JP2000091911A - スペクトル拡散通信機の遅延ロックループ回路 - Google Patents

スペクトル拡散通信機の遅延ロックループ回路

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JP2000091911A
JP2000091911A JP26172598A JP26172598A JP2000091911A JP 2000091911 A JP2000091911 A JP 2000091911A JP 26172598 A JP26172598 A JP 26172598A JP 26172598 A JP26172598 A JP 26172598A JP 2000091911 A JP2000091911 A JP 2000091911A
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spread spectrum
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Yoshinori Horiguchi
義則 堀口
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】任意に設定された拡散帯域幅に応じてフィルタ
のカットオフ周波数を常に最適化して同期を確立する。 【解決手段】周波数−電圧変換器11により、電圧制御
発振器9から出力される基準クロック信号の周波数を参
照用疑似雑音符号の周波数として検出し、その値に基づ
いて低域通過フィルタ4、5のカットオフ周波数を調整
する。これにより、拡散帯域幅に応じてフィルタ4、5
のカットオフ周波数を常に最適化して同期を確立するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
方式を用いてデータ通信を行うスペクトラム拡散拡散通
信機の受信同期回路として用いられる遅延ロックループ
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば2.4GHz帯無線LANシステ
ムでは、変調方式としてスペクトラム拡散(SS:sp
read spectrum)方式が用いられる。この
SS方式は、データの伝送帯域幅に比べ、より帯域幅を
広げて伝送する技術である。なお、拡散率は、無線LA
Nの国内規格では、「拡散帯域幅の、シンボルレートに
等しい周波数に対する比で、10倍以上」であることが
定義されている。
【0003】従来、この技術を用いたスペクトル拡散通
信用ICが知られている(三洋電機株式会社 半導体ニ
ューズNo.5651,LV2700V暫定規格)。こ
れは、1次変調方式にFMを、2次変調方式にDS−S
S(直接スペクトル拡散:direct sequen
ce SS)を採用した送受信可能な1チップICであ
る。
【0004】DS−SS方式とは、伝送すべき情報信号
に、その帯域幅に比べ十分広い帯域幅を持つ拡散符号を
直接乗算することで、信号帯域幅の広帯域化を行う方式
である。拡散符号としては、疑似雑音(PN:pseu
do noise)符号などが用いられる。信号の復調
は送信側と同一かつ同期した拡散符号を受信信号に乗算
することで行う(これを逆拡散と呼ぶ)。
【0005】上記スペクトル拡散通信用ICについて具
体的に説明する。送信系では、入力可能な情報信号帯域
は200Hz〜150kHzであり、この情報信号がI
C内部のFM変調回路で1次変調される。搬送波周波数
はICに外付けされる発振器の発振周波数の24倍に設
定される。設定可能な搬送周波数範囲は200MHz〜
280MHzである。これより、使用可能な発振器の周
波数範囲が200/24MHz〜280/24MHzと
求められる。使用可能は発振器は1つであるから、上記
範囲から1周波数を選んで使用することになる。1次変
調されたFM信号には、発振器の発振周波数で生成され
る疑似雑音符号が乗算されて2次変調波となる。拡散帯
域幅は疑似雑音符号周波数の2倍となる。最後に、2次
変調波は増幅されてICの外部に出力される。
【0006】また、受信系では、IC外部にて受信され
た受信信号は、IC内部に導かれ、増幅されてから疑似
雑音符号が乗算される。これが2次復調処理である。復
調後のFM信号は、FM検波器に導かれ、1次復調処理
が施されて情報信号に復元される。情報信号の帯域幅に
応じた低域通過フィルタを通してIC外部に出力され
る。
【0007】上述したスペクトル拡散通信用ICでは、
拡散帯域幅と搬送波周波数はICに外付けされる発振器
の発振周波数で一義的に定義される。つまり、拡散帯域
幅を自由に可変したり、搬送波周波数を任意に変更する
ことはできない。仮に、拡散帯域幅と情報信号帯域幅を
IC外部から可変するにしても、受信同期を確立するた
めに必要な回路の調整までは不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】固定拡散帯域幅、固定
搬送波周波数を採用したシステムは、伝送したい情報信
号帯域幅が定まったシステムに用いられる。しかしなが
ら、マルチメディア通信、即ち、伝送したい情報信号の
帯域幅が固定ではなく、伝送環境に応じて任意に可変可
能な情報信号を扱う通信形態では、周波数を有効利用で
きないという問題がある。
【0009】例えば、ある伝送帯域に、ある情報信号が
拡散されていたとする。固定拡散帯域幅、固定搬送波周
波数を採用したシステムでは、疑似雑音符号の周波数に
対して極端に低い帯域の情報信号を多重する場合であっ
ても、使用する伝送帯域と拡散帯域は同一となり、周波
数の有効利用が図れない。
【0010】また、このようなシステムで拡散帯域幅を
任意に設定可能な構成としても、受信同期を確立するた
めの遅延ロックループ回路における低域通過フィルタが
最適化されないため、同期を確立できないという問題が
あった。
【0011】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、マルチメディア通信に対応すべく、任意に設定さ
れた拡散帯域幅に応じてフィルタのカットオフ周波数を
常に最適化して同期を確立することのできるスペクトル
拡散通信機の遅延ロックループ回路を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、遅延ロックル
ープで用いられる参照用疑似雑音符号の周波数を検出
し、その周波数に応じて遅延ロックループ内の相関用フ
ィルタのカットオフ周波数を調整するようにしたもので
ある。
【0013】遅延ロックループのS/Nが最大となるフ
ィルタのカットオフ周波数は、参照用疑似雑音符号の周
波数によって決定される。したがって、この参照用疑似
雑音符号の周波数を検出し、その値に基づいてフィルタ
のカットオフ周波数を自動調整することにより、任意に
設定された拡散帯域幅に応じてフィルタのカットオフ周
波数を常に最適化して同期を確立することができる。
【0014】また、参照用疑似雑音符号の発生器を駆動
する基準クロック信号の周波数を参照用疑似雑音符号の
周波数とみなして検出することにより、例えば分周器を
追加した場合でも、その分周器によって分周された周波
数に基づいてフィルタのカットオフ周波数を自動調整す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
るスペクトル拡散通信機の遅延ロックループ回路の構成
を示す図である。
【0016】この遅延ロックループ回路は、受信側に
て、位相の異なる2つの参照用疑似雑音符号を用いて受
信信号との同期を取るようにした同期回路であり、ここ
では、その参照用疑似雑音符号の周波数を検出し、その
周波数に基づいてループ内の相関用の低域通過フィルタ
のカットオフ周波数を調整可能としたものである。
【0017】図1において、1は入力端子、2・3は乗
算器、4・5は低域通過フィルタ、6・7は2乗器(相
関器)、8は加算器、9は電圧制御発振器、10は参照
用疑似雑音符号発生器、11は周波数−電圧変換器であ
る。
【0018】送信側から、情報信号に送信用疑似雑音符
号を乗算してスペクトル拡散した信号が送られてくる。
入力端子1には、このスペクトル拡散された信号が入力
される。
【0019】入力端子1に入力された受信信号は、乗算
器2、3へ入力され、参照用疑似雑音符号発生器10か
ら出力される2つの参照用疑似雑音符号PN(E)、P
N(L)と乗算される。この2つの参照用疑似雑音符号
PN(E)とPN(L)は、それぞれ異なる位相関係に
ある。
【0020】この様子を図2に示す。図2の横軸は時間
を表し、横軸は振幅を表している。なお、ここで用いた
参照用疑似雑音符号PN(E)、PN(L)は、3次の
原始多項式から生成されるM系列符号とし、その1周期
の期間をT、1チップの期間(1ビットに相当する期
間)をΔとしている。3次の原始多項式から生成される
M系列符号の数は2つ存在するが、ここではそのうちの
1つを例にした。また、図2のPN(E)とPN(L)
の位相差は1チップとしている。
【0021】これら2つの参照用疑似雑符号PN(E)
とPN(L)は、それぞれ乗算器2、3に入力され、受
信信号入力端子1に入力された信号と乗算される。乗算
された結果は次段の低域通過フィルタ4、5に導かれ、
積分される。この乗算、積分という操作は、乗算器2、
3への2つの入力信号の相関を計算しているにすぎな
い。
【0022】相関は、『他方に対する一方の関数の偏移
を関数とした関数f1(t)と関数f2(t)間の類似
性または相互依存性の尺度を与える特性』であり、他方
に対する一方の関数の偏移をパラメータτで表せば、こ
の相関R21は(1)式で定義される。
【0023】
【数1】
【0024】すなわち、関数f2(t)を基準に関数f
1(t)の時間を可変させつつ、両者を乗算し積分した
ものである。図1では、受信信号に含まれる送信用疑似
雑音符号と参照用疑似雑音符号を等しい信号としてい
る。これは、受信同期を確立するためである。そこで、
理解を簡単にするために、受信信号に含まれる信号は送
信用疑似雑音符号のみであると考える。つまり、情報信
号を”1”と仮定する訳である。
【0025】このようにして、上記(1)式の関数f1
(t)を送信用疑似雑音符号、関数f2(t)を参照用
疑似雑音符号と考えれば、上記(1)式は同一信号同士
の相関を与えていることになる。つまり、疑似雑音符号
の自己相関である。
【0026】図3に疑似雑音符号の相関特性を示す。図
3の横軸は、送信用疑似雑音符号と参照用疑似雑音符号
との位相差を示し、縦軸は相関値を示している。
【0027】ここで、送信用疑似雑音符号の位相が、2
つの参照用疑似雑音符号PN(E)、PN(L)の位相
差の中点に位置しているものとすれば、送信用疑似雑音
符号に対して参照用疑似雑音符号PN(E)の位相は1
/2チップ進んでおり、参照用疑似雑音符号PN(L)
の位相は1/2チップ遅れていることになる。これらの
相関特性を図4、図5に示す。図4は1/2チップ進ん
だ状態、図5は1/2チップ遅れた状態である。
【0028】しかしながら、これら相関特性は、上述の
ように情報信号を”1”と仮定して求めた相関特性であ
る。実際の情報信号には、”1”と”0”が含まれてい
るから、受信信号に含まれる送信用疑似雑音符号の極性
は情報信号によって変調されていることになる。この場
合、相関特性の極性も変調されることになり、ループは
収束しない。そこで、これら相関特性から極性変調成分
を取り除く目的で、両相関特性を次段の2乗器6、7に
入力している。
【0029】この2乗器6、7によって変調成分が取り
除かれた相関特性は次段の加算器8に入力され、一方の
相関特性から他方の相関特性が引き算される(位相誤差
が算出される)。これによって加算器8の出力には、図
6に示すような特性が現れる。図6の特性は遅延弁別特
性と呼ばれる。
【0030】遅延弁別特性が得られたところで、ループ
の動作について説明する。加算器8の出力に得られた遅
延弁別特性で、次段の電圧制御発振器9を制御する。こ
こで、電圧制御発振器9の特性を図7に示すように設定
にしておく。
【0031】図7の横軸は入力電圧であり、縦軸は出力
周波数である。つまり、電圧制御発振器9に与える入力
電圧値を高くすれば出力信号の発振周波数が高くなり、
逆に入力電圧値を低くすれば出力信号の発振周波数が低
くなるように動作させる。
【0032】また、入力制御電圧が0の時に出力される
フリーラン周波数を、送信用疑似雑音符号の周波数と等
しい周波数に設定しておく。このように設定すれば、遅
延弁別特性(加算器8の出力信号)に応じて電圧制御発
振器9の出力周波数を制御できる。
【0033】このようにして制御された電圧制御発振器
9の出力信号は、次段の参照用疑似雑音符号発生器10
に入力される。参照用疑似雑音符号発生器10が線形フ
ィードバックシフトレジスタで構成されているとすれ
ば、シフトレジスタを駆動する基準クロック信号として
電圧制御発振器9の出力信号を入力することになる。
【0034】線形フィードバックシフトレジスタ(参照
用疑似雑音符号発生器10)に基準クロック信号を入力
すると、この基準クロック信号の1周期を1チップとす
る疑似雑音符号が生成される。その結果、電圧制御発振
器9から出力される発振周波数と等しいチップ速度の参
照用疑似雑音符号PN(E)、PN(L)が得られる。
【0035】以上のような構成により、送信用疑似雑音
符号と参照用疑似雑音符号に生じる位相差が0になるよ
うにループが制御されて、受信信号との同期が確立され
る。ここで、図1の低域通過フィルタ4、5のカットオ
フ周波数の調整動作について説明する。
【0036】低域通過フィルタ4、5の動作は、相関を
得るための積分器であることは上述した通りである。積
分される信号成分は、情報信号成分と疑似雑音符号成分
である。これらの信号のうち、情報信号成分はループを
駆動する電力に関わっており、一方の疑似雑音符号成分
は雑音電力に関わっている。つまり、情報信号成分の電
力は少しでも多く通過させ、疑似雑音符号成分の電力を
少しでも多く抑圧すれば、このループのS/Nは最適化
されることになる。
【0037】このような最適カットオフ周波数は、情報
信号の周波数と疑似雑音符号の周波数に依存することは
上記説明からも明らかである。実際に、このフィルタの
最適カットオフ周波数はループの2乗損を解析すること
により求めることができる。なお、2乗損の解析はここ
では割愛し、疑似雑音符号周波数と最適カットオフ周波
数の関係式について説明する。
【0038】ここで、情報信号周波数の関数をkとし、
低域通過フィルタのカットオフ周波数をfc 、参照用疑
似雑音符号の周波数をfpn、とすれば、以下の関係式が
成り立つ。
【0039】fc =k×fpn …(2) 例えば、疑似雑音符号にM系列符号を用い、この符号長
に対して1ビットのデータを拡散させるシステムで2乗
損を解析し、関数kの値を求めると、k=0.2〜0.
6で与えられる。
【0040】つまり、システムに用いる疑似雑音符号の
周波数を決め、その疑似雑音符号にどのような符号を用
いるのか、また、拡散率を幾つに設定するのかを決めれ
ば、上記(2)式によって、フィルタの最適カットオフ
周波数が求められることになる。
【0041】図1において、周波数−電圧変換器11は
一般的なFM受信機に用いられる回路である。この特性
例を図8に示す。図8は横軸が入力周波数、縦軸が出力
電圧を表している。これは、周波数−電圧変換器11に
入力される周波数が高くなれば正の電圧を出力し、低く
なれば負の電圧を出力する特性である。
【0042】ここで、低域通過フィルタ4、5をgmフ
ィルタで構成しておき、gmフィルタの制御電圧とカッ
トオフ周波数の関係を図9に示すような特性にしてお
く。図9は横軸が制御電圧、縦軸がgmフィルタのカッ
トオフ周波数を表している。つまり、gmフィルタの制
御電圧を上げれば、カットオフ周波数は高くなり、逆に
制御電圧を下げれば、カットオフ周波数は低くなるよう
にしておく。
【0043】このようにすれば、参照用疑似雑音符号の
周波数から低域通過フィルタ4、5のカットオフ周波数
への伝達特性が図10のように得られる。図10は横軸
が疑似雑音符号周波数、縦軸がgmフィルタのカットオ
フ周波数を表している。
【0044】したがって、この伝達特性の傾きを上述し
たkに設定すれば、常に最適なS/Nを保持する遅延ロ
ックループが構成できる。このように、参照用疑似雑音
符号生成用のクロック信号の周波数から参照用疑似雑音
符号の周波数を検出し、この検出した値に基づいて低域
通過フィルタ4、5のカットオフ周波数を最適値に調整
するので、遅延ロックループ回路のS/Nを常に最大に
保ち、高い追跡感度を維持することが可能となる。
【0045】これによって、この遅延ロックループ回路
をIC化した後でも、拡散帯域幅に応じて参照用疑似雑
音符号の周波数を可変可能としてシステムの設計自由度
を増すことができる。これは、システム毎にIC開発を
行うことに比べれば、莫大な費用と時間を節約できるこ
とになる。
【0046】(第2の実施形態)上記第1の実施形態で
は、参照用疑似雑音符号生成用の線形フィードバックシ
フトレジスタ(参照用疑似雑音符号発生器10)に、電
圧制御発振器9から出力される基準クロック信号を直接
入力していることから、拡散帯域幅は発振周波数の2倍
となる。しかし、この発振周波数を変えずに拡散帯域幅
を可変する方法がある。これを第2の実施形態として説
明する。
【0047】図11は本発明の第2の実施形態に係るス
ペクトル拡散通信機の遅延ロックループ回路の構成を示
す図である。図11の構成は、上記図1の構成に分周器
12を追加したものである。なお、図11の構成要素1
〜11は図1と同一であるため、その説明は省略するも
のとする。
【0048】分周器12は、電圧制御発振器9から出力
される発振周波数を分周するものである。分周器12の
出力は周波数−電圧変換器11に入力されると共に、参
照用疑似雑音符号発生器10に入力される。これによっ
て、参照疑似雑音符号周波数は、分周器12の分周比に
応じて低下する。
【0049】ここで、遅延ロックループ回路が同期を確
立するには、入力端子1に入力される受信信号に含まれ
る送信用疑似雑音符号の周波数が参照用疑似雑音符号の
周波数に等しくなければならない。換言すれば、遅延ロ
ックループに分周器12を設けることによって、周波数
が低倍された送信用疑似雑音符号に同期をとることがで
きるようになる。これは、伝送に用いる拡散帯域幅を低
倍したのに等しい。つまり、この遅延ロックループ回路
を用いることによって、情報量に応じた拡散帯域幅が選
択可能となる。
【0050】このように、1つの発振器を用いたシステ
ムであっても、図11に示すように、電圧制御発振器9
の出力に分周器12を設けることにより、参照用疑似雑
音符号の周波数を分周比に応じた比率で可変することが
できる。
【0051】例えば、分周器12を1/2分周器として
用いれば、参照用疑似雑音符号の周波数が1/2になる
から、遅延ロックループは1/2の周波数となった送信
用疑似雑音符号に位相同期することが可能となる。送信
用疑似雑音符号の周波数が1/2ということは、伝送に
利用する電波の帯域幅を今までの1/2にできることを
意味している。
【0052】つまり、送信用疑似雑音符号の周波数が分
周比によって任意選択可能となるから、伝送したい情報
速度に応じて、利用する電波の帯域幅が選択可能とな
り、周波数の利用効率を非常に高めた通信システムを構
築することができるようになる。
【0053】なお、上述した説明は遅延ロックループを
低域系で表現したものであり、ベースバンド帯域におい
て動作するものである。周知の事ではあるが、低域系か
ら帯域系への変換を行うことにより、例えばIF帯域
(中間周波帯:Intermediate Frequency)に変換された
受信信号で動作する遅延ロックループを構成でき、上述
した発明を適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、参照用疑
似雑音符号の周波数を検出し、その値に基づいてフィル
タのカットオフ周波数を自動調整することができる。し
たがって、任意に設定された拡散帯域幅に応じてフィル
タのカットオフ周波数を常に最適化して同期を確立する
ことができる。
【0055】また、参照用疑似雑音符号の発生器を駆動
する基準クロック信号の周波数を参照用疑似雑音符号の
周波数とみなして検出することにより、例えば分周器を
追加した場合でも、その分周器によって分周された周波
数に基づいてフィルタのカットオフ周波数を自動調整す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスペクトル拡散
通信機の遅延ロックループ回路の構成を示す図。
【図2】上記遅延ロックループ回路に用いられる2つの
参照用疑似雑音符号の位相特性を示す図。
【図3】上記参照用疑似雑音符号の相関特性を示す図。
【図4】上記参照用疑似雑音符号の相関特性(送信用疑
似雑音符号の位相に対して1/2チップ進んだ状態)を
示す図。
【図5】上記参照用疑似雑音符号の相関特性(送信用疑
似雑音符号の位相に対して1/2チップ遅れた状態)を
示す図。
【図6】上記遅延ロックループ回路に用いられる加算器
の特性(遅延弁別特性)を示す図。
【図7】上記遅延ロックループ回路に用いられる電圧制
御発振器の特性を示す図。
【図8】上記遅延ロックループ回路に用いられる周波数
−電圧変換器の特性を示す図。
【図9】上記遅延ロックループ回路に用いられる低域通
過フィルタの特性を示す図。
【図10】上記参照用疑似雑音符号の周波数と上記低域
通過フィルタのカットオフ周波数との関係を示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るスペクトル拡
散通信機の遅延ロックループ回路の構成を示す図。
【符号の説明】
1…入力端子 2…乗算器 3…乗算器 4…低域通過フィルタ 5…低域通過フィルタ 6…2乗器 7…2乗器 8…加算器 9…電圧制御発振器 10…参照用疑似雑音符号発生器 11…周波数−電圧変換器 12…分周器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトル拡散された信号を受信し、そ
    の受信信号に参照用疑似雑音符号を同期させるスペクト
    ル拡散通信機の遅延ロックループ回路であって、 上記参照用疑似雑音符号の周波数を検出する周波数検出
    手段と、 この周波数検出手段によって検出された周波数に応じて
    遅延ロックループ内に設けられる相関用のフィルタのカ
    ットオフ周波数を調整するカットオフ周波数調整手段と
    を具備したことを特徴とするスペクトル拡散通信機の遅
    延ロックループ回路。
  2. 【請求項2】 上記周波数検出手段は、上記参照用疑似
    雑音符号を発生する符号発生器に入力される基準クロッ
    ク信号の周波数を検出することを特徴とする請求項1記
    載のスペクトル拡散通信機の遅延ロックループ回路。
  3. 【請求項3】 スペクトル拡散された信号を受信し、そ
    の受信信号に参照用疑似雑音符号を同期させるスペクト
    ル拡散通信機の遅延ロックループ回路であって、 上記参照用疑似雑音符号を発生する符号発生器に入力さ
    れる基準クロック信号の周波数を電圧として検出可能な
    周波数−電圧変換手段と、 この周波数−電圧変換手段から出力される電圧に応じて
    遅延ロックループ内に設けられる相関用のフィルタのカ
    ットオフ周波数を調整するカットオフ周波数調整手段と
    を具備したことを特徴とするスペクトル拡散通信機の遅
    延ロックループ回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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