JP2000087226A - クラスタ生成装置 - Google Patents
クラスタ生成装置Info
- Publication number
- JP2000087226A JP2000087226A JP25249598A JP25249598A JP2000087226A JP 2000087226 A JP2000087226 A JP 2000087226A JP 25249598 A JP25249598 A JP 25249598A JP 25249598 A JP25249598 A JP 25249598A JP 2000087226 A JP2000087226 A JP 2000087226A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- target
- vapor
- carrier gas
- sputtering
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
て安定条件下で作製する。 【構成】 円筒状のターゲットTを内挿したターゲット
ホルダ10を、絶縁部材21〜24を介して真空フラン
ジ31とカップリング32との間に狭持する。カップリ
ング32の導入孔33からスパッタガスGを送り込み、
ターゲットTに放電電圧を印加してスパッタ蒸気を発生
させる。ターゲットT出側では、同心円状に設けられた
多数の噴出孔37からキャリアガスCがターゲットTに
向けて噴射される。生成したスパッタ蒸気は、キャリア
ガスCで絞られ、ジェット状の流れとなって蒸着域に移
送される。
Description
等の各種材料をスパッタリングしてクラスタを生成する
装置に関する。
積させるスパッタリング法,真空蒸着法等が主流である
が、粒径数nm程度の超微粒子(以下、クラスタとい
う)を堆積させる方法も一部で実施されている。超微粒
子堆積膜の作製に際しては、得られる薄膜の性能を高め
且つ使用目的に合ったものとするために、可能な限り粒
径が揃ったクラスタを生成させること、及びクラスタを
安定条件下で基板表面に均一に堆積させることが重要で
ある。クラスタの生成には、ガス中の凝集法が採用され
ている。ガス中の凝集法では、抵抗加熱蒸発源,アーク
放電蒸発源,スパッタリング蒸発源等を用いて原材料か
ら蒸気を発生させている。発生した蒸気は、102 Pa
以上のガス中で凝縮させることにより、粒径数nmのク
ラスタになる。しかし、抵抗加熱蒸発源,アーク放電蒸
発源を用いる方法では、数nmオーダーで揃った粒径を
もつクラスタを作製することが困難であり、得られたク
ラスタの粒径分布も大きく広がっている。これに対し、
スパッタリング法は、粒径数nm程度のクラスタが容易
に得られ、しかも粒径分布がかなり狭くなっている。一
般的には、平板のターゲットを用い、102 Pa以上の
雰囲気中でスパッタリングすることによりクラスタを生
成している。
気中では、粒子の自由工程は0.1mm程度と非常に短
い。そのため、スパッタリングにより平板のターゲット
から放出された蒸気は、逆拡散し、大半がターゲット表
面に再付着する。そのため、結果として生成する粒子数
が少なく、しかもターゲットから基板まで効率よく粒子
を移送できない。他方、装置の内壁に析出した粒子は、
薄膜に有効消費される割合を低下させるばかりでなく、
装置自体に運転上のトラブルを誘発させる原因にもな
る。粒子を蒸着域まで移送するため、雰囲気ガスの強制
流を利用したガスフロー法も一部で採用されている。ガ
スフロー法では、ターゲットに放電電圧を印加してスパ
ッタ蒸気を発生させている領域にスパッタガスを送り込
み、生成したスパッタ蒸気をスパッタガスで蒸気発生領
域から放出させている。しかし、ガスフロー法でも、依
然としてスパッタ蒸気の発生が不安定である。
題を解消すべく案出されたものであり、ガスフロー法で
生成したスパッタ蒸気に指向性を与えて蒸着域に移送す
ることにより、スパッタ蒸気を効率よく蒸着に消費し、
安定条件下でスパッタリングを継続することを目的とす
る。本発明のクラスタ生成装置は、その目的を達成する
ため、円筒状のターゲットが内挿されたターゲットホル
ダと、絶縁部材を介してターゲットホルダに押圧され、
スパッタガス導入孔が形成されているカップリングと、
ターゲット出側で絶縁部材を介してターゲットホルダに
押圧された真空フランジと、真空フランジに一体化さ
れ、ターゲットに向けてキャリアガスを吹き付ける噴出
孔が円周方向に等間隔で形成され、ターゲットと同心円
状の開口部をもつカバーとを備え、スパッタ蒸気の拡散
が噴出孔からのキャリアガスによって抑えられ、ジェッ
ト状の流れとして蒸着域に移送されることを特徴とす
る。
とえば図1に示すように円筒状のターゲットホルダ10
を使用している。ターゲットホルダ10の管壁に空洞部
11が形成されており、空洞部11は給水口12,排水
口13を介して冷却水源(図示せず)に接続されてい
る。ターゲットホルダ10は、スパッタリングで発生し
たスパッタ蒸気をジェット状の流れに載せて効率よく蒸
着域に移送するため、5〜10mmの内径,40〜50
mmの長さをもつものが好ましい。ターゲットホルダ1
0は、絶縁部材21,22を介して真空フランジ31と
カップリング32との間に狭持されている。ターゲット
ホルダ10の側面に、更に第2の絶縁部材23,24が
配置されている。第2の絶縁部材23,24は、第1の
絶縁部材21,22と正確に噛み合っており、真空フラ
ンジ31とカップリング32との間でターゲットホルダ
10を完全に絶縁している。
のターゲットTが取り付けられる。ターゲットTは、タ
ーゲットホルダ10との導通を図るために、たとえば厚
さ0.2mm程度のアルミ箔を周囲に巻き付けた状態で
ターゲットホルダ10に密着させて挿入することが好ま
しい。ターゲットTとしては、ターゲットホルダ10の
内径に合致した外径をもつ限り、種々の内径をもつもの
が使用できる。カップリング32には、スパッタガスG
の導入孔33が形成されている。ターゲット出側には、
真空フランジ31に一体化されたカバー35が配置され
ている。カバー35は、ターゲットTを中心とする同心
円状の開口部36をもち、開口部36の周縁にキャリア
ガス吹込み用の小径の噴出孔37が円周方向等間隔で設
けられている。なお、装置内部の真空を維持するため、
ターゲットホルダ10,真空フランジ31,カップリン
グ32の間には、Oリング(図示せず)を介装してい
る。
00Pa程度の真空雰囲気にした後、ターゲットホルダ
10に放電電圧を印加する。これにより、ターゲットT
の内面がスパッタリングされる。スパッタリングにより
生成した蒸気は、ガス導入孔33からのスパッタガスG
によって外部に放出される。スパッタリング時、放電に
よってターゲットTが加熱されるが、加熱によって膨張
したターゲットTは、水冷されているターゲットホルダ
10に密着するためターゲットTの融点よりも十分低い
温度に維持される。しかも、ターゲットホルダ10との
電気的接触が十分に図られる。そのため、安定条件下で
の長時間運転が可能になる。ターゲットTから放出され
たスパッタ蒸気は、噴出孔37からターゲットTに向け
て吹き付けられるキャリアガスCにより拡散が抑制され
る。その結果、スパッタ蒸気を含む全ガス流は、ターゲ
ット軸方向に沿ったジェット状の流れとして送り出され
る。スパッタ蒸気は、ガス流がジェット状の流れとなっ
て開口部36を経て輸送される過程で凝縮し、クラスタ
状の超微粒子になる。しかも、キャリアガスCにより拡
散が抑えられているので、効率よく蒸着域まで移送され
る。
0mmの純鉄ターゲットTを装着した装置を使用し、鉄
クラスタを作製した。スパッタガスGとしてArを流量
200SCCMでガス導入孔33から送り込み、300
V,1.5Aの放電電力をターゲットTに投入した。こ
のとき、ターゲットTの内部空間が約300Paになる
ように雰囲気圧を調節した。噴出孔37からキャリアガ
スCとして流量750SCCMでHeガスをターゲット
Tに吹き付け、発生したスパッタ蒸気をジェット状の流
れに載せてターゲットTから放出し、開口部36を経て
基板(図示せず)上に導き蒸着させた。基板上に形成さ
れた蒸着膜を電子顕微鏡で観察したところ、図2に示す
ような粒径分布をもつ超微粒子堆積膜であった。また、
ターゲットTに投入する放電電流を変え、生成したクラ
スタの粒径に及ぼす放電電流の影響を調査したところ、
図3に示す電流依存性で平均粒径が変化していた。図3
の関係から、放電電流を変更することによりクラスタの
粒径制御が可能なことが判る。他方、超微粒子の堆積速
度は、図4に示すように放電電流の増大に応じて速くな
っていた。図3及び図4の関係から、必要とする粒径及
び生産効率に応じて適正な放電電流が定められる。
付けるキャリアガスHeの流量を種々変更し、生成した
クラスタの粒径に及ぼすキャリアガス流量の影響を調査
した。図5の調査結果にみられるように、放電電流1.
5A,1.0A,0.5Aの何れの場合にあってもキャ
リアガス流量の増加に伴って粒径が大きくなる傾向がみ
られたが、粒径のキャリアガス流量依存性はごく僅かで
あった。他方、クラスタの堆積速度は、図6に示すよう
にキャリアガスの流量を変えることにより大きく変化し
た。図5,図6の関係から、キャリアガスの流量調整に
よりクラスタの粒径及び堆積速度をある程度独立して制
御できることが判る。何れの場合も、スパッタリングで
生成したスパッタ蒸気は、50原子%以上の高い割合で
超微粒子堆積膜として消費された。また、装置内部にス
パッタ蒸気が蒸着することが大幅に少なくなり、数時間
以上にわたって安定条件下でスパッタ蒸気を蒸着域に送
ることができた。
タ生成装置は、円筒状のターゲット内部に発生したスパ
ッタ蒸気をジェット状の流れに載せてターゲット外に放
出し、周囲から吹き付けられるキャリアガスでスパッタ
蒸気の拡散を抑制しながら蒸着域まで移送している。ス
パッタ蒸気は、蒸着域までの移送過程で凝縮し、超微粒
子となって基板上に堆積する。そのため、長期間にわた
って安定条件下でスパッタ蒸気を作製することが可能に
なり、しかもスパッタ蒸気が効率よく堆積膜に消費され
る。
図
たグラフ
を示したグラフ
を示したグラフ
す影響を示したグラフ
及ぼす影響を示したグラフ
水口 13: 排水口 21〜24:絶縁部材 31:真空フランジ 32:カップリング 33:
スパッタガス導入孔 35:カバー 36:開口部 37:噴出孔 T: ターゲット G:スパッタガス C:キャリア
ガス
Claims (1)
- 【請求項1】 円筒状のターゲットが内挿されたターゲ
ットホルダと、絶縁部材を介してターゲットホルダに押
圧され、スパッタガス導入孔が形成されているカップリ
ングと、ターゲット出側で絶縁部材を介してターゲット
ホルダに押圧された真空フランジと、真空フランジに一
体化され、ターゲットに向けてキャリアガスを吹き付け
る噴出孔が円周方向に形成され、ターゲットと同心円状
の開口部をもつカバーとを備え、スパッタ蒸気の拡散が
噴出孔からのキャリアガスによって抑えられ、ジェット
状の流れとして蒸着域に移送されるクラスタ生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25249598A JP3647653B2 (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | クラスタ生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25249598A JP3647653B2 (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | クラスタ生成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000087226A true JP2000087226A (ja) | 2000-03-28 |
JP3647653B2 JP3647653B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=17238177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25249598A Expired - Fee Related JP3647653B2 (ja) | 1998-09-07 | 1998-09-07 | クラスタ生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3647653B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005097706A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Kenji Sumiyama | 軟磁性材料の製造方法及び製造装置 |
JP2005120411A (ja) * | 2003-10-15 | 2005-05-12 | Kenji Sumiyama | クラスター製造装置およびクラスター製造方法 |
-
1998
- 1998-09-07 JP JP25249598A patent/JP3647653B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005097706A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Kenji Sumiyama | 軟磁性材料の製造方法及び製造装置 |
JP4485164B2 (ja) * | 2003-09-26 | 2010-06-16 | 兼治 隅山 | 軟磁性材料の製造方法及び製造装置 |
JP2005120411A (ja) * | 2003-10-15 | 2005-05-12 | Kenji Sumiyama | クラスター製造装置およびクラスター製造方法 |
JP4521174B2 (ja) * | 2003-10-15 | 2010-08-11 | 国立大学法人 名古屋工業大学 | クラスター製造装置およびクラスター製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3647653B2 (ja) | 2005-05-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060049034A1 (en) | Laser ablation apparatus and method of preparing nanoparticles using the same | |
TW200305189A (en) | Evaluation of chamber components having textured coatings | |
JPH0790572A (ja) | ガス導入装置および方法 | |
TW200815281A (en) | Substrate for growth of carbon nanotube, method for growth of carbon nanotube, method for control of particle diameter of catalyst for growth of carbon nanotube, and method for control carbon nanotube diameter | |
JP2012211391A (ja) | マイクロプラズマ法による薄膜作製方法及びその装置 | |
TW201432072A (zh) | 用於蒸發介電材料之電漿輔助沉積裝置、沉積設備、以及其操作方法 | |
JP2000087226A (ja) | クラスタ生成装置 | |
JPH0357191B2 (ja) | ||
JP4019457B2 (ja) | アーク式蒸発源 | |
HU188635B (en) | Apparatus for reactive application of layer with plasmatrone | |
JP2000273612A (ja) | 薄膜析出に使用する高融点被覆誘導コイルとその製造方法 | |
JP2008293967A (ja) | 電子源及び電子源の製造方法 | |
JPH06108238A (ja) | スパッタリング装置 | |
JP2809359B2 (ja) | 溶射複合膜形成方法 | |
JPH0428856A (ja) | イオン源およびこのイオン源を備えたダイヤモンドライクカーボン薄膜製造装置 | |
JPH0445254A (ja) | 溶射複合膜形成方法 | |
JP7471176B2 (ja) | 基体、特に超伝導テープ導体をコーティングする装置、方法及びシステム並びにコーティングされた超伝導テープ導体 | |
JP6008320B2 (ja) | コンビナトリアル成膜装置 | |
KR950000010B1 (ko) | 이온도금법 및 그 방법을 위한 장치 | |
JP2002115070A (ja) | 熱cvd法によるグラファイトナノファイバー薄膜形成方法 | |
JP2001271167A (ja) | 酸化亜鉛薄膜の形成方法 | |
JP3152548B2 (ja) | 高周波誘導プラズマ成膜装置 | |
JPS63100364A (ja) | 酸化物超微粉膜の製造装置 | |
JP3956406B2 (ja) | スパッタ装置 | |
WO1987005637A1 (en) | Continuous ion plating device for rapidly moving film |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050112 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20050208 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20050209 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |