JP2000083294A - スリムスピーカ - Google Patents

スリムスピーカ

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JP2000083294A
JP2000083294A JP10250197A JP25019798A JP2000083294A JP 2000083294 A JP2000083294 A JP 2000083294A JP 10250197 A JP10250197 A JP 10250197A JP 25019798 A JP25019798 A JP 25019798A JP 2000083294 A JP2000083294 A JP 2000083294A
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corrugation
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voice coil
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祥司 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性を向上させるとともにコストを低下さ
せたスリムスピーカを提供することを目的とする。 【解決手段】 スリムスピーカのダンパ5には、その外
周端と、内周端としてのボイスコイル接合部5bとの間
にボイスコイル1を囲むように外周に沿った環状として
の長円形にコルゲーション部5aを設け、このコルゲー
ション部5aとボイスコイル接合部5bとの間にフラッ
ト部としての略フラット部5cを設け、このコルゲーシ
ョン部5aの幅B1を全周同じに形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矩形、長円形、ト
ラック形、楕円形などの正面形状が長径と短径を有する
細長いスピーカ、いわゆるスリムスピーカに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】住宅事情やデザイン性などを反映した近
年のAV機器の小型化に対応するため、横幅の小さいス
ピーカが望まれてきている。例えば、テレビでは画面の
両横にスピーカを配置するものが多いが、このスピーカ
の横幅を小さくして、テレビ全体の横幅ができるだけ大
きくならないようにすることが望まれている。
【0003】そこでテレビなどAV機器の前面に取り付
けるスピーカとして、縦が長く横幅が小さい矩形、長円
形、トラック形、楕円形などのスリムスピーカが用いら
れている。また音質的には低音が十分に再生できるとと
もに、長時間使用しても音質が劣化しない信頼性も当然
必要である。このためボイスコイルを支持するダンパは
小さな横幅でありながら、低音再生するために大振幅で
きなければならない。
【0004】通常の円形ダンパを用いたスリムスピーカ
では、ダンパの外径を小さくしてダンパを小型化せざる
を得ず、振幅時の応力が小さな面積のダンパに集中する
ことになる。その結果、大振幅時のダンパの疲労が極め
て大きくなり、ダンパが破断してスピーカが正常な動作
をしなくなったり、スピーカの最低共振周波数が本来の
周波数よりも大きく低下して音質が劣化するなど、信頼
性が得られない。
【0005】そこでスリムスピーカのダンパとして、特
公昭62−11837号公報に記載されたものが一般に
知られている。このスリムスピーカのダンパ10は、図
8に示すように、屈曲可動部10aとボイスコイル接合
部10bと中央支持部10cと固定部10dと窓孔部1
0eとで構成されている。この固定部10dはフレーム
などに固定され、ボイスコイル接合部10bはボイスコ
イルに接合されている。中央支持部10cは屈曲しない
ように固く作られており、ボイスコイルと一体に動く。
そして中央支持部10cと固定部10dの間には、パン
タグラフ様の4個の屈曲可動部10aが設けられてい
る。それぞれの屈曲可動部10aの間には窓孔部10e
が空いており、それぞれの屈曲可動部10aが独立して
動けるようになっている。
【0006】このスリムスピーカのダンパ10は、ダン
パ10の長径方向の屈曲可動部10aを長くし、ダンパ
10の短径方向の屈曲可動部10aの幅を大きくするこ
とで、この屈曲可動部10aを大きくしている。このよ
うに屈曲可動部10aの面積を大きくして、振幅時の屈
曲可動部10aに対する応力集中を極力緩和するように
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のス
リムスピーカのダンパ10では、図8に示すように、窓
孔部10eが空いているために防塵性が悪く、この窓孔
部10eから埃や鉄粉などが入ってボイスコイルの動作
不良を起こすという問題がある。
【0008】また、このダンパ10の屈曲可動部10a
は、中央支持部10cと固定部10dとの付け根の部分
にどうしても応力が集中するので、長時間動作させると
この付け根部分が破断したりする危険性を有するという
問題がある。
【0009】さらに、屈曲可動部10aは、上面部11
aと下面部11bとを別々に成型してから、この上面部
11aと下面部11bとを貼り合わせて製造しているの
で、量産性が悪くコストが高いという問題がある。
【0010】従って、従来のスリムスピーカでは、前述
のダンパ10により、信頼性が不十分でコストが高いと
いう問題がある。本発明は、信頼性を向上させるととも
にコストを低下させたスリムスピーカを提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のスリムスピーカ
のダンパには、その外周端と内周端との間にボイスコイ
ルを囲むように外周に沿った環状にコルゲーション部を
設け、このコルゲーション部と内周端との間にフラット
部を設け、このコルゲーション部の幅を全周同じかまた
はほぼ同じに形成したものである。
【0012】本発明によると、信頼性を向上させるとと
もにコストを低下させたスリムスピーカを得ることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、界磁部で駆動されるボイスコイルをフレームに対し
て支持するよう外周端を前記フレームに接続するととも
に、内周端を前記ボイスコイルに接続し長径と短径とを
有する形状のダンパを設けたスリムスピーカにおいて、
前記ダンパには、前記外周端と内周端との間に前記ボイ
スコイルを囲むように外周に沿った環状にコルゲーショ
ン部を設け、このコルゲーション部と内周端との間にフ
ラット部を設け、このコルゲーション部の幅を全周同じ
かまたはほぼ同じに形成したスリムスピーカとしたもの
であり、ダンパの成形プレス金型の製造を容易にするこ
とができ、信頼性を向上させるとともにコストを低下さ
せたスリムスピーカを得ることができる。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、ダンパ
のコルゲーション部の断面形状を、複数の波形または単
数の円弧状に形成した請求項1記載のスリムスピーカと
したものであり、大振幅可能なスリムスピーカを実現で
きる。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、縦方向
に比べて横方向の長さのほうが長いダンパの縦横方向の
中央の内周端に環状のボイスコイルを設け、前記ダンパ
の内周端に近い部分のコルゲーション部の高さを、内周
端から遠い部分のコルゲーション部の高さに比べて高く
形成した請求項1または請求項2に記載のスリムスピー
カとしたものであり、長時間動作後にも最低共振周波数
の低下が非常に少ないスリムスピーカを実現できる。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、ダンパ
のコルゲーション部を、ボイスコイルを有する側の反対
方向に突出させた請求項1から請求項3のいずれかに記
載のスリムスピーカとしたものであり、過大入力に耐え
られるスリムスピーカを実現できる。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、ダンパ
を一体成形した請求項1から請求項4のいずれかに記載
のスリムスピーカとしたものであり、量産性を向上させ
ることができ、コストを低下させることができる。
【0018】本発明の請求項6に記載の発明は、補強部
材をフラット部に設けた請求項1から請求項5のいずれ
かに記載のスリムスピーカとしたものであり、実質的な
可動部をコルゲーション部のみにすることができるの
で、振幅のリニアリティを良好にすることができる。
【0019】以下、本発明のスリムスピーカを具体的な
実施の形態に基づいて説明する。 (実施の形態1)本実施の形態1のスリムスピーカのダ
ンパ5には、図1,図2に示すように、その外周端と、
内周端としてのボイスコイル接合部5bとの間にボイス
コイル1を囲むように外周に沿った環状としての長円形
にコルゲーション部5aを設け、このコルゲーション部
5aとボイスコイル接合部5bとの間にフラット部とし
ての略フラット部5cを設け、このコルゲーション部5
aの幅B1を全周同じに形成したものである。なお、こ
のコルゲーション部5aの断面形状を複数の波形に形成
している。
【0020】このスリムスピーカは、図2(a),
(b)に示すように、ボイスコイル1と、このボイスコ
イル1を駆動させる界磁部2と、フレーム3と、エッジ
4aとダストキャップ4bとを有する振動板4と、前述
のコルゲーション部5aを形成したダンパ5とで構成さ
れており、その正面形状は長径と短径とを有する長円形
に形成されている。従って、スリムスピーカのダンパ5
の正面形状も長径と短径とを有する長円形に形成されて
いる。なお、図2(a)は、このスリムスピーカの長径
方向の断面を示しており、図2(b)は、短径方向の断
面を示している。
【0021】ここで、このスリムスピーカの構成部品の
材質や寸法などについて具体的に説明する。図1,図2
に示すように、ボイスコイル1の口径は14mmに、フ
レーム3の長径は20cmに、短径は3.2cmに形成
されている。振動板4は、ボイスコイル1に取り付けら
れており、紙の材質のコーンである。この振動板4のエ
ッジ4aの材質は布であり、ダストキャップ4bの材質
は紙である。ダンパ5は、その内周端としてのボイスコ
イル接合部5bにボイスコイル1を接続し、フレーム3
にその外周端を固定して、このボイスコイル1を支持し
ている。ダンパ5の可動部の長径は46mm、短径は2
6mm、ダンパ5の材質はフェノール樹脂を含浸したア
ラミド繊維の布である。
【0022】ダンパ5は、図1に示すように、コルゲー
ション部5aとボイスコイル接合部5bと略フラット部
5cと固定部5dとで構成されている。このダンパ5
は、一枚の材料から一体成型している。
【0023】ダンパ5のコルゲーション部5aは、正面
から見てその外径は長径48mm、短径28mm、内径
は長径36mm、短径16mmであり、幅B1は6mm
で長円形リングを形成している。コルゲーション部5a
の断面は高さ1.5mmの波状に形成している。略フラ
ット部5cは、特に補強は施しておらず振幅時の屈曲を
許している。固定部5dは、その外径を長円形に形成し
ている。
【0024】このように構成したため、ダンパ5のコル
ゲーション部5aの内径形状は長径方向両端部がなめら
かな円弧状になっているので、コルゲーション部5aを
分断しなくてもスムーズに上下に動くことができる。つ
まり、図8に示すような従来の可動部が分断されてでき
る窓孔部10eが無く連続しているので、防塵性が良
い。
【0025】また、コルゲーション部5a全体が屈曲す
るので、従来のような特定の部位に応力が集中すること
を防止することができる。さらに、コルゲーション部5
aだけでなく略フラット部5cも一緒にある程度屈曲す
るので、実質的な可動面積が大きくなり応力をさらに小
さくすることができ、ダンパ5の疲労を少なくすること
ができる。
【0026】従来のスリムスピーカ(口径3.2×20
cm)では、耐入力試験(最大入力10WのDINノイ
ズを連続100時間印加)を行った後の最低共振周波数
の低下率が30%であったのに対して、本実施の形態1
のスリムスピーカ(口径3.2×20cm)では、23
%に低減することができ改善することができる。
【0027】また、ダンパ5のコルゲーション部5aの
幅B1を、全周同じに形成したことにより、図3に示す
ようにコルゲーション部6aの外周端6cとボイスコイ
ル接合部6bとの間を均等に分割するコルゲーションを
形成したダンパ6の成形プレス金型を製造する場合に比
べて、ダンパ5の成形プレス金型の製造を容易にするこ
とができる。
【0028】また、ダンパ5は一枚の材料から一体成型
しており、簡単に量産できることから量産性に優れコス
トも安くすることができる。従って本実施の形態1のス
リムスピーカによれば、横幅が小さく、信頼性に優れ、
且つローコストなスリムスピーカを実現できる。
【0029】この実施の形態1ではコルゲーション部5
aを環状としての長円形にしたが、楕円などとしても良
く、コルゲーション部5aの形状が長径方向両端部でな
めらかな曲線、つまり略円弧状になっていれば良い。
【0030】またコルゲーション部5aや略フラット部
5cには、防塵性を損なわない程度の小さなスリットや
孔を形成しても良い。これによりコルゲーション部5a
の柔軟度をさらに大きくしたり、空気の流通をよくして
低域特性の改善したりすることができる。
【0031】また必要に応じて略フラット部5cにリブ
を入れたり、略フラット部5cを多少湾曲させても良
い。これにより略フラット部5cに共振モードが生じた
場合などの対策ができる。また、後述する実施の形態2
の厚紙などの補強部材をこの略フラット部5cに補強し
ても良い。この場合には実質的な可動面積は減少する
が、それでも従来のダンパのような特定部位への応力集
中が起こらないことに変わりはなく、信頼性を十分に保
つことができる。
【0032】(実施の形態2)本発明の実施の形態2の
スリムスピーカは、図4に示すように、補強部材7e
を、ダンパ7の内周端としてのボイスコイル接合部7b
からコルゲーション部7aの間のフラット部としての略
フラット部7cに設け、全周にわたって幅B2を同じに
したコルゲーション部7aをダンパ7の外周端とボイス
コイル接合部7bとの間にボイスコイル1を囲むように
楕円形に形成するとともに、このコルゲーション部7a
の断面形状を単数の円弧状としての半円弧ロールに形成
したものである。
【0033】この実施の形態2のスリムスピーカは、ダ
ンパ7を除いては前述の実施の形態1と同様であるの
で、ここではダンパ7以外についての具体的な説明を省
略する。
【0034】ここで、このスリムスピーカのダンパ7の
材質や寸法などについて具体的に説明する。図4に示す
ように、ダンパ7の材質はフェノール樹脂を含浸したア
ラミド繊維の布である。コルゲーション部7aは、外径
が長径46mm、短径26mm、内径が長径36mm、
短径16mmであり、幅B2は5mmで楕円形リングを
形成している。コルゲーション部7aの断面は半径2.
5mmの半円弧ロールに形成している。ボイスコイル接
合部7bとコルゲーション部7aとの間には略フラット
部7cを形成している。この略フラット部7cの裏側に
は、材質をボール紙とする補強部材7eを貼り付けてい
る。固定部7dは、その外径を矩形に形成している。
【0035】このように構成したため、本実施の形態2
のスリムスピーカは、前述の実施の形態1のスリムスピ
ーカと基本的に同様な効果を有するとともに、さらに加
えて、コルゲーション部7aの断面形状を半円弧ロール
に形成したことにより、大振幅を可能にすることができ
る。また、このコルゲーション部7aだけが実質的な可
動部になるので、振幅のリニアリティを良好にすること
ができる。
【0036】従って本実施の形態2のスリムスピーカに
よれば、横幅が小さく、信頼性に優れ、且つローコスト
で、また大振幅のできるスリムスピーカを実現できる。
この実施の形態2では、コルゲーション部の断面形状を
単数の円弧状として具体的に半円弧ロールとしたが、半
楕円弧ロールや半長円弧ロールなどとする場合であって
も、同様の効果を有する。
【0037】また、この実施の形態2では、略フラット
部に補強部材を貼り付けているが、振幅のリニアリティ
が特に重要でなければこのような補強部材を用いなくて
も構わない。
【0038】(実施の形態3)本発明の実施の形態3の
スリムスピーカは、図5に示すように、前述の実施の形
態1のコルゲーション部5aの断面形状を、単数の円弧
状に形成したコルゲーション部8aとし、このコルゲー
ション部8aをボイスコイルを有する側の反対方向に突
出させたものである。
【0039】この実施の形態3のスリムスピーカは、ダ
ンパ8のコルゲーション部8aを除いては前述の実施の
形態1と同様であるので、ここではダンパ8のコルゲー
ション部8a以外についての具体的な説明を省略する。
【0040】ここで、このスリムスピーカのダンパ8の
材質や寸法などについて具体的に説明する。図5に示す
ように、ダンパ8の材質はフェノール樹脂を含浸したア
ラミド繊維の布である。コルゲーション部8aは、外径
が長径46mm、短径26mm、内径が長径36mm、
短径16mmであり、幅B3は5mmで長円形リングを
形成している。コルゲーション部8aの断面は半径2.
5mmの半円弧ロールに形成している。
【0041】そしてこの実施の形態3では、ダンパ8の
断面のコルゲーション方向を上向きに、つまりロール方
向を上向きにして突出させている。ボイスコイル接合部
8bとコルゲーション部8aとの間に略フラット部8c
を形成している。この略フラット部8cには補強部材な
どを貼り付けず、略フラット部8cの屈曲を許してい
る。固定部8dは、その外径を長円形に形成している。
【0042】このように構成したため、本実施の形態3
のスリムスピーカは、前述の実施の形態1のスリムスピ
ーカと基本的に同様な効果を有するとともに、さらに加
えて、コルゲーション方向が上向きとなっており略フラ
ット部8cの屈曲を拘束していないことに起因して、図
6に示すように、上方向の振幅変位に比べて下方向の振
幅変位が少ない力−振幅変位特性を得ることができる。
本実施の形態3のダンパ8では、図6に示すように、従
来のダンパに比べて加重が大きい時の下方向の振幅変位
が小さいことが分かる。この特性は略フラット部8cを
拘束しない場合に限り得ることができる。なおコルゲー
ション方向、つまりロール方向を下向きとした場合には
これとは逆の、上方向の振幅変位が小さくなる力−振幅
変位特性を得ることができる。
【0043】図6に示すこの力−振幅変位により、大入
力時にボイスコイル1が界磁部2の底部に当たったり、
ダンパ8のボイスコイル接合部8bがフレーム3の底部
に当たったりして、スリムスピーカが破損したり異常音
を発生したりすることを防止できる。
【0044】従って本実施の形態3のスリムスピーカに
よれば、横幅が小さく、信頼性に優れ、且つローコスト
で、また過大入力にも耐えられるスリムスピーカを実現
できる。
【0045】この実施の形態3では、コルゲーション部
の断面形状を半円弧ロールとしたが、コルゲーションの
方向が上向きであれば、前述の実施の形態1のような複
数の波形、その他の形状としても良い。
【0046】(実施の形態4)本発明の実施の形態4の
スリムスピーカは、図7に示すように、縦方向Xに比べ
て横方向Yの長さのほうが長いダンパ9の縦横方向の中
央の内周端としてのボイスコイル接合部9bに環状とし
ての円形のボイスコイル1を設け、このダンパ9のボイ
スコイル接合部9bに近い部分のコルゲーション部9a
の高さH1を、ボイスコイル接合部9bから遠い部分の
コルゲーション部の高さH2に比べて高く形成したもの
である。
【0047】この実施の形態4のスリムスピーカは、ダ
ンパ9のコルゲーション部9aを除いては前述の実施の
形態1と同様であるので、ここではダンパ9のコルゲー
ション部9a以外についての具体的な説明を省略する。
【0048】ここで、このスリムスピーカのダンパ9の
材質や寸法などについて具体的に説明する。図7に示す
ように、ダンパ9の材質はフェノール樹脂を含浸したア
ラミド繊維の布である。コルゲーション部9aは、外径
が長径46mm、短径26mm、内径が長径36mm、
短径16mmであり、幅B4は5mmで長円形リングを
形成している。
【0049】そしてこの実施の形態4では、コルゲーシ
ョン部9aの断面形状を、短径方向のボイスコイル接合
部9bの真横では半径2.5mmの半円弧ロールでロー
ル断面の高さH1を2.5mm、長径方向両端部の円弧
部分の高さH2を1.6mmとしている。そしてその間
の部分、つまりコルゲーション部9aの直線部のロール
断面高さは徐々に変化している。つまりコルゲーション
の長径方向両端部のロール断面の高さH2を、ボイスコ
イル接合部付近のロール断面の高さH1よりも低くして
いる。
【0050】なお、ボイスコイル接合部9bとコルゲー
ション部9aとの間に略フラット部9cを形成してい
る。この略フラット部9cには補強部材などを貼り付け
ず、略フラット部9cの屈曲を許している。固定部9d
は、その外径を長円形に形成している。
【0051】このように構成したため、本実施の形態4
のスリムスピーカは、前述の実施の形態3のスリムスピ
ーカと基本的に同様な効果を有するとともに、さらに加
えて、コルゲーション部9aの長径方向両端部のロール
断面の高さH2をボイスコイル接合部9bの付近のロー
ル断面の高さH1よりも低くしているので、大振幅時に
コルゲーション部9aの長径方向両端部とボイスコイル
接合部9bの付近とに加わる応力を揃えることができ
る。
【0052】具体的には、前述の実施の形態3のように
コルゲーション部8aのロール断面の高さを均一にした
場合では、大振幅時にボイスコイル接合部8bの付近の
ロールがつっぱっていても、略フラット部8cの屈曲を
許しているためにコルゲーション部8aの長径方向両端
部のロールはつっぱらずに余裕を残しているが、これに
対して本実施の形態4では、コルゲーション部9aの長
径方向両端部のロール断面の高さH2をボイスコイル接
合部9bの付近のロール断面の高さH1よりも低くする
ことにより、大振幅時のコルゲーション部9aのつっぱ
りがどの部位も均一に起こるようにすることができる。
【0053】つまり、大振幅時のコルゲーション部9a
への応力が均一化されるので、大振幅時にもダンパの疲
労が起こりにくい。さらに、本実施の形態4のスリムス
ピーカ(口径の3.2×20cm)では、耐入力試験
(最大入力10WのDINノイズを連続100時間印
加)を行った後の最低共振周波数の低下率は18%であ
り、従来のスリムスピーカの30%に比べて大幅に低減
することができ改善することができる。
【0054】従って本実施の形態4のスリムスピーカに
よれば、横幅が小さく、信頼性に優れ、且つローコスト
で、また長時間動作後にも最低共振周波数の低下が非常
に少ないスリムスピーカを実現できる。
【0055】この実施の形態4では、コルゲーション部
9aの長径方向両端部の断面の高さH2をすべて同じ高
さにしたが、この断面の高さH2をボイスコイル接合部
9bから遠ざかる部位ほど低くするなどとしても良い。
最適なロール高さは、材料やコルゲーション部部9aの
正面形状によって異なるが、適宜設計すれば良い。
【0056】この実施の形態4では、コルゲーション部
9aの断面形状を半円弧ロールとしたが、波形やその他
の形状としても良い。またコルゲーションを下向きとし
ても良い。
【0057】なお、前述の各実施の形態では、コルゲー
ション部の幅を全周同じにしているが、この幅をほぼ同
じに形成した場合であっても、ダンパの成形プレス金型
の製造を容易にすることができる。
【0058】また、前述の各実施の形態では、ボイスコ
イルを円形としているが、ボイスコイルを楕円形やトラ
ック形などとする場合であっても、同様の効果を有す
る。また、前述の各実施の形態では、ダンパの材質をフ
ェノール樹脂を含浸したアラミド繊維の布としている
が、ダンパの材質はその他化学繊維の布や綿布、柔軟な
樹脂(エラストマ)など、種々の材質を用いることが可
能である。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1記載のス
リムスピーカによれば、このスリムスピーカのダンパに
は、その外周端と内周端との間にボイスコイルを囲むよ
うに外周に沿った環状にコルゲーション部を設け、この
コルゲーション部と内周端との間にフラット部を設け、
このコルゲーション部の幅を全周同じかまたはほぼ同じ
に形成したことにより、従来のようにコルゲーション部
を分断しなくてもスムーズに上下に動くことができ、従
来のような可動部が分断されてできる窓孔部が無く連続
しているので防塵性が良い。且つコルゲーション部全体
が屈曲するので、特定の部位に応力が集中することを防
止することができ、ダンパの疲労を少なくすることがで
きる。また、ダンパのフラット部としての略フラット部
の屈曲を拘束していないので、コルゲーション部だけで
なく略フラット部も一緒に屈曲し、実質的な可動面積が
大きくなり応力はさらに小さくなり、信頼性をさらに高
くすることができる。このように、防塵性に優れ高い信
頼性の横幅の小さなスリムスピーカを実現できる。
【0060】さらに、ダンパのコルゲーション部の幅を
全周同じかまたはほぼ同じに形成したことにより、ダン
パの成形プレス金型の製造を容易にすることができる。
本発明の請求項2記載のスリムスピーカによれば、ダン
パのコルゲーション部の断面形状を、複数の波形または
単数の円弧状に形成したことにより、大振幅が可能なス
リムスピーカを実現できる。
【0061】本発明の請求項3記載のスリムスピーカに
よれば、縦方向に比べて横方向の長さのほうが長いダン
パの縦横方向の中央の内周端に環状のボイスコイルを設
け、前記ダンパの内周端に近い部分のコルゲーション部
の高さを、内周端から遠い部分のコルゲーション部の高
さに比べて高く形成したことにより、大振幅時のコルゲ
ーション部への応力が均一化されるので大振幅時にもダ
ンパの疲労が起こりにくく、長時間動作後にも最低共振
周波数の低下が非常に少ないスリムスピーカを実現でき
る。
【0062】本発明の請求項4記載のスリムスピーカに
よれば、ダンパのコルゲーション部を、ボイスコイルを
有する側の反対方向に突出させたことにより、ボイスコ
イルを有する側の方向としての上方向の振幅変位に比べ
てボイスコイルを有する側の反対方向としての下方向の
振幅変位が少ない力−振幅変位特性を得ることができ、
大入力時にボイスコイルが界磁部の底部に当たったり、
ダンパのボイスコイル接合部がフレームの底部に当たっ
たりしてスリムスピーカが破損したり異常音を発生した
りすることを防止でき、過大入力にも耐えられるスリム
スピーカを実現できる。
【0063】本発明の請求項5記載のスリムスピーカに
よれば、ダンパを一体成形したことにより、このダンパ
は一枚の材料から一体成型できるので、量産性を向上さ
せることができ、コストを低下させることができる。
【0064】本発明の請求項6記載のスリムスピーカに
よれば、補強部材をフラット部に設けたことにより、ダ
ンパの実質的な可動部をコルゲーション部のみにするこ
とができるので、振幅のリニアリティを良好にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のスリムスピーカのダン
パの外観詳細図
【図2】同実施の形態1のスリムスピーカの断面図
【図3】本発明の実施の形態1とは別のスリムスピーカ
のダンパの外観詳細図
【図4】本発明の実施の形態2のスリムスピーカのダン
パの外観詳細図
【図5】本発明の実施の形態3のスリムスピーカのダン
パの外観詳細図
【図6】同実施の形態3のスリムスピーカのダンパの力
−振幅変位特性図
【図7】本発明の実施の形態4のスリムスピーカのダン
パの外観詳細図
【図8】従来のスリムスピーカのダンパの外観詳細図
【符号の説明】
5,7 ダンパ 5a,7a コルゲーション部 5b,7b ボイスコイル接合部 5c,7c 略フラット部 5d,7d 固定部 7e 補強部材 8,9 ダンパ 8a,9a コルゲーション部 8b,9b ボイスコイル接合部 8c,9c 略フラット部 8d,9d 固定部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界磁部で駆動されるボイスコイルをフレー
    ムに対して支持するよう外周端を前記フレームに接続す
    るとともに、内周端を前記ボイスコイルに接続し長径と
    短径とを有する形状のダンパを設けたスリムスピーカに
    おいて、 前記ダンパには、前記外周端と内周端との間に前記ボイ
    スコイルを囲むように外周に沿った環状にコルゲーショ
    ン部を設け、このコルゲーション部と内周端との間にフ
    ラット部を設け、このコルゲーション部の幅を全周同じ
    かまたはほぼ同じに形成したスリムスピーカ。
  2. 【請求項2】ダンパのコルゲーション部の断面形状を、
    複数の波形または単数の円弧状に形成した請求項1記載
    のスリムスピーカ。
  3. 【請求項3】縦方向に比べて横方向の長さのほうが長い
    ダンパの縦横方向の中央の内周端に環状のボイスコイル
    を設け、前記ダンパの内周端に近い部分のコルゲーショ
    ン部の高さを、内周端から遠い部分のコルゲーション部
    の高さに比べて高く形成した請求項1または請求項2に
    記載のスリムスピーカ。
  4. 【請求項4】ダンパのコルゲーション部を、ボイスコイ
    ルを有する側の反対方向に突出させた請求項1から請求
    項3のいずれかに記載のスリムスピーカ。
  5. 【請求項5】ダンパを一体成形した請求項1から請求項
    4のいずれかに記載のスリムスピーカ。
  6. 【請求項6】補強部材をフラット部に設けた請求項1か
    ら請求項5のいずれかに記載のスリムスピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006166023A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Pioneer Electronic Corp ダンパ、および、スピーカ装置
JP2006339831A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Pioneer Electronic Corp スピーカ

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