JP2000085292A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JP2000085292A
JP2000085292A JP10297541A JP29754198A JP2000085292A JP 2000085292 A JP2000085292 A JP 2000085292A JP 10297541 A JP10297541 A JP 10297541A JP 29754198 A JP29754198 A JP 29754198A JP 2000085292 A JP2000085292 A JP 2000085292A
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Japan
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valve body
ink
valve
ink chamber
writing
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Yasuo Ikeda
保男 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 万年筆のようなペンに弾力を感じる筆記感が
あり、常時ペン先へのインクの供給を弁体で閉塞し、筆
圧に応じて弁体を開閉する事が出来、衝撃力や気圧変化
にも影響を受けず、交換式インク室とする事も出来、構
造が簡単でどのようなペン体にも利用できる、弁体を使
った方式の筆記具を提供する。 【解決手段】 軸筒に対してペン体を取りつけた揺動体
が筆圧に応じて揺動し、揺動体に設けた弁体作動部によ
り、インク室との間に設けた弁体を一方向に押しつぶす
事により弁体部インク導通路を開口する。筆圧印可が解
かれると、弁体の内部応力増加部の応力が開放されるの
で弁体が復元し、揺動体も元の位置に戻って弁体部イン
ク導通路が閉塞される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筆記先端をもった揺
動体が筆圧印加により軸筒との間で揺動し揺動体に係合
する弁体が開いてインクを筆記先端へ導く事ができるよ
うにした筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】筆記先端に筆圧を印加することによっ
て、インク室から筆記先端までインクを導通するインク
導通路を閉塞していた弁体を開口する方式はいくつかの
公知例が知られている。
【0003】第一の公知例は特表平7−505584に
示されている。ここではひとつの例として万年筆のペン
が筆圧で撓むことによりペンに係合した弁がインク導通
路を閉塞していた状態から離れる事でインクをペン先に
導通することが示されている。
【0004】第二の公知例は特許公報第2679874
号に示されている。ここでは筆圧によって筆記先端を含
む液体供給装置が軸筒内に引き込まれ、この引き込み作
用に応じてインク室が弾性部材の変形により加圧され、
弁装置が開放されることが示されている。
【0005】第三の公知例は特許公報第2679918
号に示されている。ここでは軸筒先端部に筆圧により引
き込まれる構造のペン体があり、ペン体を装着したスラ
イドホルダーのインク室側に弾性体よりなる弁体があっ
てペン体が筆圧で引き込まれると、弁体がインク室側に
弾性変形してインク室を加圧し、かつ、弁体に設けた開
口部が軸方向に押し開かれてスライドホルダーの開口部
の閉塞を解く事が示されている。
【0006】第四の公知例は特許公報第2683511
号に示されている。第三の公知例によく似ているが、ス
ライドホルダーの後部端部が切り込み状の開口部を持っ
た弁体で塞がれており、ペン体と共にスライドホルダー
が筆圧により軸筒内に引き込まれると弁体がインク室に
向かって軸方向に押しひらかれて開口する事が示されて
いる。
【0007】第五の公知例は特開平7−266782に
示されている。ここでは第四の公知例のスライドホルダ
ーをなくし、ペン体が筆圧により軸方向に移動して直接
弁体をインク室方向に押し、切欠部を持った弁体をイン
ク室側へ押し開いて開口する事が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第一の公知例ではペン
体の撓み方向がひとつに限られこの方向のみに弁が開閉
するためぺんの背と腹で太線、細線を使い分ける表と裏
を使用する万年筆には使えないことや、繊維束ペンやボ
ールペンのようなどの方向にも筆圧がかかる可能性のあ
るもには使う事ができない。
【0009】又、筆記具は机や手から直接、床などに落
下しやすいものである事を考慮すれば、弁体とこれをう
ける弁座との密着性を長期間良好に維持することが困難
であること、衝撃により簡単にインクが飛び出すこと、
ペン体を容易に交換できないこと、小型のペン体には構
造上利用できない複雑な構成であること、従ってコスト
が安くならない事、インク室を分離着脱して交換式にす
るなど広範な利用ができない事、ペン体を倒立して筆記
先端に筆圧を加えると弁体が開くためインク室内に空気
を飲み込んでしまい、一度の誤った使用で以後の良好な
筆記が妨げられるなどの欠点がある。
【0010】第二から第五までの公知例は、すべて筆記
先端に筆圧が加わるとペン体ないしペン体をかかえてい
るスライドホルダーが軸心の方向へ移動して軸内に引き
込まれる基本メカニズムになっている。
【0011】軸内にペン体が引き込まれると大まかな使
い方しかないアンダーラインを引くための筆記具には使
えるが、万年筆やボールペン、細字のプラスチックペン
や繊維束ペンなどでは正確な運筆や速書き、弱い筆圧で
流れるように書く、などの使い方には使用上不都合な感
じを使用者に与えるため使われていない。
【0012】又、筆圧の変化を使用者に感じさせない範
囲で引き込み可能とするには、ペン体などが軸方向に軽
い筆圧で動く事が必要で、ペン体の軸筒内での摺動抵坑
を低くするため隙間を大きく作ると、キャップをはずし
て放置した時の乾燥が加速され、インクの乾燥残さを生
じて摺動抵抗が大きくなり不安定な動きと故障を生む原
因となる。
【0013】ペン体位置の復元は弾性体よりなる弁体の
復元力に依存するので弁体の閉り方が悪くなり乾燥残さ
を挟み込む機会も多くなる。また、衝撃が加わる場面で
は低筆圧で開く弁体であるためインク室に加わる慣性力
で弁体が開いてしまいペン体を取り囲む隙間が大きい事
からインク室へ空気を飲み込む機会もまた多くなる。
【0014】又、弱い筆圧で開く弁体の製造上の要求精
度が厳しく弁体を軸筒に取り付けたときの嵌合時のオー
バーラップ代も厳しい管理が求められ全てコストアップ
の要因となってしまう。
【0015】さらに弁体の開口部を大きくする事ができ
ない。その理由はペン体の少ない移動量や弱い力で弁体
を大きく開く事は衝撃などに対する空気の飲み込みを容
易にしインク出不良やインクのボタ落ちを招く原因にな
るからであり、インク乾燥残さのほかに組み立て時に存
在する繊維束ペン体などを使って組み立てるときの繊維
の微小な破片を挟み込んでしまう危険がある上、広い開
口部を弱い力で閉塞するので密閉のための面圧が不足し
てしまうなどの問題点がある。
【0016】さらにこれらの弁体が受ける軸筒等からの
圧縮力の方向と、これを開口するために加わるペン体の
移動方向とが概ね垂直であるので、開口部の閉塞力を大
きくする事ができない。仮にこれを大きくすると一度弁
体が軸方向に押し開かれると復元時には開口部が圧縮力
を受けて閉まる必要があるが,復元に際して弁体を閉じ
る方向に力を加えるものが無いため開口部の閉塞が不充
分になってしまい,そのために弁体を閉塞する力はほと
んど無く,単に開口部同志が接触する程度のきわめて弱
い圧縮力しか働かせることができずこれでは衝撃や気
圧,温度などの外界からの何らかの作用が働くと機能不
全になる可能性が極めて高くなる。
【0017】さらに重要な点として材質に由来するイン
クの濡れ性の問題がある。弁体の開口部は弁体の材質だ
けでインクに接触することになるため、弾性体でありな
がらガス透過性が低く経時変化の少ないもので、かつイ
ンクに対する濡れ性が良くないと弁体が開いてもインク
が弁体の開口部に膜状に張り付いてペン体側へ導通しな
いことが起こる。
【0018】
【課題を解決するための手段】筆記先端にかかる筆圧を
利用してどのように弁体の開閉を行うかがこの課題を解
く鍵となるが、筆記先端が万年筆、ボールペン、繊維束
ペン、プラスチックペン、フェルトチップペン等、多種
多様であり一方向或いは二方向しか筆圧をかけられない
ものや、360度どの方向にも筆圧がかかる機会のある
ものもあり、カリグラフィイに用いられる各種の線幅の
インクの消費量がいろいろとあるペン体や、コストの安
い使い捨て目的のもの、金合金などを使った高価で長年
月使用し、分解修理や洗浄等が行えなければならないも
のなどがある。
【0019】これらのものは、落下や衝撃、キャップ着
脱時の急激な気圧変化、放置環境における高温や光線の
被爆に晒されることもあり、長期間放置された後の即時
の筆記可能な性能の実現や、大容量インク室をそなえ、
場合によってはインク室を分離着脱可能とし、かつきわ
めてローコストな製造を可能にする簡単なメカニズムで
あること等等の要素を考慮する必要がある。
【0020】この課題を解決するための第一の手段は、
一端に筆記先端を持つ揺動体があって、これを軸筒に揺
動可能に配置し、揺動体の他端にインク室とも係合する
弾性体よりなる弁体を装着する構造とすることである。
【0021】筆記先端に筆圧をかけると、揺動体が少し
傾いて揺動体を通る軸心とインク室を通る軸心が、筆圧
印加前は平行であったものが筆圧の印加で揺動体の軸心
が傾くため二つの軸心間に角度が発生し、この角度の中
心の前後の位置では二つの軸心が共に偏心を起こしてい
るので、この偏心量を弁体の変形に用いるようにどちら
かに弁体を配置すれば、一つの弁体の中でより圧縮を受
けて閉塞力が上昇する部分と、圧縮力が筆圧無印加時,
即ち筆圧開放時より弱められ閉塞力が減少する部分とが
生じ、強められた部分は揺動体を元に戻すように働き、
弱められた部分は弁体と揺動体あるいは弁体とインク室
との間に隙間が生まれ,こうしてインクは弁体材質と揺
動体材質,或いは弁体材質とインク室材質との間を通り
ペン体の筆記先端まで導通する。
【0022】弾性体である弁体材質のインクとの濡れ性
に難点があっても、揺動体またはインク室の材料に濡れ
性の良いものを選ぶ事が出来るので、前記の小さな隙間
にも簡単にインクを侵入させる事ができる構造を実現す
ることができる。
【0023】この方法によれば弁体による閉塞力に関し
ては,弁体と揺動体或るいはインク室との間に働く弁体
の圧縮力の方向と、インクが流れる隙間をつくるための
弁体を押しつぶす方向とは,同じ面内で起こるので、弁
体が再度閉じるときの内部応力の開放の方向と一致し無
理なく閉塞状態を復元することが出来る利点がある。
【0024】従って,弁体にかける初期の圧縮力を大き
くする事が出来るためインクの閉塞度が高く,その結果
衝撃などに十分耐えられるだけの性能を発揮させること
が出来る。
【0025】第二の手段はこの同じ基本原理を分離着脱
可能なインク室に用いる事である。この基本原理は各種
の筆記具に用いる事が出来る。使用中の分離着脱可能な
インク室を軸筒から分離させてもインク室からインクが
漏れることが無く、このインク室も衝撃などに対してき
わめて十分な耐久性を備えさせることができるし、筆記
具として使用中にインクの色を変えて使うニーズも多く
あり、これまでの筆記具ではペン芯などの溢出インク用
コレクターなどに入り込んでいるインクを除くことが出
来なかったが,十分な閉塞力をもった弁体のシステムで
あるので、溢出インク用のコレクターが不用となり、万
年筆の場合のようにペン体を構成するペンとペン芯の構
造は単なるインク溝のみになるため、極めて構造が単純
化できる事から、そこに残留するインクもまた極めて少
量であり、使用途中でのインク室の交換が可能となる。
【0026】インク室のペン体側が十分にインクを閉塞
できるため、軸筒内にインクを一時的に、又は分離着脱
式に構成したときに従来用いられてきたインク消費に似
合ってインクに追随して動く粘調剤或いはこれと浮遊体
を用いた移動する栓を使う方式だけでなくインク室を膜
圧の薄いフィルムを用いた袋とし、インクの消費に伴っ
て袋が潰れていく方式を用いる事が出来るようになっ
た。
【0027】この袋によるインク室の利点は気温や光線
といった粘調剤の粘調度に影響を及ぼす因子を埒外にお
く事が出来る事、コストが安く作動が安定している事に
ある。
【0028】第三の手段としては,揺動停止装置を組み
込む事で、軸等を倒立に近い状態、例えば壁に紙を当て
てメモを取るような状態で筆圧を印可すると、前記の従
来の公知例では空気がインク室に飲み込まれてしまう現
象が生じ、弁体の閉塞度の低さと相俟って筆記先端を下
に向けた筆記時にボタ落ちを誘発する事が起こるが、本
発明においては必要により揺動停止装置を組み込む事で
簡単に、自然にこれを防止する事が出来るようになる。
【0029】第四の手段としては、揺動量調節装置を組
み込む事で、本発明によれば筆圧を印可しない限りイン
ク室とペン体との間でインクの流れが完全に遮断される
ため、従来極めて多量の筆記具に用いられた、毛細管現
象を利用したために必要な筆記時のインク室内の圧力を
外界より若干低く保つ手段が不必要となり、インク室の
内圧を高く設定し、インクの流量を揺動量調節装置で自
由にコントロールする事が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定さ
れることなく各種の組み合わせが可能である。実施の形
態中、同じ部材、同じ箇所を指す場合は、同じ番号を付
してある。
【0031】第一の発明の実施の形態を図1乃至図7に
示す。図1は本発明を実施した一例の全体像を示す。軸
筒101はインク室115にインク99を貯え、尾孔9
3と外界に通ずる空気室96とは、粘調材97とこれに
埋もれた浮遊体94でインク中に気泡が混入しないよう
隔てられており、繊維束のペン体147は軸筒101と
の間で揺動可能に装着されている揺動体118の中に挿
入され、揺動体118のインク室115側にはインク室
115に突き出たプラグ124があり、一部に弁体13
2が軸筒内壁との間に装着されている。
【0032】粘調剤を用いるインク室の方式は広く知ら
れており、ペン体でインク99が消費されるとこれに見
合う分だけ粘調剤97と浮遊体94がペン体側に前進
し、インク室内に交替空気を入れない方式のものであ
る。
【0033】本発明はこの様なインク室の方式やインク
消費に応じて縮小する軟質のインク袋を使った他のイン
ク室の方式も利用できるが、これらインク室の容積減少
に対応する方式にはとらわれず主体的に軸筒と揺動体と
弁体とインク室との関係に重点をおく発明でありこの部
分について以下に詳しく説明を行うものである。
【0034】図2は、軸等の先端に近い揺動体を含む部
分の拡大縦断面図を示してある。その内の軸筒だけにつ
いて図4に示してある。軸筒101の円筒状の内壁10
2の一部に軸心S2−S2上に中心点Pをもつ凹状球面
の支持部105が設けられ、更にインク室115に近い
内壁に段109が設けられている。段109の支持部1
05寄りの内壁102は、図5に示す弁体132の外面
である弁体受け部向け被着部135が装着される弁体受
け部110となっている。
【0035】図3に示す揺動体118は、軸心S1−S
1を中心にした回転体で、この軸心上に中心点Pをもつ
凸状球面の係合部119を設け、軸心側に孔をあけて繊
維束からなるペン体147を挿入固定してある。
【0036】ペン体の後部155は揺動体118にもう
けた揺動体118の外側に通ずる数本のスリット122
に接しており揺動体部インク導通路144を形成してお
り、揺動体118のインク室115側には、円筒状の突
き出した部分であるプラグネック125と、小さな段1
27を持ちインクガイド溝126をもったプラグ124
が設けられている。
【0037】プラグネック125の表面は、一部分、ス
リット122の底の部分に連続し、インクガイド溝の底
の部分にも連続している。プラグネック125の表面が
弁体作動部123で、図5に示す弁体132の内面であ
る弁体作動部向け被着部140が装着される。
【0038】図5に示す弁体132は厚みを持った円形
乃至多角形状の概略リング状を成しており、弾性材より
なりインク99やその蒸気または空気なども不透過で、
インク99への濡れ性も吟味された材料で作られてい
る。弁体132の弁体作動部向け被着部140や弁体受
け部向け被着部135はいずれも内部応力が常時働くよ
うに弁体作動部123や弁体受け部110と、寸法上は
オーバーラップするように設計されている。
【0039】組み立てに際しては図2に示すようにまず
軸筒101の弁体受け部に弁体132の弁体受け部向け
被着部135を閉まり嵌めとなるよう圧入し、ペン体1
47を揺動体118に十分に挿入固定してからプラグ1
24の側から軸筒101に挿入する。
【0040】揺動体の係合部119はその最大外径が軸
筒先端内壁103の内径より少し大きいが、軸筒先端内
壁103の厚さが薄いので圧入により装着される。その
結果揺動中心点Pを中心にして係合部119が支持部1
05の内側に微小な隙間を持って装着され、中心点Pの
回りに揺動可能となり、弁体132の弁体作動部向け被
着部140はプラグネック125の弁体作動部123に
閉まり嵌めとなるように圧入される。
【0041】筆記先端148に筆圧がかかっていないの
で揺動体118の軸心S1−S1とインク室軸心S2−
S2は、ほぼ重なっており弁体132の半径方向の内部
応力はすべてバランスしているので揺動体118は揺動
しない。
【0042】揺動体118の弁体作動部123と弁体1
32の弁体作動部向け被着部140の間が弁体部インク
導通路145aであり、更に弁体受け部110と弁体受
け部向け被着部135の間が弁体部インク導通路145
bであるが、共に弁体132で内部応力の歪が生ずる程
度に圧迫され閉塞されている。
【0043】図2の状態で外から大きな衝撃が加わって
も、揺動体118のスリット122の設けられた壁12
1、及びプラグ124の段127、及び軸筒101の段
109によつて、軸方向への移動が制限されこれによ
り、弁体132も軸心方向に大きく動く事が出来ず弁体
部インク導通路145(145a,145b)は全ての
閉塞状態が安定的に持続される。
【0044】図6に筆記先端が紙面98に当接して筆圧
が印可された状態を示す。筆圧印可により揺動体118
は中心点Pの周りに軸心S1−S1と軸心S2−S2の
間に角度95を生じ、弁体132の一方が弁体作動部1
23に押しつぶされる結果、弁体132の一方に内部応
力を増加させて歪を生ずる、内部応力増加部136を生
じ、他方に当初の内部応力を減少させた、内部応力減少
部137を生む事となり、内部応力減少部137に相当
する弁体作動部向け被着部140と、これに対向する弁
体作動部123の間の一部が隙間を発生し、この部分の
閉塞していた弁体部インク導通路145aが開き、イン
ク99がインク室115から開いた弁体部インク導通路
145aを通り揺動体部インク導通路144を通って筆
記先端148に導通する。
【0045】筆圧印可が解かれると、図7に示した弁体
132の内部応力増加部136から内部応力減少部13
7へ向かって内部応力の開放が行われ、そのためプラグ
ネック125の弁体作動部123が押され、弁体132
の内部応力がバランスするまで揺動体118は復元する
方向に揺動し、開放されていた弁体部インク導通路14
5aが元に戻って閉塞される。
【0046】図6では弁体作動部123と、弁体作動部
向け被着部140の間の弁体部インク導通路145aが
閉塞を解いた図として示したが、設計次第で、内部応力
減少部137の側の弁体受け部110と、弁体受け部向
け被着部135の間の弁体部インク導通路145bも同
時に、あるいは後者のみを閉塞から解放することが可能
である。
【0047】弁体132の一方の側面138aは揺動体
の壁121との間に微小な隙間があり、これが揺動体部
インク導通路144で揺動体118の揺動と共に隙間の
幅を変化させる。また他方の側面138bはプラグ12
4の段127との間の隙間の巾も同時に変化させるので
開放、閉塞を繰り返す弁体部インク導通路145へのイ
ンク99の侵入を助長する。即ち弁体部インク導通路1
45自体がポンプ動作の作用で弁体作動部123と弁体
132の弁体作動部向け被着部140のインクの濡れ性
を改善する働きがある。
【0048】揺動体118の係合部119と軸筒101
の支持部105のあいだの揺動運動は、すべりを伴って
行われ、すべり面は凸状球面と凹状球面間で行われるた
め、筆記先端148にどの方向から筆圧が加えられて
も、滑らかに揺動して弁体を作動させることが出来るの
で、揺動体部インク導通路144及び弁体部インク導通
路145のインクの流れを制御する事が出来る事から、
筆記に際し、ペン体147に、方向性の無い、繊維束ペ
ンやボールペン、フェルトペン、プラスチックペン、パ
イプペンなどのペン体が使用できる。
【0049】第二の発明の実施の形態を図8に示す。図
8は軸筒201と先軸212とからなる筆記具で、ペン
体247を天空に向けた倒立状態を示している。中心点
Pを持つ凸状球面を有する係合部119は第一の実施例
と同じ物が用いられており、これを装着する支持部20
5は、軸筒201の先端内側に設けたリング状の支持部
205aと、軸筒201の先端外壁103に設けたビー
ドに嵌合している先軸212の内側に設けたリング状の
支持部205bとからなり、支持部205a、205b
は小さな半径で丸めた段で形ずくられている
【0050】係合部119はこの二つのリング状の支持
部205a,205bによって挟まれた、軸受けとして
働く支持部205の中で中心点Pのまわりに揺動するこ
とが出来る。
【0051】揺動体119の筆記先端247に近い部分
に数本のバネ276を持った復元力付勢装置275が一
体に設けてあり軸筒201に固定された先軸212の内
壁213に弾発している。
【0052】揺動体218の係合部119をはさんだ反
対側には揺動体218の外径を太くした大径部264と
小径部265とを設け、軸筒201の内径202との間
に鋼球262を筆圧が印可されない状態の下で自由に動
くように装着された揺動停止装置261を設けてある。
【0053】ペン体が天空を向いて倒立しているので鋼
球262は大径部264と、これにもうけたストッパ2
63と軸筒内壁202との間に自然に入り込み、この状
態で筆記先端248に筆圧が印可されても揺動体119
は揺動することができないので、インク室215への空
気の呑み込みは発生しない。倒立を解いて筆記態勢にな
ると、鋼球262は小径部265側へ移動して、内壁2
02との隙間が大きいので揺動体218は自由に揺動可
能となる。
【0054】揺動体218の更にインク室215寄りに
はシール面242が設けられ、プラグ224とプラグネ
ック225とスリット222とが設けられており、プラ
グネックの外周面が弁体作動部223となっている。
【0055】弁体232はシール面242に係合する、
先端にOリング状のシール面接触子243を持つカップ
状をした弾性体シールカバー241を備えた形をしてお
り、中央の孔が弁体作動部向け被着部240であり、外
周面の一部が弁体受け部向け被着部235となって、前
者がプラグネック225の弁体作動部223に、後者が
弁体受け部210に装着されている。
【0056】弁体作動部223と弁体作動部向け被着部
240との間に生ずる弁体部インク導通路245の開閉
動作は、第一の実施例と同じであるため説明を省略す
る。
【0057】ペン体247は水性ボールペンであるが、
ボールペン類は高い筆圧で使用されることが多く、その
ため揺動体の復元力もまた高いものでないと、筆記中に
揺動体が軸等の内面等へ衝突するときのショックが感じ
られてしまうことから、復元力を増強する策が有効であ
る。また、この復元力付勢装置は、従来ボールペン類が
持っていた弾力欠如の特性に改良を加えるものであり、
万年筆のごとき運筆時の弾力を与える事も可能であるた
め、使用による疲労感も改善される特徴がある。
【0058】弁体232は、前述のようにシール面24
2に接触するシール面接触子243を持った弾性体シー
ルカバー241を持っているため、揺動体外面へインク
99が漏れることが無く、揺動停止装置261の鋼球2
62の動きをインク99が妨げる事も無く、係合部11
9と支持部205のすべり運動もまたスムーズなままに
保つ事が出来る。
【0059】第一および第二の実施例では、筆記先端2
48から中心点Pまでの距離L1と、中心点から弁体作
動部223までの距離L2の比率を自由に設定できる利
点があり、揺動する角度95に対しての筆記先端248
の揺動距離と、弁体132,232の変形量である内部
応力増加部236の変形量、即ち弁体部インク導通路2
45の開口量を、L1とL2の設定次第で最適条件を求
める事が可能である。
【0060】また、第二の実施例には揺動停止装置26
1が用いられているが、第一の実施例にも用いる事が出
来、更に復元力付勢装置も同様である。とくに揺動停止
装置は、従来例の、ペン体が軸筒内に没入することで弁
体が開く方式には、これまでに無かった方式であり、筆
記具としての使用上の安全度が遥かに高められている。
【0061】第三の発明の実施の形態を図9、図10に
示す。ペン体347は、万年筆に用いられる切割を有す
る筆記先端348を持った金属製のペン349と、イン
ク溝352を有する樹脂製のペン芯350よりなり、こ
のぺん体347が筒状の揺動体318に挿入固定されて
いる。ペン芯350の後部351には、プラグネック3
25が有りプラグネック325は断面が円形で、その外
周部が弁体作動部323となり、更にインクガイド溝3
26を持ち、段327を持ったプラグ324が設けられ
ている。
【0067】インク溝352は、ペン芯350の先端か
ら壁321まで設けられ弁体132に対向している。
【0068】揺動体の断面A‐Aを図10に示したが揺
動運動の中心点Pを通る垂直な軸心P1‐P1を持つ断
面円形の軸の形をした一対の係合部319を、軸筒30
1の内壁302に設けた軸受けとしての支持部305に
装着している。
【0069】揺動体318の係合部319とプラグネッ
ク325のほぼ中間位置の下側に、溝367と鋼球26
2よりなる揺動停止装置361が有り、軸筒301の対
向する内壁302が斜面366となっていて、鋼球26
2がインク室315側に寄ったときに揺動体318を揺
動不能にする。
【0070】万年筆のペン体は筆記の際に方向性があ
り、揺動体318の揺動運動は第一、第二の実施例のよ
うに等方向性を求めないため、前述のような構造となっ
たものであるが、第一、第二の実施例の凸状球面の一部
を用い軸心S1−S1自身の周りに回転しないような自
転防止の溝や壁を係合部との間に設けても良い。また、
係合部として小さな半球形の凸面を軸心P1−P1の両
側に設けピポットベアリングの形式としても良い。
【0071】弁体132は第一の実施例に用いたものと
同じ物が使用されており、弁体作動部323及び弁体受
け部310に装着された時の作動、及び弁体部インク導
通路345の開閉動作は、第一の実施例で説明したもの
と同じであるため説明を省略する。
【0072】揺動量調節装置370は、軸筒の先端内壁
303とねじ嵌合をしており、軸心P1−P1の周りに
係合部319が揺動すると、内壁371に揺動体318
の外壁の一部が当接することで揺動量が制限される。揺
動量調節装置370を回転させると、ねじ嵌合によって
軸心P1−P1との距離が変るため揺動量を任意に調節
する事が可能となり、その結果、弁体132の弁体作動
部向け被着部140と弁体作動部323の間の弁体部イ
ンク導通路345の大きさが変化して、インク99の流
れる量を変化させることが出来る。これをもって揺動量
調節装置370はインク流量可変装置でもあることが理
解されよう。
【0073】このインク流量可変装置と等しい機能を持
つ揺動量調節装置は、万年筆のごときペン体、即ち切割
を有するペン体には非常に有効で、小さな文字と大きな
文字を一つの筆記具で使い分ける際に役に立つ機能であ
る。また、揺動体の外側の面と揺動量調節装置の内側と
の間で、ねじを十分に締めた状態、或いはその逆の方式
として緩めた状態で揺動運動を完全に止めてしまう新た
な揺動停止装置とする事も可能であることが理解されよ
う。この役に立つ斜面が図9に示す楔331として示さ
れており、揺動量調節装置370を十分にねじ込むと揺
動量調節装置370の後の端面が楔331に当接して、
楔331の斜面に嵌合し揺動不能とすることが出来るも
のである。
【0074】第四の発明の実施の形態を図11に示す。
図9に示した第三の実施例においては、揺動量調節装置
370を軸筒301の先端内壁303にねじ嵌合させる
方式としたが、図11に示す第四の実施例では、この部
分を揺動体318側に設けたものである。
【0075】揺動体318aの筆記先端348側の外壁
にねじ嵌合する揺動量調節装置370aは、軸筒301
aの先端内壁303aとの間の隙間372を、揺動量調
節装置370aを回転することで変化させるもので、こ
れにより揺動量を変化させてインク出をコントロールす
る事が出来る。
【0076】揺動量調節装置を十分にねじ込むと、先端
内壁303aと揺動量調節装置370aの外側テーパー
部374が当接し、揺動不能とすることが出来る。
【0077】第五の発明の実施の形態を図12に示す。
軸筒401の支持部405にインク通孔407を持つ係
合部419により片持ち梁状に固定された揺動体418
は、揺動運動のための細長い円筒状の可撓部420を有
し、揺動停止装置461とペン体447付近に段427
を設けて、弁体作動部423とペン取り付部454をス
トレートな丸棒として一体に成形されている。
【0078】揺動停止装置461は、大径部464と小
径部465を有する凸球面の一部で、軸筒401の内壁
402に設けたストッパ463としての段さとの間に、
鋼球262を組み込み、鋼球262は軸筒401が倒立
状態になると、図11に示すように大径部464とスト
ッパ463の間に位置するため、ペン体447に筆圧が
加わっても揺動体418は揺動不能となっている。
【0079】弁体132は第一の実施例に示したものと
同じ物で、軸筒401の弁体受け部410に弁体受け部
向け被着部135を、揺動体418の弁体作動部423
に、弁体作動部向け被着部140を装着して弁体部イン
ク導通路445を閉塞している。
【0080】繊維束またはプラスチックまたはボールペ
ンなどから成るペン体447は、ペン体取り付け部45
4に取りつけられるが、図11には繊維束ペン体の例を
示してあり、ペン体の後部455を弁体132の側面1
38aに接近させて固定されている。
【0081】ペン体447に筆圧が印可されると、可撓
部420で撓みを生じて揺動体418は揺動し、弁体作
動部423が弁体132の弁体作動部向け被着部140
を押しつぶすように変形させて、弁体132に内部応力
増加部136と内部応力減少部137を発生し、弁体部
インク導通路445を開口して、インク99は直ちにペ
ン体447に導通される。
【0082】図12に示す第四の実施例は、構造が極め
て単純であり構成部品も少なくローコストである点が特
徴で、可撓部420は断面円形の片持ち梁構造であるた
め、筆記先端にどの方向から筆圧が印可されても、どの
方向にも彎曲する事が可能であり、揺動の角度は極めて
小さい事から可撓部420の内部応力もまた小さいため
耐久性がある。
【0083】また、弁体部インク導通路445からペン
体447の筆記先端までの距離を最小限度まで小さく出
来る事もペン体447が乾燥気味になったときのインク
導通に有利であるし、ペン取りつけ部454の先端に小
孔をあけた尖筆を取りつけると、繊維束のペン体447
がインク導通のためのペン芯とすることも可能で極めて
細い線も書ける筆記具とすることも可能である。また、
ペン体が容易に着脱できる事からペン体を交換可能とし
各種のペン体を着脱して使う事も出来る。
【0084】第五の発明の実施の形態を図13に示す。
揺動体518の一部がペン芯の役割をしてインク溝55
2を持って万年筆のペン体547を装着しており弁体作
動部523、段527、偏平な可撓部520、係合部5
19が一体に形成されている。
【0085】弁体部インク導通路545はインク溝55
2とは軸心をはさんで反対側に開口するためリング状の
浅い溝である連絡溝553をリング状に設けている。
【0086】係合部519は軸筒501の内側に設けら
れた数個のインク通孔507をもつ支持壁506の中央
の嵌合用の孔をあけた支持部505に圧入されている。
【0087】筆記先端548に筆圧が印可されると、偏
平な可撓部520は断面が偏平であるため一方向のみに
撓む。揺動体518が揺動した時の弁体132の機能
は、前述の第四の実施例と同じであるため説明は省略す
るが、弁体作動部523が弁体132を上方に押しつぶ
す事になるので、開口した弁体部インク導通路545を
通ったインク99は、前記連絡溝553を通ってインク
溝552に導通される。
【0088】軸筒501の先端外壁504にねじが施し
てあり、揺動量調節装置570がこれにねじ嵌合してい
る。揺動量調節装置570を回転させれば、揺動量調節
装置570が前後してその内壁513がペン体547に
当接する位置が変り、揺動体518の揺動の角度95が
制限される。揺動量調節装置570のインク導通に及ぼ
す作用、効果は前述の第四の実施例に示したものと同じ
であるので説明は省略する。
【0089】第六の実施の形態を図14に示す。揺動体
618は四本の壁厚のうすい壁621を軸心方向に持
ち、その一部からバネ676が一体的に成形され、係合
部619は先端が小球面の円錐状の突起となっており、
軸筒601と一体に整形されインク通孔607を持った
支持壁606中央の頂角の大きい凹面の円錐面を支持部
605として当接し、ピポットベアリングとなってい
る。
【0090】バネ端面677は軸筒の段609に僅かの
軸心方向の隙間を持って軸筒601の内壁602に弾発
しており、復元力付勢装置675として弁体632と共
に揺動体618をセンタリングしている。
【0091】弁体632は壁621との間に僅かの隙間
が出来るように配置され、軸筒601の弁体受け部61
0と弁体受け部向け被着部635を装着し、弁体作動部
向け被着部640は、揺動体618の円筒状をした弁体
作動部623に装着されている。
【0092】ペン体647は揺動体618のペン体取り
付け部654に圧入されているが、筆圧がペン体647
に印可されると、揺動体618はピポットベアリングで
ある係合部619と支持部605を支点として揺動す
る。
【0093】ペン体647はプラスチックのペン体で、
中央にペン取りつけ部654に嵌合する孔と、その孔か
ら放射状に多数のインク溝652を設け、このインク溝
652は筆記先端648まで伸びて、ペン取りつけ部6
54との間に毛細管作用の働く揺動体部インク導通路6
44の一部を形成している。
【0094】弁体632の一方の側面637aから先端
にOリング状のシール面接触子643があり、カップ状
に伸びた外面を持つ弾性体シールカバー641が弁体6
32と一体に設けられ、シール面接触子643がペン体
647の内側に設けられたシール面642に常時当接し
てインクの漏れを防止している。
【0095】このような構成のためペン体647はカリ
グラフィイや塗布型の字消し塗布具など筆記先端の縦横
の線幅の異なる用途に用いられる。
【0096】この構造では片持ち梁でなくピポットベア
リングを採用したためインク99が溶剤型のものでも良
く、可撓部が無いので材料が疲労破壊する恐れもない。
ペン体をガラスなどのセラミック製とし揺動体をピポッ
トとペン取りつけ部を持つ、細長い一本の金属の棒とし
て製作しバネを別の部品として製作して用いれば更に耐
酸、耐アルカリ、耐溶剤性が必要な用途にまで利用範囲
を広げられる可能性を持っている。
【0097】第七の発明の実施の形態を図15に示す。
この実施例では第六の実施例の弁体とペン取りつけ部ペ
ン体を一部変更したものでピポットベアリングの係合部
619、支持部605を用いている点は第六の実施例と
同じである。
【0098】弁体は第一、第三、第四、第五の実施例に
用いた弁体132で、揺動体718には弁体内面の弁体
作動部向け被着部140に対向する弁体作動部723
に、いくつかの小孔状スリット722aを持つ深孔のあ
いたペン取りつけ部754を設け、その中央に水性ボー
ルペンのペン体747の後部755を挿入している。ス
リット722bの外側には、弁体132とは別に設けた
弾性体シールカバー741があり、常時スリット722
を覆っており、弾性体シールカバー741の一方は軸筒
先端に嵌合している。
【0099】スリット722aは弁体132の弁体作動
部向け被着部140のほぼ中央に位置し、揺動体718
が揺動し弁体作動部723により弁体132の一部が押
しつぶされて弁体部インク導通路745が開口すると、
インク99は直ちにスリット722a、722bを通っ
てペン体後部755へ達する事が出来る。
【0100】このような構造をとることによりボールペ
ンのごとき、ペン体の細長い寸法形状のものでも揺動体
に装着する事が出来、かつ、弁体部インク導通路の開閉
によって十分なインク流量と閉塞動作が行えることが理
解されよう。
【0101】第四から第七までの実施例に見るように、
弁体作動部(423,523,623,723)から係
合部(419,519,619,619)までの長さを
細く長く設計する事が出来るので、ペン体に筆圧が印可
されたときの筆記先端の揺動量と弁体部インク導通路
(445,545,645,745)の開口の大きさと
の差が小さく出来、かつ、ペン体も種種のものが取りつ
け可能であることから軸筒外径を細くでき、コストも極
めて安く出来る事などが共通の利点となっている。
【0102】第八の発明の実施の形態を図16に示す。
軸筒801の支持部805は中心点Pを持つ凸状球面状
をなし、揺動体818の係合部819は中心点Pをもつ
凹状球面をなして装着している。
【0103】インク室815は揺動体818の内側に、
ペン体847方向に伸びていてインク通孔807と円筒
状の弁体受け部810があって、弁体823の弁体受け
部向け被着部835が嵌合している。
【0104】弁体832は円盤状の外周に弾性体シール
カバー841をもち、インク室外壁816に常時接触
し、係合部819と支持部805にインク99が侵入す
るのを防いでいる。弁体832の外面は揺動体内面の弁
体作動部823に装着される弁体作動部向け被着部84
0となっており、弁体受け部810と弁体作動部823
の間に圧入される。
【0105】第一から第七までの実施例における軸筒と
揺動体の構成が、軸筒側の中に揺動体が装着される方式
であったが、ここに示した第八の実施例はこの関係を逆
転させている。
【0106】この方式の特徴は製造時の部品製造性及び
組み立て性の良さに有り、軸筒801の弁体受け部81
0に弁対832を圧入した後に、ペン体847を挿入し
た揺動体818を押し込むと、支持部805と係合部8
19が正確に嵌合するとコツンとした反動を伴った反応
があるので正しく組み立てられた事が瞬時に判断でき、
外観上も彩色を変化させたりすることで軸筒801と揺
動体818の色の違いから、品種の判断が容易であるこ
となどの利点があり、ペン体847と弁体823との距
離が短いこともペン体847が乾燥気味になった後のイ
ンクの導通性が良い利点がある。
【0107】第九の発明の実施の形態を図17,図18
及び図19に示す。図17はインク室915を軸筒90
1から分離着脱自在としたもので交換方式のインク室を
示したものである。インク室915の先端部の内壁は弁
体受け部910となし弁体132の弁体受け部向け被着
部135が圧入されている。
【0108】中央にプラグソケット928を穿った揺動
子960の段927aと外側のフランジ部959の段9
27bとの間の円筒状の円周面部は、弁体作動部923
として弁体132の弁体作動部向け被着部140を嵌合
しており、インク室915内のインク99は、外部への
漏れを生ずることなく、弁体作動部923側に開くよう
に設計されている弁体部インク導通路945は、閉じた
ままとなっている。
【0109】揺動子960はインク99に対して濡れ性
の良いプラスチック製であり弁体もゴム弾性を持ったエ
ラストマでともに軽量であり、それらは弁体受け部91
0に全体として圧入された形で装着している。
【0110】仮に、極めて大きな衝撃力や慣性力が加わ
って、弁体132がインク室915の軸方向に前後に変
位する事があってもインク室段909と揺動子の二つの
段927a,927bによって揺動子は抜けたり、イン
ク室915内へ没入したりする事が無く十分にインク室
915の閉塞は保持される。
【0111】揺動子のフランジ部959は円周上に数本
の毛細管力が働く溝が切られていて、揺動体部インク導
通路944を形成している。封929は弁体132をイ
ンク室915の弁体受け部910から外れないようにイ
ンク室915に溶着されている。
【0112】図18は、分離着脱可能なインク室915
を軸筒901から分離した後の軸筒901側の揺動体9
18のインク室側の部分を拡大して示してあるが、揺動
体918は図3にしめした凸状球面の係合部119を有
し、軸筒側の図4に示した凹状球面の係合部105に装
着されており、揺動の動作は前記と同様である。
【0113】揺動体918のインク室側はスリット92
2、プラグ924があり、プラグ924には揺動子96
0のプラグソッケット928が嵌着した時のプラグソケ
ット928内の空気を逃がす溝930が設けられてい
る。
【0114】軸筒901の内側に、シール面接触子94
3を持つリング状の弾性体シールカバー941が取り付
けられ、そのシール面接触子943は揺動体918の外
面のシール面942に常時接触していて、インク99を
シールしながらも揺動体918の揺動運動にも十分追随
する。弾性体シールカバー941も適度な弾力性がある
ため揺動体918を元の位置に復元する作用も持ってい
る。
【0115】スリット922はペン体947の後部95
5とインク99の毛細管力が十分に機能するように配慮
された巾の狭い溝で出来ている。
【0116】図19は軸筒901内に図16に示した交
換方式のインク室915を装着した状態を示す図で、揺
動体918のプラグ924が揺動子960のプラグソケ
ット928に嵌着し、プラグ924と揺動子960が一
体化する。インク室向けシール面接触子958が封92
9の外端面に当接しインクの漏れをシールしている。
【0117】図示していないペン体947の筆記先端に
筆圧が印可されて揺動体918が揺動するとプラグ92
4が揺動子960を押し下げるので揺動子960の弁体
作動部923と弁体132の弁体作動部向け被着部14
0との間である弁体部インク導通路945が開き閉塞を
解かれるので、インク室915内のインク99がこれを
通り揺動子960のフランジ部の揺動体部インク導通路
944とスリット922を通ってペン体947へと導通
する。
【0118】揺動体918の壁921と弁体132の側
面138aとの間もインク99の毛細管力が働くため、
弁体部インク導通路945が開くと揺動子960の材料
にインク99に濡れ性の良い素材を選ぶ、或いは表面処
理を施してあるので、弁体132のエラストマが多少、
インク99に対する濡れ性が劣っていても、全体として
スムーズなインクの導通を図る事が出来る。
【0119】インク室915内のインク99を使い切っ
てしまったとか、或るいは途中で他のインク色の交換式
インク室と交換する必要が起こって、このインク室91
5を軸筒から離脱させても、筆圧が印可していないため
弁体部インク導通路945は十分に閉塞されており、何
の不具合も発生しない。
【0120】この特徴は一般の空気交替式の筆記具、例
えば、万年筆のスペアカートリッジのような物には無か
ったもので、万年筆の場合、スペアカートリッジ内にイ
ンクがあるときの着脱は、インク漏れの大きな原因であ
った。
【0121】また、そのようなスペアカートリッジはイ
ンクを内臓したまま開封状態となるため、保存だけでな
く捨てるにも他を汚染しないように気をつける必要があ
ったが、この交換式インク室915は分離しても常に弁
体で閉塞されており、そのまま保存したり再使用を繰り
返しても、なんら不具合を生じない利点がある。
【0122】軸筒901と分離着脱自在としたインク室
915は、図1に示した粘調剤97と浮遊体94を用い
た所謂移動栓式インク室をもつ従来の筆記具にはなっか
った構造で、移動栓式インク室では初めての実現を可能
とするものである。
【0123】インク室915は、それ自体の持ち運びの
際には、揺動子960が段927aとフランジ部959
の段927bによって、簡単には離脱、移動しないため
インクが漏れることが無く、かつ、揺動体918に装着
する際にもインク漏れを起こす事がない。また、このよ
うな操作を行う最中に揺動子960の弁体部インク導通
路945が開口する事もない。
【0124】従来の交替空気がインク室に入る方式と違
って、万年筆その他のペン体に用いてもインク室内の空
気膨張によるボタ落ち現象が発生しないため、溢出分の
インクのコレクターが不用でそのための容積確保を揺動
体に施す必要が無く、その分細く、小さく設計する事が
出来るし、その分インク室容積を増加できる。
【0125】このような利点は特に万年筆のような高額
な耐用年数の長い筆記具においては、これまで実現の方
法が無かったものであり、従来に無かった大容量インク
室のついた万年筆の実現に道を開くものである。
【0126】また万年筆だけでなくペン体やペン芯の構
造が極めて単純化されるためペン体を交換したりインク
色の違うインク室と交換しても混色のチャンスが大幅に
減る事、またインクとその表面張力の関係がこれまでの
空気交替式インク室では多くの制約があったものが少な
くなるので、インクの粘度や表面張力、乾燥残さが多く
てもインク色濃度の高いインクが使えるなど、アンダー
ラインマーカーやカリグラフィ用の筆記具等へ更なる新
しい道を開く可能性を与えるものである。
【0127】第十の発明の実施の形態を図20乃至図2
5に示す。これはいずれも弁体に関するものである。図
20の弁体132aは、内面134に小さなビード環1
80aを設けたもので、弁体作動部または弁体受け部へ
の装着時の嵌合力を少なくする事を狙いとし、従って少
ない揺動量でも内側の弁体部インク導通路が開くように
したものである。
【0128】図21は弁体132bの外面133に小さ
なビード環180bを設けてあり、内面134の嵌合力
を強く設計して外面133側に弁体部インク導通路が開
くようにしたものである。
【0129】図22は外面133と側面138a,13
8bとの交点である外面円周上に小さなリップ181を
設け、外面部分の少ない嵌合力で十分な閉塞が持続でき
る事を狙いとし、リップ181が押しつぶされた状態で
装着されるので、弁体作動部の揺動が起こって変形させ
られても外面133と相手側壁面との間が減圧状態とな
って閉塞状態が守られ、内面65側に弁体部インク導通
路を生じやすくする利点がある。
【0130】図23は内面を山形内面181としたもの
で、弁体作動部または、弁体受け部によって押しつぶさ
れる山形内面181の容積が小さい事から、小さな筆圧
でも内面に弁体部インク導通路が出来やすく、筆圧が大
きくなるに従い弁体部インク導通路が大きく開く事にな
り、使用者が感じる筆圧の反作用の変化率も平滑化され
る利点があり、弁体部インク導通路が開口したときのイ
ンクの流動抵抗を小さく出来る利点がある。
【0131】図24は外面を山形外面182とした弁体
132eで弁体部インク導通路を弁体の外側に開くよう
にしたものでインク導通時の抵抗が小さい事も図21の
弁体132cと同様である。
【0132】図25は側面138a,138bに薄肉部
183を設けてあり、弁体作動部による弁体の押しつぶ
しの際に小さな力で変形できる事から、弾性体として使
用材質の硬度、伸び率、耐久性等で弁体として十分な性
能が得にくい場合に十分な弁体部インク導通路を確保で
きる効果を発揮するものである。
【0133】
【発明の効果】ペン体を装着した揺動体が筆圧により揺
動可能に軸筒に装着され、揺動体の弁体作動部が閉塞さ
れている弁体部インク導通路を揺動運動にもとずいて開
閉する方式であるため、通常の筆記動作中にペン体が軸
筒内に没入する事による筆記の違和感がなく、使用者は
全く弁体の開閉に気付くことなく弁体を装着していない
従来の筆記具と同じ感覚で使用することが出来る。
【0134】またボールペン等はこれまで万年筆のよう
な弾力を持つ事が難しかったが、揺動体の揺動による弁
体や復元力付勢装置の弾発力により筆記具としての弾力
を持つ事が出来る。
【0135】筆記具を床に落としたり、衝撃を与えた
り、振り回したり、温度、気圧の変化があったりして
も、筆圧による揺動のみで弁体の開閉動作が起こるた
め、インクの飛び出しや空気を呑みこむ事が無くスムー
ズなインク出が確保できる。揺動量調節装置により揺動
体を変化させることが出来るので、筆記の状態に応じて
の微細なインク出のコントロールを行う事が出来、非使
用時には揺動を完全に不能な状態に固定する事も出来る
ので、長期に使わない時や持ち運びに激しい衝撃力や慣
性力などが加わる場面に遭遇してもインクの飛び出しを
防ぐ事が出来る。
【0136】倒立に近い状態では筆圧を印可しても揺動
停止装置が働くのでインク室に空気を呑みこむ事が無く
ボタ落ちなどの不具合を引き起こさない。
【0137】インク室内気圧の減圧バランス条件の制約
から外れることが出来、弁体の閉塞度も他の方式よりも
高いので、インク室の容量は飛躍的に増大させる事が出
来る。
【0138】揺動体を用いた弁体の開閉方式なので、分
離着脱可能なインク室を実現できることから、レタリン
グやカリグラフィのようなインクの使用量の多い、頻繁
にインクの色を交換する使い方の筆記具や、アンダーラ
インマーカー、字消し用塗布具など線幅の広い筆記具の
インク寿命を延ばす事に大きな効果がある。
【0139】金合金を使用した高額な万年筆において
も、必須条件である分解修理が従来のものより簡単確実
に行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る、どの方向に
も揺動可能な揺動体を軸筒に装着した筆記具の縦断面図
である。
【図2】図1における揺動体、軸筒及び弁体の部分拡大
縦断面図である。
【図3】図2における揺動体の拡大縦断面図である。
【図4】図2における軸筒の拡大縦断面図である。
【図5】図2における弁体の拡大斜視図である。
【図6】図2においてペン体の筆記先端に筆圧が印可さ
れたときの揺動体及び弁体の状態を示す部分拡大縦断面
図である。
【図7】図6における揺動体、軸筒、弁体の更なる部分
拡大縦断面図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係る、どの方向に
も揺動可能な揺動体、軸筒、弁体に、復元力付勢装置、
揺動停止装置を加え筆記具をやや倒立させた状態を示し
た部分拡大縦断面図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態に係る、万年筆用ペ
ン先を用いた一方向のみ揺動可能な揺動体及び軸筒に、
揺動量調節装置及び揺動停止装置を付加し、筆記先端を
重力方向に向けた時の部分拡大縦断面図である。
【図10】図9におけるA−A線部の断面図である。
【図11】図9における揺動量調節装置を、揺動体側に
設けた部分拡大縦断面図である。
【図12】本発明の第四の実施の形態に係る、どの方向
にも揺動可能な片持梁式揺動体、軸筒及び弁体に揺動停
止装置を付加しペン体の筆記先端をやや反重力方向に向
けて倒立した状態の部分拡大縦断面図である。
【図13】本発明の第五の実施の形態に係る、万年筆の
ペン体を用いた一方向のみに揺動可能な片持ち梁式揺動
体、軸筒及び弁体に揺動量調節装置を付加した部分拡大
縦断面図である。
【図14】本発明の第六の実施の形態に係る、どの方向
にも揺動可能なピポットベアリング式揺動体と軸筒支持
部を持つ弾性体シールカバーを付与した筆記具の部分拡
大縦断面図である。
【図15】本発明の第七の実施の形態に係る、図13に
おいてペン体をボールペンにした時のペン体部分の揺動
体、軸筒、弁体の更なる部分拡大縦断面図である。
【図16】本発明の第八の実施の形態に係る、筆記具の
揺動体が軸筒外側に取りつけられる方式の部分拡大縦断
面図である。
【図17】本発明の第九の実施の形態に係る、分離着脱
自在のインク室の部分拡大縦断面図である。
【図18】分離着脱方式のインク室を離脱した状態の軸
筒と揺動体後部の部分拡大縦断面図である。
【図19】図17における分離着脱方式のインク室を軸
筒の揺動体に装着した時の部分拡大縦断面図である。
【図20】本発明に係る他の形態の弁体の拡大縦断面図
である。
【図21】本発明に係るまた他の形態の弁体の拡大縦断
面図である。
【図22】本発明に係るまた他の形態の弁体の拡大縦断
面図である。
【図23】本発明に係るまた他の形態の弁体の拡大縦断
面図である。
【図24】本発明に係るまた他の形態の弁体の拡大縦断
面図である。
【図25】本発明に係るまた他の形態の弁体の拡大縦断
面図である。
【符号の説明】
101,201,301,401,501,601,7
01,801、901 軸筒 105,205,305,405,505,605,8
05 支持部 110,210,310,410,510,610,8
10,910弁体受け部 115,215,315,415,515,615,8
15,915インク室 118,218,318,418,518,618,7
18,818、918 揺動体 119,319,419,519,619,819 係
合部 420,520 可撓部 123,223,323,423,523,623,7
23,823,923 弁体作動部 132,232,632,832 弁体 135,235,635,835 弁体受け部向け被着
部 136,236,636,836 内部応力増加部 137,237,637,837 内部応力減少部 140,240,640,840 弁体作動部向け被着
部 145(145a,145b),245,345,44
5,545,645,745,845、945 弁体部
インク導通路 147,247,347,447,547,647,7
47,847、947 ペン体 148,248,348,448,548,648,7
48,848、948 筆記先端 261,361,461 揺動停止装置 370(370a),570 揺動量調節装置 275,675 復元力付勢装置 960 揺動子 S1−S1 揺動体軸心 S2−S2 インク室軸心 P 中心点 P1−P1 S1−S1に垂直なPを通る軸心

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸筒内に揺動体とインク室と弁体とを
    配置し、インク室から揺動体を経て揺動体の一端にある
    ペン体の筆記先端にインクを導通する揺動体部インク導
    通路があり、揺動体に係合部をもうけて、これを受ける
    軸筒の支持部に装着して揺動体を揺動可能とし、揺動体
    の、又は揺動体に係合し揺動体とともに揺動する揺動子
    の弁体作動部に、弁体の弁体作動部向け被着部を装着
    し、インク室の弁体受け部に、弁体の弁体受け部向け被
    着部を装着して両方の弁体部インク導通路を閉塞し、筆
    圧印加により揺動体の軸心とインク室の軸心の間で角度
    を発生するように揺動体が揺動することにより、揺動体
    の、または揺動体と係合する揺動子の弁体作動部が弁体
    を変形させて弁体に内部応力増加部と内部応力減少部と
    を発生させ、これにより弁体作動部を元の位置に復帰さ
    せるための復元力を発生させると同時に、弁体作動部と
    弁体作動部向け被着部の一部分か、あるいは弁体受け部
    と弁体受け部向け被着部の一部分のいずれか片方あるい
    は両方で弁体部インク導通路の閉塞を開放するようにし
    た筆記具。
  2. 【請求項2】 弁体は厚みを有する円形ないし多角形
    の概略のリング状の形態を成し、孔の内面が弁体作動部
    向け被着部に、外面ないし側面の一部が弁体受け部向け
    被着部になっている請求項1記載の筆記具。
  3. 【請求項3】 揺動体の弁体作動部またはインク室の
    弁体受け部に、そこに被着した弁体の軸方向の移動を若
    干の距離の範囲に制限するための壁、または段を設けた
    請求項1および2記載の筆記具。
  4. 【請求項4】 筆圧印加から開放されたときの揺動体
    の復元性を良くするために復元力付勢装置を揺動体と軸
    筒の間に設けた請求項1から3記載の筆記具。
  5. 【請求項5】 筆記先端からインク室に向かう方向で
    インクに重力がかかるように軸筒を倒立に近い状態にし
    たときに、重力に感応して作動する揺動停止装置を揺動
    体と軸筒の間に設けた請求項1から4記載の筆記具。
  6. 【請求項6】 揺動体の揺動する角度を調節可能とす
    る揺動量調節装置を揺動体又は軸筒に設けた請求項1か
    ら5記載の筆記具。
  7. 【請求項7】 軸筒と分離着脱可能なインク室を設
    け、インク室は揺動体とも分離着脱可能に設けてあり、
    インク室の弁体受け部に弁体の弁体受け部向け被着部を
    装着し、弁体の弁体作動部向け被着部に揺動体のプラグ
    に嵌着するプラグソケットを持った揺動子の弁体作動部
    を装着して弁体部インク導通路を閉塞し、揺動体にイン
    ク室を結合させたときにインク室は軸筒内に固定される
    と同時に、揺動体のプラグが揺動子のプラグソケットに
    嵌着して筆圧印加に応じて揺動子が揺動体と一体化して
    揺動運動するようにした軸筒および揺動体と分離着脱可
    能なインク室を備えた請求項1から6記載の筆記具。
  8. 【請求項8】 係合部と支持部が凸状球面の一部と凹
    状球面の一部との組み合わせからなり揺動がこの球面間
    のすべり運動により可能となっている請求項1から7記
    載の筆記具。
  9. 【請求項9】 係合部と支持部が揺動により軸心間の
    角度を生ずる平面に垂直な軸心を中心として回転する軸
    と軸受けから構成されている請求項1から7記載の筆記
    具。
  10. 【請求項10】 係合部と支持部とを固着させ揺動体
    の一部を可撓性のある片持ち梁構造とし揺動体の可撓部
    が筆圧印加により弯曲する事により軸心間に角度を生ず
    るようにした請求項1から6記載の筆記具。
  11. 【請求項11】 係合部および支持部がピポットベア
    リングの構造を成している請求項1から6記載の筆記
    具。
  12. 【請求項12】 インク室を内蔵する軸筒にインク通
    孔をそなえたインク室プラグを配置し、インク室プラグ
    の外周面の一部を弁体受け部として弁体の弁体受け部向
    け被着部を装着し、弁体の弁体作動部向け被着部を揺動
    体の内壁に設けた弁体作動部に装着して軸筒の先端外壁
    に揺動体を被着させた構造の請求項1から6記載の筆記
    具。
  13. 【請求項13】 弁体の側面から軸心方向に伸した表
    面を持ち、揺動体の一部に設けたシール面に常時接触し
    ているシール面接触子をもつシールカバーを備えた請求
    項1から12記載の筆記具。
  14. 【請求項14】シールカバーが分離着脱可能なインク室
    と揺動体の間のインクの漏れを防止するインク室向けシ
    ール面接触子を備えている請求項7記載の筆記具。
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