JP2000081526A - 光学装置の製造法及び光学装置 - Google Patents

光学装置の製造法及び光学装置

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JP2000081526A JP24892798A JP24892798A JP2000081526A JP 2000081526 A JP2000081526 A JP 2000081526A JP 24892798 A JP24892798 A JP 24892798A JP 24892798 A JP24892798 A JP 24892798A JP 2000081526 A JP2000081526 A JP 2000081526A
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忠広 木村
Shigeru Koibuchi
滋 鯉渕
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性
の向上し、安価で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼
性の光学装置を容易に作業性よく製造できる光学装置の
製造法及び光学装置を提供する。 【解決手段】 基板表面上に有機ジルコニウム化合物の
被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹
脂の被膜を形成することを特徴とする光学装置の製造法
及び基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成
した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を
形成してなる使用光波長0.4〜0.9μmの光学装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学装置の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素を含むポリイミド系樹脂は、フッ
素を含まないものに比べ、光の透過性が高い、屈折率が
低いなどの特徴を有するために、光学装置に適用されて
いる。例えば、特開平4−235506号公報には、表
面が酸化シリコン膜で被覆されたシリコン基板の上に屈
折率の異なる2種類のフッ素を含むポリイミド膜を形成
してパターニングを行い光導波路を作製し光学装置を製
造する方法が示されている。
【0003】このようにフッ素を含むポリイミドを用い
ることにより、ガラスなどの無機材料を用いるものに比
べて簡便なプロセスで光学特性に優れた光学装置を得る
ことができる。しかしながら、フッ素を含むポリイミド
は、膜を形成する基板表面のガラス、石英、シリコン、
酸化シリコン、窒化シリコン、アルミニウム、酸化アル
ミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタル、ガリウム
ヒ素などに対する接着性が低く長時間の使用における信
頼性に問題があった。
【0004】そこで、この問題点を解決し接着性に優
れ、長時間使用しても安定な光学装置の製造法として、
特開平7−174930号公報に、基板表面上に有機ジ
ルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含む
ポリイミド系樹脂の被膜を形成する光学装置の製造法が
提案されている。しかし、これらの光学装置は、一般に
通信用(使用波長が1.55μm、1.3μm等)及び
民生用(使用波長が0.83μm、0.78μm、0.
68μm、0.64μm等)としての多様の目的に優れ
ているが、材料が高価であり、環境性、耐溶剤性等が劣
るという問題点がある。
【0005】近年、民生用(使用波長が0.83μm、
0.78μm、0.68μm、0.64μm、0.42
μm等)としての光学装置においては、安価で、環境
性、耐溶剤性等に優れる材料が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、基板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性の向上
し、安価で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼性の光
学装置を容易に作業性よく製造できる光学装置の製造法
を提供するものである。請求項2又は3記載の発明は、
基板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性の向上し、安
価で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼性の光学装置
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板表面上に
有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素
を含まないポリイミド系樹脂の被膜を形成することを特
徴とする光学装置の製造法に関する。また、本発明は、
基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した
上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を形成
してなる使用光波長0.4〜0.9μmの光学装置に関
する。また、本発明は、光学装置が、分波器又は合波器
である前記光学装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における光学装置とは、基
板として、ガラス、石英等の無機材料、シリコン、ガリ
ウムヒ素、アルミニウム、チタン等の半導体や金属材
料、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料、またはこ
れらの材料を複合化した材料を用いて、これら基板の上
に、光導波路、光合波器、光分波器、光減衰器、光回折
器、光増幅器、光干渉器、光フィルタ、光スイッチ、波
長変換器、発光素子、受光素子あるいはこれらが複合化
されたものなどを形成したものを指す。上記の基板上に
は、発光ダイオード、フォトダイオード等の半導体装置
や電極用の金属膜が形成されることもあり、更に基板の
保護や屈折率調整などのために、基板上に酸化シリコ
ン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、酸化タンタルなどの被膜が形成されることもある。
【0009】本発明における有機ジルコニウム化合物
は、ジルコニウムに有機基が結合又は配位したものであ
り、例えば、次の一般式(I)
【化1】 (式中、X1、X2、X3及びX4は、各々独立に、炭素数
1〜8のアルコキシ基、アセチルアセトネート基、アル
キルアセトアセテート基(ただし、アルキル部分の炭素
数は1〜4)、ラクテート基、アルキルラクトネート基
(ただし、アルキル部分の炭素数は1〜4)又はヒドロ
キシ基を示す)で表される化合物が挙げられる。
【0010】一般式(I)中のX1、X2、X3及びX4
してのアセチルアセトネート基、アルキルアセトアセテ
ート基、ラクテート基、アルキルラクトネート基は、Z
rに配位している。X1、X2、X3及びX4は、炭素数1
〜8のアルコキシ基、アセチルアセトネート基及びアル
キルラクトネート基であることが、入手容易性、接着性
等の点から好ましい。
【0011】具体的な化合物としては、例えば、テトラ
プロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート等の
ジルコニウムエステル、テトラキス(アセチルアセトネ
ート)ジルコニウム、モノブトキシトリス(アセチルア
セトネート)ジルコニウム、ジブトキシビス(アセチル
アセトネート)ジルコニウム、トリブトキシアセチルア
セトネートジルコニウム、テトラ(エチルアセトアセト
ネート)ジルコニウム、ジブトキシビス(エチルアセト
アセトネート)ジルコニウム、トリブトキシエチルアセ
トネートジルコニウム、テトラキス(エチルラクトネー
ト)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトネート)ビス
(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム、モノアセ
チルアセトネートトリス(エチルアセトアセトネート)
ジルコニウム、モノブトキシモノアセチルアセトネート
ビス(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム等のジ
ルコニウムキレートなどが挙げられる。
【0012】本発明で用いられるポリイミド系樹脂とし
ては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリイミドイソインド
ロキナゾリンジオン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂などが挙げられる。ポリイミドの前
駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルアセトアミド、γ−ブチルラクトンジメチルスル
ホオキシドなどの極性溶媒中でテトラカルボン酸二無水
物とジアミンの反応によって得ることができる。
【0013】テトラカルボン酸二無水和物の例としては
ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メ
タン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(2−メチル−3,4−ジ
カルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,5
−ジメチル−3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル
二無水物、ビス(2,5−ジエチル−3,4−ジカルボ
キシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,5−ジエ
トキシ−3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無
水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン
酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリ
レンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物等の公
知のテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、これらは単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0014】その中でも、2つ以上の芳香族環の間の結
合のうち少なくとも1つ以上がエーテル基、メチレン
基、カルボニル基を有するテトラカルボン酸二酸無水物
が好ましく、エーテル基を有するテトラカルボン酸二無
水物がより好ましい。また、ポリアミドイミド樹脂を得
る場合には、塩化無水トリメリット酸などが用いられ
る。
【0015】ジアミンとしては、例えば、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシ
ン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレン
ジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スル
ホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,
2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,
2′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,
2′,3,3′−テトラメチル−4,4′−ジアミノビ
フェニル、2,2′,3,3′−テトラエチル−4,
4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジメトキシ−
4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ
−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジヒドロ
キシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒ
ドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル等の芳香族ジ
アミン化合物等が挙げられる。
【0016】上記のテトラカルボン酸二無水物およびジ
アミンは二種以上を併用してもよい。ポリイミド系樹脂
の前駆体溶液として、感光性を有するものを使用するこ
ともできる。
【0017】本発明における基板表面上に有機ジルコニ
ウム化合物の被膜を形成する方法としては、例えば、有
機ジルコニウム化合物を溶媒に有機ジルコニウム化合物
濃度が0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重
量%となるような量で溶解し、この有機ジルコニウム化
合物の溶液をスピン塗布法、印刷法、浸漬法、ブレード
塗布法、ロール塗布法等により基板上に塗布し、加熱乾
燥することにより有機ジルコニウム化合物の被膜を形成
する方法等が挙げられる。
【0018】使用する溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、ブタノール等のアルコール化合物、ベ
ンゼン、トルエン等の芳香族化合物、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチ
ルラクトン等のチッ素含有化合物などの有機溶剤、水な
どが挙げられる。また、加熱乾燥時の温度は、50〜4
00℃とすることが好ましく、70〜350℃とするこ
とがより好ましく、100〜300℃とすることが特に
好ましい。この温度が50℃未満では、溶媒が残存し接
着性向上効果を阻害する傾向があり、400℃を超える
と、有機ジルコニウム化合物の分解が起こり接着性向上
効果を阻害する傾向がある。なお、加熱乾燥時間は1〜
300分間程度である。基板表面上に形成された有機ジ
ルコニウム化合物の被膜の膜厚は厚すぎるともろくなる
ため3000Å以下が好ましく、500Å以下がより好
ましい。
【0019】本発明におけるポリイミド系樹脂の被膜を
形成する方法としては、例えば、上記したポリイミド前
駆体溶液を、スピナ又は印刷などによる方法により、前
記基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成し
た上に塗布され、最終温度が200〜400℃で熱処理
し、硬化されてポリイミド系樹脂の被膜を形成する方法
等が挙げられる。
【0020】本発明の光学装置として、光導波路を形成
したパッシブ光導波路の製造法の一例を、図1を用いて
説明する。なお、図1において、1は基板、2は有機ジ
ルコニウム化合物の被膜、3は下層クラッド、4はコア
層、5はレジスト層、6は上層クラッドである。基板1
として、例えば、シリコンウエハ等の基板1の上に、有
機ジルコニウム化合物の被膜2を上記した方法で形成す
る(図1(a))。次いで、この有機ジルコニウム化合
物の被膜2の上に、下層クラッド3として、本発明にお
けるフッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を上記し
た方法で形成する(図1(b))。
【0021】次いで、この下層クラッド3の上に、コア
層4として、屈折率がクラッド層よりも高いポリイミド
系樹脂を、スピナー等で塗布し、乾燥して膜とした(図
1(c))後、この膜の上に、フォトレジストを適用し
て、レジスト層5を形成(図1(d))し、このレジス
ト層をマスクとして、リアクティブイオンエッチング
(RIE)法により、膜の所定のパターンを残して、コ
ア層4(光導波路)とするようにエッチングを行った
(図1(e))後、レジスト層5を剥離する(図1
(f))。
【0022】次いで、この上に上層クラッド6として、
本発明におけるフッ素を含まないポリイミド系樹脂の被
膜を上記した方法で形成することにより、パッシブ光導
波路を製造することができる(図1(g))。なお、こ
のときに使用する本発明におけるフッ素を含まないポリ
イミド系樹脂の被膜は、コア層4の屈折率が、下層クラ
ッド3及び上層クラッド6の屈折率より大きくなるよう
に、選択する必要がある。
【0023】本発明の製造法により得られる光学装置の
内でも、光合波器及び光分波器が信頼性等の点から特に
優れたものであり、光が伝送する距離が0.01〜1mm
程度であることが多い、DCD、ミニディスク、光配線
板、自動車LAN等の民生用分野において特に好適であ
る。
【0024】
【実施例】実施例1 有機ジルコニウム化合物の溶液として、トリブトキシア
セチルアセトネートジルコニウムをブタノールに溶解し
て、1重量%溶液を調合した。ポリイミド前駆体の溶液
は、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル40gを
N,N−ジメチルアセトアミド450gに溶解した後
に、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物57.7gを添加し、室温で20時間撹拌する
ことにより得た。基板は、表面に2μmのSiO2膜を
形成した6インチのシリコンウエハを使用した。
【0025】基板上に上記の有機ジルコニウム化合物の
溶液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行
った後に、ホットプレート(200℃/300秒)で乾
燥して有機ジルコニウム化合物の被膜(膜厚200Å)
を形成した。その上に上記のポリイミド前駆体の溶液を
滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後
に、オーブン(100℃/30分+200℃/30分+
350℃/60分)で硬化してポリイミド膜を形成し
た。接着性の試験をJIS K5400の基盤目試験に
準じて、ポリイミド被膜をカッターナイフにより1×1
mm正方形100個に切り、その部分にセロハンテープを
密着させた後に引き剥がし、引き剥がし後の接着残数に
より評価した。
【0026】その結果、有機ジルコニウム化合物の被膜
を形成した基板では一枚も剥がれず、残存マス個数は1
00個であった。また、劣化の加速試験として、プレッ
シャークッカー(PCT)試験(121℃、2気圧)を
行った。有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した基板
は、劣化すること無く接着性が保たれた。なお、プレッ
シャークッカー(PCT)試験の評価結果を図2に示し
た。
【0027】比較例1 有機ジルコニウム化合物の被膜を形成しないで、基板上
に直接ポリイミド被膜を形成した以外は、実施例1と同
様にして接着性試験を行った。その結果、有機ジルコニ
ウム化合物の被膜を形成しなかった基板では、残存マス
個数が0個であった。また、実施例1と同様にして、プ
レッシャークッカー(PCT)試験を行い、評価結果を
実施例1の結果と共に図2に示した。図2の結果から、
実施例においては比較例に比べ接着性が向上することが
示される。
【0028】(パッシブ光導波路の作製) 実施例2 基板として、5インチのシリコンウエハを用い、この上
に、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムを
ブタノールに溶解した1重量%溶液を滴下し、スピン塗
布(3000rpm/30秒)を行った後に、ホットプレー
ト(200℃/300秒)で乾燥して有機ジルコニウム
化合物の被膜(膜厚200Å)を形成した。
【0029】その上に、下層クラッドとして、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル40gをN,N−ジメチ
ルアセトアミド450gに溶解した後に、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物57.
7gを添加し、室温で20時間撹拌することにより得た
ポリイミド前駆体の溶液を滴下し、スピン塗布(300
0rpm/30秒)を行った後に、乾燥器で、200℃で3
0分加熱し、膜厚10μmのポリイミド膜を形成した。
【0030】この膜の上に、コア層として、p−フェニ
レンジアミン10gをN,N−ジメチルアセトアミド1
40gに溶解した後に、3,3′,4,4′−ターフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物30gを添加し、室温で
20時間撹拌することにより得たポリイミド前駆体の溶
液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行っ
た後に、オーブン(100℃/30分+200℃/30
分+350℃/60分)で硬化して、膜厚15μmのポ
リイミド膜を形成した。
【0031】次に、レジストとして、RU−1600P
(日立化成工業(株)製商品名)を、スピン塗布した後、
100℃で乾燥し、水銀ランプで露光し、現像を行い、
レジスト層を得、このレジスト層を、マスクとして、酸
素でリアクティブイオンエッチング(O2−RIE)を
行い、光導波路の所定のパターンを残すようにエッチン
グを行なった後、レジストを剥離した。
【0032】さらにこの上に、上層クラッドとして、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル40gをN,N
−ジメチルアセトアミド450gに溶解した後に、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
57.7gを添加し、室温で20時間撹拌することによ
り得たポリイミド前駆体の溶液を、乾燥後の膜厚が20
μmとなるように、スピン塗布(3000rpm/30秒)
を行った後に、オーブン(100℃/30分+200℃
/30分+350℃/60分)で硬化して、縦15μm
×横15μm×長さ10cmの直線型のパッシブ光導波路
を作製した。
【0033】この光導波路の光の損失を調べるために、
シリコンウエハの両端をダイシング装置で切断して、試
料を作製した。光損失の測定法を図3に示した。なお、
図3において、1は基板、2は有機ジルコニウム化合物
の被膜、3は下層クラッド、4はコア層、6は上層クラ
ッド、7は光ファイバー、8は光センサーである。切断
した光導波路の端面に、石英の光ファイバー7とコア層
4が、一致するように合わせ、波長830nmの光を入射
し、光導波路内を透過して、反対側の端面から出る光
を、光センサー8で検出した。試料の長さを、5cmと1
0cmのものを作製し、光の減衰の傾きから光導波路の損
失を求めたところ、光損失は10dB/cmと小さく、光伝
送性は良好であった。
【0034】また、上記と同じ手法を用いてY字型のコ
ア層をクラッド層で囲んだ装置を作製し、光合波機能及
び光分波機能を調べたところ、良好で、光分波器又は光
合波器として好適に使用できることがわかった。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の光学装置の製造法は、基
板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性の向上し、安価
で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼性の光学装置を
容易に作業性よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置として、光導波路を形成した
パッシブ光導波路の製造法の一例である。
【図2】実施例1及び比較例1において、プレッシャー
クッカー(PCT)試験の評価結果である。
【図3】実施例2において、光導波路の光損失の測定法
である。
【符号の説明】
1 基板 2 有機ジルコニウム化合物の被膜 3 下層クラッド 4 コア層 5 レジスト層 6 上層クラッド 7 光ファイバー 8 光センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 隆男 茨城県日立市東町四丁目13番1号 山崎産 業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 AA04 EE02 EE24 GG01 GG02 GG04 GG05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面上に有機ジルコニウム化合物の
    被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹
    脂の被膜を形成することを特徴とする光学装置の製造
    法。
  2. 【請求項2】 基板表面上に有機ジルコニウム化合物の
    被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹
    脂の被膜を形成してなる使用光波長0.4〜0.9μm
    の光学装置。
  3. 【請求項3】 光学装置が、分波器又は合波器である請
    求項2記載の光学装置。
JP24892798A 1998-09-03 1998-09-03 光学装置の製造法及び光学装置 Expired - Fee Related JP4244367B2 (ja)

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JP2002202421A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Mitsui Chemicals Inc 高分子光導波路
JP2003121674A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 光導波路およびその製造方法

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