JP3713983B2 - キャリッジ移動型印字装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字素子の実分解能よりも高解像度の画像を用紙後端に過剰な余白が出来ないように印字する小型なキャリッジ移動型印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、個人向けの画像形成装置として、印字ヘッドの発熱素子を駆動してインクリボンのインクを用紙面に熱転写して印字を行う熱転写プリンタや、インクボトルのインクを用紙面に吐出して印字を行うインクジェットプリンタなどの比較的軽便なシリアルプリンタが主流となって広く用いられている。
【0003】
また、現在では、モノクロ印字ばかりでなく、フルカラー印字も実現されている。フルカラー印字は、通常、減法混色の三原色であるイエロー(黄色)、マゼンタ(赤色染料名)及びシアン(緑味のある青色)の3色のインクを用い、ものによっては、文字や画像の黒色部分に専用されるブラック(黒)を加えた4色のインクを用いて行なわれる。
【0004】
特に、インクジェットプリンタは、印字ヘッドのノズルからインクの液滴を吐出させ、このインク滴を紙、布などの被記録材に吸収させて文字や画像等の印字を行なうものであり、騒音の発生が少なく、特別な定着処理を要することもなく、フルカラー印字も容易な記録方法である。
【0005】
図6(a) は、そのようなシリアルインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)の構成を模式的に示す斜視図であり、同図(b) は、同図(a) に示す印字ヘッドを用紙側から見た拡大図(同図(a) のA矢視拡大図)である。同図に示すプリンタ1は、家庭で個人的に使用される小型のプリンタであり、キャリッジ2に、印字を実行する印字ヘッド3とインクを収容しているインクカートリッジ4が取り付けられている。印字ヘッド3はインクカートリッジ4と共にヘッドユニットとして初めから一体に構成されてキャリッジ2に着脱自在に固定されるか、又はキャリッジに印字ヘッド3が固定されていて、この印字ヘッド3にインクカートリッジ4が着脱自在に係合して一体化するようになっている。
【0006】
キャリッジ2は、一方ではガイドレール5により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト6に固着している。これにより、印字ヘッド3及びインクタンク4は、図の両方向矢印Xで示す装置本体(プリンタ1)の幅方向、つまり印字画像の主走査方向に往復駆動される。この印字ヘッド3と装置本体の不図示の制御装置との間にフレキシブル通信ケーブル7が接続され、このフレキシブル通信ケーブル7を介して制御装置から印字データと制御信号が印字ヘッド3に送出される。
【0007】
この印字ヘッド3に対向し、印字ヘッド3の往復移動方向に延在して、装置本体のフレーム8の下端部にプラテン9が配設されている。このプラテン9に接して用紙10が給紙ローラ対11(下のローラは用紙10の陰になっていて図では見えない)と排紙ローラ対12(下のローラは同様に陰になって見えない)により図の矢印Yで示す副走査方向(図の斜め左下方向)に間欠的に搬送される。この間欠搬送の停止期間中に、印字ヘッド3は、モータ13により歯付き駆動ベルト6及びキャリッジ2を介して駆動されながら、用紙10に近接してインクを吐出し、紙面に印字する。
【0008】
旧来のインクジェットプリンタはモノクロプリンタが主流であったが、昨今では、上述したようにフルカラープリンタが主流であり、上記の印字ヘッド3は、同図(b) に示すように、そのインク吐出面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4種類のインクを吐出する4列のノズル列14(14y、14m、14c、14k)が形成されている。1列のノズル列14には、およそ125個又は256個のノズル15が、例えば300dpi(ドット/インチ)の密度(1mm当り約12個)で縦1列に並んで配置されている。
【0009】
この印字ヘッド3の裏面(図6(a) では上面)に係合するインクカートリッジ4には、図6(a) に破線で示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のインクをそれぞれ収容したインク室16があり、これら4つのインク室16から4種類(4色)のインクが印字ヘッド3に供給される。
【0010】
尚、このプリンタ1は、印字ヘッド3の発熱素子に電圧を印加して発生した熱でインクを気化させ、そのとき生じた泡の体積変化によってインクを吐出させるサーマルインクジェット方式といわれる印字方式を採用しているが、他にも電圧を印加すると変形するセラミック(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出させるピエゾ方式で構成されたインクジェットプリンタや、印字ヘッド3の発熱素子によりインクリボンのインクを昇華または溶融させて用紙に記録(印字)を行う方式の熱昇華型又は熱転写型のプリンタも図6(a) と略同様の構成で実現されている。熱昇華型又は熱転写型のプリンタの場合は、同図(a) のインクカートリッジ4に代ってフルカラーのインクリボンカセットが装着されるという程度の違いがあるだけである。
【0011】
上記のプリンタ1の構成において、印字開始位置では用紙10は上流側の給紙ローラ対11のみによつて保持されて、用紙10の先端から所定の余白分離れた場所から印字が開始される。また印字終了位置では、用紙10は下流側の排紙ローラ対12のみによって保持されて、用紙10の後端から所定の余白分だけ離れた箇所までで印字が終了する。
【0012】
ところで、実際の印字においては、印字ヘッド3で高画質な画像を得るために、一般にマルチパスと呼称される印字方法で印刷画像を形成する。このマルチパス印字方法は、分かり易く簡単にいうと、例えば印字ヘッド3の実分解能(ノズル15の配設密度)が600dpiであるとすると、この実分解能に拘わりなく、これよりも高い印字解像度、例えば2倍の解像度の1200dpiで印字する方法である。そして、印字速度と制御の容易さなどを考慮して様々なマルチパス方式が開発されている。
【0013】
図7(a),(b),(c) は、そのような実分解能よりも高い印字解像度で印字した場合の印字画像を説明する図である。同図(a) は、説明の便宜上、印字ヘッドを分かり易く示すため、例として1列のノズル列に4個のノズルを備えた印字ヘッドを正面図で示している。同図(a) に示すように、印字ヘッド16には4個のノズル17が副走査方向(図では上下方向)に並んで1列のノズル列18を形成している。
【0014】
同図(b) は、上記の印字ヘッド16で、実分解能すなわち600dpiの解像度で印字した画像を示しており、分かり易いように主走査方向に8ドットを印字した即ち縦横4×8ドットのベタ印字画像で示している。尚、同図(b) は、枡目4個で1ドットの印字領域を示している。同図(c) は、同図(b) の画像を、2倍の解像度すなわち「8×16=1200」dpiで印字した高精細画像20を示している。同図(c) には、分かり易いように、実分解能による印字ドット21と倍増分の印字ドット22とに分けて示している。
【0015】
このような実分解能よりも高い解像度で高精細印字を行うためには、同図(b) に示すシングルパス印字(1回の主走査でノズル列分の1ラインの印字が完成する印字方法)に対して、一般的にマルチパス印字(ノズル列分の1ラインの印字が複数回の主走査で完成する印字方法)と呼ばれる印字制御を行う必要がある。マルチパス印字の最も一般的な方法は、画像を印字解像度に応じて一定のパターンに分割して、それぞれの分割画像を複数回の主走査によって形成する方法である。以下これについて簡単に説明する。
【0016】
図8(a),(b),(c),(d) は、上記のマルチパス制御の印字方法を説明する図である。尚、同図(a) 〜(d) には、見た目に分かりやすくするために印字ノズル(以下、ドットという)を各主走査毎にそれぞれ異なるマーク(右下りのハッチング、網点、右上りのハッチング)で示している。
【0017】
先ず、同図(a),(b) に示すように、1回目の主走査(走査1)で、副走査方向に高解像度の8ドットに分割された精細画像20の上半分のうち1番目のドット行24−1と3番目のドット行24−3の印字データが、印字ヘッド16のノズル17−3とノズル17−4にそれぞれ割り当てられて印字される。このとき、ノズル17−1とノズル17−2には白紙データ(空データ、非印字データ)が送られる。つまり、精細画像20の上方の領域25aは非印字領域となる。
【0018】
続いて、同図(a),(c) に示すように、2回目の主走査(走査2)では、用紙がノズル列16(図7(a) 参照)の半分の長さaと更に半ドット分b(実分解能/印字解像度)だけ副走査方向に搬送される。そして、精細画像20の上半分では、走査1で印字されたドット行24−1と24−3の間、及びドット行24−3の下に隣接して、走査2によるドット行24−2及び24−4の印字が行われると共に下半分のドット行24−6及び24−8の印字が行われる。ここで精細画像20の上半分の印字が完成する。
【0019】
そして、同図(a),(d) に示すように、3回目の主走査(走査3)が行われる。この3回目の主走査では、用紙が上記の長さaから半ドット分bを引いた距離だけ搬送される。そして、精細画像20の下半分の、走査2で印字されたドット行24−4と24−6の間、及びドット行24−6と24−8の間に、走査3によるドット行24−5及び24−7の印字が行われる。尚、ノズル17−3とノズル17−4には白紙データが送られ、精細画像20の下方の領域25bは非印字領域となる。これで精細画像20の印字が完成する。
【0020】
尚、上記の説明では、説明の都合上、3回の主走査で精細画像20を完成させているが、副走査方向のドットが多い(画像が縦方向に大きい)場合は、その画像の大きさに応じて、図8(c) と同図(d) の間に走査2と同様の走査が複数回挿入されることになる。また、上述の説明では精細画像20への印字ドットの配分を平面的に示したが、以下に用紙と画像と印字ヘッドとの関係を立体的に示して、このマルチパス印字について更に説明する。
【0021】
図9(a),(b),(c) は、マルチパス印字における用紙と画像と印字ヘッドとの関係を立体的に(側面図で)模式的に示す図である。尚、同図(a),(b),(c) には、図6(a),(b) に示した構成と同一の構成部分には図6(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0022】
一般に、印字ヘッド3に配設されたノズル列14のノズル15の数をn(nは偶数)、ノズル15のピッチをP、とすれば、印字ヘッド3の1回の主走査に対して、画像形成幅(ノズル列の長さ)Wは、W=P・(n−1)であり、実分解能の2倍の印字を行う場合の用紙10の送り量Lは、L=W/2である。
【0023】
図9(a),(b),(c) において、模式図の下段に並載した横長の矩形図形は、印字ヘッド3による1回の主走査領域を示し、その矩形図形のハッチング部分が画像が形成されていることを示している。また、矩形図形の白部分は空データにより画像が形成されない部分であることを示している。
【0024】
同図(a) において、先ず、印字開始位置では、ノズル列14の「1」番目のノズルから「n/2」番目のノズルには空データをセットし、「n/2+1」番目のノズルから「n」番目のノズルには実印字データがセットされる。用紙10に先端部余白aを空けて形成される画像の先端部Cが「n/2+1」番目のノズル位置に対応するように、用紙10を給紙ローラ対11によって所定の位置に移動させ、印字ヘッド3の主走査動作によって最初の画像が形成される。
【0025】
次に、同図(b) に示す印字の途中の位置では、「1」番目のノズルから「n」番目のノズル全てに実印字データがセットされる。用紙10上に形成される画像は、用紙10の送り量W/2によって前段の主走査で印字された画像に約W/2の画像が重なって且つ印字ドットがP/2ずれて形成される。この間、用紙10は給紙ローラ対11と排紙ローラ対12間に跨って搬送される。
【0026】
最後に、同図(c) に示す印字終了位置では、「1」番目のノズルから「n/2」番目のノズルに実印字データがセットされており、「n/2+1」番目のノズルから「n」番目のノズルには空データがセットされる。用紙10上に形成される最後端の画像も、用紙10の送り量W/2によって、前段の主走査で印字された画像に約W/2の画像が重なって且つ印字ドットがP/2ずれて形成される。用紙10上に後端部余白bを残して形成される画像の後端部Dは、「n/2」番目のノズルに対応している。このとき用紙10は、排紙ローラ対12のみによって搬送される。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したプリンタ1の例では、給紙ローラ対11と排紙ローラ対12の2つの搬送機構を配置して用紙10を搬送しているから、これら給紙ローラ対11と排紙ローラ対12とによる用紙10の搬送引き継ぎ動作によって、画像が形成できない部分である先端部余白aや特に後端部余白bについては必要に応じてその余白部分を極力小さくすることができる。
【0028】
しかしながら、個人用に向けて製作される小型のプリンタでは、装置構成内部の空間を占める搬送機構の割合が軽視できないほど大きく、そのような小型プリンタに実装面で搬送ローラや駆動伝達機横を複数配置することは極めて困難である。したがって、一般には、排紙ローラ対の配設を削除して給紙ローラ対のみとし、画像印字の終了した用紙の排紙はユーザの手によってプリンタから引き出す方式を採用せざるを得ない。
【0029】
そうすると、上述したマルチパス印字方式では、図9(c) に示すように、給紙ローラ対11の用紙把持部11′から、マルチパス印字の終了位置10′までの区間Eという広い領域が、用紙後端部の余白となってしまうという問題が発生した。
【0030】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、印字素子の実分解能よりも高解像度のマルチパス画像を用紙後端部に過剰な余白が出来ないように印字する小型なキャリッジ移動型印字装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
先ず、請求項1記載の発明のキャリッジ移動型印字装置は、副走査方向にピッチPで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の搬送を行う唯一の搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第1の工程と、次に上記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第2の工程と、続いて1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第3の工程と、その後上記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する上記第2の工程と、1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する上記第3の工程とを繰り返すように制御し、次に上記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第4の工程と、最後に1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第5の工程と、を行うように制御する制御手段を備えて構成される。
【0032】
次に、請求項2記載の発明のキャリッジ移動型印字装置は、副走査方向にピッチPで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の搬送を行う唯一の搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、副走査方向の総印字ドット数Tを演算する第1の工程と、T/(n/2)=K1 ・(n/2)+S(但しK1 は整数)によりSを求める第2の工程と、1番目からn−S番目の印字素子にて空データ及びn−S+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第3の工程と、上記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第4の工程と、1番目からn/2−S番目の印字素子にて空データ及びn/2−S+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第5の工程と、上記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第6の工程と1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第7の工程と、上記第6の工程と上記第7の工程を所定回数繰り返す第8の工程と、上記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第9の工程と、1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第10の工程と、を行うように制御する制御手段を備えて構成される。
【0033】
そして、請求項3記載の発明のキャリッジ移動型印字装置は、副走査方向にピッチPで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の搬送を行う唯一の搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、副走査方向の総印字ドット数Tを演算する第1の工程と、T/{(n−x)/2}=K2 ・(n−x)/2(但しK2 は整数)によりxを求める第2の工程と、1番目の印字素子からn/2番目の印字素子にて空データ、n/2+1番目の印字素子からn−x/2番目の印字素子にて実印字データ、及びn−x/2+1番目の印字素子からn番目の印字素子にて空データを印字する第3の工程と、上記駆動手段により用紙をP・{(n−x)−1}/2だけ搬送する第4の工程と、x+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第5の工程と、上記第4の工程と上記第5の工程を繰り返す第6の工程と、上記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第7の工程と、1番目からn/2+x/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+x/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する工程と、を行うように制御する制御手段を備えて構成される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a) は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンタの主要部の構成を示す分解斜視図であり、同図(b) は、上記主要部の印字ヘッドユニットのみを取り出して示す斜視図である。同図(a) に示すように、インクジェットプリンタ30の主要部は、印字ヘッドユニット31、ヘッド駆動機構32、図示を省略した供給口開閉ユニット、及びインクタンクユニット33を備えている。
【0035】
印字ヘッドユニット31とインクタンクユニット33は互いに独立して配置され、一方のインクタンクユニット33は装置本体(インクジェットプリンタ)のフレームに固定されており、他方の印字ヘッドユニット31のみが印字に際して主走査方向に往復移動しながら印字を行う。
【0036】
すなわち、印字ヘッドユニット31は、フレキシブル信号ケーブル34によって装置本体の後述する制御部に接続され、ヘッド駆動機構32のリニアレール35と係合し、同じくヘッド駆動機構32のリニアスケール36により移動量を検出されながら、同図の両方向矢印Fで示すように、ヘッド駆動機構32の長手方向に沿って往復移動する。
【0037】
インクタンクユニット33は、上下に平らで水平方向には長方形をなし、その長方形の長手方向が駆動機構32の長手方向に並行して延在し、装置本体に固定配置されている。同図には、インクタンクユニット33の上面を覆う密閉シート37の一部を切り欠いて示している。その切り欠いて示す内部には、インク液及び洗浄液を収容する複数の液収容室38が設けられている。これら複数の液収容室38に対応する数の液充填口39が、インクタンクユニット33上面の端部に設けられている。
【0038】
インクタンクユニット33の下面には、図では陰になって見えないが複数の液供給口が形成されており、インクタンクユニット33と印字ヘッドユニット31との間に位置して配設される図示を省略した供給口開閉ユニットが、インクタンクユニット33の長手方向に進退して上記供給口を開閉する。
【0039】
この印字ヘッドユニット31は、同図(b) に示すように、ヘッドベース41の後半部42に、リニアコイル43を備えている。このリニアコイル43には同図(a) に示すリニアレール35が嵌入する。また、この後半部42の後端にはスリット溝44が形成されている。このスリット溝44の近傍には、特には図示しないが、マーク読み取りセンサが配設される。マーク読み取りセンサは、このスリット溝44に嵌入して相対的に移動する同図(a) 示すリニアスケール36に形成されているマーク(バーコード又は切り欠きスリット)を読み取って制御部に送信する。これにより、制御部は、リニアコイル43への通電を制御して、印字ヘッドユニット31の移動量を制御する。
【0040】
このヘッドベース41の前半部45には、上面にスリット状の孔に形成された4本の液受給口46が互いに並行に延在させて設けられている。これらは、フルカラー印刷を行うためのイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4種類のインク液に応じて同じ数だけ設けられている。この前半部45の下面に、印字ヘッド(チップ基板)47が配設され、この印字ヘッド47の配線端子にフレキシブル信号ケーブル34の配線が接続されている。
【0041】
そして、上記の液受給口46には、印字ヘッドユニット31がホームポジションに移動してきたとき、インクタンクユニット33の液供給口からインク又は洗浄液が供給される。上記インクタンクユニット33の液供給口には、不図示のマイクロポンプが配設されている。マイクロポンプは、タンクベースに支持されており、液供給口に連通る下向きの開口部を有するダイヤフラムを備えている。このダイヤフラムの開口部には、インクタンクの液導通路との連通部に入力弁が設けられ、液供給口との連通部には出力弁が設けられる。これらの弁は、自然の状態では自身の弾性力で連通部に密着状態となっている。
【0042】
このダイヤフラムの開口部と対極の上部外側に、円柱状に形成された永久磁石が一端を固着されて配設される。永久磁石は、その磁極が円柱軸の両端に分極しており、側周面がガイド部材のガイド孔に滑動自在に嵌入している。この永久磁石の自由端側に、スパイラル状に巻かれたマイクロコイルが配置される。
【0043】
このマイクロコイルに、電流が印加されると、スイッチング電流によって発生する磁力の極性変化に追従して、永久磁石が上下方向に動作し、これにより、永久磁石の下端が固着しているダイヤフラムの上部が上下し、これにより、その内部の圧力が上記スイッチグ電流の周波数に応じて増減する。このダイヤフラムの内部圧力の減少(永久磁石が上に移動)によって入力弁が作動し(開いて)、液収容室から液導通路に流入する液(インク又は洗浄水)をダイヤフラム内に吸引する。
【0044】
そして、これに続くダイヤフラムの内部圧力の増加(永久磁石が下に移動)によって入力弁が閉じて、出力弁が開き、上記ダイヤフラム内に吸引された液(インク又は洗浄水)が液供給口から外部に流出する。この液供給口から供給する液量は、マイクロコイルに印加する電流の周波数によって制御が可能である。これにより、インクタンクユニットの黒インク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び洗浄水は液供給口を介して印字ヘッドユニット31の液受給口46に供給される液の量を、所望の液量に制御することができる。
【0045】
図2は、上記インクジェットプリンタのシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェットプリンタ30のシステム構成は、静止部51と移動部52とに分かれている。一方の移動部52は、リニアレール35とリニアコイル43及びリニアスケール36によって主走査方向に往復移動する印字ヘッドユニット31の発熱素子の発熱を駆動するドライバ53からなる。
【0046】
そして、他方の静止部51は、制御部であり、MPU(micro processing unit) 54と、このMPU54にバス55を介して接続されたI/F(インターフェース)56及びヘッド制御部57、並びに上記I/F56に接続されたメモリA58及びヘッド制御部57に接続されたメモリB59からなる。
【0047】
このインクジェットプリンタ30には、ホスト機器であるPC(パーソナルコンピュータ)60から、I/F56を介して、印字データ及び制御データが入力する。MPU54は、I/F56を介しメモリA58を制御しながら上記の印字データ及び制御データを受信する。
【0048】
また、MPU54には、各部を監視するセンサの出力61が入力し、MPU54からは用紙を搬送させるためのモータや、印字ヘッドユニット31を往復移動させるためのリニアコイル43を通電制御する駆動信号62が出力される。また、MPU54は、ヘッド制御部57を介してメモリB59に1ライン毎の印字データを展開し、その展開した印字データに基づいて、ヘッド制御部57を介してドライバ53を制御する。
【0049】
MPU54は、これら各部を上記センサの出力61を参照しながら駆動する。また、ヘッド制御部57からドライバ53への印字データや制御信号の転送は、図1(a),(b) に示すように、フレキシブル通信ケーブル34を用いるが、IrDA(Infared Data Association:赤外線データ通信の標準化を行った団体又はその方式、転じてその方式を用いた装置)を用いるようにしてもよい。
【0050】
図3は、印字ヘッドユニット31の前半部(印字部)45を、ノズル面から見た図(図1(b) のG矢視図)である。尚、同図には、図示する便宜上、本来1列のノズル列に125個〜256個あるノズル及び発熱素子を、それぞれ8個として示している。
【0051】
同図に示すように、印字ヘッドユニット31の印字部45は、チップ基板64上に薄膜処理技術により形成されたおよそ40μm×40μmの大きさの発熱素子65がピッチPで配設され、その周囲におよそ10μm(マイクロメータ)の厚さで積層された隔壁66による共通インク路67が形成され、この共通インク路67には、チップ基板64を貫通して液受給口46(図1(a),(b) 参照)に連通するインク供給孔68が開口している。
【0052】
これらの上にポリイミド等からなる厚さ10〜30μmのフィルム状のオリフィス板69が積層されて隔壁66によって形成された共通インク路67が蓋をされ、これによって発熱素子65に供給されるインクの微細な坑穴状の通路が形成されている。そして、オリフィス板69の各発熱素子65に対応する真上の位置に、ドライエッチングにより穿設されたノズル(オリフィス)71が一括形成されている。
【0053】
このようにして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応するノズル列72−1、72−2、72−3及び72−4が、それぞれノズル数n(この例では8個)、ノズルピッチPで形成されている。したがって、この印字ヘッドユニット31による1回の主走査で印字される画像の印字有効幅Wは、W=P・(n−1)である。この幅Wで、1回の主走査ごとに用紙上に画像が形成されていく。
【0054】
ところで、上記本発明のインクジェットプリンタ30においても従来同様に、高精細な画像を形成すべくマルチパス方式による印字(印刷)を行うが、このマルチパス印字において、用紙の搬送を、印字ヘッドユニット31よりも用紙搬送方向上流側にある給紙ローラ対のみよって行うことを想定し、そのような場合でも用紙後端部の余白が極力少なくなるように特別の工夫が凝らされている。以下、これについて説明する。
図4(a),(b),(c) は、第1の実施形態におけるインクジェットプリンタの印字動作を説明する動作状態図である。尚、このマルチパス印字の処理動作は、図2に示したCPU54による制御のもとに行われる。同図(a),(b),(c) に示すように、用紙73の搬送は、印字ヘッドユニット31よりも用紙搬送方向上流側にある給紙ローラ対74のみよって行われる。
【0055】
また、図4(a),(b),(c) に示す印字ヘッドユニット31は、図1(b) に示したリニアコイル43が内側に配設されている移動ガイド孔75により、図1(a) に示したリニアレール35に沿って摺動し、図4(a),(b),(c) の紙面垂直方向に往復移動し、マルチパス動作により用紙73に画像を形成(印字、印刷)する。
【0056】
同図(a),(b),(c) において印字ヘッドユニット31の下方に示す矩形図形は、そのマルチパス印字で、この印字ヘッドユニット31による1回の主走査で印字される画像の形成幅、すなわち、図3に示した印字部45の有効印字幅Wを示しており、ハッチングで示す部分が用紙73の紙面に1回の主走査で実印字データで印刷される画像領域を示し、矩形図形の空白で示す部分は1回の主走査において空データにより空印字され、実際には印字が行われない領域を示している。
【0057】
上記の矩形図形のハッチング部分が図の上下(用紙送りの前後)でそれぞれ2つ重なっているのは、このマルチパス印字では2回のマルチパス動作で印字を完成させていくこと、すなわち、実ノズル分解能の2倍の分解密度で印字を行うことを示している。
【0058】
図4(a) において、先ず、印字開始位置では、1番目のノズルN(1)からn/2番目のノズルN(n/2)、本例では4番目のノズル、には空データをセットし、n/2+1番目のノズルN(n/2+1)、本例では5番目のノズル、から最後のn番目のノズルN(n)、本例では8番目のノズル、には実印字データがセットされる。給紙ローラ対74は、用紙73の先端から所定の余白dだけ内側の印刷開始位置hが画像の先端部に、すなわちn/2+1番目のノズルN(n/2+1)に、一致するように用紙73を搬送する。そして、印字ヘッドユニット31の主走査によって最初の画像76−1が形成される(第1の行程)。その後、給紙ローラ対74により用紙73が送り量Lだけ搬送される(第2の行程)
【0059】
この2回マルチパス印字では、用紙73の送り量Lは、図4(b) に示すようにL=P・(n−1)/2、すなわち、L=W/2である。そして、同図(b) に示す印字の中間位置では、1番目のノズルN(1)からn番目のノズルN(n)までの全てのノズルに実印字データがセットされて、印字が実行される(第3の行程)
【0060】
これにより、用紙73上には、前回の主走査で印字された約W/2幅の、本例では4ドット幅の、画像76−1、76−3、76−5、・・・に、送り量L=W/2による搬送の後の主走査で印字された約W/2幅(4ドット幅)の画像76−2、76−4、76−6、・・・が重なって、但し印字ドットがP/2(半ピッチ)ずれて、形成されていき、この搬送と主走査の繰り返しによって、約W/2の幅だけづつ2倍の解像度で画像が完成していく。
【0061】
そして、最後に、印字終了位置では、同図(c) に示すように、1番目のノズルN(1)からn/2番目のノズルN(n/2)に空データがセットされ、n/2+1番目のノズルN(n/2+1)からn番目のノズルN(n)には実印字データがセットされる。そして、用紙73が送り量P/2だけ搬送され(第4の行程)、前段の主走査による画像76−13に重なって但しP/2だけずれて、約W/2の幅(4ドット幅)の上記実印字データによる最後の画像76−14が印字される(第5の行程)
【0062】
この最終的に用紙73上に形成される画像の後端部jは、n番目のノズルN(n)に対応する。つまり、この用紙73の後端部の余白73−2は、n番目のノズルN(n)から給紙ローラ対74の扶持部までの距離Kである。この距離Kは、従来のマルチパス印字方式による2倍の解像度の画像形成の場合よりも、n/2+1番目のノズルN(n/2+1)からn番目のノズルN(n)までの距離Mだけ短くなる。すなわち、用紙後端部の余白が小さくなる。
【0063】
尚、上記の例では、マルチパスの回数を2回(画像の重ね合わせが2回)としているが、2回以上の回数で画像を重ね合わせる更に高精細な画像を形成する場合でも上記の動作原理は同様である。すなわち、最後の画像形成における画像後端部の印字をn番目のノズルN(n)で行うように制御するものである。
【0064】
ところで、上記の例では用紙73の送り量をW/2で制御しているが、これは本発明の印字制御における基本動作を示したものであり、実際の画像形成においては、用紙送り方向の画像領域のサイズが上記の例のように用紙の送り量W/2の整数倍とならない場合が多い。つまり、画像のサイズによっては、最終印字の段階で画像後端部が印字ヘッドユニット31のノズル列72の末番ノズルN(n)と対応するとは限らない。そこで、このような場合にも対処できる別法を第2の実施の形態として以下に説明する。
【0065】
図5(a) は、第2の実施の形態における2回マルチパス印字による画像形成の動作を模式的に示す動作状態図であり、同図(b) は、第3の実施の形態における2回マルチパス印字による画像形成の動作を模式的に示す動作状態図である。
【0066】
最初に、同図(a) に示す第2の実施の形態における2回マルチパス印字による画像形成の動作を説明する。先ず、用紙73に印字すべき1頁分の画像データが、ホスト側のPC60のプリンタドライバソフトによって、出力用データとして演算処理される。このとき画像後端部が印字ヘッドユニット31に配設されているノズル列72の末番ノズルN(n)と対応するように、画像の印字終了側から(図5(a) の右端の矩形図形から)順次(左端の矩形図形まで)演算して、最初の画像先端部h′を印字する位置に対応するi番目のノズルN(i)からN番目のノズルN(n)までに実印字データをセットし、1番目のノズルN(1)からi−1番目のノズルN(i−1)までには空データをセットする。
【0067】
給紙ローラ対74は、ホスト側のプリンタドライバソフトによって演算処理されたデータを基に、画像先端部を形成するi番目のノズルN(i)に対応する位置に用紙73の印字開始位置hが一致するように搬送して印字を開始する。次からは、第1の実施形態の場合と同様に、W/2づつ搬送し、先行画像の上にP/2ずれた重ね画像を印字していく動作を繰り返すと、最終印字では、画像後端部j′がノズル列72の末番ノズルN(n)と対応するようになり、したがって、この場合も後端部の余白は、n番目のノズルN(n)から給紙ローラ対74の扶持部までの距離Kとなって、最小となる。
【0068】
尚、この場合も、印字開始から印字終了の前段まで、用紙73の送り量Lは、上述したW/2であり、印字終了の最終段でP/2の送り量となることは、第1の実施形態の場合と同様である。
【0069】
また、この場合、印字する画像の副走査方向の実ノズル間隔に基づく総ドット数をTとしたとき、T/(n/2)=K1 ・n/2+S(K1 は整数)を演算し、最初の印字では上記演算結果得られた剰余のSドット分だけを、印字開始位置h′から印字すればよい。すなわち、i=n−S+1である。
【0070】
次に、同図(b) に示す第3の実施の形態における2回マルチパス印字による画像形成の動作を説明する。先ず、この場合も用紙73に印字すべき1頁分の画像データがホスト側のプリンタドライバソフトによって出力用データとして演算処理される。このとき上記同様に紙面の画像後端部が印字ヘッドユニット31のノズル列72の末番ノズルN(n)と対応するように画像の印字終了時の位置関係を特定すると共に、この場合は、更に、紙面の画像先端部がノズル列72のn/2+1番目のノズルN(n/2+1)と対応するように画像の印字開始時の位置関係を特定する。
【0071】
そして紙送り方向の画像領域長つまり副走査方向の実ノズル間隔に基づく総ドット数Tから、T/{(n−x)/2}=K2 ・(n−x)/2(但しK2 は整数)によりxを求める。ここでxは、全印字期間に亙って使用しないノズル列72の1番目からのノズル数である。このxとnとに基づいて、1回の主走査に対する用紙73の送り量wを決定する。すなわち、w=(n−x)/2とする。
【0072】
ここで、上述した第2の実施形態が画像サイズの如何に拘わりなく印字設定条件が成り立つの対して、この第3の実施形態では画像の副走査方向の総ドット数によっては上記の演算において整数K2 が得られない場合がある。この場合はこの第3の実施形態を採用することなく第2の実施形態を採用するようにする。
【0073】
一方、上記の整数K2 が得られた場合は、1番目のノズルN(1)からn/2番目のノズルN(n/2)に空データをセットし、n/2+1番目のノズルN(n/2+1)からn−x/2番目のノズルN(n−x/2)に実印字データをセットして、更に、n−x/2+1番目のノズルN(n−x/2+1)からn番目のノズルN(n)に空データをセットする。
【0074】
そして、給紙ローラ対74は、ホスト側のプリンタドライバソフトによって演算処理されたデータを基に、画像先端部を形成するn/2+1番目のノズルN(n/2+1)に対応する位置に用紙73の印字開始位置h″が一致するように搬送して印字を開始する。次からは、用紙73をP・{(n−x)−1}/2だけ主走査の都度、順次搬送し、1番目のノズルN(1)からx番目のノズルN(x)に空データ及びx+1番目のノズルN(x+1)からn番目のノズルN(n)に実印字データをセットして、n−xドットの実印字を繰り返し実行する。
【0075】
最後の印字では、用紙73をP/2だけ搬送した後、1番目のノズルN(1)からn/2+x/2番目のノズル(n/2+x/2)に空データをセットし、n/2+x/2+1番目のノズル(n/2+x/2+1)からn番目のノズルN(n)に実印字データをセットして印字を行う。
【0076】
これにより、この場合も、用紙73の後端部の余白は、n番目のノズルN(n)から給紙ローラ対74の扶持部までの距離Kとなって、最小となる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、マルチパス印字の最終主走査で発熱制御を変更するので、給紙ローラ対のみによる用紙搬送でマルチパス印字を行っても用紙後端部の余白が大きくならず、したがって、プリンタ本体の内部構成が少ない小型のプリンタでありながら、マルチパス印字による高精細画像の印刷位置の均衡が良くとれて用紙の余白に無駄の少ない見た目に好感のもてる画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) は本発明の実施形態におけるインクジェットプリンタの主要部の構成を示す分解斜視図、(b) はその印字ヘッドユニットのみを取り出して示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるインクジェットプリンタのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるインクジェットプリンタの印字ヘッドユニットの印字部をノズル面から見た図(図1(b) のG矢視図)である。
【図4】 (a),(b),(c) は第1の実施形態におけるインクジェットプリンタのマルチパス印字の動作を説明する動作状態図である。
【図5】 (a) は第2の実施形態におけるインクジェットプリンタのマルチパス印字の動作を説明する図、(b) は第3の実施形態におけるインクジェットプリンタのマルチパス印字の動作を説明する図である。
【図6】 (a) は従来のシリアルインクジェットプリンタの構成を模式的に示す斜視図、(b) は(a) の印字ヘッドを用紙側から見たA矢視拡大図である。
【図7】 (a),(b),(c) は従来の実分解能よりも高い印字解像度で印字する場合の印字画像を説明する図である。
【図8】 (a),(b),(c),(d) は従来のマルチパス制御の印字方法を説明する図である。
【図9】 (a),(b),(c) は従来のマルチパス印字における用紙と画像と印字ヘッドとの関係を立体的に(側面図で)模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 印字ヘッド
4 インクカートリッジ
5 ガイドレール
6 歯付き駆動ベルト
7 フレキシブル通信ケーブル
8 フレーム
9 プラテン
10 用紙
11 給紙ローラ対
12 排紙ローラ対
13 モータ
14(14y、14m、14c、14k) ノズル列
15 ノズル
16 印字ヘッド
17 ノズル
17−1、17−2、17−3、17−4 印字ドット
18 ノズル列
20 高精細画像
21 実分解能の印字ドット
22 解像度倍増分の印字ドット
24−1〜24−8 精細画像のドット行
25a、25b 非印字領域
30 インクジェットプリンタ
31 印字ヘッドユニット
32 ヘッド駆動機構
33 インクタンクユニット
34 フレキシブル信号ケーブル
35 リニアレール
36 リニアスケール
37 密閉シート
38 液収容室
39 液充填口
41 ヘッドベース
42 後半部
43 リニアコイル
44 スリット溝
45 前半部(印字部)
46 液受給口
47 印字ヘッド(チップ基板)
51 静止部(制御部)
52 移動部
53 ドライバ
54 MPU(micro processing unit)
55 バス
56 I/F(インターフェース)
57 ヘッド制御部
58 メモリA
59 メモリB
60 PC(パーソナルコンピュータ)
61 センサの出力
62 駆動信号
64 チップ基板
65 発熱素子
66 隔壁
67 共通インク路
68 インク供給孔
69 オリフィス板
71 ノズル(オリフィス)
72−1、72−2、72−3、72−4 ノズル列
P ノズルピッチ
W 有効印字幅
73 用紙
74 給紙ローラ対
75 移動ガイド孔
N(1) 1番目のノズル
N(n/2) n/2番目のノズル
N(n/2+1) n/2+1番目のノズル
N(n) 最後のn番目のノズル
76−1、76−3、76−5、・・・ n/2ドット幅の先行画像
76−2、76−4、76−6、・・・ n/2ドット幅の重ね画像

Claims (3)

  1. 副走査方向にピッチPで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の搬送を行う唯一の搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、
    1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第1の工程と、
    次に前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第2の工程と、
    続いて1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第3の工程と、
    その後前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する前記第2の工程と、1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する前記第3の工程とを繰り返すように制御し、
    次に前記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第4の工程と、
    最後に1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第5の工程と、
    を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とするキャリッジ移動型印字装置。
  2. 副走査方向にピッチPで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の搬送を行う唯一の搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、
    副走査方向の総印字ドット数Tを演算する第1の工程と、
    T/(n/2)=K1 ・(n/2)+S(但しK1 は整数)によりSを求める第2の工程と、
    1番目からn−S番目の印字素子にて空データ及びn−S+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第3の工程と、
    前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第4の工程と、
    1番目からn/2−S番目の印字素子にて空データ及びn/2−S+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第5の工程と、
    前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第6の工程と
    1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第7の工程と、
    前記第6の工程と前記第7の工程を所定回数繰り返す第8の工程と、
    前記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第9の工程と、
    1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印字する第10の工程と、
    を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とするキャリッジ移動型印字装置。
  3. 副走査方向にピッチPで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙の搬送を行う唯一の搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、
    副走査方向の総印字ドット数Tを演算する第1の工程と、
    T/{(n−x)/2}=K2 ・(n−x)/2(但しK2 は整数)によりxを求める第2の工程と、
    1番目の印字素子からn/2番目の印字素子にて空データ、n/2+1番目の印字素子からn−x/2番目の印字素子にて実印字データ、及びn−x/2+1番目の印字素子からn番目の印字素子にて空データを印字する第3の工程と、
    前記駆動手段により用紙をP・{(n−x)−1}/2だけ搬送する第4の工程と、
    x+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する第5の工程と、前記第4の工程と前記第5の工程を繰り返す第6の工程と、
    前記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第7の工程と、
    1番目からn/2+x/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+x/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印字する工程と、
    を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とするキャリッジ移動型印字装置。
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