JP2004020743A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、コストが安く、かつ形成が容易な高精細なパターンが形成可能であるカラーフィルタの製造方法の提供が望まれている
【解決手段】本発明は、
(1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
(2)前記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、前記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)この画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供することにより上記目的を達成するものである。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
【0003】
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
【0004】
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
【0005】
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
【0006】
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。しかしながら、いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のことから、コストが安く、かつ形成が容易な高精細なパターンが形成可能であるカラーフィルタの製造方法の提供が望まれている。
【0008】
【課題が解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載するように、
(1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
(2)上記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、上記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)この画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第一実施態様とする。)を提供する。
【0009】
本実施態様においては、予め遮光部が形成された透明基材上に分解除去層を設け、分解除去層に対向するように、光触媒含有層側基板を配置後、エネルギーを照射することにより、容易に画素部が形成される画素部形成部の分解除去層を分解除去することができる。ここで、上記分解除去層が、上記透明基材表面と比較して、液体との接触角が高いことから、分解除去層が分解除去されて透明基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となる。したがって、親液性領域とされた画素部形成部に、インクジェット方式でインクを付着させた場合、付着したインクが画素部形成部間に存在する撥液性領域を越えて移動することは困難であることから、インクの混色等の問題が生じる可能性が少なく、高精細なパターンを形成することが可能となるのである。さらに、画素部形成部が親液性領域であることから、インクジェット法により均一にインクが付着した画素部を得ることができ、色抜けがなくかつ色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【0010】
上記請求項1に記載の第一実施態様においては、請求項2に記載するように、上記分解除去層を形成する工程の後に、上記光触媒含有層と上記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した遮光部からなる撥液性凸部形成部をパターン状に形成する工程と、上記撥液性凸部形成部に撥液性凸部を形成する工程とを有していてもよい。
【0011】
このように、遮光部上の分解除去層上にもエネルギーを照射して撥液性凸部形成部を形成することができる。したがって、例えば上記分解除去層と上記遮光部の液体との接触角が異なる場合には、容易に撥液性凸部を撥液性凸部用塗料を塗布等することにより、所定の幅および均一な高さに形成することが可能となる。また、この凸部は撥液性であることから、画素部を形成する際にインクが画素部の境界を越えて移動することは困難であり、インクの混色等を防止することが可能となる。また、画素部を形成する際の光触媒含有層側基板を用いたエネルギー照射の際に、この撥液性凸部と光触媒含有層とを接触させることにより、撥液性凸部を一定の間隙を保つスペーサとして機能させることが可能となる。
【0012】
また、本発明においては、請求項3に記載するように、
(1)透明基材上に上記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(2)上記分解除去層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
(3)上記遮光部形成部に遮光部を形成する工程と、
(4)上記遮光部が形成された上記分解除去層と上記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(5)上記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第二実施態様とする。)を提供する。
【0013】
本実施態様においては、まず透明基材上に分解除去層を形成する。この分解除去層が、上記透明基材表面と比較して、液体との接触角が高いことから、分解除去層が分解除去され、透明基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となる。よって、上記透明基材上の遮光部形成部に、光触媒含有層を用いてエネルギー照射することにより遮光部形成部の分解除去層が分解除去され、透明基材からなる親液性領域とすることができる。これにより、容易に親液性領域とされた遮光部形成部に、遮光部形成部用インクを塗布する等して遮光部を形成することができる。したがって、従来の遮光部を形成する際に行われていたエネルギー照射後の現像工程やエッチング工程を行う必要が無いことから効率良く遮光部を形成することができる。また、遮光部形成後、例えば全面にエネルギーを照射することにより、容易に画素部を形成する画素部形成部親液性領域とすることができる。よって、この部分にインクジェット方式で着色すれば、均一にインクが付着した画素部とすることができ、色抜けや色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【0014】
また、本発明においては、請求項4に記載するように、
(1)透明基材上に上記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(2)上記分解除去層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(3)上記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
(4)上記画素部が形成された上記分解除去層と上記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
(5)上記遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第三実施態様とする。)を提供する。
【0015】
本実施態様においては、まず透明基材上に分解除去層を形成する。ここで、上記分解除去層が、上記透明基材表面と比較して、液体との接触角が高いことから、分解除去層が分解除去され、透明基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となる。よって、上記透明基材上の画素部形成部に、光触媒含有層側基板を用いてエネルギー照射することにより画素部形成部の分解除去層が分解除去され、透明基材からなる親液性領域とすることが可能である。この親液性領域である画素部形成部にインクジェット方式でインクを付着させることにより、インクが均一に広がり色むら等が生じない。また、画素部との境界部分である遮光部形成部は、分解除去層が残存する撥液性領域のままである。したがって、親液性領域である画素部形成部に付着されたインクがこの撥液性領域である遮光部形成部を越えて移動することは困難であるといえる。したがって、インクの混色等の問題が生じない。このようにして画素部を形成した後、画素部間の遮光部形成部にエネルギーを照射することにより、この部分の分解除去層が分解除去され、透明基材からなる親液性領域とすることができる。したがって、この部分に例えば遮光部用インクを塗布することにより、容易に遮光部を形成することができる。
【0016】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項5に記載するように、上記分解除去層が分解除去されて透明基材が露出した画素部形成部を形成した後、そこにインクジェット方式で着色して画素部を形成する工程が、
(a)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる第1画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(b)上記第1画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第1画素部を形成する工程と、
(c)上記光触媒含有層と上記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる第2画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(d)上記第2画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第2画素部を形成する工程と
を含んでいてもよい。
【0017】
本発明においては、画素部の形成を、画素部形成部にインクジェット方式で、インクを塗布して着色を行うが、この隣り合う画素部形成部が近接している場合には、インク塗布時に隣り合うインクが混じる可能性がある。そこで、上述したように、まず、第1画素部を形成した後、第2画素部を形成する方法をとれば、例えば、第1画素部を形成する際に、第1画素部を一つおきに形成するようにパターン状にエネルギー照射を行うことが可能であり、一回目の画像部の形成に際して隣り合う画素部同士を離れた状態とすることが可能となる。このように、着色する領域の間に比較的広い撥液性領域を有する状態で第1画素部形成部を形成して、ここにインクジェット方式で着色することにより、隣り合う画素部のインクが混じり合うという不都合が生じる可能性がなくなる。このようにして設けた第1画素部間に再度エネルギーを照射して、第2画素部形成部を形成し、ここにインクジェット方式で着色することにより、インクが混合する等の不具合の無いカラーフィルタを形成することが可能となるのである。
【0018】
また、請求項1または請求項2に記載の第一実施態様においては、請求項6に記載するように、上記画素部の幅が、上記遮光部により形成される開口部の幅より広く形成されることが好ましい。このように画素部の幅を遮光部により形成される開口部より広くとることにより、バックライト光が画素部以外の部分を通過する可能性を少なくすることができ、色抜け等を防止することができるからである。
【0019】
上記請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項7に記載するように、上記光触媒含有層と上記分解除去層とを、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隙をおいて配置することが好ましい。光触媒含有層と分解除去層との間隙が、上記の範囲内であることから、短時間のエネルギー照射により分解除去層の分解除去を行うことができるからである。
【0020】
上記請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項8に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基体と、上記基体上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有していてもよい。このように、光触媒含有層をパターン状に形成することにより、フォトマスクを用いることなく分解除去層をパターン状に分解除去することが可能となるからである。また、光触媒含有層のパターンに対向するカラーフィルタ用基板の分解除去層のみ分解除去されるものであるので、照射するエネルギーは特に平行なエネルギーに限られるものではなく、また、エネルギーの照射方向も特に限定されるものではないことから、エネルギー源の種類および配置の自由度が大幅に増加するという利点を有する。
【0021】
また、上記請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項9に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基体と、上記基体上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、上記エネルギー照射工程におけるエネルギーの照射が、光触媒含有層側基板から行なわれるものであってもよい。このように、光触媒含有層側基板に、光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、光触媒含有層側基板側からエネルギーを照射することにより、フォトマスクを使用することなく、分解除去層をパターン状に分解除去することが可能となるからである。また、フォトマスクを用いないことから、フォトマスクの位置合わせ等の工程が不要となり、工程を簡略化することが可能となるからである。
【0022】
上記請求項9に記載の発明においては、請求項10に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記基体上に光触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層上に上記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されているものであってもよく、請求項11に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層側遮光部が上記基体上にパターン状に形成され、さらにその上に上記光触媒含有層が形成されているものであってもよい。これにより、上記光触媒含有層側遮光部のみパターンの形成を行えばよく、上記光触媒含有層は全面に形成することが可能であることから、光触媒含有層側基板全体の形成が容易となり、コストや製造効率の面等からも好ましいからである。
【0023】
また、上記請求項11に記載の発明においては、請求項12に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、透明な基体上にパターン状に形成された光触媒含有層側遮光部上にプライマー層を介して光触媒含有層が形成されたものであってもよい。これにより、光触媒含有層側遮光部のパターニングの際に生じる、光触媒含有層側遮光部もしくは光触媒含有層側遮光部間の開口部に存在する残渣等が、光触媒の作用に影響を与えることを防止することが可能となる。したがって、光触媒の感度を向上させることが可能であり、短時間のエネルギー照射により分解除去層を分解除去したパターンを得ることができるからである。
【0024】
上記請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項13に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜10μmの範囲内であるスペーサがパターン状に形成されており、上記スペーサと上記分解除去層とを接触させてエネルギー照射することが好ましい。このスペーサが形成された部分は光触媒含有層がスペーサにより覆われることから、この部分はエネルギー照射されても分解除去層上は分解除去されない。したがって、スペーサが形成されたパターン以外の分解除去層を分解除去することが可能となる。
【0025】
さらに、上記請求項13に記載の発明においては、請求項14に記載するように、上記スペーサが、遮光性の材料で形成された光触媒含有層側遮光部であることが好ましい。スペーサが光触媒含有層側遮光部であることにより、光触媒含有層側遮光部を分解除去層に密着させた状態でエネルギー照射を行うことにより、より高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0026】
上記請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項15に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることが好ましい。光触媒含有層が光触媒のみからなる層であれば、分解除去層を分解除去する効率を向上させることが可能であり、効率的にカラーフィルタを製造することができるからである。
【0027】
上記請求項15に記載の発明においては、請求項16に記載するように上記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基体上に製膜してなる層であることが好ましい。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく均一な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であり、分解除去層の分解除去を高効率で行うことができるからである。
【0028】
上記請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項17に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であってもよい。このようにバインダを用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成することが可能となり、結果的に低コストでカラーフィルタの製造を行うことができるからである。
【0029】
上記請求項1から請求項17までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項18に記載するように、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましい。上記光触媒が、上記の物質であることにより、効率よく触媒反応を進行させることが可能であるからである。また、上記の物質の中でも、請求項19に記載するように、上記光触媒が酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0030】
上記請求項1から請求項19までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項20に記載するように、上記エネルギー照射が、光触媒含有層を加熱しながらなされるものであってもよい。上記エネルギー照射を、光触媒含有層を加熱しながら行うことにより、光触媒の効果を高めることが可能となり、短時間のエネルギー照射により分解除去層を分解除去することができるからである。
【0031】
上記請求項1から請求項20までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項21に記載するように、上記透明基材上の液体との接触角が、表面張力40mN/mの液体との接触角として10度未満であることが好ましい。上記分解除去層が光触媒により分解除去された際に露出した透明基材上の液体との接触角が、上記の値であることにより、露出した透明基材を親液性領域とすることが可能となり、インクジェット法等により容易に画素部および遮光部を形成することが可能となるからである。
【0032】
上記請求項1から請求項21までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項22に記載するように、上記分解除去層上の表面張力40mN/mの液体との接触角が、10°以上であることが好ましい。上記分解除去層上の液体との接触角が上記の値であることにより、分解除去されて露出した基材と比較して撥液性とすることが可能であることから、容易にカラーフィルタを製造することが可能となるからである。
【0033】
上記請求項1から請求項22までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項23に記載するように、上記分解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることが好ましい。これらの膜は、薄膜を形成することが容易であり、また比較的強度も強く、基材への密着も良いからである。
【0034】
上記請求項1から請求項23までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項24に記載するように、上記遮光部が、樹脂からなることが好ましい。上記遮光部が樹脂であることにより、湿式法により容易に形成することができるからである。
【0035】
また、本発明は請求項25に記載するように、透明基材と、この透明基材上にインクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた画素部と、この画素部の境界部分に設けられた遮光部と、上記画素部もしくは上記遮光部を形成するために設けられた、光触媒により分解除去が可能な分解除去層とを有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【0036】
本発明によれば、上記画素部もしくは上記遮光部を形成するために設けられた、光触媒により分解除去が可能な分解除去層を有することにより、高精細なパターンを形成することが可能であり、かつ製造が容易なカラーフィルタを提供することが可能となるからである。
【0037】
本発明は、請求項26に記載するように、透明基材と、この透明基材上にインクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた画素部と、この画素部の境界部分に設けられた遮光部と、上記遮光部上に形成された光触媒の作用により分解除去が可能な分解除去層とを有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。上記遮光部上に、液体との接触角が透明基材上より大きい分解除去層が形成されていることにより、カラーフィルタの形成時に、インクの混色等を防止することが可能であり、高精細なパターンを有するカラーフィルタを提供することが可能となるからである。
【0038】
本発明においては、請求項27に記載するように、請求項1から請求項24までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタと、これに対向する基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入してなることを特徴とする液晶表示装置を提供する。上述したカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタは、高精細なパターンを有し、かつ低コストで生産可能であることから、このカラーフィルタを用いることにより、低コストで高精細な液晶表示装置とすることが可能となるからである。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明は、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、および液晶表示装置に関するものである。以下、それぞれについて説明する。
【0040】
A.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法を、5つの実施態様を含むものである。以下、各実施態様ごとに説明する。
【0041】
1.第一実施態様
本発明のカラーフィルタの製造方法の第一実施態様は、
(1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
(2)上記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、上記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)この画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とする方法である。
【0042】
本実施態様においては、例えば図1に示すように、透明基材1上に遮光部2を形成し(図1(A))、その面に分解除去層3を形成し、カラーフィルタ用基板4を調製する(図1(B))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23と、分解除去層3とを一定の間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いて、光触媒含有層側基板21側から、エネルギー10を照射する(図1(C))。これにより、エネルギー照射された画素部形成部5の分解除去層3が分解除去される。ここで、上記分解除去層3が、上記透明基材1表面と比較して、液体との接触角が高いことから、分解除去層3が分解除去され、透明基材1が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層3が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となる。このことから、上記工程で分解除去層3が分解除去された画素部形成部5は親液性領域とされており、この画素部形成部5にインクジェット装置11を用いて画素部形成部用インク12を付着させることにより、画素部6を形成する(図1(D)、(E))。
【0043】
以下、これらの工程についてそれぞれわけて説明する。なお、本実施態様におけるカラーフィルタ用基板とは、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタが、製造工程中である状態の基板を示すものである。
【0044】
(遮光部の形成工程)
まず、遮光部の形成工程について説明する。本実施態様の遮光部は、例として図1(A)に示すように、従来の方法により透明基材1上に遮光部2が形成される。このような、本実施態様の遮光部形成工程に用いられる透明基材および遮光部について以下説明する。
【0045】
本実施態様においては、例えば図1に示されるように、透明基材1上に、後述する遮光部2や、分解除去層3が設けられる。この透明基材としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。本実施態様において、透明基材は通常透明なものを用いるが、反射性の基材や白色に着色した基材でも用いることは可能である。また、透明基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施したものを用いてもよい。
【0046】
本実施態様においては透明基材上が親液性であることが好ましく、具体的には、表面張力40mN/mの液体との接触角として10度未満であることが好ましく、さらに好ましくは、表面張力40mN/mの液体との接触角として5度以下、特に好ましくは1度以下であることである。また、透明基材は表面を親液性となるように、表面処理したものであってもよい。材料の表面を親液性となるように表面処理した例としては、アルゴンや水などを利用したプラズマ処理による親液性表面処理が挙げられ、透明基材上に形成する親液性の層としては、例えばテトラエトキシシランのゾルゲル法によるシリカ膜等を挙げることができる。本実施態様においては、通常透明基材が露出した部分が親液性領域とされる。
【0047】
ここで、本実施態様においては、その領域の液体との接触角が、隣接する領域の液体との接触角より1度以上小さければ親液性領域ということとし、逆にその領域が隣接する領域の液体との接触角より1度以上大きければ撥液性領域とすることとする。
【0048】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた値である。
【0049】
次に、本実施態様における、遮光部について説明する。
【0050】
本実施態様において、上記透明基材上に遮光部を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により、厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成する方法等を挙げることができる。
【0051】
また、上記遮光部としては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよく、本実施態様においては、この樹脂性遮光部であることが好ましい。このような樹脂性遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができ、一般的に金属薄膜を用いた場合より、厚さを高くすることが可能である。
【0052】
また、用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このよう樹脂性遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。本実施態様においては、樹脂性遮光部が、湿式法により容易に形成することができることから好ましいといえる。
【0053】
(分解除去層を形成する工程)
次に、分解除去層を形成する工程について説明する。本実施態様の分解除去層を形成する工程においては、例えば図1(B)に示すように、上述した遮光部2の形成工程により形成されたカラーフィルタ用基板4上に、分解除去層3が形成される。以下、この分解除去層について説明する。
【0054】
本実施態様における分解除去層とは、上述した透明基材と比較して、液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される層であればいかなる層であってもよい。
【0055】
このように分解除去層は、エネルギー照射した部分が光触媒の作用により分解除去されることから、現像工程や洗浄工程を行うことなく分解除去層のある部分と無い部分からなるパターン、すなわち凹凸を有するパターンを形成することができる。
【0056】
なお、この分解除去層は、エネルギー照射による光触媒の作用により酸化分解され、気化等されることから、現像・洗浄工程等の特別な後処理なしに除去されるものであるが、分解除去層の材質によっては、洗浄工程等を行ってもよい。
【0057】
また、本実施態様に用いられる分解除去層は、凹凸を形成するのみならず、この分解除去層が、上記透明基材表面と比較して、液体との接触角が高いことから、分解除去層が分解除去され、透明基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となる。また、この親液性領域にインクジェット方式でインクを付着させること等により、種々のパターンを形成することが可能となる。
【0058】
ここで、本実施態様の分解除去層表面の液体との接触角は、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の値を示すことが好ましい。上記範囲より、液体との接触角が小さい場合は、分解除去層が分解除去され、上述した透明基材が露出した領域を親液性領域、分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが困難であり、高精細なパターンの形成が難しいからである。ここで、液体との接触角は、上述した方法により測定した値である。本実施態様においては、このように分解除去層が残存する部分が通常撥液性領域とされる。
【0059】
このような分解除去層に用いることができる膜としては、具体的にはフッ素系や炭化水素の撥液性を有する樹脂等による膜を挙げることができる。これらのフッ素系や炭化水素系の樹脂は、撥液性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、これらの樹脂を溶媒に溶解させ、例としてスピンコート法等の一般的な成膜方法により形成することが可能である。
【0060】
また、本発明においては、機能性薄膜、すなわち、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜等を用いることにより、欠陥のない膜を形成することが可能であることから、このような成膜方法を用いることがより好ましいといえる。
【0061】
ここで、本実施態様に用いられる自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜について具体的に説明する。
【0062】
(i)自己組織化単分子膜
自己組織化単分子膜(Self−Assembled Monolayer)の公式な定義の存在を発明者らは知らないが、一般的に自己組織化膜として認識されているものの解説文としては、例えばAbraham Ulmanによる総説”Formation and Structure of Self−Assembled Monolayers”, Chemical Review, 96, 1533−1554 (1996)が優れている。本総説を参考にすれば、自己組織化単分子膜とは、適当な分子が適当な基板表面に吸着・結合(自己組織化)した結果生じた単分子層のことと言える。自己組織化膜形成能のある材料としては、例えば、脂肪酸などの界面活性剤分子、アルキルトリクロロシラン類やアルキルアルコキシド類などの有機ケイ素分子、アルカンチオール類などの有機イオウ分子、アルキルフォスフェート類などの有機リン酸分子などが挙げられる。分子構造の一般的な共通性は、比較的長いアルキル鎖を有し、片方の分子末端に基板表面と相互作用する官能基が存在することである。アルキル鎖の部分は分子同士が2次元的にパッキングする際の分子間力の源である。もっとも、ここに示した例は最も単純な構造であり、分子のもう一方の末端にアミノ基やカルボキシル基などの官能基を有するもの、アルキレン鎖の部分がオキシエチレン鎖のもの、フルオロカーボン鎖のもの、これらが複合したタイプの鎖のものなど様々な分子から成る自己組織化単分子膜が報告されている。また、複数の分子種から成る複合タイプの自己組織化単分子膜もある。また、最近では、デンドリマーに代表されるような粒子状で複数の官能基(官能基が一つの場合もある)を有する高分子や直鎖状(分岐構造のある場合もある)の高分子が一層基板表面に形成されたもの(後者はポリマーブラシと総称される)も自己組織化単分子膜と考えられる場合もあるようである。本実施態様は、これらも自己組織化単分子膜に含める。
【0063】
(ii)ラングミュア−ブロジェット膜
本実施態様に用いられるラングミュア−ブロジェット膜(Langmuir−Blodgett Film)は、基板上に形成されてしまえば形態上は上述した自己組織化単分子膜との大きな相違はない。ラングミュア−ブロジェット膜の特徴はその形成方法とそれに起因する高度な2次元分子パッキング性(高配向性、高秩序性)にあると言える。すなわち、一般にラングミュア−ブロジェット膜形成分子は気液界面上に先ず展開され、その展開膜がトラフによって凝縮されて高度にパッキングした凝縮膜に変化する。実際は、これを適当な基板に移しとって用いる。ここに概略を示した手法により単分子膜から任意の分子層の多層膜まで形成することが可能である。また、低分子のみならず、高分子、コロイド粒子なども膜材料とすることができる。様々な材料を適用した最近の事例に関しては宮下徳治らの総説“ソフト系ナノデバイス創製のナノテクノロジーへの展望” 高分子 50巻 9月号 644−647 (2001)に詳しく述べられている。
【0064】
(iii)交互吸着膜
交互吸着膜(Layer−by−Layer Self−Assembled Film)は、一般的には、最低2個の正または負の電荷を有する官能基を有する材料を逐次的に基板上に吸着・結合させて積層することにより形成される膜である。多数の官能基を有する材料の方が膜の強度や耐久性が増すなど利点が多いので、最近ではイオン性高分子(高分子電解質)を材料として用いることが多い。また、タンパク質や金属や酸化物などの表面電荷を有する粒子、いわゆる“コロイド粒子”も膜形成物質として多用される。さらに最近では、水素結合、配位結合、疎水性相互作用などのイオン結合よりも弱い相互作用を積極的に利用した膜も報告されている。比較的最近の交互吸着膜の事例については、静電的相互作用を駆動力にした材料系に少々偏っているがPaula T. Hammondによる総説”Recent Explorations in Electrostatic Multilayer Thin Film Assembly” Current Opinion in Colloid & Interface Science, 4, 430−442 (2000)に詳しい。交互吸着膜は、最も単純なプロセスを例えば説明すれば、正(負)電荷を有する材料の吸着−洗浄−負(正)電荷を有する材料の吸着−洗浄のサイクルを所定の回数繰り返すことにより形成される膜である。ラングミュア−ブロジェット膜のように展開−凝縮−移し取りの操作は全く必要ない。また、これら製法の違いより明らかなように、交互吸着膜はラングミュア−ブロジェット膜のような2次元的な高配向性・高秩序性は一般に有さない。しかし、交互吸着膜及びその作製法は、欠陥のない緻密な膜を容易に形成できること、微細な凹凸面やチューブ内面や球面などにも均一に成膜できることなど、従来の成膜法にない利点を数多く有している。
【0065】
また、分解除去層の膜厚としては、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギーにより分解除去される程度の膜厚であれば特に限定されるものではない。具体的な膜厚としては、照射されるエネルギーの種類や分解除去層の材料等により大きく異なるものではあるが、一般的には、0.001μm〜1μmの範囲内、特に0.01μm〜0.1μmの範囲内とすることが好ましい。
【0066】
(画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、本実施態様における画素部形成部をパターンを形成する工程について説明する。本実施態様における画素部形成部をパターン状に形成する工程は、例えば図1(C)に示すように、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と、分解除去層3とを200μm以下となるように間隙をおいて配置し、画素部形成部のパターン状にフォトマスク24を用いてエネルギー10をパターン状に照射する。これにより、分解除去層3が分解除去され親液性領域とされた画素部形成部5を形成する工程である。この工程は、まず光触媒含有層基板を調製し、その光触媒含有層基板を上述した分解除去層と間隙をおいて配置し、エネルギー照射を行う。以下、これらの工程について説明する。
【0067】
a.光触媒含有層基板の調製
本実施態様における、光触媒含有層側基板について説明する。
【0068】
この光触媒含有層側基板は、基体と、この基体上に形成された光触媒を含有する光触媒含有層とを有するものである。このような光触媒含有層側基板は、少なくとも光触媒含有層と基体とを有するものであり、通常は基体上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層が形成されてなるものである。また、この光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された遮光部が形成されたものも用いることができる。以下、これらの各構成について説明する。
【0069】
(i)光触媒含有層
本実施態様に用いられる光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、対象とする分解除去層を分解するような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面は親液性であっても撥液性であってもよい。
【0070】
本実施態様において用いられる光触媒含有層は、例えば図2(a)に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に、光触媒含有層23が全面に形成されたものであってもよいが、例えば図3に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に光触媒含有層23がパターン上に形成されたものであってもよい。
【0071】
このように光触媒含有層をパターン状に形成することにより、後述するエネルギー照射工程において説明するように、光触媒含有層を分解除去層と所定の間隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォトマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全面に照射することにより、分解除去層をパターン状に分解することができる。
【0072】
この光触媒含有層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソ法等により行うことが可能である。
【0073】
また、実際に光触媒含有層に面する分解除去層上の部分のみ分解除去されることから、エネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と分解除去層とが面する部分にエネルギーが照射されるものであれば、いかなる方向から照射されてもよく、さらには、照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定されないという利点を有するものとなる。
【0074】
このように光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本実施態様においては、このキャリアが光触媒含有層近傍に配置される分解除去層中の化合物に作用を及ぼすものであると思われる。
【0075】
本実施態様で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0076】
本実施態様においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0077】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0078】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0079】
本実施態様における光触媒含有層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
【0080】
光触媒のみからなる光触媒含有層の場合は、分解除去層上の分解除去に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
【0081】
光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより分解除去層の分解を均一に行うことが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に分解除去層の分解を行うことが可能となる。
【0082】
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基体上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0083】
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0084】
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基体上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかできる。
【0085】
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0086】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基体上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0087】
バインダを用いた場合の光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0088】
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0089】
さらに、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0090】
(ii)基体
本実施態様においては、図2(a)に示すように、光触媒含有層側基板21は、少なくとも基体22とこの基体22上に形成された光触媒含有層23とを有するものである。この際、用いられる基体を構成する材料は、後述するエネルギー照射工程におけるエネルギーの照射方向や、得られるカラーフィルタが透明性を必要とするか等により適宜選択される。
【0091】
すなわち、例えば図2(b)に示すように、フォトマスク24を光触媒含有層側基板21側に配置して、パターンを形成する場合や、後述するように光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部を予め所定のパターンで形成しておき、この光触媒含有層側遮光部を用いてパターンを形成する場合においては、光触媒含有層側からエネルギー照射をする必要がある。このような場合、基体は透明性を有するものであることが必要となる。
【0092】
一方、カラーフィルタ用基板側にフォトマスクを配置してエネルギーを照射することも可能である。また、このカラーフィルタ用基板内に遮光部を形成する場合は、カラーフィルタ用基板側からエネルギーを照射してもよい。このような場合においては、基体の透明性は特に必要とされない。
【0093】
また本実施態様に用いられる基体は、可撓性を有するもの、例えば樹脂性フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。これは、後述するエネルギー照射工程におけるエネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
【0094】
このように、本実施態様における光触媒含有層側基板に用いられる基体は特にその材料を限定されるものではないが、本実施態様においては、この光触媒含有層側基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性が良好である材料が好適に用いられる。
【0095】
具体的には、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができる。
【0096】
なお、基体表面と光触媒含有層との密着性を向上させるために、基体上にアンカー層を形成するようにしてもよい。このようなアンカー層としては、例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
【0097】
(iii)光触媒含有層側遮光部
本実施態様に用いられる光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたものを用いても良い。このように光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板を用いることにより、エネルギー照射に際して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有利となるという利点を有する。
【0098】
このような光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板は、光触媒含有層側遮光部の形成位置により、下記の二つの実施態様とすることができる。
【0099】
一つが、例えば図4に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に光触媒含有層側遮光部25を形成し、この光触媒含有層側遮光部25上に光触媒含有層23を形成する実施態様である。もう一つは、例えば図5に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に光触媒含有層23を形成し、その上に光触媒含有層側遮光部25を形成する実施態様である。
【0100】
いずれの実施態様においても、フォトマスクを用いる場合と比較すると、光触媒含有層側遮光部が、上記光触媒含有層と分解除去層とが間隙をもって位置する部分の近傍に配置されることになるので、基体内等におけるエネルギーの散乱の影響を少なくすることができることから、エネルギーのパターン照射を極めて正確に行うことが可能となる。
【0101】
さらに、上記光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部を形成する実施態様においては、光触媒含有層と分解除去層とを所定の間隙をおいて配置する際に、この光触媒含有層側遮光部の膜厚をこの間隙の幅と一致させておくことにより、上記光触媒含有層側遮光部を上記間隙を一定のものとするためのスペーサとしても用いることができるという利点を有する。
【0102】
すなわち、所定の間隙をおいて上記光触媒含有層と分解除去層とを配置する際に、上記光触媒含有層側遮光部と分解除去層とを密着させた状態で配置することにより、上記所定の間隙を正確とすることが可能となり、そしてこの状態で光触媒含有層側基板からエネルギーを照射することにより、分解除去層が分解除去されたパターンを精度良く形成することが可能となるのである。
【0103】
このような光触媒含有層側遮光部の形成方法は、特に限定されるものではなく、光触媒含有層側遮光部の形成面の濡れ性や、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。ここで、光触媒含有層側遮光部の形成方法および材料は、上述した遮光部と同様である。このような光触媒含有層側遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。また、光触媒含有層側遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0104】
なお、上記説明においては、光触媒含有層側遮光部の形成位置として、基体と光触媒含有層との間、および光触媒含有層表面の二つの場合について説明したが、その他、基体の光触媒含有層が形成されていない側の表面に光触媒含有層側遮光部を形成する態様もとることが可能である。この態様においては、例えばフォトマスクをこの表面に着脱可能な程度に密着させる場合等が考えられ、カラーフィルタを小ロットで変更するような場合に好適に用いることができる。
【0105】
(iv)プライマー層
本実施態様において、上述したように基体上に光触媒含有層側遮光部をパターン状に形成して、その上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側基板とする場合においては、上記光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することが好ましい。
【0106】
このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することにより、プライマー層は光触媒の作用による分解除去層の分解除去を阻害する要因となる光触媒含有層側遮光部および光触媒含有層側遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、光触媒含有層側遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で分解除去の処理が進行し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
【0107】
なお、本実施態様においてプライマー層は、光触媒含有層側遮光部のみならず光触媒含有層側遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた光触媒含有層側遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
【0108】
図6はこのようなプライマー層を形成した光触媒含有層側基板の一例を示すものである。光触媒含有層側基板21の光触媒含有層側遮光部25が形成された基体22の光触媒含有層側遮光部25が形成されている側の表面にプライマー層26が形成されており、このプライマー層26の表面に光触媒含有層23が形成されている。
【0109】
本実施態様におけるプライマー層は、光触媒含有層側基板の光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
【0110】
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0111】
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
【0112】
b.エネルギー照射工程
本実施態様においては、次に、光触媒含有層および分解除去層を200μm以下の間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射する工程が行われる。この工程において、光触媒含有層および分解除去層は、密着してエネルギー照射が行われるものであってもよい。
【0113】
本実施態様において上記間隙は、パターン精度が極めて良好であり、光触媒の感度も高く、したがって分解除去の効率が良好である点を考慮すると特に0.2μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小面積のカラーフィルタ用基板に対して特に有効である。
【0114】
一方、例えば300mm×300mmといった大面積のカラーフィルタ用基板に対して処理を行う場合は、接触することなく、かつ上述したような微細な間隙を光触媒含有層側基板とカラーフィルタ用基板との間に形成することは極めて困難である。したがって、カラーフィルタ用基板が比較的大面積である場合は、上記間隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μmの範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲内とすることにより、パターンがぼやける等のパターン精度の低下の問題や、光触媒の感度が悪化して分解除去の効率が悪化する等の問題が生じることなく、さらに分解除去層上の分解除去にムラが発生しないといった効果を有するからである。
【0115】
このように比較的大面積のカラーフィルタ用基板をエネルギー照射する際には、エネルギー照射装置内の光触媒含有層側基板とカラーフィルタ用基板との位置決め装置における間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に25μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。設定値をこのような範囲内とすることにより、パターン精度の大幅な低下や光触媒の感度の大幅な悪化を招くことなく、かつ光触媒含有層側基板とカラーフィルタ用基板とが接触することなく配置することが可能となるからである。
【0116】
このように光触媒含有層と分解除去層表面とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやすくなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と分解除去層との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着がしにくくなり、結果的に分解除去速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。また、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が分解除去層に届き難くなり、この場合も分解除去の変化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。
【0117】
本実施態様においては、このような間隙をおいた配置状態は、少なくともエネルギー照射の間だけ維持されればよい。
【0118】
このような極めて狭い間隙を均一に形成して光触媒含有層と分解除去層とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができると共に、このスペーサが接触する部分は、光触媒の作用が分解除去層表面に及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと同様のパターンを有するものとすることにより、分解除去層上に所定のパターンを形成することが可能となる。
【0119】
本実施態様においては、このようなスペーサを一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略化等のため、上記光触媒含有層側基板の欄で説明したように、光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成することが好ましい。なお、上記光触媒含有層側基板調製工程における説明においては、光触媒含有層側遮光部として説明したが、本実施態様においては、このようなスペーサは分解除去層表面に光触媒の作用が及ばないように表面を保護する作用を有すればよいものであることから、特に照射されるエネルギーを遮蔽する機能を有さない材料で形成されたものであってもよい。
【0120】
なお、本実施態様でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層による分解除去層を分解除去することが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
【0121】
通常このようなエネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
【0122】
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
【0123】
上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0124】
ここで、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、分解除去層表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去されるのに必要な照射量とする。
【0125】
またこの際、光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的な分解除去を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
【0126】
本実施態様におけるエネルギー照射方向は、光触媒含有層側基板側からであってもよく、また上述した光触媒含有層側遮光部をマスクとしてカラーフィルタ用基板側からであってもよい。ここで、光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部が形成されている場合は、光触媒含有層側基板側からエネルギー照射が行なわれる必要があり、かつこの場合は光触媒含有層側基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要がある。なお、この場合、光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部が形成され、かつこの光触媒含有層側光触媒含有層側遮光部を上述したようなスペーサとしての機能を有するように用いた場合においては、エネルギー照射方向は光触媒含有層側基板側からでもカラーフィルタ用基板側からであってもよい。
【0127】
また、本実施態様においては、カラーフィルタ用基板は、上述したような遮光部が形成されていることから、カラーフィルタ用基板側から全面エネルギー照射してもよい。これにより、遮光部の上面に形成された部分の分解除去層のみエネルギー照射されず、画素部形成部のみをエネルギー照射することができる。したがって、フォトマスク等を用いることなくエネルギーのパターン照射を行うことができるからである。
【0128】
さらに、光触媒含有層がパターン状に形成されている場合におけるエネルギー照射方向は、光触媒含有層と分解除去層とが接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。同様に、上述したスペーサを用いる場合も、接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。ここで、フォトマスクを用いる場合は、フォトマスクが配置された側からエネルギーが照射されることが必要である。
【0129】
上述したようなエネルギー照射が終了すると、光触媒含有層側基板が分解除去層との接触位置から離される。上述したエネルギー照射により、図1(D)に示すように画素部形成部の分解除去層3が分解され、パターン状に透明基材1が露出した親液性領域として画素部形成部5が形成されている。
【0130】
ここで、本実施態様においては、画素部形成部の幅は、遮光部により形成される開口部の幅より広く形成されることが好ましい。これにより、液晶表示装置として完成した後、バックライトが照射された場合に、画素部の形成されていない部分をバックライトが透過する可能性がなくなり、色抜け等の不都合が生じないためである。これは例えば、図1(C)に示すように親液性領域からなる画素部形成部5を形成するための光触媒含有基板21のフォトマスク24の光触媒含有層側遮光部を、カラーフィルタ用基板1の遮光部2より幅を狭くするようにすること等により形成することが可能である。
【0131】
(画素部形成工程)
次に、本実施態様における画素部を形成する工程について説明する。上述した工程により、例えば図1(D)に示すように、透明基材1が露出して親液性領域とされた画素部形成部5に、インクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を噴射し、それぞれ赤、緑、および青に着色し画素部6を形成する。
【0132】
この場合、画素部形成部5は上述したように親液性領域とされているため、インクジェット装置11から噴出された画素部形成用インク12は、画素部形成部5内に均一に広がる。また、エネルギー照射が行われていない分解除去層が残存する領域は、撥液性領域となっているため、インクはこの領域でははじかれて除去されることになる。
【0133】
通常画素部は、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。この画素部における着色パターン、着色面積は任意に設定することができる。このような画素部を形成するインクジェット方式のインクとしては、大きく水性、油性に分類されるが、本実施態様においてはいずれのインクであっても用いることができるが、表面張力の関係から水をベースとした水性のインクが好ましい。
【0134】
本実施態様で用いられる水性インクには、溶媒として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒を用いることがきる。一方、油性インクにはヘッドのつまり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが好ましく用いられる。このようなインクジェット方式のインクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0135】
また、通常のインクジェット方式のインクは適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できないが、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させることで着色剤自身に定着能を持たせることができる。このようなインクも本実施態様においては用いることができる。さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性インクを用いることもできる。
【0136】
本実施態様においては、中でもUV硬化性インクを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いることにより、インクジェット方式により着色して画素部を形成後、UVを照射することにより、素早くインクを硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることができる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。また、上述したように、画素部形成部内のインクは均一に広がっているため、このようにインクを固化した場合、色抜けや色むらのない画素部を形成することができる。そして、必要に応じてこの上に保護層を設けてもよい。
【0137】
このようなUV硬化性インクは、プレポリマー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするものである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特に限定することなく用いることができる。
【0138】
モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマーを用いることができる。上記プレポリマー及びモノマーは単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0139】
光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケトン等の中から所望の硬化濡れ性、記録濡れ性が得られるものを選択して用いることができる。その他必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0140】
また、本実施態様に用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェット装置を用いることができる。
【0141】
ここで、本実施態様においては、上述したように、画素部を一回のエネルギーの照射とエネルギー照射部へのインクの付着で形成してもよいが、上述した方法では、インクの付着に際してエネルギーが照射された親液性領域である画素部形成部間の距離が短い。したがって、画素部の形成に際してインクが混じる等の問題が生じる可能性がある。このような問題を回避する方法として、以下に示すようなエネルギー照射および画素部の形成を少なくとも2回に分けて行う方法を挙げることができる。
【0142】
図7は、エネルギー照射および画素部の形成を2回に分けて行った例を示すものである。上述した図1に示す例と同様にして透明基材1上に遮光部2を形成し、この遮光部2を覆うように分解除去層3形成する。この分解除去層3と、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23とを一定の間隙をおいて配置し、画素部形成部の一つおきに画素部が形成されるように、フォトマスク24を用いて、光触媒含有基板を用いてエネルギー10を照射する(図7(A))。上記工程で分解除去層が分解除去され、親液性領域とされた一つおきの画素部形成部5にインクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を付着させる(図7(B))。これにより、画素部形成部の一つおきの部分に画素部6を形成される(図7(C))。なお、ここで形成された画素部は、この画素部上に2回目のインクジェット装置によるインクの着色を防止するため、画素部自体が撥液性であることが好ましく、またその表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理するようにしてもよい。
【0143】
そして、画素部6が一つおきに形成された分解除去層3と上記と同様に光触媒層23とを一定の間隙をおいて配置し、光触媒含有層側基板21側から、再度エネルギー10を照射することにより、上記工程で分解除去されていない画素部形成部の分解除去層3が分解除去される(図7(C))。これにより、分解除去層が分解されて透明基材が露出することにより親液性領域とされた画素部形成部5に、上記と同様にインクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を付着させ、カラーフィルタを得ることができる(図7(D))。
【0144】
この方法によれば、各画素部間の距離を少なくするもしくは無くすことも可能であるので、平滑性に優れた着色層(画素部の集合体)を形成することができる。また、第1回目の画素部の形成に際して、形成される画素部の間が広いため、この部分を超えてインクが混じり合うことはない。したがって、インクの混色等の無い高品質なカラーフィルタを得ることができる。
【0145】
なお、上述した方法では、一回目で形成する画素部6は一つおきとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、最初に形成される画素部が隣接しないようにするのであれば、例えば千鳥状等、カラーフィルタの画素部の形状によって変更してもよい。また、上述した説明では、2回に分けて画素部を形成するようにしたが、必要であれば、3回もしくはそれ以上の回数で画素部を形成するようにしてもよい。
【0146】
(撥液性凸部について)
本実施態様においては、分解除去層を形成する工程の後に、遮光部上の光触媒含有層にエネルギーを照射して撥液性凸部用エネルギー照射部を形成し、この撥液性凸部用エネルギー照射部に撥液性凸部を形成する工程を有するようにしてもよい。
【0147】
この撥液性凸部を形成する工程について、例として図8を用いて説明する。上述した図1に示す第一実施態様と同様にして、透明基材1上に遮光部2を形成し、これらを覆うように分解除去層3を形成する。この分解除去層3と光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23とを一定の間隙をおいて配置し、遮光部2上の撥液性凸部を形成するパターン状にフォトマスク24を用いてエネルギー10を照射する(図8(A))。ここで、分解除去層3の液体との接触角は、遮光部の液体との接触角より大きいことが好ましい。これにより、分解除去層3が分解除去された撥液性凸部形成部7を親液性領域とすることが可能となり、容易にインクジェット装置11によりUV硬化性樹脂モノマー等の撥液性凸部形成用インク8を付着させることができるからである(図8(B))。なお、この撥液性凸部用インクの塗布方法は、インクジェット装置による方法に限られるものでなく、例えばディップコート等他の方法を用いることもできる。
【0148】
そして、UV照射等により撥液性凸部形成用インク8を硬化させることにより、遮光部2上に撥液性凸部9が形成される(図8(C))。この撥液性凸部9の幅は、図面に示すように遮光部2の幅より狭くなるように形成されることが好ましい。このように形成することにより、後述する工程で形成する画素部の幅を遮光部により形成される開口部の幅より広く形成することが可能となることから、上述したように色抜け等の問題が生じないからである。
【0149】
このようにして撥液性凸部9が形成された分解除去層3と、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23とを、一定の間隙をおいて配置し、光触媒含有基板21側からエネルギー10を全面に照射、もしくはパターン状に照射することにより、撥液性凸部9が形成された部位以外がエネルギー照射されて、分解除去層3が分解除去されて透明基材1が露出した親液性領域の画素部形成部5を形成することができる(図8(C))。その後、上述した方法と同様にして、この親液性領域とされたが素部形成部にインクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を付着させ、硬化させることにより画素部6が形成し、撥液性凸部9が設けられたカラーフィルタを製造することができる(図8(D)、(E))。
【0150】
また、この撥液性凸部は、上述した画素部形成部を親液性領域とするための光触媒含有層側基板を用いたエネルギー照射の際に、この撥液性凸部と光触媒含有層とを接触させることにより、撥液性凸部を一定の間隙を保つスペーサとして機能させることが可能となる。
【0151】
なお、本実施態様では、撥液性凸部を光触媒含有層の分解除去により形成しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えばフォトリソ法等により撥液性凸部を設けたものであってもよい。
【0152】
2.第二実施態様
本発明の第二実施態様は、
(1)透明基材上に前記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(2)前記分解除去層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
(3)前記遮光部形成部に遮光部を形成する工程と、
(4)前記遮光部が形成された前記分解除去層と前記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(5)前記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0153】
本実施態様においては、例として図9に示すように、まず透明基材1上に分解除去層3を全面に形成する(図9(A))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、分解除去層3と一定の間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いてエネルギー10を遮光部形成部のパターン状に照射する(図9(B))。このエネルギー照射により、遮光部形成部の分解除去層3が分解除去されて透明基材1が露出した親液性領域に遮光部2を形成する(図9(C))。次に、この遮光部の形成された分解除去層3と、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23とを、一定の間隙をおいて配置し、エネルギー10を照射する(図9(D))。これにより、画素部形成部5の分解除去層3を分解除去し、透明基材1が露出した親液性領域とする。この親液性領域とされた画素部形成部5にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図9(E))、画素部6を形成する(図9(F))。以下、これらの各工程についてそれぞれ説明する。
【0154】
(分解除去層形成工程)
まず、透明基材1上の全面に分解除去層3を形成する(図9(A))。ここで用いられる透明基材および分解除去層は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0155】
(親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、第一実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調製し、その光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23を分解除去層3と間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いて遮光部形成部のみにエネルギー10の照射を行う(図9(B))。このエネルギー照射により、遮光部形成部上に設けられた分解除去層3を分解除去する。この際、画素部形成部は、エネルギー未照射のままであり、分解除去層が残存する撥液性領域である。本実施態様においては、この分解除去層の有無による撥液性の差を利用して、パターンの形成を行う。本実施態様に用いられる光触媒含有層側基板は、第一実施態様で述べたように、遮光部のみをパターン状にエネルギー照射できるものであれば、特に限定されるものではなく、フォトマスクを用いてもよく、また光触媒含有層がパターン状に形成されたもの、光触媒含有層および遮光部を有するものであってもよい。
【0156】
本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0157】
(遮光部形成工程)
次に、上述した工程で、親液性領域とされた遮光部形成部にインクジェット法等により、遮光部2を形成する(図9(C))。この場合、上述したように、親液性とされていない画素部形成部は、撥液性であることから、撥液性を示す分解除去層上に遮光部用塗料は付着せずに、遮光部を容易にインクジェット法等により、形成することができる。
【0158】
ここで、本実施態様の遮光部の形成方法は、上述したインクジェット法に限定されるものではなく、フォトリソ法等であってもよい。
【0159】
本実施態様の遮光部の材料等は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0160】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、上述した工程で遮光部が形成されたカラーフィルタ用基板の分解除去層を、遮光部形成部をパターン状に形成する工程と同様に、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と分解除去層3を間隙をおいて配置し、画素部形成部にエネルギー10の照射を行う(図9(D))。このエネルギー照射により、画素部形成部5に設けられた分解除去層3を分解除去し、親液性領域として形成する。この場合のエネルギー照射は、パターン状に行ってもよく、また全面に行ってもよい。
【0161】
ここで、本実施態様においては、上記エネルギー照射により、画素部形成部の分解除去層を分解除去するだけでなく、上述した遮光部形成工程で発生したカラーフィルタ上の不純物を同時に除去することが可能である。上記遮光部を、例としてフォトリソ法等で形成した場合には、通常遮光部形成後に洗浄工程が必要であり、低圧水銀ランプやエキシマランプ等のUVを全面に照射する等の方法により行われている。しかしながら、本実施態様においては、上記光触媒含有層側基板を用いて、エネルギーを照射することにより、カラーフィルタ用基板上の有機物を分解することも可能であることから、洗浄工程が不必要となり、製造効率やコストの面からも好ましい。
【0162】
本実施態様における画素部形成部をパターン状に形成する工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0163】
(画素部形成工程)
さらに、上述した工程のエネルギー照射により、分解除去層が分解除去されて親液性領域とされた画素部形成部5に、インクジェット装置11により画素部形成用インク12を付着させ、画素部を形成する(図9(E)(F))。本実施態様の画素部形成工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0164】
3.第三実施態様
(1)透明基材上に前記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
(2)前記分解除去層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(3)前記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
(4)前記画素部が形成された前記分解除去層と前記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
(5)前記遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0165】
本実施態様においては、例えば図10に示すように、まず透明基材1上に分解除去層3を形成する(図10(A))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、分解除去層3と一定の間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いてエネルギー10を画素部形成部のパターン状に照射する(図10(B))。このエネルギー照射により、画素部形成部の分解除去層3を分解除去し、透明基材1が露出した親液性領域とする。この分解除去層が分解除去され、親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図10(C))、画素部6を形成する。この画素部が形成された分解除去層3と、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23とを、上記と同様に一定の間隙をおいて配置し、エネルギー10を照射し(図10(D))、遮光部形成部の分解除去層を分解除去する。この分解除去層が分解除去された遮光部形成部13に、遮光部2を形成する(図10(E))。以下、これらの各工程についてそれぞれ説明する。
【0166】
(分解除去層形成工程)
まず、透明基材1上の全面に分解除去層3を形成する(図10(A))。ここで用いられる透明基材および分解除去層は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0167】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、第一実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調製し、その光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23を分解除去層3と間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いて画素部形成部のみにエネルギー10の照射を行う(図10(B))。このエネルギー照射により、画素部形成部上に設けられた分解除去層を分解除去する。この際、遮光部形成部は、エネルギー未照射のままであり、撥液性領域である。本実施態様においては、この分解除去層の有無による撥液性の差を利用して、パターンの形成を行う。本実施態様に用いられる光触媒含有層側基板は、第一実施態様で述べたように、画素部形成部のみをパターン状にエネルギー照射できるものであれば、特に限定されるものではなく、フォトマスクを用いてもよく、また光触媒含有層がパターン状に形成されたもの、光触媒含有層および遮光部を有するものであってもよい。
【0168】
本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0169】
(画素部形成工程)
次に、上述した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程により形成された親液性領域である画素部形成部に、インクジェット方式により、画素部を形成する(図10(C))。この場合、上述したように、遮光部形成部は、撥液性であることから、画素部を容易にインクジェット法等により、形成することができる。本実施態様の画素部形成工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0170】
また、本実施態様においては、上記第一実施態様で説明した、エネルギーの照射および画素部の形成を2回以上に分けて形成する方法を用いてもよい。画素部を形成する際に、画素部間の撥液性領域が狭いため、インクが混じり合う可能性があるからである。
【0171】
(親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、上述した工程で画素部が形成されたカラーフィルタ用基板の分解除去層3を、画素部形成部をパターン状に形成する工程と同様に、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と間隙をおいて配置し、遮光部形成部にエネルギー10の照射を行う(図10(D))。このエネルギー照射により、遮光部形成部13上に設けられた分解除去層3を分解除去し、親液性領域として形成する。本実施態様における遮光部形成部をパターン状に形成するエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0172】
(遮光部形成工程)
次に、上述した工程で、親液性領域とされた遮光部形成部13にインクジェット法等により、遮光部2を形成する(図10(E))。本実施態様の遮光部形成工程は、第二実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0173】
4. その他
上述した各実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、さらに保護層形成工程や必要な他の機能層の形成工程が行われてもよい。
【0174】
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
【0175】
本発明のカラーフィルタは、透明基材と、この透明基材上にインクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた画素部と、この画素部の境界部分に設けられた遮光部と、上記画素部もしくは上記遮光部を形成するために設けられた、光触媒により分解除去が可能な分解除去層とを有することを特徴とするものである。
【0176】
本発明のカラーフィルタは、例として図11に示されるように、透明基材1上に、インクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた画素部6と、この画素部の境界部分に設けられた遮光部2と、この遮光部上に光触媒の作用により分解除去が可能な分解除去層3とを有するものである。
【0177】
上記遮光部上に、液体との接触角が透明基材上より大きい分解除去層が形成されていることにより、画素部の形成時に、インクの混色等を防止することが可能であり、高精細なパターンを有するカラーフィルタを提供することが可能となるといった利点を有する。
【0178】
このカラーフィルタの透明基材、画素部、遮光部、分解除去層、および製造方法は、上述した第一実施態様を用いて形成することが可能であることから、ここでの説明は省略する。
【0179】
C.カラー液晶表示装置について
本発明は、上述した第一実施態様から第三実施態様までのいずれかの態様のカラーフィルタを用いて、このカラーフィルタに対向する対向基板とを組み合わせ、この間に液晶化合物を封入することによりカラー液晶表示装置が形成される。このようにして得られるカラー液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタが有する利点、すなわち、色抜けや色落ちが無く、コスト的に有利であるという利点を有するものである。
【0180】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0181】
例えば、上述したカラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタの説明においては、分解除去層の液体との接触角が、透明基材の液体との接触角より大きい例についてのみ説明したが、分解除去層の液体との接触角が、透明基材の液体との接触角より小さくてもよい。この場合は、分解除去層が分解除去された領域が撥液性領域となり、分解除去層が残存した領域が親液性領域となる。これにより、例えばインクジェット方式による画素部の形成等は、分解除去層上の親液性領域に行われることとなる。
【0182】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
【0183】
[実施例1]
1.光触媒含有層側基板の形成
トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)5gと0.5規定塩酸を2.5gを混合し、8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより10倍に希釈しプライマー層用組成物とした。
【0184】
上記プライマー層用組成物を、フォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明なプライマー層(厚み0.2μm)を形成した。
【0185】
次に、イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
【0186】
上記光触媒含有層用組成物を、プライマー層が形成されたフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.15μm)を形成した。
【0187】
2.分解除去層の形成
ポリカーボネートが主成分のユーピロンZ400(三菱ガス化学製)2gをジクロロメタン30gと112トリクロロエタン70gに溶解し分解層除去層用組成物とした。
【0188】
上記分解除去層用組成物を、遮光層が形成されたガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、100℃で60分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(厚み0.01μm)を形成した。
【0189】
3.露光による画素部形成部の形成
光触媒含有層側基板と分解除去層とをアライメントをとり、100μmのギャップを設けて対向させて、フォトマスク側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cmの照度で600秒間露光し、分解除去層を分解除去し露出したガラス基材からなる画素部形成部をパターン状に形成した。
【0190】
このとき、未露光部及び画素部形成部と表面張力40mN/mの濡れ指数標準液(純正化学株式会社製)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、49°と6°であった。
【0191】
4.画素部の形成
次に、インクジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量部、重合開始剤5重量部、UV硬化樹脂70重量部を含むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマーインクを、画素部形成部に付着させ着色し、これにUV処理を行い硬化させた。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、UV硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を用いた。また、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigment Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green 36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15+ C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
【0192】
5.保護層の形成
保護層として、2液混合型熱硬化剤(日本合成ゴム(株)製SS7265)をスピンコーターにより塗布し、200℃、30分間の硬化処理を施し保護層を形成し、カラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタは、画素部の色ぬけや色むらのない高品質のものであった。
【0193】
[実施例2]
1.光触媒含有層側基板の形成
トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)5gと0.5規定塩酸を2.5gを混合し、8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより10倍に希釈しプライマー層用組成物とした。
【0194】
上記プライマー層用組成物をフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明なプライマー層(厚み0.2μm)を形成した。
【0195】
次に、イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
【0196】
上記光触媒含有層用組成物を、プライマー層が形成されたフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.15μm)を形成した。
【0197】
2.分解除去層の形成
カチオン性高分子であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA、平均分子量100,000−200,000、アルドリッチ)、アニオン性高分子であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(PSS、平均分子量70,000、アルドリッチ)をガラス基材上に交互吸着させ厚さを約2nmとした。
【0198】
3.露光による画素部形成部の形成
光触媒含有層側基板と分解除去層とを、アライメントをとり50μmのギャップを設けて対向させて、フォトマスク側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cmの照度で120秒間露光し、分解除去層を分解除去して露出したガラス基材からなる画素部形成部をパターン状に形成した。
【0199】
このとき、未露光部及び画素部形成部と表面張力40mN/mの濡れ指数標準液(純正化学株式会社製)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、30°と6°であった。
【0200】
4.画素部の形成
次に、インクジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量部、重合開始剤5重量部、UV硬化樹脂70重量部を含むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマーインクを、画素部形成部に付着させ着色し、これにUV処理を行い硬化させた。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、UV硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を用いた。また、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigment Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green 36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15+ C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
【0201】
5.保護層の形成
保護層として、2液混合型熱硬化剤(日本合成ゴム(株)製SS7265)をスピンコーターにより塗布し、200℃、30分間の硬化処理を施し保護層を形成し、カラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタは、画素部の色ぬけや色むらのない高品質のものであった。
【0202】
[実施例3]
1.光触媒含有層側基板の形成
トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)5gと0.5規定塩酸を2.5gを混合し、8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより10倍に希釈しプライマー層用組成物とした。
【0203】
上記プライマー層用組成物を、フォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明なプライマー層(厚み0.2μm)を形成した。
【0204】
次に、イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し、光触媒含有層用組成物とした。
【0205】
上記光触媒含有層用組成物を、プライマー層が形成されたフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.15μm)を形成した。
【0206】
2.分解除去層の形成
テフロン(登録商標)AF1600(デュポン製)1gをフロリナートFC−43(住友3M(株)製)200gに溶解し分解層除去層用組成物とした。
【0207】
上記分解除去層用組成物を、遮光層が形成されたガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、100℃で60分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(厚み0.01μm)を形成した。
【0208】
3.露光による画素部形成部の形成
光触媒含有層側基板と分解除去層とをアライメントをとり100μmのギャップを設けて対向させて、フォトマスク側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cmの照度で1800秒間露光し、分解除去層を分解除去し露出したガラス基材からなる画素部形成部をパターン状に形成した。
【0209】
このとき、未露光部及び画素部形成部と表面張力40mN/mの濡れ指数標準液(純正化学株式会社製)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、74°と6°であった。
【0210】
4.画素部の形成
次に、インクジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量部、重合開始剤5重量部、UV硬化樹脂70重量部を含むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマーインクを、画素部形成部に付着させ着色し、これにUV処理を行い硬化させた。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、UV硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を用いた。また、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigment Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green 36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15+ C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
【0211】
5.保護層の形成
保護層として、2液混合型熱硬化剤(日本合成ゴム(株)製SS7265)をスピンコーターにより塗布し、200℃、30分間の硬化処理を施し保護層を形成し、カラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタは、画素部の色ぬけや色むらのない高品質のものであった。
【0212】
【発明の効果】
本実施態様においては、予め遮光部が形成された透明基材上に分解除去層を設け、分解除去層に対向するように、光触媒含有層側基板を配置後、エネルギーを照射することにより、容易に画素部が形成される画素部形成部の分解除去層を分解除去することができる。ここで、上記分解除去層が、上記透明基材表面と比較して、液体との接触角が高いことから、分解除去層が分解除去され、透明基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となる。したがって、親液性領域とされた画素部形成部に、インクジェット方式でインクを付着させた場合、付着したインクが画素部形成部間に存在する撥液性領域を越えて移動することは困難であることから、インクの混色等の問題が生じる可能性が少なく、高精細なパターンを形成することが可能となるのである。さらに、画素部形成部が親液性領域であることから、インクジェット法により均一にインクが付着した画素部を得ることができ、色抜けがなくかつ色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の第一実施態様を説明するための工程図である。
【図2】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図7】図1に示すカラーフィルタの製造方法において、画素部のエネルギー照射方法の他の例を説明するための概略図である。
【図8】図1に示すカラーフィルタの製造方法において、撥液性凸部の製造方法を説明するための工程図である。
【図9】本発明のカラーフィルタの製造方法の第二実施態様を説明するための工程図である。
【図10】本発明のカラーフィルタの製造方法の第三実施態様を説明するための工程図である。
【図11】本発明のカラーフィルタの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…透明基材
2…遮光部
3…分解除去層
4…カラーフィルタ用基板
5…画素部形成部
6…画素部
7…撥液性凸部形成部
8…撥液性凸部用インク
9…撥液性凸部
10…エネルギー
11…インクジェット装置
12…画素部形成用インク
13…遮光部形成部
21…光触媒含有層側基板
22…基体
23…光触媒含有層
24…フォトマスク
25…光触媒含有層側遮光部
26…プライマー層

Claims (27)

  1. (1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
    (2)前記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、前記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
    (3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (4)この画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記分解除去層を形成する工程の後に、前記光触媒含有層と前記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した遮光部からなる撥液性凸部形成部をパターン状に形成する工程と、前記撥液性凸部形成部に撥液性凸部を形成する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. (1)透明基材上に前記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
    (2)前記分解除去層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (3)前記遮光部形成部に遮光部を形成する工程と、
    (4)前記遮光部が形成された前記分解除去層と前記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (5)前記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. (1)透明基材上に前記透明基材表面と比較して液体との接触角が高く、かつ光触媒の作用により分解除去される分解除去層を形成する工程と、
    (2)前記分解除去層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (3)前記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
    (4)前記画素部が形成された前記分解除去層と前記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (5)前記遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記分解除去層が分解除去されて透明基材が露出した画素部形成部を形成した後、そこにインクジェット方式で着色して画素部を形成する工程が、
    (a)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる第1画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (b)前記第1画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第1画素部を形成する工程と、
    (c)前記光触媒含有層と前記分解除去層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記分解除去層が分解除去されて露出した透明基材からなる第2画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (d)前記第2画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第2画素部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記画素部の幅が、前記遮光部により形成される開口部の幅より広く形成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記光触媒含有層と前記分解除去層とを、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隙をおいて配置したことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記光触媒含有層側基板が、基体と、前記基体上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記光触媒含有層側基板が、基体と、前記基体上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、
    前記エネルギー照射工程におけるエネルギーの照射が、光触媒含有層側基板から行なわれることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルルタの製造方法。
  10. 前記光触媒含有層側基板において、前記基体上に光触媒含有層が形成され、前記光触媒含有層上に前記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記光触媒含有層側基板において、前記光触媒含有層側遮光部が前記基体上にパターン状に形成され、さらにその上に前記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記光触媒含有層側基板が、透明な基体上にパターン状に形成された光触媒含有層側遮光部上にプライマー層を介して光触媒含有層が形成されたものであることを特徴とする請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 前記光触媒含有層側基板において、前記光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜10μmの範囲内であるスペーサがパターン状に形成されており、前記スペーサと前記分解除去層とを接触させてエネルギー照射させることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 前記スペーサが、遮光性の材料で形成された光触媒含有層側遮光部であることを特徴とする請求項13記載のカラーフィルタの製造方法。
  15. 前記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  16. 前記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基体上に製膜してなる層であることを特徴とする請求項15に記載のカラーフィルタの製造方法。
  17. 前記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  18. 前記光触媒が、前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  19. 前記光触媒が酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項18記載のカラーフィルタの製造方法。
  20. 前記エネルギー照射が、光触媒含有層を加熱しながらなされることを特徴とする請求項1から請求項19までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  21. 前記透明基材上の濡れ性が、表面張力40mN/mの液体との接触角として10度未満であることを特徴とする請求項1から請求項20までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  22. 前記分解除去層上の表面張力40mN/mの液体との接触角が、10°以上であることを特徴とする請求項1から請求項21までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  23. 前記分解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項22までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  24. 前記遮光部が、樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項23までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  25. 透明基材と、この透明基材上にインクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた画素部と、この画素部の境界部分に設けられた遮光部と、前記画素部もしくは前記遮光部を形成するために設けられた、光触媒により分解除去が可能な分解除去層とを有することを特徴とするカラーフィルタ。
  26. 透明基材と、この透明基材上にインクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた画素部と、この画素部の境界部分に設けられた遮光部と、前記遮光部上に形成された光触媒の作用により分解除去が可能な分解除去層とを有することを特徴とするカラーフィルタ。
  27. 請求項1から請求項24までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタと、これに対向する基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入してなることを特徴とする液晶表示装置。
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