JP2000089508A - トナー及びその製造方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法

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JP2000089508A
JP2000089508A JP26272498A JP26272498A JP2000089508A JP 2000089508 A JP2000089508 A JP 2000089508A JP 26272498 A JP26272498 A JP 26272498A JP 26272498 A JP26272498 A JP 26272498A JP 2000089508 A JP2000089508 A JP 2000089508A
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acrylic
resin
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Keiji Kawamoto
恵司 河本
Manabu Ono
学 大野
Akira Hashimoto
昭 橋本
Tomohito Handa
智史 半田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用環境の違いによる帯電性の変化が小さ
く、しかも転写効率、定着性に代表される電子写真特性
が良好なトナーを提供するものである。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する
トナーにおいて、 該結着樹脂が、少なくともアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルを有する単量体混合物を重合せしめ
ることにより得られるアクリル系又はメタクリル系樹脂
を結着樹脂の重量基準で1〜100重量%有しており、 該アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの少
なくとも一つが環状構造を有し、 該アクリル系又はメタクリル系樹脂のGPCによるポ
リスチレン換算分子量3000以下の成分の含有量が1
0重量%以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真,静電印
刷,磁気記録の如き画像形成方法において、静電荷潜像
を顕像化するためのトナー又はトナージェット方式の画
像形成方法におけるトナー像を形成するためのトナー、
及び該トナーの製造方法に関するものである。特に、画
像の環境依存性が極めて低く、転写効率などに代表され
る電子写真特性や画像品質が安定的に優れるトナー及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術において、画像品質が使用
環境に依存する原因となっているのは、トナーや現像剤
の帯電電荷が空気中の湿度の影響を受けて変化すること
である。この変化は空気中の水分がトナーや現像剤中に
存在する結着樹脂内の極性基などに吸着し、その点の抵
抗値が下がり電荷が放電されてしまうことに起因してい
る。そのため、電子写真に使用されるトナーや現像剤に
は荷電制御剤が使用され、均一に電荷を発生させ、かつ
保持させる機能を付与しているのが実状である。
【0003】荷電制御剤としては、従来より新規な荷電
制御剤や荷電制御樹脂などが提案されている。例えば、
負電荷用の荷電制御剤としては特開平6−214427
号公報において含フッ素化合物が、正電荷用の荷電制御
剤としては特公平8−12486号公報においてイミダ
ゾリウム塩骨格が提案されている。もちろん、こうした
化合物によりトナー・現像剤の帯電性を従来同様に付与
することは可能であるが、ここ数年来、電子写真画像に
対して求められている高精細や高解像度を達成するため
には、これら荷電制御剤からのアプローチだけでなく、
その他の構成成分など異なる角度からも検討することに
より、さらに高いレベルの電子写真画像を創出すること
が可能となる。
【0004】また、環状構造を含有する単量体を用いて
樹脂の特性を調整している例として、最近では、特開平
6−75421号公報にてイソボルニル基含有単量体と
ビニルエーテル系単量体との共重合体からなる成分をブ
ロックAとするABA型ブロック共重合体が提案されて
いる。また、特開昭61−11755号公報、特開昭6
2−119551号公報においては耐塩ビ移行性を向上
させることが、特開昭63−249154号公報、特開
昭63−278067号公報、特開昭63−27926
2号公報、特開平1−116561号公報、特開平1−
237559号公報においては定着性や耐オフセット性
を向上させることが提案されているが、いずれも、画像
の定着性を向上させ非オフセット領域を拡大させる目的
や得られた画像の移行性を低下させる目的で行われてお
り、画像品質を向上させる目的で提案されているもので
はない。
【0005】前述のように、画像品質を向上させるため
に、スチレン/アクリル系結着樹脂を用いた現像剤、ト
ナーにおいて構成成分の単量体にまで踏み込んだ検討は
行われていないのが、実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、使用
環境の違いによる帯電性の変化が小さく、しかも転写効
率、定着性に代表される電子写真特性が良好なトナー、
および該トナーの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、以下のトナーにより前述の課題を解決する
ことができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも結着樹脂
と着色剤を含有するトナーにおいて、 該結着樹脂が、少なくともアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルを有する単量体混合物を重合せしめ
ることにより得られるアクリル系又はメタクリル系樹脂
を結着樹脂の重量基準で1〜100重量%有しており、 該アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの少
なくとも一つが環状構造を有し、 該アクリル系又はメタクリル系樹脂のGPCによるポ
リスチレン換算分子量3000以下の成分の含有量が1
0重量%以下であることを特徴とするトナーに関する。
【0009】また、本発明は、少なくとも結着樹脂と着
色剤を含有するトナーの製造方法において、 A.着色剤を下記一般式(II)、及び/又は、一般式
(III)に示される少なくとも一つ以上の化合物と共
に重合性単量体中に分散させて、単量体組成物を調製す
る工程、及び B.該単量体組成物を重合せしめて、トナー粒子を調製
する工程を少なくとも有しており、得られたトナーは、
該結着樹脂が、重合性二重結合を含有する単量体を重
合せしめることにより得られるアクリル又はメタクリル
系樹脂を結着樹脂の重量基準で1〜100重量%有して
おり、該単量体の少なくとも一つが環状構造を有し、
該アクリル又はメタクリル系樹脂のGPCによるポリ
スチレン換算分子量3000以下の成分の含有量が10
重量%以下であることを特徴とするトナーの製造方法に
関する。
【0010】
【化8】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなるグ
ループから選択されるメンバーを表示し、X1とX2は同
じ又は異なっており、mおよびm’は1〜3の整数を表
示し、R1およびR3は水素原子、C1〜C18のアルキル
基、C2〜C18のアルケニル基、スルホンアミド基、メ
シル基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロ
キシ基、C1〜C18のアルコキシ基、アセチルアミノ
基、ベンゾイルアミノ基及びハロゲン原子からなるグル
ープから選択されるメンバーを表示し、R1とR3は同じ
又は異なっており、nおよびn’は1〜3の整数を表示
し、R2およびR4は水素原子またはニトロ基を表示し、
+はアンモニウムイオン、水素イオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン及びそれらの混合イオンからなる
グループから選択されるカチオンイオンを示す。]
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のトナーは、使用される樹
脂が重合性二重結合を含有する単量体を重合せしめるこ
とにより得られるアクリル系又はメタクリル系樹脂であ
り、使用される重合性単量体の構造とアクリル系又はメ
タクリル系樹脂の分子量分布にその特徴を有する。な
お、以下の説明においては、主に便宜上、「アクリル系
又はメタクリル系樹脂」を「アクリル系樹脂」で代表さ
せて説明する。
【0014】一般に、電子写真技術において画像品質が
使用環境によって低下する場合があり、その際の原因と
しては、トナーや現像剤の帯電電荷が空気中の湿度の影
響を受けて変化することが挙げられる。この変化は、空
気中の水分がトナーや現像剤中に存在する結着樹脂内の
極性基などに吸着し、その点の抵抗値が下がり電荷が放
電されてしまうことに起因している。こうした現象は、
樹脂の極性を適度に低下させることにより、回避するこ
とが可能である。通常樹脂の極性を低下させるためには
炭素数を増やすことが、その達成手段としてとられる
が、炭素数を増やすことにより樹脂のガラス転移温度が
低下してしまう傾向がある。しかし、本発明のように、
環状構造を有する単量体を構成成分としてなる樹脂を必
須成分として含有すれば、ガラス転移温度を低下させる
ことなく、樹脂の極性を低下させることが可能となる。
そのため、本発明のトナーは好適である。
【0015】ここで、前述の極性について以下に説明す
る。
【0016】結着樹脂の分子は、複数の種類の原子から
構成されており、その構成原子は固有の電気陰性度を有
しており、原子によってその値は大きく異なる。この電
気陰性度の差により分子内では電子が局在化する。この
ときの局在化は、構成される原子の種類、数、結合様式
によって状態が変化し、分子の極性が変化する。
【0017】例えば、カルボニル基などでは炭素原子上
の電子がやや欠乏(δ+)し、酸素原子上の電子はやや
過剰(δ-)である。このように分極した官能基が多数
あれば、分子の極性が大きくなり、少なければ小さくな
る。また、一般的に炭化水素からなる官能基は極性が低
い。
【0018】以下、その理由をさらに詳細に説明する。
【0019】本発明に用いられる環状構造を含有する重
合性単量体は、一般にその環状構造に起因して、ホモポ
リマーのガラス転移温度が高くなる傾向にあり、また、
極性基を有しないため、極性が低くなる傾向にある。こ
うした単量体を用いた樹脂をトナーに使用すると、トナ
ーにも同様の性質を付与することが可能である。
【0020】一方、トナーが使用及び貯蔵される温度域
にはある程度の幅が必要であり、そのためトナーに使用
される樹脂は、想定される使用温度以上のガラス転移温
度に設定される必要がある。アクリル系樹脂においてガ
ラス転移温度は、Bull.Amer.Physics
Soc.,1,3,p.123(1956)に記載さ
れている次のFoxの式により計算されることが知られ
ている。
【0021】Foxの式:1/Tg=Σ(Mi/Tgi) Mi :多成分系の各単量体の重量分率(ΣMi=1) Tgi:多成分系の各単量体のホモポリマーのガラス転
移温度(K) Tg :共重合体のガラス転移温度(K)
【0022】この関係より共重合体である樹脂のガラス
転移温度を上げる方向に寄与する単量体は、ホモポリマ
ーのガラス転移温度が高いものであることは明らかであ
る。そうした骨格としては、同一の炭素数から構成され
る単量体においては、環状構造が有利である。その理由
として、炭素数6及び12の場合を例としてみると、ア
クリル酸n−ヘキシルのガラス転移温度が216Kに対
しアクリル酸シクロヘキシルのガラス転移温度が292
K、アクリル酸ドデシルが270Kに対しアクリル酸シ
クロドデシルが292Kとなり、同様にメタクリル酸エ
ステルではn−ヘキシルが268Kでシクロヘキシルが
356Kであることが、PolymerHandboo
k Third Edition(Wiley Int
erscience,1989)に記載されていること
を見ても明らかである。
【0023】以上のようにトナーに使用されるアクリル
系樹脂を構成する単量体に環状構造を含有する単量体を
使用することにより、樹脂のガラス転移温度を低下させ
ることなく極性を低下させることが可能である。その結
果として、得られるトナーは静電特性が極めて向上し、
しかも、環境依存性が通常よりも格段に向上するもので
ある。
【0024】しかし、このように規定されるアクリル系
樹脂を実際に電子写真のプロセスに供すると、前述の内
容だけでは環境依存性を示す場合がある。その理由とし
て、トナーに使用されている樹脂中に含まれるオリゴマ
ー成分量が挙げられる。このオリゴマー成分量が多くな
ると、それによりトナー内の抵抗値が局部的に下がり、
結果的に帯電性が低下するものと考えられる。こうした
現象は、アクリル系樹脂のGPCによるポリスチレン換
算分子量3000以下の成分が10重量%を超えると顕
著になるため、本発明において該アクリル系樹脂のGP
Cによるポリスチレン換算分子量3000以下の成分を
10重量%と規定している。
【0025】さらに、トナーに使用される樹脂中に該ア
クリル系樹脂が占める割合は、該アクリル系樹脂がトナ
ーの表面を完全に被覆するために必要な最低量である結
着樹脂の1.0重量%以上であれば何ら差し支えない。
【0026】前記のように規定される単量体が樹脂中に
使用される量は、例えば高ガラス転移温度のイソボルニ
ル構造を含有するモノマーであれば1重量%でも十分に
その効果が発現され、また、ややガラス転移温度の低い
アクリル酸シクロヘキシルなどを併用すれば100重量
%であっても何ら差し支えない。
【0027】また、環状構造としては、脂環式、芳香環
が挙げられ、前者の場合においてはシクロヘキシル基、
シクロドデシル基、アダマンチル基、イソボルニル基が
好適に挙げられる。その理由としては、低極性であり、
かつ、ガラス転移温度が相対的に高いことに起因して、
電子写真プロセスにより得られる画像の品質が高く、し
かも画像品質の環境依存性が極めて低いことが挙げられ
る。具体的には、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸シクロドデシル、アクリル酸アダマンチル、アクリル
酸イソボルニル、メタクリル酸シクロドデシル、メタク
リル酸アダマンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。後者の場合
には、一般式(I)の構造が好適である。
【0028】
【化11】 (式中のR1,R2,R3は、水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基、あるいは炭素数1〜18までのアラルキル基
のいずれかであり、S1,S2,S3は、水素原子、ハロ
ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アル
キルオキシ基、あるいは炭素数1〜18までのアラルキ
ル基のいずれかであり、S1とS2は互いに結合して環状
構造をとっていてもよく、その環状構造は、脂環式、芳
香環、ヘテロ原子を介する複素環であってもよい。ま
た、X1,X2は、水素原子、ハロゲン原子のいずれかで
あり、nは、0〜18までの整数を表す。)
【0029】その理由としては、このような構造を有す
ると芳香族の共鳴構造によりトナーの帯電性が向上し、
なおかつ低極性、かつ高ガラス転移温度であることが挙
げられる。具体的には、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸フェニルなどが挙げられる。
【0030】該アクリル系樹脂の分子量は、主たるバイ
ンダー成分のメインピーク分子量において4000以上
50000以下が好ましい。その理由としては、400
0未満の際は、低分子量成分の影響で転写プロセスにお
いて不具合が生じ、得られる画像にカブリなどが発生し
てしまうため好ましくなく、50000を超えると画像
の定着が不十分になってしまい好ましくないことが挙げ
られる。その中でも、5000以上30000以下の分
子量範囲において良好な画像が得られるため、特に好ま
しい。
【0031】本発明において、トナー中の樹脂の分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)における分子量分布からポリスチレン換算分子量と
して求めた。GPCの測定方法としては、以下のとおり
である。
【0032】まず、サンプルの調製として、トナーをソ
ックスレー抽出器にてトルエン還流下にて10時間還流
させた後に、ロータリーエバポレーターでトルエンを留
去し、残留物をテトラヒドロフラン(THF)に、試験
中の樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように溶解
し、その溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブラ
ンフィルターでろ過する。
【0033】次に、40℃のヒートチャンバー中でカラ
ムを安定化させ、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラ
ン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約1
00μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっ
ては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散のポリ
スチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカ
ウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポ
リスチレン試料は、少なくとも10点程度の標準ポリス
チレン試料を用いることが好ましいため、10個の標準
サンプルを用いて検量線を作成した。また、検出器は、
RI(屈折率)検出器とUV(紫外線)検出器とを直列
に配列し用いた。なおカラムとしては、市販のポリスチ
レンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、本発
明では、昭和電工社製のshodex GPC KF−
801,802,803,804,805,806,8
07,800Pの組み合わせにて測定した。
【0034】同様にトナー中に含有されるゲル分は、精
秤した1gのトナーをソックスレー抽出装置内の円筒ろ
紙中に入れ、THFを6時間還流させた後の円筒ろ紙中
残分から算出した。
【0035】
【数1】
【0036】該アクリル系樹脂のガラス転移温度は、4
0℃以上150℃以下が好ましい。40℃未満である
と、得られるトナーの耐ブロッキング性が夏場には使用
に耐えない程度にまで低下し、150℃を超えると良好
な定着性を得ることができず、オフセットなどを発生す
る傾向が明らかに高くなるためである。この範囲の中で
も、45℃以上80℃以下の場合において、耐ブロッキ
ング性と定着性のバランスが良好であり、より好まし
い。
【0037】本発明においてバインダー樹脂およびトナ
ーのガラス転移点の測定は、DSC−7(パーキンエル
マー社製)を用いて、温度速度10℃/minでAST
M(D3418−82)の温度設定パターンに準じて行
った。
【0038】ガラス転移温度は、2度目の昇温時のDS
Cカーブより、図1に示すように吸熱ピーク前の基線と
吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり曲線での交点
をもってしてガラス転移温度とした。
【0039】本発明のトナーは、前記の環状構造含有の
単量体を必須成分として使用することで高品質の電子写
真画像を得ることができるが、その形状が以下の条件を
満足するときに転写効率が向上するなど、さらに高品質
の画像を得ることができる。 (1)本発明のトナーを画像解析装置で測定した形状係
数SF−1の値が100〜160、好ましくは100〜
140である。 (2)同様にして得られる形状係数SF−2の値が10
0〜140、好ましくは100〜120である。 (3)(SF−2)/(SF−1)の値が1.0以下で
ある。
【0040】トナーが画像となるには、必要な電荷を帯
び、潜像を顕像化し、次に被転写体に移行し、最後に定
着される4つのプロセスを経るが、定着を除くいずれの
プロセスにおいてもトナー粒子の電荷が関与しており、
それが画像の品質に大きな影響を与える。即ち、トナー
粒子の電荷が均一に、かつ、安定であれば、得られる電
子写真の画像品質が極めて向上するものである。その際
のトナー粒子の形状が、前記の形状係数にて定義され
る。
【0041】本発明にて規定されている形状係数SF−
1、SF−2を以下に説明する。
【0042】走査型電子顕微鏡にて倍率500倍に拡大
したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その
画像情報をインターフェースを介し解析し、下式より算
出したものである。
【0043】
【数2】 [式中、MXLNGはトナー粒子の絶対最大長を示し、
AREAはトナー粒子の投影面積を示す。]
【0044】
【数3】 [式中、PERIMEは、トナー粒子の周長を示し、A
REAはトナー粒子の投影面積を示す。]
【0045】これら形状係数のうちSF−1はトナー粒
子の丸さの度合いを示し、形状係数SF−2はトナー粒
子の凹凸の度合いを示している。
【0046】本発明において使用した走査型電子顕微鏡
は、日立製作所製FE−SEM(S−800)、使用し
た画像解析装置は、ニコレ社製Luzex IIIであ
る。
【0047】通常、SF−1やSF−2が小さくなった
場合、クリーニング不良が発生しやすくなったり、ま
た、長期間使用した際に外添剤がトナー表面に埋没しや
すくなったり、結果的に画質の低下を招くため、好まし
くないものである。前記SF−1は160を超える場
合、トナーの形状が不定形となるため、トナーの帯電分
布がブロードになり、かつ、現像器内部でトナー表面が
磨砕されやすくなるため、画像濃度低下や画像カブリの
一因となる。このSF−1は、140以下であれば、よ
り好ましい。また、トナー像の転写効率を高めるために
は、前記SF−2の値が100〜140であることが好
ましく、100〜120であればさらに好ましい。
【0048】トナーの転写効率を高めるためには、トナ
ー粒子の表面が滑らかであることが有利であり、本発明
において(SF−2)/(SF−1)の値が1.0以下
のときに転写効率が高いことから、前述の範囲に規定し
ている。
【0049】また、本発明のトナーにおいて、該アクリ
ル系樹脂に必須の環状構造を含有する重合性単量体と
の、共単量体としては、スチレン;o(m−,p−)−
メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレンに代表さ
れるスチレン系単量体;アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オ
クチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
アミド、メタクリルアミド等のような二重結合を有する
モノカルボン酸もしくはその誘導体;例えば、マレイン
酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸
ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸及び
その置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香
酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフ
ィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシル
ケトン等のようなビニルケトン類;例えば、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル等のようなビニルエーテル類;例えば、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のような単量体等の
ビニル単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセ
ン等のようなオレフィン系単量体が単独もしくは組み合
わせて用いられる。また、ゲル成分を導入するために架
橋剤を使用することも可能である。その場合には、主と
して、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が
用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサメタクリレート等のような二重結合を2個以上有
するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニル
エーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等の
ジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合
物;が単独もしくは混合物として用いられる。
【0050】また、本発明のトナーに用いられる該アク
リル系樹脂以外の樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−
p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン
及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチ
レン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、ス
チレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−メチルビニルエーテル共重合体、スチレン−エチ
ルビニルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケ
トン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル
−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化
ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、
テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が使
用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい
樹脂として挙げられる。
【0051】本発明において、トナーの帯電性をコント
ロールする目的で使用される荷電制御剤としては、公知
のものが使用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一
定の帯電量を安定して維持できるものが好ましい。その
中でも、トナー粒子を直接重合法にて製造する場合に
は、重合阻害性がなく水系分散媒への溶解性がないもの
が好ましい。そうした化合物の具体例として、ネガ型荷
電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン
酸のような芳香族カルボン酸の金属化合物;アゾ染料系
金属錯体;スルホン酸、またはカルボン酸基を側鎖にも
つ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素
化合物;カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷
電制御剤として、四級アンモニウム塩;該四級アンモニ
ウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合
物:イミダゾール化合物等が挙げられる。
【0052】本発明においては、上記の荷電制御剤のう
ち下記一般式(II)、および/又は、一般式(II
I)に示される化合物がより好ましい。
【0053】
【化12】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなるグ
ループから選択されるメンバーを表示し、X1とX2は同
じ又は異なっており、mおよびm’は1〜3の整数を表
示し、R1およびR3は水素原子、C1〜C18のアルキル
基、C2〜C18のアルケニル基、スルホンアミド基、メ
シル基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロ
キシ基、C1〜C18のアルコキシ基、アセチルアミノ
基、ベンゾイルアミノ基及びハロゲン原子からなるグル
ープから選択されるメンバーを表示し、R1とR3は同じ
又は異なっており、nおよびn’は1〜3の整数を表示
し、R2およびR4は水素原子またはニトロ基を表示し、
+はアンモニウムイオン、水素イオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン及びそれらの混合イオンからなる
グループから選択されるカチオンイオンを示す。]
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】前記荷電制御剤の代表的な具体例として
は、次のような化合物が挙げられる。
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】このような荷電制御剤は樹脂100重量部
に対して0.5〜10重量部使用することが好ましい。
その理由としては、0.5重量部未満だと各種の環境下
においてトナーに対し十分な帯電性を付与することがで
きないし、10重量部を超えるとトナーの帯電性が高す
ぎてコントロールできないため、例えば、転写効率が極
端に低下してしまうような不具合が発生したりすること
が挙げられる。
【0062】本発明において熱ロール定着時の離型性を
向上させる目的で、トナー中に炭化水素系化合物、高級
脂肪酸、高級アルコール、およびそれらの誘導体など離
型剤として用いられているワックス類を配合することが
好ましい。そのようなワックス類として具体的には、パ
ラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリ
ンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワ
ックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びそ
の誘導体、カルナバワックス及びその誘導体、アルコー
ル、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ
油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、
鉱物系ワックス、ペトロラクタム等が挙げられ、誘導体
には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合
物、グラフト変性物が含まれる。
【0063】これら離型剤は、単独で、あるいは2種以
上を併用しても何ら差し支えない。
【0064】本発明においては、外殻内に低軟化点物質
を内包化せしめるためにさらに極性樹脂を添加せしめる
ことが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂とし
ては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレ
イン酸共重合体、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂又はエポキシ樹脂な
どが好ましく用いられる。
【0065】本発明に用いられる着色剤は、従来より知
られている無機・有機の染料・顔料が使用可能であり、
以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン
着色剤が挙げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック
・アニリンブラック、アセチレンブラック、磁性体、焼
成顔料又は以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤
/シアン着色剤を混合して黒色調色されたものが利用さ
れる。
【0066】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、
アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に挙げられる。
【0067】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、26、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0068】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
利用できる。
【0069】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相、
彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー粒子への分
散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂成
分100重量部に対し1〜20重量部使用するのが好ま
しい。
【0070】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40
〜150重量部使用するのが好ましい。
【0071】本発明のトナーを製造する方法としては、
樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御
剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分
散機を用い均一に分散せしめた後、機械的又はジェット
気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微
粉砕化せしめた後(必要により、トナー粒子の平滑化及
び球形化の工程を付加)、さらに分級工程を経て粒度分
布をシャープにせしめトナーにする粉砕方法によるトナ
ーの製造方法の他に、特公昭56−13945号公報等
に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を
空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−
10231号公報、特開昭59−53856号公報、特
開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合
方法を用い直接トナーを生成する方法や、単量体には可
溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接ト
ナーを生成する分散重合方法、又は水溶性極性重合開始
剤存在下で直接トナーを生成するソープフリー重合法に
代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造すること
が可能である。
【0072】粉砕法を用いトナーを製造する方法におい
ては、ルーゼックスで測定したトナーの球形係数である
SF−1やSF−2を所望の範囲に収めることが困難で
あり、溶融スプレー法においては、SF−1値を100
〜160に収めることができても、得られたトナーの粒
度分布が広くなりやすい。他方、分散重合法において
は、得られるトナーは極めてシャープな粒度分布を示す
が、使用する材料の選択が狭いことや有機溶剤の使用に
起因して廃溶剤の処理や溶剤の引火性に関する観点から
製造放置が複雑で煩雑化しやすい。ソープフリー重合に
代表される乳化重合方法は、トナーの粒度分布が比較的
揃うため有効であるが、使用した乳化剤や重合開始剤末
端がトナー粒子表面に存在し、特に環境特性を悪化させ
ることがある。
【0073】本発明においてはトナーの形状係数SF−
1値を100〜160にコントロールでき、比較的容易
に粒度分布がシャープで4〜8μm粒径の微粒子トナー
が得られる常圧下、又は、加圧下での乳化重合法又は懸
濁重合法を用い、予め得られた重合体にメディアを用い
定型化したり、直接加圧衝突板に重合体を衝突せしめる
方法や、さらには得られた重合体を水系中にて凍結せし
めたり、塩析や反対表面電荷を有する粒子をpH等の条
件を考慮することで合体し、凝集、合一せしめる凝集法
が特に好ましい。さらに、一旦得られた重合粒子にさら
に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せし
めるシード重合方法も本発明に好適に利用することがで
きる。
【0074】本発明のトナーの製造方法として、好適な
重合法の中でも、トナーとして必要な粒径を最も安定
に、且つ、均一に製造できる懸濁重合方法や、単量体に
は可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直
接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開
始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー
重合法に代表される乳化重合方法等が特に好適であり、
しかもそれらをラジカル重合法にて重合することが、さ
らに好適である。
【0075】本発明のトナーは、前述の荷電制御剤の存
在下、本発明の製造方法で製造されることにより、極め
て電子写真特性に優れたものとなり、高濃度かつ高解像
の画像を得ることができる。
【0076】本発明のトナーの製造方法においては、ト
ナー粒子の粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無
機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を
変える方法や機械的装置条件(例えばローターの周速、
パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状)又
は、水溶液中での固形濃度等を制御することにより所定
のトナー粒子を得ることもできる。
【0077】さらにトナーを製造する際に用いられる重
合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス
イソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイ
ルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジ
イソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペ
ルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始
剤が用いられる。
【0078】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合
度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜2
0重量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方
法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単
独又は混合し利用される。
【0079】重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖
移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能で
ある。
【0080】本発明に係るトナー製造方法として懸濁重
合を利用する場合には、用いる分散剤として例えば無機
系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシ
ウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウ
ム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグ
ネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウ
ム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シ
リカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。
有機系化合物としは例えばポリビニルアルコール,ゼラ
チン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセ
ルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロ
ースのナトリウム塩,デンプン等が水相に分散させて使
用される。これら分散剤は、重合性単量体100重量部
に対して0.2〜10.0重量部使用することが好まし
い。
【0081】分散安定剤として、無機化合物を用いる場
合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子
を得るために分散媒体中にて該無機化合物の微粒子を生
成しても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高
速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カル
シウム水溶液を混合すると良い。
【0082】これら分散安定剤の微細な分散のために、
0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良
い。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するため
のものであり、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウ
ム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナ
トリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、
オレイン酸カリウム等が挙げられる。
【0083】また、本発明の製造法における着色剤を分
散した単量体組成物を得る段階において、前述の荷電制
御剤は着色剤を重合性単量体中に分散させ、着色剤を効
率良く分散せしめるために必要不可欠な成分である。な
ぜなら、これらの荷電制御剤が分散時に存在しないとき
には単量体組成物のチキソトロピー性が極端に増大し均
一な分散物を得ることができず、存在下では均一な分散
物を得ることができるからである。
【0084】また、帯電特性が良好で、しかも均一な本
発明のトナーを製造する上で、荷電制御剤の存在量に分
布ができてしまうと好ましくない。荷電制御剤と着色剤
とを分散することにより、そのような現象を防止するこ
とが可能となるが、分散当初から分散装置に荷電制御剤
と着色剤を投入すると内部で不均一になり存在量分布が
できたりしやすいため、予めプレ分散を行うことが大変
効果的である。その際の条件として、使用する装置にも
因るが、一般的に1.5m/秒未満の周速ではプレ分散
に時間がかかりすぎるため、12m/秒を超えるとプレ
分散時に空気を内包し、分散時応力が低くなり効率が低
下するため好ましくない。そのため、プレ分散時の撹拌
機の周速は1.5m/秒以上12m/秒以下の範囲が好
適である。さらに、プレ分散時間は10分未満だとプレ
分散の効果が得られず分散工程に投入するプレ分散の終
了した組成物中の着色剤と荷電制御剤の濃度に分布を生
じ、60分を超えてもプレ分散の効果は変わらないので
好ましくない。そのため、プレ分散時間は10分以上6
0分以下が好適である。
【0085】本発明のトナー製造方法としては、以下の
ような製造方法が好適である。
【0086】重合性単量体中に低軟化点物質からなる離
型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤
を加え、ホモジナイザー・超音波分散機等によって均一
に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を
含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホ
モジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体
組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有す
るように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は
分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒
子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温
度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定
して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良
く、更に、本発明の画像形成方法における耐久特性向上
の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去す
るために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を
留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗
浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法において
は、通常単量体系100重量部にたいして水300〜3
000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0087】また、反応時間は2時間未満だと重合性単
量体の所望の転化率とならず、25時間を超えると生産
性が低いため現実的ではない。
【0088】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0089】[トナーの製造例および比較製造例]本発
明のトナーの製造例ならびに比較製造例について述べ
る。
【0090】トナーの製造例1 高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)
を備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換
水650gと0.lmol/リットル−Na3PO4水溶
液500gを投入し、回転数を12000rpmに調整
し、70℃に加温せしめた。ここに、0.1mol/リ
ットル−CaCl2水溶液80gを添加し、微小な難水
溶性分散安定剤(リン酸カルシウム塩)を含む水系分散
媒体を調製した。
【0091】一方、分散質として ・スチレン 18重量部 ・メタクリル酸2−エチルヘキシル 43重量部 ・メタクリル酸シクロヘキシル 29重量部 ・メタクリル酸イソボルニル 10重量部 ・カーボンブラック(BET比表面積=50m2/g) 10重量部 ・ポリエステル樹脂 4重量部 (ピーク分子量=5500,Tg=60℃,高極性) ・ワックス(エステルワックス、mp=75℃) 7重量部 ・負荷電性制御剤(アゾ染料系鉄錯体:前記錯体(II)−1) 2重量部 上記混合物を、TKホモディスパー2.5型(特殊機化
工業社製)に撹拌羽根(直径40mm)を装備したもの
を用いて2.1±0.2m/秒の周速で20分間プレ分
散した後に、アトライター(三井金属社製)を用い3時
間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレトニトリル)10重量部を添加し重合性単量体組
成物を調製した。
【0092】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温70℃の窒素雰囲気下で、高速
撹拌機の回転数を12000rpmに維持しつつ、15
分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌機をプロペラ撹拌羽根に換え50rpmで撹拌
しながら同温度で10時間保持して重合を完了した。重
合終了後、懸濁液を冷却し、次いで、希塩酸を添加し分
散安定剤を除去せしめた。さらに水洗浄を数回繰り返し
た後、乾燥させ、重合体粒子(A)を得た。該重合体粒
子(A)は、重量平均径が6.7μm、個数分布におけ
る変動係数が28%であり、GPCによる分子量分布で
数平均分子量が2.0万を呈するものであった。
【0093】上記重合体粒子(A)100重量部と疎水
性シリカ微粉体(BET;200m2/g)2重量部を
ヘンシェルミキサーで乾式混合して本発明のトナー
(A)とした。
【0094】トナーの製造例2〜9 使用する単量体の組成、重合開始剤量、荷電制御剤の種
類及び使用するポリエステル樹脂の種類及び添加量を表
1に示すように変える以外は、前記のトナーの製造例1
と同様にして本発明のトナー(B)〜(J)を得た。
【0095】トナーの比較製造例1〜3 使用する単量体の組成、重合開始剤量、荷電制御剤の種
類及び使用するポリエステル樹脂の種類及び添加量を表
1に示すように変える以外は、前記のトナーの製造例1
と同様にして比較用のトナー(K)〜(M)を得た。
【0096】上記で得られた重合体粒子の諸性状を表2
にまとめる。
【0097】
【表1】
【0098】トナーの比較製造例4 トナーを製造する工程において、プレ分散を行わずに製
造する以外は製造例1と同様の内容で同じ操作を行っ
た。
【0099】上記で得られた重合体粒子の諸性状を表2
にまとめる。
【0100】
【表2】
【0101】[実施例1〜9、並びに、比較例1〜3]
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。本実
施例中では、市販のレーザービームプリンターLBP−
PX(キヤノン製)を非磁性一成分現像用に改造して用
いた。
【0102】画像形成装置の好ましい一具体例を図2を
参照しながら説明する。
【0103】本実施例では感光体上のネガ(負極性)潜
像をネガ(負極性)トナーを用いて現像する反転現像の
装置を例にして説明する。
【0104】図2は本発明に適用するレーザービームプ
リンターの断面の概略的説明図である。
【0105】OPC感光体ドラム10(直径24mm)
は、矢印の方向に回転し、帯電ロール11により暗部電
位(Vd)が−600Vになる様に均一に帯電される。
次に露光装置14により、画像部に露光が行われ、明部
電位(V1)が−150Vの静電潜像が形成される。感
光体ドラム10とトナー塗布ローラー16を有するトナ
ー担持体17上の現像剤層を非接触に間隙(300μ
m)を設定し、交流バイアス(f=1800Hz、Vp
p=1400V)、及び、直流バイアス(Vdc=−4
00V)とをバイアス印加手段Vによりトナー担持体1
7に印加しながら画像部をネガトナーで現像してトナー
像を感光体ドラム上に形成した。得られた該トナー像を
転写ロール19によって記録材上にトナーを転写し、感
光体表面上に残ったトナーをクリーナー13によりクリ
ーニングする。一方、感光体ドラム10から分離された
記録材Pは加熱定着装置Hにより記録材P上のトナー画
像を定着する為に加熱定着処理される。以上の工程を繰
り返して画像形成を行っている。この時、加熱定着装置
Hの、加熱体21の検温素子21dの表面温度は120
℃、加熱体21−加圧ローラー23間の総圧は6kg、
加圧ローラーとフィルムのニップは3mmとし、定着フ
ィルム22には、記録材との接触面にPTFEに導電性
物質を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ50μm
の耐熱性ポリイミドフィルムを使用した。
【0106】以上の設定条件で、常温常湿(25℃,6
0%RH)、高温高湿(30℃,80%RH)及び低温
低湿(15℃,10%RH)環境下、6枚(A4サイ
ズ)/分のプリントアウト速度で、本発明に係るトナ
ー、及び、比較用トナーを補給しながら連続して4,0
00枚にわたりプリントアウト試験を行い、得られた画
像を下記項目について評価した。また、トナーの粉体特
性および帯電特性についても併せて評価した。
【0107】〈1〉画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に6,000枚
プリントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。
尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社
製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリン
トアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0108】 A:優 (1.40以上) B:良 (1.35以上、1.40未満) C:可 (1.00以上、1.35未満) D:不可(1.00未満)
【0109】〈2〉ドット再現性 図3に示す模様をプリントアウトし、そのドット再現性
を評価した。
【0110】 A:非常に良好(欠損2個以下/100個) B:良好 (欠損3〜5個/100個) C:普通 (欠損6〜10個/100個) D:悪い (欠損11個以上/100個)
【0111】〈3〉画像カブリ 「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した
プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色
度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを
評価した。
【0112】 A:非常に良好(1.5%未満) B:良好 (1.5%以上、2.5%未満) C:普通 (2.5%以上、4.0%未満) D:悪い (4.0%以上)
【0113】以上の項目について評価した結果を表3に
まとめる。
【0114】
【表3】
【0115】〈4〉耐ブロッキング性評価 50mlのポリカップにトナー10gを入れ、50℃に
設定した熱風乾燥器中に1週間静置した後、取り出した
ポリカップをゆっくりと回転させた際の放置トナーの様
子を目視で評価した。 A:流動性が損なわれていない。 B:流動性が低下しているものの、カップの回転に従
い、徐々に流動性を回復する。 C:凝集物が見られるものの針で付けばほぐれる。 D:針で突いてもほぐれない程に粒状化、或いはケーキ
ング。
【0116】〈5〉摩擦帯電量 図4に本発明で使用した摩擦帯電量の測定装置を示す。
その詳細を以下説明する。
【0117】底部に500メッシュの導電性スクリーン
33のある金属製の測定容器32に、摩擦帯電量を測定
するトナーとキャリア粒子の混合物を入れ金属製の蓋3
4をする。このとき測定容器の全重量を秤りW1(g)
とする。次に吸引機31(測定容器32と接する部分は
少なくとも絶縁体)に置いて、吸引口37から吸引し、
風量調節弁36を調節して真空計35の圧力を250m
mHgとする。この状態で十分(約1分間)吸引を行い
トナーを吸引除去する。このときの電位計39の電位を
V(ボルト)とする。ここで38はコンデンサーであ
り、容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器
全体の重量を測定しW2(g)とする。この摩擦帯電量
Q(μC/g;nC/mg)は下記式で求めることがで
きる。
【0118】 Q(μC/g)=(C×V)×(W1−W2)-1
【0119】以上の項目について評価した結果を表4に
まとめる。
【0120】
【表4】
【0121】
【発明の効果】以上のように本発明のトナーは、電子写
真特性に優れ、高精細な画像を与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス転移点温度の求め方の説明図である。
【図2】本発明の実施例に用いた画像形成装置の概略的
説明図である。
【図3】トナーの現像特性をチェックする為のチェッカ
ー模様の説明図である。
【図4】本発明で使用した摩擦帯電量の測定装置であ
る。
【符号の説明】
10 静電潜像担持体(感光体ドラム) 11 帯電器(帯電ロール) 12 カートリッジ 13 クリーニング手段 14 露光手段 15 現像剤収納容器 16 トナー塗布ローラー 17 トナー担持体(現像スリーブ) 18 弾性層厚規制部材 19 転写手段(転写ロール) 20 ステー 22 定着フィルム 23 加圧ローラー 31 吸引機 32 測定容器 33 導電性スクリーン 34 蓋 35 真空計 36 風量調節弁 37 吸引口 38 コンデンサー 39 電位計
フロントページの続き (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 半田 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 AB06 CA04 CA16 CA22 CA25 CB18 DA02 EA03 EA06 EA07

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有する
    トナーにおいて、 該結着樹脂が、少なくともアクリル酸エステル又はメ
    タクリル酸エステルを有する単量体混合物を重合せしめ
    ることにより得られるアクリル系又はメタクリル系樹脂
    を結着樹脂の重量基準で1〜100重量%有しており、 該アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの少
    なくとも一つが環状構造を有し、 該アクリル系又はメタクリル系樹脂のGPCによるポ
    リスチレン換算分子量3000以下の成分の含有量が1
    0重量%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 前記環状構造を有する単量体の含有量
    が、該アクリル系又はメタクリル系樹脂中1〜100重
    量%であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 前記単量体中の環状構造が脂環式構造で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 前記脂環式構造がシクロヘキシル基、シ
    クロドデシル基、アダマンチル基、イソボルニル基から
    選ばれる少なくとも一つの構造であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 前記環状構造を有する単量体の構造が下
    記一般式(I)に示される単量体であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のトナー。 【化1】 (式中のR1,R2,R3は、水素原子、ハロゲン原子、
    シアノ基、あるいは炭素数1〜18までのアラルキル基
    のいずれかであり、S1,S2,S3は、水素原子、ハロ
    ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アル
    キルオキシ基、あるいは炭素数1〜18までのアラルキ
    ル基のいずれかであり、S1とS2は互いに結合して環状
    構造をとっていてもよく、その環状構造は、脂環式、芳
    香環、ヘテロ原子を介する複素環であってもよい。ま
    た、X1,X2は、水素原子、ハロゲン原子のいずれかで
    あり、nは、0〜18までの整数を表す。)
  6. 【請求項6】 GPCによって測定される前記アクリル
    又はメタクリル系樹脂のピーク分子量が4000〜50
    000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 GPCによって測定される前記アクリル
    又はメタクリル系樹脂のピーク分子量が5000〜30
    000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 示差走査熱量計によって検出される吸熱
    ピークから定義される前記アクリル又はメタクリル系樹
    脂のガラス転移温度が40〜150℃であることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 示差走査熱量計によって検出される吸熱
    ピークから定義される前記アクリル又はメタクリル系樹
    脂のガラス転移温度が45〜80℃であることを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 前記トナーの画像解析装置で測定した
    形状係数SF−1の値が100〜160であり、形状係
    数SF−2の値が100〜140であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 前記トナーの画像解析装置で測定した
    形状係数SF−1の値が100〜140であり、形状係
    数SF−2の値が100〜120であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 前記トナーの画像解析装置で測定した
    形状係数SF−2の値をSF−1の値で除した(SF−
    2)/(SF−1)の値が1.0以下であることを特徴
    とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 下記一般式(II)、及び/又は、一
    般式(III)に示される荷電制御剤を少なくとも一つ
    以上含有することを特徴とする請求項1乃至12のいず
    れかに記載のトナー。 【化2】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなるグ
    ループから選択されるメンバーを表示し、X1とX2は同
    じ又は異なっており、mおよびm’は1〜3の整数を表
    示し、R1およびR3は水素原子、C1〜C18のアルキル
    基、C2〜C18のアルケニル基、スルホンアミド基、メ
    シル基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロ
    キシ基、C1〜C18のアルコキシ基、アセチルアミノ
    基、ベンゾイルアミノ基及びハロゲン原子からなるグル
    ープから選択されるメンバーを表示し、R1とR3は同じ
    又は異なっており、nおよびn’は1〜3の整数を表示
    し、R2およびR4は水素原子またはニトロ基を表示し、
    +はアンモニウムイオン、水素イオン、ナトリウムイ
    オン、カリウムイオン及びそれらの混合イオンからなる
    グループから選択されるカチオンイオンを示す。] 【化3】 【化4】
  14. 【請求項14】 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有す
    るトナーの製造方法において、 A.着色剤を下記一般式(II)、及び/又は、一般式
    (III)に示される少なくとも一つ以上の化合物と共
    に重合性単量体中に分散させて、単量体組成物を調製す
    る工程、及び B.該単量体組成物を重合せしめて、トナー粒子を調製
    する工程を少なくとも有しており、 得られたトナーは、該結着樹脂が、重合性二重結合を
    含有する単量体を重合せしめることにより得られるアク
    リル又はメタクリル系樹脂を結着樹脂の重量基準で1〜
    100重量%有しており、該単量体の少なくとも一つ
    が環状構造を有し、該アクリル又はメタクリル系樹脂
    のGPCによるポリスチレン換算分子量3000以下の
    成分の含有量が10重量%以下であることを特徴とする
    トナーの製造方法。 【化5】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなるグ
    ループから選択されるメンバーを表示し、X1とX2は同
    じ又は異なっており、mおよびm’は1〜3の整数を表
    示し、R1およびR3は水素原子、C1〜C18のアルキル
    基、C2〜C18のアルケニル基、スルホンアミド基、メ
    シル基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロ
    キシ基、C1〜C18のアルコキシ基、アセチルアミノ
    基、ベンゾイルアミノ基及びハロゲン原子からなるグル
    ープから選択されるメンバーを表示し、R1とR3は同じ
    又は異なっており、nおよびn’は1〜3の整数を表示
    し、R2およびR4は水素原子またはニトロ基を表示し、
    +はアンモニウムイオン、水素イオン、ナトリウムイ
    オン、カリウムイオン及びそれらの混合イオンからなる
    グループから選択されるカチオンイオンを示す。] 【化6】 【化7】
  15. 【請求項15】 前記工程Aが、着色剤を一般式(I
    I)、及び/又は、一般式(III)に示される少なく
    とも一つ以上の化合物と共に重合性単量体中で周速1.
    5m/秒〜12m/秒の高速撹拌下に10〜60分間プ
    レ分散したのち、メディアを使用する分散装置にて所望
    の顔料分散状態になるまで分散させることを特徴とする
    請求項14に記載のトナーの製造方法。
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