JP2000091128A - 高所作業用支持ポール及びそれを用いた保安柵 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 安全性且つ取扱性に優れた高所作業用支持ポ
ール及びそれを用いた保安柵を提供する。 【解決手段】 足場面の側方に固定した固定台１に支持
筒２を垂設するとともに、上端部に胴綱の繋着部５を設
けた支持杆３を支持筒２内に上下スライド可能に貫設
し、支持杆３を上昇させた使用態様と最下降させた不使
用態様とに保持するロック手段４を支持筒と支持杆に設
けた。ロック手段４は、支持杆の下部に係合ピン１２を
突設し、支持筒に下端を開放したガイド溝１３を縦設し
且つ係合ピンを係止するための係合凹部１４をガイド溝
の側部に連通させて設け、係合ピンが係合凹部に係止し
た使用態様で支持杆のスライド及び回転を規制するため
のスプリングプランジャー１５を支持筒に設け、該スプ
リングプランジャーの規制ピンが嵌入する第１係合孔１
７を支持杆に穿設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高所作業を行う際
に使用する高所作業用支持ポール及びそれを用いた保安
柵に係わり、例えば大型変圧器等の保守点検作業時に胴
綱を繋着して作業者の安全を確保するための支持ポール
と、これら複数の支持ポール間に手摺を設けて構成した
保安柵に関する。

【０００２】

【従来の技術】２ｍ以上の高さでの作業は一般的に高所
作業と称され、作業者の安全を確保するために法令、規
則によって各種の安全措置を取ることが義務づけられ、
例えば作業者が落下してもその落下距離が１．５ｍ以内
になるように胴綱を繋着することが義務づけられてい
る。高所作業用の足場や保安柵は、通常は作業毎に現場
で組み立て、作業が完了すれば解体、撤去するが、重量
のあるポールの取扱いには多大な労力を要するので、定
期的又は緊急に作業をする必要のある場合にはこの種の
保安用の設備は常設している。

【０００３】大型変圧器は、高さが２ｍ以上もあるた
め、変圧器の組み立てや保守点検作業等にトップカバー
上面に乗って行う高所作業を伴い、従来は変圧器のトッ
プカバー周囲に所定間隔で支持ポール（保安用支柱）を
立設し、この支持ポール間にロープや手摺杆を渡設して
保安柵を形成していた。変圧器のトップカバーには高圧
ブッシングが取付けられており、常に支持ポールを立設
させておくと、ブッシングと支持ポールとの間の空間絶
縁距離を十分に確保することができない。

【０００４】そこで、実開平５−９３０１８号公報にて
開示され如く、変圧器のカバーの上面に垂直方向の軸を
中心にして旋回し得る状態で取付けられた支柱取付台
と、前記支柱取付台を所定の向きに向けた状態で該支柱
取付台の旋回を阻止してロックするロック機構と、水平
方向に伸びる回動軸を介して前記支柱取付台に支持され
た保安用支柱と、前記保安用支柱を前記カバーの上面に
直立させた状態で前記支柱取付台に対して固定する支柱
固定具と、前記支柱の一部に当接して該支柱を前記カバ
ーの上面に対して傾斜させた状態又はカバーの上面と平
行な方向に向けた状態に保持するストッパとを具備した
変圧器用保安装置が提供されている。

【０００５】しかし、変圧器のトップカバーの上面は、
もともと上部配管等で足の踏み場も無いほど狭いが、こ
のカバー上面に支持ポールを立設すると更に狭くなって
非常に作業がやり難くなり、またトップカバーの上面へ
の支柱取付台の溶接が難しく、更にトップカバーを吊り
上げる時には邪魔になるといった問題を有している。そ
の上、支持ポールを回転式としているため、支持ポール
がガタついて不安定であり、また支柱取付台が大きく邪
魔になるとともに、支持ポールの立起、倒伏固定作業に
手間がかかるばかりでなく、立起、倒伏作業中に機器や
配管等に当たり損傷を与える恐れがある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、使用態様と不使用態
様との態様間の変更が容易であるにも係わらず、使用時
における支持ポールの固定が確実で安定し、大型変圧器
の上部に適用した場合には、変圧器のトップカバー上面
の作業用スペースを狭めることなく取付けることが可能
であり、不使用時にブッシングとの間に十分な絶縁距離
が確保できるとともに、使用態様と不使用態様との態様
間の変更の際に機器や配管等に当たり損傷を与える恐れ
も無く、また変圧器のトップカバー上面に上がる前に使
用態様に設定することが可能であり、安全性且つ取扱性
に優れた高所作業用支持ポール及びそれを用いた保安柵
を提供する点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、足場面の側方に固定した固定台に支持筒を
垂設するとともに、上端部に胴綱の繋着部を設けた支持
杆を前記支持筒内に上下スライド可能に貫設し、前記支
持杆を上昇させた使用態様と最下降させた不使用態様と
に保持するロック手段を前記支持筒と支持杆に設けてな
る高所作業用支持ポールを構成した。

【０００８】ここで、前記ロック手段は、前記支持杆の
下部に係合ピンを突設するとともに、前記支持筒に下端
を開放したガイド溝を縦設し且つ前記係合ピンを係止す
るための係合凹部を該ガイド溝の側部に連通させて設
け、前記係合ピンが係合凹部に係止した使用態様で支持
杆のスライド及び回転を規制するためのスプリングプラ
ンジャーを支持筒に設けるとともに、該スプリングプラ
ンジャーの規制ピンが嵌入する第１係合孔を支持杆に穿
設してなるものである。更に、ロック手段は、前述の構
造に加えて、前記支持杆の上部にストッパーピンを突設
するとともに、前記支持筒の上端に切欠部を形成し、前
記ストッパーピンが切欠部に係合した不使用状態で、前
記スプリングプランジャーの規制ピンが嵌入する第２係
合孔を支持杆に穿設してなるものがより好ましい。

【０００９】更に、前記ガイド溝の側部であって高さの
異なる複数箇所に前記係合凹部を設けるとともに、前記
係合ピンが何れか一つの係合凹部に係止した際に、前記
スプリングプランジャーの規制ピンが嵌入する第１係合
孔を支持杆の複数箇所に設ければ、作業者の身長に応じ
て支持杆の高さを調節することが可能である。

【００１０】更に、前記支持筒の適所に内外に貫通させ
てハンドル付きの定着ネジを設けるとともに、前記支持
杆の側面に使用態様及び不使用態様において前記定着ネ
ジの先端を密嵌状態で受け入れる複数の凹部を形成し、
定着ネジの先端で凹部を締付けて支持筒に対して支持杆
を固定してなる構造を採用すれば、支持杆のガタつき又
は振動を防止できるので好ましい。

【００１１】また、前記支持杆の上部両側に手摺杆を取
付けるための連結片を突設してなることも好ましい。

【００１２】そして、前記支持筒の上端部にリミットス
イッチを設けるとともに、前記支持杆の上部に該支持杆
が不使用態様となった際に前記リミットスイッチを作動
させる突部を設け、支持杆が不使用態様になったことを
確認する信号を発生させるようにすれば、高所作業の終
了後に支持杆を下降させて不使用態様にすることを忘れ
ることがなくなる。

【００１３】更に、前記足場面が変圧器のトップカバー
上面であり、前記固定台を変圧器の周囲に設けた補強部
材に固定すれば、支持杆を使用態様となした際にトップ
カバー上面を広く足場として使用することが可能であ
り、また支持杆を不使用態様となした際にトップカバー
の上面に突設した高圧ブッシングと該支持杆上端との間
の絶縁距離を十分に確保することが可能である。

【００１４】そして、前述の高所作業用支持ポールを所
定の間隔を置いて複数取付け、隣接する支持ポール間で
あって前記支持杆の繋着部間にロープを渡設し又は前記
連結片間に手摺杆を渡設して高所作業用保安柵を構成し
た。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に本発明の高所作業用支持ポー
ル及びそれを用いた保安柵の実施形態を添付した図面に
基づき詳細に説明する。本実施形態では、本発明を大型
変圧器に適用した例を中心として説明するが、本発明は
以下の実施形態に限定されるものではなく、広く一般的
な高所作業用として使用できるものである。図１は、本
発明の使用態様（図１(a) ）と不使用態様（図１(b) ）
を示し、図２〜図７は本発明の詳細を示し、図中符号Ａ
は高所作業用支持ポール、Ｂは変圧器、１は固定台、２
は支持筒、３は支持杆、４はロック手段をそれぞれ示し
ている。

【００１６】本発明の高所作業用支持ポールＡは、足場
面の側方に固定した固定台１に支持筒２を垂設するとと
もに、上端部に胴綱の繋着部５を設けた支持杆３を前記
支持筒２内に上下スライド可能に貫設し、前記支持杆３
を上昇させた使用態様と最下降させた不使用態様とに保
持するロック手段４を前記支持筒２と支持杆３に設けた
基本構造を有するものである。前記固定台１は、足場面
となる変圧器Ｂのトップカバー６上面の側方であって、
変圧器Ｂのタンク７の周囲に設けた補強部材８に溶接し
て固定している。

【００１７】更に詳しくは、前記支持筒２は、上下に貫
通した金属パイプで作製し、上部外周にフランジ９を設
け、前記固定台１の上面板１０に形成した開口１１に上
方から挿入して前記フランジ９を上面板１０に載置し、
互いにボルト、ナットで固定している。そして、前記支
持筒２に対して長尺の前記支持杆３を上下スライド可能
に挿通し、該支持杆３を上昇させた使用態様と、支持杆
３を最下降させた不使用態様とにロック手段４によって
保持できるようになっている。ここで、本発明で使用態
様とは、前記支持杆３の繋着部５を設けた上部が足場面
となる前記トップカバー６の上面より十分に高い状態に
あり、この繋着部５に作業者の胴綱をフック等で連結し
て使用することが可能であり、仮に作業者がトップカバ
ー６の上面から転落しても落下距離が１．５ｍ以内にな
る使用状態のことである。また、本発明で不使用態様と
は、前記支持杆３の上部が足場面となる前記トップカバ
ー６の上面に近い状態であり、変圧器Ｂに本発明を適用
した際には高圧ブッシングとの間で十分な絶縁距離を確
保できる格納状態のことである。

【００１８】前記ロック手段４は、前記支持杆３を使用
態様に保持するための構造を図２及び図３に示し、不使
用態様に保持するための構造を図２及び図４に示してい
る。つまり、前記ロック手段４は、前記支持杆３の下部
に係合ピン１２を突設するとともに、前記支持筒２であ
って前記フランジ９よりも下方に下端を開放したガイド
溝１３を縦設し且つ前記係合ピン１２を係止するための
係合凹部１４を該ガイド溝１３の側部に連通させて設
け、前記係合ピン１２が係合凹部１４に係止した使用態
様で支持杆３のスライド及び回転を規制するためのスプ
リングプランジャー１５を支持筒２の前記フランジ９よ
りも下方位置に設けるとともに、該スプリングプランジ
ャー１５の規制ピン１６が嵌入する第１係合孔１７を支
持杆３に穿設し、更に前記支持杆３の上部にストッパー
ピン１８を突設するとともに、前記支持筒２の上端に切
欠部１９を形成し、前記ストッパーピン１８が切欠部１
９に係合した不使用状態で、前記スプリングプランジャ
ー１５の規制ピン１６が嵌入する第２係合孔２０を支持
杆３に穿設した構造である。当然、本発明は図示したス
プリングプランジャー１５と同様な機能、作用を有する
他の係止手段を含むものである。

【００１９】ここで、前記スプリングプランジャー１５
とは、コイルばねの弾性力によって規制ピン１６が支持
筒２の内部に常時突出するように付勢され、把手１５Ａ
を引いたときにのみ規制ピン１６が引き込まれる構造の
ものであるが、ロック状態からスプリングプランジャー
１５の把手１５Ａを引いて規制ピン１６を何れかの第１
係合孔１７，…又は第２係合孔２０から抜き、支持筒２
に対して支持杆３を上下スライド中は把手１５Ａから手
を離し、支持杆３を所定の位置までスライドさせて前記
係合ピン１２を係合凹部１４に係合するか又は前記スト
ッパーピン１８を切欠部１９に係合すれば、前記スプリ
ングプランジャー１５の規制ピン１６が対応する第１係
合孔１７，…又は第２係合孔２０に弾性付勢力によって
自動的に嵌入するのである。

【００２０】また、前記支持杆３を使用態様に保持した
場合に、作業者の身長に応じて支持杆３の高さを調節で
きるように、前記ガイド溝１３の側部であって高さの異
なる複数箇所に前記係合凹部１４，…を設けるととも
に、前記係合ピン１２が何れか一つの係合凹部１４に係
止した際に、前記スプリングプランジャー１５の規制ピ
ン１６が嵌入する第１係合孔１７，…を支持杆３の複数
箇所に設けている。例えば、本実施形態では前記係合凹
部１４及び第１係合孔１７を上下等間隔に三箇所に設け
てあり、支持杆３の高さを三段階に調節することが可能
である。

【００２１】また、前記支持筒２の適所に内外に貫通さ
せてハンドル付きの定着ネジ２１を設けるとともに、前
記支持杆３の側面に使用態様及び不使用態様において前
記定着ネジ２１の先端を密嵌状態で受け入れる複数の凹
部２２，…を形成し、定着ネジ２１の先端で凹部２２を
締付けて支持筒２に対して支持杆３を固定し、支持杆３
のガタつき又は振動を完全に防止している。これによっ
て、前記ロック手段４による支持杆３の保持がより確実
になるばかりでなく、変圧器Ｂに通電した際に発生する
低周波の振動に支持杆３が共振しても音が発生すること
がなくなるのである。

【００２２】また、前記支持杆３の上部両側に連結片２
３，２３を突設し、該連結片２３に手摺杆２４を取付け
ることができるようになっている。更に、前記支持筒２
の上端部にリミットスイッチ２５を設けるとともに、前
記支持杆３の上部に該支持杆３が不使用態様となった
際、つまり最下降させた際に前記リミットスイッチ２５
を作動させる突部（連結片２３）を設け、支持杆３が不
使用態様になったことを確認する信号を発生させるよう
にしている。本発明の高所作業用支持ポールＡを変圧器
Ｂに取付けた場合に、前記支持杆３を最下降させて不使
用態様として、変圧器Ｂのブッシング２６と該支持杆３
の上端部間に十分な絶縁距離が確保された後に、変圧器
Ｂに通電する必要がある。その場合、多数本の高所作業
用支持ポールＡ，…を有する場合に、全ての支持杆３，
…が不使用態様になっていることを、前記リミットスイ
ッチ２５が作動して発生した信号に基づき、安全ランプ
を点灯させて確認したり、また全てのリミットスイッチ
２５，…から信号が発生しないと変圧器Ｂに通電するメ
インスイッチが入らないような回路構成を採用して安全
性を高めることができるようにしている。

【００２３】本発明の高所作業用支持ポールＡは、足場
面となる変圧器Ｂのトップカバー６の上面に上がる前
に、下方から支持杆３を押し上げ、係合ピン１２を所定
の係合凹部１４に係止し且つ前記スプリングプランジャ
ー１５の規制ピン１６を対応する第１係合孔１７に嵌入
させ、前記支持杆３を所定の高さの使用態様に設定する
ことが可能である。従って、変圧器Ｂのトップカバー６
の上面に上がって直ちに胴綱を支持杆３の上端部の繋着
部５に繋ぐことができるので、極めて安全性の高いもの
となる。図１及び図３に示すように、前記支持杆３を下
方から使用態様に設定できるように、該支持杆３を最も
高い状態にした場合でも、前記支持杆３の下端部３Ａは
支持筒２の下端より下方に露出するように寸法設定して
いる。尚、前記支持杆３を最も高い状態にした場合に、
該支持杆３の下端部３Ａが支持筒２の下端から露出しな
い場合でも、前記支持杆３の下端部内に図示しない操作
棒を係合させれば、該操作棒によって支持杆３をスライ
ドさせて前記係合ピン１２をガイド溝１３に沿って移動
させ、また支持杆３を回転させて前記係合ピン１２を係
合凹部１４に係止できる。以上の操作は片手で簡単に行
うことができる。

【００２４】また、図６に示すように、本発明の高所作
業用支持ポールＡ，…を所定の間隔を置いて複数取付
け、隣接する支持ポールＡ，Ａ間であって前記支持杆
３，３の繋着部５，５間にロープを渡設し（図示せず）
又は前記連結片２３，２３間に手摺杆２４を着脱可能に
渡設して、高所作業用保安柵を構成することも可能であ
る。尚、前記手摺杆２４は、図７に示すように伸縮自在
な二重管構造であり、両端の取付部２４Ａ，２４Ａをそ
れぞれ前記連結片２３にボルト・ナット２４Ｂで連結で
きるようになっており、従来公知のものを採用できる。

【００２５】また、図８に示した高所作業用支持ポール
Ａの他の実施形態は、前記支持杆３の下端部に前記係合
ピン１２を突設し、前記スプリングプランジャー１５と
定着ネジ２１とを前記フランジ９よりも上方の支持筒２
に設けた構造であり、前記支持杆３の長さを最小限に抑
制して軽量化を図ったものである。その他の構成は、前
記実施形態と同様であるので、同一構成には同一符号を
付してその説明は省略する。この場合も、足場面となる
変圧器Ｂのトップカバー６の上面に上がる前に、下方か
ら支持杆３を押し上げ、係合ピン１２を所定の係合凹部
１４に係止し且つ前記スプリングプランジャー１５の規
制ピン１６を対応する第１係合孔１７に嵌入させ、前記
支持杆３を所定の高さの使用態様に設定することが可能
であるが、支持杆３を下方から上下スライドさせ且つ回
転させるための前述の操作棒が必要となる。尚、作業者
の安全が確保できるのであれば、変圧器Ｂのトップカバ
ー６の上面に上った後に、支持杆３を引き上げて使用態
様に設定することが可能である。

【００２６】図９に示したものは、本発明の高所作業用
支持ポールＡの他の使用例である。つまり、変電所等の
建屋２６の内部での作業において、天井クレーン２７で
階下２６Ａから重量機器を階上２６Ｂへ吊り上げ、又は
その逆に階上２６Ｂから階下２６Ａへ吊り下げる必要が
ある場合に、階上２６Ｂの通路２８に開閉可能に設けた
ハッチ２９を開放した際に、作業者の安全を確保するた
めに本発明の高所作業用支持ポールＡをハッチ開口部２
９Ａの周囲に複数設けた使用例である。通常は、支持杆
３を下降させて不使用態様となし、前記ハッチ２９を閉
じて通路２８を作業者が通行するのに邪魔にならないよ
うにしておき、そして前記ハッチ２９を開放したときに
支持杆３を上昇させて使用態様となし、該支持杆３の繋
着部５にロープを渡設してハッチ開口部２９Ａを取り囲
み、作業者がハッチ開口部から誤って転落しないように
している。

【００２７】以上説明した本発明の高所作業用支持ポー
ルＡは、前述の使用例に限らず、電力ケーブルヘッド架
台での作業を始め、一般的な高所作業にも使用すること
ができるのである。

【００２８】

【発明の効果】以上にしてなる本発明の請求項１記載の
高所作業用支持ポールによれば、足場面の側方に固定し
た固定台に支持筒を垂設するとともに、上端部に胴綱の
繋着部を設けた支持杆を前記支持筒内に上下スライド可
能に貫設し、前記支持杆を上昇させた使用態様と最下降
させた不使用態様とに保持するロック手段を前記支持筒
と支持杆に設けたので、使用態様と不使用態様との態様
間の変更が容易であり、大型変圧器の上部に適用した場
合には、変圧器のトップカバー上面の作業用スペースを
狭めることなく取付けることが可能であり、不使用時に
ブッシングとの間に十分な絶縁距離が確保できるととも
に、使用態様と不使用態様との態様間の変更の際に機器
や配管等に当たり損傷を与える恐れも無く、また変圧器
のトップカバー上面に上がる前に使用態様に設定するこ
とが可能であり、安全性且つ取扱性に特に優れている。

【００２９】また、請求項２又は３記載のロック手段を
採用することにより、使用態様と不使用態様との態様間
の変更を片手で行うことができ、しかも容易であるにも
係わらず、使用時における支持ポールの固定が確実で、
その支持強度も高く安定である。

【００３０】また、請求項４によれば、作業者の身長に
応じて支持杆の高さを調節することができるので、胴綱
を作業者の腰より高い位置で支持杆の繋着部に繋ぐこと
ができる。

【００３１】また、請求項５によれば、支持杆を支持筒
に確実に固定するので、支持杆のガタつき又は振動を防
止でき、変圧器に通電した際に発生する低周波の振動に
支持杆が共振しても音が発生することがなくなる。

【００３２】また、請求項６によれば、複数本設けた高
所作業用支持ポール間に手摺杆を取付けて保安柵を構成
することができる。

【００３３】そして、請求項７によれば、高所作業の終
了後に支持杆を下降させて不使用態様にすることを忘れ
ることがなくなる。

【００３４】更に、請求項８によれば、支持杆を使用態
様となした際に変圧器のトップカバー上面を足場として
広く使用することができ、また支持杆を不使用態様とな
した際にトップカバーの上面に突設した高圧ブッシング
と該支持杆上端との間の絶縁距離を十分に確保すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の高所作業用支持ポールを示し、(a) は
支持杆を上昇させた使用態様の側面図、(b) は支持杆を
下降させた不使用態様の側面図を示している。

【図２】本発明の高所作業用支持ポールの分解斜視図で
ある。

【図３】使用態様における一部省略した拡大断面図であ
る。

【図４】不使用態様における一部省略した拡大断面図で
ある。

【図５】本発明の高所作業用支持ポールを大型変圧器の
側面部に取付けた状態の省略側面図である。

【図６】同じく本発明の高所作業用支持ポールを大型変
圧器の側面部に所定間隔を置いて複数取付け、支持ポー
ル間に手摺杆を渡設して保安柵を構成した状態の省略正
面図である。

【図７】支持杆の繋着部と手摺杆との連結構造を示す分
解斜視図である。

【図８】本発明の高所作業用支持ポールの他の実施形態
を示し、(a) は支持杆を上昇させた使用態様の側面図、
(b) は支持杆を下降させた不使用態様の側面図を示して
いる。

【図９】本発明の高所作業用支持ポールを変電所の建屋
内に設置した使用例を示す簡略断面図である。

【符号の説明】

Ａ 高所作業用支持ポール Ｂ 変圧器 １ 固定台 ２ 支持筒 ３ 支持杆 ４ ロック手段 ５ 繋着部 ６ トップカバー ７ タンク ８ 補強部材 ９ フランジ １０ 上面板 １１ 開口 １２ 係合ピン １３ ガイド溝 １４ 係合凹部 １５ スプリングプランジャー １６ 規制ピン １７ 第１係合孔 １８ ストッパーピン １９ 切欠部 ２０ 第２係合孔 ２１ 定着ネジ ２２ 凹部 ２３ 連結片 ２４ 手摺杆 ２５ リミットスイッチ ２６ 建屋 ２７ 天井クレーン ２８ 通路 ２９ ハッチ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 足場面の側方に固定した固定台に支持筒
   を垂設するとともに、上端部に胴綱の繋着部を設けた支
   持杆を前記支持筒内に上下スライド可能に貫設し、前記
   支持杆を上昇させた使用態様と最下降させた不使用態様
   とに保持するロック手段を前記支持筒と支持杆に設けた
   ことを特徴とする高所作業用支持ポール。
2. 【請求項２】 前記ロック手段は、前記支持杆の下部に
   係合ピンを突設するとともに、前記支持筒に下端を開放
   したガイド溝を縦設し且つ前記係合ピンを係止するため
   の係合凹部を該ガイド溝の側部に連通させて設け、前記
   係合ピンが係合凹部に係止した使用態様で支持杆のスラ
   イド及び回転を規制するためのスプリングプランジャー
   を支持筒に設けるとともに、該スプリングプランジャー
   の規制ピンが嵌入する第１係合孔を支持杆に穿設してな
   るものである請求項１記載の高所作業用支持ポール。
3. 【請求項３】 前記ロック手段は、前記支持杆の下部に
   係合ピンを突設するとともに、前記支持筒に下端を開放
   したガイド溝を縦設し且つ前記係合ピンを係止するため
   の係合凹部を該ガイド溝の側部に連通させて設け、前記
   係合ピンが係合凹部に係止した使用態様で支持杆のスラ
   イド及び回転を規制するためのスプリングプランジャー
   を支持筒に設けるとともに、該スプリングプランジャー
   の規制ピンが嵌入する第１係合孔を支持杆に穿設し、更
   に前記支持杆の上部にストッパーピンを突設するととも
   に、前記支持筒の上端に切欠部を形成し、前記ストッパ
   ーピンが切欠部に係合した不使用状態で、前記スプリン
   グプランジャーの規制ピンが嵌入する第２係合孔を支持
   杆に穿設してなるものである請求項１記載の高所作業用
   支持ポール。
4. 【請求項４】 前記ガイド溝の側部であって高さの異な
   る複数箇所に前記係合凹部を設けるとともに、前記係合
   ピンが何れか一つの係合凹部に係止した際に、前記スプ
   リングプランジャーの規制ピンが嵌入する第１係合孔を
   支持杆の複数箇所に設けてなる請求項２又は３記載の高
   所作業用支持ポール。
5. 【請求項５】 前記支持筒の適所に内外に貫通させてハ
   ンドル付きの定着ネジを設けるとともに、前記支持杆の
   側面に使用態様及び不使用態様において前記定着ネジの
   先端を密嵌状態で受け入れる複数の凹部を形成し、定着
   ネジの先端で凹部を締付けて支持筒に対して支持杆を固
   定してなる請求項１〜４何れかに記載の高所作業用支持
   ポール。
6. 【請求項６】 前記支持杆の上部両側に手摺杆を取付け
   るための連結片を突設してなる請求項１〜５何れかに記
   載の高所作業用支持ポール。
7. 【請求項７】 前記支持筒の上端部にリミットスイッチ
   を設けるとともに、前記支持杆の上部に該支持杆が不使
   用態様となった際に前記リミットスイッチを作動させる
   突部を設け、支持杆が不使用態様になったことを確認す
   る信号を発生させてなる請求項１〜６何れかに記載の高
   所作業用支持ポール。
8. 【請求項８】 前記足場面が変圧器のトップカバー上面
   であり、前記固定台を変圧器の周囲に設けた補強部材に
   固定してなる請求項１〜７何れかに記載の高所作業用支
   持ポール。
9. 【請求項９】 前記請求項１〜８何れかに記載の高所作
   業用支持ポールを所定の間隔を置いて複数取付け、隣接
   する支持ポール間であって前記支持杆の繋着部間にロー
   プを渡設し又は前記連結片間に手摺杆を渡設してなる高
   所作業用保安柵。