JP2000086326A - 磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品 - Google Patents

磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品

Info

Publication number
JP2000086326A
JP2000086326A JP10255762A JP25576298A JP2000086326A JP 2000086326 A JP2000086326 A JP 2000086326A JP 10255762 A JP10255762 A JP 10255762A JP 25576298 A JP25576298 A JP 25576298A JP 2000086326 A JP2000086326 A JP 2000086326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clay
glass powder
porcelain
product
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10255762A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuo Hirano
篤夫 平野
Yoshimasa Hikosaka
吉尚 彦坂
Takuji Kajiwara
拓治 梶原
Hiroshi Futaki
宏 二木
Tokuji Kato
篤司 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAMAKYU SEITOSHO KK
Inax Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
YAMAKYU SEITOSHO KK
Inax Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAMAKYU SEITOSHO KK, Inax Corp, Toyota Motor Corp filed Critical YAMAKYU SEITOSHO KK
Priority to JP10255762A priority Critical patent/JP2000086326A/ja
Publication of JP2000086326A publication Critical patent/JP2000086326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低温焼成によって吸水率が1%以下の緻密な組
織の磁器質タイルを得ることのできる製造方法を提供す
る。また併せてその原料として産業廃棄物としての廃ガ
ラスを有効に利用することのできる製造方法を提供す
る。 【解決手段】自動車廃ガラスを1〜100μmの細粒に
粉砕処理し、その粉砕処理したガラス粉に対して粘土を
ガラス粉/粘土の比率が重量部で80/20〜40/6
0となる比率で加え、更に望ましくはそれらをボールミ
ルを用いて水とともに2〜4時間かけて湿式混合処理し
て泥しょうを得、しかる後泥しょうを乾燥及び造粒処理
することによって得た坏土を用いて成形体を得、そして
その成形体を800〜1050℃の温度で焼成して磁器
質タイルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は磁器質タイル等の
磁器質焼成品の製造方法及び同方法にて得られる磁器質
焼成品に関し、詳しくは自動車廃ガラスを原料として用
いた磁器質焼成品の製造方法及び焼成品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
各種分野で産業廃棄物の再利用が大きな課題となってい
る。各種ガラス製品の廃材(廃ガラス)の利用の問題も
その一つである。この種廃ガラスの利用分野として、窯
業分野は有望な分野である。廃ガラスは、タイル等窯業
製品の主構成成分であるSiOを主成分として含有し
ており、タイル等窯業製品の一部原料として用いること
は十分可能と考えられる。
【0003】実際この種廃ガラスを原料として使用し、
タイル等焼成品を製造する提案が幾つかなされている。
その一つとして、特開平7−81956号には、ガラス
の加工工程で副次的に生じたガラス粉体或いは使用済み
のガラス瓶の廃ガラスを用い、その粒径を10メッシュ
(約1.65mm)〜100メッシュ(約0.15m
m)に制御して、これを粘土及び水とともに混練して焼
成品原料を得、その成形体を1000℃〜1300℃で
焼成して所定の焼成品を得ることが提案されている。
【0004】この特開平7−81956号に記載の方法
は、一般にガラス粉体は粒子の表面が滑らかでなく複雑
な形状をしていて多くの鋭利な部分を有しており、これ
をそのまま用いてタイル等焼成品を製造した場合には表
面にざらつきが生じ、ガラス粉体の鋭利な表面が焼成品
表面に現われ、痛感を感じさせる一方で、ガラス粉体を
あまり細かくし過ぎると焼ぶくれが生じ、焼成品表面が
でこぼこ状になることから、ガラス粉体の粒径を10〜
100メッシュに制御するようになした点を特徴とする
ものである。
【0005】しかしながらこの方法の場合、ガラス粉体
の粒径が粘土に比べて著しく大きい(粘土粒子の粒径は
0.1〜5μm程度)ものであって、このために焼成時
においてガラスが単独で溶融する傾向にあり、即ち焼結
反応が十分に進行せず、この結果得られる焼成品におい
て粘土粒子とガラスとが独立に存在していて組織が十分
緻密化せず、吸水率の小さな緻密な組織の磁器質焼成品
が得られないといった問題がある(1300℃の焼成で
も磁器質品は得られていない)。
【0006】この他、特開平7−82056号において
もガラス粉を用いて焼成品を得る方法が開示されている
が、このものは施釉焼成品に係るものであって、ガラス
粉の粒径は上記よりももっと大きい10メッシュ以上の
ものが用いられている。
【0007】これに対し、本出願人においても廃ガラス
を用いた焼成品の製造方法を提案している(特開平8−
165163号)。ここでは廃ガラスとして、二次凝集
力の強い微粒ガラス粉を含まない分散性の良い自動車廃
ガラスを用いることを提案しており、これによりガラス
粉を凝集させないでこれを粘土粒子間に均一に分散させ
得、焼成時においてガラス粉の溶融により生じた液相の
存在で焼結を十分に進行させ、気孔率の低い緻密な組織
の焼成品が得られることを開示している。
【0008】しかしながらこの方法においても、廃ガラ
スを含む原料の成形体を例えば1000℃程度の低い温
度で焼成したとき、吸水率1%以下の緻密な組織の磁器
質焼成品を得ることができない問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
を背景としてなされたもので、1000℃程度の低温焼
成でも十分に磁器質焼成品を得ることのできる方法及び
焼成品を提供することを目的とする。而して請求項1の
製造方法は、自動車廃ガラスを実質上100μm以下の
細粒に粉砕処理し、該粉砕処理したガラス粉に対して粘
土を、ガラス粉/粘土の比率が重量部で80/20〜4
0/60となる比率で加え、それらの混合材を用いて成
形体を得、該成形体を800〜1050℃の温度で焼成
して磁器質焼成品を得ることを特徴とする。
【0010】請求項2の製造方法は、請求項1に記載の
製造方法において、前記混合材をボールミルを用いて水
とともに湿式混合処理して泥しょうを得、しかる後該泥
しょうを乾燥及び造粒処理して成形用坏土を得ることを
特徴とする。
【0011】請求項3の製造方法は、請求項1,2の何
れかに記載の製造方法において、前記粉砕処理したガラ
ス粉の粒子が実質上1μm以上であることを特徴とす
る。
【0012】請求項4の製造方法は、請求項2,3の何
れかに記載の製造方法において、前記ボールミルによる
湿式混合処理に際して、水を前記混合材を基準として外
割で50〜60重量部加えて行なうことを特徴とする。
【0013】請求項5の製造方法は、請求項2〜4の何
れかに記載の製造方法において、前記ボールミルによる
湿式混合処理を2〜4時間行なうことを特徴とする。
【0014】請求項6は磁器質焼成品に係るもので、請
求項1〜5の何れかに記載の製造方法で作成して成るも
のである。
【0015】
【作用及び発明の効果】上記のように本発明は、自動車
廃ガラスを実質上100μm以下の細粒に粉砕処理した
上、これを粘土に加え、望ましくは更にそれらを水とと
もにボールミルにて湿式混合処理し(請求項2)、その
後所定の処理を施して坏土を得た上、その成形体を80
0〜1050℃で低温焼成するもので、これにより吸水
率1%以下の緻密な組織の磁器質焼成品が得られること
を確認した。
【0016】このように本発明では廃ガラスとして自動
車廃ガラスを用い、これを100μm以下の粒径に粉砕
処理した上で、ボールミルを用いた湿式混合にて粘土粒
子と混合する。
【0017】ここでボールミルによる湿式混合は、単に
廃ガラス粒子と粘土粒子とを混合するための手段であっ
て、通常の使い方のように、例えば長石や陶石等の粗大
な原石を砕きながら微細に湿式細摩混合するといったも
のではない。
【0018】もともと廃ガラス粉粒子と粘土粒子とは、
ボールミルによる湿式混合に先立って微細化しているた
め、単にそれらを水とともにボールミルにて混合処理す
るするだけで、両者を均一に微細混合することができ
る。
【0019】従ってそのための処理時間は2〜4時間で
十分であり(請求項5)、これによって十分に廃ガラス
粉粒子と粘土粒子とを均一に分散混合することができ
る。
【0020】而して本発明に従ってガラス粉と粘土とを
混合処理したものは、上記のようにガラス粉と粘土とが
何れも微細な粒子からなっており且つ両者が均質に混ざ
り合っているため、これを焼成したときにガラス粉が容
易に液相化し、且つその液相が材料中に満遍なく存在す
ることとなるため、原料粒子の焼結反応が容易且つ十分
に進行して緻密な組織を形成する。
【0021】加えて本発明では廃ガラスとして自動車廃
ガラスを用いているため、その材質的な特性に起因して
ガラス粉と粘土との分散混合状態をより一層均質化する
ことができる。
【0022】一般のガラス粉の場合、これを細かく粉砕
すると二次凝集力の強い微粒のガラス粉が生じやすい。
しかるに自動車ガラス(強化ガラス)の廃ガラスの場
合、これを粉砕処理したときに二次凝集力の強い微細な
ガラス粒が生成し難い。
【0023】因みに図2は一般のガラス粉を微細に粉砕
処理したときの粒度分布と、自動車廃ガラスを微細に粉
砕処理したときの粒度分布を比較して示したものであ
る。同図に示しているようにこのように自動車廃ガラス
の場合、容易に1μm未満の微細な粒子を含まないよう
にすることができる。
【0024】このように自動車廃ガラスの場合、それ自
体が分散性に優れていることから、これを粘土粒子と混
合したときにその混合分散状態をより均質化でき、この
こともまた緻密で吸水率の低い磁器質焼成品を得る上で
寄与している。
【0025】この自動車廃ガラスは、更に他の特性とし
て以下のような特性を備えている。自動車廃ガラスは、
自動車のシュレッダーダストのうち10mm以下のもの
を振動分離して得られるが、その廃ガラス中には自動車
内の電線(銅線)に由来する銅成分が混入している。
【0026】表1は一般ガラスの組成と自動車廃ガラス
の組成とを比較して示したものであるが、同表に明らか
なように自動車廃ガラス中にはCuが多く含有されてい
る。
【0027】
【表1】
【0028】而してこのCu成分は、焼成時にガラス粉
との共融反応を生じてガラス粉を平均的に溶かし、且つ
その液相化を促進する作用があり、このため自動車廃ガ
ラスを用いた本発明の方法では、焼成時にガラス粉の液
相化が促進され、このこともまた成形体の焼結反応を促
進する方向に作用する。
【0029】従って本発明によれば、800〜1050
℃の低い焼成温度でも十分に吸水率1%以下の緻密な組
織の磁器質焼成品を得ることができる。
【0030】しかもこの磁器質焼成品は、ガラス粉の十
分な溶融液相化に基づいて表面部位までガラスが滲出し
て膜を形成するものとなり、この結果、焼成品表面が平
滑化して清掃性も良好となるといった利点が得られる。
【0031】更に加えて、上記ガラス粉/粘土の混合材
に対して顔料(金属酸化物)を加えたとき、その顔料が
効果的にガラス粉と溶融発色するので、焼成品を少ない
顔料できれいな色に発色させることができ、あたかも表
面に釉薬が施されているかのような加飾を自然に形成せ
しめることが可能である。
【0032】本発明によれば、上記のように800〜1
050℃の焼成温度で磁器質焼成品を得ることができ
る。原料として陶石,長石,粘土等を用いた従来の磁器
質焼成品の製造方法の場合、1300℃程度の高温での
焼成によって初めて磁器質焼成品を得ることが可能であ
る。
【0033】しかるに本発明によれば、低温焼成で磁器
質焼成品が得られるため、焼成に際して必要な熱エネル
ギーを大幅に節減でき、材料費が安価である(廃ガラス
を用いている)ことと相俟って、焼成品の製造コストを
安価となすことができる。
【0034】また低温焼成が可能であることから、焼成
炉や炉材の傷みが少なく、それらを長寿命化できるのに
加えて、ボールミルによる湿式混合ではその処理時間を
短くできるから(通常のボールミルによる混合では8〜
10時間が必要である)、生産性も高い特長を有する。
【0035】本発明では自動車廃ガラスを実質上100
μm以下に粉砕処理して用いるが、その理由は上記の説
明から明らかなように、焼成時におけるガラスの液相化
を促進する上で100μm以下としておくことが必要だ
からである。
【0036】一方その下限値としては実質上1μm、即
ち1μm以上のガラス粉とすることが望ましい(請求項
3)。このようにすることによってガラス粉の二次凝集
を良好に抑制することができ、良好な分散性を確保する
ことができる。
【0037】ここで実質上100μm以下とは、少なく
とも100μmより大きな粒子を含む場合においても、
その量が全粒子の量に対して1%(重量%)以下である
ことを意味する。また同様に実質上1μm以上とは、少
なくとも1μmより小さい粒子を含む場合においても、
その量が全粒子の量に対して1%(重量%)以下である
ことを意味する。
【0038】本発明ではガラス粉/粘土の比率を重量部
で80/20〜40/60とする必要がある。その比率
が40/60よりも小さいと、即ち粘土の量が多くなっ
てくると焼成温度が高くなってしまって低温での焼成に
よって磁器質焼成品が得られなくなってしまう。逆に8
0/20よりも大きいと、即ち粘土の量が少なくなると
成形性が損なわれ、成形を良好に行えなくなってしま
う。
【0039】また焼成温度を800〜1050℃として
いるのは、800℃未満であると焼結反応が十分に進行
せず、逆に1050℃を超えると低温焼成の利点が損な
われてしまうためである。
【0040】尚、本発明ではガラス粉/粘土の混合材の
みにて焼成品原料とすることも勿論可能であるが、必要
に応じてガラス粉/粘土混合材に対して且つガラス粉/
粘土を基準として10重量部以下の量で他の添加材を加
えることも適宜になし得る。
【0041】本発明においては、上記望ましい態様とし
てボールミルにより湿式混合処理を行うに際し、加える
水の量は50〜60重量部とするのが良い(請求項
4)。50重量部よりも少なくても、また60重量部よ
り多くても十分にガラス粉と粘土とを均一に混合するこ
とが難しい。
【0042】またボールミルによる湿式混合は2〜4時
間とするのが良い(請求項5)。これより少ないと十分
な混合を行うことが難しく、逆に4時間を超えて混合し
ても無駄に長く混合するだけとなってしまう。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1の工程
図に従って説明する。本発明では、自動車廃ガラスを1
〜100μmの細粒に粉砕処理し、これと粘土とを所定
の比率で調合してこれを水とともにボールミル10にて
湿式混合処理する。
【0044】ここで自動車ガラスはJASO(日本自動
車規格)で規格化されており、その組成はどの自動車メ
ーカーのどの自動車もほぼ同様であり、従って自動車廃
ガラスの組成変動は極めて小さく、ほぼ均質なものとし
て得られる。
【0045】本発明では、ガラス粉と粘土とを調合する
に際して、ガラス粉/粘土の比率を80/20〜40/
60とするが、その好適な例としてガラス粉60重量部
に対して粘土40重量部とをなすことができる。
【0046】但し必要に応じて他の添加材を添加するこ
とも可能である。その場合、添加材の添加量は粘土+ガ
ラス粉を基準として10重量部以下とする。
【0047】ボールミル10による湿式混合処理では水
を50〜60重量部加え、2時間〜4時間かけて湿式混
合処理する。尚、水の望ましい混合量は60重量部であ
り、またボールミル10による望ましい処理時間は4時
間である。但し水の量は外割、つまり先に調合された調
合材全体を基準としてこれに対する比率である。
【0048】このボールミル10による湿式混合処理に
よって、何れも微細な粒子からなるガラス粉粒子と粘土
粒子とを十分均質に分散混合することができる。
【0049】このボールミル10による処理は本質的に
ガラス粉と粘土とを混合するための処理であり、従来の
一般的なボールミル10の用い方のように粗大粒子を細
かく砕いた上で混合するといったものではない。そのた
めにこのボールミル10による混合処理では2時間〜4
時間の短い時間処理するだけで十分である。
【0050】さてこのようにしてボールミル10による
湿式混合処理により泥しょうを得たところで、次にこの
泥しょうを乾燥及び造粒処理する。その乾燥及び造粒処
理として、図1中上段のフィルタープレス12,乾燥室
14,ネットデシン粉砕機16を用いる方法、或いは中
段のスプレードライヤ18を用いる方法の何れも可能で
ある。中段のスプレードライヤ18を用いる方法は、泥
しょうに圧力を加えてノズルから噴出させるとともに、
その噴出泥しょうに対してエアを吹き付けて乾燥と同時
に粒状化し、坏土を造るといったものである。
【0051】一方上段の方法では、泥しょうをフィルタ
ープレス12にかけて脱水し、ケーキと呼ばれる板状の
ものを造る。その後ケーキを乾燥カゴに入れて100〜
100℃で2〜3日間乾燥する。その後その後乾燥させ
たケーキを水分調整(例えば8%)し、ネットデシン粉
砕機(解砕機)16により、例えば8メッシュの網目で
粉砕(解砕)し、坏土を造る。
【0052】さてこのようにして坏土を作成したら、次
に混合機20を用いて顔料を所定量(例えば坏土100
に対して顔料0.1〜5重量部)加え、例えば3分間程
度それらを混合撹拌して着色坏土を得る。
【0053】引き続いてこれを成形機22にかけて乾式
プレス成形し、所定の成形体、例えばタイル成形体を得
る。続いてその成形後の生素地を乾燥室24において7
0〜80℃で乾燥し、その後その乾燥後の成形体を焼成
炉で焼成する。その焼成炉としてはRHK(ローラハー
スキルン)25を用いることができ、そのローラハース
キルン25にて例えば1000℃で60分間焼成する。
これにより吸水率1%以下の緻密な組織の磁器質焼成
品、例えば磁器質タイルを得ることができる。
【0054】
【実施例】次に本発明の実施例を以下に詳述する。表2
に示すように自動車廃ガラスのガラス粉(粒径1〜10
0μm)と粘土(イ),粘土(ロ)とをそれぞれ60重
量部,20重量部,20重量部の割合で調合した。
【0055】
【表2】
【0056】粘土(イ)の成分組成は表3の通りであ
る。また粘土(ロ)の成分組成は表4の通りである。一
方比較のために磁器質タイル用原料を表5の内容で調合
した。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】本実施例及び比較例の原料の成分組成は表
6の通りである。
【0061】
【表6】
【0062】次に各調合材に対して水を外割で50〜6
0重量部添加し、表7に示す条件でボールミルにて湿式
混合処理した。
【0063】
【表7】
【0064】尚、比較例の調合材については解膠剤を
0.1重量部添加して行なった。一方本実施例の調合材
については解膠剤は加えなかった。これはガラス粉がア
ルカリ性なので解膠材は必要ないからである(微粉なの
でCaO,NaO等が溶出するため)。また比較例の
調合材では20時間かけてボールミルによる湿式処理を
行なった。これは比較例の調合材の場合、原料として長
石,陶石等を用いているため、これらを十分細かく粉砕
処理しつつ混合を行なうことが必要であるからである。
【0065】一方本実施例の調合材の場合、ボールミル
による処理は2時間〜4時間の短い時間で処理を行なっ
た。これは本実施例の調合材の場合、原料として微粒の
ガラス粉及び粘土を用いていることから、ボールミルに
よる処理はただ単にそれらを混合処理するだけで良いか
らである。
【0066】さてこのようにしてボールミルによる処理
を行なったところで、次に得られた泥しょうをスプレー
ドライヤを用いて乾燥及び造粒処理して坏土を得、乾式
プレス成形機にて成形して、その成形された生素地を7
0〜80℃で乾燥処理し、生素地強度を測定した。尚、
生素地強度の測定はJIS K 6301の方法にて行
なった。結果が表8に示してある。
【0067】
【表8】
【0068】表8から分かるように、本実施例品の場合
十分な生素地強度が得られている。
【0069】次に上記のようにして得られたタイル成形
体をローラハースキルンにより1000℃,60分の条
件でそれぞれ焼成処理した。得られた焼成品の吸水率を
測定したところ、比較例の場合には15.267%であ
るのに対し、本実施例品の場合には0.047%であっ
た。
【0070】
【表9】
【0071】この表9から分かるように、本実施例にお
いては吸水率1%以下の緻密な磁器質タイルが得られ
た。一方比較例品の場合吸水率が著しく大きくなってお
り、磁器質タイルは得られなかった。
【0072】比較例の磁器質タイル原料の場合、130
0℃程度の高温焼成した場合に始めて磁器質タイルが得
られるのであり、1000℃の低温焼成では十分に磁器
化をしないことから、吸水率が大幅に高いものとなって
いる。
【0073】次に表10は本実施例にて得られた焼成タ
イルの物性を比較例とともに示したものである。但し比
較例の場合、通常の焼成温度である1300℃,ローラ
ーハースキルンにて3時間の条件で焼成して得たタイル
(磁器質タイル)の物性測定値を示している。
【0074】
【表10】
【0075】尚、タイルの曲げ強度及び吸水率は日本工
業規格の陶磁器質タイル(JISA5209−199
4)に準拠して行った。この表10の結果から明らかな
ように、本実施例にて得られた焼成タイルの場合、従来
の磁器質タイルに較べても十分な曲げ強度を有し、また
吸水率も従来の磁器質タイルのそれに較べて小さいもの
であり、摩耗の程度もほぼ同等のものであった。更に耐
酸・耐アルカリ性,耐凍害性も全く異常のないものであ
った。
【0076】これらの結果から分かるように、本実施例
によって得られる焼成タイルは従来の磁器質タイルに較
べても全く遜色がないばかりかむしろ優れたものである
ことが分かる。
【0077】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁器質焼成品の製
造工程を示す図である。
【図2】自動車廃ガラスを粉砕処理したときの粒度分布
を一般のガラス粉との比較において示した図である。
【符号の説明】
10 ボールミル 12 フィルタープレス 14 乾燥室 16 ネットデシン粉砕機 18 スプレードライヤ 20 混合機 22 成形機 24 乾燥室 25 ローラハースキルン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 篤夫 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 彦坂 吉尚 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 梶原 拓治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 二木 宏 愛知県愛知郡長久手町大字岩作字寅山40 株式会社山久製陶所内 (72)発明者 加藤 篤司 愛知県愛知郡長久手町大字岩作字寅山40 株式会社山久製陶所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車廃ガラスを実質上100μm以下
    の細粒に粉砕処理し、該粉砕処理したガラス粉に対して
    粘土を、ガラス粉/粘土の比率が重量部で80/20〜
    40/60となる比率で加え、それらの混合材を用いて
    成形体を得、該成形体を800〜1050℃の温度で焼
    成して磁器質焼成品を得ることを特徴とする磁器質焼成
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、前
    記混合材をボールミルを用いて水とともに湿式混合処理
    して泥しょうを得、しかる後該泥しょうを乾燥及び造粒
    処理して成形用坏土を得ることを特徴とする磁器質焼成
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかに記載の製造方法
    において、前記粉砕処理したガラス粉の粒子が実質上1
    μm以上であることを特徴とする磁器質焼成品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2,3の何れかに記載の製造方法
    において、前記ボールミルによる湿式混合処理に際し
    て、水を前記混合材を基準として外割で50〜60重量
    部加えて行なうことを特徴とする磁器質焼成品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4の何れかに記載の製造方法
    において、前記ボールミルによる湿式混合処理を2〜4
    時間行なうことを特徴とする磁器質焼成品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の製造方法
    で作成した磁器質焼成品。
JP10255762A 1998-09-09 1998-09-09 磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品 Pending JP2000086326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10255762A JP2000086326A (ja) 1998-09-09 1998-09-09 磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10255762A JP2000086326A (ja) 1998-09-09 1998-09-09 磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000086326A true JP2000086326A (ja) 2000-03-28

Family

ID=17283279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10255762A Pending JP2000086326A (ja) 1998-09-09 1998-09-09 磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000086326A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010074309A (ko) * 2001-05-07 2001-08-04 문병일 폐유리와 광물소재를 이용한 경량 다공성 세라믹 제조방법및 그 제품
WO2008047395A2 (en) * 2006-10-18 2008-04-24 Rossano Ragazzini Process for producing thermoformed goods.
JP2014166946A (ja) * 2013-02-04 2014-09-11 Takahama Industry Co Ltd ガラス粉末及びガラス粉末を原料の一部とした陶磁器の製造方法
CN114773031A (zh) * 2022-04-29 2022-07-22 广东东唯新材料有限公司 一种陶瓷材料成型方法及陶瓷制品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010074309A (ko) * 2001-05-07 2001-08-04 문병일 폐유리와 광물소재를 이용한 경량 다공성 세라믹 제조방법및 그 제품
WO2008047395A2 (en) * 2006-10-18 2008-04-24 Rossano Ragazzini Process for producing thermoformed goods.
WO2008047395A3 (en) * 2006-10-18 2008-09-25 Rossano Ragazzini Process for producing thermoformed goods.
JP2014166946A (ja) * 2013-02-04 2014-09-11 Takahama Industry Co Ltd ガラス粉末及びガラス粉末を原料の一部とした陶磁器の製造方法
CN114773031A (zh) * 2022-04-29 2022-07-22 广东东唯新材料有限公司 一种陶瓷材料成型方法及陶瓷制品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0785175A1 (en) Synthetic clay for ceramics and process for preparing the same
WO1996002477A1 (en) Ceramic products, methods for their preparation, and glazing formulations for such products
JPH0240015B2 (ja)
JPH08283073A (ja) 窯道具
JP2000086326A (ja) 磁器質焼成品の製造方法及び磁器質焼成品
KR101343806B1 (ko) 경량도자기용 소지 조성물 및 이를 이용한 경량도자기의 제조방법
JP3450045B2 (ja) 耐摩耗性アルミナ焼結体及びその製造方法
JP3074246B2 (ja) 高強度無機発泡体の製造方法
KR20130067624A (ko) 다공성 경량 세라믹스 및 그 제조방법
JP4298506B2 (ja) セラミック製品及びその製造方法
CA1097697A (en) Low temperature calcined porcelain and process for preparation thereof
KR101071575B1 (ko) 황토 타일 조성물, 저온 소성 고강도 황토 타일 및 이의 제조방법
JPH0794342B2 (ja) 乾式成形瓦の製造方法
JP2909579B2 (ja) 窯業原材料及び該窯業原材料を用いたタイルの製造方法
JPH09227223A (ja) 快削性複合セラミックスの製造法
JP3746581B2 (ja) 陶磁器用坏土とこれを用いた成形体
KR101870793B1 (ko) 일라이트를 이용한 뮬라이트 휘스커의 제조방법 및 이를 이용하여 구현된 뮬라이트 휘스커
JP2679013B2 (ja) 構造体用バインダー及びそれを用いた焼結体並びに焼結体の製造方法
JPH10101403A (ja) ガラス粒体を原料に用いた広域温度帯焼結焼成体の製造方法
KR930011258B1 (ko) 파유리를 이용한 무기질 건축용 인조석재 및 그 제조방법
KR102424006B1 (ko) 레드머드를 포함하는 타일 조성물 및 이를 이용한 타일 제조방법
JP4275381B2 (ja) 溶融スラグを用いたタイルの製造方法
JP2908419B1 (ja) 舗装用透水性ブロックおよびその製造方法
JP2628024B2 (ja) 軽量透水性歩道ブロック
JPH11147753A (ja) 低温焼成陶磁器用可塑性粘土配合物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051206