JP4244367B2 - 光学装置の製造法及び光学装置 - Google Patents

光学装置の製造法及び光学装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フッ素を含むポリイミド系樹脂は、フッ素を含まないものに比べ、光の透過性が高い、屈折率が低いなどの特徴を有するために、光学装置に適用されている。例えば、特開平4−235506号公報には、表面が酸化シリコン膜で被覆されたシリコン基板の上に屈折率の異なる2種類のフッ素を含むポリイミド膜を形成してパターニングを行い光導波路を作製し光学装置を製造する方法が示されている。
【0003】
このようにフッ素を含むポリイミドを用いることにより、ガラスなどの無機材料を用いるものに比べて簡便なプロセスで光学特性に優れた光学装置を得ることができる。しかしながら、フッ素を含むポリイミドは、膜を形成する基板表面のガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタル、ガリウムヒ素などに対する接着性が低く長時間の使用における信頼性に問題があった。
【0004】
そこで、この問題点を解決し接着性に優れ、長時間使用しても安定な光学装置の製造法として、特開平7−174930号公報に、基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含むポリイミド系樹脂の被膜を形成する光学装置の製造法が提案されている。
しかし、これらの光学装置は、一般に通信用(使用波長が1.55μm、1.3μm等)及び民生用(使用波長が0.83μm、0.78μm、0.68μm、0.64μm等)としての多様の目的に優れているが、材料が高価であり、環境性、耐溶剤性等が劣るという問題点がある。
【0005】
近年、民生用(使用波長が0.83μm、0.78μm、0.68μm、0.64μm、0.42μm等)としての光学装置においては、安価で、環境性、耐溶剤性等に優れる材料が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、基板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性の向上し、安価で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼性の光学装置を容易に作業性よく製造できる光学装置の製造法を提供するものである。
請求項2又は3記載の発明は、基板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性の向上し、安価で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼性の光学装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を形成することを特徴とする光学装置の製造法に関する。
また、本発明は、基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を形成してなる使用光波長0.4〜0.9μmの光学装置に関する。
また、本発明は、光学装置が、分波器又は合波器である前記光学装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における光学装置とは、基板として、ガラス、石英等の無機材料、シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウム、チタン等の半導体や金属材料、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料、またはこれらの材料を複合化した材料を用いて、これら基板の上に、光導波路、光合波器、光分波器、光減衰器、光回折器、光増幅器、光干渉器、光フィルタ、光スイッチ、波長変換器、発光素子、受光素子あるいはこれらが複合化されたものなどを形成したものを指す。上記の基板上には、発光ダイオード、フォトダイオード等の半導体装置や電極用の金属膜が形成されることもあり、更に基板の保護や屈折率調整などのために、基板上に酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタルなどの被膜が形成されることもある。
【0009】
本発明における有機ジルコニウム化合物は、ジルコニウムに有機基が結合又は配位したものであり、例えば、次の一般式(I)
【化1】
Figure 0004244367
(式中、X1、X2、X3及びX4は、各々独立に、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセチルアセトネート基、アルキルアセトアセテート基(ただし、アルキル部分の炭素数は1〜4)、ラクテート基、アルキルラクトネート基(ただし、アルキル部分の炭素数は1〜4)又はヒドロキシ基を示す)
で表される化合物が挙げられる。
【0010】
一般式(I)中のX1、X2、X3及びX4としてのアセチルアセトネート基、アルキルアセトアセテート基、ラクテート基、アルキルラクトネート基は、Zrに配位している。
1、X2、X3及びX4は、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセチルアセトネート基及びアルキルラクトネート基であることが、入手容易性、接着性等の点から好ましい。
【0011】
具体的な化合物としては、例えば、テトラプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート等のジルコニウムエステル、テトラキス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、モノブトキシトリス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、ジブトキシビス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウム、テトラ(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム、ジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム、トリブトキシエチルアセトネートジルコニウム、テトラキス(エチルラクトネート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトネート)ビス(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム、モノアセチルアセトネートトリス(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム、モノブトキシモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)ジルコニウム等のジルコニウムキレートなどが挙げられる。
【0012】
本発明で用いられるポリイミド系樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
ポリイミドの前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチルラクトンジメチルスルホオキシドなどの極性溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応によって得ることができる。
【0013】
テトラカルボン酸二無水和物の例としてはピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2−メチル−3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,5−ジメチル−3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,5−ジエチル−3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,5−ジエトキシ−3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物等の公知のテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0014】
その中でも、2つ以上の芳香族環の間の結合のうち少なくとも1つ以上がエーテル基、メチレン基、カルボニル基を有するテトラカルボン酸二酸無水物が好ましく、エーテル基を有するテトラカルボン酸二無水物がより好ましい。
また、ポリアミドイミド樹脂を得る場合には、塩化無水トリメリット酸などが用いられる。
【0015】
ジアミンとしては、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′,3,3′−テトラメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′,3,3′−テトラエチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン化合物等が挙げられる。
【0016】
上記のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンは二種以上を併用してもよい。
ポリイミド系樹脂の前駆体溶液として、感光性を有するものを使用することもできる。
【0017】
本発明における基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成する方法としては、例えば、有機ジルコニウム化合物を溶媒に有機ジルコニウム化合物濃度が0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%となるような量で溶解し、この有機ジルコニウム化合物の溶液をスピン塗布法、印刷法、浸漬法、ブレード塗布法、ロール塗布法等により基板上に塗布し、加熱乾燥することにより有機ジルコニウム化合物の被膜を形成する方法等が挙げられる。
【0018】
使用する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール化合物、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチルラクトン等のチッ素含有化合物などの有機溶剤、水などが挙げられる。
また、加熱乾燥時の温度は、50〜400℃とすることが好ましく、70〜350℃とすることがより好ましく、100〜300℃とすることが特に好ましい。この温度が50℃未満では、溶媒が残存し接着性向上効果を阻害する傾向があり、400℃を超えると、有機ジルコニウム化合物の分解が起こり接着性向上効果を阻害する傾向がある。なお、加熱乾燥時間は1〜300分間程度である。
基板表面上に形成された有機ジルコニウム化合物の被膜の膜厚は厚すぎるともろくなるため3000Å以下が好ましく、500Å以下がより好ましい。
【0019】
本発明におけるポリイミド系樹脂の被膜を形成する方法としては、例えば、上記したポリイミド前駆体溶液を、スピナ又は印刷などによる方法により、前記基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に塗布され、最終温度が200〜400℃で熱処理し、硬化されてポリイミド系樹脂の被膜を形成する方法等が挙げられる。
【0020】
本発明の光学装置として、光導波路を形成したパッシブ光導波路の製造法の一例を、図1を用いて説明する。なお、図1において、1は基板、2は有機ジルコニウム化合物の被膜、3は下層クラッド、4はコア層、5はレジスト層、6は上層クラッドである。
基板1として、例えば、シリコンウエハ等の基板1の上に、有機ジルコニウム化合物の被膜2を上記した方法で形成する(図1(a))。
次いで、この有機ジルコニウム化合物の被膜2の上に、下層クラッド3として、本発明におけるフッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を上記した方法で形成する(図1(b))。
【0021】
次いで、この下層クラッド3の上に、コア層4として、屈折率がクラッド層よりも高いポリイミド系樹脂を、スピナー等で塗布し、乾燥して膜とした(図1 (c))後、この膜の上に、フォトレジストを適用して、レジスト層5を形成 (図1(d))し、このレジスト層をマスクとして、リアクティブイオンエッチング(RIE)法により、膜の所定のパターンを残して、コア層4(光導波路)とするようにエッチングを行った(図1(e))後、レジスト層5を剥離する (図1(f))。
【0022】
次いで、この上に上層クラッド6として、本発明におけるフッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を上記した方法で形成することにより、パッシブ光導波路を製造することができる(図1(g))。
なお、このときに使用する本発明におけるフッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜は、コア層4の屈折率が、下層クラッド3及び上層クラッド6の屈折率より大きくなるように、選択する必要がある。
【0023】
本発明の製造法により得られる光学装置の内でも、光合波器及び光分波器が信頼性等の点から特に優れたものであり、光が伝送する距離が0.01〜1mm程度であることが多い、DCD、ミニディスク、光配線板、自動車LAN等の民生用分野において特に好適である。
【0024】
【実施例】
実施例1
有機ジルコニウム化合物の溶液として、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムをブタノールに溶解して、1重量%溶液を調合した。
ポリイミド前駆体の溶液は、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル40gをN,N−ジメチルアセトアミド450gに溶解した後に、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物57.7gを添加し、室温で20時間撹拌することにより得た。
基板は、表面に2μmのSiO2膜を形成した6インチのシリコンウエハを使用した。
【0025】
基板上に上記の有機ジルコニウム化合物の溶液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後に、ホットプレート(200℃/300秒)で乾燥して有機ジルコニウム化合物の被膜(膜厚200Å)を形成した。
その上に上記のポリイミド前駆体の溶液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後に、オーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/60分)で硬化してポリイミド膜を形成した。
接着性の試験をJIS K5400の基盤目試験に準じて、ポリイミド被膜をカッターナイフにより1×1mm正方形100個に切り、その部分にセロハンテープを密着させた後に引き剥がし、引き剥がし後の接着残数により評価した。
【0026】
その結果、有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した基板では一枚も剥がれず、残存マス個数は100個であった。
また、劣化の加速試験として、プレッシャークッカー(PCT)試験(121℃、2気圧)を行った。有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した基板は、劣化すること無く接着性が保たれた。なお、プレッシャークッカー(PCT)試験の評価結果を図2に示した。
【0027】
比較例1
有機ジルコニウム化合物の被膜を形成しないで、基板上に直接ポリイミド被膜を形成した以外は、実施例1と同様にして接着性試験を行った。
その結果、有機ジルコニウム化合物の被膜を形成しなかった基板では、残存マス個数が0個であった。
また、実施例1と同様にして、プレッシャークッカー(PCT)試験を行い、評価結果を実施例1の結果と共に図2に示した。
図2の結果から、実施例においては比較例に比べ接着性が向上することが示される。
【0028】
(パッシブ光導波路の作製)
実施例2
基板として、5インチのシリコンウエハを用い、この上に、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムをブタノールに溶解した1重量%溶液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後に、ホットプレート(200℃/300秒)で乾燥して有機ジルコニウム化合物の被膜(膜厚200Å)を形成した。
【0029】
その上に、下層クラッドとして、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル40gをN,N−ジメチルアセトアミド450gに溶解した後に、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物57.7gを添加し、室温で20時間撹拌することにより得たポリイミド前駆体の溶液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後に、乾燥器で、200℃で30分加熱し、膜厚10μmのポリイミド膜を形成した。
【0030】
この膜の上に、コア層として、p−フェニレンジアミン10gをN,N−ジメチルアセトアミド140gに溶解した後に、3,3′,4,4′−ターフェニルテトラカルボン酸二無水物30gを添加し、室温で20時間撹拌することにより得たポリイミド前駆体の溶液を滴下し、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後に、オーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/60分)で硬化して、膜厚15μmのポリイミド膜を形成した。
【0031】
次に、レジストとして、RU−1600P(日立化成工業(株)製商品名)を、スピン塗布した後、100℃で乾燥し、水銀ランプで露光し、現像を行い、レジスト層を得、このレジスト層を、マスクとして、酸素でリアクティブイオンエッチング(O2−RIE)を行い、光導波路の所定のパターンを残すようにエッチングを行なった後、レジストを剥離した。
【0032】
さらにこの上に、上層クラッドとして、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル40gをN,N−ジメチルアセトアミド450gに溶解した後に、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物57.7gを添加し、室温で20時間撹拌することにより得たポリイミド前駆体の溶液を、乾燥後の膜厚が20μmとなるように、スピン塗布(3000rpm/30秒)を行った後に、オーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/60分)で硬化して、縦15μm×横15μm×長さ10cmの直線型のパッシブ光導波路を作製した。
【0033】
この光導波路の光の損失を調べるために、シリコンウエハの両端をダイシング装置で切断して、試料を作製した。
光損失の測定法を図3に示した。なお、図3において、1は基板、2は有機ジルコニウム化合物の被膜、3は下層クラッド、4はコア層、6は上層クラッド、7は光ファイバー、8は光センサーである。
切断した光導波路の端面に、石英の光ファイバー7とコア層4が、一致するように合わせ、波長830nmの光を入射し、光導波路内を透過して、反対側の端面から出る光を、光センサー8で検出した。
試料の長さを、5cmと10cmのものを作製し、光の減衰の傾きから光導波路の損失を求めたところ、光損失は10dB/cmと小さく、光伝送性は良好であった。
【0034】
また、上記と同じ手法を用いてY字型のコア層をクラッド層で囲んだ装置を作製し、光合波機能及び光分波機能を調べたところ、良好で、光分波器又は光合波器として好適に使用できることがわかった。
【0035】
【発明の効果】
請求項1記載の光学装置の製造法は、基板に対するポリイミド系樹脂膜の接着性の向上し、安価で、環境性、耐溶剤性等に優れた高信頼性の光学装置を容易に作業性よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置として、光導波路を形成したパッシブ光導波路の製造法の一例である。
【図2】実施例1及び比較例1において、プレッシャークッカー(PCT)試験の評価結果である。
【図3】実施例2において、光導波路の光損失の測定法である。
【符号の説明】
1 基板
2 有機ジルコニウム化合物の被膜
3 下層クラッド
4 コア層
5 レジスト層
6 上層クラッド
7 光ファイバー
8 光センサー

Claims (11)

  1. 基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を形成することを特徴とする光学装置の製造法において、
    光学装置が、基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂によって光導波路コア及びクラッドを形成したパッシブ光導波路であり、
    基板が、シリコン基板又はSiO2膜形成シリコン基板であり、
    有機ジルコニウム化合物が、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムであり、
    フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物を用いて形成する上記方法。
  2. 芳香族系テトラカルボン酸二無水物が、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、芳香族ジアミン化合物が、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルである請求項1記載の方法。
  3. 有機ジルコニウム化合物の被膜を、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムのブタノール溶液を塗布することにより形成する請求項1又は2記載の方法。
  4. ポリイミド系樹脂の被膜を、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を塗布し、乾燥、硬化することにより形成する請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 有機ジルコニウム化合物の被膜の膜厚が500Å以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 使用光波長が0.4〜0.9μmである光学装置の製造方法であって、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂の被膜を形成してなる使用光波長0.4〜0.9μmの光学装置において、
    光学装置が、基板表面上に有機ジルコニウム化合物の被膜を形成した上に、フッ素を含まないポリイミド系樹脂によって光導波路コア及びクラッドを形成したパッシブ光導波路であり、
    基板が、シリコン基板又はSiO2膜形成シリコン基板であり、
    有機ジルコニウム化合物が、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムであり、
    フッ素を含まないポリイミド系樹脂が、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物を用いて形成されたものである上記光学装置。
  8. 芳香族系テトラカルボン酸二無水物が、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、芳香族ジアミン化合物が、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルである請求項7記載の光学装置。
  9. 有機ジルコニウム化合物の被膜が、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムのブタノール溶液を塗布することにより形成されたものである請求項7又は8記載の光学装置。
  10. ポリイミド系樹脂の被膜が、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を塗布し、乾燥、硬化することにより形成されたものである請求項7〜9のいずれか1項記載の光学装置。
  11. 有機ジルコニウム化合物の被膜の膜厚が500Å以下である請求項7〜10のいずれか1項記載の光学装置。
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