JP2000091084A - ホ―ル注入性改良電極 - Google Patents

ホ―ル注入性改良電極

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JP2000091084A
JP2000091084A JP11060091A JP6009199A JP2000091084A JP 2000091084 A JP2000091084 A JP 2000091084A JP 11060091 A JP11060091 A JP 11060091A JP 6009199 A JP6009199 A JP 6009199A JP 2000091084 A JP2000091084 A JP 2000091084A
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アール.フォレスト スチーブン
Gong Gu
ゴン,グー
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  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アノード、カソード、及び有機層を有する有
機発光装置及びその製造方法を与える。 【解決手段】 a.インジウム錫酸化物の層を付着し、
b.前記インジウム錫酸化物層付着工程中、インジウム
錫酸化物の層の表面に調節した量の付加的酸素を導入
し、c.前記表面上に有機層を付着する、工程からなる
有機発光装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機発光装置(O
LED)に関し、詳しくは、そのような装置で用いられ
る改良された電極に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光装置(OLED)は、一つ以上
の有機層からなり、それらの層の一つは、装置を通って
電圧を印加することにより電界発光させることができる
有機材料からなる。C.W.タング(Tang)等の、Appl.
Phys. Lett. 51, 913 (1987)。或るOLEDは、LCD
に基づく天然色平面パネル表示器のための別の実際的技
術として用いるのに充分な明るさ、色の範囲、及び作動
寿命を有することが示されている。S.R.フォレスト
(Forrest)、P.E.バローズ(Burrows)及びM.E.
トンプソン(Thompson)の、Laser Focus World, Feb. (1
995)。そのような装置で用いられる有機薄膜の多くは可
視スペクトル領域で透明であるので、それらは、赤
(R)、みどり(G)、及び青(B)を発光するOLE
Dを垂直に積み重ねた形態に配置し、簡単な製法、小さ
なR−G−Bピクセルサイズ、及び大きな充填因子を与
える完全に新しい型の表示ピクセルを実現することがで
きる。
【0003】図1(従来法)は、二重ヘテロ構造OLE
D 100を示す。アノード110、ホール輸送層(H
TL)120、発光層(EL)130、電子輸送層(E
TL)140、及びカソード150がその順序で積み重
ねられている。アノード110とカソード150の間に
電圧を印加すると、電流がアノード110からHTL1
20を通りEL130へ、主にアノード110からEL
130へ移動するホールの伝導により流れる。同様に、
電流はEL130からETL140を通りカソード15
0へ、主にカソード150からEL130へ移動する電
子の伝導により流れる。ホールはHTL120によりE
L130へ注入され、電子はETL140によりEL1
30へ注入される。電子とホールは結合してEL130
中で励起子を形成し、次にそれは優先的に光電子放出機
構により崩壊し、光を発する。
【0004】図2(従来技術)は、単一ヘテロ構造OL
ED200を示している。アノード210、ホール輸送
層(HTL)220、発光層(EL)230、及びカソ
ード240がその順序で積み重ねられている。単一ヘテ
ロ構造OLEDは、二重ヘテロ構造OLEDと同様な仕
方で機能するが、但しELは輸送層としての機能も果た
す。例えば、図2のOLEDは、EL230がETLと
しての機能も果たす。電圧をアノード210とカソード
240の間に印加すると、電流がEL230からカソー
ド240へ、主にカソード240からEL230へ移動
する電子の伝導により流れる。図1に関して述べたのと
同様なやり方で、HTL220はホールをEL230へ
注入する。電子とホールは結合してEL230中で励起
子を形成し、次にそれは優先的に光電子放出機構により
崩壊し、光を発する。
【0005】図3(従来技術)は、単一層OLED30
0を示している。アノード310、発光層(EL)32
0、及びカソード330がその順序で積み重ねられてい
る。単一層OLEDは、二重又は単一ヘテロ構造のOL
EDと同様な仕方で機能するが、但しELはHTL及び
ETLとしての機能も果たす。電圧をアノード310と
カソード330の間に印加すると、主にカソード330
により注入された電子と、アノード310により注入さ
れたホールの伝導により、電流がEL320を通って流
れる。電子とホールは結合してEL320中で励起子を
形成し、次にそれは優先的に光電子放出機構により崩壊
し、光を発する。
【0006】透明OLED(TOLED)及び積層OL
ED(SOLED)は、フォレスト等の米国特許第5,
703,436号明細書(これは言及することにより本
明細書に取り入れる)に報告されているように、当分野
で知られている。TOLEDは、オフ(off)にすると7
1%より大きな透明性を示し、装置をオン(on)にすると
大きな効率(1%に近い量子効率)で上と下の両方の装
置表面から光を発する。それらは透明であるため、TO
LEDは積層することができ、その積層体中の各TOL
EDにより発する光は他のTOLEDを通過することが
できる。フォレスト等の米国特許第5,703,436
号明細書には、独立にアドレスできる赤、緑及び青の積
層OLEDを有するSOLEDが記載されている。その
ような積層体は、高解像力R−G−Bピクセルへ進む重
要な第一歩を与えることになる。積層体中のOLEDの
間には、Mg−Ag層及びITO層を有する電極が用い
られており、この場合Mg−Ag層は、電極と接触する
OLEDの一方のための電子注入層として働き、ITO
層は、他方のOLEDのためのホール注入電極として働
く。SOLED中の各層は、独立にアドレスすることが
でき、それ自身の特性色、赤、緑、又は青の光を発す
る。この着色光は、積層体中の他のOLED及びガラス
基体を通って伝達され、その装置は、赤、緑、及び青の
色を発する層の相対的出力を変えることにより生ずるこ
とができるどのような色でも発光できるようになる。
【0007】言及することにより本明細書に取り入れ
る、フォレスト等の米国特許第5,707,745号明
細書には、夫々独立に制御することができる赤、緑及び
青のOLEDを積層体として有する集積SOLEDが記
載されており、そのSOLEDの色及び強度は独立に変
化できるようになっている。そのようなSOLEDは、
独立に制御できる赤、緑及び青の発光を達成するため三
つのOLEDを横に並べたものに依存したピクセルに対
しコンパクトな大きさのピクセルを有するカラー表示器
で用いるのに適したピクセルを与える。このコンパクト
な大きさのピクセルは大きな解像力をもつ天然色集積ピ
クセルを可能にする。更に、そのような装置を製造する
ために、従来法によるものと比較して相対的に低いコス
トの製造方法を用いることができる。
【0008】しかし、ITO電極をSOLEDで用いる
と、特にSOLEDの上方OLEDで用いると、大きな
駆動電圧及び不充分な発光が観察されている。Z.シェ
ン(Shen)等の「調整可能な三色有機発光装置」(Three-C
olor, Tunable, Organic Light-Emitting Devices)、Sc
ience, Vol. 276, p. 2009, June 27, (1997)(これは言
及することによりここに取り入れる)参照。大きな駆動
電圧及び不充分な発光は、SOLEDの必要電力を増大
し、有効寿命を短くする。従って、一層低い駆動電圧及
び一層効率的な発光を示すSOLEDが要求されてい
る。
【0009】SOLEDの電極(アノード及びカソー
ド)は、フォレスト等の米国特許第5,707,745
号及び第5,703,436号明細書(これらは言及に
よりここに取り入れる)に記載されているように、屡々
インジウム錫酸化物(ITO)から製造されている。I
TOは好ましい電極材料である。なぜなら、ITOから
作られた電極は、可視スペクトル内の光の大部分を透過
することができ、それに対応して可視スペクトル内の光
の僅かな部分しか吸収及び(又は)反射しないからであ
る。その結果ITO電極を有するOLEDにより発光し
た光の大部分が見る人に到達する。また、反射性電極に
より起こされる望ましくない微小空洞効果(microcavity
effect)を、ITO電極を用いることにより最小にする
ことができる。予めITOを被覆した基体を、例えば、
コロラド州ボールダーにあるドネリー・アプライド・フ
ィルムズ社(Donnelly Applied Films Corp.)から購入す
ることができる。ITOは、スパッタリング、熱的蒸
着、化学蒸着、スプレー熱分解のような種々の方法によ
り付着させることができる。更に、ITO電極は、有機
薄膜の上に、その薄膜をひどく損傷することなく付着さ
せることができる。例えば、米国特許出願Serial
No.08/928,800(1997年9月12日
出願)(これは言及によりここに取り入れる)に記載さ
れているように、ITOは、室温低電圧RFマグネトロ
ンスパッタリング法を用いて有機薄膜の上に、その有機
薄膜をひどく損傷することなく付着させることができ
る。ITO層は、バローズ(Burrows)その他による「色
調整可能な有機発光装置」(Color-tunable organic lig
ht emitting devices)、Appl. Phys. Lett. 69(20), 29
59 (1996)に記載されているように、多層からなる電極
中に組み込むこともできる。例えば、電極は、ITOの
ような透明伝導性酸化物薄膜で覆われた金属(単数又は
複数)の非常に薄い(約100Å)の層からなっていて
もよい。
【0010】ウー(Wu)等は、「プラズマ処理によるイン
ジウム錫酸化物の表面変性:有機発光装置の効率、明る
さ及び信頼性を改良する効果的な方法」(Surface modif
ication of indium tin oxide by plasma treatment: A
n effective method to improve the efficiency, brig
htness, and reliability of organic light emitting
devices)、Appl. Phys. Lett. 70(11), 1348 (1997)
(これは言及によりここに取り入れる)で、ITO電極
を有するOLEDの性能は、電極を付着した後で、その
電極上に有機層を付着する前に、そのITOを酸素プラ
ズマに露出することにより改良することができることを
述べている。しかし、酸素プラズマへの露出は余分な処
理工程を必要とし、ITO中の酸素の量及び分布につい
て与える制御は限定されたものでしかない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機発光装
置の製造方法を与える。更に、本発明は、アノード、カ
ソード、及び有機層を有する有機発光装置を与える。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の方法では、イン
ジウム錫酸化物の層を付着する。インジウム錫酸化物の
層を付着する間、制御された量の付加的酸素をインジウ
ム錫酸化物層の表面中へ導入する。次にその表面の上に
有機層を付着する。本発明の有機発光装置では、アノー
ドは、製造中に付加的酸素が導入された表面を有する。
有機層はアノードとカソードとの間に配置され、前記表
面と直接接触している。
【0013】
【発明の実施の形態】上で述べたように、ITO電極を
有する作動可能なOLED及びSOLEDは従来技術で
存在する。しかし、これらのSOLED、特にSOLE
Dの上方OLEDの駆動電圧を更に低下し、効率を改良
することが望ましい。
【0014】本発明は、有機層と接触するITOアノー
ドの表面中に、製造中に付加的酸素を導入することによ
り、低い作動電圧、大きな量子効率を有するSOLED
を達成するものである。ここで用いる電極の「表面」と
は、電極の一部分で、その部分の酸素含有量が隣接有機
層中への帯電キャリヤの注入に影響を有する電極部分を
指す。この「表面」は電極中へ伸びていてもよい。例え
ば、その表面は隣接有機層から60Å以上隔たった深さ
の所まで伸びていてもよい。用語「付加的酸素」とは、
ITO主要部、即ち、電極の「表面」の所にはないIT
O中の酸素量を越えた酸素量を指す。アノードからホー
ルが注入される有機層は、単一又は二重ヘテロ構造のO
LEDのホール輸送層、単一ヘテロ構造又は単一層OL
EDの発光層、又は別の型の有機層、例えば、ホール注
入促進層でもよい。本発明により製造されたアノードを
有するSOLEDは、従来示されているSOLEDの性
能よりも優れた性能を示す。
【0015】本発明はどのように働くのかと言うことに
関し、どのような理論にも限定されるものではないが、
大きな駆動電圧及び不充分な発光は、一つにはITOア
ノードからの有機層中へのホール注入が悪いことによっ
て起こされるものと考えられている。更に、ITOアノ
ードの表面中に付加的酸素を導入すると、有機層中への
ホール注入が向上すると考えられる。付加的酸素はIT
Oのフェルミ準位を移行させ、OLEDを製造するため
に用いる多くの有機材料について、ITOのフェルミ準
位とそのITO上に後で付着させた有機材料の最高被占
分子軌道(HOMO)レベルとの間の一層よい一致を与
える結果になる。その結果、ITOから隣接有機層へ飛
び込むホールのためのエネルギー障壁は低くなり、IT
Oから有機層へのホール注入が改善される。しかし、フ
ァン(Fan)その他による「Snドープしたインジウム酸
化物フイルムのX線光電子放出分光分析研究」(X-ray p
hotoemission spectroscopy studies of Sn-doped indi
um-oxide films)、J. App. Phys. 48(8), 3524 (1977)
(これは言及によりここに取り入れる)に記載されてい
るように、ITO中へ付加的酸素を導入すると、酸素空
格子に伴われるホール濃度の低下により伝導度が低下す
る。伝導度の低下は駆動電圧を上昇し、効率を低下す
る。しかし、ITO電極全体に亙る酸素含有量は伝導度
に影響を与えるが、表面での酸素含有量はホール注入特
性に影響を与える。そのため、ホール注入の増大を与え
る結果になる電極表面中への酸素導入を行うが、電極の
残りの部分中へは導入せず、伝導度の低下を最小限にす
ることが好ましい。
【0016】この理論は、一番下のOLEDではなく、
上方のOLEDが大きな作動電圧及び低い量子効率を示
すSOLEDについての観察結果を説明している。これ
らのSOLEDはITOで予め被覆した市販の基体上に
製造されてきた。従って、一番下のOLEDのアノード
はSOLEDを製造する前の不特定の時間空気に曝され
ており、空気からの酸素を電極中へ導入させている。一
方、上方OLEDのアノードは、隣接する有機層を付着
させるために用いた同じ真空中で付着されており、表面
で一層低い酸素含有量を有するアノードを与える結果に
なっている。
【0017】本発明の第一の態様として、ITOアノー
ドの酸素含有量を、修正したスパッタリング法を用いて
制御する。スパッタリング工程の一部分中でスパッタリ
ングガス中へ酸素ガスを制御された時間及び制御された
量で導入する。例えば、600ÅのITO電極は、最初
の540Åの付着中、酸素ガスを含まず、次の50Å
中、0.1sccmの酸素ガスを含有させ、最後の10
Å中、0.2sccmの酸素ガスを含有させた150s
ccmのAr流を用いてスパッタリング付着することが
できる。付着させた最後の60Åを含むそのようなIT
Oアノードの表面には、残りのITOアノード部分中に
存在する酸素の外に追加された酸素が含まれる。ITO
中の酸素の量及び分布は非常に正確に制御することがで
きる。なぜなら、付加的酸素はITOアノードの表面中
に、そのアノードを付着しながら導入されるからであ
る。ホールを注入する有機層を、次にそのアノードの表
面上に、好ましくは大気に露出することなく付着する。
ITO表面の深さ及びその表面内の酸素分布は、記載す
る特定の例とは異なったものにしてもよい。例えば、そ
のような変動は、用いた特定の有機材料及び装置の種々
の大きさのパラメータに依存する。
【0018】本発明の第二の態様では、ITO電極の酸
素含有量は、インジウム錫酸化物層を付着する工程の一
部分中で酸素に富むターゲットを用いることにより制御
する。ここで用いる用語「ターゲット」とは、ITO電
極を付着するために用いた材料源を指す。例えば、IT
O電極は、酸化インジウム(In2 3)、酸化錫(Sn
O、Sn2 3 、及び(又は)SnO2)、ITO、及び
それらの組合せからの一つ以上のターゲットから付着す
ることができる。ターゲットの酸素含有量は、酸化物中
の酸素空格子の濃度と同様、ターゲット中の酸化錫の酸
化状態を選択することによって制御してもよい。大きな
酸素含有量を有するターゲットは、酸素含有量の低いタ
ーゲットに対して「酸素に富む」ものである。ITO電
極を付着する間に一種類以上のターゲットを変えること
により、又は複数のターゲットからの材料を同時付着す
る速度を変えることにより、電極の酸素含有量を調節す
ることもできる。例えば、ITO電極は、酸素に富むタ
ーゲットと、酸素に乏しいターゲットからの同時蒸着に
より付着してもよく、この場合酸素に富むターゲットか
らの同時蒸着%を蒸着工程の一部分中で増大する。IT
O中の酸素の量及び分布は、非常に正確に制御すること
ができる。なぜなら、アノードを付着させている間に、
付加的酸素をITOアノードの表面中に導入するからで
ある。ホールを注入する有機層を、次に付着させること
ができる。好ましくは大気に露出することなく付着させ
る。
【0019】本発明は、他のITO付着方法、例えば、
化学蒸着及びスプレー熱分解のような方法と共に用いて
もよい。
【0020】本発明により、OLEDのITOアノード
中に付加的酸素を制御したやり方で導入することができ
る。ITOアノード中の酸素の量及び分布は制御するこ
とができる。本発明は、長い間空気に曝す必要がないの
で有利である。そのような空気への露出は装置製造コス
トに長い処理工程を付加することになるので、商業的製
造環境では非実用的である。製造中のITO電極中に付
加的酸素を導入することは、製造後、酸素プラズマへI
TOを露出することよりも優れている。なぜなら、製造
中の導入により、酸素の量及び分布を一層正確に制御す
ることができるからである。更に、ITO電極製造中に
付加的酸素を導入することは、酸素プラズマ又は空気に
露出するような付加的工程を追加することとは対照的に
既に存在している製造工程を修正することを含んでい
る。そのような付加的工程を回避することは、製造を促
進し、コストを低下することができる。更に、酸素プラ
ズマに露出するような付加的工程は、ITO電極の下に
ある有機層に損傷を与えることがあるが、既に存在する
製造工程中に付加的酸素を導入することは、そのような
損傷を起こしにくい。本発明は、ITO層及び有機材料
層を交互に付着するやり方で、屡々迅速に連続させて付
着するようなSOLED製造に特によく適合する。なぜ
なら、余分な処理工程を用いることなく、又SOLED
を大気に露出することなく、ITO中に付加的酸素を迅
速に導入することができるからである。
【0021】本発明に従って製造されたOLEDは、コ
ンピューター、テレビ、表示部品を有する電気通信装
置、乗り物、掲示板、標識、大画面壁スクリーン、劇
場、スタジオのスクリーン、ゼログラフィー、風防ガラ
ス及びヘルメットひさしのための機敏な表示器、及びビ
デオゲームを含めた極めて多種類の消費者製品に用いる
ことができる。
【0022】次に本発明をその或る特定の代表的具体例
をどのように作ることができるかを示すことに関連して
詳細に記述するが、それらの材料、装置及び処理工程は
単に例示することを目的とした例として理解すべきであ
る。特に、本発明は、ここに特に記載する方法、材料、
条件、処理パラメータ、装置等に限定されるものではな
い。
【0023】
【実施例】例1 ITOで被覆した4枚の基体を次のようにして製造し
た。 試料A 予め清浄にしたガラス基体上にITO薄膜を600Åの
全厚さまで蒸着した。蒸着はRFマグネトロンスパッタ
ー装置を用いてスパッタリングにより行なった。スパッ
タリング室への出入りはロードロック(load-lock)によ
り与えた。ロードロックをターボポンプにより減圧に
し、スパッタリング前に5×10-8トールの基底圧力ま
でスパッタリング室を減圧にした。AJAインターナシ
ョナルにより製造されたマグネトロンスパッタリング銃
を、自動調節インピーダンス整合ネットワークと一緒に
アドバーンスド・エナージー(Advanced Energy)により
製造されたRF電源により電力を与えた。スパッタリン
グターゲットは、10重量%のSnO2 及び90重量%
のIn2 3(純度99.99%)のホットプレス焼結混
合物の2インチ直径の板であった。スパッターガスは9
9.9999%の純度のArであり、流量調節器を通っ
て150sccmの流量でスパッタリング室中へ導入し
た。スパッタリング室内の圧力は、低温ポンプと共にス
ロットル弁により蒸着中制御した。20ミリトールの圧
力でプラズマを開始し、成長圧力を5ミリトールにし
た。基体を、遮蔽したターゲットの上約15cmの所に
配置し、水冷非回転基体ホールダーにより適所に保持し
た。
【0024】ITOの最後の60Åの蒸着を行うため、
スパッターガスに純度99.99%のO2 を0.1sc
cmの流量で最初添加し、次に最終10Åの間0.2s
ccmで添加した。O2 の量は流量調節器により制御し
た。
【0025】ITOを蒸着した後、OLEDを製造する
前の試料Aを10時間乾燥窒素中に保存し、その乾燥窒
素雰囲気中へ移す時とそこから出す時だけ非常に僅かに
大気に触れた。
【0026】試料B 例1の手順を用いて予め清浄にしたガラス上にITO薄
膜を600Åの厚さまで蒸着した。しかし、スパッター
ガスに酸素は添加しなかった。
【0027】ITOを蒸着した後、OLEDを製造する
前の試料Bを10時間乾燥窒素中に保存し、その乾燥窒
素雰囲気中へ移動させる間及びそこから出す時だけ非常
に僅かに大気に触れた。
【0028】試料C 例1の手順を用いて、予め清浄にしたガラス基体上に6
00Åの厚さまでITO薄膜を蒸着した。しかし、スパ
ッターガスに酸素は添加しなかった。ITOを蒸着した
後、OLEDを製造する前の試料Cを10時間空気に触
れさせた。
【0029】試料D コロラド州ボールダーにあるドネリー・アプライド・フ
イルムズ社から市販されている、ITO薄膜で予め被覆
した基体を入手した。そのITO薄膜は公称1600Å
の厚さをもっていた。
【0030】試料D上のITOを、OLEDを製造する
前の中間的長さの時間、空気に触れさせた。
【0031】次に単一ヘテロ構造OLEDを次の手順に
従い試料A、B、C及びDの各々の上に同時に成長させ
た: (1) 10-6トール未満の真空中で加熱蒸発により銅
フタロシアニン(CuPc)の100Å厚のホール注入
層を蒸着した。 (2) 10-6トール未満の真空中で加熱蒸発により
4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ]ビフェニル(α−NPD)の400Å厚のホー
ル輸送層を蒸着した。 (3) 10-6トール未満の真空中で加熱蒸発によりト
リス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Al
3)の500Å厚の電子輸送及び発光層を蒸着した。 (4) Mg及びAg(質量9:1)の同時蒸発(co-e
vaporation,共蒸着)により、2000Å厚のMg・A
gの金属カソードを蒸着した。 (5) 加熱蒸発により500Å厚のAgキャップを蒸
着した。
【0032】次に試料の各々を試験して、J=10mA
/cm2 の電流密度を達成するのに必要な駆動電圧を決
定した。駆動電圧が低いことは装置の効率が一層よく、
一層長い寿命を持つと予想されることを意味する。大き
な駆動電圧は、低い伝導度及び一つの層から次の層への
キャリヤ注入が悪いと言ったような因子により起こされ
る。各試料のITOフイルムの成長条件、厚さ、及び面
積抵抗と共に、それらの結果を表1に列挙する。
【0033】
【表1】
【0034】表1は、蒸着中、付加的酸素を導入したI
TO電極(試料A)が、付加的酸素を用いずに蒸着した
ITO電極(試料B)よりも一層よい性能を示し、市販
のITOフィルム(試料D)に匹敵する性能を持ってい
たことを示す。また、表1は、付加的酸素を用いずに蒸
着した電極(試料B)を10時間空気に曝すと(試料
C)、電極の性能を改良するが、スパッター工程中に付
加的酸素を導入したもの(試料A)程ではないことを示
している。蒸着中か、又は蒸着後酸素に曝すことによ
り、ITO中に付加的酸素を導入すると、駆動電圧の低
い装置をもたらす改良された電極を与える結果になる
(試料A、C及びD対試料B)。しかし、蒸着中に電極
に付加的酸素を導入すると、空気に曝した同様な電極と
比較して優れた駆動電圧を与える結果になり、必要な時
間は短くなる(試料A対試料C)。
【0035】例2 例1からの試料Aの電極と同様な改良されたITO電極
を有する二色積層OLED400を製造した。2枚の半
透明電極を有する頂部OLED404は、発光スペクト
ルの色歪み及び視角依存性が無視できると共に、頂部素
子についての作動電圧が低く大きな効率を示している。
図4は例2の積層OLED400を示している。頂部O
LED404は、底部OLED402の上に積層されて
いる。OLED402及び404は共に透明OLED
(TOLED)であった。例2のSOLEDは次のよう
にして製造した。
【0036】(1) ITO層410で予め被覆したガ
ラス層405を、ドネリー・アプライド・フイルムズ社
から得た。ITO層410は公称1600Åの厚さ及び
20Ω/□の面積抵抗を持ち、底部OLED402のた
めのアノードとして働いた。ITO層410を清浄に
し、ホトリトグラフによりパターン化して底部OLED
402のためのアノードを形成した。ITO層410
を、31WのRF酸素プラズマ中で2分間処理した。
【0037】(2) ホール注入促進層415、ホール
輸送層420、及び発光層425を、10-6トール未満
の真空中で加熱蒸着により連続的に蒸着した。ホール注
入促進層415は110Å厚のCuPc層であり、ホー
ル輸送層420は400Å厚のα−NPD層であり、発
光層425は500Å厚のAlq3 層であり、緑色の光
を発光させるのに用いた。
【0038】(3) 次に層430a及び層430bを
有する電極430を蒸着した。層430aは200Å厚
のMg:Ag(質量9:1)の層であり、層430bは
600Å厚のITO層であり、例1の試料Aの方法に従
い蒸着した。層430aは底部OLED402のカソー
ドとして働き、層430bは頂部OLED404のアノ
ードとして働いた。
【0039】(4) ホール注入促進層435、ホール
輸送層440、発光層445を、及び電子輸送層447
を10-6トール未満の真空中で加熱蒸着により連続的に
蒸着した。ホール注入促進層435は110Å厚のCu
Pc層であり、ホール輸送層440は400Å厚のα−
NPD層であり、発光層445は400Å厚のAlq 3
層であり、電子輸送層447は150Å厚のAlq3
であった。電子輸送層としても働く発光層445は、燐
光体、2,3,7,8,12,13,17,18−オク
タエチル−21H,23H−ホルスフィン(phorsphine)
白金(PtOEP)を9%の濃度でドープすることによ
り赤色光を発光させるのに用いた。
【0040】(5) 次に層450a及び層450bを
有する電極450を蒸着した。層450aは200Å厚
のMg:Ag(質量9:1)の層であり、層450bは
600Å厚のITO層であった。層450aは頂部OL
ED404のカソードとして働いた。層450bは電極
450のための保護キャップとして働き、電極450の
伝導性にも寄与していた。
【0041】工程1〜3に従い、底部OLED402と
同様な別個の緑色発光OLEDを、底部OLED402
と同時に製造した。同様に、工程1、4及び5に従い、
頂部OLED404と同様な別個の赤色発光OLED
を、頂部OLED404と同時に製造した。しかし、こ
の別個の赤色発光OLEDのアノードは、層430bで
はなく、ITO層410と同様であった。
【0042】図5は、順方向にバイアスした電流密度対
電圧(J−V)特性を示している。プロット510、5
20、530及び540は、底部OLED402(積層
体中緑色)、頂部OLED404(積層体中赤色)、別
個の緑色発光OLED(緑色対照)、及び別個の赤色発
光OLED(赤色対照)の特性を夫々示している。頂部
OLED404は、約12Vの駆動電圧を示していた。
この駆動電圧はバローズ等の「色調整可能な有機発光装
置」(Color-tunable organic light emittingdevice
s)、Appl. Phys. Lett. 69(20), 2959 (1996)(これは言
及によりここに取り入れる)に同様なOLEDについて
報告されている15V〜25Vの駆動電圧よりもかなり
低い。頂部OLED404の駆動電圧は、別個の赤色発
光OLEDの駆動電圧よりも僅かに1V高いだけであっ
た。
【0043】図6は、ルミネッセンス対電流密度(L−
J)特性を示す。プロット610、620、630及び
640は、底部OLED402(積層体中緑色)、頂部
OLED404(積層体中赤色)、別個の緑色発光OL
ED(緑色対照)、及び別個の赤色発光OLED(赤色
対照)の特性を夫々示している。輝度はガラス層405
の底、即ち、OLEDとは反対の側から発光した光の測
定に基づいている。これらの測定値から計算した量子効
率は底部OLED402については1%、頂部OLED
404については0.4%であり、これに対し別個の緑
色発光OLEDについては0.8%、別個の赤色発光O
LEDについては0.7%であった。SOLED400
の頂部から発光したルミネッセンス対SOLED400
の底から発光したルミネッセンスの比は、OLED40
4については1:0.067、OLED402について
は1:0.51であることが測定された。従って、頂部
OLED404の全外部量子効率は1.1%であり、底
部OLED402のそれは0.6%であった。
【0044】赤色OLED、即ち、頂部OLED404
及び別個の赤色発光OLEDは、図6中大きな電流密度
での赤色OLEDについてのルミネッセンス対電流密度
のプロットで一層低い勾配によって示されているよう
に、緑色OLED、即ち、底部OLED402及び別個
の緑色発光OLEDに比較して、大きな電流密度で効率
の減少を示している。この効率の減少は、恐らく遅い
(〜30μs)燐光消滅のため発光領域中にPtOEP
部位の飽和が起きるためであろう。頂部OLED404
は、12Vの駆動電圧で、35cd/m2 の輝度、及び
24mA/cm2 の電流密度を示している。これらの数
値はビデオ・ディスプレイの基準に充分合うものであ
る。
【0045】もしOLED又はSOLEDがかなりの内
部反射性を持つならば、微小空洞効果により、視角に依
存して発光波長を変動させることになるであろう。発光
スペクトルを、OLED402、OLED404、別個
の赤色発光OLED、及び別個の緑色発光OLEDにつ
いて測定した。
【0046】図7は、OLED402及びOLED40
4から発光した光の発光スペクトルを示している。プロ
ット710(頂部垂直方向の緑色)は、SOLED40
0の平面に垂直な方向にSOLED400の頂部を通っ
てOLED402から発したスペクトルのプロットであ
る。プロット720(基体垂直方向の緑色)及び730
(基体垂直方向から60°の方向の緑色)は、夫々、S
OLED400の平面に対し垂直方向及び垂直から60
°の方向に、SOLED400の底部を通ってOLED
402から発したスペクトルのプロットである。プロッ
ト740(頂部垂直方向の赤色)は、SOLED400
の平面に垂直な方向にSOLED400の頂部を通って
OLED404から発したスペクトルのプロットであ
る。プロット750(基体垂直方向の赤色)及び760
(基体垂直方向から60°の方向の赤色)は、夫々、S
OLED400の平面に対し垂直方向及び垂直から60
°の方向に、SOLED400の底部を通ってOLED
404から発したスペクトルのプロットである。
【0047】プロット720及び730は、プロット7
50と760のように非常に似ており、底部発光スペク
トルの角度依存性がOLED402及びOLED404
の両方について無視できることを示している。その結
果、SOLED400と同様なSOLEDは、好ましい
認識色が、視角が変化しても比較的一定のままであるよ
うな大画面テレビのような用途に適している。プロット
740はプロット750に非常に似ており、OLED4
04の頂部及び底部発光がほぼ同じであることを示す。
しかし、プロット710はプロット720に対し約50
nm移行しており、SOLED400には幾らかの微小
空洞効果が存在することを示す。
【0048】別個の赤色発光及び緑色発光OLEDにつ
いて、図7に示した測定値に対応する測定値(図示され
ていない)をとった。各別個のOLEDの測定発光スペ
クトルは、それらスペクトルを装置の頂部から測定する
か、又は底部から測定するかには無関係に、また視角と
は無関係に、比較的一定していた。発光スペクトルの変
化がこのように無いことは、別個のOLEDの微小空洞
効果は弱いことを示している。
【0049】曲線715、725、735、745、7
55及び765は、1997年5月20日出願された米
国特許出願Serial No.08/858,994
(これは言及によりここに取り入れる)に記載されてい
る空洞効果のモデルに従い、夫々プロット710、72
0、730、740、750及び760に当て嵌まる曲
線である。この適合モデルはSOLED400の有機及
び電極層、即ち、層410、415、420、425、
430、435、440、445及び450の屈折率を
含めた幾つかのパラメータを用いている。ホール注入促
進層415及び435は、適合させる目的のため無視さ
れている。表2は、その適合を行わせるのに用いた材料
の分散パラメータを示す。Alq3 についての分散パラ
メータは文献から取られており、表2中の他の値は測定
されたものである。特定の波長の光についての特定の物
質の屈折率n(λ)は、表2中に列挙したn(λ0)、λ
0及びαの値を用いてn(λ)=n(λ0)+α(λ0
λ)2として計算した。
【0050】有機層の厚さは製造中2%の精度まで補正
され、適合操作中、充分明確にされたパラメータとして
処理した。発光領域中の励起子分布は、100Åの特性
拡散距離を持つα−NPD/ルミネッセンス層界面から
の距離と共に指数関数的に減衰するものと仮定した。電
極層430a、430b、450a及び450bの実際
の厚さは幾らか不確かである。なぜなら、層430a及
び450aのようなMg:Ag層は、層430b及び4
50bのようなITO層を後で付着することにより或る
程度酸化するからである。この酸化は、層430a、4
30b、450a及び450bの光学的性質と同様、厚
さを変化する。従って、それらの厚さは良好な一致が得
られるように選択された。曲線715、725、73
5、745、755及び765は、Mg:Ag層430
a及び450aについては200Åの厚さを仮定し、I
TO層430b及び450bについては780Åの厚さ
を仮定することにより得られた。IRスペクトル領域中
の赤色発光スペクトルと対応する適合線との間の不一致
は、計算の中には含まれていないホール注入促進層41
5中の分散に起因する。
【0051】
【表2】
【0052】図8は、OLED402を通って電圧
G 、OLED404を通ってVR を異なった組合せで
印加しながら、SOLED400の平面に対し垂直な方
向にSOLED400の底部から出た光を測定すること
により得られた、二色調整スペクトルを示している。プ
ロット810は、(VG ,VR)=(7.5V,0V)の
場合のスペクトルを示す。プロット820は、(VG
R)=(7.5V,10V)の場合のスペクトルを示
す。プロット830は、(VG ,VR)=(7V,11
V)の場合のスペクトルを示す。プロット840は、
(VG ,VR)=(0V,11V)の場合のスペクトルを
示す。図8のプロットに基づいて、国際照明委員会(C
IE)色度座標(0.30,0.56)及び(0.7
1,0.29)を、夫々OLED402及び404の発
光について計算した。別個の緑色発光OLEDについて
のCIE色度座標(0.29,0.56)及び別個の赤
色発光OLEDについてのCIE色度座標(0.71,
0.29)を、これらのOLEDから取られた同様な測
定値に基づいて計算した。これらの結果は、底部OLE
D402及び頂部OLED404の発光の色度座標は、
別個の緑色及び赤色発光OLEDのものに夫々ほぼ一致
していることを示している。
【0053】同様な計算を、SOLED400の平面に
垂直な方向から60°の方向でSOLED400の底部
から測定した二色調整スペクトルに基づいて行なった。
OLED402及び404の発光について、夫々CIE
色度座標(0.29,0.56)及び(0.72,0.
28)が計算され、発光した色の視角依存性は無視でき
ることを示していた。
【0054】Mg:Ag層430a及び450aの厚さ
を減少させることにより、SOLED400を更に改良
することができると予想される。そのような厚さの減少
は、透明性を増大しながら、内部反射、微小空洞効果、
及び認識される色の視角依存性を減少させるものと考え
られる。
【0055】10以上のSOLED400を製造し、収
率は100%であった。ITOスパッタリングに2度か
けた装置のこの大きな収率は、スパッターしたITO電
極が、高コントラスト、高解像力多色表示器で用いるの
に適していることを示している。SOLED400のよ
うに、そのような電極を組み込んだ半透明SOLEDは
そのような表示器のピクセルとして用いるのにも適して
いると考えられる。
【0056】当業者は、ここに記載し、例示した本発明
の態様に対し種々の修正を認めることができるであろ
う。そのような修正は特許請求の範囲の本質及び範囲の
中に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法による二重ヘテロ構造OLEDを示す。
【図2】従来法による単一ヘテロ構造OLEDを示す。
【図3】従来法による単一層OLEDを示す。
【図4】本発明のSOLEDの一態様を示す。
【図5】本発明の態様の、順方向バイアスの電流密度対
電圧(J−V)特性を示す。
【図6】本発明の態様の、ルミネッセンス対電流密度
(L−J)特性を示す。
【図7】本発明の態様の発光スペクトルを示す。
【図8】本発明の態様の二色調整スペクトルを示す。
【符号の説明】
110 アノード 120 ホール輸送層 130 発光層 140 電子輸送層 150 カソード 210 アノード 220 ホール輸送層 230 発光層 240 カソード 310 アノード 320 発光層 330 カソード 402 OLED 404 OLED 405 ガラス層 410 ITO層 415 ホール注入促進層 420 ホール輸送層 425 発光層 430a Mg:Ag層 430b ITO層 435 ホール注入促進層 440 ホール輸送層 445 発光層 447 電子輸送層 450a Mg:Ag層 450b ITO層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/10 H05B 33/10 33/14 33/14 A // C09K 11/06 630 C09K 11/06 630 (72)発明者 ゴン,グー アメリカ合衆国 ニュージャージー州プリ ンストン,イー.キング ストリート 224

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.インジウム錫酸化物の層を付着し、 b.前記インジウム錫酸化物層付着工程中、インジウム
    錫酸化物層の表面中に調節した量の付加的酸素を導入
    し、 c.前記表面の上に有機層を付着する、 諸工程からなる有機発光装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 インジウム錫酸化物層が、有機層へホー
    ルを注入するために用いられるアノードである、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 インジウム錫酸化物層をスパッタリング
    により付着し、付加的酸素を前記スパッタリングの一部
    分中でスパッタリング流中に或る濃度の酸素ガスを配合
    することにより導入する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 付加的酸素を、インジウム錫酸化物層を
    付着する工程の一部分中で酸素に富むターゲットを用い
    ることにより導入する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 付加的酸素を、インジウム錫酸化物層を
    付着する工程の一部分中で酸素に富む化合物を付着する
    ことにより導入する、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 インジウム錫酸化物層を、化学蒸着によ
    り付着する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 インジウム錫酸化物層をスプレー熱分解
    により付着する、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 表面がインジウム錫酸化物層中へ約60
    Å伸びている、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 インジウム錫酸化物層の表面中へ調節し
    た量の付加的酸素を導入する工程の後で、有機層を付着
    する工程の前に、ホール注入促進層を付着する工程を更
    に含む、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 インジウム錫酸化物層を付着する工程
    の前に、金属層を付着する工程を更に含む、請求項1記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 金属層がMg及びAgからなる、請求
    項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 有機層が二重ヘテロ構造有機発光装置
    のホール輸送層である、請求項2記載の方法。
  13. 【請求項13】 有機層が単一ヘテロ構造有機発光装置
    のホール輸送層である、請求項2記載の方法。
  14. 【請求項14】 有機層が有機発光装置の発光層であ
    る、請求項2記載の方法。
  15. 【請求項15】 有機層がホール注入促進層である、請
    求項2記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の方法により製造され
    た電極を有する消費者製品。
  17. 【請求項17】 インジウム錫酸化物から作られたアノ
    ードであって、そのアノード製造中に付加的酸素が導入
    された表面を有するアノード、 カソード、及び前記アノードとカソードとの間に配置さ
    れ、前記アノードの表面と直接接触している有機層、か
    らなる有機発光装置。
  18. 【請求項18】 インジウム錫酸化物層をスパッタリン
    グにより付着し、付加的酸素を前記スパッタリングの一
    部分中でスパッタリング流中に或る濃度の酸素ガスを配
    合することにより導入する、請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】 付加的酸素を、インジウム錫酸化物層
    を付着する工程の一部分中で酸素に富むターゲットを用
    いることにより導入する、請求項17記載の装置。
  20. 【請求項20】 付加的酸素を、インジウム錫酸化物の
    層を付着する工程の一部分中で酸素に富む化合物を付着
    することにより導入する、請求項17記載の装置。
  21. 【請求項21】 化学蒸着によりインジウム錫酸化物層
    を付着する、請求項17記載の装置。
  22. 【請求項22】 スプレー熱分解によりインジウム錫酸
    化物層を付着する、請求項17記載の装置。
  23. 【請求項23】 表面がインジウム錫酸化物層中へ約6
    0Å伸びている、請求項17記載の装置。
  24. 【請求項24】 インジウム錫酸化物層の表面中へ調節
    した量の付加的酸素を導入する工程の後で、有機層を付
    着する工程の前に、ホール注入促進層を付着する工程を
    更に含む、請求項17記載の装置。
  25. 【請求項25】 インジウム錫酸化物層を付着する工程
    の前に、金属層を付着する工程を更に含む、請求項17
    記載の装置。
  26. 【請求項26】 金属層がMg及びAgからなる、請求
    項25記載の装置。
  27. 【請求項27】 有機層が二重ヘテロ構造有機発光装置
    のホール輸送層である、請求項17記載の装置。
  28. 【請求項28】 有機層が単一ヘテロ構造有機発光装置
    のホール輸送層である、請求項17記載の装置。
  29. 【請求項29】 有機層が有機発光装置の発光層であ
    る、請求項17記載の装置。
  30. 【請求項30】 有機層がホール注入促進層である請求
    項17記載の装置。
  31. 【請求項31】 請求項17に記載の装置を有する消費
    者製品。
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