明 細 書
クロック生成回路
技術分野
[0001] 本発明は、スプレッドスペクトラムクロッキング(spread spectrum clocking)機能 を有するクロック生成回路に関するものである。
背景技術
[0002] シリアル ATA (serial ATA)等のインタフェース規格においては、 EMI (electro magnetic interference)を低減することを目的として、スプレッドスペクトラムクロッ キング(spread spectrum clocking、以下 SSCと略記する)が規定されている(例 えば、非特許文献 1を参照)。
[0003] 図 17は、シリアル ATA規格において、 SSC機能に基づいてクロック周波数が変化 する様子を示すグラフである。また、図 18は、シリアル ATA規格における、 SSC機能 に基づくクロック信号のスペクトラムの例である。 SSCは、図 17に示すように、クロック 源から出力されたクロック信号に、所定の変調率 (例えば δ =0. 5%)、および変調 周期(例えば fm= 30kHz〜33kHz)を有するように周波数変調を行なってスぺクトラ ムを拡散し、図 18のようにスペクトラムのピーク値を低減する技術である。
[0004] スペクトラム拡散を実現するクロック生成回路としては、複数種類の位相のクロック 信号を生成する PLL回路と、生成された複数種類の位相のクロック信号に対して周 期的な位相シフトを行なう位相補間部を設けて、位相補間部が生成した複数種類の クロック信号のな力から 1つのクロック信号を選択して出力するように構成されたもの 力 Sある(例えば特許文献 1を参照)。
[0005] このようにしてスペクトラム拡散したクロック信号を生成するクロック生成回路では、 周期的な位相シフトを PLL回路のループ外で行って!/、るため、位相シフト時の位相 ずれがあると、それがそのまま出力に高周波ジッタとして現れてしまう。高周波ジッタ を含むデータ信号が出力されると、受信側回路がこのデータを受けられず、シリアル ATAを搭載したセット間の接続性が低下してしまう可能性がある。
[0006] これに対しては、図 19に示すように、スペクトラム拡散したクロック信号を受ける PLL
回路(2段目 PLL回路と呼ぶ)をさらに接続し、 2段目 PLL回路の低域フィルタ特性に より高周波ジッタをカットするようにクロック生成回路を構成するという手段が考えられ る。同図において 301は、基準クロック信号 REFCKを受けてスペクトラム拡散したク ロック信号 CK—SSCを生成する周波数変調回路である。また 302は、クロック信号 C K— SSCを受けて、クロック信号 CKOUTを出力する 2段目 PLL回路である。なお、 2段目 PLL回路は、位相比較器、チャージポンプ回路、 2次の LPF (Low Pass Fil ter)、 VCO (voltage -controlled oscillator)、および分周回路から構成される一 般的な PLL回路である。 2段目 PLL回路を有するクロック生成回路では、高周波ジッ タをカットするために、 2段目 PLL回路のバンド幅 (カットオフ周波数)を低く設定する 。一般的に PLL回路は、バンド幅が低いと、入力クロック信号のバンド幅よりも高い周 波数成分を有するジッタに対してジッタフィルタとして働く。
特許文献 1 :特開 2005— 184488号公報
非特許文献 1: Serial ATA Workgroup "SATA:High Speed Serialized AT Attachment", Revision 1. 0, 29— August— 2001
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] しカゝしながら、例えば、シリアル ATA規格のインタフェースを備えた機器であっても クロックリカバリ回路のキヤプチャレンジが狭いなどの理由で SSC機能に対応できな い機器が接続相手である場合には、スペクトラム拡散したクロック信号を用いると、接 続性に問題を生ずる可能性がある。また、クロック生成回路を含んだ LSIを開発する 際には、 SSC機能がある場合とない場合の 2種類の状態で、接続性を検証したい場 合が多い。
[0008] これに対しては、例えば、回路検証だけのために、 SSC機能の無いクロック生成回 路を用意すること等が考えられるが、効率面、およびコスト面力 好ましくない。
[0009] また、容易に SSC機能の有無を切り替えられるようにクロック生成回路を構成できた としても、例えばスペクトラム拡散されている場合に、高周波ジッタをカットするように、 2段目 PLL回路のバンド幅 (カットオフ周波数)を低く設定すると、スペクトラム拡散さ れていない場合に、 2段目 PLL回路内 VCOの蓄積ジッタが大きくなつてしまい、接続
性が悪ィ匕する可能性がある。
[0010] 本発明は、前記の問題に着目してなされたものであり、 SSC機能の有無 (オン Zォ フ)を容易に切り替えることができ、また、 SSC機能をオン/オフしても、ジッタの増大 によって接続性が悪ィ匕しな ヽクロック生成回路を提供することを目的として ヽる。 課題を解決するための手段
[0011] 前記の課題を解決するため、本発明の一態様は、
入力された基準クロック信号に応じてクロック信号を生成するクロック生成回路であ つて、
周波数変調のかかって 、な 、クロック信号、および周波数変調のかかったクロック 信号のうちの何れを出力するかを示す選択信号に応じて、周波数変調の力かってい ないクロック信号、および周波数変調の力かったクロック信号の何れか一方を、前記 基準クロック信号に応じて生成する周波数変調回路を備えたことを特徴とする。
[0012] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記周波数変調回路は、
それぞれの間に所定の位相差を有する複数のクロック信号によって構成された多 相クロック信号を生成する多相クロック生成回路と、
前記多相クロック生成回路が生成した多相クロック信号の位相をシフトして出力する 位相細分化部と、
前記位相細分ィ匕部から出力された多相クロック信号のな力から 1つのクロック信号 を選択して出力するクロック選択部と、
前記位相細分ィ匕部で行なわれる位相のシフトおよび前記クロック選択部で行なわ れるクロック信号の選択を固定する第 1の制御パターンと、前記位相細分ィ匕部で行な われる位相のシフトおよび前記クロック選択部で行なわれるクロック信号の選択を所 定の周期で変更する第 2の制御パターンのうちの何れかの制御パターンを、前記選 択信号に応じて選択して、前記位相細分ィ匕部で行なわれる位相のシフト、および前 記クロック選択部で行なわれるクロック信号の選択を制御する変調制御部と、 を備えて 、ることを特徴とする。
[0013] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記周波数変調回路が出力したクロック信号が入力されるとともに、前記選択信号 に応じてバンド幅が切り替わる PLL回路をさらに備えていることを特徴とする。
[0014] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記 PLL回路は、前記選択信号が周波数変調の力かったクロック信号を出力する ことを示している場合には、周波数変調の力かっていないクロック信号が入力された 場合よりもバンド幅を下げるように構成されていることを特徴とする。
[0015] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、さらに、
外部より読み書き可能なレジスタ部と、
前記レジスタ部の情報を読み取って前記選択信号を生成して出力するレジスタ参 照部と、
を備えて 、ることを特徴とする。
[0016] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記選択信号は、予め定められた論理レベルに固定されていることを特徴とする。
[0017] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記 PLL回路は、抵抗器および容量素子を有するローパスフィルタと、チャージポ ンプとを備えたものであり、
前記 PLL回路は、前記ローパスフィルタが有する抵抗器の抵抗値および容量素子 の容量値、および前記チャージポンプの電流量の両方を切り替えてバンド幅を切り 替えるように構成されて 、ることを特徴とする。
[0018] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記選択信号は、前記 PLL回路がロックした場合に有効になることを特徴とする。
[0019] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、さらに、
前記周波数変調回路が出力したクロック信号が入力されるとともに、入力されたバ ンド幅制御信号に応じてバンド幅が切り替わる PLL回路と、
前記周波数変調回路が出力したクロック信号に周波数変調が力かっている力否か を検出するとともに、検出結果に応じたバンド幅制御信号を前記 PLL回路に出力す る周波数変調検出回路と、
を備えて 、ることを特徴とする。
[0020] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記 PLL回路は、前記バンド幅制御信号が、周波数変調が力かっていることを示し て 、る場合には、周波数変調のかかって 、な 、クロック信号が入力された場合よりも バンド幅を下げるように構成されて 、ることを特徴とする。
[0021] また、本発明の一態様は、
上記のクロック生成回路であって、
前記周波数変調検出回路は、デジタル回路のみで構成されていることを特徴とす る。
発明の効果
[0022] 本発明によれば、 SSC機能のオン Zオフを容易に切り替えることができ、また、 SS C機能をオン/オフしても、ジッタの増大によって接続性が悪ィ匕しな!、ようにできる。 図面の簡単な説明
[0023] [図 1]図 1は、実施形態 1に係るクロック生成回路の構成を示すブロック図である。
[図 2]図 2は、周波数変調回路 110の構成例を示すブロック図である。
[図 3]図 3は、変調制御部 112が出力する位相制御信号と位相シフト量の関係を示す 図である。
[図 4]図 4は、位相細分ィ匕部 113の構成例を示すブロック図である。
[図 5]図 5は、各動作モードで選択されるクロック信号を示す図である。
[図 6]図 6は、クロック選択部 114の構成例を示すブロック図である。
[図 7]図 7は、 PLL回路 120の構成例を示すブロック図である。
[図 8]図 8は、ローパスフィルタ 120cの構成例を示すブロック図である。
[図 9]図 9は、 SSC—ENに応じて切り替わる各パラメータの値を示す図である。
[図 10]図 10は、周波数変調回路 110の状態遷移図である。
[図 11]図 11は SSCがオンの場合の周波数変調回路 110の周波数変化を示す図で ある。
[図 12]図 12は SSCがオフの場合の周波数変調回路 110の周波数変化を示す図で ある。
[図 13]図 13は 実施形態 1の変形例に係るクロック生成回路の構成を示
である。
[図 14]図 14は 実施形態 1の他の変形例に係るクロック生成回路の構成を示すプロ ック図である。
[図 15]図 15は、実施形態 2に係るクロック生成回路の構成を示すブロック図である。
[図 16]図 16は、周波数変調検出回路 220の構成例を示すブロック図である。
[図 17]図 17は、シリアル ATA規格において、 SSCがオンの場合のクロック信号の周 波数変化を示す図である。
[図 18]図 18は、シリアル ATA規格において、 SSCがオンの場合のクロック信号のス ぺクトラムの例を示す図である。
[図 19]図 19は、高周波ジッタをカットするように構成された従来のクロック生成回路の 例を示す図である。
符号の説明
100 クロック生成回路
110 周波数変調回路
111 多相クロック生成回路
112 変調制御部
113 位相細分化部
114 クロック選択咅
115 分周回路
120 PU^回路
120a 周波数位相比較回路
120b チャージポンプ回路
120c ローパスフィルタ
120d 電圧制御発振回路
120e 分周回路
200 クロック生成回路
210 周波数変調回路
220 周波数変調検出回路
221a- -221e フジップフ口
222a- -222e フジップフ口
223a- -223c AND回路
224 OR回路
225 フリップフロップ
発明を実施するための最良の形態
[0025] 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の各 実施形態や各変形例の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有す る構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
[0026] 《発明の実施形態 1》
図 1は、本発明の実施形態 1に係るクロック生成回路 100の構成を示すブロック図 である。クロック生成回路 100は、同図に示すように、周波数変調回路 110と PLL回 路 120とを備え、さらに、基準クロック信号 REFCKが入力される端子と、出力クロック 信号 CKOUTを出力する端子と、 SSC (spread spectrum clocking)のオン/ォ フを切り替える選択信号 SSC—ENが入力される端子を備えている。
[0027] (周波数変調回路 110の構成)
周波数変調回路 110は、選択信号 SSC— ENに応じ、周波数変調したクロック信号 または周波数変調して 、な 、クロック信号を、入力基準クロック REFCKに基づ 、て 生成して、クロック信号 CK—SSCとして PLL回路 120に出力するようになっている。
すなわち、周波数変調回路 110は、選択信号 SSC— ENに応じ、 SSC機能のオン Z オフが切り替えられる。なお、本実施形態では、入力基準クロック REFCKは 25MHz であるものとする。また、クロック信号 CK— SSCは、 SSCがオフの場合は 25MHz、 オンの場合は 24.875M〜25MHz(0〜一0.5%変調)であるものとする。
[0028] 周波数変調回路 110は、詳しくは、図 2に示すように、多相クロック生成回路 111、 変調制御部 112、位相細分ィ匕部 113、クロック選択部 114、および分周回路 115を 備えている。
[0029] 多相クロック生成回路 111は、入力基準クロック REFCKに基づいて、 250MHzX 20相(200ps刻み)のマルチフェーズクロック PH[1: 20]を生成して、位相細分化部 113に出力するようになって 、る。
[0030] 変調制御部 112は、位相細分化部 113を制御するための位相制御信号 PICTRL [ 1:3]、およびクロック選択部 114を制御するための信号であるクロック選択信号 PHS EL[1:20]を、選択信号 SSC—ENに応じて生成するようになっている。変調制御部 112は、この動作を分周回路 115が出力したクロック信号 CK—SSCに同期して行な
[0031] 詳しくは、変調制御部 112は、 SSCのオンオフに応じて 2つの制御パターン (第 1お よび第 2の制御パターン)があり、 SSCォン(選択信号SSC—EN=Hレべル)のとき は、図 3の Code l〜Code8に示すパターンの位相制御信号 PICTRL [1:3]を、繰り 返し切り替えて出力する。また、 SSCオンのときは、変調制御部 112は、後述する T モード、 T+ ΔΤモード、 Τ+2ΔΤモード、 Τ+3ΔΤモード、 Τ+4ΔΤモード、 T+5 ΔΤモード、 Τ+6ΔΤモード、 Τ+7ΔΤモード、および T+ 8 ΔΤモードの各動作モ ードに対応したクロック選択信号 PHSEL[1: 20]を繰り返して出力する。繰り返しの パターンは、 Tモード、 T+ ΔΤモード、 Τ+2ΔΤモード、 Τ+3ΔΤモード、 Τ+4ΔΤ モード、 Τ+5 ΔΤモード、 Τ+6 ΔΤモード、 Τ+7 ΔΤモード、 Τ+8 ΔΤモード、 T+ 7ΔΤモード、 Τ+6ΔΤモード、 Τ+5ΔΤモード、 Τ+4ΔΤモード、 Τ+3ΔΤモード 、 Τ+2ΔΤモード、 T+ ΔΤモード、 Tモード、 · ··のようになっている。
[0032] また、変調制御部 112は、 SSCオフ(選択信号 SSC— EN=Lレベル)のときは、 PI CTRL[1:3]をすベて Lレベル(すなわち Codel)に固定して出力するとともに、 Tモ
ードに対応したクロック選択信号 PHSEL[1: 20]を出力する。変調制御部 112は、 本実施形態では、例えば RTLにより設計され、全ての回路がデジタル回路で構成さ れたフルデジタル回路であるものとする。
[0033] 位相細分ィ匕部 113は、変調制御部!^!^から出カされた位相制御信号!^^!^ : 3]に応じ、マルチフェーズクロック PH[1 : 20]の位相をシフトして、 20相のクロック信 号 PHI [1 : 20]を生成してクロック選択部 114に出力するようになって 、る。具体的に は、位相細分化部 113は、図 3のコード表に示す Codel〜8に従って、同図のグラフ に示すように位相を 25ps毎位相シフトしていく。 PICTRL[1 : 3]信号は 3ビットの信 号なので、位相細分ィ匕部 113は 8階調の制御が可能である。すなわち、解像度は、 2 00ps÷8 = 25psである。なお SSCオフのときは、 PICTRL[1: 3] =Lになるように変 調制御部 112によって制御されて、位相は固定される。
[0034] 位相細分ィ匕部 113は、例えば、図 4に示す回路で構成できる。本回路は、抵抗 R1 、 R2、差動スィッチ 2つ(NMOSトランジスタ MN1と MN2のペア、および NMOSトラ ンジスタ MN3と MN4のペア)と、電流源 II、 12とから構成される典型的な電流差動 型のフェーズインターポレータである。本回路は、電流源 IIと 12の電流量の比を変え ることによって位相の重み付けを行い、差動入力 A、 B間の位相を差動出力 OUTに 出力する。
[0035] その際、電流源 II、 12は、電流源 IIの電流と 12の電流の和が常に一定になるように 、 PICTRL[1 : 3]、および NPICTRL[1 : 3]によって制御される(なお、 NPICTRL[ 1 : 3]は、 PICTRL[1 : 3]の反転信号である)。
[0036] クロック選択部 114は、変調制御部 112が出力したクロック選択信号 PHSEL[1: 2 0]に応じて、 20相のクロック信号 PHI [1 : 20]のなかから 1つのクロック信号を選択し 、クロック信号 CKSELとして分周回路 115に出力するようになって 、る。
[0037] クロック選択部 114は、下記の各動作モード (Tモード、 T+ ΔΤモード · · に応じ て、以下のようにクロック信号を選択する(図 5を参照)。
(Tモード時): PH1を常に選択する。
(T+ ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH2に移して 10回選択、位相を P H3に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
(Τ+ 2 ΔΤモード時): PHIを 10回選択後、位相を PH3に移して 10回選択、位相を PH5に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
(Τ+ 3 ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH4に移して 10回選択、位相を PH7に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
(Τ+4 ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH5に移して 10回選択、位相を PH9に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
(Τ+ 5 ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH6に移して 10回選択、位相を PH11に移して 10回選択' · ·と繰り返す。
(Τ+6 ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH7に移して 10回選択、位相を PH 13に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
(Τ+ 7 ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH8に移して 10回選択、位相を PH15に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
(Τ+8 ΔΤモード時): PH1を 10回選択後、位相を PH9に移して 10回選択、位相を PH 17に移して 10回選択 · · ·と繰り返す。
[0038] なお、 SSCオフのときは、クロック選択信号 PHSEL[1]のみが Hレベルになるよう に変調制御部 112によって制御され、常に Tモードに固定される。
[0039] 上記のクロック選択部 114は、例えば、図 6に示す回路で構成できる。本回路は、 典型的な 20 : 1の MUX回路である。
[0040] 分周回路 115は、クロック信号 CKSELを 10分周して、クロック信号 CK— SSCとし て PLL回路 120、および変調制御部 112に出力するようになっている。分周回路 11 5は、具体的には Dフリップフロップを用いて構成された 10分周回路である。
[0041] (PLL回路 120の構成)
PLL回路 120は、 3次のチャージポンプ型 PLL回路であり、選択信号 SSC— ENの レベルに応じて、バンド幅を切り替えできるようになつている。 PLL回路 120は、具体 的には、図 7に示すように、周波数位相比較回路 120a (PFD)、チャージポンプ回路 1201) (じ?)、ローパスフィルタ120。( ^)、電圧制御発振回路120(10^ 0)、ぉょ び分周回路 120e (DIVIDER)を備えている。バンド幅の切り替えは、ローパスフィル タ 120cを構成する抵抗素子の抵抗値、容量素子の容量値、およびチャージポンプ
回路 120bの電流値を切り替えることによって実現する。
[0042] 周波数位相比較回路 120aは、出力クロック信号 CKOUTと基準クロック信号 REF CKの位相差に応じた信号をチャージポンプ回路 120bに出力するようになっている
[0043] チャージポンプ回路 120bは、周波数位相比較回路 120aが出力した信号に応じた 電圧の信号を出力するようになっている。チャージポンプ回路 120bの出力の電流値 は選択信号 SSC—ENに応じて切り替えられる。
[0044] ローノ スフイノレタ 120ciま、 f列え ίま、、図 8【こ示すよう【こ、 R3、 R4、 Cl、 C2、 C3、 C4、 SW1、 SW2、および SW3で構成され、 SSC— EN=HZLに応じて、 SW1、 SW2、 SW3により、抵抗値、および容量値を切り替えることによって、バンド幅が切り替わる ようになっている。
[0045] 上記のように構成された PLL回路 120における、選択信号 SSC— ENのレベル(H 又は Lレベル)に対応するバンド幅の設定値と、そのときの各抵抗値'容量値、チヤ一 ジポンプ電流値(CP電流値)、および VCOゲイン(電圧制御発振回路 120dのゲイン )の糸且み合わせを図 9に示す。
[0046] ここでは、 R3 = 5k Q、R4 = 2k Q、 Cl = 8pFゝ C2= 19pF、 C3 = lpF、 C4 = 7pF で、 SSC— EN = Hのときは、バンド幅 BW=4. 38MHz、 SSC— EN = Lのときは、 バンド幅 BW= 11. 4MHzに設計されている。 CP電流値は SSC— EN = Hのときは 10 μ A、 SSC— EN =Lのときは 40 μ Αである。なお、電圧制御発振回路 120d (VC O)のゲインは、 SSC— EN = H/Lどちらの場合でも 2. 5GHzZVで設計されてい るちのとする。
[0047] 電圧制御発振回路 120dは、ローパスフィルタ 120cが出力した電圧に応じた周波 数の出力クロック信号 CKOUTを、クロック生成回路 100の外部、および分周回路 1 20eに出力するようになって 、る。
[0048] 分周回路 120eは、電圧制御発振回路 120dが出力した出力クロック信号 CKOUT を分周して周波数位相比較回路 120aに出力するようになっている。本実施形態で は分周回路 120eは、出力クロック信号 CKOUTを 60分周する。
[0049] (動作の概略)
クロック生成回路 100の全体の動作としては、周波数変調回路 110が、入力基準ク ロック REFCK (25MHz)を受けて、周波数変調を実施してスペクトラム拡散したクロ ック信号 CK— SSCを PLL回路 120に出力する。 PLL回路 120は、クロック信号 CK — SSCを 60遁倍した出力クロック信号 CKOUTを出力する。その際、選択信号 SSC —ENが Hレベルのときは、 CKOUTとして周波数変調回路 110から周波数変調され たクロック信号が出力され、選択信号 SSC— EN力 レベルのときは、周波数変調さ れて 、な!/、クロック信号が出力される。
[0050] (SSCがオンの場合の動作)
SSCがオンの場合 (選択信号 SSC_EN=Lレベルの場合)には、多相クロック生 成回路 111は、 25MHzの入力基準クロック REFCKを入力とし、 250MHz X 20相( 200ps刻み)のマルチフェーズクロック PH[1: 20]を生成する。
[0051] また、変調制御部 112は、図 3の Code l〜Code8に示すパターンの位相制御信号 PICTRL[1 : 3]を繰り返し切り替えて出力する。また、変調制御部 112は、前記の各 動作モードに対応したクロック選択信号 PHSEL[1: 20]を繰り返して出力する。
[0052] 変調制御部丄!^が出カした位相制御信号!^じ丁!^ : 3]に応じ、位相細分化部 1 13は、 250MHz X 20相(200ps刻み)のマルチフェーズクロック PH[1: 20]を 160 相(25ps刻み)に細分化する。そして、位相細分ィ匕部 113は、 20相のクロック信号 P HI [ 1: 20]を生成してクロック選択部 114に出力する。
[0053] クロック選択部 114は、クロック選択信号 PHSEL[1: 20]に応じ、位相細分ィ匕部 11 3が出力した 20相のクロック信号のな力から 1つのクロック信号を選択して分周回路 1 15に出力する。
[0054] 以上のようにして、図 10に示すように、位相細分ィ匕部 113とクロック選択部 114の動 作モードが遷移する。すなわち、クロック生成回路 100は、 Tモード、 T+ ΔΤモード、 Τ+ 2 ΔΤモード、 Τ+ 3 ΔΤモード、 Τ+4 ΔΤモード、 Τ+ 5 ΔΤモード、 Τ+6 ΔΤモ ード、 Τ+ 7 ΔΤモード、 Τ+8 ΔΤモード、 Τ+ 7 ΔΤモード、 Τ+6 ΔΤモード、 T+ 5 ΔΤモード、 Τ+4 ΔΤモード、 Τ+ 3 ΔΤモード、 Τ+ 2 ΔΤモード、 T+ ΔΤモード、 T モード、 · · ·と状態を変化させ、これを無限に繰り返す。なお Tは出力クロック信号の 周期で 40ns、 ΔΤは周期の変ィ匕量の 25psであり、 40nsの 0. 00625%にネ目当する
。また、 200ps力 S40nsの 0. 50/0にネ目当する。
[0055] 分周回路 115は、クロック選択部 114の出力を分周し、クロック信号 CK_SSC (変 調クロック)を出力する。このように、分周回路 115で分周を行うことにより、一回の位 相シフトが 200psという比較的大きな値でも、 -0. 5%という細かな変調率を実現で きる。
[0056] 以上のように、クロック生成回路 100では、 SSCオンの場合に、図 11に示すように、 25MHz (変調率: 0%)、 24. 984MHz (変調率:— 0. 00625%)、 24. 968MHz ( 変調率:— 0. 0125%)、 · · · , 24. 875MHz (変調率:— 0. 5%)、 · · ·、 24. 968M Hz (変調率:— 0. 0125%)、 24. 984MHz (変調率:— 0. 00625%)、 25MHz ( 変調率: 0%) · · ·と、 0. 00625%刻みで、周波数変調回路 110が出力するクロック 信号 CK—SSCの周波数が階段状に切り替えられる。これにより、出力クロック信号 C KOUTは 1. 4925G〜1. 5GHz (0〜一 0. 5%変調)の範囲で変調され、スぺクトラ ムのピーク値低減が実現される。
[0057] (SSCがオフの場合の動作)
SSCオフ(選択信号 SSC— EN=Lレベル)の場合には、変調制御部 112は、 PIC TRL[1 : 3]をすベて Lレベル(すなわち Codel)に固定して出力するとともに、 Tモー ドに対応したクロック選択信号 PHSEL[1: 20]を出力する。
[0058] これにより、位相細分ィ匕部 113とクロック選択部 114は、常に Tモードで動作し、図 1 2に示すように、周波数変調回路 110が出力するクロック信号 CK_SSCは、常に 25 MHz—定 (変調率: 0%)となる。すなわち、 PLL回路 120から出力される出力クロッ ク信号 CKOUTは、一定の 1. 5GHzである。
[0059] 以上のように、本実施形態では、出力クロック信号に、周波数変調をかける力否か を選択することができるので、例えば LSI設計者やセット設計者が SSCオン Zオフを 選択信号の切り替えのみで SSC機能の有無を自在に選択することができる。それゆ え、例えばクロック生成回路 100を送信側に搭載した LSIや DVDプレーヤ等のセット の接続相手 (受信側)が SSCに非対応で、 SSCオンのときに接続性が悪カゝつた場合 に、 SSCをオフに切り替えて使用することができる。また、周波数変調が力かった場 合とかかっていない場合の LSIやセットの検証を、 LSI内部の回路のみで実現できる
ので、検証用に外付け回路を設ける必要もなぐ効率よぐかつ低コストに検証ができ るよつになる。
[0060] また、本実施形態によれば、周波数変調が力かっている場合とかかっていない場合 とで、 PLL回路 120の特性を調整することができるので、 PLL回路 120内の電圧制 御発振回路 120dの蓄積ジッタを低減することができる。すなわち、本実施形態では 、 SSCオン時の接続性向上と、 SSCオフ時の蓄積ジッタ低減を両立できるようになる
[0061] また、 PLL回路 120のバンド幅切り替える場合に、チャージポンプの電流のみを切 り替えると、 PLLのバンド幅のみならず位相余裕まで変化してしまうが、本実施形態 では、チャージポンプ回路 120bの電流量と、ローパスフィルタ 120cのカットオフ周波 数 (具体的には抵抗値および容量値の各値)の両方を切り替えるので、位相余裕も 一定に保つことが可能となる。
[0062] 《発明の実施形態 1の変形例》
図 13に示すように、外部より情報の読み書き可能なレジスタ部と、そのレジスタ部の 情報を読み取って選択信号 SSC—ENを生成して出力するレジスタ参照部とをクロッ ク生成回路 100に追加してもよい。本構成によると、例えば、ソフトウェアでレジスタ部 の内容を書き換えることによって SSCオン Zオフの切り替えが可能となる。
[0063] また、上記のレジスタ部には予め定められた値を保持させることによって、選択信号 SSC—ENが予め定められた論理レベルに固定されるようにしてもよい。これにより、 同一の回路を、 SSC専用のクロック生成回路、または SSC機能なしのクロック生成回 路として提供することが可能となる。
[0064] 《発明の実施形態 1の他の変形例》
PLL回路 120のロックを確認して力も SSCをオンに切り替えるようにしてもよい。具 体的には、図 14に示すように、前記 PLLがロックしたか否かを示すロック検知信号 (L OCKDET:例えば Hのときロック、 Lのときアンロック)を PLL回路 120から出力し、口 ック検知信号と外部から入力された選択信号 SSC—ENを入力とする AND回路を設 け、この AND回路の出力を周波数変調回路 110に、 SSCオンオフ切り替え制御用 の信号として入力する。
[0065] 本構成によると、安定した PLL回路のロック動作、およびシステムの起動が保証で きる。また、周波数変調が力かった際のロック過程のシミュレーションをしなくてよくなり 、設計期間の短縮につながる。
[0066] なお、上記の実施形態および変形例では、 PICTRL [ 1: 3]信号が 3ビットの信号で 、 8階調の周波数変調が実現されている例を説明したが、周波数の分割数 (量子数) が多いほど、周波数時間変化が三角波形に近くなり、スペクトラムのピーク値の低減 効果は大きくなる。
[0067] また、位相細分ィ匕部 113が差動動作、クロック選択部 114がシングル動作の場合は 、位相細分ィ匕部 113とクロック選択部 114の間に、差動シングル変換回路を設けるよ うにすればよい (位相細分ィ匕部 113、およびクロック選択部 114がともに差動動作、も しくはともにシングル動作の場合は、変換回路は必要な 、)。
[0068] 《発明の実施形態 2》
図 15は、本発明の実施形態 2に係るクロック生成回路 200の構成を示すブロック図 である。図 15に示すように、クロック生成回路 200は、 PLL回路 120、周波数変調回 路 210、および周波数変調検出回路 220を備えている。また、クロック生成回路 200 は、基準クロック信号 REFCKが入力される端子と、出力クロック信号 CKOUTを出 力する端子と、リセット信号 RESETが入力される端子を備えている。
[0069] 周波数変調回路 210は、入力基準クロック REFCKに基づいてクロック信号を生成 し、クロック信号 CK—SSCとして出力するようになっている。本実施形態では、周波 数変調回路 210は、 PLL回路 120や周波数変調検出回路 220とは、別チップの回 路であり、デジタル方式の周波数変調回路である。また、周波数変調回路 210が生 成するクロック信号は、周波数変調されて 、る場合と 、な 、場合がある。
[0070] 周波数変調検出回路 220は、周波数変調回路 210が生成したクロック信号 CK—S SCが周波数変調されている力否かを検出し、クロック信号 CK— SSCが周波数変調 されている場合には、 Hレベルの選択信号 SSC_ENを出力し、クロック信号 CK_S SCが周波数変調されて ヽな ヽ場合には、 Lレベルの選択信号 SSC— ENを出力す るようになっている。
[0071] 図 16は、周波数変調検出回路 220の構成例を示すブロック図である。周波数変調
検出回路 220は、図 16に示すように、フリップフロップ 221a〜221e、フリップフロッ プ 222a〜222e、 AND回路 223a〜223c、 OR回路 224、およびフリップフロップ 22 5を備えている。また、周波数変調検出回路 220には、クロック信号 CK— SSC、基準 クロック信号 REFCK、およびリセット信号 RESETが入力されて!、る。
[0072] 上記のフリップフロップのうち、フリップフロップ 221aとフリップフロップ 222cとは、セ ット機能付のフリップフロップであり、その他のフリップフロップは、リセット機能付のフ リップフロップである。
[0073] 上記のフリップフロップ 221a〜221eによって、基準クロック信号 REFCKをフリップ フロップ(Dフリップフロップ)の CK入力とするシフトレジスタ(REFCKシフトレジスタ) が構成されている。また、フリップフロップ 222a〜222e〖こよって、クロック信号 CK— SSCをフリップフロップ(Dフリップフロップ)の CK入力とするシフトレジスタ(CK_SS Cシフトレジスタ)が構成されて 、る。
[0074] (動作の概略)
クロック生成回路 200全体の動作としては、周波数変調回路 210が出力したクロッ ク信号 CK— SSCを受けて、クロック信号 CK— SSCを PLL回路 120と周波数変調検 出回路 220に出力する。 PLL回路 120は、クロック信号 CK— SSCをクロックアップし て CKOUTとして出力する。その際、クロック信号 CK— SSCに変調が力かっている か否かを周波数変調検出回路 220にて検知し、その検知結果を PLL回路 120が受 ける。変調が力かっている場合には、 PLL回路 120のバンド幅が下げられ、変調がか かって ヽな 、場合は、 PLL回路 120のバンド幅が上げられる。
[0075] (周波数変調検出回路 220の動作)
クロック生成回路 200では、初期状態は、リセット信号 RESETは、 Hレベルである。 この場合、 REFCKシフトレジスタにおいては、初期値として左から 1番目のフリップフ ロップ 221aの Q出力のみが Hレベルになり、 CK— SSCシフトレジスタにおいては、 初期値として左から 3番目のフリップフロップ 222cの Q出力 Hレベルになる。その際、 他のフリップフロップはリセット状態で、 Q出力は Lレベル固定である。
[0076] リセット信号 RESETが Lレベルになってリセットが解除されると、シフトレジスタ動作 が始まり、クロック信号 CK SSCに変調が力かっていない場合には、永遠に REFC
Kシフトレジスタを構成するフリップフロップの Q出力と、 CK— SSCシフトレジスタを構 成するフリップフロップの Q出力の Hレベル期間が重なることはない。したがって、 RE FCKシフトレジスタを構成するフリップフロップの Q出力と CK—SSCシフトレジスタを 構成するフリップフロップの Q出力の ANDをとつたものは Hレベルになることはない。 すなわち、選択信号 SSC— ENは Lレベルのままである。
[0077] 逆にクロック信号 CK—SSCに変調が力かっている場合には、周波数ずれをおこし ているために、 REFCKシフトレジスタを構成するフリップフロップの Q出力と CK—S SCシフトレジスタを構成するフリップフロップの Q出力の Hレベルの期間がある時刻 で重なること〖こなる。すなわち、選択信号 SSC_ENは Hレベルとなる。
[0078] この選択信号 SSC— EN力 PLL回路 120に入力されると、選択信号 SSC— ENに 応じて、 PLL回路 120のバンド幅が調整される。それゆえ、周波数変調回路 210が 出力したクロック信号 CK—SSCに周波数変調が力かっている力否かに応じ、 PLL 回路 120の特性を調整することができ、ジッタを低減することが可能になる。また、上 記の周波数変調検出回路 220は、論理レベルで信号処理を行うフルデジタル方式 で構成されたシンプルな構成なので、低電力、かつ小面積で実現でき、プロセスマイ グレーシヨンも容易化できる。
[0079] なお、上記の各実施形態や各変形例では、シリアル ATAのインタフェース規格に 基づいてクロック信号を生成する装置とし説明を行なったが、本発明の適用は、これ に限定されるものではなぐ EMI対策などのために、スプレッドスペクトラムクロツキン グが必要なクロック生成回路であれば適用できる。
産業上の利用可能性
[0080] 本発明に係るクロック生成回路は、 SSC機能のオン Zオフを容易に切り替えること ができ、また、 SSC機能をオン/オフしても、ジッタの増大によって接続性が悪ィ匕しな V、ようにできると 、う効果を有し、スプレッドスペクトラムクロッキング機能を有するクロ ック生成回路等として有用である。