JP2000127372A - キャリッジ移動型印字装置 - Google Patents

キャリッジ移動型印字装置

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JP2000127372A
JP2000127372A JP30679198A JP30679198A JP2000127372A JP 2000127372 A JP2000127372 A JP 2000127372A JP 30679198 A JP30679198 A JP 30679198A JP 30679198 A JP30679198 A JP 30679198A JP 2000127372 A JP2000127372 A JP 2000127372A
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Yasunari Kabasawa
康成 椛澤
Naohiro Osugi
直寛 大杉
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高解像度のマルチパス画像を用紙後端部に過剰
な余白が出来ないように印字する小型なキャリッジ移動
型印字装置を提供する。 【解決手段】印字ヘッドユニット31は移動ガイド孔7
5により紙面垂直方向に往復移動し、下方の矩形図形で
示す1回の主走査幅で、2回のマルチパス印字により用
紙73に画像(矩形図形のハッチング部分)を形成す
る。印字開始では1番目のノズルからn/2番目のノズ
ルにて空データ及びn/2+1番目のノズルから最後の
n番目のノズルにて実印字データを印字する。次からは
(ノズル間隔をPとして)給紙兼搬送ローラ対74で用
紙をP・(n−1)/2づつ搬送しながら1番目のノズ
ルからn番目のにて実印字データを印字することを繰り
返し、最後に用紙73をP/2だけ搬送し、1番目のノ
ズルからn/2番目のノズルにて空データ及びn/2+
1番目のノズルからn番目のノズルにて実印字データを
印字して終了する。用紙の後端余白は距離Kだけとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字素子の実分解
能よりも高解像度の画像を用紙後端に過剰な余白が出来
ないように印字する小型なキャリッジ移動型印字装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、個人向けの画像形成装置として、
印字ヘッドの発熱素子を駆動してインクリボンのインク
を用紙面に熱転写して印字を行う熱転写プリンタや、イ
ンクボトルのインクを用紙面に吐出して印字を行うイン
クジェットプリンタなどの比較的軽便なシリアルプリン
タが主流となって広く用いられている。
【0003】また、現在では、モノクロ印字ばかりでな
く、フルカラー印字も実現されている。フルカラー印字
は、通常、減法混色の三原色であるイエロー(黄色)、
マゼンタ(赤色染料名)及びシアン(緑味のある青色)
の3色のインクを用い、ものによっては、文字や画像の
黒色部分に専用されるブラック(黒)を加えた4色のイ
ンクを用いて行なわれる。
【0004】特に、インクジェットプリンタは、印字ヘ
ッドのノズルからインクの液滴を吐出させ、このインク
滴を紙、布などの被記録材に吸収させて文字や画像等の
印字を行なうものであり、騒音の発生が少なく、特別な
定着処理を要することもなく、フルカラー印字も容易な
記録方法である。
【0005】図6(a) は、そのようなシリアルインクジ
ェットプリンタ(以下、単にプリンタという)の構成を
模式的に示す斜視図であり、同図(b) は、同図(a) に示
す印字ヘッドを用紙側から見た拡大図(同図(a) のA矢
視拡大図)である。同図に示すプリンタ1は、家庭で個
人的に使用される小型のプリンタであり、キャリッジ2
に、印字を実行する印字ヘッド3とインクを収容してい
るインクカートリッジ4が取り付けられている。印字ヘ
ッド3はインクカートリッジ4と共にヘッドユニットと
して初めから一体に構成されてキャリッジ2に着脱自在
に固定されるか、又はキャリッジに印字ヘッド3が固定
されていて、この印字ヘッド3にインクカートリッジ4
が着脱自在に係合して一体化するようになっている。
【0006】キャリッジ2は、一方ではガイドレール5
により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト
6に固着している。これにより、印字ヘッド3及びイン
クタンク4は、図の両方向矢印Xで示す装置本体(プリ
ンタ1)の幅方向、つまり印字画像の主走査方向に往復
駆動される。この印字ヘッド3と装置本体の不図示の制
御装置との間にフレキシブル通信ケーブル7が接続さ
れ、このフレキシブル通信ケーブル7を介して制御装置
から印字データと制御信号が印字ヘッド3に送出され
る。
【0007】この印字ヘッド3に対向し、印字ヘッド3
の往復移動方向に延在して、装置本体のフレーム8の下
端部にプラテン9が配設されている。このプラテン9に
接して用紙10が給紙ローラ対11(下のローラは用紙
10の陰になっていて図では見えない)と排紙ローラ対
12(下のローラは同様に陰になって見えない)により
図の矢印Yで示す副走査方向(図の斜め左下方向)に間
欠的に搬送される。この間欠搬送の停止期間中に、印字
ヘッド3は、モータ13により歯付き駆動ベルト6及び
キャリッジ2を介して駆動されながら、用紙10に近接
してインクを吐出し、紙面に印字する。
【0008】旧来のインクジェットプリンタはモノクロ
プリンタが主流であったが、昨今では、上述したように
フルカラープリンタが主流であり、上記の印字ヘッド3
は、同図(b) に示すように、そのインク吐出面には、イ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラ
ック(K)の4種類のインクを吐出する4列のノズル列
14(14y、14m、14c、14k)が形成されて
いる。1列のノズル列14には、およそ125個又は2
56個のノズル15が、例えば300dpi(ドット/
インチ)の密度(1mm当り約12個)で縦1列に並ん
で配置されている。
【0009】この印字ヘッド3の裏面(図6(a) では上
面)に係合するインクカートリッジ4には、図6(a) に
破線で示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、
シアン(C)及びブラック(K)のインクをそれぞれ収
容したインク室16があり、これら4つのインク室16
から4種類(4色)のインクが印字ヘッド3に供給され
る。
【0010】尚、このプリンタ1は、印字ヘッド3の発
熱素子に電圧を印加して発生した熱でインクを気化さ
せ、そのとき生じた泡の体積変化によってインクを吐出
させるサーマルインクジェット方式といわれる印字方式
を採用しているが、他にも電圧を印加すると変形するセ
ラミック(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出させるピ
エゾ方式で構成されたインクジェットプリンタや、印字
ヘッド3の発熱素子によりインクリボンのインクを昇華
または溶融させて用紙に記録(印字)を行う方式の熱昇
華型又は熱転写型のプリンタも図6(a) と略同様の構成
で実現されている。熱昇華型又は熱転写型のプリンタの
場合は、同図(a) のインクカートリッジ4に代ってフル
カラーのインクリボンカセットが装着されるという程度
の違いがあるだけである。
【0011】上記のプリンタ1の構成において、印字開
始位置では用紙10は上流側の給紙ローラ対11のみに
よつて保持されて、用紙10の先端から所定の余白分離
れた場所から印字が開始される。また印字終了位置で
は、用紙10は下流側の排紙ローラ対12のみによって
保持されて、用紙10の後端から所定の余白分だけ離れ
た箇所までで印字が終了する。
【0012】ところで、実際の印字においては、印字ヘ
ッド3で高画質な画像を得るために、一般にマルチパス
と呼称される印字方法で印刷画像を形成する。このマル
チパス印字方法は、分かり易く簡単にいうと、例えば印
字ヘッド3の実分解能(ノズル15の配設密度)が60
0dpiであるとすると、この実分解能に拘わりなく、
これよりも高い印字解像度、例えば2倍の解像度の12
00dpiで印字する方法である。そして、印字速度と
制御の容易さなどを考慮して様々なマルチパス方式が開
発されている。
【0013】図7(a),(b),(c) は、そのような実分解能
よりも高い印字解像度で印字した場合の印字画像を説明
する図である。同図(a) は、説明の便宜上、印字ヘッド
を分かり易く示すため、例として1列のノズル列に4個
のノズルを備えた印字ヘッドを正面図で示している。同
図(a) に示すように、印字ヘッド16には4個のノズル
17が副走査方向(図では上下方向)に並んで1列のノ
ズル列18を形成している。
【0014】同図(b) は、上記の印字ヘッド16で、実
分解能すなわち600dpiの解像度で印字した画像を
示しており、分かり易いように主走査方向に8ドットを
印字した即ち縦横4×8ドットのベタ印字画像で示して
いる。尚、同図(b) は、枡目4個で1ドットの印字領域
を示している。同図(c) は、同図(b) の画像を、2倍の
解像度すなわち「8×16=1200」dpiで印字し
た高精細画像20を示している。同図(c) には、分かり
易いように、実分解能による印字ドット21と倍増分の
印字ドット22とに分けて示している。
【0015】このような実分解能よりも高い解像度で高
精細印字を行うためには、同図(b)に示すシングルパス
印字(1回の主走査でノズル列分の1ラインの印字が完
成する印字方法)に対して、一般的にマルチパス印字
(ノズル列分の1ラインの印字が複数回の主走査で完成
する印字方法)と呼ばれる印字制御を行う必要がある。
マルチパス印字の最も一般的な方法は、画像を印字解像
度に応じて一定のパターンに分割して、それぞれの分割
画像を複数回の主走査によって形成する方法である。以
下これについて簡単に説明する。
【0016】図8(a),(b),(c),(d) は、上記のマルチパ
ス制御の印字方法を説明する図である。尚、同図(a) 〜
(d) には、見た目に分かりやすくするために印字ノズル
(以下、ドットという)を各主走査毎にそれぞれ異なる
マーク(右下りのハッチング、網点、右上りのハッチン
グ)で示している。
【0017】先ず、同図(a),(b) に示すように、1回目
の主走査(走査1)で、副走査方向に高解像度の8ドッ
トに分割された精細画像20の上半分のうち1番目のド
ット行24−1と3番目のドット行24−3の印字デー
タが、印字ヘッド16のノズル17−3とノズル17−
4にそれぞれ割り当てられて印字される。このとき、ノ
ズル17−1とノズル17−2には白紙データ(空デー
タ、非印字データ)が送られる。つまり、精細画像20
の上方の領域25aは非印字領域となる。
【0018】続いて、同図(a),(c) に示すように、2回
目の主走査(走査2)では、用紙がノズル列16(図7
(a) 参照)の半分の長さaと更に半ドット分b(実分解
能/印字解像度)だけ副走査方向に搬送される。そし
て、精細画像20の上半分では、走査1で印字されたド
ット行24−1と24−3の間、及びドット行24−3
の下に隣接して、走査2によるドット行24−2及び2
4−4の印字が行われると共に下半分のドット行24−
6及び24−8の印字が行われる。ここで精細画像20
の上半分の印字が完成する。
【0019】そして、同図(a),(d) に示すように、3回
目の主走査(走査3)が行われる。この3回目の主走査
では、用紙が上記の長さaから半ドット分bを引いた距
離だけ搬送される。そして、精細画像20の下半分の、
走査2で印字されたドット行24−4と24−6の間、
及びドット行24−6と24−8の間に、走査3による
ドット行24−5及び24−7の印字が行われる。尚、
ノズル17−3とノズル17−4には白紙データが送ら
れ、精細画像20の下方の領域25bは非印字領域とな
る。これで精細画像20の印字が完成する。
【0020】尚、上記の説明では、説明の都合上、3回
の主走査で精細画像20を完成させているが、副走査方
向のドットが多い(画像が縦方向に大きい)場合は、そ
の画像の大きさに応じて、図8(c) と同図(d) の間に走
査2と同様の走査が複数回挿入されることになる。ま
た、上述の説明では精細画像20への印字ドットの配分
を平面的に示したが、以下に用紙と画像と印字ヘッドと
の関係を立体的に示して、このマルチパス印字について
更に説明する。
【0021】図9(a),(b),(c) は、マルチパス印字にお
ける用紙と画像と印字ヘッドとの関係を立体的に(側面
図で)模式的に示す図である。尚、同図(a),(b),(c) に
は、図6(a),(b) に示した構成と同一の構成部分には図
6(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0022】一般に、印字ヘッド3に配設されたノズル
列14のノズル15の数をn(nは偶数)、ノズル15
のピッチをP、とすれば、印字ヘッド3の1回の主走査
に対して、画像形成幅(ノズル列の長さ)Wは、W=P
・(n−1)であり、実分解能の2倍の印字を行う場合
の用紙10の送り量Lは、L=W/2である。
【0023】図9(a),(b),(c) において、模式図の下段
に並載した横長の矩形図形は、印字ヘッド3による1回
の主走査領域を示し、その矩形図形のハッチング部分が
画像が形成されていることを示している。また、矩形図
形の白部分は空データにより画像が形成されない部分で
あることを示している。
【0024】同図(a) において、先ず、印字開始位置で
は、ノズル列14の「1」番目のノズルから「n/2」
番目のノズルには空データをセットし、「n/2+1」
番目のノズルから「n」番目のノズルには実印字データ
がセットされる。用紙10に先端部余白aを空けて形成
される画像の先端部Cが「n/2+1」番目のノズル位
置に対応するように、用紙10を給紙ローラ対11によ
って所定の位置に移動させ、印字ヘッド3の主走査動作
によって最初の画像が形成される。
【0025】次に、同図(b) に示す印字の途中の位置で
は、「1」番目のノズルから「n」番目のノズル全てに
実印字データがセットされる。用紙10上に形成される
画像は、用紙10の送り量W/2によって前段の主走査
で印字された画像に約W/2の画像が重なって且つ印字
ドットがP/2ずれて形成される。この間、用紙10は
給紙ローラ対11と排紙ローラ対12間に跨って搬送さ
れる。
【0026】最後に、同図(c) に示す印字終了位置で
は、「1」番目のノズルから「n/2」番目のノズルに
実印字データがセットされており、「n/2+1」番目
のノズルから「n」番目のノズルには空データがセット
される。用紙10上に形成される最後端の画像も、用紙
10の送り量W/2によって、前段の主走査で印字され
た画像に約W/2の画像が重なって且つ印字ドットがP
/2ずれて形成される。用紙10上に後端部余白bを残
して形成される画像の後端部Dは、「n/2」番目のノ
ズルに対応している。このとき用紙10は、排紙ローラ
対12のみによって搬送される。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したプ
リンタ1の例では、給紙ローラ対11と排紙ローラ対1
2の2つの搬送機構を配置して用紙10を搬送している
から、これら給紙ローラ対11と排紙ローラ対12とに
よる用紙10の搬送引き継ぎ動作によって、画像が形成
できない部分である先端部余白aや特に後端部余白bに
ついては必要に応じてその余白部分を極力小さくするこ
とができる。
【0028】しかしながら、個人用に向けて製作される
小型のプリンタでは、装置構成内部の空間を占める搬送
機構の割合が軽視できないほど大きく、そのような小型
プリンタに実装面で搬送ローラや駆動伝達機横を複数配
置することは極めて困難である。したがって、一般に
は、排紙ローラ対の配設を削除して給紙ローラ対のみと
し、画像印字の終了した用紙の排紙はユーザの手によっ
てプリンタから引き出す方式を採用せざるを得ない。
【0029】そうすると、上述したマルチパス印字方式
では、図9(c) に示すように、給紙ローラ対11の用紙
把持部11′から、マルチパス印字の終了位置10′ま
での区間Eという広い領域が、用紙後端部の余白となっ
てしまうという問題が発生した。
【0030】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
印字素子の実分解能よりも高解像度のマルチパス画像を
用紙後端部に過剰な余白が出来ないように印字する小型
なキャリッジ移動型印字装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1記載の発
明のキャリッジ移動型印字装置は、副走査方向にピッチ
Pで配列されたn個(nは偶数)の印字素子を有する印
字ヘッドと、該印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可
能なキャリッジと、該キャリッジよりも用紙搬送方向上
流側に設けた搬送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手
段と、を有するキャリッジ移動型印字装置であって、1
番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2
+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそれ
ぞれ印字する工程と、次に上記駆動手段により用紙をP
・(n−1)/2だけ搬送する工程と、続いて1番目か
らn番目の印字素子にて実印字データを印字する工程
と、その後上記駆動手段により用紙をP・(n−1)/
2だけ搬送する工程と、を繰り返えすように制御し、更
に、1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印
字する工程と、次に上記駆動手段により用紙をP/2だ
け搬送する工程と、最後に1番目からn/2番目の印字
素子にて空データ及びn/2+1番目からn番目の印字
素子にて実印字データをそれぞれ印字する工程と、を行
うように制御する制御手段を備えて構成される。
【0032】次に、請求項2記載の発明のキャリッジ移
動型印字装置は、副走査方向にピッチPで配列されたn
個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印
字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジ
と、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けた搬
送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有する
キャリッジ移動型印字装置であって、副走査方向の総印
字ドット数Tを演算する第1の工程と、T/(n/2)
=K1 ・(n/2)+S(但しK1 は整数)によりSを
求める第2の工程と、1番目からn−S番目の印字素子
にて空データ及びn−S+1番目からn番目の印字素子
にて実印字データをそれぞれ印字する第3の工程と、上
記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送す
る第4の工程と、1番目からn/2−S番目の印字素子
にて空データ及びn/2−S+1番目からn番目の印字
素子にて実印字データを印字する第5の工程と、上記駆
動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送する第
6の工程と、1番目からn番目の印字素子にて実印字デ
ータを印字する第7の工程と、上記第6の工程と第7の
工程を所定回数繰り返す第8の工程と、上記駆動手段に
より用紙をP/2だけ搬送する第9の工程と、1番目か
らn/2番目の印字素子にて空データ及びn/2+1番
目からn番目の印字素子にて実印字データをそれぞれ印
字する第10の工程と、を行うように制御する制御手段
を備えて構成される。
【0033】そして、請求項3記載の発明のキャリッジ
移動型印字装置は、副走査方向にピッチPで配列された
n個(nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該
印字ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジ
と、該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けた搬
送手段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有する
キャリッジ移動型印字装置であって、副走査方向の総印
字ドット数Tを演算する第1の工程と、T/{(n−
x)/2}=K2 ・(n−x)/2(但しK2 は整数)
によりxを求める第2の工程と、1番目の印字素子から
n/2番目の印字素子にて空データ、n/2+1番目の
印字素子からn−x/2番目の印字素子にて実印字デー
タ、及びn−x/2+1番目の印字素子からn番目の印
字素子にて空データを印字する第3の工程と、上記駆動
手段により用紙をP・{(n−x)−1}/2だけ搬送
する第4の工程と、x+1番目からn番目の印字素子に
て実印字データを印字する第5の工程と、上記第4の工
程と上記第5の工程を繰り返す第6の工程と、上記駆動
手段により用紙をP/2だけ搬送する第7の工程と、1
番目からn/2+x/2番目の印字素子にて空データ及
びn/2+x/2+1番目からn番目の印字素子にて実
印字データを印字する工程と、を行うように制御する制
御手段を備えて構成される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a) は、本発明の実施形
態におけるインクジェットプリンタの主要部の構成を示
す分解斜視図であり、同図(b) は、上記主要部の印字ヘ
ッドユニットのみを取り出して示す斜視図である。同図
(a) に示すように、インクジェットプリンタ30の主要
部は、印字ヘッドユニット31、ヘッド駆動機構32、
図示を省略した供給口開閉ユニット、及びインクタンク
ユニット33を備えている。
【0035】印字ヘッドユニット31とインクタンクユ
ニット33は互いに独立して配置され、一方のインクタ
ンクユニット33は装置本体(インクジェットプリン
タ)のフレームに固定されており、他方の印字ヘッドユ
ニット31のみが印字に際して主走査方向に往復移動し
ながら印字を行う。
【0036】すなわち、印字ヘッドユニット31は、フ
レキシブル信号ケーブル34によって装置本体の後述す
る制御部に接続され、ヘッド駆動機構32のリニアレー
ル35と係合し、同じくヘッド駆動機構32のリニアス
ケール36により移動量を検出されながら、同図の両方
向矢印Fで示すように、ヘッド駆動機構32の長手方向
に沿って往復移動する。
【0037】インクタンクユニット33は、上下に平ら
で水平方向には長方形をなし、その長方形の長手方向が
駆動機構32の長手方向に並行して延在し、装置本体に
固定配置されている。同図には、インクタンクユニット
33の上面を覆う密閉シート37の一部を切り欠いて示
している。その切り欠いて示す内部には、インク液及び
洗浄液を収容する複数の液収容室38が設けられてい
る。これら複数の液収容室38に対応する数の液充填口
39が、インクタンクユニット33上面の端部に設けら
れている。
【0038】インクタンクユニット33の下面には、図
では陰になって見えないが複数の液供給口が形成されて
おり、インクタンクユニット33と印字ヘッドユニット
31との間に位置して配設される図示を省略した供給口
開閉ユニットが、インクタンクユニット33の長手方向
に進退して上記供給口を開閉する。
【0039】この印字ヘッドユニット31は、同図(b)
に示すように、ヘッドベース41の後半部42に、リニ
アコイル43を備えている。このリニアコイル43には
同図(a) に示すリニアレール35が嵌入する。また、こ
の後半部42の後端にはスリット溝44が形成されてい
る。このスリット溝44の近傍には、特には図示しない
が、マーク読み取りセンサが配設される。マーク読み取
りセンサは、このスリット溝44に嵌入して相対的に移
動する同図(a) 示すリニアスケール36に形成されてい
るマーク(バーコード又は切り欠きスリット)を読み取
って制御部に送信する。これにより、制御部は、リニア
コイル43への通電を制御して、印字ヘッドユニット3
1の移動量を制御する。
【0040】このヘッドベース41の前半部45には、
上面にスリット状の孔に形成された4本の液受給口46
が互いに並行に延在させて設けられている。これらは、
フルカラー印刷を行うためのイエロー、マゼンタ、シア
ン及びブラックの4種類のインク液に応じて同じ数だけ
設けられている。この前半部45の下面に、印字ヘッド
(チップ基板)47が配設され、この印字ヘッド47の
配線端子にフレキシブル信号ケーブル34の配線が接続
されている。
【0041】そして、上記の液受給口46には、印字ヘ
ッドユニット31がホームポジションに移動してきたと
き、インクタンクユニット33の液供給口からインク又
は洗浄液が供給される。上記インクタンクユニット33
の液供給口には、不図示のマイクロポンプが配設されて
いる。マイクロポンプは、タンクベースに支持されてお
り、液供給口に連通る下向きの開口部を有するダイヤフ
ラムを備えている。このダイヤフラムの開口部には、イ
ンクタンクの液導通路との連通部に入力弁が設けられ、
液供給口との連通部には出力弁が設けられる。これらの
弁は、自然の状態では自身の弾性力で連通部に密着状態
となっている。
【0042】このダイヤフラムの開口部と対極の上部外
側に、円柱状に形成された永久磁石が一端を固着されて
配設される。永久磁石は、その磁極が円柱軸の両端に分
極しており、側周面がガイド部材のガイド孔に滑動自在
に嵌入している。この永久磁石の自由端側に、スパイラ
ル状に巻かれたマイクロコイルが配置される。
【0043】このマイクロコイルに、電流が印加される
と、スイッチング電流によって発生する磁力の極性変化
に追従して、永久磁石が上下方向に動作し、これによ
り、永久磁石の下端が固着しているダイヤフラムの上部
が上下し、これにより、その内部の圧力が上記スイッチ
グ電流の周波数に応じて増減する。このダイヤフラムの
内部圧力の減少(永久磁石が上に移動)によって入力弁
が作動し(開いて)、液収容室から液導通路に流入する
液(インク又は洗浄水)をダイヤフラム内に吸引する。
【0044】そして、これに続くダイヤフラムの内部圧
力の増加(永久磁石が下に移動)によって入力弁が閉じ
て、出力弁が開き、上記ダイヤフラム内に吸引された液
(インク又は洗浄水)が液供給口から外部に流出する。
この液供給口から供給する液量は、マイクロコイルに印
加する電流の周波数によって制御が可能である。これに
より、インクタンクユニットの黒インク、シアンイン
ク、マゼンタインク、イエローインク、及び洗浄水は液
供給口を介して印字ヘッドユニット31の液受給口46
に供給される液の量を、所望の液量に制御することがで
きる。
【0045】図2は、上記インクジェットプリンタのシ
ステム構成を示すブロック図である。同図に示すよう
に、インクジェットプリンタ30のシステム構成は、静
止部51と移動部52とに分かれている。一方の移動部
52は、リニアレール35とリニアコイル43及びリニ
アスケール36によって主走査方向に往復移動する印字
ヘッドユニット31の発熱素子の発熱を駆動するドライ
バ53からなる。
【0046】そして、他方の静止部51は、制御部であ
り、MPU(micro processing unit) 54と、このMP
U54にバス55を介して接続されたI/F(インター
フェース)56及びヘッド制御部57、並びに上記I/
F56に接続されたメモリA58及びヘッド制御部57
に接続されたメモリB59からなる。
【0047】このインクジェットプリンタ30には、ホ
スト機器であるPC(パーソナルコンピュータ)60か
ら、I/F56を介して、印字データ及び制御データが
入力する。MPU54は、I/F56を介しメモリA5
8を制御しながら上記の印字データ及び制御データを受
信する。
【0048】また、MPU54には、各部を監視するセ
ンサの出力61が入力し、MPU54からは用紙を搬送
させるためのモータや、印字ヘッドユニット31を往復
移動させるためのリニアコイル43を通電制御する駆動
信号62が出力される。また、MPU54は、ヘッド制
御部57を介してメモリB59に1ライン毎の印字デー
タを展開し、その展開した印字データに基づいて、ヘッ
ド制御部57を介してドライバ53を制御する。
【0049】MPU54は、これら各部を上記センサの
出力61を参照しながら駆動する。また、ヘッド制御部
57からドライバ53への印字データや制御信号の転送
は、図1(a),(b) に示すように、フレキシブル通信ケー
ブル34を用いるが、IrDA(Infared Data Associa
tion:赤外線データ通信の標準化を行った団体又はその
方式、転じてその方式を用いた装置)を用いるようにし
てもよい。
【0050】図3は、印字ヘッドユニット31の前半部
(印字部)45を、ノズル面から見た図(図1(b) のG
矢視図)である。尚、同図には、図示する便宜上、本来
1列のノズル列に125個〜256個あるノズル及び発
熱素子を、それぞれ8個として示している。
【0051】同図に示すように、印字ヘッドユニット3
1の印字部45は、チップ基板64上に薄膜処理技術に
より形成されたおよそ40μm×40μmの大きさの発
熱素子65がピッチPで配設され、その周囲におよそ1
0μm(マイクロメータ)の厚さで積層された隔壁66
による共通インク路67が形成され、この共通インク路
67には、チップ基板64を貫通して液受給口46(図
1(a),(b) 参照)に連通するインク供給孔68が開口し
ている。
【0052】これらの上にポリイミド等からなる厚さ1
0〜30μmのフィルム状のオリフィス板69が積層さ
れて隔壁66によって形成された共通インク路67が蓋
をされ、これによって発熱素子65に供給されるインク
の微細な坑穴状の通路が形成されている。そして、オリ
フィス板69の各発熱素子65に対応する真上の位置
に、ドライエッチングにより穿設されたノズル(オリフ
ィス)71が一括形成されている。
【0053】このようにして、イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラックの各色に対応するノズル列72−1、7
2−2、72−3及び72−4が、それぞれノズル数n
(この例では8個)、ノズルピッチPで形成されてい
る。したがって、この印字ヘッドユニット31による1
回の主走査で印字される画像の印字有効幅Wは、W=P
・(n−1)である。この幅Wで、1回の主走査ごとに
用紙上に画像が形成されていく。
【0054】ところで、上記本発明のインクジェットプ
リンタ30においても従来同様に、高精細な画像を形成
すべくマルチパス方式による印字(印刷)を行うが、こ
のマルチパス印字において、用紙の搬送を、印字ヘッド
ユニット31よりも用紙搬送方向上流側にある給紙ロー
ラ対のみよって行うことを想定し、そのような場合でも
用紙後端部の余白が極力少なくなるように特別の工夫が
凝らされている。以下、これについて説明する。図4
(a),(b),(c) は、第1の実施形態におけるインクジェッ
トプリンタの印字動作を説明する動作状態図である。
尚、このマルチパス印字の処理動作は、図2に示したC
PU54による制御のもとに行われる。同図(a),(b),
(c) に示すように、用紙73の搬送は、印字ヘッドユニ
ット31よりも用紙搬送方向上流側にある給紙ローラ対
74のみよって行われる。
【0055】また、図4(a),(b),(c) に示す印字ヘッド
ユニット31は、図1(b) に示したリニアコイル43が
内側に配設されている移動ガイド孔75により、図1
(a) に示したリニアレール35に沿って摺動し、図4
(a),(b),(c) の紙面垂直方向に往復移動し、マルチパス
動作により用紙73に画像を形成(印字、印刷)する。
【0056】同図(a),(b),(c) において印字ヘッドユニ
ット31の下方に示す矩形図形は、そのマルチパス印字
で、この印字ヘッドユニット31による1回の主走査で
印字される画像の形成幅、すなわち、図3に示した印字
部45の有効印字幅Wを示しており、ハッチングで示す
部分が用紙73の紙面に1回の主走査で実印字データで
印刷される画像領域を示し、矩形図形の空白で示す部分
は1回の主走査において空データにより空印字され、実
際には印字が行われない領域を示している。
【0057】上記の矩形図形のハッチング部分が図の上
下(用紙送りの前後)でそれぞれ2つ重なっているの
は、このマルチパス印字では2回のマルチパス動作で印
字を完成させていくこと、すなわち、実ノズル分解能の
2倍の分解密度で印字を行うことを示している。
【0058】図4(a) において、先ず、印字開始位置で
は、1番目のノズルN(1)からn/2番目のノズルN
(n/2)、本例では4番目のノズル、には空データを
セットし、n/2+1番目のノズルN(n/2+1)、
本例では5番目のノズル、から最後のn番目のノズルN
(n)、本例では8番目のノズル、には実印字データが
セットされる。給紙ローラ対74は、用紙74の先端か
ら所定の余白dだけ内側の印刷開始位置hが画像の先端
部に、すなわちn/2+1番目のノズルN(n/2+
1)に、一致するように用紙74を搬送する。そして、
印字ヘッドユニット31の主走査によって最初の画像7
6−1が形成される。その後、給紙ローラ対74により
用紙73が送り量Lだけ搬送される。
【0059】この2回マルチパス印字では、用紙73の
送り量Lは、図4(b) に示すようにL=P・(n−1)
/2、すなわち、L=W/2である。そして、同図(b)
に示す印字の中間位置では、1番目のノズルN(1)か
らn番目のノズルN(n)までの全てのノズルに実印字
データがセットされて、印字が実行される。
【0060】これにより、用紙73上には、前回の主走
査で印字された約W/2幅の、本例では4ドット幅の、
画像76−1、76−3、76−5、・・・に、送り量
L=W/2による搬送の後の主走査で印字された約W/
2幅(4ドット幅)の画像76−2、76−4、76−
6、・・・が重なって、但し印字ドットがP/2(半ピ
ッチ)ずれて、形成されていき、この搬送と主走査の繰
り返しによって、約W/2の幅だけづつ2倍の解像度で
画像が完成していく。
【0061】そして、最後に、印字終了位置では、同図
(c) に示すように、1番目のノズルN(1)からn/2
番目のノズルN(n/2)に空データがセットされ、n
/2+1番目のノズルN(n/2+1)からn番目のノ
ズルN(n)には実印字データがセットされる。そし
て、用紙73が送り量P/2だけ搬送され、前段の主走
査による画像76−13に重なって但しP/2だけずれ
て、約W/2の幅(4ドット幅)の上記実印字データに
よる最後の画像76−14が印字される。
【0062】この最終的に用紙73上に形成される画像
の後端部jは、n番目のノズルN(n)に対応する。つ
まり、この用紙73の後端部の余白73−2は、n番目
のノズルN(n)から給紙ローラ対74の扶持部までの
距離Kである。この距離Kは、従来のマルチパス印字方
式による2倍の解像度の画像形成の場合よりも、n/2
+1番目のノズルN(n/2+1)からn番目のノズル
N(n)までの距離Mだけ短くなる。すなわち、用紙後
端部の余白が小さくなる。
【0063】尚、上記の例では、マルチパスの回数を2
回(画像の重ね合わせが2回)としているが、2回以上
の回数で画像を重ね合わせる更に高精細な画像を形成す
る場合でも上記の動作原理は同様である。すなわち、最
後の画像形成における画像後端部の印字をn番目のノズ
ルN(n)で行うように制御するものである。
【0064】ところで、上記の例では用紙73の送り量
をW/2で制御しているが、これは本発明の印字制御に
おける基本動作を示したものであり、実際の画像形成に
おいては、用紙送り方向の画像領域のサイズが上記の例
のように用紙の送り量W/2の整数倍とならない場合が
多い。つまり、画像のサイズによっては、最終印字の段
階で画像後端部が印字ヘッドユニット31のノズル列7
2の末番ノズルN(n)と対応するとは限らない。そこ
で、このような場合にも対処できる別法を第2の実施の
形態として以下に説明する。
【0065】図5(a) は、第2の実施の形態における2
回マルチパス印字による画像形成の動作を模式的に示す
動作状態図であり、同図(b) は、第3の実施の形態にお
ける2回マルチパス印字による画像形成の動作を模式的
に示す動作状態図である。
【0066】最初に、同図(a) に示す第2の実施の形態
における2回マルチパス印字による画像形成の動作を説
明する。先ず、用紙73に印字すべき1頁分の画像デー
タが、ホスト側のPC60のプリンタドライバソフトに
よって、出力用データとして演算処理される。このとき
画像後端部が印字ヘッドユニット31に配設されている
ノズル列72の末番ノズルN(n)と対応するように、
画像の印字終了側から(図5(a) の右端の矩形図形か
ら)順次(左端の矩形図形まで)演算して、最初の画像
先端部h′を印字する位置に対応するi番目のノズルN
(i)からN番目のノズルN(n)までに実印字データ
をセットし、1番目のノズルN(1)からi−1番目の
ノズルN(i−1)までには空データをセットする。
【0067】給紙ローラ対74は、ホスト側のプリンタ
ドライバソフトによって演算処理されたデータを基に、
画像先端部を形成するi番目のノズルN(i)に対応す
る位置に用紙73の印字開始位置hが一致するように搬
送して印字を開始する。次からは、第1の実施形態の場
合と同様に、W/2づつ搬送し、先行画像の上にP/2
ずれた重ね画像を印字していく動作を繰り返すと、最終
印字では、画像後端部j′がノズル列72の未番ノズル
N(n)と対応するようになり、したがって、この場合
も後端部の余白は、n番目のノズルN(n)から給紙ロ
ーラ対74の扶持部までの距離Kとなって、最小とな
る。
【0068】尚、この場合も、印字開始から印字終了の
前段まで、用紙73の送り量Lは、上述したW/2であ
り、印字終了の最終段でP/2の送り量となることは、
第1の実施形態の場合と同様である。
【0069】また、この場合、印字する画像の副走査方
向の実ノズル間隔に基づく総ドット数をTとしたとき、
T/(n/2)=K1 ・n/2+S(K1 は整数)を演
算し、最初の印字では上記演算結果得られた剰余のSド
ット分だけを、印字開始位置h′から印字すればよい。
すなわち、i=n−S+1である。
【0070】次に、同図(b) に示す第3の実施の形態に
おける2回マルチパス印字による画像形成の動作を説明
する。先ず、この場合も用紙73に印字すべき1頁分の
画像データがホスト側のプリンタドライバソフトによっ
て出力用データとして演算処理される。このとき上記同
様に紙面の画像後端部が印字ヘッドユニット31のノズ
ル列72の末番ノズルN(n)と対応するように画像の
印字終了時の位置関係を特定すると共に、この場合は、
更に、紙面の画像先端部がノズル列72のn/2+1番
目のノズルN(n/2+1)と対応するように画像の印
字開始時の位置関係を特定する。
【0071】そして紙送り方向の画像領域長つまり副走
査方向の実ノズル間隔に基づく総ドット数Tから、T/
{(n−x)/2}=K2 ・(n−x)/2(但しK2
は整数)によりxを求める。ここでxは、全印字期間に
亙って使用しないノズル列72の1番目からのノズル数
である。このxとnとに基づいて、1回の主走査に対す
る用紙73の送り量wを決定する。すなわち、w=(n
−x)/2とする。
【0072】ここで、上述した第2の実施形態が画像サ
イズの如何に拘わりなく印字設定条件が成り立つの対し
て、この第3の実施形態では画像の副走査方向の総ドッ
ト数によっては上記の演算において整数K2 が得られな
い場合がある。この場合はこの第3の実施形態を採用す
ることなく第2の実施形態を採用するようにする。
【0073】一方、上記の整数K2 が得られた場合は、
1番目のノズルN(1)からn/2番目のノズルN(n
/2)に空データをセットし、n/2+1番目のノズル
N(n/2+1)からn−x/2番目のノズルN(n−
x/2)に実印字データをセットして、更に、n−x/
2+1番目のノズルN(n−x/2+1)からn番目の
ノズルN(n)に空データをセットする。
【0074】そして、給紙ローラ対74は、ホスト側の
プリンタドライバソフトによって演算処理されたデータ
を基に、画像先端部を形成するn/2+1番目のノズル
N(n/2+1)に対応する位置に用紙73の印字開始
位置h″が一致するように搬送して印字を開始する。次
からは、用紙73をP・{(n−x)−1}/2だけ主
走査の都度、順次搬送し、1番目のノズルN(1)から
x番目のノズルN(x)に空データ及びx+1番目のノ
ズルN(x+1)からn番目のノズルN(n)に実印字
データをセットして、n−xドットの実印字を繰り返し
実行する。
【0075】最後の印字では、用紙73をP/2だけ搬
送した後、1番目のノズルN(1)からn/2+x/2
番目のノズル(n/2+x/2)に空データをセット
し、n/2+x/2+1番目のノズル(n/2+x/2
+1)からn番目のノズルN(n)に実印字データをセ
ットして印字を行う。
【0076】これにより、この場合も、用紙73の後端
部の余白は、n番目のノズルN(n)から給紙ローラ対
74の扶持部までの距離Kとなって、最小となる。
【0077】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、マルチパス印字の最終主走査で発熱制御を変更す
るので、給紙ローラ対のみによる用紙搬送でマルチパス
印字を行っても用紙後端部の余白が大きくならず、した
がって、プリンタ本体の内部構成が少ない小型のプリン
タでありながら、マルチパス印字による高精細画像の印
刷位置の均衡が良くとれて用紙の余白に無駄の少ない見
た目に好感のもてる画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の実施形態におけるインクジェッ
トプリンタの主要部の構成を示す分解斜視図、(b) はそ
の印字ヘッドユニットのみを取り出して示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施形態におけるインクジェットプリ
ンタのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるインクジェットプリ
ンタの印字ヘッドユニットの印字部をノズル面から見た
図(図1(b) のG矢視図)である。
【図4】(a),(b),(c) は第1の実施形態におけるインク
ジェットプリンタのマルチパス印字の動作を説明する動
作状態図である。
【図5】(a) は第2の実施形態におけるインクジェット
プリンタのマルチパス印字の動作を説明する図、(b) は
第3の実施形態におけるインクジェットプリンタのマル
チパス印字の動作を説明する図である。
【図6】(a) は従来のシリアルインクジェットプリンタ
の構成を模式的に示す斜視図、(b) は(a) の印字ヘッド
を用紙側から見たA矢視拡大図である。
【図7】(a),(b),(c) は従来の実分解能よりも高い印字
解像度で印字する場合の印字画像を説明する図である。
【図8】(a),(b),(c),(d) は従来のマルチパス制御の印
字方法を説明する図である。
【図9】(a),(b),(c) は従来のマルチパス印字における
用紙と画像と印字ヘッドとの関係を立体的に(側面図
で)模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 キャリッジ 3 印字ヘッド 4 インクカートリッジ 5 ガイドレール 6 歯付き駆動ベルト 7 フレキシブル通信ケーブル 8 フレーム 9 プラテン 10 用紙 11 給紙ローラ対 12 排紙ローラ対 13 モータ 14(14y、14m、14c、14k) ノズル列 15 ノズル 16 印字ヘッド 17 ノズル 17−1、17−2、17−3、17−4 印字ドット 18 ノズル列 20 高精細画像 21 実分解能の印字ドット 22 解像度倍増分の印字ドット 24−1〜24−8 精細画像のドット行 25a、25b 非印字領域 30 インクジェットプリンタ 31 印字ヘッドユニット 32 ヘッド駆動機構 33 インクタンクユニット 34 フレキシブル信号ケーブル 35 リニアレール 36 リニアスケール 37 密閉シート 38 液収容室 39 液充填口 41 ヘッドベース 42 後半部 43 リニアコイル 44 スリット溝 45 前半部(印字部) 46 液受給口 47 印字ヘッド(チップ基板) 51 静止部(制御部) 52 移動部 53 ドライバ 54 MPU(micro processing unit) 55 バス 56 I/F(インターフェース) 57 ヘッド制御部 58 メモリA 59 メモリB 60 PC(パーソナルコンピュータ) 61 センサの出力 62 駆動信号 64 チップ基板 65 発熱素子 66 隔壁 67 共通インク路 68 インク供給孔 69 オリフィス板 71 ノズル(オリフィス) 72−1、72−2、72−3、72−4 ノズル列 P ノズルピッチ W 有効印字幅 73 用紙 74 給紙ローラ対 75 移動ガイド孔 N(1) 1番目のノズル N(n/2) n/2番目のノズル N(n/2+1) n/2+1番目のノズル N(n) 最後のn番目のノズル 76−1、76−3、76−5、・・・ n/2ドット
幅の先行画像 76−2、76−4、76−6、・・・ n/2ドット
幅の重ね画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA23 EC12 EC34 EC74 EC78 FA10 2C057 AF99 AN01 DB03 DE10 2C062 KA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副走査方向にピッチPで配列されたn個
    (nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字
    ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、
    該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けた搬送手
    段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャ
    リッジ移動型印字装置であって、 1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/
    2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそ
    れぞれ印字する工程と、 次に前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ
    搬送する工程と、 続いて1番目からn番目の印字素子にて実印字データを
    印字する工程と、 その後前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だ
    け搬送する工程と、 を繰り返えすように制御し、 更に1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印
    字する工程と、 次に前記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する工程
    と、 最後に1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及
    びn/2+1番目からn番目の印字素子にて実印字デー
    タをそれぞれ印字する工程と、 を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とす
    るキャリッジ移動型印字装置。
  2. 【請求項2】 副走査方向にピッチPで配列されたn個
    (nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字
    ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、
    該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けた搬送手
    段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャ
    リッジ移動型印字装置であって、 副走査方向の総印字ドット数Tを演算する第1の工程
    と、 T/(n/2)=K1 ・(n/2)+S(但しK1 は整
    数)によりSを求める第2の工程と、 1番目からn−S番目の印字素子にて空データ及びn−
    S+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそ
    れぞれ印字する第3の工程と、 前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送
    する第4の工程と、 1番目からn/2−S番目の印字素子にて空データ及び
    n/2−S+1番目からn番目の印字素子にて実印字デ
    ータを印字する第5の工程と、 前記駆動手段により用紙をP・(n−1)/2だけ搬送
    する第6の工程と1番目からn番目の印字素子にて実印
    字データを印字する第7の工程と、 前記第6の工程と前記第7の工程を所定回数繰り返す第
    8の工程と、 前記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第9の工
    程と、 1番目からn/2番目の印字素子にて空データ及びn/
    2+1番目からn番目の印字素子にて実印字データをそ
    れぞれ印字する第10の工程と、 を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とす
    るキャリッジ移動型印字装置。
  3. 【請求項3】 副走査方向にピッチPで配列されたn個
    (nは偶数)の印字素子を有する印字ヘッドと、該印字
    ヘッドを搭載し主走査方向に移動可能なキャリッジと、
    該キャリッジよりも用紙搬送方向上流側に設けた搬送手
    段と、該搬送手段を駆動する駆動手段と、を有するキャ
    リッジ移動型印字装置であって、 副走査方向の総印字ドット数Tを演算する第1の工程
    と、 T/{(n−x)/2}=K2 ・(n−x)/2(但し
    2 は整数)によりxを求める第2の工程と、 1番目の印字素子からn/2番目の印字素子にて空デー
    タ、n/2+1番目の印字素子からn−x/2番目の印
    字素子にて実印字データ、及びn−x/2+1番目の印
    字素子からn番目の印字素子にて空データを印字する第
    3の工程と、 前記駆動手段により用紙をP・{(n−x)−1}/2
    だけ搬送する第4の工程と、 x+1番目からn番目の印字素子にて実印字データを印
    字する第5の工程と、 前記第4の工程と前記第5の工程を繰り返す第6の工程
    と、 前記駆動手段により用紙をP/2だけ搬送する第7の工
    程と、 1番目からn/2+x/2番目の印字素子にて空データ
    及びn/2+x/2+1番目からn番目の印字素子にて
    実印字データを印字する工程と、 を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とす
    るキャリッジ移動型印字装置。
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