。
排紙処理(S006):次に、プリンタコントローラ70は、印刷が終了した用紙Sを排出する排紙処理を行う。この排紙処理において、プリンタコントローラ70は、排紙ローラ25を回転させることにより、印刷した用紙Sを外部に排出する。
印刷終了判断(S007):次に、プリンタコントローラ70は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙Sに印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙Sの給紙動作を開始する。次の用紙Sに印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
本実施形態では、印刷命令の受信から印刷動作の終了(印刷終了判断でY)までが一単位の印刷動作(job)である。例えば、アプリケーション上で複数枚の用紙Sに対する印刷動作が指示された場合、一単位の印刷動作は、指示された枚数の用紙Sへの印刷が終了するまでが相当する。
===本実施形態のプリンタの特徴===
<参考例について>
本実施形態のプリンタ1の特徴を説明するにあたり、まず参考例について説明する。この種のプリンタ1では、メニスカスを微振動させることで、ノズル部分のインクを攪拌することが行われている。しかし、インク溶媒の蒸発し易さは、ヘッド41の温度やヘッド41が配置されている環境の温度によっても変化する。すなわち、これらの温度が高い程、インク溶媒は蒸発し易い。このため、これらの温度が高い程、微振動の回数を増やす構成が考えられるが、微振動が行える期間は限られており、微振動による対策にも限界がある。
特に、最近のプリンタ1は、乾燥性の高いインクを用いる傾向がある。これは、インクの噴射周期が従来よりも短くなっていること、及びドットの鮮明さを高めること等による。すなわち、インクの混色等の問題が生じないようにするため、用紙Sに着弾したインク滴は、速やかに乾燥されることが求められている。また、用紙Sに着弾したインク滴が速やかに乾燥されると、色材の過度な拡がり(つまり、滲み)が防止できるので、ドットの鮮明さを高めることができる。しかし、このような乾燥性の高いインクは、インク溶媒が蒸発し易く、前述したインク増粘や色材濃度の上昇の問題が顕著に発生してしまう。従って、微振動による対策を施したとしても、乾燥性の高いインクを用いた場合には、ヘッド温度の上昇等により、色材濃度が上昇したインクを印刷に用いざるを得ない場合がある。
また、最近のプリンタ1では、耐候性を高めるべく、色材として顔料を用いた所謂顔料系インクを噴射するものがある。この顔料系インクは、色材として染料を用いた所謂染料系インクよりもインクの増粘が生じ易い。これは、顔料の凝集性や顔料を分散させるための分散剤が影響していると考えられる。従って、この顔料系インクでも、前述したインク増粘や色材濃度の上昇の問題が顕著に発生する。従って、微振動による対策を施したとしても、顔料系インクを用いた場合には、ヘッド温度の上昇等により、色材濃度が上昇したインクを印刷に用いざるを得ない場合がある。
また、最近のプリンタ1は、形成可能なドットサイズ、言い換えれば、一滴のインク量が極めて少なくなっている。例えば、一滴のインク量が2pl前後のプリンタ1もある。このようなプリンタ1では、噴射に伴うノズル内のインクの置換量が、従来のプリンタよりも少ない。この場合にも、前述したインク増粘や色材濃度の上昇の問題が顕著に発生し、ヘッド温度の上昇等により、色材濃度が上昇したインクを印刷に用いざるを得ない場合がある。
この場合、色材濃度が上昇したインクは、噴射の繰り返しによって、ノズルから少しずつ排出される。このため、通常よりも濃いドットが印刷開始位置(例えば、印刷領域の端部)から数センチ程度に亘って形成されてしまう。
<本実施形態の要点について>
このため、コントローラ(プリンタドライバ116,プリンタコントローラ70)は、ヘッド温度センサ65(温度測定部)によって測定された測定温度に応じて、1つのラスタライン(ライン領域)の画像を完成させるために必要なドット形成動作(移動噴射動作)の回数を定める。つまり、必要パス数を定める。そして、コントローラは、定めた必要パス数で1つのラスタラインの画像が完成されるように、ドット形成動作や搬送動作を制御する。
このような構成を採ることにより、同じ回のドット形成動作において形成される、隣り合うドット同士の間隔は、ドット形成動作の必要回数に応じて定まる。すなわち、必要なドット形成動作の回数が多い程、隣り合うドット同士の間隔が広くなる。
従って、ドット形成動作の必要回数を測定温度に応じて定めることにより、インク溶媒の蒸発によって通常よりも濃く形成されるドットを分散させることができる。その結果、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制することができる。
そして、通常よりも濃いドットが形成される可能性が高い条件になる程、同じ回のドット形成動作において形成される、隣り合うドット同士の間隔が拡がる。その結果、ヘッド41の温度が高い程、濃いドットを広い範囲に分散させることができ、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラをより効果的に抑制することができる。
<印刷方式について>
まず、本実施形態のプリンタ1にて実行可能な印刷方式について説明する。この印刷方式としては、インターレース方式が用意されている。ここで、インターレース方式とは、1回のドット形成動作で形成されるラスタライン同士の間に、形成されないラスタラインを設定し、複数回のドット形成動作により、各ラインを補完的に形成するような印刷方式であって、隣り合うラスタラインを異なるノズルNzで形成する印刷方式である。このインターレース方式を用いると、ノズルNzのピッチやインクの噴射特性といったノズルNz毎の個体差を、印刷される画像上で分散緩和でき、画質の向上が図れる。
また、印刷方式としては、オーバーラップ方式も用意されている。ここで、オーバーラップ方式とは、1つのラスタラインを、複数のノズルNzによって完成させる印刷方式である。前述のインターレース方式では、1つのラスタラインを担当するノズルNzは、同じ(単一のノズルNz)であった。これに対し、オーバーラップ方式では、1つのラスタラインを担当するノズルNzが複数となる。このオーバーラップ方式を用いると、ノズルNz毎の個体差を、ライン領域毎の単位画像の中でも分散緩和でき、画質の向上が図れる。
<インターレース方式について>
図12及び図13は、インターレース方式の説明図である。すなわち、図12Aは、パス数とノズルNzとの関係を示した図である。図12Bは、各ラスタラインと、担当するノズルNzの関係を説明する図である。図13は、用紙Sとヘッド41の相対位置関係を説明する図である。
なお、説明の都合上、これらの図では、ヘッド41の代わりとしてノズル列を示している。そして、このノズル列は、4つのノズルNzで構成されているものを示している。また、図12A、図12Bにおいては、ノズル列が用紙Sに対して移動しているように描かれているが、実際には、図13に示すように、用紙Sが搬送方向に搬送されている。加えて、図12Aにおいて、黒丸で示されたノズルNzは、そのパスにてインクを噴射し、白丸で示されたノズルNzはインクを噴射しない。
インターレース方式では、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルNzが、その直前のパスで記録されたラスタラインに対し、搬送方向の上流側に隣接するラスタラインを記録する。このように搬送量Fを一定にして記録を行うためには、インクを噴射可能なノズル数N(Nは整数)が係数kと互いに素の関係に定められ、搬送量FがN・Dに定められる。
図12Aの例では、ノズル群は搬送方向に沿って配列された4つのノズルNzを有している。しかし、前述したように係数kは4である。インターレース方式で印刷を行うには、その条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たす必要がある。従って、インターレース方式で印刷をするためには、全てのノズルNzを用いることはできない。そこで、4つのノズルNzのうち、3つのノズルNzを用いてインターレース方式の印刷が行われる。また、3つのノズルNzが用いられるため、紙の搬送量Fは3・Dに定められる。その結果、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル群を用いて、720dpi(=D)の間隔で、ラスタラインが形成される。
この例では、最初のラスタラインR1(つまり、用紙先端のラスタラインR1)は、3回目のパス(パス3)にて、ノズルNz(♯1)によって形成される。そして、2番目のラスタラインR2は、2回目のパス(パス2)にて、ノズルNz(♯2)によって形成される。また、3番目のラスタラインR3は、1回目のパス(パス1)にて、ノズルNz(♯3)によって形成される。さらに、4番目のラスタラインR4は、4回目のパスにて、ノズルNz(♯1)によって形成される。つまり、この例では、各ラスタラインを構成するドットに関し、隣接するドットは、同じノズルNzによって形成される。
従って、図12Bに示すように、この例では、同じパスで形成されるドットは一定間隔であり、隣り合うドットの間隔はドットの最小形成間隔Dとされる。
なお、1回目のパスでは、ノズルNz(♯3)のみがインクを噴射し、2回目のパスでは、ノズルNz(♯2)とノズルNz(♯3)とがインクを噴射している。これは、これらのパスにおいて全てのノズルNzからインクを噴射させてしまうと、連続したラスタラインを用紙Sに形成できないためである。そして、3回目のパス以降では、3つのノズルNz(♯1〜♯3)からインクが噴射される。
<オーバーラップ方式について>
図14A及び図14Bと、図15A及び図15Bは、オーバーラップ方式の説明図である。すなわち、図14A及び図14Bは、1つのラスタラインを担当するノズルNzが2つの例を示す。また、図15A及び図15Bは、1つのラスタラインを担当するノズルNzが4つの例を示す。
オーバーラップ方式でも、インターレース方式と同様に、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、所定のノズルNzからインクが噴射され、用紙Sにドットが形成される。ここで、オーバーラップ方式では、1回のドット形成動作(パス)において、各ノズルNzから間欠的にインクが噴射され、用紙上にドットが一定間隔(数ドット間隔)で形成される。そして、他のパスにおいて、他のノズルNzから間欠的にインクが噴射され、既に形成されているドット同士の間を埋める位置に、他のドットが形成される。つまり、或るラスタラインを担当するノズルNzが、ドット形成動作を行う毎に切り替えられている。このような動作を繰り返すことにより、1つのラスタラインが複数回のドット形成動作により完成される。なお、以下の説明では、便宜上、1つのラスタラインがM回のドット形成動作で完成する場合に、オーバーラップ数Mということにする。
図14A、図14Bの例において、1回のドット形成動作で各ドットは、1ドットおきに形成される。すなわち、1つのラスタラインが2回のドット形成動作により完成される。このため、オーバーラップ数は2(M=2)となる。また、図15A、図15Bの例において、1回のドット形成動作で各ドットは、3ドットおきに形成される。すなわち、1つのラスタラインが4回のドット形成動作により完成される。このため、オーバーラップ数は4(M=4)となる。なお、前述のインターレース方式の場合、1つのラスタラインが1回のドット形成動作により完成されるため、オーバーラップ数は1(M=1)ということもできる。
このようなオーバーラップ方式において、搬送量Fを一定にして記録を行うためには、次の各条件を満たすことが求められる。すなわち、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、の各条件を満たす必要がある。
ここで、図14Aの例では、ノズル列は搬送方向に沿って配列された8つのノズルNzを有する。しかし、係数kは4であり、オーバーラップ数が2であるため(M=2)、オーバーラップ印刷を行うための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たすためには、全てのノズルNzを用いることはできない。そこで、8つのノズルNzのうち、6つのノズルNzを用いてインターレース印刷が行われる。この場合、N=6となるので、N/Mは3となる。また、用紙Sの搬送量Fは、3・Dに定められる。このように、使用するノズルNzの数Nと搬送量Fとを定めることにより、1つのラスタラインを2回のドット形成動作で完成させることができる。
すなわち、この例では、最初のラスタラインR1(用紙先端のラスタラインR1)は、3回目のドット形成動作(パス3)におけるノズルNz(♯4)と、7回目のドット形成動作(パス7)におけるノズルNz(♯1)によって形成される。このため、3回目のパスでは、ノズルNz(♯4)から間欠的にインクを噴射させ、1つおきにドットを形成する。また、7回目のドット形成動作では、ノズルNz(♯7)から間欠的にインクを噴射させ、3回目のドット形成動作で形成されたドット同士の間を埋めるように、1つおきにドットを形成する。
また、2番目のラスタラインR2は、2回目のドット形成動作(パス2)におけるノズルNz(♯5)と、6回目のドット形成動作(パス6)におけるノズルNz(♯2)とによって形成される。従って、この2番目のラスタラインR2も、2回目のドット形成動作で形成されたドット同士の間を、6回目のドット形成動作で形成されたドットで埋めることにより、2回のドット形成動作で完成される。
同様に、3番目のラスタラインR3は、1回目のドット形成動作(パス1)におけるノズルNz(#6)と、5回目のドット形成動作(パス5)におけるノズルNz(#3)とにより、2回のドット形成動作で完成される。
従って、図14Bに示すように、この例では、同じ回のドット形成動作で形成されるドットは一定間隔であり、1つおきに形成される。すなわち、隣り合うドット同士の間隔は、最小間隔の2倍(2・D)に定められる。
また、図15Aの例では、ノズル列は搬送方向に沿って配列された12個のノズルNzを有する。ここで、係数kは4であり、オーバーラップ数が4(M=4)であるため、12個のノズルNz(N=12)を用いても、オーバーラップ印刷を行うための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たす。すなわち、オーバーラップ数が4であるため、N/Mは3となる。このため、12個のノズルNzを用いてインターレース印刷が行われる。また、用紙Sの搬送量Fは、3・Dに定められる。このように、使用するノズルNzの数Nと搬送量Fとを定めることにより、1つのラスタラインを4回のドット形成動作で完成させることができる。
この例では、最初のラスタラインR1(用紙先端のラスタラインR1)は、3回目のドット形成動作(パス3)におけるノズルNz(♯10)と、7回目のドット形成動作(パス7)におけるノズルNz(♯7)と、11回目のドット形成動作(パス11)におけるノズルNz(♯4)と、15回目のドット形成動作(パス15)におけるノズルNz(♯1)とによって形成される。このため、3回目のドット形成動作では、ノズルNz(♯10)から間欠的にインクを噴射させ、3つおきにドットを形成する。そして、7回目のドット形成動作では、ノズルNz(♯7)から間欠的にインクを噴射させ、3回目のドット形成動作で形成されたドット同士の中間の位置に、3つおきにドットを形成する。また、11回目のドット形成動作では、ノズルNz(♯4)から間欠的にインクを噴射させ、3回目のドット形成動作と7回目のドット形成動作で形成されたドット同士の間に、やはり3つおきにドットを形成する。さらに、15回目のドット形成動作では、ドットが形成されていない場所に、順次ドットを形成する。
また、2番目のラスタラインR2は、2回目のドット形成動作(パス2)におけるノズルNz(♯11)と、6回目のドット形成動作(パス6)におけるノズルNz(♯8)と、10回目のドット形成動作(パス10)におけるノズルNz(♯5)と、14回目のドット形成動作(パス14)におけるノズルNz(♯2)によって形成される。同様に、3番目のラスタラインR3は、1回目のドット形成動作(パス1)におけるノズルNz(♯12)と、5回目のドット形成動作(パス5)におけるノズルNz(♯9)と、9回目のドット形成動作(パス9)におけるノズルNz(♯6)と、13回目のドット形成動作(パス13)におけるノズルNz(♯3)によって形成される。
従って、図15Bに示すように、この例でも、同じ回のドット形成動作で形成されるドットは一定間隔であり、3つおきに形成される。すなわち、隣り合うドット同士の間隔は、最小間隔の4倍(4・D)に定められる。
なお、この他に、本実施形態のプリンタ1は、1つのラスタラインを8回のドット形成動作(8パス)で完成させるオーバーラップ方式(M=8)と、1つのラスタラインを16回のドット形成動作(16パス)で完成させるオーバーラップ方式(M=16)とを選択することができる。説明は省略するが、これらのオーバーラップ印刷に関しても、前述した条件を満たすように、使用するノズルNzの数Nと搬送量F等が定められる。そして、8パスのオーバーラップ方式では、同じ回のドット形成動作で形成されるドットは、最小間隔の8倍(8・D)の間隔で形成される。また、16パスのオーバーラップ方式では、同じ回のドット形成動作で形成されるドットは、最小間隔の16倍(16・D)の間隔で形成される。
以上説明したオーバーラップ印刷では、1つのラスタラインを完成させるために必要なドット形成動作の回数が増える毎に、同じパスで形成されるドット同士の間隔が広くなっている。
なお、このオーバーラップ方式と前述のインターレース方式のいずれも、インクを噴射可能なノズル数Nが多くなると、1回の搬送量Fが大きくなり、印刷速度を高めることができる。そして、このプリンタ1では、1つのノズル列は180個のノズルNzによって構成されているため、高い印刷速度を得ることができる。
<必要なドット形成動作の回数設定について>
次に、1つのラスタラインを完成させるために必要なドット形成動作の回数(以下、必要パス数ともいう。)の設定について説明する。ここで、図16は、走査回数設定用テーブルSTの概念図である。
コントローラの一部を構成するプリンタドライバ116は、選択された画質モードと、ヘッド41の温度と、噴射されるインクの種類に応じて、1つのラスタラインを完成させるために必要な、ドット形成動作の回数(必要パス数)を設定する。この設定は、走査回数設定用テーブルST(図2を参照。)を参照して行われる。すなわち、プリンタドライバ116は、前述したラスタライズ処理において、走査回数設定用テーブルSTを参照し、ヘッド温度、インク種類、及び画質モードに適した印刷方式を選択する。
この走査回数設定用テーブルSTは、例えば、図16に示すように、測定されたヘッド温度と、選択された画質モードとを因子とし、これらの因子と必要パス数との相関関係を定めている。すなわち、この走査回数設定用テーブルSTは、相関情報記憶部に相当し、ヘッド温度及び画質モードと必要パス数との相関関係を示す相関情報を記憶している。そして、この走査回数設定用テーブルSTは、噴射されるインクの種類毎に設けられている。このインクの種類は、インク溶媒の蒸発し易さに基づいて定められている。例示したプリンタ1は、インクの種類として、一般的な染料系インクと、この染料系インクよりもインク溶媒が蒸発し易い顔料系インクとを噴射可能である。従って、走査回数設定用テーブルSTには、染料系インク用のテーブルと、顔料系インク用のテーブルが設けられる。言い換えると、走査回数設定用テーブルSTは、ヘッド温度と、インク種類と、画質モードとを因子としているといえる。
プリンタドライバ116は、ヘッド温度、インク種類、及び画質モードの組み合わせに応じて、使用される印刷方法を設定する。このプリンタ1では、ヘッド温度についての閾値が2つ設定されており、3段階の制御が行われる。また、前述したように、3種類の画質モード(速い、きれい、高精細)が用意されている。このため、ヘッド温度と画質モードに関し、組み合わせは9通りとなる。さらに、染料系インク用のテーブルと、顔料系インク用のテーブルの2種類が設けられている。ここで、染料系インク用のテーブルと、顔料系インク用のテーブルとは、温度閾値が異なっている。すなわち、染料系インク用のテーブルは、第1の温度閾値が35℃であり、第2の温度閾値が40℃である。そして、温度範囲は、35℃未満の常温範囲、35℃以上40℃未満の第1高温範囲、及び40℃以上の第2高温範囲の3つである。また、顔料系インク用のテーブルは、第1の温度閾値が30℃であり、第2の温度閾値が35℃である。そして、温度範囲は、30℃未満の常温範囲、30℃以上35℃未満の第1高温範囲、及び35℃以上の第2高温範囲の3つである。そして、画質モードと温度範囲の組み合わせに対応する印刷方法は、染料系インク用のテーブルと、顔料系インク用のテーブルとで、同じである。
すなわち、常温範囲においては、速いモードに対応してインターレース方式(M/W)が設定されている。ここで、M/Wとは、インターレース方式であって、マイクロウィーブ方式という印刷方式を意味する。このマイクロウィーブ方式は、ノズルピッチよりも細かい解像度で印刷する方式のことであり、その制御例は前述した通りである。また、きれいモードに対応して2パスのオーバーラップ方式(M/W+2FOL)が設定されている。ここで、2FOLは、2パスのオーバーラップ方式(M=2のオーバーラップ印刷,図14を参照。)を、1つのラスタラインの全域に亘って行うことを意味する。さらに、高精細モードに対応して4パスのオーバーラップ方式(M/W+4FOL)が設定されている。ここで、4FOLは、4パスのオーバーラップ方式(M=4のオーバーラップ印刷,図15を参照。)を、1つのラスタラインの全域に亘って行うことを意味する。
また、第1高温範囲においては、速いモードに対応して2パスのオーバーラップ方式(M/W+2FOL)が設定されている。そして、きれいモードに対応して4パスのオーバーラップ方式(M/W+4FOL)が設定され、高精細モードに対応して8パスのオーバーラップ方式(M/W+8FOL)が設定されている。
また、第2高温範囲においては、速いモードに対応して4パスのオーバーラップ方式(M/W+4FOL)が、きれいモードに対応して8パスのオーバーラップ方式(M/W+8FOL)が、高精細モードに対応して16パスのオーバーラップ方式(M/W+16FOL)が、それぞれ設定されている。
このように、本実施形態では、走査回数設定用テーブルSTをプリンタドライバ116が参照し、ヘッド温度、インク種類、及び画質モードに適した印刷方式を選択する構成であるので、必要なドット形成動作の回数を極く短時間で定めることができる。このため、印刷処理を迅速に行うことができる。
<印刷動作について>
次に、印刷動作について説明する。ここで、図17は、アプリケーションプログラム114、プリンタドライバ116、及びプリンタ1による動作を説明する図である。
アプリケーションプログラム114上で、ユーザーによる印刷指示が行われると(S011)、印刷指示が行われたことを示す印刷指示情報がプリンタドライバ116に送信される。この印刷指示情報を受け取ると、プリンタドライバ116(印刷制御装置)は、プリンタ1(印刷装置本体)のヘッド温度センサ65が検出しているヘッド温度(測定温度)を取得する(S012)。また、プリンタドライバ116は、インクカートリッジ50に収容されているインクの種類を示すインク種類情報を取得する(S013)。このインク種類情報は、インクカートリッジ50が有するカートリッジメモリ52に記憶されている。このため、プリンタドライバ116は、まず、プリンタコントローラ70に対して要求情報を送信する。この要求情報を受けたプリンタコントローラ70は、カートリッジメモリ52に記憶されているインク種類情報を読み出す。インク種類情報を読み出したならば、プリンタコントローラ70は、このインク種類情報をプリンタドライバ116に送信する。
また、アプリケーションは、プリンタドライバ116に対して画像データを送信する。プリンタドライバ116は、受信した画像データについて、前述したように、解像度変換処理(S014)、色変換処理(S015)、ハーフトーン処理(S016)、及びラスタライズ処理(S017)を行う。そして、プリンタドライバ116は、ラスタライズ処理を行うに際し、インターレース処理(S017a)を行う。このインターレース処理は、ハーフトーン処理で二値化された画像データを並べ替える処理である。すなわち、二値化された画像データは、前述したインターレース方式で印刷可能なように、並べ替えられる。また、このインターレース処理にて、1つのラスタラインを完成させるために必要なドット形成動作の回数(必要パス数)が設定される。すなわち、画質モード、ヘッド温度、及びインクの種類に基づき、走査回数設定用テーブルSTが参照され、印刷方式(M/W〜M/W+16FOL)が選択される。そして、二値化された画像データは、このインターレース処理にて、選択された印刷方式で印刷可能な順序に並べ替えられる。
ラスタライズ処理を行ったならば、プリンタドライバ116は、ラスタライズ処理が施された画像データにコマンドを付して印刷データを作成する。そして、作成した印刷データを、プリンタ1へ送信する。なお、この印刷データに関し、最初に送信する印刷データのコマンドは、印刷命令とされる。
印刷データを受信したプリンタ1は、この印刷データに基づいて、用紙Sに画像を印刷する。すなわち、プリンタコントローラ70は、前述した給紙動作(S002)、ドット形成動作(S003)、搬送動作(S004)、及び排紙処理(S006)を行うことにより、用紙Sに画像を印刷する。
このとき、前述したように、1つのラスタラインを完成させるために必要なドット形成動作の回数(パス数)は、ヘッド温度やインク種類に応じて定められる。つまり、インク溶媒の蒸発し易さに応じて定められる。そして、同じパスで形成されるドット同士の間隔は、必要なドット形成動作の回数が多い程、広くなる。例えば、インターレース方式で印刷された場合には、同じパスで形成されるドットは、互いに隣接する。また、オーバーラップ数M=2のオーバーラップ方式で印刷された場合には、同じパスで形成されるドットは、2・D間隔となる。また、オーバーラップ数M=4のオーバーラップ方式で印刷された場合には、同じパスで形成されるドットは、4・D間隔となる。従って、必要なドット形成動作の回数をヘッド温度やインク種類に応じて定めることで、通常よりも濃く形成されるドットを分散させることができる。その結果、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制することができる。
このとき、インク溶媒が蒸発しやすい条件になる程、例えば、ヘッド温度が高い程、若しくは、インク溶媒が蒸発し易いインクになる程、ドット同士の間隔が広くなるように、印刷方式を選択している。このため、通常よりも濃く形成されるドットをより広い範囲に分散させることができる。これにより、画像の濃度ムラを確実に抑制することができる。
なお、必要なドット形成動作の回数に関し、この回数が多くなる程、印刷速度は遅くなる。このため、この回数をいたずらに増やすことは好ましくない。この点に関し、本実施形態では、必要なドット形成動作の回数を段階的に増やす構成を採っており、この回数が過度に多くなってしまうことを防止している。従って、画質と印刷速度について最適化が図られている。
また、本実施形態では、印刷を指示する指示情報の受信を契機に、ヘッド温度を取得している(S012)。そして、取得した温度は、一単位の印刷動作(job)に亘って変更されない。このため、一単位の印刷動作においては、必要なドット形成動作の回数は一定である。従って、一単位の印刷動作において、複数枚の用紙Sに印刷する場合であっても、各用紙Sを同じ色目で印刷することができる。
===その他の実施の形態===
前述の各実施形態は、主としてプリンタ1について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法等の開示が含まれている。また、一実施形態としてのプリンタ1について説明をしたが、前述の各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<印刷装置について>
ところで、前述した実施形態では、印刷装置本体としてのプリンタ1と印刷制御装置としてのコンピュータ110とによって印刷装置が構成されている。しかし、印刷装置は、この構成に限定されない。すなわち、印刷制御装置に相当する構成を備えたプリンタであれば、言い換えると、プリンタドライバが組み込まれたプリンタであれば、単体で印刷装置となる。例えば、メモリカード用のスロットを備え、単体で印刷可能なプリンタであれば、単体で印刷装置に相当する。また、原稿に印刷された画像を読み取り可能な画像読取部を備え、この画像読取部で読み取られた画像を印刷可能なプリンタも、単体で印刷装置に相当する。
また、前述した実施形態では、キャリッジCRをヘッド移動方向に移動させる一方、用紙Sを搬送方向に搬送するプリンタ1について説明したが、この構成に限定されない。例えば、用紙S(媒体)がフラットベッド上に固定され、ヘッド41(キャリッジCR)が、X方向とこのX方向と直交するY方向とに移動可能な所謂フラットベッド型の印刷装置であってもよい。
<印刷方式について>
前述の実施形態では、ドット形成動作が行われる毎に用紙Sを搬送させ、そのラスタラインを担当するノズルNzを変えていたが、この構成に限定されない。例えば、1ラインを同一のノズルNzで完成させる制御としても、濃いドットを分散させることができ、画質を向上させることができる。
そして、前述した実施形態のように、1つのラスタラインを担当するノズルNzを、ドット形成動作毎に異ならせるようにすると、濃いドットを効率よく分散させることができる。その結果、画像の濃度ムラをより効果的に抑制することができる。
<温度測定部について>
前述の実施形態では、ヘッド制御基板42に設けられたヘッド温度センサ65によって、ヘッド41の温度を測定していたが、この構成に限定されない。例えば、ヘッド温度センサ65を別の場所に設けてもよい。また、温度測定部として、ヘッド41が晒されている環境の温度を測定する機内温度センサ66(図5を参照。)を用いてもよい。この機内温度センサ66は、プリンタ1の機内温度(環境温度に相当する。)を測定するものであり、環境温度測定部に相当する。この機内温度センサ66としては、例えばサーミスタが用いられる。そして、この機内温度センサ66は、プリンタコントローラ70と電気的に接続される。このため、プリンタコントローラ70は、この機内温度センサ66の測定信号に基づき、機内温度を取得することができる。
そして、インクの蒸発し易さは、機内温度によっても変化し、機内温度が高いほどに蒸発し易い。従って、機内温度センサ66によって測定された機内温度に応じて、必要なドット形成動作の回数を設定することで、前述した実施形態と同様に、インク溶媒の蒸発に起因する画像の濃度ムラを抑制することができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、染料インク又は顔料インクがノズルNzから噴射されていた。しかし、ノズルNzから噴射されるインクは、このようなインクに限られるものではない。例えば、インク溶媒として有機溶媒を高い濃度で含有する有機溶媒系のインクであってもよい。この場合にも、インクの種類は、インク溶媒の蒸発し易さに基づいて定められる。すなわち、一般に有機溶媒系のインクは、顔料系インクよりもインク溶媒が蒸発し易い特性を有している。
<制御因子について>
前述の実施形態では、ヘッド温度、インクの種類、及び画質モードに基づき、必要なドット形成動作の回数を定めていたが、この構成に限定されない。すなわち、通常よりも濃いドットを分散させる観点からすれば、インク溶媒の蒸発に関する因子、すなわち、ヘッド温度や機内温度といった測定温度によって、必要なドット形成動作の回数を定めればよい。言い換えると、印刷装置は、温度を測定するステップと、この測定温度に応じて、1つのラスタラインを完成させるために必要なドット形成動作の回数を定めるステップとを、少なくとも有していればよい。
そして、前述の実施形態では、測定温度に加えインクの種類を用いているので、インク溶媒の蒸発度合いを精度良く認識することができ、より適切な制御が行える。さらに、画質モードによって、基本となるドット形成動作の回数が定められているので、ユーザーの要求に適した画質の印刷を行うことができる。
<他の応用例について>
前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 プリンタドライバの説明図である。 プリンタドライバのユーザーインタフェースの説明図である。 プリンタの全体構成を示すブロック図である。 プリンタの全体構成を示す概略図である。 プリンタの横断面図である。 図7Aは、ヘッドユニットをインク供給針側から見た図である。図7Bは、ヘッドユニットをヘッド側から見た図である。 ヘッド制御基板の取り付け状態を説明する図である。 ノズルの配列を説明する図である。 インクカートリッジを説明する図である。 印刷時の動作のフローチャートである。 図12Aは、パス数とノズルとの関係を示した図である。図12Bは、各ラスタラインと、担当するノズルの関係を説明する図である。 用紙とヘッドの相対位置関係を説明する図である。 図14A及び図14Bは、オーバーラップ方式の説明図である。 図15A及び図15Bは、オーバーラップ方式の説明図である。 走査回数設定用テーブルの概念図である。 アプリケーションプログラム、プリンタドライバ、及びプリンタによる動作を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,30 キャリッジ移動機構,
31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,33 タイミングベルト,
34 駆動プーリー,35 従動プーリー,40 ヘッドユニット,41 ヘッド,
42 ヘッド制御基板,421 基板本体,422 コネクタ,43 フレーム,
431 インク供給針,432 端子基板,50 インクカートリッジ,
51 ケーシング,52 カートリッジメモリ,60 センサ群,
61 リニア式エンコーダ,62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出センサ,
64 紙幅センサ,65 ヘッド温度センサ,66 機内温度センサ,
70 プリンタコントローラ,71 インタフェース部,72 CPU,73 メモリ,
74 制御ユニット,100 印刷システム,110 コンピュータ,
112 ビデオドライバ,114 アプリケーションプログラム,
116 プリンタドライバ,120 表示装置,130 入力装置,
131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,142 CD−ROMドライブ装置,
S 用紙,ST 走査回数設定用テーブル,CR キャリッジ,Nz ノズル,
Nk ブラックインクノズル列,Nc シアンインクノズル列,
Nm マゼンタインクノズル列,Ny イエローインクノズル列

Claims (12)

  1. インクを噴射するヘッドと、
    前記ヘッドを所定方向に移動させるヘッド移動機構と、
    温度を測定する温度測定部と、
    前記ヘッド移動機構によって前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させ、且つ、前記温度測定部によって測定された測定温度に応じて、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を定めるコントローラと、
    を有する印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、
    前記測定温度が高い程、前記移動噴射動作の回数を多く定める印刷装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記測定温度と前記移動噴射動作の回数の相関関係を示す相関情報を記憶可能な相関情報記憶部を有し、
    前記コントローラは、
    前記相関情報に基づいて、前記移動噴射動作の回数を定める印刷装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、
    前記インクの種類に基づいて、前記移動噴射動作の回数を定める印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記インクの種類は、インク溶媒の蒸発し易さに基づいて定められ、
    前記コントローラは、
    前記インク溶媒が蒸発し易い程、前記移動噴射動作の回数を多く定める印刷装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、
    前記インクが噴射される噴射部を、前記所定方向とは交差する噴射部配列方向に沿って、複数有し、
    前記コントローラは、
    前記1つのライン領域を複数の前記噴射部によって担当させる印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記媒体を、前記所定方向とは交差する他の所定方向に搬送する搬送機構を有し、
    前記コントローラは、
    前記搬送機構によって前記媒体を搬送させる搬送動作を、前回の移動噴射動作の終了から次回の移動噴射動作の開始までの間に行わせる印刷装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、
    印刷指示情報の受信を契機に、前記測定温度を取得する印刷装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記温度測定部は、
    前記ヘッドの温度を測定するヘッド温度測定部である印刷装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記温度測定部は、
    前記ヘッドが晒されている環境の温度を測定する環境温度測定部である印刷装置。
  11. インクを噴射するヘッドと、
    前記ヘッドを所定方向に移動させるヘッド移動機構と、
    前記媒体を、前記所定方向とは交差する他の所定方向に搬送する搬送機構と、
    温度を測定する温度測定部と、
    前記ヘッド移動機構によって前記ヘッドを前記所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させ、且つ、前記温度測定部によって測定された測定温度に応じて、1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を定めるコントローラと、
    前記測定温度と前記移動噴射動作の回数の相関関係を示す相関情報を記憶可能な相関情報記憶部と、を有し、
    前記ヘッドは、
    前記インクが噴射される噴射部を、前記所定方向とは交差する噴射部配列方向に沿って、複数有し、
    前記温度測定部は、
    前記ヘッドの温度を測定するヘッド温度測定部、若しくは前記ヘッドが晒されている環境の温度を測定する環境温度測定部であり、
    前記コントローラは、
    印刷指示情報の受信を契機に、前記測定温度を取得し、
    前記相関情報に基づき、前記測定温度が高い程、前記移動噴射動作の回数を多く定め、
    インク溶媒の蒸発し易さに基づいて定められるインクの種類に基づき、前記インク溶媒が蒸発し易い程、前記移動噴射動作の回数を多く定め、
    前記搬送機構によって前記媒体を搬送させる搬送動作を、前回の移動噴射動作の終了から次回の移動噴射動作の開始までの間に行わせることで、前記1つのライン領域を複数の前記噴射部によって担当させる印刷装置。
  12. ヘッドを所定方向に移動させつつ、前記ヘッドからインクを噴射させる移動噴射動作を行わせることで、媒体に、前記所定方向に沿ったライン領域単位で画像を形成させる印刷方法であって、
    温度を測定するステップと、
    1つのライン領域の画像を完成させるために必要な前記移動噴射動作の回数を、測定温度に応じて定めるステップと、を有する印刷方法。

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