JP2005238624A - 印刷装置、及び印刷システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 アナログ信号を確実に読み取ることのできる印刷装置を実現する。
【解決手段】 ヘッド用の原駆動信号を発生する原駆動信号発生部66と、ヘッド周辺の温度を検出するための雰囲気温度センサ55を備え、ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する雰囲気温度検出部41Aと、アナログ信号を読み取り、ヘッド周辺の温度の情報を取得するコントローラ60と、を備えた印刷装置において、コントローラ60は、原駆動信号発生部66がヘッド41用の原駆動信号ODRVを発生していない期間に、アナログ信号を読み取ることを特徴とする。
【選択図】 図11

Description

本発明は、アナログ信号を確実に読み取ることができる印刷装置、及び印刷システムに関する。
画像を印刷する印刷装置として、媒体としての用紙にインクを吐出してドットを形成するインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという。)が知られている。このプリンタでは、検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、種々の制御が行われる。例えば、ヘッドの周辺に設けられた温度センサを用い、ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力させる。そして、コントローラは、このアナログ信号に基づいてヘッド周辺の温度を取得し、取得した温度に応じてヘッド用の駆動信号を調整する(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2001−205796号公報(第6頁,第5図)
ところで、ヘッド用の駆動信号は、前述したアナログ信号に比べて振幅が大きいものである。例えば、圧力発生素子としてピエゾ素子が用いられているヘッドにおいて、その駆動信号の振幅は30V程度となる。一方、アナログ信号は、その振幅が最大でも1V〜2V程度である。
このため、従来のプリンタでは、ヘッド用の駆動信号に起因するノイズが、アナログ信号の中に発生してしまう可能性がある。そして、過度に大きなノイズが発生している状態でアナログ信号が読み込まれてしまうと、不要な制御や誤った制御が行われてしまう場合がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アナログ信号を確実に読み取ることのできる印刷装置、及び印刷システムを実現することにある。
主たる発明は、ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、
を備えた印刷装置において、
前記情報取得部は、
前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする。
本発明によれば、アナログ信号を確実に読み取ることができる。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、を備えた印刷装置において、前記情報取得部は、前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、駆動信号発生部がヘッド用の駆動信号を発生していない期間に、アナログ信号が読み取られるので、ヘッド用の駆動信号に起因するノイズの発生を防止できる。このため、アナログ信号を確実に読み取らせることができる。
かかる印刷装置であって、ヘッドが設けられたキャリッジを、所定の移動方向に移動させるためのキャリッジモータと、キャリッジモータ用の駆動信号を発生するモータ用駆動信号発生部と、を備え、前記情報取得部は、前記モータ用駆動信号発生部が前記キャリッジモータ用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、モータ用駆動信号発生部がキャリッジモータ用の駆動信号を発生していない期間に、アナログ信号が読み取られるので、キャリッジモータ用の駆動信号に起因するノイズの発生を防止できる。このため、アナログ信号を確実に読み取らせることができる。
かかる印刷装置であって、前記キャリッジは、ドット形成動作が行われる直前に待機位置で待機し、前記情報取得部は、前記キャリッジが待機位置で待機している期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、情報取得部は、ドット形成動作が行われる直前の検出対象に関する情報が取得できる。このため、直前の検出対象に関する情報をドット形成動作に反映させることができ、精度の高い制御が行える。
かかる印刷装置であって、媒体を搬送するローラを回転させるための搬送モータと、搬送モータ用の駆動信号を発生する他のモータ用駆動信号発生部と、を備え、前記情報取得部は、 前記他のモータ用駆動信号発生部が前記搬送モータ用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、他のモータ用駆動信号発生部が搬送モータ用の駆動信号を発生していない期間に、アナログ信号が読み取られるので、搬送モータ用の駆動信号に起因するノイズの発生を防止できる。このため、アナログ信号を確実に読み取らせることができる。
かかる印刷装置であって、前記検出素子は、ヘッド周辺の温度を検出するためのヘッド周辺の温度検出素子であり、前記情報取得部は、前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、ヘッド周辺の温度の情報を取得することを特徴とする。
このような印刷装置によれば、ドット形成動作等に有用なヘッド周辺の温度の情報を、精度良く取得することができる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッド周辺の温度検出素子、及び前記検出部は、前記キャリッジに設けられ、前記情報取得部と前記検出部との間が、ケーブルを介して接続されていることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、ヘッド周辺の温度検出素子に基づくアナログ信号を確実に伝達させることができる。
かかる印刷装置であって、前記ケーブルは、複数の信号線を備え、前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号は、前記複数の信号線から選択された信号線を介して伝達され、前記ヘッド用の駆動信号は、前記複数の信号線から選択された他の信号線を介して伝達されることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、アナログ信号が読み取られるタイミングにおいて、ヘッド用の駆動信号が発生されていないので、ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号を伝達する信号線に関し、ヘッド用の駆動信号を伝達する信号線からの影響を受けないようにすることができる。このため、より顕著な効果を得ることができる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッド周辺の温度の情報に基づき、前記ヘッド用の駆動信号の振幅が定められることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、ヘッド用の駆動信号の最適化が図れる。
かかる印刷装置であって、前記検出素子は、駆動信号発生部の温度を検出するための駆動信号発生部用の温度検出素子であり、前記情報取得部は、前記駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、駆動信号発生部の温度の情報を取得することを特徴とする。
このような印刷装置によれば、温度上昇し易い駆動信号発生部の温度の情報を、精度良く取得することができる。
かかる印刷装置であって、前記駆動信号発生部は、ノズルに関わらず共通の原駆動信号を発生する原駆動信号発生部と、前記原駆動信号をノズル毎の個別駆動信号に整形する信号整形部とを備え、前記駆動信号発生部用の温度検出素子は、前記原駆動信号発生部と前記信号整形部の少なくとも一方に設けられることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、特に温度上昇し易い原駆動信号発生部及び信号整形部の温度の情報を、精度良く取得することができる。
かかる印刷装置であって、前記情報取得部は、前記アナログ信号を複数回読み取ることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、検出対象に関する情報をより精度良く取得することができる。
また、ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、備えた印刷装置において、ヘッドが設けられたキャリッジを、所定の移動方向に移動させるためのキャリッジモータと、キャリッジモータ用の駆動信号を発生するモータ用駆動信号発生部と、媒体を搬送するローラを回転させるための搬送モータと、搬送モータ用の駆動信号を発生する他のモータ用駆動信号発生部と、備え、前記駆動信号発生部は、ノズルに関わらず共通の原駆動信号を発生する原駆動信号発生部と、前記原駆動信号をノズル毎の個別駆動信号に整形する信号整形部とを備え、前記キャリッジは、ドット形成動作が行われる直前に待機位置で待機し、前記検出素子は、ヘッド周辺の温度を検出するためのヘッド周辺の温度検出素子、若しくは、駆動信号発生部の温度を検出するための駆動信号発生部用の温度検出素子であり、前記ヘッド周辺の温度検出素子、及び前記検出部は、前記キャリッジに設けられ、前記情報取得部と前記検出部との間が、ケーブルを介して接続され、前記ケーブルは、複数の信号線を備え、前記駆動信号発生部用の温度検出素子は、前記原駆動信号発生部と前記信号整形部の少なくとも一方に設けられ、前記情報取得部は、前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間であること、前記モータ用駆動信号発生部が前記キャリッジモータ用の駆動信号を発生していない期間であること、前記キャリッジが待機位置で待機している期間であること、前記他のモータ用駆動信号発生部が前記搬送モータ用の駆動信号を発生していない期間であること、の各条件を満たす期間に、前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号、若しくは、前記駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号を、複数回読み取り、且つ、前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、ヘッド周辺の温度の情報を取得する一方、前記駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、駆動信号発生部の温度の情報を取得するものであり、前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号は、前記複数の信号線から選択された信号線を介して伝達されるとともに、前記ヘッド用の駆動信号は、前記複数の信号線から選択された他の信号線を介して伝達され、前記ヘッド周辺の温度の情報に基づき、前記ヘッド用の駆動信号の振幅が定められることを特徴とする。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、コンピュータと印刷装置とが通信可能に接続された印刷システムであって、前記印刷装置は、ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、を備えた印刷システムにおいて、前記情報取得部は、前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする印刷システムを実現することもできる。
===印刷システム===
<印刷システムの構成について>
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、印刷システム100の外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。なお、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図4Aを参照。)を例に挙げて説明することにする。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、当該画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116(図2を参照。)等のユーザーインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード131やマウス132であり、表示装置120に表示されたユーザーインタフェースに沿って、アプリケーションプログラム114の操作やプリンタドライバ116の設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
コンピュータ110にはプリンタドライバ116がインストールされている。プリンタドライバ116は、表示装置120にユーザーインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバ116は、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、このプリンタドライバ116は、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。そして、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ110とのシステムを意味する。例えば、プリンタドライバ116やアプリケーションプログラム114等を組み込んだプリンタも含まれる。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバ116が行う基本的な処理の概略的な説明図である。なお、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
コンピュータ110では、このコンピュータ110に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112、アプリケーションプログラム114、及びプリンタドライバ116などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザーインタフェース等を表示装置120に表示させる機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム114のユーザーインタフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷するための指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタ1に出力する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。そして、コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、用紙Sへ印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する用紙上の位置に形成されるドットに関し、その色や大きさ等を示すデータである。そして、プリンタドライバ116は、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行うことで、画像データを印刷データに変換する。以下、プリンタドライバ116が行う各処理について、簡単に説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを、用紙Sに印刷する際の解像度に変換する処理である。色変換処理は、RGB画像データをCMYK色空間により表されるCMYK画像データに変換する処理である。このCMYKデータは、プリンタ1が有するインクの色、すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応したデータである。この色変換処理は、RGB画像データの階調値とCMYK画像データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)を、プリンタドライバ116が参照することで行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGB画像データがCMYK画像データに変換される。ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンタ1で表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。このハーフトーン処理によって、例えば、256階調を示す8ビットのCMYK画素データが、4階調を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタ1へ転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタ1に出力される。
===プリンタ===
<プリンタの構成について>
図3は、本実施形態のプリンタ1の全体構成を説明するブロック図である。図4Aは、本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図であり、図4Bは、キャリッジ31のホームポジションP1、フラッシングポジションP2、及びキャッピングポジションP3を模式的に説明する図である。図5は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の横断面図である。図6は、ユニット制御回路64が備えるモータドライバ65を説明する図である。図7Aは、原駆動信号発生部66の構成を説明するブロック図であり、図7Bは、トランジスタ662,663の温度を検出するトランジスタ温度検出部66Aの構成を説明するブロック図であり、図7Cは、トランジスタ662,663とトランジスタ用温度センサ56の位置関係を説明する図である。図8Aは、ヘッド駆動部42の構成を説明するブロック図、図8Bは、ヘッド周辺の温度を検出する雰囲気温度検出部41Aの構成を説明するブロック図である。以下、これらの図を参照して、本実施形態のプリンタ1の基本的な構成について説明する。
このプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙Sに画像を印刷する。プリンタ内の状況はセンサ50によって監視されており、センサ50は、検出結果をコントローラ60に出力する。そして、センサ50からの検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、印刷可能な位置に用紙Sを送り込んだり、印刷時に所定の方向(すなわち、搬送方向)に所定の搬送量で用紙Sを搬送させたりするものである。ここで、用紙Sの搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向であり、副走査方向とも表現できる。この搬送ユニット20は、用紙Sを搬送する搬送機構として機能し、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータともいう。)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21はD形の断面形状をしており、円周部分の長さは、搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されている。このため、この円周部分を用紙表面に当接させた状態で給紙ローラ21を回転させることにより、用紙Sを搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送する際の駆動源となるモータであり、例えばDCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラである。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、用紙Sの裏面側から支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送方向へ搬送するためのローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。本実施形態では、これらの給紙ローラ21、搬送ローラ23、及び排紙ローラ25を、搬送モータ22によって回転させている。従って、これらの給紙ローラ21、搬送ローラ23、及び排紙ローラ25は、請求項に係る「ローラ」に相当する。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31とキャリッジモータ32(CRモータともいう。)とを備える。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を所定の移動方向(以下では、キャリッジ移動方向ともいう。)に往復移動させるための駆動源であり、例えばDCモータにより構成される。なお、このキャリッジ移動方向は、主走査方向とも表現できる。このキャリッジ31には、インクを収容するインクカートリッジ70が装着される。このインクカートリッジ70は、キャリッジ31に対して着脱可能であり、インクが空になった場合には、新しいインクカートリッジ70に交換できる。また、このキャリッジ31には、ノズルからインクを吐出するヘッド41が設けられている。本実施形態におけるヘッド41は、ノズル面を下向きにして取り付けられている。このため、キャリッジ31の往復移動によって、ヘッド41及びノズルもキャリッジ移動方向に往復移動する。
そして、キャリッジ31の移動範囲における一端側には、ホームポジションP1が設定されている。このホームポジションP1は、ドット形成動作が行われる前において、キャリッジ31が待機する待機位置である。言い換えると、ヘッド41は、このホームポジションP1を起点にして移動される。また、このホームポジションP1の近傍には、キャップ部材80が設けられている。このキャップ部材80は、上面側が開放されたトレイ状の部材であり、その内部にはインク用の吸収材が収容されている。
図4Bに示すように、キャップ部材80は、ホームポジションP1よりも外側(プラテン24とは反対側)において、ヘッド41とともにキャリッジ移動方向に沿って移動する。この場合、キャップ部材80は、プラテン24から離れるに従って上方にも移動する。そして、キャリッジ31の移動範囲における最も端まで移動すると、一点鎖線で示すように、キャップ部材80の上縁がノズル面に密着する。この状態は、キャッピング状態とも呼ばれ、各ノズルがキャップ部材80の凹部内に臨んだ状態となり、ノズルからのインク溶媒の蒸発が抑制される。そして、この一点鎖線で示す位置が、キャッピングポジションP3となる。
また、図4Bに点線で示すように、ホームポジションP1とキャッピングポジションP3との間には、フラッシングポジションP2が設定されている。このフラッシングポジションP2は、フラッシング動作が行われる位置である。ここで、フラッシング動作とは、インクを打ち捨てることにより、ノズル内のインクを入れ替える動作である。すなわち、ノズル付近で増粘したインクを外部に排出し、増粘していないインクに入れ替える動作である。そして、フラッシングポジションP2では、キャップ部材80の上縁とノズル面との間に僅かな隙間がある。
ヘッドユニット40は、ヘッド41とヘッド駆動部42を有する(図8Aを参照)。ヘッド41は、複数のノズルを有しており、各ノズルから断続的にインクを吐出する。例えば、ノズルに連通される圧力室(図示せず)の一部を弾性膜によって区画し、この弾性膜をピエゾ素子(PZT)によって変形させる。すなわち、ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、印加された電圧に応じて変形する。このピエゾ素子の変形に応じて圧力室の容積が変化し、圧力室の容積変化によって圧力室内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動を利用することで、ノズルからインクを吐出させている。なお、ヘッド駆動部42、及びヘッド41の駆動については、後で説明する。
センサ50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、紙幅センサ54、雰囲気温度センサ55(図8Bを参照)、及びトランジスタ用温度センサ56(図7Bを参照)等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31(ヘッド41)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅センサ54は、用紙Sの端部を検出するものであり、本実施形態ではキャリッジ31に取り付けられている。雰囲気温度センサ55は、ヘッド周辺の温度を検出するための素子であり、例えば、サーミスタが用いられる。本実施形態において、雰囲気温度センサ55はキャリッジ31に設けられている。詳しくは、キャリッジ31に取り付けられた中継基板311(図9を参照)に、ヘッド駆動部42等とともに実装されている。そして、この雰囲気温度センサ55は、請求項に係る「ヘッド周辺の温度検出素子」に相当する。トランジスタ用温度センサ56は、原駆動信号発生部66が備えるトランジスタ662,663の温度を検出するための素子であり、例えば、サーミスタが用いられる。そして、このトランジスタ用温度センサ56は、請求項に係る「駆動信号発生部用の温度検出素子」に相当する。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。このコントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等が用いられ、記憶手段を構成する。そして、CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従い、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
ユニット制御回路64は各ユニットを制御するものであり、本実施形態ではモータドライバ65や原駆動信号発生部66が含まれる。図6に示すように、モータドライバ65は、CPU62からの制御情報に基づき、搬送モータ用の駆動信号PFDRVやキャリッジモータ用の駆動信号CRDRVを出力する。このため、これらのユニット制御回路64、CPU62、及びメモリ63を備えるコントローラ60は、請求項に係る「モータ用駆動信号発生部」、及び「他のモータ用駆動信号発生部」に相当する。また、本実施形態のモータドライバ65は、電圧調整器(レギュレータ)としての機能を有し、論理回路用の電源電圧VDDを生成する。すなわち、このモータドライバ65は、電源に相当する。
原駆動信号発生部66は、ノズルに関わらず共通の原駆動信号ODRVを発生するものであり、例えば、図7Aに示すように、制御回路661と、電圧上昇用のトランジスタ662と、電圧降下用のトランジスタ663とを有している。電圧上昇用のトランジスタ662は、コレクタが電源に、エミッタが原駆動信号ODRVの出力信号線にそれぞれ接続されたNPN型のトランジスタである。また、電圧降下用のトランジスタ663は、コレクタが接地(アース)に、エミッタが原駆動信号ODRVの出力信号線にそれぞれ接続されたPNP型のトランジスタである。これらの電圧上昇用のトランジスタ662、及び電圧降下用のトランジスタ663は、制御回路661からの制御信号によって制御される。すなわち、原駆動信号ODRVの電圧を上昇させる場合には、電圧上昇用のトランジスタ662によって、原駆動信号ODRVの出力信号線を原駆動信号用の電源に導通させる。一方、原駆動信号ODRVの電圧を降下させる場合には、電圧降下用のトランジスタ663によって、原駆動信号ODRVの出力信号線を接地する。そして、制御回路661は、原駆動信号ODRVの電圧を監視しており、CPU62から指示された電圧と原駆動信号ODRVの電圧との差に基づき、動作対象となるトランジスタの選択を行うとともに、選択されたトランジスタの動作期間(オン期間)を定める。本実施形態において、制御回路661は、CPU62からの制御情報に基づき動作する。
このようにして原駆動信号発生部66から発生される原駆動信号ODRVは、請求項に係る「ヘッド用の駆動信号」に相当する。そして、CPU62、メモリ63、制御回路661、及び原駆動信号発生部66を備えるコントローラ60は、請求項に係る「駆動信号発生部」に相当する。
<ヘッドの駆動について>
ヘッド駆動部42は、ノズル毎の駆動信号DRV(以下、個別駆動信号DRVという。)の各ピエゾ素子への供給を制御する。すなわち、ドット形成動作において、ヘッド駆動部42は、コントローラ60のCPU62から送られてくる印刷データSI、ラッチ信号LAT、及びチャンネル信号CH等に基づき、ノズルに関わらず共通の原駆動信号ODRVを整形して、個別駆動信号DRVを得る。そして、得られた個別駆動信号DRVを、そのノズルに対応するピエゾ素子に供給してインクを吐出させる。この個別駆動信号DRVもまた、請求項に係る「ヘッド用の駆動信号」に相当する。また、このような動作を行うヘッド駆動部42、及びコントローラ60は、請求項に係る「駆動信号発生部」に相当する。また、ヘッド駆動部42は、請求項に係る「信号整形部」に相当する。

以下、ドット形成動作が行われている状態での原駆動信号ODRV、及び個別駆動信号DRVについて説明する。ここで、図12はキャリッジ31の待機状態からドット形成動作へ切り替わる際の原駆動信号ODRV、及び各制御信号を説明する図である。この図において、時点t1よりも前では、キャリッジ31はホームポジション(待機位置)で待機している。そして、時点t1にて、キャリッジモータ用の駆動信号CRDRVのキャリッジモータ32への供給が開始される。これにより、キャリッジ31の移動が開始される。その後、時点t2にて、ラッチ信号LATが発生する。このラッチ信号LATの発生を契機にドット形成動作が行われる。
本実施形態において、ドット形成動作に用いられる原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間に対応する印刷周期Tを繰り返し単位として発生される信号である。そして、原駆動信号ODRVは、この印刷周期T内に4つの駆動パルスW1〜W4を含んでいる。第1の駆動パルスW1は、ノズルから中サイズのインク滴(以下、中インク滴という。)を吐出させるものである。第2の駆動パルスW2は、ノズルから小サイズのインク滴(以下、小インク滴という。)を吐出させるものである。第3の駆動パルスW3は、ノズルから中インク滴を吐出させるためのものであり、第1の駆動パルスW1と同じ波形とされている。第4の駆動パルスW4は、インク滴が吐出されない程度にメニスカスを微振動させるものである。そして、前述したコントローラ60(CPU62)は、ヘッド周辺の温度に基づいて、原駆動信号ODRVの振幅を定める。具体的には、原駆動信号ODRVにおける最高電圧と最低電圧との差を定める。なお、この差は、駆動電圧Vhとも呼ばれる。
そして、印刷データSIに含まれる画素データが、ドットの非形成を示す「00」であった場合、第4の駆動パルスW4がピエゾ素子に供給される。また、画素データが、小ドットの形成を示す「01」であった場合、第2の駆動パルスW2がピエゾ素子に供給される。同様に、画素データが中ドットの形成を示す「10」であった場合、第1の駆動パルスW1と第3の駆動パルスW3の一方がピエゾ素子に供給され、画素データが大ドットの形成を示す「11」であった場合、第1の駆動パルスW1と第3の駆動パルスW3の両方がピエゾ素子に供給される。
このため、ヘッド駆動部42は、印刷データSIに含まれる画素データに基づき、選択信号を生成する。そして、この選択信号を、ラッチ信号LATのタイミング及びチャンネル信号CHのタイミングで切り替えることで、第1の駆動パルスW1〜第4の駆動パルスW4を選択的にピエゾ素子へ供給している。例えば、画素データが「00」の場合には、第1の駆動パルスW1〜第3の駆動パルスW3に対応する選択信号がいずれも「0」となり、第4の駆動パルスW4に対応する選択信号が「1」となる。同様に、画素データが「11」の場合には、第1の駆動パルスW1及び第3の駆動パルスW3に対応する選択信号がいずれも「1」となり、第2の駆動パルスW2及び第4の駆動パルスW4に対応する選択信号がいずれも「0」となる。
その結果、画素データが「00」の場合には、期間dT4において原駆動信号ODRVがピエゾ素子に供給され、これに伴い、第4の駆動パルスW4がピエゾ素子に供給されることになる。同様に、画素データが「11」の場合には、期間dT1,dT3において原駆動信号ODRVがピエゾ素子に供給され、これに伴い、第1の駆動パルスW1及び第3の駆動パルスW3がピエゾ素子に供給されることになる。
<ケーブルについて>
図9は、コントローラ60と中継基板311との間に設けられたケーブル90を説明する図である。この図に示すように、本実施形態では、キャリッジ31に中継基板311を取り付けてあり、コントローラ60と中継基板311との間にケーブル90を設けている。このケーブル90は、複数の信号線91を備えており、例えば、フラットケーブルが用いられる。そして、複数の信号線91には、これらの原駆動信号ODRV、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CH、印刷データSI、クロック信号CLK、及び電源電圧VDD等が割り当てられている。このように、コントローラ60と中継基板311との間にケーブル90を配し、各信号を対応する信号線91を介して伝達させるようにすると、キャリッジ31が頻繁に移動しても信号の伝達を確実に行うことができる。
本実施形態では、雰囲気温度センサ55に基づく温度検出信号Vth1(後述する)についても、1つの信号線91を介して伝達している。つまり、コントローラ60と雰囲気温度検出部41Aとの間をケーブル90で接続している。そして、この温度検出信号Vth1を伝達する信号線91の両隣に、接地用の信号線91を配置している。このように、温度検出信号用の信号線91を接地用の信号線91で挟むと、原駆動信号ODRVやクロック信号CLK等に起因するノイズが、温度検出信号用の信号線91に乗りにくくなるので、好ましい。
また、本実施形態では、前述したヘッド駆動部42も中継基板311に実装してあり、この中継基板311とヘッド41との間にはケーブル92が設けられている。このため、ヘッド駆動部42で整形された個別駆動信号DRVは、このケーブル92を介してヘッド41に伝達される。
<印刷動作について>
図10は、印刷時の動作のフローチャートである。以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行する。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データSIのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データSIに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを制御して、以下の準備動作、搬送動作、ドット形成動作等を行う。
準備動作(S002):次に、コントローラ60は、準備動作を行う。準備動作とは、ドット形成動作に先立ってなされる動作である。本実施形態では、この準備動作の中で、給紙(所謂、頭出し)、フラッシング、及びアナログ信号の読み取り等の処理が行われる。
ドット形成動作(S003):次に、コントローラ60は、ドット形成動作を行う。ドット形成動作とは、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙Sにドットを形成する動作である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31をキャリッジ移動方向に移動させる。また、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データSIに基づいてヘッド41(ノズル)からインクを吐出させる。そして、ヘッド41から吐出されたインクが用紙上に着弾すれば、用紙上にドットが形成される。また、このドット形成動作は、前述したホームポジションP1を起点として行われる。つまり、1単位のドット形成動作が終了すると、ヘッド41はホームポジションP1に戻り、その後、次の1単位のドット形成動作が行われる。
搬送動作(S004):次に、コントローラ60は、搬送動作を行う。搬送動作とは、用紙Sを、ヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータ22を駆動し、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することができる。
排紙判断(S005):次に、コントローラ60は、印刷中の用紙Sについて排紙の判断を行う。この判断時において、印刷中の用紙Sに印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。印刷中の用紙Sに印刷するためのデータがなくなったならば、コントローラ60は、その用紙Sを排出する。すなわち、コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることにより、印刷した用紙Sを外部に排出する。
印刷終了判断(S006):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙Sに印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙Sの給紙動作を開始する。次の用紙Sに印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
===本実施形態のプリンタの特徴===
<参考例について>
本実施形態のプリンタ1の特徴を説明するにあたり、まず参考例について説明する。この種のプリンタにおいて、ヘッド周辺の温度は、高品質な印刷を行う上で重要である。これは、ヘッド周辺の温度に応じてインクの粘性が変化するため、同じ駆動パルスを使用したとしても、吐出されるインクの量がヘッド周辺の温度に応じて微妙に異なり、色の濃淡に違いが生じてしまうからである。また、原駆動信号発生部が備えるトランジスタの温度も重要である。これは、原駆動信号が10数kHz〜30数kHz程度の高い周波数であり、その振幅が30V前後と比較的大きいことに起因する。すなわち、このような原駆動信号を発生すべく、トランジスタは、非常に短い周期でスイッチングを行うことが求められる。そして、適正な動作を行わせるためには、トランジスタの温度を管理して、過度な温度上昇を防止する必要がある。このようなことから、従来もヘッド周辺の温度やトランジスタの温度の情報が取得され、取得された温度の情報に基づく制御が行われていた。
ところで、最近では、顔料インク等の増粘し易いインクが用いられたり、2pL程度の極く少量のインク滴を吐出させることが行われたりしてインクの増粘が顕著になっている。この増粘対策として、メニスカスの微振動を常に行わせることが考えられる。例えば、プリンタの電源がオンの期間では、印刷が行われていない待機期間中であっても、メニスカスを微振動させてインクの増粘を防止する。この場合、電源のオン期間において、原駆動信号発生部からは常に原駆動信号が発生されることになる。
しかしながら、この微振動は、ヘッドが備える全てのノズルに対して行われるため、原駆動信号用の信号線には、比較的大きな電流が流れることになる。従って、ドットの形成が行われていない期間であっても、原駆動信号に起因するノイズが生じる可能性がある。そして、過度に大きなノイズが発生している状態でアナログ信号が読み込まれてしまうと、不要な制御が行われたり、誤った制御が行われていたりする場合がある。
<本実施形態のプリンタの特徴>
このような事情に鑑み、本実施形態のプリンタ1では、検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を、情報取得部としてのコントローラ60が読み取る場合において、コントローラ60は、ヘッド用の駆動信号(原駆動信号ODRV,個別駆動信号DRV)が発生されていない期間に、アナログ信号を読み取る構成とした。このような構成とすることにより、アナログ信号の読み取り時点では、ノイズの原因となる駆動信号が発生していないので、ノイズに起因する誤検出を確実に防止することができ、アナログ信号を確実に読み取ることができる。
<温度の検出部について>
まず、図8及び図9に基づき、ヘッド周辺の温度を検出する検出部(便宜上、雰囲気温度検出部41Aという。)について説明する。前述したように、この雰囲気温度検出部41Aは、キャリッジ31に取り付けられている中継基板311に、ヘッド駆動部42等とともに設けられている。
この雰囲気温度検出部41Aは、互いに直列に接続された抵抗素子411及び雰囲気温度センサ55を備えている。本実施形態では、抵抗素子411を、雰囲気温度センサ55よりも電源側に接続している。そして、これらの抵抗素子411と雰囲気温度センサ55の間から、温度検出信号Vth1が伝達される信号線412を引き出している。また、抵抗素子411が接続される電源は、例えば、前述したモータドライバ65である。本実施形態において、この電源の電圧は、論理回路用の電源電圧VDDとなっている。
雰囲気温度センサ55は、ヘッド41のすぐ近くに配置され、このヘッド41が晒されている環境の温度に応じて抵抗値を変化させる。つまり、ヘッド周辺の温度を検出するものである。この検出温度センサ50としては、ヘッド周辺の温度、つまり検出温度が上昇する程に、抵抗値が低下する負特性サーミスタが用いられる。そして、この抵抗値は、例えば、0℃で5kΩ、25℃で10kΩ、100℃で5kΩとなる。
一方、抵抗素子411は、この雰囲気温度センサ55に適した抵抗値のものが選択される。本実施形態では、抵抗値が5kΩのものが選択される。これらの雰囲気温度センサ55及び抵抗素子411で5Vの電源電圧VDDを分割すると、分割された電圧と雰囲気温度センサ55で検出される温度との関係は、次のようになる。すなわち、温度0℃の電圧値は3.75Vとなり、温度25℃の電圧値は3.3Vとなる。また、温度100℃の電圧値は2.5Vとなる。この分割された電圧は、温度検出信号Vth1の電圧である。
このように、雰囲気温度検出部41Aから出力される温度検出信号Vth1は、ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるので、請求項に係る「ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号」に相当する。そして、温度検出信号Vth1の電圧と検出温度の相関関係を、コントローラ60のメモリ63に記憶させることで、CPU62はヘッド周辺の温度の情報を得ることができる。
次に、図7Aから図7Cに基づき、原駆動信号発生部66が備えるトランジスタ662,663の温度を検出する検出部(便宜上、トランジスタ温度検出部66Aという。)について説明する。このトランジスタ温度検出部66Aは、前述した雰囲気温度検出部41Aと同様の構成である。すなわち、互いに直列に接続された抵抗素子664及びトランジスタ用温度センサ56を備えており、抵抗素子664を、トランジスタ用温度センサ56よりも電源側に接続している。そして、これらの抵抗素子664とトランジスタ用温度センサ56の間から、温度検出信号Vth2が伝達される信号線665を引き出している。また、抵抗素子664が接続される電源は、例えば、前述したモータドライバ65であり、電源電圧は、論理回路用の電源電圧VDDである。また、このトランジスタ用温度センサ56も負特性サーミスタである。このトランジスタ用温度センサ56及び組になる抵抗素子664の抵抗値は、前述した雰囲気温度センサ55及び抵抗素子411の組と同様にして定められる。但し、トランジスタの発熱を考慮すると、50℃〜80℃の検出感度が良好になるように、抵抗値を定めることが好ましい。
また、電圧上昇用のトランジスタ662、及び電圧降下用のトランジスタ663は、端子の向きが揃えられ、互いに並べられた状態で実装されている。そして、トランジスタ用温度センサ56は、2つのトランジスタ662,663の丁度中間に配置されている。つまり、熱源に挟まれた位置に配置されている。
このトランジスタ温度検出部66Aでは、トランジスタ662,663の温度が配線基板(主に導体)を通じてトランジスタ用温度センサ56に伝達される。このため、トランジスタ用温度センサ56による検出温度に基づき、トランジスタ662,663の温度を知ることができる。例えば、電圧上昇用のトランジスタ662、及び電圧降下用のトランジスタ663の温度を実際に測定するとともに、対応する温度検出信号Vth2の電圧を測定する。これにより、各トランジスタ662,663の温度と温度検出信号Vth2の電圧との相関関係が把握でき、この相関関係に基づいてトランジスタ662,663の温度を知ることができる。
そして、トランジスタ温度検出部66Aから出力される温度検出信号Vth2は、トランジスタ662,663の温度に応じて電圧が定まるので、請求項に係る「駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号」に相当する。そして、温度検出信号Vth2の電圧と検出温度の相関関係を、コントローラ60のメモリ63に記憶させることで、CPU62はトランジスタ662,663の温度の情報を得ることができる。
<検出部から出力されるアナログ信号の読み取りについて>
次に、前述した雰囲気温度検出部41Aからの温度検出信号Vth1と、トランジスタ温度検出部66Aからの温度検出信号Vth2の読み取りについて説明する。本実施形態では、これらの信号Vth1,Vth2の読み取りを、前述した準備動作で行っている。このため、準備動作の説明の中で読み取り動作も説明する。
ここで、図11は、原駆動信号ODRV、ヘッド用の制御信号(LAT,CH,SI等)、及びモータ用の駆動信号(CRDRV,PFDRV)を説明するタイミングチャートである。図12は、図11中の符号Aで示す部分を時間軸方向に拡大した図である。図13は、前述した準備動作の詳細を説明するフローチャートである。そして、以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行する。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
微振動開始(S011):一連の準備動作において、コントローラ60は、まず微振動を開始させる。この微振動は、印字前微振動とも呼ばれるものである。この微振動を行うためには、原駆動信号発生部66から発生される原駆動信号ODRVを、微振動用の原駆動信号ODRVとする。そして、微振動用の原駆動信号ODRVをヘッド41の各ピエゾ素子に供給する。微振動用の原駆動信号ODRVは、微振動パルスW5が繰り返し発生される信号である。なお、この微振動用の原駆動信号ODRVは、最低電圧(本実施形態では放電用トランジスタ663の飽和電圧)を基準としているので、微振動パルスW5は、高電圧側に凸の台形状である。そして、このような微振動用の原駆動信号ODRVを発生させるため、コントローラ60のCPU62は、原駆動信号発生部66の制御回路661に対し、微振動用の原駆動信号ODRVを発生させるための制御情報を出力する。また、微振動用の原駆動信号ODRVを各ピエゾ素子に供給するため、コントローラ60からヘッド駆動部42に向けて、原駆動信号ODRVを全てのピエゾ素子へ供給するための制御情報(図示せず)も出力される。
給紙動作(S012):次に、コントローラ60は、給紙動作を行わせる。給紙動作とは、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする処理である。すなわち、コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。この給紙動作において、CPU62は、モータドライバ65に制御信号を出力し、モータドライバ65は、搬送モータ22に搬送モータ用の駆動信号PFDRVを出力する。図11では、時点t11aから時点t11bに亘って、搬送モータ用の駆動信号PFDRVが出力されている。
フラッシング動作(S013):次に、コントローラ60は、フラッシング動作を行わせる。このフラッシング動作において、コントローラ60は、キャリッジ31を移動させ、ヘッド41をフラッシングポジションP2(図4Bを参照)に位置付ける。この移動を行わせるため、CPU62は、モータドライバ65に制御信号を出力し、モータドライバ65は、キャリッジモータ32にキャリッジモータ用の駆動信号CRDRVを出力する。図11では、時点t12aから時点t12bに亘って、キャリッジモータ用の駆動信号CRDRVが出力されている。
ヘッド41がフラッシングポジションP2に位置付けられたならば、原駆動信号発生部66から発生される原駆動信号ODRVを、フラッシング用の原駆動信号ODRVに切り替える。ここで、フラッシング用の原駆動信号ODRVは、フラッシングパルス(図示せず)が繰り返し発生される信号である。本実施形態のフラッシングパルスは、例えば、前述した第1の駆動パルスW1と同様な波形とされている。この場合、フラッシング用の原駆動信号ODRVは、中間電圧を基準として発生される。このため、微振動用の原駆動信号ODRVからフラッシング用の原駆動信号ODRVに切り替えるにあたり、まず、微振動パルスW5の発生を停止させ(時点t13a)、その後、ベースの電圧を中間電圧まで上昇させる(時点t13aから時点t13b)。中間電圧までベースの電圧を上昇させたならば、フラッシング用の原駆動信号ODRVを発生させる(時点t13bから時点t13c)。なお、微振動用の原駆動信号ODRVからフラッシング用の原駆動信号ODRVに切り替えるにあたり、ヘッド41の各ピエゾ素子には、原駆動信号ODRVがそのまま供給されている。このため、原駆動信号ODRVを切り替えることで、各ノズルからインクが吐出される。
そして、インクを所定回数吐出させたならばフラッシング動作を終了する。この場合、原駆動信号ODRVを、微振動用の原駆動信号ODRVに戻す必要がある。このため、ベースの電圧を最低電圧まで下げる(時点t13cから時点t13d)。最低電圧までベースの電圧を下げたならば、微振動用の原駆動信号ODRVの発生を開始する(時点t13d)。
ホームポジションP1へ移動(S014):次に、コントローラ60は、その後に行われるドット形成動作に備えて、待機位置としてのホームポジションP1(図4Bを参照)にキャリッジ31(ヘッド41)を移動させる。この移動を行わせるため、CPU62は、モータドライバ65に制御信号を出力し、モータドライバ65は、キャリッジモータ32にキャリッジモータ用の駆動信号CRDRVを出力する。図11では、時点t14aから時点t14bに亘って、キャリッジモータ用の駆動信号CRDRVが出力されている。
微振動停止(S015):次に、コントローラ60は、その後に行われる信号読み取り動作に備えて微振動を停止させる。このため、原駆動信号ODRVの発生を停止させる。この場合において、コントローラ60のCPU62は、原駆動信号発生部66の制御回路661に対し、最低電圧を出力させるための制御情報を出力する。その結果、原駆動信号発生部66の出力は最低電圧で一定となり、原駆動信号ODRVが発生されていない状態となる。
信号読み取り動作(S016):次に、コントローラ60は、前述した雰囲気温度検出部41Aから出力される温度検出信号Vth1、及び、トランジスタ温度検出部66Aから出力される温度検出信号Vth2を読み取る。このとき、ノイズの主な原因となる原駆動信号ODRVは、ステップS015の処理で発生していない。このため、温度検出信号Vth1を伝達するための信号線(例えば、ケーブル90の信号線91)に、を通じてノイズが発生してしまう不具合を防止することができる。その結果、ノイズに起因する誤検出を確実に防止することができ、これらの温度検出信号Vth1,Vth2を確実に読み取ることができる。
また、この信号読み取り動作が行われている期間においては、キャリッジモータ用の駆動信号CRDRVや搬送モータ用の駆動信号PFDRVも出力されていない。このため、これらの駆動信号に起因するノイズの発生も防止することができる。特に、本実施形態では、モータ用の駆動信号CRDRV,PFDRVを発生するモータドライバ65が、雰囲気温度検出部41Aやトランジスタ温度検出部66A用の電源を兼ねているので、モータ用の駆動信号CRDRV,PFDRVの発生に起因する電源電圧の変動も生じ難い。その結果、温度検出信号から取得された温度の信頼性を高めることもできる。
加えて、この信号読み取り動作が行われている期間においては、印刷データSIはヘッド41へ転送されず、クロック信号CLKも発生されない。これも、ノイズ防止の観点からである。すなわち、これらの印刷データSIやクロック信号CLKに関しても同じケーブル90を用いて伝達されるので、ノイズの発生原因となり得る。本実施形態のように、印刷データSIの転送、及びクロック信号CLKの発生を止めることで、これらの信号に起因するノイズの発生も防止することができる。
この信号読み取り動作において、コントローラ60は、1つの温度検出信号について2回読み込みを行い、読み込み結果の同一性が確認できた場合に、読み込んだ結果を正規の情報として取得している。本実施形態では、1回目に読み込まれた温度検出信号の電圧をアナログデジタル変換し、変換後の電圧に基づく温度の情報を得る。また、2回目に読み込まれた温度検出信号の電圧についても、同様の手順で変換後の電圧に基づく温度の情報を得る。そして、1回目に対応する温度の情報と2回目に対応する温度の情報との差が1℃以内であれば、2回目に対応する温度の情報が、その時点における温度情報として取得される。また、差が1℃を越えていた場合には、差が1℃以内になるまで、同様な処理を繰り返し行う。
なお、1回目の読み込みから2回目の読み込みまでは、0.2〜0.5ms程度の間隔を空けている。これは、原駆動信号発生部66からの原駆動信号ODRVや、モータ用の駆動信号CRDRV,PFDRVとは異なる要因でノイズが発生してしまった場合を考慮したためである。すなわち、異なる要因でノイズが発生してしまったとしても、間隔を空けているため、1回目に対応する温度の情報と2回目に対応する温度の情報との差が1℃を越える可能性が極めて高くなる。その結果、ノイズの誤検出を確実に防止できる。
この信号読み取り動作が終了すると、前述したドット形成動作(S003)が開始される。このドット形成動作では、まず、キャリッジ31(ヘッド41)を用紙側に移動させる。この移動を行わせるため、CPU62は、モータドライバ65に制御信号を出力し、モータドライバ65は、キャリッジモータ32にキャリッジモータ用の駆動信号CRDRVを出力する。そして、ヘッド41が用紙上に達した時点からヘッド用の原駆動信号ODRVに基づき、インクの吐出、つまり、ドットの形成が行われる。この際に用いられるヘッド用の原駆動信号ODRVは、信号読み取り動作で取得されたヘッド周辺の温度の情報に基づいて、その振幅(駆動電圧Vh)が設定されている。このように、本実施形態では、ドット形成動作が行われる直前の温度の情報が反映されている。すなわち、ドット形成動作に先立って、キャリッジ31(ヘッド41)がホームポジションP1で待機している期間に、温度の情報が取得され、この情報がドット形成動作に反映されている。その結果、精度の高い制御が行える。
なお、信号読み取り動作にて、トランジスタ662,663の温度が過度に高かった場合には、ドット形成動作は行われず、異常を知らせる報知処理が行われる。
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1では、ヘッド周辺の温度や原駆動信号発生部66のトランジスタ662,663の温度を精度良く取得することができる。また、図10のフローチャートから判るように、準備動作(S002)は、新たな用紙Sが供給される毎に行われる。このため、印刷の時間を損なうことなく、効率よく情報を取得することができる。
なお、このプリンタ1では、ヘッド周辺の温度を検出する雰囲気温度検出部41A、及び原駆動信号発生部66が備えるトランジスタの温度を検出するトランジスタ温度検出部66Aについて説明したが、これらに限定されるものではない。
例えば、図14に示すように、信号整形部としてのヘッド駆動部42の温度を取得する場合にも適用できる。この場合、ヘッド駆動部42の温度を検出する検出部(便宜上、駆動部温度検出部42Aという。)は、駆動信号発生部用の温度検出素子としてのダイオード421を備えている。このダイオード421の順方向電圧は、ダイオード421の温度に応じて変化する。このため、図14Bに示すように、ダイオード421のアノード電極側に定電流回路422を接続した場合、アノード電極の電圧は、ダイオード421の温度に応じて定まる。従って、アノード電極の電圧を示す温度検出信号Vth3に基づき、ダイオード421の温度、すなわち、ヘッド駆動部42の温度が取得できる。
そして、前述したように、ヘッド駆動部42は、キャリッジ31の中継基板311に設けられている。このため、ヘッド駆動部42の温度を示す温度検出信号Vth3は、ヘッド周辺の温度を示す温度検出信号Vth1と同様に、ケーブル90中の信号線91を介してコントローラ60に入力される。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてプリンタ1について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷システム100等の開示が含まれている。また、一実施形態としてのプリンタ1について説明をしたが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 プリンタドライバが行う処理の概略的な説明図である。 本実施形態のプリンタの全体構成を説明するブロック図である。 図4Aは、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図であり、図4Bは、キャリッジのホームポジション、フラッシングポジション、及びキャッピングポジションを模式的に説明する図である。 プリンタの全体構成の横断面図である。 ユニット制御回路が備えるモータドライバを説明する図である。 図7Aは、原駆動信号発生部の構成を説明するブロック図であり、図7Bは、トランジスタの温度を検出するトランジスタ温度検出部の構成を説明するブロック図であり、図7Cは、トランジスタとトランジスタ用温度センサの位置関係を説明する図である。 図8Aは、ヘッド駆動部の構成を説明するブロック図、図8Bは、ヘッド周辺の温度を検出する雰囲気温度検出部の構成を説明するブロック図である。 コントローラと中継基板との間に設けられたケーブルを説明する図である。 印刷時の動作のフローチャートである。 原駆動信号、ヘッド用の制御信号、及びモータ用の駆動信号を説明するタイミングチャートである。 図11中の符号Aで示す部分を時間軸方向に拡大した図である。 カートリッジの装着を検出する動作、及び温度を検出する動作のフローチャートである。 図14A,図14Bは、駆動部温度検出部を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,20 搬送ユニット,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,30 キャリッジユニット,
31 キャリッジ,311 中継基板,32 キャリッジモータ,
40 ヘッドユニット,41A 雰囲気温度検出部,41 ヘッド,
411 抵抗素子,412 信号線,42 ヘッド駆動部,42A 駆動部温度検出部,
421 ダイオード,422 定電流回路,50 センサ,51 リニア式エンコーダ,
52 ロータリー式エンコーダ,53 紙検出センサ,54 紙幅センサ,
55 雰囲気温度センサ,56 トランジスタ用温度センサ,60 コントローラ,
61 インターフェース部,62 CPU,63 メモリ,64 ユニット制御回路,
65 モータドライバ,66 原駆動信号発生部,66A トランジスタ温度検出部,
661 制御回路,662,663 トランジスタ,664 抵抗素子,
665 信号線,70 インクカートリッジ,80 キャップ部材,90 ケーブル,
91 信号線,92 ケーブル,100 印刷システム,110 コンピュータ,
112 ビデオドライバ,114 アプリケーションプログラム,
116 プリンタドライバ,120 表示装置,130 入力装置,
131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,142 CD−ROMドライブ装置,
P1 ホームポジション,P2 フラッシングポジション,
P3 キャッピングポジション,S 用紙,ODRV 原駆動信号,
DRV 個別駆動信号,PFDRV 搬送モータ用の駆動信号,
CRDRV キャリッジモータ用の駆動信号,
LAT ラッチ信号,CH チャンネル信号,SI 印刷データ,
CLK クロック信号,W1〜W4 駆動パルス,W5 微振動パルス

Claims (13)

  1. ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、
    検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、
    前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、
    を備えた印刷装置において、
    前記情報取得部は、
    前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    ヘッドが設けられたキャリッジを、所定の移動方向に移動させるためのキャリッジモータと、
    キャリッジモータ用の駆動信号を発生するモータ用駆動信号発生部と、
    を備え、
    前記情報取得部は、
    前記モータ用駆動信号発生部が前記キャリッジモータ用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記キャリッジは、
    ドット形成動作が行われる直前に待機位置で待機し、
    前記情報取得部は、
    前記キャリッジが待機位置で待機している期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    媒体を搬送するローラを回転させるための搬送モータと、
    搬送モータ用の駆動信号を発生する他のモータ用駆動信号発生部と、
    を備え、
    前記情報取得部は、
    前記他のモータ用駆動信号発生部が前記搬送モータ用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記検出素子は、
    ヘッド周辺の温度を検出するためのヘッド周辺の温度検出素子であり、
    前記情報取得部は、
    前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、ヘッド周辺の温度の情報を取得することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記ヘッド周辺の温度検出素子、及び前記検出部は、前記キャリッジに設けられ、
    前記情報取得部と前記検出部との間が、ケーブルを介して接続されていることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記ケーブルは、複数の信号線を備え、
    前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号は、前記複数の信号線から選択された信号線を介して伝達され、
    前記ヘッド用の駆動信号は、前記複数の信号線から選択された他の信号線を介して伝達されることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッド周辺の温度の情報に基づき、前記ヘッド用の駆動信号の振幅が定められることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記検出素子は、
    駆動信号発生部の温度を検出するための駆動信号発生部用の温度検出素子であり、
    前記情報取得部は、
    前記駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、駆動信号発生部の温度の情報を取得することを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項9に記載の印刷装置であって、
    前記駆動信号発生部は、
    ノズルに関わらず共通の原駆動信号を発生する原駆動信号発生部と、前記原駆動信号をノズル毎の個別駆動信号に整形する信号整形部とを備え、
    前記駆動信号発生部用の温度検出素子は、
    前記原駆動信号発生部と前記信号整形部の少なくとも一方に設けられることを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記情報取得部は、
    前記アナログ信号を複数回読み取ることを特徴とする印刷装置。
  12. ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、
    検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、
    前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、
    を備えた印刷装置において、
    ヘッドが設けられたキャリッジを、所定の移動方向に移動させるためのキャリッジモータと、
    キャリッジモータ用の駆動信号を発生するモータ用駆動信号発生部と、
    媒体を搬送するローラを回転させるための搬送モータと、
    搬送モータ用の駆動信号を発生する他のモータ用駆動信号発生部と、
    を備え、
    前記駆動信号発生部は、ノズルに関わらず共通の原駆動信号を発生する原駆動信号発生部と、前記原駆動信号をノズル毎の個別駆動信号に整形する信号整形部とを備え、
    前記キャリッジは、ドット形成動作が行われる直前に待機位置で待機し、
    前記検出素子は、ヘッド周辺の温度を検出するためのヘッド周辺の温度検出素子、若しくは、駆動信号発生部の温度を検出するための駆動信号発生部用の温度検出素子であり、
    前記ヘッド周辺の温度検出素子、及び前記検出部は、前記キャリッジに設けられ、
    前記情報取得部と前記検出部との間が、ケーブルを介して接続され、
    前記ケーブルは、複数の信号線を備え、
    前記駆動信号発生部用の温度検出素子は、前記原駆動信号発生部と前記信号整形部の少なくとも一方に設けられ、
    前記情報取得部は、
    前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間であること、
    前記モータ用駆動信号発生部が前記キャリッジモータ用の駆動信号を発生していない期間であること、
    前記キャリッジが待機位置で待機している期間であること、
    前記他のモータ用駆動信号発生部が前記搬送モータ用の駆動信号を発生していない期間であること、
    の各条件を満たす期間に、前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号、若しくは、前記駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号を、複数回読み取り、且つ、
    前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、ヘッド周辺の温度の情報を取得する一方、
    前記駆動信号発生部の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号に基づき、駆動信号発生部の温度の情報を取得するものであり、
    前記ヘッド周辺の温度に応じて電圧が定まるアナログ信号は、前記複数の信号線から選択された信号線を介して伝達されるとともに、前記ヘッド用の駆動信号は、前記複数の信号線から選択された他の信号線を介して伝達され、
    前記ヘッド周辺の温度の情報に基づき、前記ヘッド用の駆動信号の振幅が定められることを特徴とする印刷装置。
  13. コンピュータと印刷装置とが通信可能に接続された印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    ヘッド用の駆動信号を発生する駆動信号発生部と、
    検出対象の状態を検出するための検出素子を備え、前記検出対象の状態に応じて電圧が定まるアナログ信号を出力する検出部と、
    前記アナログ信号を読み取り、検出対象に関する情報を取得する情報取得部と、
    を備えた印刷システムにおいて、
    前記情報取得部は、
    前記駆動信号発生部が前記ヘッド用の駆動信号を発生していない期間に、前記アナログ信号を読み取ることを特徴とする印刷システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008080564A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Seiko Epson Corp ノズル検査装置及びノズル検査方法
JP2009166273A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

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