JP2000084720A - 穴明け工具 - Google Patents

穴明け工具

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JP2000084720A
JP2000084720A JP10260655A JP26065598A JP2000084720A JP 2000084720 A JP2000084720 A JP 2000084720A JP 10260655 A JP10260655 A JP 10260655A JP 26065598 A JP26065598 A JP 26065598A JP 2000084720 A JP2000084720 A JP 2000084720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドリル剛性を高めて穴位置精度を向上させ
る。 【解決手段】 プリント基板穿孔用の小型ドリル20
に、先端に切刃9,9を有する刃部5の外周面に先端側
から基端側に向けて一対の切屑排出溝8,8を設けた。
刃部5の芯厚22が、先端から基端側の接続部25まで
厚み寸法がd1からd2に減少するバックテーパ状の第
一芯厚部24と、第一芯厚部24との接続部25からテ
ーパ状に厚みが増大する第二芯厚部26とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてプリント
基板に小径の孔を穿設するのに用いられる小型ドリルな
どの穴明け工具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプリント基板に穴明け加工するた
めに用いる小型ドリルは、穿孔すべき孔が例えばφ1.
0mm以下等きわめて小径であるため、ドリル本体の刃
部の先端に例えば外径0.1〜3.175mm程度の小
径の切刃が設けられ、後端側にドリル本体を工作機械の
回転軸に把持するための比較的大径のシャンク部が刃部
と一体にまたはろう付け等で接続されて設けられてい
る。刃部の材質は、通常、超硬合金が採用され、シャン
ク部は超硬合金やスチール等の鋼材等が採用されてい
る。ところで、小型ドリルでプリント基板に穿孔する場
合、通常、プリント基板は合成樹脂板にアルミ箔、銅
箔、ガラス繊維等が付着されて形成されており、穿孔時
には、図5に示すように複数枚、例えば4枚のプリント
基板1を積層し、更にその上下にあて板2と敷板3を密
着させた状態で、小型ドリル4を用いて4枚のプリント
基板に一気に穿孔することになる。
【0003】このような小型ドリル4は、例えば図6及
び図7に示す構成を備えている。即ち、ドリル本体とし
て刃部5とシャンク部6とを備えており、刃部5の外周
面には、その先端面7から基端側に向けて回転軸線Oを
中心に例えば一対の切屑排出溝8,8が対向して螺旋状
に形成されている。各切屑排出溝8,8と先端面7との
交差稜線は一対の切刃9,9とされており、先端面7は
例えば鈍角の先端角を備えていて各切刃9,9の逃げ面
とされ、切屑排出溝8,8の回転方向を向く面の先端側
領域8a,8aがすくい面とされている。図7に示す先
端面7において、切刃9の外側端縁につながる刃部5の
外周面は、切刃9,9の外側端縁につながるマージン1
0と、マージン10より回転軸線Oからの外径寸法が短
く設定された外周逃げ面11(二番取り面)とで形成さ
れている。そして回転軸線Oを含む切屑排出溝8,8間
の厚み部分は芯厚部13とされている。芯厚部13は図
7に示す刃部5の先端面7において厚み寸法t0を備
え、図8における回転軸線O方向に沿う芯厚部13の形
状を説明するための仮想的な断面図で示すように、刃部
5の先端面7から切屑排出溝8,8の終端部まで漸次厚
みtがt0から均一に増大するように断面視直線をなす
テーパ状に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリン
ト基板は年々微細化と多層化が進み、これに伴い穴径の
小径深穴化、穴位置の高精度化の要求がますます厳しく
なっている。そのため、上述のような均一なテーパ状に
形成されている芯厚部13ではこれらの要求に十分対応
できなくなりつつある。即ち、上述のような均一なテー
パ状に形成されている芯厚部13を全体により厚くする
と小型ドリル4の剛性は増大するが、先端側においてス
ラスト抵抗が増大してプリント基板への食い付きが悪く
なって穴の位置ずれや穴曲がりを生じ易くなる。これ
は、ドリルにおいては先端角を有する先端面7の頂点と
重なる回転軸線O上での切刃9の食い付きの良さが穴位
置精度を決定するためである。また、基端側においても
芯厚部13が大きくなるために切屑排出溝8が浅くなっ
て深穴加工時に切屑の排出性が悪くなるという欠点があ
る。逆に芯厚部13の厚みを小さくして食い付きと切屑
排出性を良くするとドリル剛性が低下して折損しやすい
という欠点が生じる。また芯厚部13のテーパの傾斜を
大きくするとドリル剛性を高めながら切屑排出溝8の深
さを確保できるが、それでもアスペクト比が15以上に
なると切屑排出溝8の基端側では溝深さが一層浅くなる
ために同様に切屑排出性が悪化するという欠点がある。
【0005】また芯厚部13以外に刃部5の先端角やね
じれ角、溝幅比、マージン幅等を変化させたり組み合わ
せを変えたりして穴加工試験をしてみても満足できる結
果が得られなかった。また切刃9のすくい角は切屑排出
溝8のねじれ角で設定されており、そのために切刃9の
すくい角はドリル本体の径方向で回転軸線Oに近づく程
小さくなり、それに伴って外周側から回転軸線Oに近づ
くに従って切削抵抗が大きくなることは一般的に知られ
ている。しかも上述のように剛性を持たせるために芯厚
部13に正方向のテーパが付けられているためにすくい
角は更に小さくなる。このような欠点を解決するため
に、従来切刃9の回転軸線O付近にシンニングを設ける
技術が一般的に採用されているが、切刃9の再研磨に手
間がかかる上に小型ドリル4等ではドリル径が細いため
にシンニングの形成が困難であった。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みて、穴加
工精度を向上させることができるようにした穴明け工具
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる穴明け工
具は、刃部とシャンク部とを備え、刃部の外周面に先端
側から基端側に向けて切屑排出溝が設けられ、この切屑
排出溝と刃部の先端面との交差稜線に切刃が設けられて
なる穴明け工具において、前記刃部の芯厚が、先端側か
ら基端側に向けて漸次厚みが減少する第一芯厚部と、こ
の第一芯厚部との接続部から基端側に向けて漸次厚みが
増大する第二芯厚部とを備えたことを特徴とする。刃部
の先端側の第一芯厚部をバックテーパ形状としたから、
切刃のすくい面をなす切屑排出溝の回転方向を向く面の
先端側領域では回転軸線付近のすくい角が大きくなり切
削抵抗を軽減でき、被削材への食い付きを良くして食い
込み時の穴位置ずれと穴明け途中での穴曲がりを少なく
できて高精度の穴加工ができる。しかも第二芯厚部の領
域で漸次厚みが増大するテーパ状とされているから、第
一芯厚部をバックテーパにしたことによる工具剛性の低
下を抑制できる。
【0008】また、刃部の切り刃の外径が3.175m
m以下であってもよい。このような小径の穴明け工具に
おいて特に剛性を犠牲にすることなく穴加工精度を向上
できて好適である。また、第一芯厚部の先端の厚み寸法
をd1とし、第一芯厚部と第二芯厚部との接続部の厚み
をd2とし、刃部の切刃外径をDとすると、d1>d2
とされ、かつd1は0.15D〜0.60Dの範囲、d
2は0.05D〜0.59Dの範囲に設定されていても
よい。第一芯厚部をバックテーパにしてd1及びd2を
上述のように設定することで、穴明け工具の剛性を損な
うことなく特に回転軸線付近のすくい角を大きくするこ
とができて被削材への食い付きを良くして穴加工精度が
向上する。尚、回転軸線に沿う切屑排出溝の長さをLと
して、第一芯厚部の回転軸線に沿う長さL1を0.03
L〜0.25Lとすることで、d1,d2との関係でバ
ックテーパによる剛性の低下を確実に抑制できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明するが、上述の従来技術と同一または同様の
部分には同一の符号を用いて説明する。図1は第一の実
施の形態による小型ドリルの芯厚部の形状を説明するた
めの回転軸線に沿う仮想的な断面を示す図である。図1
に示すプリント基板穿孔用の小型ドリル20は、芯厚部
を除いて従来技術の小型ドリル4と同一の構成を備えて
いて、ドリル本体が刃部5とシャンク部6からなり、刃
部5の外周面に回転軸線Oを挟んで一対の切屑排出溝
8,8が対向して形成されている。先端面7は例えば鈍
角の先端角を備えていて各切刃9,9の逃げ面とされ、
切屑排出溝8,8の回転方向を向く面の先端側領域8a
がすくい面とされている。切屑排出溝8,8間に形成さ
れた芯厚部22は刃部5の先端面7から切屑排出溝8の
終端部まで延在して形成されており、切屑排出溝8の延
在方向に沿う一対の切屑排出溝8,8間の最小厚み寸法
が芯厚部22の厚み寸法diとされている。特に本実施
の形態による小型ドリル20では、芯厚部22は図1に
示すように先端側に位置していてバックテーパを備えた
第一芯厚部24と、基端側に位置していて第一芯厚部2
4との接続部25から基端側に向けて漸次厚み寸法が大
きくなるテーパ状の第二芯厚部26とを備えて形成され
ている。
【0010】ここで、第一芯厚部24の先端の厚みをd
1、第一芯厚部24と第二芯厚部26の接続部25の厚
みをd2、切屑排出溝8の終端部である第二芯厚部26
の後端の厚みをd3とし、刃部5の切刃外径をDとした
とき、例えば切刃9の外径D=3.175mm以下とす
ると、 d1>d2<d3 とされ、かつd1は0.15D〜0.60D、d2は
0.05D〜0.59D、d3は0.30D〜0.90
Dの範囲に設定されている。また回転軸線Oに沿う切屑
排出溝8の長さ(有効溝長)をLとすると、第一芯厚部
24の回転軸線Oに沿う長さL1は0.03L〜0.2
5Lとし、例えばL1=0.05〜5.0mmの範囲と
する。そのため、第一芯厚部24のバックテーパ形状の
傾斜は0/1000を越え、好ましくは−1/1000
〜−300/1000の範囲となる。ここで、傾斜が0
/1000であるとバックテーパにならずすくい角が大
きくならないために切削抵抗を軽減できず穴位置精度の
向上に寄与しない。また−300/1000を越えると
バックテーパが急激すぎて穴加工時に接続部25に応力
が集中して折損し易くなるという問題が生じる。小型ド
リル20等で穴明け加工する場合、食い付き時に切削加
工点は回転中心である回転軸線Oから順次外周側へ広が
って行き、ドリル外周に到達した時点で一対の切刃9,
9全体で穴明け加工に移行する。そのため、第一芯厚部
22のバックテーパを上述の範囲に設定することで、特
に回転軸線O付近のすくい角を大きくできて切削抵抗を
軽減でき、被削材への食い付きを良くして食い込み時の
位置ずれと穴明け途中での穴曲がりを抑制して高精度の
穴加工ができる。
【0011】また、テーパ状に形成された第二芯厚部2
6の傾きは、ドリル剛性と切屑排出性を確保できる程度
あれば適宜でよいが、好ましくは10/1000〜50
/1000程度とする。しかも、切屑排出溝8の終端部
である第二芯厚部26の後端の厚みd3を0.30D〜
0.90Dに設定したことでドリル剛性を確保した上で
切屑排出性を良好に維持できる。尚、第二芯厚部26の
回転軸線Oに沿う長さL2は加工穴の深さによって適宜
定めればよい。
【0012】本実施の形態による小型ドリル20は上述
のように構成されているから、第一芯厚部24をバック
テーパにして、傾斜を0/1000を越えて−300/
1000までの範囲に設定し、先端の厚みd1と基端側
の接続部25の厚みd2についてd1を0.15D〜
0.60Dの範囲、d2を0.05D〜0.59Dの範
囲に設定することで、ドリル剛性の低下を抑制して切刃
9のすくい角を大きくできる。特に切屑排出溝8がねじ
れ溝になっているために、回転軸線O付近のすくい角を
大きくできて切削抵抗を軽減でき、そのためにプリント
基板等の被削材への食い付き性を向上させ、食い込み時
の穴位置ズレと穴明け途中での穴曲がりを少なくして高
精度の穴位置を得ることができる。また第一芯厚部24
と第二芯厚部26との接続部25で最小の芯厚d2とな
るが、d2を0.05D〜0.59Dの範囲に設定する
ことでドリル剛性の低下を抑制でき、更に接続部25に
続く第二芯厚部26で10/1000〜50/1000
の範囲のテーパ状としてd3を0.30D〜0.90D
に設定したことでドリル剛性を確保した上で切屑排出性
を良好に維持できる。
【0013】次に本発明の第二の実施の形態を図2によ
り説明する。図2に示す小型ドリル30は芯厚部を除い
て第一の実施の形態の小型ドリル20と同一構成であ
り、例えば切刃9の外径Dが3.175mm以下とされ
ている。この小型ドリル30において、芯厚部32が先
端側から基端側に向けてバックテーパ状の第一芯厚部3
4とテーパ状の第二芯厚部36とストレート状または第
二芯厚部36より小さい微量のテーパ状とされた第三芯
厚部38とで構成されている。ここで、第一芯厚部34
の先端の厚みをd1、第一芯厚部34と第二芯厚部36
の接続部35の厚みをd2、第二芯厚部36と第三芯厚
部38の接続部37の厚みをd4、切屑排出溝8の終端
部である第三芯厚部38の後端の厚みをd3とし、刃部
5の切刃外径をDとしたとき、 d1>d2<d4≦d3 とされ、かつd1は0.15D〜0.60D、d2は
0.05D〜0.59D、d3は0.30D〜0.90
D、d4は0.30D〜0.90Dの範囲に設定されて
いる。
【0014】また回転軸線Oに沿う切屑排出溝8の長さ
(有効溝長)をLとすると、第一芯厚部34の回転軸線
Oに沿う長さL1は0.03L〜0.25Lとし、例え
ばL1=0.05〜5.0mmの範囲とし、第二芯厚部
36の回転軸線Oに沿う長さL2は0.03L〜0.2
5Lとし、第三芯厚部38の回転軸線Oに沿う長さL3
は適宜でよい。そのため、バックテーパ形状の第一芯厚
部34のテーパ(傾斜)は第一の実施の形態と同様に0
/1000を越え、−300/1000の範囲となる。
ここで、傾斜が0/1000であるとバックテーパにな
らずすくい角が大きくならないために切削抵抗を軽減で
きず穴位置精度の向上に寄与しない。また−300/1
000を越えるとバックテーパが急激すぎて穴加工時に
接続部35に応力が集中して折損し易くなるという問題
が生じる。そのため、傾斜を上述の範囲に設定すること
で、特に回転軸線O付近のすくい角を大きくできて切削
抵抗を軽減でき、被削材への食い付きを良くして食い込
み時の位置ずれと穴明け途中での穴曲がりを抑制して高
精度の穴加工ができる。
【0015】また、テーパ状に形成された第二芯厚部3
6の傾きは、ドリル剛性と切屑排出性を確保できる程度
あれば適宜でよいが、好ましくは50/1000〜10
00/1000程度とする。第三芯厚部38は傾斜を例
えば0/1000〜15/1000の範囲としてストレ
ート形状か微量のテーパ状(これをほぼ同一厚みとい
う)に設定する。これによって小型ドリル30の剛性を
向上できると共にアスペクト比が15を越えるような深
穴加工においても生成された切り粉を切屑排出溝8を通
してスムーズに排出することができ、耐折損性と切屑排
出性を良好に維持できる。尚、図2では第三芯厚部38
は0/1000のストレート形状とされている。
【0016】本第二の実施の形態による小型ドリル30
は上述のように構成されているから、第一の実施の形態
と同様に第一芯厚部34をバックテーパにすることで、
ドリル剛性の低下を抑制して切刃9のすくい角を大きく
できる。回転軸線O付近のすくい角を大きくして切削抵
抗を軽減でき、そのためにプリント基板等の被削材への
食い付き性を向上させ、食い込み時の穴位置ズレと穴明
け途中での穴曲がりを少なくして高精度の穴位置を得る
ことができる。また第一芯厚部34と第二芯厚部36と
の接続部35で最小の芯厚d2となるが、d2を0.0
5D〜0.59Dの範囲に設定することでドリル剛性の
低下を抑制でき、更に接続部35に続く第二芯厚部36
でドリル剛性を確保した上で切屑が詰まることなくスム
ーズに排出させることができる。しかも第三芯厚部38
を0/1000〜15/1000の範囲としてストレー
ト形状か微量のテーパ状として終端の厚みd3とするこ
とで、ドリル剛性を確保して切屑排出性を良好にするこ
とができる。
【0017】次に本発明の実施例について行った穴明け
加工試験について説明する。実施例として図2に示す芯
厚部32の形状を備えた小型ドリル30を用い、比較の
ために従来例として図8に示す均一なテーパ状の芯厚部
13を備えた小型ドリル4を用いてそれぞれ穴明け加工
試験を行った。実施例と従来例の各小型ドリル30,4
の各部位の寸法等は表1に示す通りである。尚、各芯厚
部32,13の先端の厚みd1,t0は共に0.130
である。
【0018】テスト用の小型ドリルの寸法一覧表(単
位:mm)
【表1】
【0019】被削材として、Cu箔が4枚重ねられてな
る厚さ1.6mmの基板を3枚積層した3枚重ねのプリ
ント基板を用い、その上にアルミニウム製の厚さ0.1
5mmのあて板を載置し、下にベーク製の厚さ1.6m
mの敷板を密着させた状態で、実施例及び従来例の小型
ドリル20,4を用いてそれぞれ穴明け加工を行った。
小型ドリルの回転数Nは70Krpm、送り速度Fは1.
8m/min、1回転当たりの切り込み量fは25.71
μmとし、シングル加工で5000ヒット(回数)の穴
明けを行った。尚、工作機械に装着された初期位置の小
型ドリル30,4の先端とプリント基板との距離である
ストロークは9.85mmである。穴明け試験の結果は、
実施例による小型ドリル30の場合では図3及び表2に
示す成績が、また従来例による小型ドリル4の場合では
図4及び表3に示す通りの成績が得られた。
【0020】実施例の穴位置精度成績表
【表2】
【0021】従来例の穴位置精度成績表
【表3】
【0022】表2及び表3において、「平均値」とは目
標位置から実際の穴出口位置までの深さ方向に対して直
交する方向の「平均穴位置ズレ量」をいう。「シュート
量」とは穴の曲がり量を示すもので、穴の入り口から深
さ方向に対して直交する方向への穴曲がりによるズレの
最大量を指す。「スリップ量」は穴加工開始時における
目標位置から実際の穴の入り口位置までのズレ量をい
う。一般に、穴位置精度は正規分布による「平均値+3
σ」の大きさによって主として決定される。試験結果に
よれば、実施例による穴加工では、図3に示すように1
(スタート)〜1000ヒット、1001〜2000ヒ
ット、2001〜3000ヒット、3001〜4000
ヒット、4001〜5000ヒットの各1000ヒット
づつのいずれの段階においても、穴明けの目標位置であ
るX軸とY軸の交点からのずれ量が小さい。即ち表2に
示すように正規分布による「平均値+3σ」は、上記各
段階のヒットにおいて、55μm、57μm、58μ
m、66μm、82μmとなり、同様に「シュート量」
も41μm、46μm、49μm、58μm、75μm
となった。これに対して従来例による穴加工では、各段
階のヒットで正規分布による「平均値+3σ」は86μ
m、104μm、115μm、118μm、114μm
となり、同様に「シュート量」も71μm、93μm、
104μm、106μm、104μmとなった。従っ
て、実施例の方が、従来例よりも明らかに目標位置に対
する穴位置のずれ量と穴曲がり量も小さく、穴位置精度
が向上したことを確認できる。
【0023】尚、本発明による芯厚部は、第一及び第二
の実施の形態に限定されることなく、例えば第二の実施
の形態における小型ドリル30で示すように、第三芯厚
部38に更にテーパ状の第四芯厚部、ストレート若しく
は微量テーパ状の第五芯厚部等を適宜追加して複数種類
の芯厚部を略多段状に形成するようにしてもよい。要す
るにバックテーパ状の第一芯厚部24,34に加えてテ
ーパ状またはストレート若しくは微量テーパ状の芯厚部
を適宜同軸状に接続して切屑排出性を確保すると共に剛
性を高めた構成を備えていればよい。また実施の形態で
は切屑排出溝8をねじれ溝として一対設けたが、これに
限定されることなく切屑排出溝を直線状の溝としてもよ
いし、また切屑排出溝の本数は任意に設定してよい。ま
た本発明は刃先の直径が3.175mm以下のプリント
基板用の小径ドリル20,30に好適であるが、本発明
は実施の形態に限定されることなく刃先の直径がこれよ
り大きいドリルについても適用できる。また本発明はド
リルに限定されることなくリーマなど穴明け用の各種穴
明け工具にも適用できる。
【0024】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る穴明け工具
は、刃部の芯厚が、先端側から基端側に向けて漸次厚み
が減少する第一芯厚部と、この第一芯厚部との接続部か
ら基端側に向けて漸次厚みが増大する第二芯厚部とを備
えたから、切刃のすくい面をなす切屑排出溝の先端側領
域では回転軸線付近のすくい角が大きくなり切削抵抗を
軽減でき、被削材への食い付きを良くして食い込み時の
穴位置ずれと穴明け加工時の穴曲がりを少なくできて高
精度の穴加工ができる。しかも第二芯厚部の領域で漸次
厚みが増大するテーパ状とされているから、第一芯厚部
をバックテーパにしたことによる工具剛性の低下を抑制
できる。
【0025】また、刃部の切り刃の外径が3.175m
m以下であるから、小径の穴明け工具において特に剛性
を犠牲にすることなく穴加工精度を向上できて好適であ
る。また、第一芯厚部の先端の厚み寸法をd1とし、第
一芯厚部と第二芯厚部との接続部の厚みをd2とし、刃
部の切刃外径をDとすると、d1>d2とされ、かつd
1は0.15D〜0.60Dの範囲、d2は0.05D
0.59Dの範囲に設定されているから、穴明け工具
の剛性を損なうことなく特に回転軸線付近のすくい角を
大きくすることができて穴加工精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態による小型ドリル
の刃部についての芯厚部の形状を説明するための回転軸
線に沿う仮想的な断面図である。
【図2】 本発明の第二の実施の形態による小型ドリル
の刃部についての芯厚部の形状を説明するための回転軸
線に沿う仮想的な断面図である。
【図3】 実施例による小型ドリルで穴加工試験した穴
位置の精度を1000ヒット単位で示す図である。
【図4】 図8に従う従来例の小型ドリルで穴加工試験
した穴位置の精度を1000ヒット単位で示す図であ
る。
【図5】 小型ドリルによるプリント基板の穿孔状態を
示す一般的な図である。
【図6】 一般的な小型ドリルの側面図である。
【図7】 図6に示す小型ドリルの先端面図である。
【図8】 従来の小型ドリルの刃部についての切屑排出
溝に沿う断面図である。
【符号の説明】
5 刃部 6 シャンク部 8 切屑排出溝 9 切刃 20,30 小型ドリル 22,32 芯厚部 24,34 第一芯厚部 25,35,37 接続部 26,36 第二芯厚部 38 第三芯厚部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃部とシャンク部とを備え、刃部の外周
    面に先端側から基端側に向けて切屑排出溝が設けられ、
    この切屑排出溝と刃部の先端面との交差稜線に切刃が設
    けられてなる穴明け工具において、前記刃部の芯厚が、
    先端側から基端側に向けて漸次厚みが減少する第一芯厚
    部と、この第一芯厚部との接続部から基端側に向けて漸
    次厚みが増大する第二芯厚部とを備えたことを特徴とす
    る穴明け工具。
  2. 【請求項2】 前記刃部の切り刃の外径が3.175m
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の穴明け工
    具。
  3. 【請求項3】 前記第一芯厚部の先端の厚み寸法をd1
    とし、第一芯厚部と第二芯厚部との接続部の厚みをd2
    とし、刃部の切刃外径をDとすると、 d1>d2とされ、かつd1は0.15D〜0.60D
    の範囲、d2は0.05D〜0.59Dの範囲に設定さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の穴明
    け工具。
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