JP3786858B2 - 光導波路およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒含有層の親液性、撥液性のパターニングを利用することにより簡便な製造が可能な光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日のインターネットの急激な普及にともない、光通信システムの商用化展開が非常な勢いで進んでいる。このような光通信に使用される光導波路の製造方法および構造として、次のものが知られている。
【0003】
まず石英ガラス、多成分ガラス、無機結晶などの無機材料を用いた方法が挙げられる。この方法では透明ガラスのクラッド層を形成するためにかなり高温な製造温度が要求され、かつ大面積な光導波路の形成が不可能であるため商用化には不向きとされている。
【0004】
次に、高分子材料を用いた製造方法を挙げることができる。高分子材料はスピンコート法やディップコート法等による基板上への薄膜形成が容易であり、大面積の光導波路を製造するのに適している。また成膜の際、高温での熱処理工程を含まないことから上述した石英ガラス等の無機材料を用いた製造方法に比べ、耐熱性に乏しい基板上でも光導波路を形成することが可能である。また、高分子材料の特性である柔軟性や強靭性を活かしてフレキシブルな光導波路の製造も可能である。したがって、現在光通信の分野で用いられる光集積回路や光情報通信の分野で用いられる光配線板等の光導波路部品を、このような高分子材料を用いた製造方法により大量、安価に製造することが期待されている。
【0005】
上記高分子材料を用いた製造方法、具体的にはコア層及びクラッド層から構成される光導波路をフォトリソグラフィー法を用いて製造する製造方法を示したのが図3である。以下、図3を工程順に説明する。
【0006】
図3(a)に示すように、基板31上に下部クラッド層32を形成する高分子材料を塗布し、乾燥させて下部クラッド層32を形成する。次に図3(b)に示すように、コア層形成用塗工液を上記下部クラッド層32上に塗布し、硬化させることによってコア層形成用層33を形成する。さらに上記コア層形成用層33上にフォトレジストを塗布し、乾燥させてフォトレジスト層34を形成する。次いで上記コア層形成用層33を所望のコア層にパターニングするためコア層がパターニングされる位置をフォトマスク35で覆い、フォトマスク35を介し紫外線36を照射する(図3(c))。フォトレジスト層34のうち紫外線36を照射された領域は、フォトレジスト現像液で現像、洗浄により除去され、図3(d)に示すようにコア層が形成される位置の上部のみにフォトレジスト層が残存した形状となる。この形状のフォトレジスト層をフォトレジスト部34´とする。フォトレジスト層が除去され剥き出しになった部分のコア層形成用層33をコア層現像液で除去すると、図3(e)に示すように、フォトレジスト部34´を上部に有するコア層33´が形成される。続いてコア層33´上に残存するフォトレジスト部34´をフォトレジスト剥離液によって剥離すると図3(f)に示すようにコア層33´が剥き出しにされる。最後にコア層33´を有する下部クラッド層32上に、上部クラッド層37を形成する高分子材料を塗布し、下部クラッド層32と同様の方法で、上部クラッド層37を形成する。これらの工程を経て図3(g)に示すような光導波路が完成する。
【0007】
しかし、上記に示したフォトリソグラフィー法を用いた製造方法においても、いくつかの問題点が存在する。第一に製造工程が多いため製造に手間を要し、それに伴った様々な高精度な装置を必要とすることからコストがかさむといった問題、第二にコア層のパターニングの際に行う現像、洗浄工程における廃液処理の問題、第三にコア層のパターニング精度の限界によるコア層とクラッド層との界面不整を要因とする光伝送損失の問題等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、製造工程が簡便化されることに伴いコスト的にも有利な、かつ環境面にも配慮したより高品質な光導波路を提供することを主目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、基板と、上記基板上に形成された、エネルギー照射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化し、少なくとも光触媒およびバインダからなる光触媒含有層と、上記光触媒含有層上にパターン状に形成されたコア層と、上記コア層を覆うように上記光触媒含有層上に形成された上部クラッド層とを有することを特徴とする光導波路を提供する。
【0010】
エネルギー照射により液体との接触角が低下するように濡れ性の変化する光触媒含有層が形成されれば、エネルギーのパターン照射を行うことにより容易に照射された部位の濡れ性を変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域とすることが可能となる。そこで本発明においては、このような方法を活用することにより、光触媒含有層上のコア層形成部を予め親液性とし、液体との接触角の小さい親液性領域のみコア層形成用塗工液が付着することを利用して、所望の領域に精度よくコア層を作製することを容易とする。さらに本発明においては、コア層は光触媒含有層上に形成されていることから、コア層および光触媒含有層の屈折率差を調節することにより、光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働きを担う下部クラッド層として活用することができる。したがって、別途クラッド層を形成する必要がなく、工程の簡略化が可能となり、コストを低減させることができる。
【0011】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記上部クラッド層は上記光触媒含有層上にパターン状に形成されていることが好ましい。このように、上部クラッド層をパターン状に形成することにより、平面基板上に複雑な光配線を施し、分岐、スイッチィング、コネクト等の光インターコネクション機能を有する平面光導波路を、低損失にて、容易に作製できるといった利点を有するからである。
【0012】
上記請求項1または請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されていない部分において10度以上であり、エネルギー照射された部分において10度未満であることが好ましい。
【0013】
エネルギーが照射されていない部分は、撥液性が要求される部分であることから、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度未満である場合は、撥液性が十分でなく、コア層形成用塗料が残存する可能性が生じるため好ましくない。また、エネルギーが照射された部分の表面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上である場合は、この部分でのコア層形成用塗料の広がりが劣る可能性があり、正確なパターニングが困難となるからである。
【0014】
上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記光触媒含有層と上記コア層との屈折率の差が0.03以上であることが好ましい。屈折率の差が上記範囲よりも小さくなるとコア層内を良好に光が導波することが困難となるからである。また上述したように上記範囲程度の屈折率差があれば、光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働きを担う下部クラッド層として十分に活用することができるからである。
【0015】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されている場合、上記上部クラッド層および上記コア層の屈折率差が0.03以上であることが好ましい。上部クラッド層とコア層との屈折率差が少なくとも上述した範囲以上あることにより、コア層から上部クラッド層への光の吸収損失を抑えることができるからである。
【0016】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項6に記載するように、上記上部クラッド層が不透明である場合、上記上部クラッド層および上記コア層との界面が鏡面として作用する金属からなることが好ましい。このように不透明な上部クラッド層とコア層との界面が鏡面として作用する金属を用いることにより、コア層から上部クラッド層への光はすべて反射され光の損失が最大限抑止された光導波路が製造できるからである。
【0017】
上記請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項7に記載するように、上記光触媒含有層がフッ素を含み、上記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用により上記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていることが好ましい。
【0018】
このように、本発明の光導波路は、光触媒含有層のうちエネルギー照射領域のフッ素含有量が低下するように構成されているので、エネルギーをパターン照射することにより、フッ素含有量の低下した領域からなるパターンを形成することができる。フッ素含有量が低下するとその領域は、他の部分と比較して親液性の高い領域となるので、コア層が形成される部分のみ容易に親液性領域とすることが可能となり、この親液性領域にコア層形成用塗工液を塗布するのみでコア層が形成できるからである。
【0019】
上記請求項1から請求項7までの請求項に記載された発明においては、請求項8に記載するように、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましい。中でも請求項9に記載するように酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0020】
上記請求項1から請求項9までの請求項に記載された発明においては、請求項10に記載するように、上記バインダが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることにより、エネルギーが照射された場合であっても、光触媒を光触媒含有層内に強力に保持することが可能となるからである。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項11に記載するように、基板を準備する工程と、上記基板上に少なくとも光触媒とバインダとを有しエネルギー照射により照射部分の濡れ性が液体との接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工程と、上記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であるコア層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア層露光部を形成する工程と、上記光触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成する工程と、上記光触媒含有層上に形成された上記コア層の表面を被覆するように上部クラッド層を形成するために、上記光触媒含有層上の上部クラッド層が形成される部位である上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射して上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程とを有することを特徴とする光導波路の製造方法を提供する。
【0022】
本発明における光導波路の製造方法と、上述した図3に示す従来のフォトリソグラフィー法による光導波路の製造方法とを比較すると、まず図3(d)から図3(e)に示した余分な部位のコア層形成用層を除去する工程が省かれ、製造工程の簡便化が図れる。また、図3の(c)から(f)に示した一連の工程が、本発明においては光触媒含有層に、コア層のパターンに応じてエネルギーをパターン照射しコア層露光部を形成し、その領域にコア層形成用塗工液を塗布するのみで完了することにより、飛躍的な製造効率の向上が望める。また図3のこの一連の工程における、所望の形状にコア層形成用層をパターニングするために行うフォトレジスト層の現像、洗浄の際に生じる廃液の問題をも解決することができるといった利点が挙げられる。
【0023】
上記請求項11に記載された発明においては、請求項12に記載するように、上記エネルギー照射により上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程とが、上記光触媒含有層の表面に対して、上記コア層の両側部に所定の幅を持つようにエネルギーをパターン照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上記コア層を被覆するように、上部クラッド層を形成する工程とを有することが好ましい。
【0024】
これにより、コア層表面を被覆するようにかつパターン状に配置された上部クラッド層を形成することができる。上述したように、上部クラッド層をパターン状に形成することにより、平面基板上に複雑な光配線を施し、分岐、スイッチィング、コネクト等の光インターコネクション機能を有する平面光導波路を、低損失にて、容易に作製できるといった利点を有するからである。
【0025】
上記請求項11に記載された発明においては、請求項13に記載するように、上記エネルギー照射により上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程とが、上記光触媒含有層の表面に対して全面にエネルギーを照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上にコア層を被覆するように上部クラッド層を形成する工程とを有することが好ましい。光触媒含有層上の全面に上部クラッド層を形成することは、製造工程上容易に行うことができるからである。
【0026】
上記請求項11から請求項13までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項14に記載するように、上記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されていない部分において10度以上であり、エネルギー照射された部分において10度未満であることが好ましい。
【0027】
上述したように、エネルギーが照射されていない部分は、撥液性が要求される部分であることから、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度未満である場合は、撥液性が十分でなく、コア層形成用塗料が残存する可能性が生じるため好ましくない。また、エネルギーが照射された部分の表面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上である場合は、この部分でのコア層形成用塗料の広がりが劣る可能性があり、正確なパターニングが困難となるからである。
【0028】
上記請求項11から請求項14までのいずれかの請求項に記載された発明おいては、請求項15に記載するように、上記光触媒含有層上にパターン状に形成されたコア層が、コア層形成用塗工液を塗布することによって形成されたコア層であることが好ましい。中でも請求項16に記載するように、上記コア層形成用塗工液を塗布してコア層を形成する工程が、ノズル吐出法で塗布されることが好ましい。ノズル吐出法で塗布することにより、効率よくコア層形成用塗工液を塗布することが可能となる。またコア層形成用塗工液の塗布位置が正確であり、發液性領域に残存するコア層形成用塗工液の量を抑えることが可能であるので、コア層の周囲を被覆する光触媒含有層および上部クラッド層との界面における界面不整による光伝送損失を防止することができるからである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明するが、まず光導波路について説明し、次に光導波路の製造方法について説明する。
【0030】
A.光導波路について
本発明の光導波路は、基板と、上記基板上に形成された、エネルギー照射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化し、少なくとも光触媒およびバインダからなる光触媒含有層と、上記光触媒含有層上にパターン状に形成されたコア層と、上記コア層を覆うように上記光触媒含有層上に形成された上部クラッド層とを有することを特徴とするものである。
【0031】
図1は本発明の光導波路の一例を図示した概略断面図である。図1に示す光導波路は、基板1上に形成された光触媒含有層2と、上記光触媒含有層2上のエネルギー照射領域であるコア層露光部3と、上記コア層露光部3に設けられることにより、光触媒含有層2上にパターン状に形成されたコア層4と、上記コア層4を覆うように上記光触媒含有層2上に形成された上部クラッド層5とからなる。図1に図示した上部クラッド層5は光触媒含有層2上の全面に形成されたものであるが、コア層4表面のみを被覆するようにパターン状に形成された上部クラッド層であってもよい。
【0032】
光導波路は、コア層内を光が導波することによって、光に変換された様々な情報を他の機器に伝達する役割を担っている。したがっていかに光伝送損失の少ない光導波路とするかが重要な要素となる。この光伝送損失の要因としてコア層とクラッド層との界面における形状が均一に整っていないことによる界面不整を挙げることができる。本発明においては、光触媒含有層の親液性、撥液性のパターンを利用して、この親液性領域に良好な密着性を示すコア層形成用塗工液を付着させることにより界面不整が防止でき、所望の形状のコア層の形成が容易となるため、精度の高い光導波路の製造が可能となる。以下、本発明の光導波路について各構成毎に詳細に説明する。
【0033】
(光触媒含有層)
本発明の光導波路においては、露光(本発明においては、光が照射されたことのみならず、エネルギーが照射されたことをも意味するものとする。)により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層を設け、これにエネルギーのパターン照射等を行うことにより容易に濡れ性を変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することができる。これによりコア層を形成する領域のみ容易に親液性領域とすることが可能となる。またコア層と光触媒含有層との屈折率の差を調整することにより光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働きを担う下部クラッド層として用いることができる。これにより製造工程が効率的でコスト的にも有利な光導波路が容易に得られる。なお、この場合のエネルギーとしては、通常紫外光を含む光が用いられる。
【0034】
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、コア層形成用塗工液等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、コア層形成用塗工液等に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0035】
上記光触媒含有層は、露光していない部分においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10度以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10度以上であることが好ましい。これは、露光していない部分は、本発明においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、コア層形成用塗工液等が撥液性領域に残存することにより、コア層側部等の形状を良好な状態とすることが困難になる等の問題が生じる可能性があるためである。
【0036】
また、上記光触媒含有層は、露光すると液体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10度以下となるような層であることが好ましい。露光した部分の液体との接触角が高いと、この部分でのコア層形成用塗工液等の広がりが劣る可能性があり、正確なパターニングが困難となるからである。
【0037】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いることができる。
【0038】
ところで、光導波路のコア層は、これと接する他の層と比較して屈折率が大きいことが要求される。コア層と接する他の層は通常クラッド層と呼ばれ、本発明では、このクラッド層に上部クラッド層と光触媒含有層が該当する。すなわち本発明においては、光触媒含有層がクラッド層として用いることができるのである。なお本発明においては、上部クラッド層と区別するため光触媒含有層を下部クラッド層とする場合がある。
【0039】
このようにクラッド層として機能するために、本発明においては、上記光触媒含有層の屈折率が、1.1〜1.7の範囲内、好ましくは1.1〜1.5の範囲内であることが好ましい。
【0040】
また、光触媒含有層およびコア層の屈折率差は0.03以上であることが好ましく、特に0.05以上、中でも0.1以上であることが好ましい。通常光導波路においてクラッド層は、コア層内を導波する光を反射させる働きを主目的とする層である。つまりコア層内を導波する光がクラッド層を構成する物質によって吸収されることによる吸収損失を防止する働きを持つ層である。このような効果を及ぼすために、コア層の屈折率をクラッド層の屈折率よりも高くする必要がある。そこで本発明においては、光触媒含有層およびコア層の屈折率差を上記範囲とすることにより、光触媒含有層がクラッド層として十分に機能するようにしたものである。
【0041】
本発明の光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとから構成されていることが好ましい。このような層とすることによりエネルギー照射による光触媒の作用から、バインダの化学構造を変化させ、これによりエネルギー照射部分の臨界表面張力を高くすることが可能となり、液体との接触角を低くすることができるのである。
【0042】
このような光触媒含有層における、後述するような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光等の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
【0043】
本発明においては、光触媒により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親液性とし、非露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、コア層形成用塗工液との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、品質が良好でかつコスト的にも有利な光導波路を得ることができる。
【0044】
また、本発明においてこのような光触媒含有層を用いた場合、この光触媒含有層が少なくとも光触媒とフッ素とを含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていてもよい。
【0045】
このような特徴を有する光触媒含有層においては、エネルギーをパターン照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
【0046】
したがって、このような光触媒含有層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親液性領域のみにコア層を形成することが容易に可能となり、品質の良好な光導波路とすることができる。
【0047】
上述したような、フッ素を含む光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量は、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0048】
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との親液性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような光触媒含有層上にコア層を形成することにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確にコア層を形成することが可能となり、精度の高い光導波路を得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
【0049】
このような光触媒含有層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0050】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0051】
本発明においては、特に酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0052】
このようなアナターゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0053】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の撥液性が低下し、また露光部の親液性の発現が不十分となるため好ましくない。
【0054】
本発明においては、上述したように光触媒含有層表面にフッ素を含有させ、この光触媒含有層表面にエネルギーをパターン照射することにより光触媒含有層表面のフッ素含有量を低下させ、これにより撥液性領域中に親液性領域のパターンを形成し、ここにコア層を形成して得られる光導波路であってもよい。この場合であっても、光触媒として上述したような二酸化チタンを用いることが好ましいが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、このましくは800以上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれていることが好ましい。
【0055】
フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張力を十分低くすることが可能となることから表面における撥液性を確保でき、これによりエネルギーをパターン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の親液性領域との濡れ性の差異を大きくすることができ、最終的に得られる光導波路の品質を向上させることができるからである。
【0056】
さらに、このような光導波路においては、エネルギーをパターン照射して形成される親液性領域におけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれていることが好ましい。
【0057】
光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程度低減することができれば、コア層等を形成するためには十分な親液性を得ることができ、上記エネルギーが未照射である部分の撥液性との濡れ性の差異により、コア層等を精度良く形成することが可能となり、品質の良好な光導波路を得ることができる。
【0058】
本発明において、光触媒含有層に使用するバインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0059】
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0060】
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0061】
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFSON(C)CCHSi(OCH
【0062】
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、光触媒含有層の非露光部の撥液性が大きく向上させることができるからである。
【0063】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0064】
【化1】
Figure 0003786858
【0065】
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0066】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
【0067】
本発明の光導波路においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々のバインダを光触媒含有層に用いることができる。本発明においては、上述したように、このようなバインダおよび光触媒を含む光触媒含有層にフッ素を含有させ、エネルギーをパターン照射することにより光触媒含有層表面のフッ素を低減させ、これにより撥液性領域内に親液性領域を形成するようにしてもよい。この際、光触媒含有層中にフッ素を含有させる必要があるが、このようなバインダを含む光触媒含有層にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を光触媒含有層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、エネルギーが照射された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素を光触媒含有層中から除去することができるからである。
【0068】
上記第1の方法、すなわち、高い結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
【0069】
例えば、オルガノポリシロキサンを得る方法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサンを得ることができる。ここで、この方法においては、上述したように上記一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この一般式において、置換基Yとしてフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成することにより、フルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンを得ることができる。このようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、エネルギーが照射された際、光触媒含有層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解されることから、光触媒含有層表面にエネルギーを照射した部分のフッ素含有量を低減させることができる。
【0070】
この際用いられるフルオロアルキル基を有する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアルキル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロアルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロアルキルシランが好ましい。
【0071】
本発明においては、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよい。
【0072】
このようにして得られるフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていることが好ましい。
【0073】
フルオロアルキル基がこの程度含まれることにより、光触媒含有層上の撥液性を高くすることができ、エネルギーを照射して親液性領域とした部分との濡れ性の差異を大きくすることができるからである。
【0074】
また、上記(2)に示す方法では、撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様に、上述した一般式中のR,Rのいずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基とすることにより、光触媒含有層中にフッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照射により光触媒含有層表面におけるフッ素の含有量を低下させることができる。
【0075】
一方、後者の例、すなわち、バインダの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を挙げることができる。
【0076】
本発明において光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0077】
また、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0078】
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、光触媒含有層が下部クラッド層として作用するために、0.1〜1μmの範囲内が好ましく、特に好ましくは、0.1〜0.5μmの範囲内である。
【0079】
上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
【0080】
(コア層)
一般に光導波路において、コア層はその内部を光が伝送するため、コア層の周囲を覆うクラッド層よりも屈折率が高いことが要求される。さらにコア層内部を導波する光が滞りなく伝送されるため、コア層の周辺部は整った形状であることが好ましい。コア層の周辺部が整った形状であることにより、コア層とこれに接する上部クラッド層との界面が整っていないことによる光伝送損失を防止することができるからである。
【0081】
本発明においては、上述した一般的な光導波路のクラッド層に、上部クラッド層および光触媒含有層が該当する。したがって、コア層はこの両方の層よりも屈折率を高くすることが必要である。本発明におけるコア層の屈折率は、光触媒含有層上に付着させるコア層形成用材料を変化させることにより容易に調節することが可能であり、上部クラッド層および光触媒含有層との関係において、容易に好適な屈折率のコア層とすることができる。
【0082】
さらに、本発明においては、光触媒含有層に対するエネルギー照射により生じる親液性および撥水性の濡れ性の違いを利用してコア層を形成するものである。つまりコア層を形成するコア層形成用材料は、親液性領域および撥水性領域に対する密着性に格段の違いを有するため、この性質を利用することにより、親液性領域にのみコア層形成用材料を付着させることが可能である。したがって、コア層の周辺部が整った形状となるため、コア層とこれに接する上部クラッド層との界面が整っていないことによる光伝送損失を防止することが可能である。
【0083】
このようなコア層を形成するするための材料としては、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、酸化ケイ素等が挙げられる。これらの材料をスピンコート法やディップコート法等の各種コーティング法やインクジェット法等のノズル吐出法、蒸着法および無電解メッキ法等を材料の特性に応じて選択し、コア層を形成する。また選択する材料の種類や混合比率により屈折率を制御することが可能である。
【0084】
また、光導波路においてコア層内における光の導波を良好に保つためにコア層の屈折率をその表面を被覆するクラッド層の屈折率よりも高くする必要がある。本発明においては、コア層の屈折率を1.1〜1.7の範囲内、好ましくは1.4〜1.7の範囲内とすることが好ましい。さらにコア層の表面を覆う上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されている場合、コア層との屈折率差を0.03以上、特に0.05以上とすることが好ましい。コア層と上部クラッド層との屈折率差を上記範囲とし、かつコア層の下部を被覆する光触媒含有層とコア層との屈折率差を上述した範囲内とすることにより、光伝送損失の少ない光導波路の作製が可能となる。
【0085】
ここでコア層の形状に関しては、通常コア層内を導波する光のモード等を考慮して決定する。導波光としては、一般に赤外光を用いることから、コア層の頂部から底部までの膜厚が、0.8〜300μmの範囲内、好ましくは1〜100μmの範囲内が好ましい。またコア層底部の幅は0.8〜300μmの範囲内、好ましくは1〜100μmの範囲内が好ましい。上記範囲内のコア層とすることにより、コア層内を滞りなく光が導波し、効率の良好な光導波路を得ることができるからである。
【0086】
(上部クラッド層)
本発明のおいて、図1に示すように上部クラッド層5はコア層4の表面を被覆するように形成されている。図1に図示された上部クラッド層5は光触媒含有層2上の全面に形成されているが、コア層表面を被覆するようにパターン状に形成された上部クラッド層であってもよい。また光導波路におけるクラッド層の役割としては、光導波路の光伝送損失を抑制することの他に、外部からの応力等による悪影響の防止や、光導波路端面を切断して端面研磨する際、高い寸法精度の加工を可能とすること等を挙げることができる。
【0087】
本発明において上部クラッド層は、透明性を有する材料で形成されている場合と、不透明である場合とのいずれの態様であってもよい。
【0088】
まず、上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されている場合について説明する。
【0089】
上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されている場合に用いられる材料としては、例えば、シリコン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、酸化珪素、UV硬化型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド、ポリイミド、ポリカーボネイト―MMA、重水素化ポリフルオロメタクリレート等を挙げることができる。
【0090】
これらの材料は例えば蒸着法等により付着させることも可能であるが、好ましくはスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の各種コーティング法やインクジェットなどの吐出法等により、塗工液とした上記材料を塗布することによって上部クラッド層を形成する。また選択する材料の種類や材料の混合比率によって屈折率を容易に変化させることができるため、コア層の屈折率に応じて屈折率差を制御した上部クラッド層の形成が可能である。
【0091】
本発明において上部クラッド層の屈折率は1.1〜1.7の範囲内、好ましくは1.4〜1.7の範囲内であることが好ましい。上部クラッド層を上記範囲内とすることにより、光伝送損失の一要因である吸収損失を効果的に防止することができるからである。
【0092】
また、上部クラッド層とコア層との屈折率の差は、0.03以上、特に0.05以上であることが好ましい。上記範囲程度にコア層の屈折率が上部クラッド層の屈折率よりも高ければ、吸収損失による光伝送損失を効率よく防止でき伝送効率の良好な光導波路が製造できるからである。
【0093】
ところで、上述したように、本発明においては上部クラッド層の形状は、光触媒含有層上の全面に形成されている場合と、コア層表面を被覆するようにパターン状に形成されている場合とがある。
【0094】
上部クラッド層が図1に図示するように、光触媒含有層上の全面に形成されている場合は、比較的製造が容易であるという利点を有する。さらに、上部クラッド層が光触媒含有層上の全面に形成されており、かつ透明性を有する場合、コア層頂部から上部クラッド層表面までの上部クラッド層の膜厚が、0.5〜300μmの範囲内、その中でも特に1〜100μmの範囲内であることが好ましい。この膜厚が上記範囲よりも薄くなるとコア層を導波する光の損失が顕著に大きくなり、光導波路として機能しなくなるからである。
【0095】
一方、上部クラッド層が光触媒含有層上のコア層を被覆するようにパターン状に形成されていてもよい。このように上部クラッド層をパターン状に形成することにより、平面基板上に複雑な光配線を施し、分岐、スイッチィング、コネクト等の光インターコネクション機能を有する平面光導波路を、低損失にて、容易に作製できるといった利点を有するからである。
【0096】
さらに、上部クラッド層がパターン状に形成され、かつ透明性を有する材料で形成されている場合、コア層の頂部から上部クラッド層の頂部までの上部クラッド層の膜厚は0.5〜300μmの範囲内、その中でも特に1〜100μmの範囲内であることが好ましい。またこの場合上部クラッド層はコア層の両側部に所定の幅を持つように形成されており、コア層の側部から上部クラッド層の側部までの上部クラッド層の幅は0.5〜300μmの範囲内、その中でも特に1〜100μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内の膜厚および幅で形成されている上部クラッド層であれば、コア層内を導波する光を反射させ、コア層を表面からの塵や汚れから防御し、外部からの応力等からの影響を防止するクラッド層としての機能を十分に発揮することができるからである。
【0097】
次に、上部クラッド層が不透明な場合について説明する。この場合、上記上部クラッド層とコア層との界面が鏡面として作用する金属からなることが好ましい。このような金属として具体的には、金、アルミニウム、銅、銀等を挙げることができ、本発明においてはその中でも特にアルミニウムが好ましい。これらの金属を蒸着法等を用いて形成し、上部クラッド層とすることにより、上部クラッド層とコア層との界面が鏡面として作用し、コア層内を導波する光を全反射させるため、上部クラッド層への光の吸収損失が抑えられ、光伝送損失の少ない効率的な光導波路が得られるからである。
【0098】
また、上部クラッド層の形状に関しては、コア層および上部クラッド層との界面で、隙間なく両者が接していればその界面における鏡面効果は十分に得ることができる。したがって、上部クラッド層が全面形成されている場合の上述した膜厚や、上部クラッド層がパターン状に形成されている場合の上述した膜厚および幅は、この鏡面効果に影響を及ぼさないため、上部クラッド層が不透明である場合は、これらの膜厚および幅は光の全反射に不都合がない程度であればよい。
【0099】
(基板)
本発明において、基板は支持体としての役割を担う他、外部からの応力によるコア層への影響を和らげる働きも持つ。このような働きを担う材料であれば特に限定されないが、具体的には、ソーダガラス、石英ガラス、光学ガラス、無アルカリガラス等のガラス基板およびポリカーボネート、メチルメタクリレート単重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等のプラスチックフィルム、プラスチックシートなどを挙げることができる。
【0100】
B.光導波路の製造方法について
本発明の光導波路の製造方法は、基板を準備する工程と、上記基板上に少なくとも光触媒とバインダとを有しエネルギー照射により照射部分の濡れ性が液体との接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工程と、上記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であるコア層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア層露光部を形成する工程と、上記光触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成する工程と、上記光触媒含有層上に形成された上記コア層の表面を被覆するように上部クラッド層を形成するために、上記光触媒含有層上の上部クラッド層が形成される部位である上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射して上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程とを有するものである。
【0101】
本発明においては、このような製造方法とすることにより、図3に図示した従来の光導波路の製造方法よりも、コア層のパターニングにかかる手間を簡略化することが可能であるという利点を有する。
【0102】
図2は、本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。まずこの図2の各工程について説明する。
【0103】
図2の(a)に示すように、基板1を準備し、準備された基板1上に少なくとも光触媒とバインダとからなる光触媒含有層の形成材料を溶剤に溶かした塗工液を塗布し、乾燥させ光触媒含有層2を形成する(光触媒含有層形成工程)。
【0104】
次いで、上記光触媒含有層2上のコア層4を形成する部位であるコア層形成部以外にマスク6をかけ、エネルギー7がコア層形成部にのみ照射されるようにパターン照射し(図2(b))、上記パターン照射によるエネルギー照射領域であるコア層露光部3を形成する(コア層露光部形成工程)(図2(c))。
【0105】
さらに、上記光触媒含有層2のコア層露光部3上にコア層形成用材料を付着させ、乾燥させることによりコア層4を形成する(コア層形成工程)(図2(d))。
【0106】
上記光触媒含有層2上に形成された上記コア層4の表面を被覆するように上部クラッド層5を形成するため、上記光触媒含有層2上の上部クラッド層5が形成される部位である上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射することにより(図2(f))、図2(e)に示すように、上部クラッド層露光部8が形成される(上部クラッド層露光部形成工程)。
【0107】
そして、上記上部クラッド層露光部8上に上部クラッド層形成材料を付着させ、乾燥させることによって上部クラッド層5を形成する(上部クラッド層形成工程)(図2(e))。
【0108】
以下、このような各工程について詳細に説明をする。
【0109】
(光触媒含有層形成工程)
まず、第1の工程である光触媒含有層を設ける工程について説明する。光触媒含有層形成工程とは、基板上に少なくとも光触媒とバインダとを有しエネルギー照射により照射部分の濡れ性が液体との接触角が低下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工程である。
【0110】
この光触媒含有層の形成は、上述したような光触媒とバインダとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散させた塗布液を調製し、この塗布液を塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行させてバインダ中に光触媒を強固に固定することにより形成される。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましく、塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、結合剤として、紫外線硬化型の成分を含有している場合には、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、基材上に光触媒含有層を形成することができる。
【0111】
(コア層露光部形成工程)
次に第2の工程であるコア層露光部の形成工程について説明する。このコア層露光部形成工程とは、上記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であるコア層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア層露光部を形成する工程である。
【0112】
本発明において照射されるエネルギーとしては、光触媒含有層の濡れ性を変化させるエネルギーであればいかなるエネルギーでも使用可能であるが、中でも光を用いることが好ましい。光は制御しやすく、安全に操作することが可能であるからである。
【0113】
さらに、本発明において用いられる光触媒の触媒反応を起こさせる光の波長を考慮して選択された光を用いることが好ましい。例えば、硫化カドニウムであれば496nm、また酸化鉄であれば539nmの可視光であり、二酸化チタンであれば388nmの紫外光である。このように、用いる光触媒に対応して、光であれば可視光であれ紫外光であれ用いることができるのであるが、上述したようにバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易といった理由から光触媒としては二酸化チタンが好適に用いられる関係上、この二酸化チタンの触媒反応を開始させる紫外光を含む光であることが好ましい。具体的には、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲の紫外光が含まれることが好ましい。
【0114】
このような紫外光を含む光の光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げることができる。また、露光に際しての光の照射量は、露光された部位が光触媒の作用により親液性を発現するのに必要な照射量とすることができる。
【0115】
エネルギーの照射に際してパターン照射が必要な場合は、上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行うことができるが、他の方法として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0116】
なお、このコア層露光部が形成される部位等の詳細については、A.光導波路についての(コア層)の項目において、説明したとおりなのでここでの説明は省略する。
【0117】
(コア層形成工程)
次に第3の工程であるコア層形成工程について説明する。このコア層形成工程は、上記光触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成する工程である。
【0118】
このコア層形成工程において、コア層露光部にコア層を形成するために、コア層形成用材料をコア層露光部上に付着させる方法がとられる。この方法としてはコーティング法、吐出法、蒸着法、無電解メッキ法等があるが、この中でも塗工液を用いるコーティング法および吐出法が好ましい。
【0119】
具体的には、上記コア層形成用材料を溶剤中に分散してコア層形成用塗工液を調製し、このコア層形成用塗工液を上記コア層露光部上に塗布した後、硬化させることによりコア層を形成する方法等を挙げることができる。さらにこの塗工液を用いる方法の中でも、効率よくコア層形成用塗工液を塗布できるという観点から、ノズル吐出法が好ましい。ノズル吐出法であればコア層形成用塗工液の塗布位置が正確であり、發液性の領域に残存するコア層形成用塗工液の量を抑えることができるからである。さらにこのノズル吐出法の中でもインクジョット法が好適に用いられる。これは、量産可能であるためコスト面で有利である等の理由によるものである。
【0120】
このコア層形成用材料を溶解させる溶剤としては、コア層形成用材料が溶解可能であり、かつ光触媒含有層のエネルギー露光部とエネルギー未露光部との接触角の差が20°以上となる溶剤であれば特に限定されない。特にN−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノンおよびこれらを含む混合溶液が好ましい。また、結合剤として、紫外線硬化型の成分を含有している場合には、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、光触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成することができる。
【0121】
(上部クラッド層露光部形成工程および上部クラッド層形成工程)
上部クラッド層露光部形成工程とは、上記光触媒含有層上に形成された上記コア層の表面を被覆するように上部クラッド層を形成するために、上記光触媒含有層上の上部クラッド層が形成される部位である上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射して上部クラッド層露光部を形成する工程である。
【0122】
さらに上部クラッド層形成工程とは、上記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程である。
【0123】
本発明において、この上部クラッド層露光部形成工程および上部クラッド層形成工程の一連の工程は、大きく2つの実施態様に分けることができる。第1の実施態様は上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されている態様である。さらに第2の実施態様は上部クラッド層が不透明である場合である。以下に両実施態様について各工程毎に説明する。
【0124】
a.第1実施態様
第1実施態様は上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されている態様である。さらにこの第1実施態様の中でも上部クラッド層の形状の違いから、
上部クラッド層がコア層を被覆するように光触媒含有層上の全面に形成されている場合
上部クラッド層がコア層の表面のみを覆うようにパターン状に形成されている場合
に分けることができる。
【0125】
以下に、第1実施態様を(1)、(2)の各場合について説明を行う。
【0126】
(1) 上部クラッド層がコア層を被覆するように光触媒含有層上の全面に形成されている場合
まず、上部クラッド層がコア層を被覆するように光触媒含有層上の全面に形成されている場合について説明を行う。
【0127】
具体的には、上記上部クラッド層露光部形成工程が、この場合においては、上記光触媒含有層の表面に対して全面にエネルギーを照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程(上部クラッド層露光部全面形成工程)となり、上記上部クラッド層形成工程が、上記上部クラッド層露光部上にコア層を被覆するように全面に、上部クラッド層を形成する工程(上部クラッド層全面形成工程)となる。
【0128】
以下に両工程ついて説明をする。
【0129】
(上部クラッド層露光部全面形成工程)
上部クラッド層露光部全面形成工程は、上記コア層形成工程により、光触媒含有層上の所望の位置にコア層が形成された上記光触媒含有層上の全面にエネルギーを照射する工程である。このエネルギー照射により上記光触媒含有層上のうち上記コア層が形成されている部位以外の表面はすべて親液性となり、この親液性領域が上部クラッド層全面露光部となる。その他エネルギー照射等に関することは、上記コア層露光部形成工程の中で説明したとおりなので、ここでの説明は省略する。
【0130】
(上部クラッド層全面形成工程)
上部クラッド層全面形成工程は、上記上部クラッド層露光部全面形成工程により形成された上部クラッド層全面露光部上に上部クラッド層形成用材料を付着させ、上記光触媒含有層上の全面に上部クラッド層を形成する工程である。
【0131】
このような上部クラッド層形成用材料を上部クラッド層全面露光部上に付着させる方法としては、コーティング法、吐出法、蒸着法、無電解メッキ法等があるが、この中でも塗工液を用いるコーティング法および吐出法が好ましい。
【0132】
具体的には、上記上部クラッド層形成用材料を溶剤中に分散して上部クラッド層形成用の塗工液を調製し、この塗工液を上記上部クラッド層全面露光部上に塗布した後、硬化させることによりコア層を形成する方法等が挙げられる。
【0133】
ここで、この上部クラッド層形成用材料を溶解させる溶剤としては、上部クラッド層形成用材料が溶解可能であり、かつ光触媒含有層のエネルギー露光部とエネルギー未露光部との接触角の差が20°以上となる溶剤であれば特に限定されない。特にN−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノンおよびこれらを含む混合溶液が好ましい。
【0134】
また、結合剤として、紫外線硬化型の成分を含有している場合には、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、光触媒含有層上の全面に上部クラッド層を形成することができる。
【0135】
(2) 上部クラッド層がコア層の表面のみを覆うようにパターン状に形成されている場合
次に、上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されており、かつコア層の表面を覆うようにパターン状に上部クラッド層が形成されている場合について説明する。
【0136】
この場合、具体的には、上記上部クラッド層露光部形成工程が、上記光触媒含有層の表面に対して、上記コア層の両側部に所定の幅を持つようにエネルギーをパターン照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程(パターン状上部クラッド層露光部形成工程)となり、さらに上記上部クラッド層形成工程が、上記パターン状上部クラッド層露光部上に上記コア層を被覆するように、パターン状に上部クラッド層を形成する工程(パターン状上部クラッド層形成工程)となる。
【0137】
以下に両工程について説明する。
【0138】
(パターン状上部クラッド層露光部形成工程)
パターン状上部クラッド層露光部形成工程は、上記コア層形成工程により、所望の位置にコア層を有する上記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射する工程である。
【0139】
この工程は、コア層の側部から一定の幅までの領域の光触媒含有層に対し、エネルギーをパターン照射することにより、コア層の側部から一定の幅までの領域が、コア層を取り囲むように親液性領域となる。この親液性領域がパターン状上部クラッド層露光部である。その他、コア層側部から上部クラッド層側部までの幅やエネルギーの照射方法等に関しては、上述したとおりなのでここでの説明は省略する。
【0140】
(パターン状上部クラッド層形成工程)
パターン状上部クラッド層形成工程は、上記パターン状上部クラッド層露光部形成工程により形成された上記パターン状上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程である。
【0141】
このパターン状上部クラッド層形成工程においては、パターン状に上部クラッド層が形成される以外は、上記上部クラッド層全面形成工程と同様であるのでここでの詳細な説明は省略する。
【0142】
b.第2実施態様
本発明における第2実施態様は、上部クラッド層が不透明な材料で形成された態様である。
【0143】
このように、上部クラッド層が不透明な材料で形成される場合の製造方法としては、上述したようにコア層と上部クラッド層との界面が鏡面として作用する必要性があることから、具体的には、蒸着法、スパッタ法、CVD法、転写法、無電解メッキ法、溶解金属を用いたスプレーコート等によるコーティング法等を挙げることができ、中でも蒸着法による方法が好ましい。
【0144】
この場合は、コア層および上部クラッド層との界面において隙間なく金属が形成されてさえいれば、鏡面効果の作用による光の全反射が効率的に行われる。したがって、上述したように上部クラッド層が光触媒含有層上の全面に形成されている場合でも、またパターン状に形成されている場合でも、コア層と上部クラッド層との界面において隙間なく上部クラッド層が形成されてさえいれば、この鏡面効果による光の全反射は起こる。そこで鏡面効果を損なわせない程度に、上部クラッド層が不透明な場合に用いられる上述した金属を上述した方法によって形成することが好ましい。
【0145】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0146】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0147】
50×100mmの無アルカリガラス基板上に光触媒を含有する光触媒含有層を形成し、紫外線を開口線幅100μmのラインパターンが施されたマスクパターンを介して照射することにより、光触媒含有層上に同ラインパターンに即した濡れ性の異なるパターンを形成した。
【0148】
このパターンを有する基板のエネルギー露光部である100μmのラインパターン形成部のディスペンサー方式にて、ポリメタクリル酸メチルのN−メチル−2−ピロリドン溶液を塗布したところ、エネルギー露光部のみに溶液は付着した。これを250℃にて30分間乾燥することにより硬化させた。
【0149】
次にこの基板全体に対し紫外線露光を施し、ポリスチレンのシクロヘキサノン溶液を基板全面に塗布した。これを前述同様の乾燥方法にて硬化させることにより光損失30dB/m以下の光導波路を形成することができた。
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、光触媒含有層上のコア層形成部を予め親液性とし、液体との接触角の小さい親液性領域のみコア層形成用塗工液が付着することを利用して、所望の領域に精度よくコア層を作製することができるという効果を奏する。さらに本発明においては、コア層は光触媒含有層上に形成されていることから、コア層および光触媒含有層の屈折率差を調節することにより、光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働きを担う下部クラッド層として活用することができる。したがって、別途クラッド層を形成する必要がなく、工程の簡略化が可能となり、コストを低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】従来の光導波路の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 … 基板
2 … 光触媒含有層
3 … コア層露光部
4 … コア層
5 … 上部クラッド層

Claims (16)

  1. 基板と、前記基板上に形成され、少なくとも光触媒、およびエネルギー照射に伴う前記光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するバインダからなる光触媒含有層と、前記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射し、前記光触媒含有層上にコア層が形成される親液性領域をパターン状に形成した後、前記光触媒含有層上にコア層形成用塗工液を塗布することによりパターン状に形成されたコア層と、前記コア層を覆うように前記光触媒含有層上に上部クラッド層形成用塗工液を塗布することにより形成された上部クラッド層とを有することを特徴とする光導波路。
  2. 前記上部クラッド層は前記光触媒含有層上にパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されていない部分において10度以上であり、エネルギー照射された部分において10度未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光導波路。
  4. 前記光触媒含有層と前記コア層との屈折率の差が0.03以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  5. 前記上部クラッド層が透明性を有する材料で形成されており、前記上部クラッド層および前記コア層の屈折率差が0.03以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  6. 前記上部クラッド層が不透明であり、前記上部クラッド層および前記コア層の界面が鏡面として作用する金属からなることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  7. 前記光触媒含有層がフッ素を含み、前記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、前記光触媒の作用により前記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するように前記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  8. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  9. 前記光触媒は、酸化チタンであることを特徴とする請求項8に記載の光導波路。
  10. 前記バインダが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  11. 基板を準備する工程と、
    前記基板上に、少なくとも光触媒と、エネルギー照射に伴う前記光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するバインダとを有する光触媒含有層を形成する工程と、
    前記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であるコア層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア層露光部を形成する工程と、
    前記光触媒含有層のコア層露光部上にコア層形成用塗工液を塗布することによりコア層を形成する工程と、
    前記光触媒含有層上に形成された前記コア層の表面を被覆するように上部クラッド層を形成するために、前記光触媒含有層上の上部クラッド層が形成される部位である上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射して上部クラッド層露光部を形成する工程と、
    前記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層形成用塗工液を塗布することにより上部クラッド層を形成する工程と
    を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
  12. 前記エネルギー照射により上部クラッド層露光部を形成する工程と、前記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程とが、
    前記光触媒含有層の表面に対して、前記コア層の両側部に所定の幅を持つようにエネルギーをパターン照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程と、
    前記上部クラッド層露光部上に前記コア層を被覆するように、上部クラッド層を形成する工程と
    を有することを特徴とする請求項11記載の光導波路の製造方法。
  13. 前記エネルギー照射により上部クラッド層露光部を形成する工程と、前記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程とが、
    前記光触媒含有層の表面に対して全面にエネルギーを照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程と、
    前記上部クラッド層露光部上にコア層を被覆するように、上部クラッド層を形成する工程と
    を有することを特徴とする請求項11記載の光導波路の製造方法。
  14. 前記光触媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されていない部分において10度以上であり、エネルギー照射された部分において10度未満であることを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれかの請求項に記載の光導波路の製造方法。
  15. 前記光触媒含有層上にパターン状に形成されたコア層が、コア層形成用塗工液を塗布することによって形成されたコア層であることを特徴とする請求項11から請求項14までのいずれかの請求項に記載の光導波路の製造方法。
  16. 前記コア層形成用塗工液を塗布してコア層を形成する工程が、ノズル吐出法により塗布されることを特徴とする請求項15に記載の光導波路の製造方法。
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