JP2000085121A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2000085121A
JP2000085121A JP25427198A JP25427198A JP2000085121A JP 2000085121 A JP2000085121 A JP 2000085121A JP 25427198 A JP25427198 A JP 25427198A JP 25427198 A JP25427198 A JP 25427198A JP 2000085121 A JP2000085121 A JP 2000085121A
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etching
ink jet
discharge chamber
ink
jet head
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JP25427198A
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Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Ricoh Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体抵抗部の形状、寸法の最適化が困難であ
る。 【解決手段】 吐出室45及び共通インク室47を結晶
面方位(110)のシリコン基板61で形成し、このシ
リコン基板61上に<−110>方向の流体抵抗部46と
なる溝を異方性エッチングで形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッド及
びインクジェット記録装置に関し、特に吐出室をシリコ
ン基板で形成するインクジェットヘッド及びこれを搭載
したインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置として用いるインクジェット記録装置にお
いて使用するインクジェットヘッドは、インク滴を吐出
するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室(圧力
室、加圧液室、液室、インク流路等とも称される。)
と、この吐出室内のインクを加圧するエネルギーを発生
するエネルギー発生手段とを備えて、エネルギー発生手
段を駆動することで吐出室内インクを加圧してノズル孔
からインク滴を吐出させるものであり、記録の必要なと
きにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方
式のものが主流である。
【0003】従来、吐出室内のインクを加圧するエネル
ギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素子を
用いて吐出室の壁面を形成する振動板を変形させて吐出
室内容積を変化させてインク滴を吐出させるようにした
もの(特開平2−51734号公報参照)、或いは、発
熱抵抗体を用いて吐出室内でインクを加熱して気泡を発
生させることによる圧力でインク滴を吐出させるように
したもの(特開昭61−59911号公報参照)などが
知られている。
【0004】しかしながら、上述した従来のインクジェ
ットヘツドのうち、前者の圧電素子を用いる方式におい
ては、吐出室に圧力を生じさせるために振動板に圧電素
子のチップを貼り付ける工程が複雑であり、特にインク
ジェット記録装置では高速、高印字品質が求められてき
ており、これに対応するためにはマルチノズル化、ノズ
ルの高密度化が不可欠であるが、圧電素子を微細に加工
し、多数の圧電素子を振動板に接着することは、極めて
煩雑で多くの時間がかかる。しかも、高密度化の結果、
圧電素子を幅数十〜百数十μmで加工する必要が生じて
きているが、従前の機械加工における寸法、形状精度で
は加工品質にばらつきが発生するために印字品質のばら
つきが大きくなる。
【0005】また、後者のインクを加熱する方式におい
ては、圧電素子を用いる場合の問題は生じないものの、
発熱抵抗体の急速な加熱、冷却の繰り返し、気泡消滅時
の衝撃によって、発熱抵抗体がダメージを受けるため
に、総じてインクジェットヘッドの寿命が短くなる。
【0006】そこで、こうした問題を解決するものとし
て、特開平6−71882号公報に記載されているよう
に、吐出室の壁面を形成する振動板を静電気力によって
変形させることで吐出室内容積を変化させてインク滴を
吐出させるインクジェットヘッドが提案されており、こ
の静電気力を用いる方式にあっては、小型、高密度、高
印字品質及び長寿命を達成できるという利点がある。
【0007】上述した公報に記載されている従来の静電
型インクジェットヘッドについて図26乃至図28を参
照して説明する。図26を参照して、このインクジェッ
トヘッドは3枚の基板101,102、103を重ねて
接合した積層構造をなし、第3の基板103に設けたノ
ズル穴104よりインク滴を吐出させるようにしたもの
である。
【0008】ここで、中間の第1の基板101は、シリ
コン基板であり、底壁を振動板105とする吐出室10
6を構成することになる凹部112と、凹部112の後
部に設けられた流体抵抗部107を構成することになる
ることになるインク流入ロのための細溝113と、各吐
出室106にインクを供給するための共通インク室10
8を構成することになる凹部114を有する。
【0009】この第1の基板101の下面に接合される下
側の第2の墓板102にはパイレックスガラス(ホウ珪
酸ガラス)を使用し、この基板2に個別電極121を装
着するための凹部125を0.5μmエッチングするこ
とにより、第1の基板101と第2の基板102とを接
合した状態で、振動板105と第2の基板102上の個
別電極121とのギャップを形成する。
【0010】この凹部25はその内部に個別電極12
1、リード部122及び端子部123を装着できるよう
に電極部形状に類似したやや大きめの形状にパターン形
成することで作製する。個別電極121は凹部125内
に金を0.1μmスパッタして形成する。さらに、端子
部123もボンデイングのための金をスパッタしてい
る。基板102と基板101を接合することによって、
振動板105と個別電極121との間に0.4μmの微
小ギャップが形成される。
【0011】さらに、第1の基板101の上面に接合す
る第3の基板103には、厚さ100μmのSUS板を
用いて、基板103の面部に吐出室用の凹部112と連
通するようにそれぞれノズル孔104を設け、また共通
インク室用の凹部114と連通するようにインク供給口
131を設ける。インク供給口131は、接続パイプ1
32及びチューブ133を介して図示しないインクタン
クに接続される。
【0012】ここで、基板101には結晶面方位(10
0)の単結晶シリコン基板を用いている。すなわち、図
27に示すように、そのシリコン基板を両面研磨し、厚
さ200μmのシリコン基板135を作製し、このシリ
コン基板135に酸素及び水蒸気雰囲気中で熱酸化処理
を施し、同図(a)に示すようにシリコン基板135の
両面に酸化膜136、137を形成する。
【0013】次いで、上面の酸化膜136上に、吐出室
106、流体抵抗部107、共通インク室108の形状
に相当するフォトレジストパターンを形成し、フッ酸系
エッチング液にて酸化膜136の露出部分をエッチング
除去した後、フォトレジストパターンを除去する(同図
(b))。次に、厚さ200μmのシリコン基板135
に、深さ170μmのアルカリ液による異方性エッチン
グを施し、残った酸化膜136及び137を除去し、厚
さが30μmの振動板105を形成する(同図(c))。
【0014】ところで、高解像度の画像を高速に印字す
るためには、ノズル孔104や凹部112、振動板10
5を高密度に並べる必要がある。図23は第1の基板1
01の他の例を示すもので、第1の基板101に結晶面
方位(110)のシリコン基板を用いており、(11
0)面方位のシリコン基板では、周知のように(11
1)面が(110)面の基板表面と<112>方向で直交
しており、すなわちアリカリ液を用いた異方性エッチン
グにより基板表面に対して垂直な壁構造を形成すること
ができる。このことを利用して、ノズル、吐出室などか
らなるインクジェット構成単位を多数配置する場合のピ
ッチ間隔を狭めて、ノズルの高密度化を実現することが
できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、第1の基板に結晶面方位(110)のシリコ
ン基板を用いた場合、(110)面方位のシリコン基板
に異方性エッチングによって流体抵抗部107を浅い溝
で形成することは困難である。
【0016】すなわち、図28を参照して、(110)
面方位のシリコン基板の異方性エッチングにおいては、
パターンの角の部分に(111)面のテーパ109が現
れる。流体抵抗部107の部分にも同様に(111)面
のテーパが現れ、両側からのテーパがぶつかったところ
でエッチングが進まなくなる。このことを利用して、流
体抵抗部107を浅い溝に形成することは可能である
が、結果として形成される流体抵抗部107は複雑な形
状となって、所定の流体抵抗を得るための流体抵抗寸法
の最適化などが煩雑になる。
【0017】また、異方性エッチングでは吐出室106
から流体抵抗部107の部分あるいは共通インク室10
8から流体抵抗部107の部分はマスクパターン通りの
形状が得られなく、予期せぬ方向にエッチングが進ん
で、結果として得られる形状を設計することが困難にあ
り、各吐出室106の流体抵抗部107の形状や寸法が
ばらついてしまい、各ノズル孔104から吐出されるイ
ンク滴吐出特性のばらつきが生じる。
【0018】さらに、図28では、<112>方向と垂直
方向に、共通インク室108の長手方向及び吐出室10
6を配列しているが、(110)面方位のシリコン基板
にあっては<112>方向と垂直な方向に壁を形成するこ
とは困難である。
【0019】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、ノズル孔及び吐出室を高密度に配列したインク
ジェットヘッドを容易に製作できるようにすることを目
的とし、またこのインクジェットヘッドを備えたインク
ジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、インク滴を吐
出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室と、
この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通インク室
とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前記吐出室
又は共通インク室を結晶面方位(110)のシリコン基
板で形成し、このシリコン基板上に<−110>方向の前
記流体抵抗部となる溝を異方性エッチングで形成した構
成とした。なお、方向の表記における「−1」の「−」
は、例えば図4に示すように「1」のオーバーラインを
意味している(「−2」についても同様である。)。
【0021】請求項2のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通
インク室とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前
記吐出室は結晶面方位(110)のシリコン基板に異方
性エッチングで形成し、この異方性エッチングの開口部
が平行四辺形をなし、一方の一対の辺を<−11−2>方
向に一致させ、他方の一対の辺を<−1−1−2>方向に
一致させた構成とした。
【0022】請求項3のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通
インク室とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前
記吐出室又は共通インク室は結晶面方位(110)のシ
リコン基板に異方性エッチングで形成し、この異方性エ
ッチングの開口部を一辺が10〜500μmの範囲のエ
ッチング小領域に分割した構成とした。
【0023】請求項4のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通
インク室とを備え、異なる大きさのエッチング開口部を
異方性エッチングして前記吐出室、流体抵抗部、共通イ
ンク室を形成したインクジェットヘッドにおいて、前記
エッチング開口部の短辺が1mm以上の開口部に酸化膜
を形成し、この酸化膜の厚さはこの酸化膜を形成してい
ない開口部のエッチング開始から終了までの間に除去さ
れる厚さに設定した構成とした。
【0024】請求項5のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通
インク室とを備え、異なる大きさのエッチング開口部を
異方性エッチングして前記吐出室、流体抵抗部、共通イ
ンク室を形成したインクジェットヘッドにおいて、前記
エッチング開口部の短辺が1mm以上の開口部を、エッ
チング開口部の短辺が1mm未満の開口部をエッチング
する前にエッチングした構成とした。
【0025】請求項6のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記シリコ
ン基板に予め流体抵抗部となる溝を<−110>方向に異
方性エッチングで形成した後、前記吐出室又は共通イン
ク室を異方性エッチングで形成した構成とした。
【0026】請求項7のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通
インク室とを備えたインクジェットヘッドにおいて、予
め前記流体抵抗部となる溝を等方性エッチングで形成し
た基板に前記吐出室又は共通インク室を異方性エッチン
グで形成した構成とした。
【0027】請求項8のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に流体抵抗部を介して連通する共通
インク室とを備えたインクジェットヘッドにおいて、結
晶面方位(110)のシリコン基板に<−112>方向に
前記流体抵抗部となる溝を異方性エッチングで形成した
構成とした。
【0028】請求項9のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズル孔と、このノズル孔が連通する吐
出室と、この吐出室に連通する共通インク室とを備えた
インクジェットヘッドにおいて、前記共通インク室を結
晶面方位(110)のシリコン基板に異方性エッチング
で形成し、この共通インク室の異方性エッチング開口部
が平行四辺形をなし、一方の一対の辺を<−11−2>方
向に一致させ、他方の一対の辺を<−1−1−2>方向に
一致させ、前記吐出室の長手方向を<−112>方向に一
致させ、かつ吐出室を<1−1−2>方向に配列した構成
とした。
【0029】請求項10のインクジェットヘッドは、上
記請求項1乃至9のいずれかのインクジェットヘッドに
おいて、前記吐出室を形成した基板の異方性エッチング
を開始した面をインク滴を吐出させるアクチュエータ手
段を備えた基板に接合した構成とした。
【0030】請求項11のインクジェット記録装置は、
インクジェットヘッドをキャリッジに搭載したインクジ
ェット記録装置において、前記インクジェットヘッドが
前記請求項9のインクジェットヘッドからなり、かつ、
前記吐出室の長手方向が前記インクジェットヘッドに対
する記録紙の相対的な移動方向と垂直となるように搭載
した構成とした。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェットヘッドを備えたインクジェット記録装置の機構部
を示す概略構成図である。
【0032】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、装置本
体1の下方部には前方側から多数枚の用紙3を積載可能
な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)4を抜
き差し自在に装着することができ、給紙カセット4から
給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所
要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ
6に排紙する。
【0033】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架した主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とで
キャリッジ13を主走査方向(図1で紙面垂直方向)に
摺動自在に保持し、このキャリッジ13の下面側にはイ
エロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラッ
ク(Bk)の各色のインク滴を吐出するノズルを有する
静電気力型インクジェットヘッドからなる記録ヘッド1
4をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッ
ジ5の上側には記録ヘッド14に各色のインクを供給す
るための各インクタンク(インクカートリッジ)15を
交換可能に装着している。
【0034】なお、記録ヘッド14としては、各色のイ
ンク滴を吐出する複数個のヘッドを主走査方向に並べて
配置したものでも、或いは、各色のインク滴を吐出する
ノズルを有する1個のヘッドを用いたものでもよい。
【0035】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセ
ット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフ
リクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材
23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ロ
ーラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられ
る搬送コロ25及び搬送ローラ15からの用紙3の送り
出し角度を規定する搬送コロ26とを設けている。
【0036】そして、キャリッジ5の主走査方向の移動
範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3
を記録ヘッド4の下方側で案内する用紙ガイド部材であ
る印写受け部材27を設けている。
【0037】この印写受け部材27の用紙搬送方向下流
側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動さ
れる搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排
紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、
排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設して
いる。
【0038】ここで、記録ヘッド14を構成している静
電型インクジェットヘッドについて図2乃至図4を参照
して説明する。なお、図2は静電型インクジェットヘッ
ドの基本構成を説明する要部断面説明図、図3は同ヘッ
ドの図2と直交する方向の断面説明図である。
【0039】このインクジェットヘッド40は、シリコ
ン基板からなる第1の基板41と、この第1の基板41
の下側に設けたパイレックスガラス基板等からなる第2
の基板(電極基板)42と、第1の基板41の上側に設
けた第3の基板43とを備え、複数(便宜上1個のみ図
示する。)のノズル孔44、各ノズル孔44が連通する
吐出室45、各吐出室45に流体抵抗部46を介して連
通する共通インク液室48などを形成している。
【0040】第1の基板41には、吐出室45及びこの
吐出室45の底部をなす振動板(第1の電極)48を形
成する凹部49と、流体抵抗部46を形成する溝50
と、共通インク室47を形成する凹部51とを形成して
いる。また、第2の基板42には振動板48に所定(こ
こでは、1μmとしている。)のギャップを置いて対向
する第2の電極52を設け、この第2の電極52と第1
の電極である振動板48によってアクチュエータ部を構
成している。更に、第3の基板43には複数のノズル孔
44と、共通インク室47にインクを供給するインク供
給口53を形成している。
【0041】このインクジェットヘッド40において
は、第1の電極である振動板48と第2の電極52との
間に駆動電圧を印加することによって静電気力によって
振動板48が変形して、吐出室45の内容積が変化する
ことによってノズル孔44からインク滴が吐出される。
【0042】そこで、本発明の第1実施形態について図
4及び図5をも参照して説明する。なお、図4は、イン
クジェットヘッド40の第1の基板41を示す斜視図、
図5は同基板に形成した流体抵抗部46の拡大説明図で
ある。本実施形態において、第1の基板41には結晶面
方位(110)のシリコン基板を用いており、この第1
の基板41に上述したように吐出室45、流体抵抗部4
6及び共通インク室47などを異方性エッチングで形成
している。
【0043】ここで、流体抵抗部46は、シリコン基板
の<−11−2>方向と54.7°の角度をなす<−11
0>方向に形成した溝50としている。結晶面方位(1
10)のシリコン基板において、<−110>方向に溝を
形成すると、図5に示すように、(110)面に対して
35.3°をなす(111)テーパ面55が形成され
る。このとき、2つの(111)テーパ面55がぶつか
ると、エッチングはそこで停止する。
【0044】したがって、流体抵抗部46の深さDは、
図5に示すように、幅Wによって、「D=W*tan3
5.3°/2」で決定される値になるので、流体抵抗部
46の寸法を容易に求めることができ、流体抵抗部46
の寸法の最適化の計算を容易に行うことができる。
【0045】このように、吐出室又は共通インク室を結
晶面方位(110)のシリコン基板で形成し、このシリ
コン基板上に<−110>方向の流体抵抗部となる溝を異
方性エッチングで形成することによって、エッチングが
テーパのぶつかったところで停止し、流体抵抗の深さは
幅によって規定され、容易に流体抵抗寸法計算、設計な
どができる。
【0046】そこで、この第1実施形態の基板41の作
製方法について図6を参照して説明する。先ず、同図
(a)に示すように、結晶面方位(110)の単結晶シ
リコン基板の両面を研磨し、厚さ400μmのシリコン
基板61を作製し、このシリコン基板61を酸素及び水
蒸気雰囲気中で熱酸化処理を施し、シリコン基板61の
両面に酸化膜62、63を1500Åの厚みで形成す
る。さらに、これらの酸化膜62、63上に、水酸化カ
リウム水溶液のエッチングに対して高い耐久性を示すシ
リコン窒化膜64、65をLP−CVDによって100
0Åの厚みで形成する。この場合、酸化膜62、63は
窒化膜64、65の応力緩和の役目をする。
【0047】次いで、上面の窒化膜64の上に、吐出室
45、共通インク室47及び流体抵抗部46の形状のフ
ォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングにて
窒化膜64の露出部分をエッチング除去し、続いて、フ
ッ酸系エッチング液によって酸化膜62の露出部分を除
去した後、当該フォトレジストパターンを除去すること
により、同図(b)に示すように、シリコン基板61の
上面側に吐出室45、共通インク室47及び流体抵抗部
46の形状開口部を有する酸化膜62及び窒化膜64の
パターンを形成する。
【0048】なお、窒化膜64のドライエッチングに
は、CF4、CF4+H2、CH2F2、CH3F、CHF3
などのF系のエッチングガスを用いてエッチングするこ
とができる。また、酸化膜62の除去もCF4+H2、C
HF3、C2F6などのF系のエッチングガスでエッチン
グすることが可能であるので、酸化膜62もドライエッ
チングで除去しても良い。
【0049】次に、酸化膜62および窒化膜64の開口
部を水酸化力リウム水溶液などのアルカリ液により深さ
395μmの異方性エッチングをし、同図(c)に示す
ように、吐出室45及び厚さ5μmの振動板48を構成
する凹部49、共通インク室47を構成する凹部51、
流体抵抗部46を構成する溝50を形成する。最後に窒
化膜64、65、酸化膜62、63を上述したエッチン
グ方法によって除去する。また、窒化膜64、65は熱
リン酸に浸漬することによっても除去可能である。
【0050】なお、エッチング液の温度や濃度によって
エッチレートが変化するため、厚さ400μmのシリコ
ン基板に深さ395μmの異方性エッチングを施して、
厚さ5μmの振動板48を制御するのは容易でない。そ
こで、振動板48の厚さを制御するためには、所望の位
置で自発的にエッチングが停止するエッチングストップ
技術を用いるのが有効である。
【0051】このエッチングストップ技術には、例え
ば、P形シリコン基板にN形層をインプラあるいはエピ
タキシャル膜などで形成した基板を用いて、電気化学エ
ッチングを行いPNジャンクションでエッチングを停止
させる方法、シリコン基板にインプラ、拡散、エピタキ
シャル膜などで高濃度ボロン層を形成した基板を用い
て、高濃度ボロン層でエッチングを停止させる方法、あ
るいはSOI基板を用いて酸化膜でエッチングを停止さ
せる方法などがある。シリコン基板の異方性エッチング
には水酸化カリウム水溶液以外にも、EDP、TMA
H、ヒドラジンなども有効である。
【0052】そこで、上述した酸化膜64上に形成する
フォトレジストパターンのためのマスクパターンについ
て図7を参照して説明する。なお、同図はポジ形フォト
レジストを用いた場合のフォトマスクパターンを示すも
のである。同図(a)に示すフォトマスク71は、吐出
室45を形成するための開口部72と流体抵抗部46を
形成するための開口部73と共通インク室47を形成す
るための開口部74を有している。これらの開口部72
〜74によってシリコン基板61上に酸化膜64の開口
部が形成されて、この酸化膜64の開口部に前述したよ
うに異方性エッチングを施す。
【0053】ここで、吐出室45を形成するための開口
部72の長手方向を結晶面方位(110)のシリコン基
板の<−11−2>方向と一致させるようにフォトマスク
71とシリコン基板61をアライメントする。また、吐
出室45を形成するための開口部72及び共通インク室
47を形成するための74は、シリコンの結晶軸<−11
−>と<1−1−2>とがなす角度70.5°と等しい角
度の形状の平行四辺形としている。
【0054】すなわち、結晶面方位(110)のシリコ
ン基板を異方性エッチングした結果、(111)面で囲
まれる凹部が形成される場合の開口部のマスクの形状
は、振動板48の形状を等しくしようとした場合、図8
(a)〜(c)に示すように3種類存在する。なお、同
図中、太線はフォトマスクの形状を示すものである。
【0055】このうち、マスクの開口部面積が一番小さ
くなるのは、同図(a)に示すように、一方の一対の辺
を結晶面方位(110)のシリコン基板の<−11−2>
方向に一致させ、他方の一対の辺を<1−1−2>方向に
一致させた70.5°の角度をもつ平行四辺形マスクパ
ターンの場合である。
【0056】そして、第1の基板41上にノズル孔44
などを形成した第3の基板43を接合するとき、開口部
面積の小さいものの方が接合面積が大きくなり、より強
固な接合が可能となる。その結果、インク吐出時におい
て隣接する吐出室45,45間のクロストーク、共通イ
ンク室47と吐出室45或いは吐出室45,45間の液
漏れなどの不良を低減することができる。
【0057】このように、吐出室は結晶面方位(11
0)のシリコン基板に異方性エッチングで形成し、この
異方性エッチングの開口部が平行四辺形をなし、一方の
一対の辺を<−11−2>方向に一致させ、他方の一対の
辺を<−1−1−2>方向に一致させることによって、ノ
ズル孔を形成した基板を接合するときの接合面積を大き
くして、クロストークや共通インク室と吐出室或いは吐
出室間の液漏れなどの不良を低減することができる。
【0058】また、マスク71において、流体抵抗部4
6を形成するための開口部73は、<−110>方向に形
成している。開口部73を<−110>方向に形成するこ
とによって、異方性エッチングを施した場合、前述のよ
うに(110)面と35.3°の角度をなすテーパ面が
形成され、流体抵抗部46の深さは開口部73の幅で規
定されるので、でき上がり寸法を容易に計算することが
できる。
【0059】さらに、マスク71において、共通インク
室を形成するための開口部74は細パターン75で小領
域に区切っている。このマスク71を用いてパターンを
形成した後、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ液で
エッチングすると、(110)面と(111)面との選
択比が有限なため、(111)面も若干エッチングさ
れ、その結果として、横方向にもエッチングが進み(サ
イドエッチ)、開口部が広くなる。
【0060】具体的に、細パターン75の幅を8μmと
して、水酸化カリウム水溶液25wt%、80℃で深さ
395μmのエッチングを施した結果、サイドエッチが
4μm進んで、細パターン75によって形成される(1
11)面による垂直壁はなくなって、図4に示したよう
な1つの共通インク室47が形成された構造体が得られ
た。
【0061】この場合、水酸化カリウム水溶液の濃度や
温度によってサイドエッチ量が異なるので、エッチング
条件によって最適なマスク設計をする必要がある。水酸
化カリウム水溶液でシリコン基板をエッチングする場
合、化学反応によってエッチング表面から水素が発生す
る。
【0062】特に、結晶面方位(110)のシリコン基
板の場合、結晶面方位(100)基板に比べて、発生し
た水素が気泡としてエッチング表面に付着し易い。例え
ば、水酸化カリウム水溶液25wt%では、気泡は2m
m程度の大きさに成長するまでエッチング表面に付着し
ており、それ以上の大きさになると付着力よりも浮力の
方が大きくなってエッチング表面から離れる。この気泡
がエッチング表面に付着することによって、エッチング
表面はエッチング液にさらされなくエッチレートが低下
する。
【0063】さらに、気泡の付着は開口部の形状に影響
される。エッチング開口部の短辺が1mm以上である大
きな開口では気泡が付着し易くなり、2mm以上の開口
では気泡の付着が顕著になる。またエッチング開口部の
短辺が1mm未満の小さな開口や細い開口部分には、気
泡は付着しづらく、500μm以下の開口ではほとんど
気泡の付着がない。
【0064】したがって、マスク71のように大きな開
口部分を細パターン75を入れて小領域に区切ることに
よって、気泡の付着を抑えることができ、大きな開口部
分もエッチレートは低くならず、エッチレートのパター
ン依存性を低減できる。開口幅が500μm以下になる
と、ほとんど気泡が付着しなくなるが、10μm以下に
なると、逆に溝の中に気泡が取り込まれてエッチレート
が低下する。よって、大きな開口部分を区切って気泡の
付着を低減するには、区切った開口幅を10〜500μ
mの範囲に設定するのが好ましい。
【0065】このように、異方性エッチング開口部を一
辺が10〜500μmの範囲のエッチング小領域に分割
することによって、大きな開口部のエッチングにおいて
もエッチング時の気泡の付着を防止し、エッチレートの
低下を低減できる。
【0066】また、エッチレートの低下を低減するに
は、異方性エッチング開口部を分割する小領域は、図7
(a)に示した小開口以外にも、同図(b)に示すよう
に閉じていない課以降パターンでも同様の効果が得られ
る。
【0067】ところで、共通インク室47を形成するた
めの開口部74を分割する細パターン75によってでき
た垂直壁がサイドエッチによってなくなった後もエッチ
ングを続けると、開口部74によってできる共通インク
室47は、図7に示す矢印方向にエッチングが進んで、
広がってしまう。この場合、サイドエッチが計算通りに
進んだ場合は、振動板48が完成した時点でサイドエッ
チにより垂直壁がなくなるが、エッチング液の濃度や温
度のゆらぎによってサイドエッチ量が変化することがあ
る。
【0068】このような場合には、図9のように細パタ
ーン75の両サイド75aを太くする。このようにすれ
ば、垂直壁がなくなっても、両サイド75aは残ってい
るので、開口部74の広がりを妨げることができる。
【0069】なお、水酸化カリウム水溶液以外のエッチ
ング液では、TMAHもシリコンの異方性エッチングに
有効であるが、TMAHは水酸化カリウム水溶液よりも
サイドエッチ量が大きくなるので、マスク設計の場合に
細パターン75の幅を大きくする必要がある。
【0070】また、図10に示すように共通インク室4
7を形成するための開口部74に補償パターン76を設
けることによっても開口部74によってできる共通イン
ク室47の広がりを妨げることができる。エッチングが
進むにつれ補償パターン76は小さくなり、エッチング
終了時にはほとんどなくなる。
【0071】このパターンの場合、開口部分が広いの
で、エッチング時に気泡が付着しエッチレートの低下を
招くおそれがあるが、水酸化カリウム水溶液の濃度を高
くするなど、エッチング条件を最適化することによっ
て、エッチレートの低下を小さくできる。付着する気泡
の大きさは、水酸化カリウム水溶液の濃度が高くなると
小さくなり、濃度が低くなると大きくなり、濃度を高く
するとエッチング表面に気泡は付着しづらくなる。ま
た、共通インク室47の深さを吐出室45の深さよりも
浅くすることによって、共通インク室47部分のエッチ
レートが低下が問題とならなくなり、逆に利用すること
ができる。
【0072】次に、第1の基板41のパターン幅による
エッチレートの差によるエッチング深さの差を解消する
他の例について図11及び図12を参照して説明する。
まず、図11(a)に示すように、厚さ400μmの両
面研磨した結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板
に酸化膜62、63及び窒化膜64、65を形成し、上
面の酸化膜62の上に、吐出室45、共通インク室47
及び流体抵抗部46の形状のフォトレジストパターンを
形成し、ドライエッチングにて窒化膜64の露出部分を
エッチング除去し、その後フォトレジストパターンを除
去する。
【0073】そして、同図(b)に示すように、再びフ
ォトレジストを塗布して、上面に共通インク室47のフ
ォトレジストパターン66を形成し、同図(c)に示す
ように、フッ酸系エッチング液により、フォトレジスト
開口部の酸化膜62を除去した後、フォトレジストパタ
ーン66を除去する。
【0074】次いで、水酸化カリウム水溶液により異方
性エッチングを施す。このとき、同図(d)に示すよう
に、酸化膜62の開口部62aはエッチングが進行す
る。また、酸化膜62の上面に窒化膜64がない部分6
2bの酸化膜62は、水酸化カリウム水溶液によって膜
減りを起こす。さらにエッチングを続けると、膜減りが
進行し、上面に窒化膜64がない部分62bの酸化膜6
2はなくなり、シリコンのエッチングが始まる。
【0075】この段階では、図12(a)に示すよう
に、共通インク室47となる部分(酸化膜62の開口部
62a)のエッチングはさらに深く進んでいるが、この
共通インク室47となる部分は気泡の付着によってエッ
チレートが低下するので、エッチングの最終段階では、
同図(b)に示すように、共通インク室47と吐出室4
5として深さの等しい凹部51、49が得られる。最後
に、同図(g)に示すように、酸化膜62、63と窒化
膜64、65を除去する。
【0076】この場合、エッチング終了時に吐出室45
と共通インク室47の深さが等しくなるようにあらかじ
め酸化膜62の厚さを設定しておく。80℃の25wt
%水酸化カリウム水溶液では、酸化膜62の厚さを12
00Åにしたとき、エッチング終了時に吐出室45と共
通インク室47の深さをほぼ等しくすることができた。
【0077】また、酸化膜62、63の成膜時には厚め
に形成しておき、図11(c)における時点でフッ酸系
エッチング液によって上面に窒化膜64がない部分の酸
化膜62をエッチングし、酸化膜62の厚さを調整する
こともできる。このとき、エッチング開口部の短辺がl
mm以上の開口部では気泡が付着しやすくなるので、短
辺が1mm以上の開口部において酸化膜62を残すのが
好ましい。
【0078】このように、異なる大きさのエッチング開
口部を異方性エッチングして吐出室、共通インク室を形
成する場合に、エッチング開口部の短辺が1mm以上の
開口部に酸化膜を形成し、この酸化膜を酸化膜を形成し
ていない開口部のエッチング開始から終了までの間にエ
ッチング除去される厚さに設定することにより、大きな
開口部と小さな開口部のエッチングにおいて、エッチン
グ終了時にエッチング深さを等しくすることができる。
【0079】次に、第1の基板のパターン幅によるエッ
チレートの差によるエッチング深さの差を解消する更に
他の例について図13及び図14を参照して説明する。
まず、上述した図11に示す例と同様に、図13(a)
に示すように、厚さ400μmの両面研磨した結晶面方
位(110)の単結晶シリコン基板に酸化膜62、63
及び窒化膜64、65を形成し、上面の酸化膜62の上
に、吐出室45、共通インク室47及び流体抵抗部46
の形状のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッ
チングにて窒化膜64の露出部分をエッチング除去し、
その後フォトレジストパターンを除去する。
【0080】そして、同図(b)に示すように、再びフ
ォトレジストを塗布して、上面に共通インク室47のフ
ォトレジストパターン66を形成し、同図(c)に示す
ように、フッ酸系エッチング液により、フォトレジスト
開口部の酸化膜62を除去した後、フォトレジストパタ
ーン66を除去する。
【0081】次いで、同図(d)に示すように、酸化膜
62の開口部62aに水酸化カリウム水溶液によって大
きな開口部におけるエッチレートの低下に相当する深さ
だけエッチングを施す。このときのエッチングマスクは
酸化膜62となっているが、浅いエッチングなので酸化
膜62で耐え得る。続いて、図14(a)に示すよう
に、酸化膜62の窒化膜64で覆われていない露出部分
をフッ酸系エッチング液によって除去する。
【0082】そして、水酸化カリウム水溶液によって異
方性エッチングを施す。開口の大きな部分では気泡が付
着しエッチレートが低下するが、予めエッチングが進ん
でいるので、エッチング終了時には、同図(b)に示す
ように共通インク室47となる大きな開口部の凹部51
と吐出室45となる小さな開口部の凹部49の深さが略
等しくなる。最後に、同図(c)に示すように、酸化膜
62、63及び窒化膜64、65を除去する。
【0083】この場合、吐出室45と流体抵抗部46の
連結部、あるいは共通インク室47と流体抵抗部46と
の連結部に高次面が発生することがあるが、流体抵抗9
の内部までは入り込まないので影響は少ない。
【0084】このように、異なる大きさのエッチング開
口部を異方性エッチングして吐出室、流体抵抗部、共通
インク室を形成する場合に、エッチング開口部の短辺が
1mm以上の開口部を、エッチング開口部の短辺が1m
m未満の開口部をエッチングする前にエッチングするこ
とで、エッチング終了時に深さを等しくすることができ
る。
【0085】次に、吐出室45と流体抵抗部46或いは
共通インク室47と流体抵抗部46との連結部の高次面
の発生を防止する例について図15乃至図17を参照し
て説明する。
【0086】まず、図15(a)に示すように、両面研
磨した結晶面方位(110)のシリコン基板61に酸化
膜62、63を形成し、上面の酸化膜62上に、図17
(a)に示すような流体抵抗部46を形成する開口部7
3のみを形成したフォトマスク71aを用いて、流体抵
抗部46の形状のフォトレジストパターンを形成し、フ
ッ酸系エッチング液によって酸化膜62の露出部分を除
去し、当該フォトレジストパターンを除去する。なお、
このときのフォトマスク71aの開口部73は、前述し
た図7に示した流体抵抗部46を形成するための開口部
73よりも短くしている。
【0087】その後、図15(b)に示すように、酸化
膜62の開口部を水酸化カリウム水溶液などのアルカリ
液によって異方性エッチングし、シリコン基板61の<
−110>方向に流体抵抗部46となる溝50を形成
し、再び熱酸化処理を施し、流体抵抗部46となる溝5
0上にも酸化膜62を形成する。さらに、同図(c)に
示すように、その上にLP−CVDにより窒化膜64、
65を形成する。
【0088】続いて、図17(b)に示すような吐出室
45を形成するための開口部72と共通インク室47を
形成するための開口部74を設けたフォトマスク71b
を用いて、図15(d)に示すように、吐出室45と共
通インク室47の形状のフォトレジストパターンを形成
し、前述したと同様の方法によって、窒化膜64及び酸
化膜62の露出部分を除去する。
【0089】次に、図16(a)に示すように、アルカ
リ液による異方性エッチングにより吐出室45及び共通
インク室47となる凹部49、51を形成する。この吐
出室45及び共通インク室47を形成するとき、サイド
エッチが生じて、先に形成してあった流体抵抗部46の
溝50と連通する。最後に、同図(b)に示すように、
窒化膜64、65及び酸化膜62、63を除去する。
【0090】このように、シリコン基板に予め流体抵抗
部となる溝を<−110>方向に異方性エッチングで形成
した後、吐出室又は共通インク室を異方性エッチングで
形成することにより、吐出室と流体抵抗部或いは共通イ
ンク室と流体抵抗部との間に高次面が発生することを防
止できる。
【0091】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。この実施形態は、上述した図13で説明した実施
例の流体抵抗部46を等方性エッチングにより形成する
ようにしたものである。シリコン基板の等方性エッチン
グには、フッ酸と硝酸に水を混合したHF−HNO3系
のエッチング液を用いる。希釈液に酢酸を用いることに
よって、水に比べてエッチング形状のHF−HNO3濃
度依存性の許容度増大させることが可能である。
【0092】このように、等方性エッチングでは、流体
抵抗部46となる溝の方向や形状はシリコン基板の結晶
方向と無関係にすることができるので、直線のみならず
曲線などのようなものも形成可能であり、設計の自由度
を大きくすることができる。
【0093】また、流体抵抗部46はドライエッチング
によっても形成することができる。シリコン基板のドラ
イエッチングは、CF4、SF6、NF3、SiF4、BF
3、CBrF3、XeF2などのようなF系ガス、CClF
3、CCl2F2、CCl3F、C2ClF5、C2Cl2F4など
のようなCl−F系ガス、CCl4、SiCl4、PCl3、
BCl3、Cl2、HClなどのようなCl系ガスによって行
うことができる。
【0094】このようなドライエッチングによっても流
体抵抗部46となる溝の方向や形状をシリコン基板の結
晶方向と無関係にすることができるので、設計の自由度
を大きくすることができる。
【0095】次に、本発明の第3実施形態について図1
8乃至図20を参照して説明する。この実施形態では、
流体抵抗部46は結晶面方位(110)のシリコン基板
の結晶軸<−11−2>方向、すなわち吐出室長手方向に
形成している。
【0096】このときに用いるフォトマスク81のパタ
ーンの一例を図18に示している。このフォトマスク8
1には、前述したフォトマスク71と同様に、吐出室4
5を形成するための開口部72と、流体抵抗部46を形
成するための開口部83と、共通インク室47を形成す
るための開口部74とを形成している。
【0097】このフォトマスク81の吐出室45を形成
するための開口部72及び共通インク室47を形成する
ための開口部74は、前述した図7に示したフォトマス
ク71の開口部72,74と同様であるが、流体抵抗部
46を形成するための開口部83は吐出室45を形成す
るための開口部72の長手方向と平行にしており、結晶
面方位(110)のシリコン基板の<−112>方向に一
致させている。
【0098】このフォトマスク81を用いたパターンに
より異方性エッチングを施すと、流体抵抗部46の側壁
はシリコン基板61表面に垂直となり、深さは吐出室4
5や共通インク室47と等しいものが得られる。
【0099】ここで、流体抵抗部46の深さと幅を変化
させた場合の流体抵抗値Rf(流体抵抗の大きさ)の測
定結果を図19に示している。この測定結果から分かる
ように、流体抵抗値Rfは深さが幅よりも大きくなる
と、深さが大きくなっても流体抵抗値Rfの変化は小さ
くなり、流体抵抗値Rfは幅にほぼ依存するようにな
る。
【0100】すなわち、上記のように流体抵抗部46の
深さを大きくしても、流体抵抗値Rfの減少分は小さく
なるので、流体抵抗としての機能を確保することがで
き、流体抵抗値Rfの大きさは幅によって規定される。
したがって、流体抵抗部46の深さを深くして幅を狭く
することができる。
【0101】このように、結晶面方位(110)のシリ
コン基板に<−112>方向に流体抵抗部となる溝を異方
性エッチングで形成したことによって、インクジェット
ヘッドを小さくすることができ、コストダウンを図るこ
とができる。
【0102】この場合、吐出室45と流体抵抗部46の
連結部或いは共通インク室47と流体抵抗部46との連
結部に高次面が発生するしたり、角が取れたりすること
があるので、このときには補償パターンを設けることで
高次面の発生を防止できる。
【0103】例えばマスク81の開口部83付近を部分
拡大して示す図20に示すように、開口部83の両サイ
ド(吐出室45と流体抵抗部46の連結部或いは共通イ
ンク室47と流体抵抗部46との連結部)に補償パター
ン83aを形成している。これにより、上記連結部に高
次面が発生するしたり、角が取れたりすることを防止す
ることができる。なお、補償パターンは別のパターンで
も可能であり、図示したものに限るものではない。
【0104】次に、本発明の第4実施形態について図2
1乃至図23を参照して説明する。なお、図21はこの
実施形態における第1の基板41の上面図である。ここ
で、第1の基板41は、前述したように、結晶面方位
(110)のシリコン基板である。そして、共通インク
室47は<−11−2>と<1−1−2>方向に平行な辺か
らなる一つの平行四辺形として形成している。これに伴
って、吐出室45は第1の基板41の結晶軸<1−1−
2>方向に配列している。
【0105】このような吐出室45及び共通インク室4
7は図22に示すようなフォトマスク86を用いること
によって得られる。このマスク86には吐出室45を形
成するための開口部87と、流体抵抗部46を形成する
ための開口部88と、共通インク室47を形成するため
の開口部89とを形成し、流体抵抗部46を形成するた
めの開口部88は結晶面方位(110)のシリコン基板
の<−110>方向に一致させている。
【0106】このようにした場合、上記実施形態では、
共通インク室47の側壁は鋸歯状になっているので、共
通液室48から各吐出室45へのインクの流れの抵抗に
なったり、インク中に気泡がたまったりすることがある
が、本実施形態にすることで、共通インク室47の側壁
が鋸状ではなく直線になるので、インクの流れの抵抗に
なったり、インク中に気泡がたまったりすることを防止
できる。
【0107】すなわち、共通インク室を結晶面方位(1
10)のシリコン基板に異方性エッチングで形成し、こ
の共通インク室の異方性エッチング開口部が平行四辺形
をなし、一方の一対の辺を<−11−2>方向に一致さ
せ、他方の一対の辺を<−1−1−2>方向に一致させ、
吐出室の長手方向を<−112>方向に一致させ、かつ吐
出室を<1−1−2>方向に配列することによって、イン
ク滴を安定して吐出することができる。
【0108】ただし、エッチング時、共通インク室47
となるところの開口部幅が大きいので、気泡の付着が発
生するが、そのようなときは、前記実施形態と同様に、
図23に示すように、共通インク室47に対応する開口
部89に細パターン90を入れて小領域に分割すればよ
い。また、図11或いは図12で説明した例を適用する
こともできる。
【0109】また、吐出室45と流体抵抗部46との連
結部或いは共通インク室47と流体抵抗部46との連結
部に高次面が発生するしたり、角が取れたりする場合に
は、前述した図20に示したような補償パターン83a
を設ければよい。さらに、本実施形態では、流体抵抗部
46は<−110>方向に設けているが、図18で説明し
たように<−11−2>方向に深い流体抵抗部46を設け
たり、図15で説明した例を適用することもできる。
【0110】次に、この第5実施形態のインクジェット
ヘッドを搭載したインクジェット記録装置について図2
4を参照して説明する。図21に示す第1の基板41と
個別電極などが形成された第2の基板42とノズル孔4
4などが形成された第3の基板43とを接合し、インク
ジェットヘッドを形成したものを、ノズル孔44の方向
から見ると図24に示すようになる。
【0111】ここで、吐出室45は第1の基板41の結
晶軸<1−1−2>方向に配列されているので、ノズル4
4も<1−1−2>方向に配列している。また、同図にお
いて、第3の基板43の向こう側に形成されている吐出
室45、共通インク室47、流体抵抗部46は点線で示
してある。
【0112】そこで、このインクジェツトヘツドを吐出
室45の長手方向がインクジェットヘッドに対する記録
紙(紙に限定されるものではなく、インク滴が付着し得
るすべてのものを含む。)の相対的な移動方向(同図の
矢印方向)と垂直となるように(直交するように)搭載
する。
【0113】このとき、同図に示すように、吐出室45
のピッチをaとしたとき、インクを吐出して用紙に印字
したときの画素のピッチはbとなり、この吐出室45の
ピッチaと画素ピッチbとの関係は、b=a/tan70.
5°=0.35aで表わされ、吐出室45のピッチaよ
りも用紙上の画素ピッチbを小さくでき、高解像度の画
像が得られることになる。
【0114】このように、共通インク室を結晶面方位
(110)のシリコン基板に異方性エッチングで形成
し、この共通インク室の異方性エッチング開口部が平行
四辺形をなし、一方の一対の辺を<−11−2>方向に一
致させ、他方の一対の辺を<−1−1−2>方向に一致さ
せ、前記吐出室の長手方向を<−112>方向に一致さ
せ、かつ吐出室を<1−1−2>方向に配列したインクジ
ェットヘッドを、吐出室の長手方向がインクジェットヘ
ッドに対する記録紙の相対的な移動方向と垂直となるよ
うに(直交するように)搭載することによって、高密
度、高解像度印写を行うことができる。
【0115】ただし、第5実施形態のインクジェットヘ
ッドは吐出室45の長手方向がキヤリツジ13の移動方
向と垂直となるようにキヤリツジ13に搭載する必要は
なく、すなわち必ずしも垂直である必要はなく、角度を
変えることによって上式の用紙上の画素ピッチbを変え
ることができ、角度によって画素ピッチを調整すること
ができる。
【0116】次に、本発明の第6実施形態について図2
5を参照して説明する。この実施形態においては、同図
(a)に示すように、結晶面方位(110)のシリコン
基板91にエッチング停止層である高濃度ボロン層92
を形成し、このシリコン基板91の高濃度ボロン層92
側面と第2の電極52を形成した第2の基板42とを接
合する。
【0117】次いで、同図(b)に示すように、アルカ
リ液によって、シリコン基板91ををエッチングする。
アルカリ液は、水酸化カリウム水溶液10wt%、80
℃を用いた。このとき、エッチングが高濃度ボロン層9
2に達すると、エッチレートは急激に落ち、エッチング
が自発的に停止して、振動板48となる高濃度ボロン層
92が残り、シリコン基板91のシリコン部分は除去さ
れる。
【0118】一方、同図(c)に示すように、図21に
示したような第1の基板41を更にエッチングして吐出
室45の底壁(振動板48の部分)及び共通インク室4
7の底部を貫通させた形状をなす第1の基板93を形成
しておき、この第1の基板91をエッチングを開始した
面を下にして第2の基板42上に接合する。
【0119】その後、図25(d)に示すように、ノズ
ル孔44を形成した第3の基板43を第1の基板93上
に接合してインクジヱツトヘッドを完成する。
【0120】このようにした場合、前述した図21に示
す実施形態では吐出室45の角にテーパ49が形成され
るために、振動板48の面積が小さくなるのに対して、
この実施形態の吐出室45はテーパ部分によって振動板
48の面積が小さくなることがなくなり、インク滴吐出
の効率が向上する。
【0121】なお、上記各実施形態においては、本発明
を静電型インクジェットヘッド及びこれを搭載するイン
クジェット記録装置に適用した例で説明したが、静電型
インクジェットヘッド以外に、ピエゾ素子などの電気機
械変換素子を用いるインクジェットヘッド、あるいはヒ
ータなどの電気熱変換素子を用いてインクを沸騰させて
インク滴を吐出させるインクジェットヘッド、並びにこ
れらのヘッドを搭載するシリアル型及びライン型のイン
クジェット記録装置にも適用できる。
【0122】また、上記各実施形態においては、左上が
りの平行四辺形のパターンを例として説明してきたが、
シリコン基板の裏側からエッチングを施すことによっ
て、エッチング形状は、これまで説明してきたものと左
右対称形となり、右上がりの平行四辺形が得られる。こ
の場合においても、本発明をまったく同様に適用するこ
とができる。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、吐出室又は共通インク室を結
晶面方位(110)のシリコン基板で形成し、このシリ
コン基板上に<−110>方向の流体抵抗部となる溝を異
方性エッチングで形成した構成としたので、流体抵抗部
の流体抵抗値の設定を容易に行うことができる。
【0124】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、吐出室は結晶面方位(110)のシリコン基板に異
方性エッチングで形成し、この異方性エッチングの開口
部が平行四辺形をなし、一方の一対の辺を<−11−2>
方向に一致させ、他方の一対の辺を<−1−1−2>方向
に一致させた構成としたので、インク滴吐出時の隣接吐
出室間のクロストークや共通インク室と吐出室或いは吐
出室間の液漏れを防止できる。
【0125】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、異方性エッチングの開口部を一辺が10〜500μ
mの範囲のエッチング小領域に分割した構成としたの
で、大きな開口部のエッチングにおいてエッチング時の
気泡の付着を防止でき、エッチレートの低下を低減でき
る。
【0126】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、異なる大きさのエッチング開口部を異方性エッチン
グして吐出室、流体抵抗部、共通インク室を形成すると
き、エッチング開口部の短辺が1mm以上の開口部に酸
化膜を形成し、この酸化膜の厚さはこの酸化膜を形成し
ていない開口部のエッチング開始から終了までの間に除
去される厚さに設定した構成としたので、大きな開口部
と小さな開口部のエッチング終了時のエッチング深さを
ほぼ同じにすることができる。
【0127】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、異なる大きさのエッチング開口部を異方性エッチン
グして吐出室、流体抵抗部、共通インク室を形成すると
き、エッチング開口部の短辺が1mm以上の開口部を、
エッチング開口部の短辺が1mm未満の開口部をエッチ
ングする前にエッチングした構成としたので、大きな開
口部と小さな開口部のエッチング終了時のエッチング深
さをほぼ同じにすることができる。
【0128】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、シ
リコン基板に予め流体抵抗部となる溝を<−110>方向
に異方性エッチングで形成した後、吐出室又は共通イン
ク室を異方性エッチングで形成した構成としたので、吐
出室と流体抵抗部との連結部或いは共通インク室と流体
抵抗部との連結部に高次面が発生することがなくなる。
【0129】請求項7のインクジェットヘッドによれ
ば、予め流体抵抗部となる溝を等方性エッチングで形成
した基板に吐出室又は共通インク室を異方性エッチング
で形成した構成としたので、流体抵抗部の自由度が向上
する。
【0130】請求項8のインクジェットヘッドによれ
ば、結晶面方位(110)のシリコン基板に<−112>
方向に流体抵抗部となる溝を異方性エッチングで形成し
た構成としたので、インクジェットヘッドを小型化で
き、コストダウンを図れる。
【0131】請求項9のインクジェットヘッドによれ
ば、共通インク室を結晶面方位(110)のシリコン基
板に異方性エッチングで形成し、この共通インク室の異
方性エッチング開口部が平行四辺形をなし、一方の一対
の辺を<−11−2>方向に一致させ、他方の一対の辺を
<−1−1−2>方向に一致させ、吐出室の長手方向を<
−112>方向に一致させ、かつ吐出室を<1−1−2>
方向に配列した構成としたので、インク中への気泡の滞
留を低減することができ、インク滴吐出安定性が向上す
る。
【0132】請求項10のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至9のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、吐出室を形成した基板の異方性エッチン
グを開始した面をインク滴を吐出させるアクチュエータ
手段を備えた基板に接合した構成としたので、異方性エ
ッチングによる振動板面積の低減を抑えることができ、
インク滴吐出効率が向上する。
【0133】請求項11のインクジェット記録装置によ
れば、インクジェットヘッドをキャリッジに搭載したイ
ンクジェット記録装置において、インクジェットヘッド
が請求項9のインクジェットヘッドからなり、かつ、吐
出室の長手方向が前記インクジェットヘッドに対する記
録紙の相対的な移動方向と垂直となるように搭載した構
成としたので、高密度、高解像度印写が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドを搭載した
インクジェット記録装置の機構部を示す概略構成図
【図2】本発明に係る静電型インクジェットヘッドの基
本構成を説明する説明する要部断面説明図
【図3】同ヘッドの図2と直交する方向の断面説明図
【図4】本発明の第1実施形態を説明する第1の基板の
斜視説明図
【図5】同第1の基板の流体抵抗部の要部拡大説明図
【図6】同第1の基板の製作工程を説明する説明図
【図7】同製作工程に用いるフォトマスクパターンの異
なる例の説明図
【図8】同マスクパターンの開口部形状の異なる例を説
明する説明図
【図9】同マスクパターンの他の例を説明する説明図
【図10】同マスクパターンの更に他の例を説明する説
明図
【図11】同第1の基板の他の製作工程を説明する説明
【図12】図11に続く工程を説明する説明図
【図13】同第1の基板の更に他の製作工程を説明する
説明図
【図14】図13に続く工程を説明する説明図
【図15】同第1の基板の更にまた他の製作工程を説明
する説明図
【図16】図15に続く工程を説明する説明図
【図17】図15及び図16に示す工程に用いるマスク
パターンの説明図
【図18】本発明の第3実施形態の説明に供するマスク
パターンの説明図
【図19】流体抵抗部の深さと幅の関係の説明に供する
説明図
【図20】同実施形態に用いる他のマスクパターンの説
明図
【図21】本発明の第4実施形態の説明に供する第1の
基板の上面図
【図22】同実施形態に用いるマスクパターンの説明図
【図23】同実施形態に用いる他のマスクパターンの説
明図
【図24】本発明の第5実施形態の説明に供するインク
ジェットヘッドの上面説明図
【図25】本発明の第5実施形態に係るインクジェット
ヘッドの製作工程を説明する説明図
【図26】従来のインクジェットヘッドの分解斜視図
【図27】同従来のインクジェットヘッドの第1の基板
の製作工程を説明する説明図
【図28】同従来のインクジェットヘッドの他の第1の
基板を示す斜視図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、40…インクジ
ェットヘッド、41…第1の基板、42…第2の基板、
43…第3の基板、44…ノズル孔、46…流体抵抗
部、47…共通インク室、48…振動板、51…第2の
電極、61…シリコン基板、62、63…酸化膜、6
4,65…窒化膜。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、前記吐出室又は共通インク室を結晶面
    方位(110)のシリコン基板で形成し、このシリコン
    基板上に<−110>方向の前記流体抵抗部となる溝を異
    方性エッチングで形成したことを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、前記吐出室は結晶面方位(110)の
    シリコン基板に異方性エッチングで形成し、この異方性
    エッチングの開口部が平行四辺形をなし、一方の一対の
    辺を<−11−2>方向に一致させ、他方の一対の辺を<
    −1−1−2>方向に一致させたことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、前記吐出室又は共通インク室は結晶面
    方位(110)のシリコン基板に異方性エッチングで形
    成し、この異方性エッチングの開口部を一辺が10〜5
    00μmの範囲のエッチング小領域に分割したことを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備え、異なる大きさの
    エッチング開口部を異方性エッチングして前記吐出室、
    流体抵抗部、共通インク室を形成したインクジェットヘ
    ッドにおいて、前記エッチング開口部の短辺が1mm以
    上の開口部に酸化膜を形成し、この酸化膜の厚さはこの
    酸化膜を形成していない開口部のエッチング開始から終
    了までの間に除去される厚さに設定したことを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備え、異なる大きさの
    エッチング開口部を異方性エッチングして前記吐出室、
    流体抵抗部、共通インク室を形成したインクジェットヘ
    ッドにおいて、前記エッチング開口部の短辺が1mm以
    上の開口部を、エッチング開口部の短辺が1mm未満の
    開口部をエッチングする前にエッチングしたことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記シリコン基板に予め流体抵抗部となる溝
    を<−110>方向に異方性エッチングで形成した後、前
    記吐出室又は共通インク室を異方性エッチングで形成し
    たことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、予め前記流体抵抗部となる溝を等方性
    エッチングで形成した基板に前記吐出室又は共通インク
    室を異方性エッチングで形成したことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に流体抵抗部を
    介して連通する共通インク室とを備えたインクジェット
    ヘッドにおいて、結晶面方位(110)のシリコン基板
    に<−112>方向に前記流体抵抗部となる溝を異方性エ
    ッチングで形成したことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】 インク滴を吐出するノズル孔と、このノ
    ズル孔が連通する吐出室と、この吐出室に連通する共通
    インク室とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前
    記共通インク室を結晶面方位(110)のシリコン基板
    に異方性エッチングで形成し、この共通インク室の異方
    性エッチング開口部が平行四辺形をなし、一方の一対の
    辺を<−11−2>方向に一致させ、他方の一対の辺を<
    −1−1−2>方向に一致させ、前記吐出室の長手方向
    を<−112>方向に一致させ、かつ吐出室を<1−1−
    2>方向に配列したことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のイ
    ンクジェットヘッドにおいて、前記吐出室を形成した基
    板の異方性エッチングを開始した面をインク滴を吐出さ
    せるアクチュエータ手段を備えた基板に接合したことを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 インクジェットヘッドをキャリッジに
    搭載したインクジェット記録装置において、前記インク
    ジェットヘッドが前記請求項9に記載のインクジェット
    ヘッドからなり、かつ、前記吐出室の長手方向が前記イ
    ンクジェットヘッドに対する記録紙の相対的な移動方向
    と垂直となるように搭載したことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001301165A (ja) * 2000-04-21 2001-10-30 Seiko Epson Corp インクジェットヘッド
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