JP2864930B2 - スペクトル拡散通信方式における同期保持装置 - Google Patents

スペクトル拡散通信方式における同期保持装置

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JP2864930B2 JP3490093A JP3490093A JP2864930B2 JP 2864930 B2 JP2864930 B2 JP 2864930B2 JP 3490093 A JP3490093 A JP 3490093A JP 3490093 A JP3490093 A JP 3490093A JP 2864930 B2 JP2864930 B2 JP 2864930B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスペクトル拡散(以下
“SS”と記載する)通信方式における同期保持装置に
係り、特に、同期保持に必須であったAGC(自動利得
制御)回路を不要にし、しかも高安定な同期保持動作を
可能にした同期保持装置に関する。
【0002】
【技術的背景】近年のSS通信(無線伝送)技術におい
て、SS技術による多元接続法を用いた移動体通信が実
用域に達して来ている。周知の如く電波資源は有限なの
で、周波数を有効に利用する必要がある。その点、SS
信号は広い周波数帯域に拡散されてそのパワースペクト
ル密度は非常に小さくなり、これにより他の通信に与え
る影響は小さく、既存の通信周波数帯での混用も可能に
なるため、その面での効用も大きく、原理的に周波数利
用効率の向上に寄与できるものである。また最近、わが
国の郵政省において、SS通信専用の周波数帯域も認可
されようとしており、今後は業務用或いは家庭用音響機
器等の無線伝送にまで応用が拡大されつつあり、その将
来性や発展性が大きく嘱望されている。
【0003】
【従来の技術】SS通信用の受信機(復調装置)におい
て、復調動作時の同期捕捉と同期保持は基本的に重要な
ものであり、今までに種々の同期捕捉方法や保持方法が
提案され、実用化されている。特に、復調装置に供給さ
れるSS変調信号のレベル変動が大きすぎると、同期が
外れ易くなり、保持が困難であったので、復調回路の前
段にAGC(自動利得制御)回路を接続して、入力SS
変調信号のレベルが大きすぎる時には減衰し、小さい時
には増幅して、レベルを所定の範囲内に維持することが
必須の要件であった。
【0004】かかる従来の復調装置及び同期保持装置に
ついて図面と共に説明する前に、この復調装置(受信
機)に対して、信号を送る側である送信機(SS変調装
置)の構成について、図1と共に説明する。図中、2は
角度変調回路(MOD)、5は拡散符号発生器(PN
G)、BF1 は帯域濾波器(BPF)、Mx1は乗算器であ
る。角度変調回路2では、音声や情報等の被変調信号に
対して1次変調である角度変調を施すが、その角度変調
にはFM(周波数変調)やPM(位相変調)等があり、
特に被変調信号がディジタル信号の場合にはShift Keyi
ng(シフトキーイング;SK)と呼ばれる。これにはF
(Frequency)SK,P(Phase)SK,M(Minimum)SK
及びGM(Gausian Minimum)SK等の変調方式があり、
従来はPSK変調を行なっていた。
【0005】入力端子In1 より供給される音声や情報等
の被変調信号S(t)は、角度変調回路2にてPSK変調さ
れて、1次変調信号f(t)となる。一方、入力端子In2 か
らクロック信号C(t)を拡散符号発生回路5に供給して、
ここで位相τ0 を持つ拡散符号Pn(t-τ0 )を生成し
て、拡散変調用の乗算器Mx1に出力している。従って、
乗算器Mx1では拡散符号と上記角度変調出力信号f(t)と
の乗算が行われてスペクトル拡散変調波SS(t) が生成さ
れ、BPFBF1 にて不要な周波数成分を除去された後、
出力端子Out1を介して図示しないアンテナより出力され
る。
【0006】かかるSS変調波は、大気等の伝送媒体を
介して、受信機側のアンテナ(図示せず)でキャッチさ
れ、SS復調装置で復調されて、元の音声や情報等に戻
される。以下、かかるSS復調装置の従来例について、
図2のブロック構成図を参照して説明するが、大抵のS
S通信装置は、前記図1のSS変調装置とこのSS復調
装置の両方の構成を夫々変調部及び復調部として備えて
おり、その場合にはアンテナやPNG等一部の構成要素
は共用される。
【0007】従来のSS復調装置は、図2に示す如く、
3つのBPFBF2 〜BF4,自動利得制御(AGC)回路3
3,拡散符号発生回路(PNG)28,2つの乗算器M
x2,Mx3及びエンベロープ検出器(Env.DET)38,3
9;引算回路40,ループフィルタ(LF)26,及び
電圧制御発振器(VCO)27等を有し、これらを図示
の如く結線して構成されている。このうち、BPFBF2
とAGC回路33を除く部分が同期保持装置の構成であ
り、拡散符号発生器28はVCO出力をクロック信号と
して2種類の拡散符号、即ち所定のチップ時間T(1/2
チップ)進んだ拡散符号RE (t) と 1/2 チップ遅れた
拡散符号RL (t) を生成している。
【0008】次に、図3の同期保持動作説明用の相関特
性図を併せ参照し乍ら、かかるSS復調動作及び同期保
持動作(装置)について説明する。なお、伝送媒体通過
中に混入するノイズを白色ガウス雑音n(t)とすると、入
力端子In3 に入来するSS変調信号Cs(t)は、 Cs(t)=AP(t−τ0 )sinωt+n(t) ……………………
…………(1) と表わされる。かかるSS信号Cs(t)は、帯域濾波器BF
2 にて不要な周波数成分を除去され、更にAGC回路3
3にて適当なレベルに増幅又は減衰されて、乗算器Mx2
及びMx3に供給される。
【0009】乗算器Mx2には、拡散符号発生器28から
正しい同期位置より 1/2 チップ進んだ拡散符号R
E (t) を供給され、乗算器Mx3には 1/2 チップ遅れた
拡散符号RL (t) が夫々供給されている。これらの拡散
符号RE (t) 及びRL (t) を夫々次式で表わすと、 RE (t) =P{t−τ+(Δ/2)} ……………………
……………(2) RL (t) =P{t−τ−(Δ/2)} ……………………
……………(3) 乗算器Mx2の出力CSL(t) 及び乗算器Mx3の出力C
SE(t) は、夫々 CSL(t)=AP(t−τ0 )*P{t−τ+(Δ/2)}sinωt+n(t)
P{t−τ+(Δ/2)}……(4)CSE(t)=AP(t−τ0 )*P{t
−τ-(Δ/2)}sinωt+n(t)P{t−τ-(Δ/2)}……(5)と
なる。なお、τは時間の推定誤差量、Δは拡散符号の1
チップ時間を示す。
【0010】通常、乗算器Mx2及びMx3においては、逆
拡散による復調が行なわれるが、以下、同期保持の動作
についてのみ説明する。これらの(6),(7) 式において、
白色ガウス雑音n(t)の項は、同期保持装置におけるルー
プ応答の計算において無視できるから、夫々の出力は次
のようになる。
【0011】 CSL(t)=ARP{-τ0 +τ−(Δ/2)}sinωt ………
……………(6) CSE(t)=ARP{-τ0 +τ+(Δ/2)}sinωt ………
……………(7) これらの各乗算出力は、帯域濾波器BF3,BF4 にて夫々必
要な周波数成分のみを抽出され、更にエンベロープ検出
器38,39にて包絡線検波されて、夫々図3(A)及び
(B) に示すような波形となる。この両出力は引算回路4
0に供給されて互に減算され、更にループフィルタ26
により誤差電圧Es(τ0 −τ) とされる。
【0012】ここでτ0 −τ=εと置くと、 Es(ε)=RP{-ε-(Δ/2)}−RP{-ε+(Δ/2)} ………
……………(8) となる。この誤差電圧Es(ε) を電圧制御発振器27に
供給して、電圧制御発振器27の発振周波数を制御する
ことにより、拡散符号発生用のクロック信号を得てい
る。このクロック信号を拡散符号発生器28に供給し、
各ビットクロックを適当に選定することにより、2種類
の拡散符号RE (t) 及びRL (t) を発生させている。図
3(C) にこの(10)式で表現されるVCO用誤差電圧Es
(ε) の相関特性を示す。同図(C) で、0点の位置が理
想的な同期保持点である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスペクトル
拡散通信方式における同期保持装置においては、乗算器
Mx2,Mx3に供給される入力レベルを一定に保つ必要が
あり、そのためにAGC回路33が用いられる。しか
し、実際のAGC回路は、その出力が一定な理想的出力
にはならず、ある程度のレベル変動が生じる。かかるレ
ベル変動が生じると、乗算器Mx2,Mx3の出力レベルが
当然変化し、ループ利得が変化して、同期保持は安定に
保たれ難いという問題が生じていた。また、AGC回路
は周知の如く回路規模として大きく、システムコストが
高くなるという問題点があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、情報が角度変調
された角度変調波を更にスペクトル拡散変調して送出さ
れたスペクトル拡散信号を受信復調する復調装置に用い
られる同期保持装置であって、所定のチップ時間進んだ
拡散符号と所定のチップ時間遅れた拡散符号を夫々出力
する復調用拡散符号発生回路と、該拡散符号発生回路か
らの各拡散符号と入力スペクトル拡散信号との相関をと
る第1,第2の相関手段と、該第1,第2の相関手段か
らの各相関出力を振幅制限した後に包絡線検波して夫々
角度復調出力を得る第1,第2の角度復調手段と、
第1,第2の角度復調手段で得られた夫々の角度復調出
力からキャリヤ成分を除去する第1,第2のフィルタ手
段と、前記第1,第2のフィルタ手段から出力を引
算して引算出力を得る引算手段と、前記引算手段で得ら
れた引算出力を誤差信号に変換して電圧制御発振器に供
給してクロック信号を得るクロック信号生成手段とを備
え、上記クロック信号生成手段で得られたクロック信号
を上記拡散符号発生回路に供給することにより、上記所
定チップ時間進んだ拡散符号と所定チップ時間遅れた拡
散符号を生成して、上記第1,第2の相関手段に供給す
る同期保持ループを構成したことを特徴とする、スペク
トル拡散通信方式における同期保持装置である。 また、
第2の発明は、情報が角度変調された角度変調波を更に
スペクトル拡散変調して送出されたスペクトル拡散信号
を受信復調する復調装置に用いられる同期保持装置であ
って、逆拡散復調用の所定チップ時間進んだ拡散符号と
入力スペクトル拡散信号との相関をとる第1の相関手段
と、逆拡散復調用の所定チップ時間遅れた拡散符号と入
力スペクトル拡散信号との相関をとる第2の相関手段
と、該第1,第2の相関手段からの各相関出力を振幅制
限した後に包絡線検波して夫々の角度復調出力を得る第
1,第2の角度復調手段と、該第1,第2の角度復調手
段で得られた夫々の角度復調出力から復調情報とキャリ
ヤ成分を除去する第1,第2のフィルタ手段と、該第
1,第2のフィルタ手段からの各復調情報の除かれた夫
々の残留復調拡 散成分を検出して引算することにより誤
差信号を得る引算手段と、該引算手段で得られた誤差信
号を制御電圧に変換して電圧制御発振器に供給してクロ
ック信号を得るクロック信号生成手段と、該クロック信
号を基に上記所定チップ時間進んだ拡散符号と所定チッ
プ時間遅れた拡散符号とを生成する復調用拡散符号発生
回路とを備え、上記復調用拡散符号発生回路で得られた
2種類の拡散符号を夫々上記第1,第2の相関手段に供
給することにより同期保持ループを構成したことを特徴
とする、スペクトル拡散通信方式における同期保持装置
である。
【0015】
【実施例】図4以降を参照し乍ら、本発明のスペクトル
拡散通信方式における同期保持装置の一実施例について
説明する。図4は本発明のスペクトル拡散方式における
同期保持装置1のブロック系統図であり、この図におい
て、17,18は角度復調回路(DEM)、19,20
は低域濾波器(LPF)、23は反転増幅器、D1,2
はダイオードであり、その他、図2に示した従来装置と
同一構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省
略する。
【0016】なお、かかる同期保持装置を含んだ復調装
置(受信機)に対して、信号を送る側である送信機(S
S変調装置)の構成は前記図1に示したものと大差ない
が、角度変調回路(MOD)2では、音声や情報等の被
変調信号に対して、以下の如くFM変調を施している。
【0017】入力端子In1 より供給される音声や情報等
の被変調信号s(t)は、角度変調回路2にて搬送波Esin
ωt によりFM変調されて、1次変調信号f(t): f(t)=Esin{ωt+s(t)} ………………………
…(9) となる。一方、入力端子In2 からのクロック信号C(t)を
基に、拡散符号発生回路5では拡散符号P(t)を生成し
て、拡散変調用の乗算器Mx1に出力している。従って、
ここで拡散符号と上記角度変調出力信号f(t)との乗算が
行われて次式のようなスペクトル拡散変調波SS(t) が生
成され、BPFBF1 にて不要な周波数成分が除去された
後、出力端子Out1を介して図示しないアンテナより出力
される。
【0018】SS(t) =EP(t)sin{ωt+s(t)} ………
…………………(10) 次に、図4及び図5の波形図を併せ参照して、本発明の
同期保持装置について説明する。入力端子In3 より入来
するスペクトル拡散変調波には、前記従来例同様白色ガ
ウスノイズn(t)が含まれており、帯域濾波器(BPF)
BF2 を介して相関復調用乗算器Mx2及びMx3に供給され
る。通常、乗算器Mx2及びMx3においては、拡散符号発
生器28からの拡散符号との乗算,即ち逆拡散復調が行
なわれるが、本発明の主旨に直接関係しないので、ここ
では従来例同様、同期保持に関する動作についてのみ説
明する。
【0019】拡散符号発生器28より、乗算器Mx2には
拡散符号の所定チップ時間T,即ち0.5チップ時間進ん
だ拡散符号Pn(t-τ+ Δ/2) =RE (t) が供給され、乗
算器Mx3には 0.5チップ時間遅れた拡散符号Pn(t-τ-
Δ/2) =RL (t) が供給されている。従って、乗算器M
x2及びMx3の出力eL (t),eE (t) は夫々、 eL (t)=ERP{-τ0 + τ-(Δ/2)}sin{ωt+s(t)}+n(t)Pn{t-τ+(Δ/2)}……(11) eE (t)=ERP{-τ0 + τ+(Δ/2)}sin{ωt+s(t)}+n(t)Pn{t-τ-(Δ/2)}……(12) となる。なお、 RP{-τ0 + τ-(Δ/2)}や RP{-τ0 +
τ+(Δ/2)}は相関利得である。
【0020】ここで、τ−τ0 をτE とし、n(t)の項を
ループ解析において無視するものとすれば、(11),(12)
式は夫々、 eL (t) =ERP{τE -(Δ/2)}sin{ωt+s(t)} …………
………(13) eE (t) =ERP{τE +(Δ/2)}sin{ωt+s(t)} …………
………(14) となる。前記図3の特性図から明らかに RP{τE -(Δ
/2)}は、
【0021】
【数1】 ……………………(15) と近似できる。同様に RP{τE +(Δ/2)}は、
【数2】 ……………………(16) となる。従って、(13),(14) 式は夫々、
【0022】 eL (t) =E{(1/2)+(τE /Δ)}sin{ωt+s(t)} ………
…………(17) eE (t) =E{(1/2)-(τE /Δ)}sin{ωt+s(t)} ………
…………(18) となる。(17),(18) 式の中のEは全体の振幅値であり、
1/2 は角度変調波の振幅を示す。又、τE /Δは時間の
関数でもあり、実際は拡散成分Pn(t)として表現するこ
ともできる。
【0023】相関復調用乗算器Mx2,Mx3で得られ
各々の相関出力はBPFBF3,BF4を夫々介して
角度復調回路17,18に供給されて角度復調が行われ
る。角度復調は、一般に入力信号を振幅制限してから微
分し、更にエンベロープ検出(包絡線検波)することに
よって行われる。この際、従来必要とされたAGC回路
33(図2)に代えて、角度復調回路17,18内で相
関復調用乗算器Mx2,Mx3で得られた各相関出力を
振幅制限しており、言い換えると、入力スペクトル拡散
信号のレベル変動に対して振幅制限している。従って、
角度復調回路17,18は振幅制限器(リミッタ)やエ
ンベロープ検出器等を含んで構成され、角度復調回路1
7の復調出力D(t)は、E=1,角度変調波の振幅
を1とすると、
【0024】 DL (t) =s'(t)+Pn(t)s'(t)+Pn'(t) …………
…………(19) となり、同様に角度復調回路18の復調出力DE (t)
は、 DE (t) =s'(t)-Pn(t)s'(t)-Pn'(t) …………
…………(20) となる。この両式中に含まれる各成分s'(t),Pn(t)s'
(t),Pn'(t) の波形を、夫々図5の(A),(B),(C) に示
す。なお、s'(t) の如く"'”が付されているのは、元の
信号s(t)に比べて微分された信号波形であることを意味
する。FM信号はこれを微分してから包絡線検波(エン
ベロープ検出)することにより情報が復調されるところ
から、このように表現している。
【0025】ところで(19),(20) 式において、Pn(t)s'
(t) はレベル的に小さいため、復調出力DL (t) やDE
(t) は次のように近似できる。
【数3】 …………………………(21)
【数4】 …………………………(22)
【0026】(21),(22) 式右辺のPn'(t) は復調された
拡散成分で、拡散符号の周期の逆数を基本周波数とし、
その高次の高調波成分を含む成分で成り立ち、その成分
のレベルの大小を比較すれば誤差信号として利用できる
ことが分かる。そこで、BPFBF5,BF6 にて情報信号周
波数帯域を除去した後、BPFBF5 の出力のみ反転増幅
器23で反転(及びレベル調整)して、ダイオード2
4,25を使用して両BPF出力を引算すると、次のよ
うな誤差信号ε(t) が得られる。
【0027】 ε(t) =(τE /Δ)d/dt 但し、|τE |≦(Δ/2)
…………(23) このτE が誤差成分として存在し、次段のループフィル
タ26により誤差電圧化されて、電圧制御発振器27に
供給される。この誤差電圧により、電圧制御発振器27
の出力周波数が制御されて前記図3(C) の0点に落ち着
き、ループの同期保持が持続することになる。なお、誤
差信号ε(t) は、実際には角度復調回路における振幅制
限動作により、τE /Δの瞬時周波数成分として検出さ
れることになり、その復調誤差信号レベルは時間差τE
にのみ比例する。従って、同期保持装置の入力スペクト
ル拡散変調波SS'(t)の振幅が変動してもτE /Δは変動
しないため、ループは正常に動作することになる。
【0028】次に、本発明装置の第2実施例について
6を用いて説明する。前記図4に示した第1実施例装置
の構成より、BPFBF5,BF6,反転増幅器23,
及びダイオードD,Dが除かれ、引算回路40のみ
が追加されており、第1実施例装置よりも構成が簡素化
されている。その他は同一構成なので同一符号を付し
て、その詳細な動作説明を省略する。即ち、LPF1
9,20までは同じ構成であり、LPF19及び20の
出力を夫々D(t),D(t)とすると、引算回路
40の出力は次式、
【0029】
【数5】 …………………………(24) となる。この場合、情報s(t)は引算で打ち消されること
が条件となる。実際には、(21)と(22)式中の復調情報s'
(t) は、その復調レベルは夫々等しいため、情報は打ち
消されて正常に動作することになる。従って、反転増幅
器23のようなレベル調整手段も不要となり、角度復調
回路以降の伝送ラインは直流伝送を基本とすればよい。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係るスペクトル拡
散通信方式における同期保持装置によると、入力したス
ペクトル拡散信号を逆拡散して元の信号に戻す際に用い
られる同期保持装置であって、第1,第2の相関手段で
入力スペクトル拡散信号に対して所定のチップ時間進ん
だ拡散符号と所定のチップ時間遅れた拡散符号とを夫々
乗算して夫々の相関出力を得て、この後、第1,第2の
角度復調手段で第1,第2の相関手段からの各相関出力
を振幅制限した後に包絡線検波して夫々の角度復調出力
を得て、これらの角度復調出力の差による誤差信号を電
圧制御発振器に供給してクロック信号を得、更に、この
クロック信号を拡散符号発生回路に供給することによ
り、所定チップ時間進んだ拡散符号と所定チップ時間遅
れた拡散符号を生成しているので、従来の同期保持装置
に必須であったAGC回路は不要となって構成が簡素化
され、しかも、従来装置におけるAGC回路が理想的特
性ではないことにより発生するループ利得の変動問題は
皆無となる。これにより、本発明の同期保持装置は、そ
の入力スペクトル拡散信号レベルが変動しても安定に
動作し、ループの基本的性質,基本的動作は従来の同期
保持装置と変わらないものの、従来よりも確実な同期保
持動作を実現できるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スペクトル拡散方式における一般的なSS変調
装置を示すブロック図。
【図2】SS受信部(復調部)における従来の同期保持
装置のブロック構成図。
【図3】従来装置及び本発明装置における同期保持動作
説明用の相関特性図。
【図4】本発明の同期保持装置の第1実施例のブロック
構成図。
【図5】角度復調回路の復調出力に含まれる各信号成分
の波形図。
【図6】本発明の同期保持装置の第2実施例のブロック
構成図。
【符号の説明】
2 角度変調回路 5,28 拡散符号発生器(PNG) 17,18 角度復調回路(DEM) 19,20 低域濾波器(LPF) 23 反転増幅器 26 ループフィルタ(LF) 27 電圧制御発振器(VCO) 40 引算回路 BF1 〜BF6 帯域濾波器(BPF) D1,2 ダイオード Mx1〜Mx6 乗算器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報が角度変調された角度変調波を更にス
    ペクトル拡散変調して送出されたスペクトル拡散信号を
    受信復調する復調装置に用いられる同期保持装置であっ
    て、所定のチップ時間進んだ拡散符号と所定のチップ時
    間遅れた拡散符号を夫々出力する復調用拡散符号発生回
    路と、該拡散符号発生回路からの各拡散符号と入力スペ
    クトル拡散信号との相関をとる第1,第2の相関手段
    と、該第1,第2の相関手段からの各相関出力を振幅制
    限した後に包絡線検波して夫々の角度復調出力を得る第
    1,第2の角度復調手段と、該第1,第2の角度復調手
    段で得られた夫々の角度復調出力からキャリヤ成分を除
    去する第1,第2のフィルタ手段と、前記第1,第2の
    フィルタ手段から出力を引算して引算出力を得る引
    算手段と、前記引算手段で得られた引算出力を誤差信号
    に変換して電圧制御発振器に供給してクロック信号を得
    るクロック信号生成手段とを備え、上記クロック信号生成手段で 得られたクロック信号を上
    記拡散符号発生回路に供給することにより、上記所定チ
    ップ時間進んだ拡散符号と所定チップ時間遅れた拡散符
    号を生成して、上記第1,第2の相関手段に供給する同
    期保持ループを構成したことを特徴とする、スペクトル
    拡散通信方式における同期保持装置。
  2. 【請求項2】情報が角度変調された角度変調波を更にス
    ペクトル拡散変調して送出されたスペクトル拡散信号を
    受信復調する復調装置に用いられる同期保持装置であっ
    て、 逆拡散復調用の所定チップ時間進んだ拡散符号と入力ス
    ペクトル拡散信号との相関をとる第1の相関手段と、逆
    拡散復調用の所定チップ時間遅れた拡散符号と入力スペ
    クトル拡散信号との相関をとる第2の相関手段と、該第
    1,第2の相関手段から相関出力を振幅制限した後
    に包絡線検波して夫々の角度復調出力を得る第1,第2
    の角度復調手段と、該第1,第2の角度復調手段で得ら
    れた夫々の角度復調出力から復調情報とキャリヤ成分を
    除去する第1,第2のフィルタ手段と、該第1,第2の
    フィルタ手段からの復調情報の除かれた夫々の残留復
    調拡散成分を検出して引算することにより誤差信号を得
    る引算手段と、該引算手段で得られた誤差信号を制御電
    圧に変換して電圧制御発振器に供給してクロック信号を
    得るクロック信号生成手段と、該クロック信号を基に上
    記所定チップ時間進んだ拡散符号と所定チップ時間遅れ
    た拡散符号とを生成する復調用拡散符号発生回路とを備
    え、上記復調用拡散符号発生回路で 得られた2種類の拡散符
    号を夫々上記第1,第2の相関手段に供給することによ
    り同期保持ループを構成したことを特徴とする、スペク
    トル拡散通信方式における同期保持装置。
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