JP2000086981A - シート状接着剤組成物およびその製法 - Google Patents

シート状接着剤組成物およびその製法

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JP2000086981A
JP2000086981A JP10263746A JP26374698A JP2000086981A JP 2000086981 A JP2000086981 A JP 2000086981A JP 10263746 A JP10263746 A JP 10263746A JP 26374698 A JP26374698 A JP 26374698A JP 2000086981 A JP2000086981 A JP 2000086981A
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sheet
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epoxy resin
resin
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Kazumasa Igarashi
一雅 五十嵐
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば電子部品装置の対向する電極間の電気的
接続に用いた場合、電極間の位置ずれ等により接続不良
が発生した場合でも、電子部品装置を廃棄することなく
リペアーすることができるシート状接着剤組成物を提供
する。 【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有するシー
ト状接着剤組成物である。 (A)ポリヒドロキシポリエーテル樹脂。 (B)合成ゴム。 (C)エポキシ樹脂。 (D)硬化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状接着剤組
成物およびその製法に関するものであり、詳しくは電子
部品装置の対向する電極間の電気的接続に用いられるシ
ート状接着剤組成物およびその製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、小型携帯機器等の各種電子部品装
置において、半導体素子の高密度実装方法として、フリ
ップ・チップ等のベアチップによるダイレクト・チップ
・アタッチ方式が特に注目されている。このフリップ・
チップ方式の接続工法では、対向する配線基板の電極部
とフリップ・チップとの間に、シート状接着剤(または
フィルム状接着剤)を配置し、これらを加熱、加圧する
ことにより対向する電極間の電気的接続を行っている。
上記シート状接着剤等の形成材料としては、接続信頼性
に優れる熱硬化性樹脂組成物が主に用いられている。ま
た、上記熱硬化性樹脂組成物に導電粒子を混在、分散さ
せた異方導電性のシート状接着剤(またはフィルム状接
着剤)が用いられる場合もある。この異方導電性のシー
ト状接着剤等は、対向する液晶回路基板の電極部とテー
プ・キャリアー・パッケージ(TCP)のリードとの間
の電気的接続や、チップ・オン・ガラス(COG)接続
工法における、対向するフリップ・チップのバンプ部と
液晶回路基板の電極部との間の電気的接続等に用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
ート状接着剤等は熱硬化性樹脂組成物を主成分とするた
め、加熱、加圧して硬化させた後は、接着力が極めて高
く、接続工程中に電極間の位置ずれ等による接続不良が
発生した場合は、上記シート状接着剤等を電極から剥離
することができない。そのため、電子部品装置をリペア
ーすることができず、電子部品装置を廃棄せざるを得な
いという問題が生じる。同様に、上記電子部品装置を組
み込んだ電子機器の市場流通後において、接続部分に故
障等が生じた場合も、電子部品装置をリペアーすること
ができず、電子機器を廃棄せざるを得ないという問題が
生じる。特に、近年、地球環境保全に向けて、リサイク
ル性が要求される中、廃棄物を出すことは避ける必要が
ある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、例えば電子部品装置の対向する電極間の電気的
接続に用いた場合、電極間の位置ずれ等により接続不良
が発生した場合でも、電子部品装置を廃棄することなく
リペアーすることができるシート状接着剤組成物および
その製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有するシ
ート状接着剤組成物を第1の要旨する。 (A)ポリヒドロキシポリエーテル樹脂。 (B)合成ゴム。 (C)エポキシ樹脂。 (D)硬化剤。
【0006】また、本発明は、上記の(A)〜(D)成
分を含有する接着剤組成物を有機溶剤に溶解して接着剤
組成物溶液を作製し、この溶液を予め準備した支持体上
に塗工した後これを乾燥させ、ついで上記支持体上に生
成した接着剤組成物をその支持体から剥離するシート状
接着剤組成物の製法を第2の要旨とする。
【0007】なお、本発明のシート状接着剤組成物は、
通常、厚みが10〜200μmのものをいうが、なかで
も厚みが10〜50μmと薄く、一般にフィルムと呼ば
れるものも含む趣旨である。
【0008】すなわち、この発明者は、電子部品装置の
対向する電極間の電気的接続に用いた場合、電極間の位
置ずれ等により接続不良が発生した場合でも、電子部品
装置を廃棄することなくリペアーすることができるシー
ト状接着剤組成物を得るべく鋭意研究を重ねた。そし
て、接着剤組成物の硬化後も有機溶剤により溶媒和可能
なシート状接着剤組成物の形成材料について研究開発を
続けた結果、上記合成ゴム(B成分)、エポキシ樹脂
(C成分)および硬化剤(D成分)とともに、ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂(A成分)を用いることを想起
し、上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A成分)が
特定の有機溶剤に対する溶解性に優れることを突き止め
た。その結果、上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂
(A成分)を含有するシート状接着剤組成物は、硬化し
た後においても特定の有機溶剤によって溶媒和して膨潤
し、硬化体の強度が著しく減少するため、被着体(電極
等)から容易に剥離し、リペアー可能であることを見出
し本発明に到達した。
【0009】ちなみに、上記シート状接着剤等を接続工
程中で半硬化(いわゆるBステージ状態)させて接続を
一時中断し、電子部品装置等の電気的検査等を実施した
後、良接続品は後硬化を施して完成品となし、一方、接
続不良品はBステージ状態で可溶な有機溶剤で拭き取る
等の方法でリペアーすることも知られている。しかしな
がら、上記電気的検査等の時点において接続信頼性を高
めることは極めて困難であり、リペアー可能な加熱、加
圧条件も非常に狭く接続工程が煩雑である等の問題があ
る。しかも、上記電子部品装置を電子機器に組み込んだ
後は、すでにシート状接着剤等を後硬化させた後である
ため、上記有機溶剤等によるリペアーは不可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明のシート状接着剤組成物は、ポリヒ
ドロキシポリエーテル樹脂(A成分)と、合成ゴム(B
成分)と、エポキシ樹脂(C成分)と、硬化剤(D成
分)とを用いて得ることができる。
【0012】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)は、特に限定されるものではないが、下記の一般
式(1)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
フェノキシ樹脂が好ましく、特に好ましくは下記の一般
式(2)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
部分臭素化フェノキシ樹脂である。この部分臭素化フェ
ノキシ樹脂は、臭素化ビスフェノールA,臭素化ビスフ
ェノールF,臭素化ビスフェノールS等の二官能フェノ
ールと、非臭素化二官能フェノールとに、エピクロルヒ
ドリンを反応させて得られる共重合体であり、ランダム
共重合体およびブロック共重合体のいずれであってもよ
い。
【0013】
【化12】
【0014】
【化13】
【0015】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)の分子量は、特に限定されるものではないが、数
平均分子量2,000〜50,000で、重量平均分子
量6,000〜200,000のものが好ましく、特に
好ましくは数平均分子量6,000〜20,000で、
重量平均分子量20,000〜100,000である。
すなわち、上記A成分の分子量を、通常のエポキシ樹脂
よりも高く設定することにより、熱可塑性樹脂として取
り扱うことが可能となる。その結果、有機溶剤に溶解し
た後、流延塗工法や溶融押し出し成形法等により極めて
容易にシート状やフィルム状に成形することができるよ
うになる。また、上記A成分の重合体末端にオキシラン
環(エポキシ基)が存在する場合は、これを利用するこ
とにより架橋反応を生起せしめ、熱硬化性樹脂として利
用することも可能となる。なお、上記分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定
し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0016】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるも
のではないが、110〜160℃が好ましく、特に好ま
しくは125〜160℃である。すなわち、上記A成分
のガラス転移温度(Tg)を、従来公知のフェノキシ樹
脂よりも高めに設定することにより、優れた耐熱性を備
えるようになるからである。
【0017】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)の使用割合は、通常、シート状接着剤組成物全体
(溶剤を除いた有機固形分重量)の15〜45重量%
(以下「%」と略す)であり、好ましくは20〜40
%、さらに好ましくは25〜35%である。すなわち、
上記A成分の使用量が15%未満であると、リペアー性
に劣る傾向がみられ、45%を超えると、シート形成性
やフィルム形成性(自立フィルム形成性)に乏しくなる
おそれがあるからである。
【0018】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)とともに用いられる合成ゴム(B成分)は、接着
剤組成物として一般に用いられるものであれば特に限定
はないが、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)、カルボキシル化NBR等があげられる。な
かでも、前記エポキシ樹脂(C成分)や硬化剤(D成
分)との相溶性に優れる点で、下記の一般式(3)で表
される繰り返し単位を主要構成成分とするNBRや、下
記の一般式(4)で表される繰り返し単位を主要構成成
分とするカルボキシル化NBRが好ましく、カルボキシ
ル基の反応を利用して、接着剤組成物との間で架橋構造
をとり得る点で、上記カルボキシル化NBRが特に好ま
しい。そして、上記カルボキシル化NBRは、NBRに
アリル酸モノマーやメタクリル酸モノマーを共重合させ
ることにより得ることができる。
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】上記合成ゴム(B成分)の分子量は、特に
限定されるものではないが、数平均分子量100,00
0〜300,000が好ましい。すなわち、エポキシ樹
脂(C成分)等の低分子量体のみでは、接着剤組成物を
シート状に成形する際の可撓性に劣る傾向がみられる
が、上記のような高分子量の合成ゴム(B成分)を用い
ることにより、接着剤組成物を容易にシート状やフィル
ム状等に成形することが可能となる。なお、上記分子量
は、GPCで測定し、ポリスチレン換算で求めたもので
ある。
【0022】一方、合成ゴム(B成分)としては、アク
リルゴムも上記NBRと同様に本発明では有用であり、
エチルアクリレートまたはブチルアクリレートを単量体
として一般的には乳化重合法で作られており、共重合成
分としては他のアクリロニトリル等のアクリルモノマ
ー、エポキシ系モノマー、ジエン系モノマー等も架橋用
に用いられている。本発明では、下記の一般式(5)で
表される繰り返し単位を主要構成成分とするアクリルゴ
ムが好ましく、合成ゴムとしての比較においては、上記
NBRと比べて耐熱性や接着性が向上するという特徴が
ある。
【0023】
【化16】
【0024】上記アクリルゴム(B成分)の分子量は、
特に限定されるものではないが、数平均分子量100,
000〜600,000が好ましい。
【0025】上記合成ゴム(B成分)の使用割合は、通
常、シート状接着剤組成物全体(溶剤を除いた有機固形
分重量)の5〜30%であり、好ましくは7〜20%、
さらに好ましくは9〜15%である。すなわち、上記B
成分の使用量が5%未満であると、シート形成性やフィ
ルム形成性(自立フィルム形成性)に乏しくなるおそれ
があり、30%を超えるとリペアー性に劣る傾向がみら
れるからである。
【0026】なお、本発明においては、接着剤組成物を
溶解するために使用する特定の有機溶剤に溶解できる範
囲内で、上記合成ゴム(B成分)とともに、それら以外
のゴム成分を併用することも可能である。そして、併用
される上記ゴム成分としては、例えば天然ゴム(N
R)、ブチルゴム、イソプレンゴム(IR)、クロロプ
レンゴム(CR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体等があげられ、単独でもしくは2種以上
併せて用いられる。
【0027】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)および合成ゴム(B成分)とともに用いられるエ
ポキシ樹脂(C成分)は、接着剤組成物として一般に用
いられるものであれば特に限定はなく、例えばビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS
型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA
型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン
型、フルオレン型、フェノールノボラック型、オルソク
レゾールノボラック型、三官能型、トリスヒドロキシフ
ェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の二官
能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、およびヒダント
イン型、トリスグリシジルイソシアヌレート(TGI
C)型等のグリシジルアミン型等のエポキシ樹脂(実用
プラスチック辞典材料編、第211頁〜第217頁参
照)が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0028】なかでも、前記硬化剤(D成分)との反応
に富み、耐熱性等に優れる点で、下記の一般式(6)で
表されるノボラック型エポキシ樹脂、下記の一般式
(7)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂、下記の一
般式(8)で表されるトリスヒドロキシフェニルメタン
型エポキシ樹脂および下記の一般式(9)で表されるテ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好まし
い。
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A
成分)、合成ゴム(B成分)およびエポキシ樹脂(C成
分)とともに用いられる硬化剤(D成分)は、特に限定
されるものではないが、例えばイミダゾール、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベン
ジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エ
チルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒ
ドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−
ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾ
ールアジン、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウン
デシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6{2′−メ
チルイミダゾリル−(1)′}エチル−トリアジン・イ
ソシアヌル酸付加物、N,N′−{2−メチルイミダゾ
リル−(1)−エチル}ドデカンジオイルジアジド、
N,N′−{2−メチルイミダゾリル−(1)−エチ
ル}−エイコンサンジオイルジアジド等のイミダゾール
化合物、マイクロカプセル型潜在性硬化剤、ジシアンジ
アミド、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラル
キル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。
【0034】なかでも、電子部品装置の接続信頼性を向
上させることができる点で、下記の一般式(10)で表
されるフェノールノボラック樹脂、下記の一般式(1
1)で表されるフェノールアラルキル樹脂が特に好まし
い。
【0035】
【化21】
【0036】
【化22】
【0037】上記硬化剤(D成分)の使用割合は、特に
限定はないが、前記エポキシ樹脂(C成分)に対して所
望の硬化速度が得られる割合で使用することが好まし
い。例えば、硬化速度の指標として、熱盤でゲル化時間
を計測しながら容易に使用量を決定することができる。
具体的には、上記硬化剤(D成分)として、上記一般式
(10)または一般式(11)で表されるフェノール樹
脂系硬化剤を用いる場合の使用割合は、前記エポキシ樹
脂(C成分)中のエポキシ基1当量に対して、フェノー
ル樹脂系硬化剤中の水酸基当量を0.8〜1.2倍の範
囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.9〜
1.1倍である。
【0038】本発明のシート状接着剤組成物の形成材料
としては、上記A〜D成分に加えて、さらに硬化促進剤
を用いることも可能である。例えば、硬化剤(D成分)
として、上記一般式(10)または一般式(11)で表
されるフェノール樹脂系硬化剤を用いる場合、硬化促進
剤を併用すると、前記エポキシ樹脂(C成分)中のエポ
キシ基と、フェノール樹脂系硬化剤中のフェノール性水
酸基との反応が促進するためさらに好ましい。
【0039】上記硬化促進剤としては、トリフェニルホ
スフィン(TPP)、トリブチルホスフィン、トリス
(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキ
シプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホス
フィン等のホスフィン系化合物、テトラフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホス
ホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエ
チルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニ
ウム塩、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−
エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−
メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−
フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾ
ール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミ
ダゾール、2−メチルイミダゾールアジン、2−ヘプタ
デシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
2,4−ジアミノ−6{2′−メチルイミダゾリル−
(1)′}エチル−トリアジン・イソシアヌル酸付加
物、N,N′−{2−メチルイミダゾリル−(1)−エ
チル}ドデカンジオイルジアジド、N,N′−{2−メ
チルイミダゾリル−(1)−エチル}−エイコンサンジ
オイルジアジド等のイミダゾール化合物、ジシアンジア
ミド、1,5−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウ
ンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5
−ノネン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)−オ
クタン等のジアザビシクロ系化合物、それらジアザビシ
クロ系化合物のテトラフェニルボレート塩、フェノール
ノボラック塩、2−エチルヘキサン塩等があげられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0040】上記硬化促進剤の使用割合は、特に限定は
ないが、上記エポキシ樹脂(C成分)と硬化剤(D成
分)との混合物に対して、所望の硬化速度が得られる割
合で使用することが好ましい。例えば、硬化速度の指標
として、熱盤でゲル化時間を計測しながら容易に使用量
を決定することができる。
【0041】上記エポキシ樹脂(C成分)と硬化剤(D
成分)の合計使用量、あるいは上記エポキシ樹脂(C成
分)と硬化剤(D成分)と硬化促進剤との合計使用量
は、通常、シート状接着剤組成物全体(溶剤を除いた有
機固形分重量)の25〜80%であり、好ましくは40
〜73%、さらに好ましくは50〜66%である。すな
わち、使用量が25%未満であると、フリップチップ等
の電子部品装置の接続工法における接続信頼性が著しく
低下するおそれがあり、80%を超えるとリペアー性に
劣る傾向がみられるからである。
【0042】本発明のシート状接着剤組成物の形成材料
としては、上記A〜D成分、あるいは上記A〜D成分お
よび硬化促進剤とともに、導電粒子を併用することも可
能である。このように導電粒子を併用すると、本発明の
シート状接着剤組成物に異方導電性を付与して、異方導
電性のシート状接着剤組成物とすることができる。そし
て、この異方導電性のシート状接着剤組成物は、例えば
液晶回路基板とドライバーICのテープ・キャリア・パ
ッケージ(TCP)との間の電気的接続、チップ・オン
・ガラス(COG)接続工法や、小型携帯機器のための
高密度半導体素子実装技術等に用いることができる。こ
のように異方導電性のシート状接着剤組成物を用いる
と、接着剤組成物中で導電粒子がミクロにほぼ等方分散
し、対向する複数の電極間を一括で接続することができ
ることから、電子部品装置等の生産性を向上させること
ができる。
【0043】上記導電粒子としては、特に限定されるも
のではなく、例えば金、銀、ニッケル、銅、亜鉛、錫、
錫−鉛半田や各種組成の半田、インジウム、パラジウム
等の金属粒子、これら金属粒子に金めっき,ニッケルめ
っき等を施したものがあげられる。また、架橋ポリスチ
レン樹脂、架橋エポキシ樹脂、架橋フェノール樹脂、架
橋ウレタン樹脂、架橋ポリエステル樹脂、架橋シリコー
ン樹脂、架橋アクリル樹脂等の架橋された高分子核(コ
ア)に、金めっき,ニッケルめっき等(シェル)を施し
たものを用いることも可能である。
【0044】上記導電粒子の大きさは、特に限定される
ものではないが、上記導電粒子の最大粒子径が上記シー
ト状接着剤組成物の厚み以下になるよう設定することが
好ましい。具体的には、上記導電粒子の最大粒子径は、
上記シート状接着剤組成物の厚みに対して0.01〜
1.0倍に設定することが好ましく、特に好ましくは
0.05〜0.5倍である。すなわち、上記導電粒子の
最大粒子径を上記のように設定することにより、シート
状接着剤組成物を加熱、加圧する際に溶融流動が容易に
行われるようになるからである。
【0045】上記導電粒子の充填量は、特に限定される
ものではないが、上記電子部品装置に用いられる電極は
峡ピッチとなってきており、マイクロ接続に使用する導
電粒子の平均粒子径は単分散に近いことが好ましい点を
考慮すると、シート状接着剤組成物(固形物)100体
積部に対して0.1〜10体積部が好ましく、より好ま
しくは0.5〜5体積部である。すなわち、充填量が
0.1体積部未満であると、電子部品装置の接続信頼性
が低下するおそれがあり、充填量が10体積部を超える
と、導電粒子間でショート(短絡)の危険性が大きくな
るからである。
【0046】なお、本発明のシート状接着剤組成物の形
成材料としては、被着体との接着促進や、各種無機質充
填剤との界面接着強化等を目的として、上記A〜D成分
とともに、シランカップリング剤を併用することも可能
である。上記シランカップリング剤としては、特に限定
されるものではなく、例えばβ−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン等があげられる。上記
シランカップリング剤は、上記A〜D成分とともに添加
混合してもよく、あるいは、別途、硬化剤(D成分)で
あるフェノール樹脂系硬化剤と予め反応させておいても
よい。
【0047】また、本発明のシート状接着剤組成物に
は、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポ
キシ樹脂等の難燃剤や難燃助剤、ポリエチレンワック
ス、カルナバワックス、モンタンサン系ワックス、アミ
ド系ワックス等の離型剤、シリコーン化合物等の低応力
化剤、着色剤等を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適
宜配合することも可能である。
【0048】本発明のシート状接着剤組成物は、例えば
つぎのようにして製造することができる。すなわち、ま
ず、前記A〜D成分およびその他必要に応じて硬化促進
剤、導電粒子等の各成分を所定量配合し、これを従来公
知の有機溶剤に溶解させ、溶解装置を用いて均一に混
合、分散して、液状ワニス(導電粒子を使用する場合は
分散液)等の接着剤組成物溶液を作製する。一方、支持
体を予め準備し、この支持体上に従来公知の塗工機等を
用いて上記接着剤組成物溶液を塗工した後、これを乾燥
する。そして、上記支持体上に生成した接着剤組成物を
その支持体から剥離することにより、目的とするシート
状接着剤組成物を作製することができる。なお、上記支
持体上に生成した接着剤組成物は、例えば電子部品装置
の対向する電極間の接続等に用いる際に、その支持体か
ら剥離して使用することが好ましい。
【0049】上記溶解装置としては、フラスコ装置、ホ
モミキサー装置等があげられ、また上記塗工機として
は、熱風循環式乾燥装置を有するものが好ましい。そし
て、上記溶解装置および塗工機には、安全上、環境保全
上の点で、排気装置、溶剤回収装置等を取り付けて作業
を行うのが好ましい。
【0050】上記支持体としては、特に限定されるもの
ではなく、例えば表面をシリコーン処理したプラスチッ
ク製フィルム基材、表面をシリコーン処理していないプ
ラスチック製フィルム基材、フッ素樹脂製フィルム基材
等をあげることができる。なお、上記プラスチック製フ
ィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)製フィルム基材が好ましい。
【0051】上記有機溶剤としては、接着剤組成物の形
成材料である各成分を溶解できるものであれば特に限定
はないが、低沸点溶剤を用いることが好ましい。上記有
機溶剤としては、ケトン系溶剤、グリコールジエーテル
系溶剤、含窒素系溶剤等があげられる。これらは単独で
もしくは2種以上併せて用いられる。また、この一部を
接着剤組成物の各成分の溶解性を損なわない範囲で炭化
水素系溶剤、エステル系溶剤、多価アルコール誘導体で
置換してもよい。
【0052】上記ケトン系溶剤としては、特に限定はな
く、例えばメチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケ
トン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケ
トン(MIBK)、メチル−n−プロピルケトン、ジ−
n−プロピルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノ
ン等があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いら
れる。なかでも、蒸発速度を早めるという点で、メチル
エチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(M
IBK)、シクロヘキサノン、アセトフェノンが好適に
用いられる。
【0053】上記グリコールジエーテル系溶剤として
は、特に限定はなく、例えばエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチルエーテル等があげら
れ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0054】上記含窒素系溶剤としては、特に限定はな
く、例えばN,N′−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N′−ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、N,N′−ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルホスホルトリアミド等があげられ、単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。
【0055】上記炭化水素系溶剤としては、特に限定は
なく、例えばトルエン、キシレン等があげられる。上記
エステル系溶剤としては、特に限定はなく、例えば酢酸
エチル、酢酸ブチル等があげられる。上記多価アルコー
ル誘導体としては、特に限定はなく、例えばプロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0056】本発明のシート状接着剤組成物は、通常、
厚みが10〜200μmであるが、なかでも厚みが10
〜50μmと薄く、一般にフィルムと呼ばれるものも含
む。なお、上記シート状接着剤組成物は、スリッター等
を用いてテープ状の形態とすることも可能である。
【0057】このようして得られた本発明のシート状接
着剤組成物は、硬化した後においても、特定の有機溶剤
によって膨潤し、接着力が低下し、電子部品をリペアー
することができる。
【0058】上記特定の有機溶剤としては、ケトン系溶
剤、グリコールジエーテル系溶剤、含窒素系溶剤が好ま
しい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0059】上記ケトン系溶剤としては、アセトフェノ
ン、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソブ
チルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、
シクロヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、メチルオ
キシド、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノ
ン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピル
ケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−ヘ
プチルケトン、ホロンが好ましい。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0060】上記グリコールジエーテル系溶剤として
は、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテルが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0061】上記含窒素系溶剤としては、N,N′−ジ
メチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミドが好ま
しい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0062】本発明のシート状接着剤組成物(導電粒子
含有)の断面を模式的に図1に示す。図において、1は
導電粒子、2は異方導電性のシート状接着剤組成物であ
る。そして、このようなシート状接着剤組成物は、例え
ばつぎのような態様で用いることができる。すなわち、
図2は、テープ・キャリアー・パッケージのアウター・
リード7と、LCDパネル(ガラス基板)5上の透明電
極4とが対向してなる電子部品装置の断面を示す模式図
であり、3はガラス基板、6は上記異方導電性のシート
状接着剤組成物2の硬化体、8はICチップ、9は封止
樹脂である。図示のように、この電子部品装置は、上記
シート状接着剤組成物の硬化体6を介して、対向するア
ウター・リード7と透明電極4とが接続されており、両
電極7,4の電気的接続は、上記シート状接着剤組成物
の硬化体6中の導電粒子1を介して行われる。
【0063】つぎに、本発明のシート状接着剤組成物の
他の応用例を図3に示す。図3は、半導体素子(フリッ
プチップ)11の金属バンプ10と、LCDパネル(ガ
ラス基板)5上の透明電極4とが対向してなるチップ・
オン・ガラス(COG)実装の電子部品装置の断面を示
す模式図であり、図2と同一部分には同一符号を付して
いる。図示のように、この電子部品装置は、上記シート
状接着剤組成物の硬化体6を介して、対向する金属バン
プ10と透明電極4とが接続されており、両電極10,
4の電気的接続は、上記シート状接着剤組成物の硬化体
6中の導電粒子1を介して行われる。
【0064】本発明のシート状接着剤組成物のさらに他
の応用例を図4に示す。図4は、半導体素子(フリップ
チップ)12の金属バンプ13と、配線回路基板15の
電極パッド16とが対向してなる電子部品装置の断面を
示す模式図であり、14は本発明のシート状接着剤組成
物の硬化体を示す。図示のように、この電子部品装置
は、上記シート状接着剤組成物の硬化体14を介して、
対向する金属バンプ13と電極パッド16とが電気的に
接続されている。なお、上記シート状接着剤組成物の硬
化体14中には導電粒子は含有されておらず、上記シー
ト状接着剤組成物の硬化体14を貫通する金属バンプ1
3と電極パッド16が直接接触して電気的に接続されて
いる。
【0065】本発明のシート状接着剤組成物の他の応用
例を図5に示す。図5は、半導体素子(フリップチッ
プ)12の金属バンプ19と、配線回路基板15の電極
パッド20とが対向してなる電子部品装置の断面を示す
模式図であり、17は導電粒子、18は異方導電性のシ
ート状接着剤組成物の硬化体であり、図4と同一部分に
は同一符号を付している。図示のように、この電子部品
装置は、上記シート状接着剤組成物の硬化体18を介し
て、金属バンプ19と電極パッド20とが接続されてお
り、両電極19,20の電気的接続は、上記シート状接
着剤組成物の硬化体18中の導電粒子17を介して行わ
れる。
【0066】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0067】まず、実施例および比較例に先立って、下
記に示す各成分を準備した。
【0068】〔ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A成
分)*1〕下記の構造式(2′)で表される繰り返し単
位を主要構成成分とするポリヒドロキシポリエーテル樹
脂。
【化23】
【0069】〔ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A成
分)*2〕下記の構造式(2′′)で表される繰り返し
単位を主要構成成分とするポリヒドロキシポリエーテル
樹脂。
【化24】
【0070】〔合成ゴム(B成分)*3〕下記の構造式
(4′)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
カルボキシル化NBR。
【化25】
【0071】〔合成ゴム(B成分)*4〕下記の構造式
(3′)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
NBR。
【化26】
【0072】〔合成ゴム(B成分)*5〕下記の構造式
(5′)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
アクリルゴム。
【化27】
【0073】〔エポキシ樹脂(C成分)*6〕下記の構
造式(8′)で表されるトリスヒドロキシフェニルメタ
ン型エポキシ樹脂。
【化28】
【0074】〔エポキシ樹脂(C成分)*7〕下記の構
造式(6′)で表されるノボラック型エポキシ樹脂。
【化29】
【0075】〔エポキシ樹脂(C成分)*8〕下記の構
造式(7′)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂。
【化30】
【0076】〔エポキシ樹脂(C成分)*9〕下記の構
造式(9′)で表されるテトラフェニロールエタン型エ
ポキシ樹脂。
【化31】
【0077】〔硬化剤(D成分)*10〕下記の構造式
(10′)で表されるフェノールノボラック樹脂。
【化32】
【0078】〔硬化剤(D成分)*11〕下記の構造式
(11′)で表されるフェノールアラルキル樹脂。
【化33】
【0079】〔硬化促進剤〕下記の構造式(12)で表
されるトリフェニルホスフィン(TPP)。
【化34】
【0080】〔導電粒子〕ニッケル粒子(平均粒子径
3.5μm、最大粒子径12μm)
【0081】
【実施例1〜23、比較例1〜4】先に準備した各成分
を下記の表1〜表5に示す割合で配合し、攪拌装置付き
ガラスフラスコ中でN,N′−ジメチルホルムアミド
(DMF)を用いて溶解し、接着剤組成物溶液を作製し
た。そして、この接着剤組成物溶液を、表面をシリコー
ン処理したPET製フィルム基材(厚み50μm)上
に、ドクターブレード方式の塗工機を用いて塗工し、加
熱、乾燥した。ついで上記PET製フィルム基材上に生
成した接着剤組成物をその基材から剥離することによ
り、目的とする厚み40μmのフィルム状接着剤組成物
を作製した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】このようにして得られた実施例1〜23お
よび比較例1〜4のフィルム状接着剤組成物を用いて、
下記に示す基準に従い、自立フィルム形成性、導通不良
率およびリペアー性の評価を行った。その結果を後記の
表6〜表10に併せて示した。
【0088】〔自立フィルム形成性〕各フィルム状接着
剤組成物を180度折り曲げて、クラックの有無につい
て判定する耐折性試験を行った。そして、損傷が全くな
い場合を◎、曲げ傷は残るもののクラックに至らない場
合を○、クラックが入るが連続クラックに至らず、フィ
ルム状として取り扱える場合を△、クラックが入り破断
した場合を×として表示した。
【0089】〔導通不良率〕直径300μmの銅配線パ
ッドが64個開口(基板側電極)しているFR−4ガラ
スエポキシ製配線基板を準備し、この配線基板の電極部
分に100℃で各フィルム状接着剤組成物を貼り合わせ
た。一方、直径100μmの金バンプ電極を有するシリ
コンチップ(厚み370μm、大きさ10mm×10m
m)を準備した。そして、上記ガラスエポキシ製配線基
板の銅配線パッド(基板側電極)と、上記シリコンチッ
プの金バンプ電極とが対向するように位置合わせした
後、これを加熱ヘッドを有する接合装置を用いて、20
0℃×5分間、20kgの荷重で圧着し接続信頼性試験
用試料を作製した。ついで、冷熱試験装置を用いて、−
50℃/10分⇔+125℃/10分の温度サイクル試
験を実施し、500サイクル経過後の電気導通を調べ、
上記ガラスエポキシ製配線基板の銅配線パッド(基板側
電極)の64個全部に対する導通不良率(%)を算出し
た。
【0090】〔リペアー性〕上記導通不良率を測定した
後、200℃に加熱した熱盤上で、上記試験試料からシ
リコンチップを剥離し、室温に戻した試験試料の接続部
位に残存する接着剤硬化体にジエチレングリコールジメ
チルエーテルを滴下し、室温で所定時間放置した後、接
着剤硬化体の剥離試験を行い、剥離可能な試験試料は再
度同様にしてシリコンチップを搭載して電気的導通性を
調べ、リペアー性の評価を行った。そして、接着剤硬化
体を完全に剥離可能で、しかも電気的接続が完全な場合
を◎、接着剤硬化体がわずかに残存して剥離できるが、
電気的接続が完全な場合を○、接着剤硬化体がわずかに
残存して剥離できるが、電気的接続が不完全な場合を
△、接着剤硬化体が殆ど剥離できず、しかも電気的接続
が不完全な場合を×として表示した。
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】上記表6〜表10の結果から、実施例のシ
ート状接着剤組成物は、いずれも自立フィルム形成性お
よび導電性に優れ、しかも優れたリペアー性を備えてい
ることがわかる。これに対して、比較例のシート状接着
剤組成物は、自立フィルム形成性、リペアー性に劣るこ
とがわかる。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明のシート状接着剤
組成物は、合成ゴム(B成分)、エポキシ樹脂(C成
分)および硬化剤(D成分)とともに、ポリヒドロキシ
ポリエーテル樹脂(A成分)を含有している。そして、
上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(A成分)は特定
の有機溶剤に対する溶解性に優れるため、上記ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂(A成分)を含有するシート状
接着剤組成物は、硬化した後においても特定の有機溶剤
によって溶媒和して膨潤する。その結果、硬化体の強度
が著しく減少し、被着体(電極等)から容易に剥離す
る。したがって、本発明のシート状接着剤組成物を、例
えば電子部品装置の対向する電極間の電気的接続に用い
た場合、優れた接続信頼性を備えるとともに、電極間の
位置ずれ等により接続不良が発生した場合でも、電子部
品装置をリペアーすることができ、従来のように電子部
品装置を廃棄する必要がなくなる。同様に、上記電子部
品装置を組み込んだ電子機器の市場流通後において、接
続部分に故障等が生じた場合も、電子部品装置をリペア
ーすることができず、従来のように電子機器を廃棄する
必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状接着剤組成物の一例を示す模
式図である。
【図2】本発明のシート状接着剤組成物の応用例を示す
模式図である。
【図3】本発明のシート状接着剤組成物の他の応用例を
示す模式図である。
【図4】本発明のシート状接着剤組成物のさらに他の応
用例を示す模式図である。
【図5】本発明のシート状接着剤組成物の他の応用例を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 導電粒子 2 シート状接着剤組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 163/00 C09J 163/00 165/00 165/00 171/10 171/10 Fターム(参考) 4J004 AA02 AA05 AA06 AA07 AA09 AA10 AA11 AA13 AA17 AA19 AB05 BA02 CA03 CA06 CC02 FA05 GA01 4J040 CA001 CA002 CA071 CA072 EB032 EC001 EC002 EC051 EC052 EC061 EC062 EC071 EC072 EE061 EE062 GA03 GA05 GA07 GA32 JA09 KA03 KA16 KA17 KA32 LA06 MA10 NA20 PA07 PA11 QA01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(D)成分を含有するこ
    とを特徴とするシート状接着剤組成物。 (A)ポリヒドロキシポリエーテル樹脂。 (B)合成ゴム。 (C)エポキシ樹脂。 (D)硬化剤。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分であるポリヒドロキシポ
    リエーテル樹脂の含有量が、シート状接着剤組成物全体
    (有機固形分重量)の15〜45重量%である請求項1
    記載のシート状接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 上記(B)成分である合成ゴムの含有量
    が、シート状接着剤組成物全体(有機固形分重量)の5
    〜30重量%である請求項1または2記載のシート状接
    着剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記シート状接着剤組成物が硬化促進剤
    を含有している請求項1〜3のいずれか一項に記載のシ
    ート状接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 上記(A)成分であるポリヒドロキシポ
    リエーテル樹脂が、下記の一般式(1)で表される繰り
    返し単位を主要構成成分とするフェノキシ樹脂である請
    求項1〜4のいずれか一項に記載のシート状接着剤組成
    物。 【化1】
  6. 【請求項6】 上記(A)成分であるポリヒドロキシポ
    リエーテル樹脂が、下記の一般式(2)で表される繰り
    返し単位を主要構成成分とする部分臭素化フェノキシ樹
    脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート状
    接着剤組成物。 【化2】
  7. 【請求項7】 上記(B)成分である合成ゴムが、下記
    の一般式(3)で表される繰り返し単位を主要構成成分
    とするアクリロニトリル−ブタジエンゴムである請求項
    1〜6のいずれか一項に記載のシート状接着剤組成物。 【化3】
  8. 【請求項8】 上記(B)成分である合成ゴムが、下記
    の一般式(4)で表される繰り返し単位を主要構成成分
    とするカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴ
    ムである請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート状
    接着剤組成物。 【化4】
  9. 【請求項9】 上記(B)成分である合成ゴムが、下記
    の一般式(5)で表される繰り返し単位を主要構成成分
    とするアクリルゴムである請求項1〜6のいずれか一項
    に記載のシート状接着剤組成物。 【化5】
  10. 【請求項10】 上記(C)成分であるエポキシ樹脂
    が、下記の一般式(6)で表されるノボラック型エポキ
    シ樹脂を主成分とするものである請求項1〜9のいずれ
    か一項に記載のシート状接着剤組成物。 【化6】
  11. 【請求項11】 上記(C)成分であるエポキシ樹脂
    が、下記の一般式(7)で表されるビフェニル型エポキ
    シ樹脂を主成分とするものである請求項1〜9のいずれ
    か一項に記載のシート状接着剤組成物。 【化7】
  12. 【請求項12】 上記(C)成分であるエポキシ樹脂
    が、下記の一般式(8)で表されるトリスヒドロキシフ
    ェニルメタン型エポキシ樹脂を主成分とするものである
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のシート状接着剤組
    成物。 【化8】
  13. 【請求項13】 上記(C)成分であるエポキシ樹脂
    が、下記の一般式(9)で表されるテトラフェニロール
    エタン型エポキシ樹脂を主成分とするものである請求項
    1〜9のいずれか一項に記載のシート状接着剤組成物。 【化9】
  14. 【請求項14】 上記(D)成分である硬化剤が、下記
    の一般式(10)で表されるフェノールノボラック樹脂
    である請求項1〜13のいずれか一項に記載のシート状
    接着剤組成物。 【化10】
  15. 【請求項15】 上記(D)成分である硬化剤が、下記
    の一般式(11)で表されるフェノールアラルキル樹脂
    である請求項1〜13のいずれか一項に記載のシート状
    接着剤組成物。 【化11】
  16. 【請求項16】 上記シート状接着剤組成物が導電粒子
    を含有している請求項1〜15のいずれか一項に記載の
    シート状接着剤組成物。
  17. 【請求項17】 上記導電粒子の最大粒子径がシート状
    接着剤組成物の厚み以下である請求項16記載のシート
    状接着剤組成物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか一項に記載
    のシート状接着剤組成物の製法であって、下記の(A)
    〜(D)成分を含有する接着剤組成物を有機溶剤に溶解
    して接着剤組成物溶液を作製し、この溶液を予め準備し
    た支持体上に塗工した後これを乾燥させ、ついで上記支
    持体上に生成した接着剤組成物をその支持体から剥離す
    ることを特徴とするシート状接着剤組成物の製法。 (A)ポリヒドロキシポリエーテル樹脂。 (B)合成ゴム。 (C)エポキシ樹脂。 (D)硬化剤。
  19. 【請求項19】 上記支持体が、表面をシリコーン処理
    したプラスチック製フィルム基材である請求項18記載
    のシート状接着剤組成物の製法。
  20. 【請求項20】 上記支持体が、表面をシリコーン処理
    していないプラスチック製フィルム基材である請求項1
    8記載のシート状接着剤組成物の製法。
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