JP2005292228A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、エネルギーを照射する露光工程を短縮することができ、製造効率を向上させることができるカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的としている。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、透明基材上に、遮光部を形成する遮光部形成工程と、上記透明基材および上記遮光部を覆うように、光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程と、上記透明基材側からエネルギーを照射することにより、上記光触媒含有層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と、上記濡れ性変化パターン上に、インクジェット法により着色層を形成する着色層形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
上記濡れ性変化パターン形成工程において、上記光触媒含有層側にエネルギーを反射することができる反射層を有する反射基板を、反射層が光触媒含有層側となるように配置することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光触媒の作用による表面の濡れ性の差を利用して着色層が形成される、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。しかしながら、いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
そこで、基材上に、光触媒と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する材料とを含有する特性変化パターン形成用塗工液を用いて光触媒含有層を形成し、パターン状に露光することにより、特性が変化したパターンを形成し、着色層を形成するカラーフィルタの製造方法等が本発明者等において検討されてきた(特許文献1)。この方法によれば、上記光触媒含有層の特性を利用して、容易に着色層を形成することを可能とすることができる。
このようなカラーフィルタの製造方法においては、露光による光触媒の作用により表面の濡れ性を変化させ、この濡れ性の差を利用して着色層を形成するものであるので、露光工程は必須の工程となる。このような露光工程において、濡れ性の差を生じさせる時間を短縮することができれば、製造時間の短縮を図ることができ、製造効率を向上させることができる。
特開2001−074928号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エネルギーを照射する露光工程を短縮することができ、製造効率を向上させることができるカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基材上に、遮光部を形成する遮光部形成工程と、上記透明基材および上記遮光部を覆うように、光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程と、上記透明基材側からエネルギーを照射することにより、上記光触媒含有層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と、上記濡れ性変化パターン上に、インクジェット法により着色層を形成する着色層形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
上記濡れ性変化パターン形成工程において、上記光触媒含有層側にエネルギーを反射することができる反射層を有する反射基板を、反射層が光触媒含有層側となるように配置することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、露光が行われる濡れ性変化パターン形成工程において、反射基板がエネルギー照射方向と反対側の位置に配置されているので、照射されたエネルギーは、光触媒含有層を透過する際に光触媒を励起し、さらに反射基板により反射されたエネルギーが再度光触媒含有層を励起するので、濡れ性変化層の濡れ性の変化を短時間で達成することができる。これにより濡れ性変化パターン形成工程の時間を短縮することができ、カラーフィルタの製造効率を向上させることができる。
また、本発明においては、上記反射層表面に、少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層を有することが好ましい。このようにすることにより、さらに濡れ性変化層の濡れ性の変化の速度を向上させることができ、これによりさらに濡れ性変化パターン形成工程の時間を短縮することができ、カラーフィルタの製造効率を大幅に向上させることができるからである。
本発明はまた、光触媒を励起するエネルギーを反射することができる反射層と、上記反射層表面に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層とを有することを特徴とするパターン形成用反射基板を提供する。このようなパターン形成用反射基板を用いることにより、光触媒を用いた種々のパターン形成体の製造効率を向上させることができる。
本発明によれば、濡れ性変化層の濡れ性の変化を短時間で達成することができる。これにより濡れ性変化パターン形成工程の時間を短縮することができ、カラーフィルタの製造効率を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法、およびこのカラーフィルタの製造方法にも用いることが可能なパターン形成用反射基板について説明する。
A.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基材上に、遮光部を形成する遮光部形成工程と、上記透明基材および上記遮光部を覆うように、光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程と、上記透明基材側からエネルギーを照射することにより、上記光触媒含有層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と、上記濡れ性変化パターン上に、着色層を形成する着色層形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
上記濡れ性変化パターン形成工程において、上記光触媒含有層側にエネルギーを反射することができる反射層を有する反射基板を、反射層が光触媒含有層側となるように配置することを特徴とするものである。
このような、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの製造方法を示すものであり、透明基材1上に、樹脂製の遮光部2を形成し(遮光部形成工程(図1(a))、次に、その遮光部2と、透明基材1とを覆うように光触媒含有層3を形成する(光触媒含有層形成工程(図2(b))。次に、透明基材1側からエネルギー4を照射することにより(図2(c))、光触媒含有層3の濡れ性が変化した親液性領域5と変化していない撥液性領域6とからなる濡れ性変化パターンを形成する(濡れ性変化パターン形成工程(図2(d))。この際、光触媒含有層3が形成された側には、基体7上に反射層8が形成された反射基板9が、反射層8が光触媒含有層3側となるように配置されている。これによりエネルギー4は、光触媒含有層3を透過する際に励起され、さらに反射層8により反射されたエネルギーによっても励起されることになり、濡れ性の変化を効率よく行うことが可能となる。
続いて、この濡れ性変化パターンの親液性領域5上に、インクジェット装置により、着色層10を形成することにより、カラーフィルタ11が得られる。
本発明によれば、濡れ性変化パターン形成工程において、反射層を有する反射基板を用いることにより、照射されたエネルギーは、まず光触媒含有層を透過する際に光触媒を励起し、次いで、上記反射層により反射されて、再度光触媒含有層に照射されることになり、ここでも光触媒含有層中の光触媒を励起することになり、1回のエネルギー照射により2回光触媒を励起することができる。これにより、上記濡れ性変化パターン形成工程を短時間で行うことが可能となり、時間の短縮に伴う製造コストの低下を図ることができる。また、この光触媒含有層の濡れ性を変化させる際、上記遮光部が形成されていることから、透明基材側から全面にエネルギーを照射することにより、フォトマスク等を用いることなく、着色層を形成する位置のみの光触媒含有層の濡れ性を変化させることができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、各工程ごとに詳しく説明する。
1.遮光部形成工程
本発明においては、まず透明基材上に遮光部を形成する遮光部形成工程が行われる(図1(a)参照)。本工程において形成される遮光部は、後述する透明基材上に形成されるものであり、カラーフィルタとした際に、照射される光を遮蔽し、かつ濡れ性変化パターン形成工程において照射されるエネルギーを遮蔽できるものであれば、特に限定されるものではない。このような遮光部の形成方法は、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成されてもよい。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製遮光部の形成方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
またさらに本発明においては、遮光部を熱転写法により形成することもできる。この熱転写法とは、通常、透明なフィルム基材の片面に光熱変換層と遮光部転写層を設けた熱転写シートを基材上に配置し、遮光部を形成する領域にエネルギーを照射することによって、遮光部転写層が基材上に転写されて遮光部が形成されることとなるものである。このような熱転写法により形成される遮光部の膜厚としては、通常0.5μm〜10.0μm、特に0.8μm〜5.0μm程度とすることができる。
熱転写法により転写される遮光部は、通常、遮光材料と結着剤により構成されるものであり、遮光性材料としては、カーボンブラック、チタンブラック等の無機粒子等を用いることができる。このような遮光性材料の粒子径としては、0.01μm〜1.0μm、中でも0.03μm〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。
また、結着剤としては、熱可塑性と熱硬化性とを有する樹脂組成とすることが好ましく、熱硬化性官能基を有し、かつ軟化点が50℃〜150℃の範囲内、中でも60℃〜120℃の範囲内である樹脂材料および硬化剤等により構成されることが好ましい。このような材料として具体的には、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物またはエポキシ樹脂とその潜在性硬化剤との組み合わせ等が挙げられる。またエポキシ樹脂の潜在性硬化剤としては、ある一定の温度まではエポキシ基との反応性を有さないが、加熱により活性化温度に達するとエポキシ基との反応性を有する分子構造に変化する硬化剤を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂との反応性を有する酸性または塩基性化合物の中性塩や錯体、ブロック化合物、高融点体、マイクロカプセル封入物が挙げられる。また、上記遮光部中に、上記の材料の他に、離型剤、接着補助剤、酸化防止剤、分散剤等を含有させることもできる。
また、本発明においては、上記光触媒含有層と遮光部との間にプライマー層を形成してもよい。このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、プライマー層を形成することにより、光触媒含有層の上記濡れ性変化を阻害する要因となる遮光部および遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で光触媒含有層の濡れ性を変化させることができ、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
なお、本発明においてプライマー層は、遮光部のみならず遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
本発明におけるプライマー層は、上記遮光部と上記光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
このような遮光部が形成される透明基材としては、バックライト等の光の透過率が良好であり、かつ後述する濡れ性変化パターン形成工程において照射されるエネルギーの透過率が良好であるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を挙げることができる。
2.光触媒含有層形成工程
次に、本発明においては、上記透明基材および上記遮光部を覆うように、光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程が行われる(図1(b)参照)。
本発明における光触媒含有層は、光触媒とオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を透明基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、光触媒含有層を形成することができる。この際、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内とされることが好ましい。上記範囲より薄い場合には、光触媒含有層の表面の濡れ性変化効率が低くなることから好ましくなく、また上記範囲より厚い場合には、遮光部と着色層との間の距離が離れるため、カラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合、バックライトの光漏れ等の問題が生じる可能性があるため、好ましくない。
このようにして形成される光触媒含有層は、光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有するものであることから、エネルギー照射された際に、光触媒の作用によって表面の濡れ性を変化させることができ、エネルギー照射された領域を親液性領域、エネルギー照射されていない領域を撥液性領域とすることができる。
本発明においては、エネルギー照射されていない部分、すなわち撥液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射されていない部分が、撥液性が要求される部分であることから、上記液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、例えば後述する着色層を形成する着色層形成用塗工液をインクジェット方式等により塗布し、硬化させて形成する場合等に、撥液性領域にも着色層形成用塗工液が付着する可能性があることから、高精細に着色層を形成することが困難となるからである。
また、上記光触媒含有層は、エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が9°未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような層であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高い場合は、例えば着色層を形成する着色層形成用塗工液を、親液性領域においてもはじいてしまう可能性があり、例えばインクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布した際等に、着色層形成用塗工液が十分に塗れ広がらず、着色層を形成することが難しくなる可能性があるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
本発明に用いられる光触媒含有層は、この光触媒含有層中にフッ素が含有され、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていてもよく、またエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含むように形成されていてもよい。
以下、このような光触媒含有層を構成する、光触媒、オルガノポリシロキサン、およびその他の成分について説明する。
a.光触媒
まず、本発明に用いられる光触媒について説明する。本発明に用いられる光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
また光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下であることが好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
本発明に用いられる光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。これにより、後述するITO層と接着性を良好なものとすることができるからである。
b.オルガノポリシロキサン
次に、本発明に用いられるオルガノポリシロキサンについて説明する。本発明に用いられるオルガノポリシロキサンは、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、光触媒含有層表面の濡れ性を変化させることが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、特に主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであって、光触媒の作用により分解されるような有機置換基を有するものが好ましい。具体的には、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基、クロロアルキル基、イソシアネート基、もしくはエポキシ基、またはこれらを含む有機基であり、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでXで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。また、Yで示される有機基全体の炭素数は1〜20の範囲内、中でも5〜10の範囲内であることが好ましい。
これにより、上記光触媒含有層を形成した際に、オルガノポリシロキサンを構成するYにより表面を撥液性とすることができ、またエネルギー照射に伴う光触媒の作用により、そのYが分解等されることによって、親液性とすることが可能となるからである。
また、特に上記オルガノポリシロキサンを構成するYがフルオロアルキル基であるオルガノポリシロキサンを用いた場合には、エネルギー照射前の光触媒含有層を、特に撥液性の高いものとすることができることから、高い撥液性が要求される場合等には、これらのフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFSON(C)CCHSi(OCH
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2005292228
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
上記オルガノポリシロキサンは、光触媒含有層中に、5重量%〜90重量%、中でも30重量%〜60重量%程度含有されることが好ましい。
c.その他の物質
また、本発明に用いられる光触媒含有層中には、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。またさらに、バインダとして、主骨格が上記光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有する、有機置換基を有しない、もしくは有機置換基を有するポリシロキサンを挙げることができ、具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を加水分解、重縮合したものを含有させてもよい。
またさらに、上記オルガノポリシロキサンの濡れ性を変化させる機能を補助するため等に、エネルギー照射に伴い、分解される分解物質を含有させてもよい。このような分解物質としては、光触媒の作用により分解し、かつ分解されることにより光触媒含有層表面の濡れ性を変化させる機能を有する界面活性剤を挙げることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。
d.フッ素の含有
また、本発明においては、光触媒含有層がフッ素を含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていることが好ましい。これにより、エネルギーをパターン照射することにより、後述するように容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような光触媒含有層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、例えばインクジェット法等により、着色層形成用塗工液を塗布した場合に、高精細な着色層を形成することが可能となるからである。
上述したような、フッ素を含む光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下である。
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との親液性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような光触媒含有層に、例えば着色層形成用塗工液を付着させることにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確に着色層を形成することが可能となり、精度の良いカラーフィルタを得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
このような光触媒含有層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
また、本発明においては、光触媒として上述したように二酸化チタンが好適に用いられるが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、このましくは800以上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれていることが好ましい。
フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張力を十分低くすることが可能となることから表面における撥液性を確保でき、これによりエネルギーをパターン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の親液性領域との濡れ性の差異を大きくすることができ、最終的に得られるカラーフィルタの精度を向上させることができるからである。
さらに、このようなカラーフィルタにおいては、エネルギーをパターン照射して形成される親液領域におけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれていることが好ましい。
光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程度低減することができれば、カラーフィルタを形成するためには十分な親液性を得ることができ、上記エネルギーが未照射である部分の撥液性との濡れ性の差異により、カラーフィルタを精度良く形成することが可能となり、利用価値の高いカラーフィルタを得ることができる。
3.濡れ性変化パターン形成工程
次に、本発明における濡れ性変化パターン形成工程について説明する。本発明における濡れ性変化パターン形成工程は、上記光触媒含有層側にエネルギーを反射することができる反射層を有する反射基板を、反射層が光触媒含有層側となるように配置し、上記透明基材側からエネルギーを照射することにより、上記光触媒含有層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する工程である(図1(c)および図1(d)参照)。
本発明の特徴は、この濡れ性変化パターン形成工程において、反射基板を用いる点にあり、この反射基板を用いることにより、照射されたエネルギーが反射層により反射されて再度光触媒含有層に照射されることから、上記光触媒含有層の濡れ性の変化の効率を向上させることができる。これにより、短時間で上記濡れ性変化パターン形成工程を行うことができ、カラーフィルタの製造効率を向上させることができるのである。
(照射されるエネルギー)
上記光触媒含有層に照射されるエネルギーとしては、上記光触媒含有層の濡れ性を変化させることが可能なエネルギーであれば、特に限定されるものではない。本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層表面の濡れ性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、紫外光や可視光の照射に限定されるものではない。
通常このようなエネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは150nm〜380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。また、上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
なお、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、光触媒含有層中の光触媒の作用により光触媒含有層表面の濡れ性の変化が行われるのに必要な照射量とする。
(反射基板)
次に、本発明の特徴でもある濡れ性変化パターン形成工程に用いられる反射基板にいて説明する。
本発明に用いられる反射基板は、光触媒含有層の濡れ性を変化させることができるエネルギーを反射する反射層を有するものであれば特に限定されるものではなく、反射基板が反射層で形成されているものであってもよく、基体上に反射層が形成されたものであってもよい。
a.反射層
本発明に用いられる反射層は、上述したように、自己支持性を有しており、そのもの自体で反射基板となるものであってもよく、基体上に形成されたものであってもよい。
反射層に用いられる材料としては、特に限定されるものではないが、金属材料が好適に用いられ、具体的には、アルミニウム、銀、鉄、蒸着アルミニウム層を有する反射基板、蒸着銀層を有する反射基板等が用いられる。
基体上に反射層が形成される場合は、上述した金属を真空蒸着法等により基体表面に蒸着させることにより形成する方法が通常用いられる。また、反射層が自己支持性を有する場合は、一方の表面が鏡面仕上げされた金属板等を用いることができる。
この反射層表面は、平滑な面であることが好ましい。表面が平滑でないと、反射層表面で乱反射が生じるため、パターニングの精度を低下させる可能性があるからである。具体的には表面粗さRaが0.1nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。
b.基体
本発明において用いられる基体としては、表面がある程度の平滑性を有する板状のものであれば特に限定されるものではなく、有機材料および無機材料のいずれでも用いることができる。
c.光触媒処理層
本発明においては、上記反射層表面に少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層が形成されていてもよい。反射層表面にこのような光触媒処理層を形成することにより、反射光による効率化に加えて、光触媒処理層中の光触媒の作用により、さらに光触媒含有層表面の濡れ性を変化させることが可能となり、さらなる濡れ性変化パターン形成工程の短縮化が可能となり、カラーフィルタを効率的に製造することができるからである。
本発明に用いられる光触媒処理層は、光触媒処理層中の光触媒が、上述した光触媒含有層の濡れ性を変化させるような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよく、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の特性は特に親液性であっても撥液性であってもよい。
光触媒処理層に用いられる光触媒としては、上記光触媒含有層において説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、光触媒処理層が、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
光触媒のみからなる光触媒処理層の場合は、光触媒含有層上の特性の変化に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダとからなる光触媒処理層の場合は、光触媒処理層の形成が容易であるという利点を有する。
光触媒のみからなる光触媒処理層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒処理層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒処理層とすることが可能であり、これにより光触媒含有層上の濡れ性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に光触媒含有層上の濡れ性を変化させることが可能となる。
また、光触媒のみからなる光触媒処理層の形成方法の他の例としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる、これらについては、上記光触媒含有層において説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒処理層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
このような光触媒処理層は、光触媒を励起させるための上記エネルギーに対して高い透過率を有するものであることが好ましい。透過率が低い場合は、反射層により反射されるエネルギー量が少なくなり、この反射されたエネルギーによる濡れ性の変化の効率向上を阻害するからである。
このような点から、光触媒処理層の膜厚は、0.05μm〜1μmの範囲内、特に0.1μm〜0.5μmの範囲内とすることが好ましい。上記膜厚が、0.05μm以下となる場合には、光触媒処理層の感度が低下する場合があり、また上記膜厚が1μm以上となる場合には、光触媒処理層のエネルギーに対する透過率が低いものとなるからである。
上記光触媒処理層は、反射層表面に直に形成されたものであってもよく、また照射されるエネルギーに対して透明な介在層を介して形成されたものであってもよい。
(反射基板の配置)
上記反射性基板は、上述したように反射層が光触媒含有層に面するようにして配置され、上記エネルギーが照射される。この際、反射層と光触媒含有層との間隙は、なるべく狭くなるように配置されることが好ましい。この間隙が広い場合は、反射層表面における乱反射等による影響により、高精度なパターンの形成に対して、悪影響を及ぼす恐れがあるからである。
具体的な間隙としては0.1mm〜5mmの範囲内、特に0.5mm〜3mmの範囲内とすることが好ましい。なお、反射層表面に上述した光触媒処理層が形成されている場合は、上記光触媒処理層と光触媒含有層との間隙は、上記光触媒処理層中の光触媒が光触媒含有層の濡れ性に対して作用を及ぼすことができる間隙であることが好ましく、具体的には、200μm以下の間隙をおいて配置されることが好ましい。
4.着色層形成工程
次に、本発明における着色層形成工程について説明する。本発明における着色層形成工程は、上記濡れ性変化パターン上に、インクジェット法により着色層を形成する工程である(図1(e)参照)。
本工程において用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェット装置を用いることができるが、中でも圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法であることが好ましい。
本工程において、着色層は上述したように光触媒含有層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンに沿って、具体的には親液性領域上に形成される。
このような着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。この着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
本工程において用いられる着色層形成用塗工液等としては、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
5.その他
本発明においては、さらに透明電極層であるITO膜を形成する工程や、オーバーコート層を形成する工程等、通常カラーフィルタに形成される他の部材を形成する工程が行われてもよい。これらについても、通常のカラーフィルタの製造方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.パターン形成用反射基板
次に、本発明のパターン形成用反射基板について説明する。本発明のパターン形成用反射基板は、光触媒を励起するエネルギーを反射することができる反射層と、上記反射層表面に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層とを有することを特徴とするものである。このようなパターン形成用反射基板を用いることにより、例えば、上記「A.カラーフィルタの製造方法」に示すようなカラーフィルタの製造を効率的に行うことができる。
本発明のパターン形成用反射基板を構成する反射層および光触媒処理層、さらには基体等については、上記「A.カラーフィルタの製造方法」において説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記「B.パターン形成用反射基板」で説明したパターン形成用反射基板は、上記「A.カラーフィルタの製造方法」で説明したような光触媒を含むパターン形成体に対してのみならず、光触媒の作用により表面の特性が変化する特性変化層を表面に有するパターン形成体であれば、光触媒を含まないものに対しても用いることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例1>
1.遮光部の形成
先ず、厚さ1.1mmのソーダガラス基板上に、下記の組成からなる、遮光材料を塗布した後、100℃で15分間プリベークして遮光材料を乾燥させて成膜した。この際、遮光材料は、スピンコート法により塗布した。スピンコートの条件は、1500rpm/minとした。
・カーボンブラック(黒色顔料) 28.5%
・部分環化ポリイソプレン(ネガ型フォトポリマー) 15.0%
・芳香族ビスアジド(感光剤) 1.5%
・その他添加剤 0.3%
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤)
54.7%
次に、上記のようにして形成した遮光材料の薄膜に、フォトマスクを介して紫外線を照射して、300mJ/cm2の露光量で露光した後、現像、リンスして遮光部を形成した。現像には、現像液として、0.1%、NaCO3水溶液を用いた。その後、上記で得られた遮光部を乾燥した後、200℃で10分間ポストベークして膜厚1.2μm線幅30μm、開口部100μm×200μmの格子型の遮光部が得られた。
2.光触媒含有層の形成
イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルシランが主成分であるMF−160E(トーケムプロダクツ(株)製)0.4gとトリメトキシメチルシラン(東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと、光触媒である酸化チタン水分散体であるST−K01(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
上記組成物を上記遮光部が形成されたソーダガラス製の透明基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.2μm)を形成した。
3.露光による親液性領域の形成の確認
この光触媒含有層にマスクを介して水銀灯(波長365nm)により70mW/cm2の照度で50秒間パターン露光を行い露光部を形成し、非露光部及び露光部との液体との接触角を測定した。非露光部においては、表面張力30mN/mの液体(純正化学株式会社製、エチレングリコールモノエチルエーテル)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、30度であった。また露光部では、表面張力50mN/mの液体(純正化学株式会社製、ぬれ指数標準液No.50)との接触角を同様にして測定した結果、7度であった。このように、露光部が非露光部と比較して親液性領域となり、露光部と非露光部との濡れ性の相違によるパターン形成が可能なことが確認された。
4.着色層の形成
次に、上記遮光部が形成された面に光触媒含有層と間隙が0.5mmとなるようにアルミニウムを0.2μm蒸着したガラス板のアルミニウム面を対向させ、遮光部が形成されていない裏面から全面露光を行った。露光条件を、水銀灯(波長365nm)により70mW/cm2の照度で20秒間とし、着色層用露光部を親液性とした。
次に、RGB用各インクジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量部、アクリル酸/ベンシルアクリレート共重合体70重量部、2官能エポキシ含有モノマー5重量部を含むRGB各色の熱硬化型ポリエポキシアクリレートインクを、親液性とした着色層用露光部に付着させ着色し、150℃、30分加熱処理を行い硬化させた。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigment Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green 36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15+ C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
これにより、線幅100μm、遮光部30μmのRGBストライプカラーフィルターが得られた。
<実施例2>
実施例1の対向アルミニウム基板の代わりに、上記アルミニウム蒸着面上に実施例1の「2.光触媒含有層の形成」と同様の方法で、光触媒処理層が0.2μm形成された光触媒処理層付反射板を用い、光触媒含有層と光触媒処理層との間隙を0.2mmとして、遮光部が形成されていない裏面から全面露光を行った以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、実施例1では20秒の露光でストライプカラーフィルターが形成されたが、本実験ではさらに露光時間を10秒に減少させても同様のストライプカラーフィルターが形成され、感度の向上が見られた。
<比較例1>
露光方法として、対向アルミニウム基板を用いず、かつ裏面露光は行わないで、光触媒含有層にマスクを介して水銀灯(波長365nm)により70mW/cm2の照度で20秒間パターン露光を行った以外は、実施例1と同様にカラーフィルタを作成したところ、着色層内に着色インクがぬれ広がらず、白抜けが生じた。
50秒間露光を行うことで、ようやく濡れ性の差が大きくなり、カラーフィルター形成が可能となるという、実施例と比較して感度が低いものであった。
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1…透明基材
2…遮光部
3…光触媒含有層
4…エネルギー
8…反射層
9…反射基板
10…着色層
11…カラーフィルタ

Claims (3)

  1. 透明基材上に、遮光部を形成する遮光部形成工程と、
    前記透明基材および前記遮光部を覆うように、光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程と、
    前記透明基材側からエネルギーを照射することにより、前記光触媒含有層の濡れ性が変化した濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と、
    前記濡れ性変化パターン上に、インクジェット法により着色層を形成する着色層形成工程と
    を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記濡れ性変化パターン形成工程において、前記光触媒含有層側にエネルギーを反射することができる反射層を有する反射基板を、反射層が光触媒含有層側となるように配置することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記反射層表面に、少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層を有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 光触媒を励起するエネルギーを反射することができる反射層と、前記反射層表面に形成され、少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層とを有することを特徴とするパターン形成用反射基板。
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