JP2000093294A - 加熱容器の圧力調整装置 - Google Patents

加熱容器の圧力調整装置

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JP2000093294A JP10264809A JP26480998A JP2000093294A JP 2000093294 A JP2000093294 A JP 2000093294A JP 10264809 A JP10264809 A JP 10264809A JP 26480998 A JP26480998 A JP 26480998A JP 2000093294 A JP2000093294 A JP 2000093294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧空気の排出通路の途中に、球状の弁体を
有する圧力調整器を設けてなる加圧容器の圧力調整装置
において、容器の内圧を必要に応じて変化できるように
することである。 【解決手段】 圧力調整器11の弁体15の近傍に電磁
コイル16を設置し、その電磁力で弁体15が弁孔14
に及ぼす押圧力を軽減することにより、内圧を変化させ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧力式炊飯ジャ
ーのような加熱容器の圧力調整装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】圧力式炊飯ジャーは、ジャー本体の内部
に収納された鍋の内部に連通した排気通路を蓋に設け、
その排気通路の途中に設けた調圧装置により、鍋の内部
を所定の加圧状態に保持するようになっている。
【0003】上記の調圧装置は、排気通路の途中におい
て上下方向に開口された弁孔を有し、その弁孔の上部外
周に該弁孔が低位となる傾斜案内部を設け、その傾斜案
内部の内側において所要の重量を有する球状の弁体によ
り上記の弁孔を閉塞し、鍋の内圧と弁体の重量のバラン
スにより、内圧をほぼ一定の大きさに維持するようにな
っている。
【0004】また、鍋の加熱を停止すると蒸気の発生量
が減少し、器体からの放熱で内圧が大気圧まで低下す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、調理時におい
て調理鍋の内部に加える圧力には、調理のメニューに応
じて適正な大きさの圧力が存在することが知られてい
る。例えば、炊飯について見ると、うるち米では粘りを
強くするために圧力をかけて炊飯する方が食味が向上す
るが、1.15気圧以上の圧力をかけると粘りが強すぎ
る炊き上がりとなり、却って食味が低下する。一方、玄
米や赤飯については、上記の圧力以上の圧力で炊飯した
方が炊飯時間も短縮され、食味も良好である。
【0006】また、圧力式炊飯ジャーに限らず圧力式調
理器においては、調理が完了しても内圧はすぐには低下
しないので、直後に蓋を開けると急激な減圧により爆発
的な沸騰が起こり、内容物が飛散して非常に危険であ
る。
【0007】しかるに、従来の圧力式調理器において
は、内圧を決定するものは弁体の重量と弁孔の開口面
積、及び上記発生量を変動させる加熱電力だけである。
弁体の重量と弁孔の開口面積は一定であり変化させるこ
とはできない。また、加熱電力を変化させても蒸気の発
生量はそれに直ちに追従することはなく、時間を要す
る。特に、圧力を減少させる場合は器体からの放熱によ
るため、大気圧まで低下するには非常に時間を要してい
た。
【0008】そこで、この発明は各種調理器を含む加圧
容器において、その内圧を必要に応じて変化させること
ができる圧力調整装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は加熱容器の排気通路の途中に弁孔を設
け、上記弁孔を所要の押圧力を有する弁体により閉塞せ
しめ、上記加熱容器の内圧と上記押圧力のバランスによ
り該加熱容器の内圧を所定の一定圧力に維持するように
した加熱容器の圧力調整装置において、上記の弁体を磁
性体により形成すると共に、該弁体の近傍に電磁コイル
を設け、該電磁コイルにより上記の弁体に対して上記の
押圧力と異なる向きの力を生じさせ、上記加熱容器の内
圧を変化させる構成としたものである。
【0010】上記の弁体が所要の重量を有する球体によ
り構成され、該弁体が上記の弁孔をその上方から閉塞
し、上記弁孔の周りにおいて該弁孔側が低位となる傾斜
案内部を設け、その傾斜案内部の外側に上記の電磁コイ
ルを設け、該電磁コイルから与えられる水平外向きの力
と上記傾斜案内部の傾斜角とにより、該弁体に対して上
記の異なる向きの磁力を生じさせる構成をとることがで
きる。
【0011】上記の加熱容器の内圧を設定する設定手段
と、該設定手段による設定値に応じて上記電磁コイルに
供給する電流量を制御する構成をとることができる。
【0012】上記の加熱容器の内圧を設定する設定手段
とその内圧を検知する検知手段とを設け、上記検知手段
による検知結果と設定手段による設定値とを比較し、そ
の比較結果に基づき上記電磁コイルへの供給電流を制御
する制御手段を設けた構成をとることができる。
【0013】上記の設定手段を、所望の設定値を選択的
に設定できる外部選択手段により構成することができ
る。
【0014】上記の加熱容器が圧力式調理器である構成
をとることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付
図面に示した炊飯ジャーについて説明する。
【0016】図1から図3に示した第1実施形態の炊飯
ジャーは、ジャー本体1の内部に鍋2が収納され、これ
を気密に閉塞する蓋3がジャー本体1に開閉自在に取付
けられている。上記の蓋3には、その内蓋4と一体の部
材に設けた穴5から蒸気口セット6の蒸気穴7に至る排
気通路8が設けられ、この通路を蒸気が矢印で示すよう
に通って外部に排出される。排気通路8の途中におい
て、内蓋4と中蓋9との間に圧力調整器11が設けられ
る。
【0017】圧力調整器11は、内蓋4の上面に固定さ
れた弁座部材12と、その弁座部材12上をカバーする
ように被せられた弁室部材13、その弁室部材13の内
部において上記弁座部材12の弁孔14上に載せられた
弁体15、及び弁室部材13の上方において中蓋9の外
部に装着された電磁コイル16から成る。
【0018】上記の弁座部材12はその上面部に形成さ
れた弁孔14の周りに所要数のリブ状の傾斜案内部17
が設けられ、その傾斜の下位に上記の弁孔14が設けら
れる。弁体15はこれらの傾斜案内部17に支持された
状態で安定し、その自重により弁孔14を閉塞する。
【0019】上記の弁室部材13は、正面に上下方向の
スリット18が設けられ、そのスリット18に、加圧の
入り切りを制御するソレノイド19のプランジャー21
が、シール部材22を介して臨んでいる。ソレノイド1
9がオフのとき、プランジャー21はばね23により突
出して、弁体15を正面側から後方に向けて押し、傾斜
案内部17上を上方に移動させる。これにより弁孔14
が開放され、鍋2の内部を大気に開放する。
【0020】また、ソレノイド19がオンになると、プ
ランジャー21が後退するので、弁体15は傾斜案内部
17の傾斜に従って下降し弁孔14を閉塞する。これに
より鍋2の内部は加圧状態となる。弁体15はその重量
に応じた大きさの押圧力を下向きに及ぼす。
【0021】上記の電磁コイル16は、中蓋9の凸部2
4の周りにおいて弁体15の中心とコイル中心とが一致
する位置において、出来るだけ弁体15に接近して取付
けられる。
【0022】上記の電磁コイル16に通電することによ
って発生する電磁力は、上記の弁体15を上向きに吸引
することにより、該弁体15が下向きに及ぼす押圧力を
軽減するか、またはこれをわずかに持ち上げて弁孔14
を開放できる大きさに設定される。
【0023】図3は上記の電磁コイル16の制御回路で
あり、マイコン等で構成される制御部25は、比較部2
6と電流制御部27を有する。比較部26に鍋2の内部
の圧力検知センサー28(図1参照)の検知結果が入力
されると共に、ジャー本体1の操作パネル29上の設定
部31において設定された設定値が入力され、検知結果
と設定値との差に応じた大きさの電流を電流制御部27
から電磁コイル16に供給する。設定部31における設
定は、調理のメニューに応じて使用者がその好みに応じ
て選択ボタンを操作することにより行われる。
【0024】電磁コイル16は、その電流の大きさに応
じた電磁力で弁体15を上向きに吸引し、弁孔14を閉
塞する力を減少させる。これにより、弁体15だけの場
合より鍋2の内圧を低減させることができる。
【0025】なお、調理直後等、加圧状態にある場合に
蓋3を開放するときは、設定部31の操作により電磁力
が次第に減少するように操作すると、弁体15の押圧力
が次第に軽減されるので、漸次内圧を低減させることが
できる。
【0026】図4に示した第2実施形態は、電磁コイル
16を圧力調整器11の後方、即ちソレノイド19と反
対側において、その中心が水平方向を向くように設けた
ものであり、その中心にコア32が設けられる。
【0027】図5に示した第3実施形態は、電磁コイル
16を垂直線に対して一定角度δだけ傾斜して取付けた
ものである。その他は上記の各実施形態と同じである。
【0028】なお、以上は加圧式炊飯ジャーについて述
べたが、この発明は加熱によって内圧を上昇させる加熱
容器一般に適用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、加熱
容器の内圧の設定を変化させることができるため、調理
メニューに応じる等必要に応じた適正な圧力で加熱する
ことができる。
【0030】弁体を球状に形成すると共に、弁座に傾斜
部を設けることにより、電磁コイルの設置位置を垂直上
方に限らず、適宜な角度で設置することができる。
【0031】また、加圧状態で蓋を開放する場合に、電
磁力を次第に低減することにより、容器の内圧を漸次低
減できるので、安全に蓋を開放することができる。
【0032】設定部における設定値に応じて電磁コイル
への電流量を制御するか、又は、内圧の検知手段の検知
結果と設定部における設定値との比較に基づいて電磁コ
イルへの通電電流を制御することにより、内圧を一層正
確に調整することができる。
【0033】また、上記の設定値を使用者がその好みに
応じて設定することにより、好みに応じた調理の仕上が
りを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の断面図
【図2】同上の一部拡大断面図
【図3】同上の制御回路図
【図4】第2実施形態の一部拡大断面図
【図5】第3実施形態の一部拡大断面図
【符号の説明】
1 ジャー本体 2 鍋 3 蓋 4 内蓋 5 穴 6 蒸気口セット 7 蒸気穴 8 排気通路 9 中蓋 11 圧力調整器 12 弁座部材 13 弁室部材 14 弁孔 15 弁体 16 電磁コイル 17 傾斜案内部 18 スリット 19 ソレノイド 21 プランジャー 22 シール部材 23 ばね 24 凸部 25 制御部 26 比較部 27 電流制御部 28 圧力検知センサー 29 操作パネル 31 設定部 32 コア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱容器の排気通路の途中に弁孔を設
    け、上記弁孔を所要の押圧力を有する弁体により閉塞せ
    しめ、上記加熱容器の内圧と上記押圧力のバランスによ
    り該加熱容器の内圧を所定の一定圧力に維持するように
    した加熱容器の圧力調整装置において、上記の弁体を磁
    性体により形成すると共に、該弁体の近傍に電磁コイル
    を設け、該電磁コイルにより上記の弁体に対して上記の
    押圧力と異なる向きの磁力を生じさせ、上記加熱容器の
    内圧を変化させることを特徴とする加熱容器の圧力調整
    装置。
  2. 【請求項2】 上記の弁体が所要の重量を有する球体に
    より構成され、該弁体が上記の弁孔をその上方から閉塞
    し、上記弁孔の周りにおいて該弁孔側が低位となる傾斜
    案内部を設け、その傾斜案内部の外側に上記の電磁コイ
    ルを設け、該電磁コイルから与えられる水平外向きの力
    と上記傾斜案内部の傾斜角とにより、該弁体に対して上
    記の異なる向きの磁力を生じさせることを特徴とする請
    求項1に記載の加熱容器の圧力調整装置。
  3. 【請求項3】 上記の加熱容器の内圧を設定する設定手
    段と、該設定手段による設定値に応じて上記電磁コイル
    に供給する電流量を制御することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の加熱容器の圧力調整装置。
  4. 【請求項4】 上記の加熱容器の内圧を設定する設定手
    段とその内圧を検知する検知手段とを設け、上記検知手
    段による検知結果と設定手段による設定値とを比較し、
    その比較結果に基づき上記電磁コイルへの供給電流を制
    御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の加熱容器の圧力調整装置。
  5. 【請求項5】 上記の設定手段を、所望の設定値を選択
    的に設定できる外部選択手段により構成したことを特徴
    とする請求項3又は4に記載の加熱容器の圧力調整装
    置。
  6. 【請求項6】 上記の加熱容器が圧力式調理器であるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の加熱
    容器の圧力調整装置。
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