JP2005156588A - 膜パターンの形成方法、機能性パターンとその形成方法、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

膜パターンの形成方法、機能性パターンとその形成方法、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 光触媒含有層を用いることで特性変化層の迅速な特性変化を可能にし、熱膨張係数の差に起因する合わせずれを抑えて高精細なパターン形成を可能にする、膜パターンの形成方法、機能性パターンとその形成方法、電気光学装置、電子機器を提供する。
【解決手段】 光触媒の作用によって濡れ性が変化する特性変化層4を第1基板3上に有した被パターニング体1を、光触媒を含有してなる光触媒含有層6を第2基板5上に有した露光用基板2を用いて露光処理することにより、特性変化層4に濡れ性が変化した膜パターンを形成する方法である。第1基板3及び第2基板5としてその間の熱膨張係数の差が±10%以内のものを用い、これら露光用基板2と被パターニング体1とを加熱し、その状態で光触媒含有層6に対し選択的に光を照射し露光することにより、特性変化層4の濡れ性を選択的に変化させ、親液パターン4aと撥液パターン4bとを形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各種デバイスの製造などに適用される膜パターンの形成方法、及びこの形成方法を応用してなる機能性パターンとその形成方法、電気光学装置、電子機器に関する。
基板上に回路(配線)等の機能性パターンを形成する方法として、従来より各種のものが利用されている。一般によく知られている方法の一つとして、例えばフォトリソグラフィー法がある。ところが、このフォトリソグラフィー法では、機能性パターンを形成する場合、工程が複雑であり、エッチングを行う際に多量の廃液が生じ、さらに現像の際に使用するアルカリ液などで機能性部が劣化するなどの問題がある。
これに対して、インクジェット法等の液滴吐出法により、吐出ヘッドから機能性液状体を吐出することでパターンの直接描画を行えば、工程が簡素になり、生じる廃液も少なくてすみ、機能性部の劣化の問題もなくなる。
ところが、前記の液滴吐出法では、吐出ヘッドから基板に対して機能性液状体を吐出し、パターンを形成する際、基板に何も処理を施していないと、液滴が濡れ広がったり、所望の箇所に吐出ができなかったりして所望のパターンがきれいに形成できなくなってしまう。そこで、従来では、基板に対して予めパターン形成を行いたい部分を親液性にし、それ以外の部分を撥液性にする親液・撥液パターンを形成しておき、インクジェット法(液滴吐出)で機能性液状体を吐出することにより、親液部分にきれいなパターンを形成するようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
ここで、このような親液・撥液パターンの形成方法を説明すると、まず、基板に対して撥液処理を施す。この撥液処理には、主にプラズマ処理やFAS(フルオロアルキルシラン)処理などが用いられている。次に、撥液処理を施した基板上にフォトマスクを設け、これを介して露光を行うことにより、撥液処理部の濡れ性を変化させて親液パターンを形成する。このとき、フォトマスクに光触媒含有層を形成して露光用基板とすれば、この露光用基板によって短時間で濡れ性を変化させ、撥液部を親液部に変化させることができる(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。また、このようにフォトマスクに光触媒含有層を形成した場合に、光触媒含有層と、露光によって特性が変化する特性変化層とを加熱しておけば、光触媒層をより活性化させて特性変化、すなわち濡れ性の変化を速めることができる。
特開2002−164635号公報 特開2000−282240号公報 特開2000−249821号公報 特開2003−195029号公報
しかしながら、光触媒含有層と特性変化層とを加熱した場合、特に光触媒含有層を形成した基板と特性変化層を形成した基板との間で熱膨張係数に大きな差があると、この熱膨張係数の差に起因して前記光触媒含有層と特性変化層との間に合わせずれが生じ、結果としてパターンの高精細化が損なわしまうことがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光触媒含有層を用いることで特性変化層の迅速な特性変化を可能にし、しかも熱膨張係数の差に起因する合わせずれを抑えて高精細なパターン形成を可能にする、膜パターンの形成方法、及びこの形成方法を応用してなる機能性パターンとその形成方法、電気光学装置、電子機器を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の膜パターンの形成方法においては、第1基板と、該第1基板上に形成された光触媒の作用によって液状体に対する親液性が変化する特性変化層と、からなる被パターニング体、および第2基板と、該第2基板上方に形成された該光触媒を含む光触媒含有層と、該光触媒含有層上に形成されたマスクと、を含む露光用基板を準備する工程と、 前記光触媒含有層を前記特性変化層に接触または近接させる工程と、前記露光用基板および前記被パターニング体を加熱する工程と、前記露光用基板および前記被パターニング体が加熱された状態で前記光触媒含有層に光を照射して、該光触媒含有層に接触または近接している前記特性変化層を、該光触媒含有層に接触または近接していない該特性変化層よりも、前記液状体に対する親液性が大きい親液パターンに変化させる工程と、を含み、該第1基板と該第2基板との熱膨張係数の差が±10%以内であることを特徴とする。
また、本発明の別の膜パターンの形成方法においては、第1基板と、該第1基板上に形成された光触媒の作用によって液状体に対する親液性が変化する特性変化層と、からなる被パターニング体、および第2基板と、該第2基板上の所定の領域に形成された該光触媒を含む光触媒含有層と、を含む露光用基板を準備する工程と、 前記光触媒含有層を前記特性変化層に接触または近接させる工程と、前記露光用基板および前記被パターニング体を加熱する工程と、前記露光用基板および前記被パターニング体が加熱された状態で、前記光触媒含有層に光を照射して、該光触媒含有層に接触または近接している前記特性変化層を、該光触媒含有層に接触または近接していない該特性変化層よりも、前記液状体に対する親液性が大きい親液パターンに変化させる工程と、を含み、該第1基板と該第2基板との熱膨張係数の差が±10%以内であることを特徴とする。
これら膜パターンの形成方法によれば、特に第1基板と第2基板との熱膨張係数の差を±10%以内としたので、前記光触媒含有層を前記特性変化層に接触または近接させ、露光用基板と被パターニング体とを加熱し、その状態で、前記光触媒含有層に対し光を照射し露光した際、前記第1の基板と第2基板とが加熱によって熱膨張するものの、その熱膨張係数がほとんど同じであるため、これらの間に合わせずれがほとんど生じることがなく、したがって高精細なパターン形成が可能になる。
また、本発明の膜パターンの形成方法においては、前記光触媒含有層が、前記親液パターンに対応した領域に形成されていることを特徴とする。
このようにすれば、例えば光触媒含有層を液滴吐出法によってパターニングしておくことにより、結果的に光触媒含有層に対してフォトマスクを用いることなしに選択的に光を照射し露光することが可能になる。したがって、工程が複雑であり、エッチングを行う際に多量の廃液が生じるなどの、フォトリソグラフィー法によりフォトマスクを製造した場合の問題を、回避することができる。
また、前記膜パターンの形成方法においては、前記第1基板と前記第2基板とが同じ材質であるのが好ましい。
このようにすれば、第1基板と第2基板との間で熱膨張係数の差がなくなることから、この熱膨張係数の差に起因してこれらの間で合わせずれが生じることがなく、したがって高精細なパターン形成がより確実となる。
また、前記膜パターンの形成方法においては、前記加熱温度が160℃以上300℃以下であるのが好ましい。
このようにすれば、前記光触媒の活性を高めて特性変化層の濡れ性変化を迅速に起こさせることが可能になり、また特性変化層の加熱による劣化等も抑えられる。
また、前記膜パターンの形成方法においては、前記露光用基板は、前記第2基板と前記光触媒含有層との間に光反射層を有し、前記第1基板が透過性を有し、前記光の照射を、前記第1基板を透過させて前記光触媒含有層に向けて行うことを特徴とする。
このようにすれば、照射した光が一旦光触媒含有層を通過して通過した部分の光触媒を活性化させ、さらに、光反射層で反射して再度同じ光触媒含有層の部分を通過することによりここを再度活性化させるようになり、したがって照射する光の利用効率が高められ、かつ光触媒の性質が十分に活かされて光照射部分(露光部分)の特性変化層の特性がより良好に変化するようになる。
また、本発明の機能性パターンの形成方法においては、前記膜パターンの形成方法によって前記親液パターンを形成した後、該親液パターン上に機能性材料を含む液状体を配し、機能性パターンを形成することを特徴とする
この機能性パターンの形成方法によれば、前記の膜パターンの形成方法によって高精細なパターン形成が可能になっているので、この高精細な親液パターン上に機能性材料からなる液状体を選択的に配することにより、機能性パターンを高精細に形成することが可能になる。
また、前記機能性パターンの形成方法においては、前記膜パターンの形成方法によって前記親液パターンを形成した後、該親液パターン上に機能性材料を含む液状体を配し、機能性パターンを形成することを特徴とする。
このようにすれば、工程が簡素になり、生じる廃液も少なくてなる。
また、前記機能性パターンの形成方法においては、前記機能性材料が導電性材料であり、機能性パターンが配線パターンであってもよい。
このようにすれば、配線パターンやこの配線パターンによる回路パターンが高精細でかつ容易に形成可能となる。
また、前記機能性パターンの形成方法においては、前記機能性材料がカラーフィルタや有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL装置)における機能層などの光学材料であってもよい。
このようにすれば、カラーフィルタや有機EL装置における機能層などのパターンが高精細でかつ容易に形成可能となる。
本発明の機能性パターンは、前記機能性パターンの形成方法によって得られたことを特徴としている。
この機能性パターンによれば、高精細でしかも容易にかつ迅速に形成されたものとなる。
本発明の電気光学装置は、前記機能性パターンを備えたことを特徴としている。
この電気光学装置によれば、高精細でしかも容易にかつ迅速に形成された機能性パターンを備えているので、高い信頼性が確保され、コスト低減化が図られたものとなる。
本発明の電子機器は、前記機能性パターンを備えたことを特徴としている。
この電子機器によれば、高精細でしかも容易にかつ迅速に形成された機能性パターンを備えているので、高い信頼性が確保され、コスト低減化が図られたものとなる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の膜パターンの形成方法の第1の実施形態を説明するための図であり、図1中符号1は前記膜パターンが形成される被パターニング体、2は前記膜パターンの形成に用いられる露光用基板である。
被パターニング体1は、第1基板3上に特性変化層4を有したものである。第1基板3は、石英やパイレックス(登録商標)ガラス等の透光性のものからなっている。なお、本実施形態では石英が用いられている。一方、このような構成からなる被パターニング体1に対してパターニングを行うための露光用基板2は、第2基板5上に光触媒を含んでいる光触媒含有層6を形成している。さらに光触媒含有層6の表面に露光用のフォトマスク7を形成したものである。第2基板5と前記第1基板3との熱膨張係数の差が±10%以内のものを用い、好ましくは熱膨張係数が同じもの、すなわち同一の材質のものが用いられる。具体的には、第1基板3と同様、石英やパイレックス(登録商標)ガラス等の透光性基板が用いられるが、本実施形態では第1基板3に同じく石英が用いられている。なお、第1基板と第2基板との間の熱膨張係数の差を±10%以内としたのは、この範囲内であれば、後述するように加熱下において被パターニング体1と露光用基板2とを当接し、露光した際、熱膨張係数の差によって被パターニング体1と露光用基板2との間に生じる合わせずれが、ほとんど無視できる程度に小さくなるからである。
次に、特性変化層4と光触媒含有層6とについて、順番に詳述する。
特性変化層4は、露光時において光触媒含有層6へ光を照射することによって起こる、光触媒含有層6の光触媒の作用によって特性変化層4の濡れ性(親液性)が変化する層である。また、濡れ性が変化するとは、例えば、露光時の光触媒の作用によって濡れ性が変化した層の上に配された機能性液状体の接触角が、濡れ性が変化する前の特性変化層の上に配される時の接触角と比して小さくすることをいう。ここで、機能性とは、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものであり、機能性材料とは、それらの機能を有する材料である。また、機能性液状体とは、機能性材料を溶媒に溶解させたものあるいは分散媒に分散させたものをいう。
このように特性変化層4を、露光時の光触媒の作用によって機能性液状体の接触角が濡れ性が変化する前の特性変化層の上に配される時の接触角と比して小さくすることで、機能性液状体の接触角を小さくする親液性領域パターンを形成することができる。したがって、例えばこの濡れ性変化層(特性変化層4)上における、機能性パターンが形成される領域のみに露光時における光触媒の作用を付与することにより、この領域を容易に親液性領域とすることができる。よって、後述するようにこの部分に機能性液状体を配するにより、容易にかつ効率的に機能性材料からなるパターン(以後、機能性パターンという)を形成することができる。
ここで、親液性領域とは、前述したように機能性液状体の接触角を小さくする領域であり、機能性液状体、例えば上述したように機能性材料を溶媒に溶解させたものあるいは分散媒に分散させたもの、詳しくは配線材料となる金属微粒子を分散させてなる分散液や、カラーフィルタ形成用の機能性液状体、有機EL装置における機能層(例えば、発光層、電子輸送層、正孔輸送層等)形成用の液状体材料、マイクロレンズ形成用の液状体材料等に対する濡れ性の良好な領域をいう。また、撥液性領域とは、機能性液状体の接触角を親液性大きくする領域であり、前記の金属微粒子を分散させてなる分散液や、カラーフィルタ形成用の液状体材料、有機EL装置における機能層形成用の液状体材料、マイクロレンズ形成用の液状体材料等に対する濡れ性が悪い領域をいう。
前記濡れ性変化層(特性変化層4)は、その機能性液状体の接触角が、後述する光触媒の作用を受けない部分においては90度以上、好ましくは140度以上であるのが好ましい。これは、光触媒の作用を受けない部分は、本発明では撥液性が要求される部分となるからである。すなわち、機能性液状体の接触角が90度より小さい場合には、撥液性が十分でなく、機能性材料からなる液状体、例えば金属微粒子を分散させてなる分散液が、この光触媒の作用を受けない部分に残存してしまう可能性が生じるためである。
また、前記濡れ性変化層(特性変化層4)は、露光し光触媒の作用を受けると、機能性液状体の接触角が低下して30度以下、より好ましくは20度以下となるような層であることが好ましい。30度以下であるのが好ましいのは、30度を越える場合には、この部分での機能性材料からなる液状体の広がりが劣る可能性があり、機能性要素に欠け等が生じる可能性があるからである。
このような特性変化層4に用いられる材料としては、前述した濡れ性変化層の特性、すなわち、露光した際、接触する光触媒含有層中の光触媒の作用によって濡れ性が変化する材料であり、かつ、光触媒の作用によって劣化しまたは分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
前記の(1)の場合、一般式:YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、Yがフルオロアルキル基である場合に、前記の一般式(YSiX(4−n))で表される化合物はFASと略称されるフルオロアルキルシランとなり、特に好適とされる。具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が好適とされる。すなわち、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものが好適に使用されるのである。
前記の(1)の場合、一般式:YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、Yがフルオロアルキル基である場合に、前記の一般式(YSiX(4−n))で表される化合物はFASと略称されるフルオロアルキルシランとなり、特に好適とされる。具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が好適とされる。すなわち、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものが好適に使用されるのである。
CF(CFCHCHSi(OCH;CF(CFCHCHSi(OCH;CF(CFCHCHSi(OCH;CF(CFCHCHSi(OCH;(CFCF(CFCHCHSi(OCH;(CFCF(CFCHCHSi(OCH;(CFCF(CFCHCHSi(OCH;CF(C)CSi(OCH;CF(CF(C)CSi(OCH;CF(CF(C)CSi(OCH;CF(CF(C)CSi(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;CF(CFCHCHSiCH(OCH;(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH;(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH;(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH;CF(C)CSiCH(OCH;CF(CF(C)CSiCH(OCH;CF(CF(C)CSiCH(OCH;CF(CF(C)CSiCH(OCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;CF(CFCHCHSi(OCHCH;およびCF(CFSON(C)CCHSi(OCH
このようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、濡れ性変化層(特性変化層4)の非露光部(光触媒の作用を受けない部分)の撥液性が大きくなり、機能性液状体の付着を妨げる機能を良好に発現するようになる。
また、前記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
−((R)(R)Si−O)
ただし、nは2以上の整数であり、R,RはそれぞれSiに接続した炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R,Rがメチル基であるものが、表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、前記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
また、特性変化層4(濡れ性変化層)には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、特性変化層4には前記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
このような特性変化層4(濡れ性変化層)は、前述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を前記第1基板3上に塗布することで形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート、液滴吐出法等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより特性変化層4(濡れ性変化層)を形成することもできる。
このような特性変化層4の厚さについては、特に限定されないものの、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、0.01〜0.1μmの範囲内であるのが特に好ましい。
特性変化層4をこのような濡れ性変化層とすることにより、後述するように接触する光触媒含有層中の光触媒の作用によって前記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等が起こり、露光部の濡れ性が変化して親液性となり、これによって非露光部との濡れ性に大きな差が生じるようになる。したがって、機能性材料からなる液状体、例えば金属微粒子を分散させてなる分散液等との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)をそれぞれ高めることにより、品質が良好でかつコスト的にも有利な配線等の機能性パターンを得ることができるようになる。
一方、前述したように、このような構成からなる被パターニング体1に対してパターニングを行うための露光用基板2は、第2基板5上に光触媒含有層6を形成し、さらにこの光触媒含有層6の表面に露光用のフォトマスク7を形成したものである
前記の露光用基板2において、光触媒含有層6は、該光触媒含有層6中の光触媒が接触する前記特性変化層4の濡れ性を、特に撥液性から親液性に変化させることができる構成であれば、特に限定されることなく、例えば光触媒とバインダとから構成されていてもよく、また、光触媒単体で成膜されたものであってもよい。
この光触媒含有層6における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構については、十分明確にはされていないものの、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種により、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。そして、本発明においては、このキャリアが光触媒含有層6上に接触する特性変化層4中の化合物に、作用を及ぼすものと考えられる。
光触媒含有層6に含有される光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。また、このような光触媒に酸素欠陥や不純物を導入すると、この光触媒の紫外光や可視光に対する感度が高くなり、好ましい。
このような光触媒のうち、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることなどから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型、ルチル型、およびブルッカイト型があり、本発明ではいずれも使用することができるが、特にアナターゼ型が好ましい。
アナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径については、これが小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、具体的には、平均粒径を50nm以下とするのが好ましく、20nm以下とするのが特に好ましい。
光触媒含有層6については、前述したように光触媒単独で形成してもよく、またバインダーと混合して形成してもよい。光触媒単独で光触媒含有層6を形成するには、例えば二酸化チタンを用いた場合、第2基板5上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成を行うことにより、結晶性チタニアに相変化させるといった方法を採用することができる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。この無定形チタニアは、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性する。
また、バインダを用いて光触媒含有層6を形成する場合には、バインダとしてその主骨格が前記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、オルガノポリシロキサン等が好適とされる。
オルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合、このオルガノポリシロキサンからなるバインダと光触媒とを必要に応じ他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を第2基板5上に塗布することにより、光触媒含有層6を形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布方法については、スピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート、さらには液滴吐出法等の公知の塗布方法を採用することができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層6を形成することかできる。
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンであるのが好ましい。
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、第2基板5上にて空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層6を形成することができる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
光触媒含有層6中の光触媒の含有量としては、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲とするのが好ましい。また、光触媒含有層の厚みについては、0.05〜10μmの範囲内とするのが好ましい。
また、光触媒含有層6には、前記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
さらに、光触媒含有層6には、前記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
また、この光触媒含有層6表面には、前述したように露光用のフォトマスク7が形成されている。このフォトマスク7は、例えば特性変化層4上に金属クロムを蒸着し、この金属クロム層をフォトリソグラフィーによってパターニングすることで形成することができる。なお、このフォトマスク7は、遮光層となることから、光触媒含有層6を介して特性変化層4に形成するパターンとは逆のパターン、すなわちネガパターンを有するものとなる。また、このフォトマスク7は、蒸着法等によって十分薄く形成されたものであり、したがって後述するように光触媒含有層6と被パターニング体1の特性変化層4とを当接させた際、これらの間に挟まれることによって光触媒含有層6と特性変化層4との当接(接触)を妨げないようになっている。
次に、このような構成の被パターニング体1に対して、前記の露光用基板2を用いて露光しパターニングする方法、すなわち本発明における膜パターンの形成方法について説明する。
まず、図1に示した露光用基板2と被パターニング体1とを用意し、これらを、図2(a)に示すようにその光触媒含有層6と特性変化層4とが接触するように当接させるとともに、露光用基板2および被パターニング体1を共に加熱する。
なお、光触媒含有層6と特性変化層4との接触とは、本発明においては実質的に光触媒の作用が特性変化層4に及ぶような状態で配置された状態をいう。すなわち、光触媒含有層6が特性変化層4に物理的に接触している状態はもちろん、例えば物理的な接触が無い場合でも、これらの間に水もしくは空気等が介在して光触媒含有層6中の光触媒の作用が特性変化層4に及ぶように配置されている場合をも含むものとする。本発明においては、このような接触状態は、少なくとも露光の間だけ維持されればよい。
また、加熱については、160℃以上300℃以下とするのが好ましく、特に200℃とするのが望ましい。このような温度範囲で加熱すれば、後述する実験例で示すように、前記光触媒の活性を高めて特性変化層4の濡れ性変化、すなわち親液化を迅速に起こさせることが可能になり、また、特性変化層4が加熱によって分解し、その特性変化層としての機能が劣化するのも抑えることができる。また、200℃とすることにより、特性変化層4の濡れ性変化を良好にかつ迅速に起こさせることができ、さらに特性変化層4の機能劣化をより良好に抑えることができる。
ここで、このように加熱しても、被パターニング体1の第1基板3と露光用基板2の第2基板5とは、本実施形態では同一の材質であって同一の熱膨張係数を有することから、これら被パターニング体1と露光用基板2とはほぼ同一に熱膨張を起こし、したがってこれらの間にずれ(合わせずれ)が生じることがない。
次に、このように光触媒含有層6と特性変化層4とを加熱しつつ接触させた状態のもとで、図2(b)に示すように露光用基板2の第2基板5側から前記光触媒含有層6に向けて露光用の光、例えば紫外線(UV光)をフォトマスク7によって選択的に照射し、露光を行う。このような露光に用いる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの従来公知のものが使用される。また、露光に際しての光の照射量については、特性変化層4が光触媒含有層6中の光触媒の作用によって特性を変化させるのに必要な照射量とする。
このようにして露光を行うと、図2(c)に示すように照射した光が光触媒含有層6を照射し露光して光触媒を活性化させる。すると、この露光用基板2に当接した被パターニング体1において、フォトマスク7に覆われた箇所以外での特性変化層4は、露光した光触媒含有層6に直接接触することによってその特性、すなわち液状体に対する濡れ性が、撥液性から親液性へ良好にかつ迅速に変化する。したがって、特性変化層4は、光触媒含有層6に直接接触した箇所が親液部、すなわち親液パターン4aとなり、光触媒含有層6に接触しない箇所は、元の撥液性のままに保持されることで撥液パターン4bとなる。
なお、露光後、被パターニング体1から露光用基板2を取り外すことにより、被パターニング体1自体には光触媒含有層6が含まれないので、特性変化層4に光触媒の作用による経時的劣化が起こることもない。
このような膜パターンの形成によれば、廃液を生じることなく特性の変化したパターン(親液パターン4a)をより良好にかつ低コスト、短時間で形成することができる。また、被パターニング体1の第1基板3と露光用基板2の第2基板5とを同一の材質のものとし、これによって同一の熱膨張係数のものとしたので、これらの間にずれ(合わせずれ)が生じることがなく、したがって親液パターン4a、撥液パターン4bを高精細に形成することができる。
次に、図3を参照して本発明の膜パターンの形成方法の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態が前述した第1の実施形態と異なるところは、使用する露光用基板8の構成にある。すなわち、この露光用基板8は、図3に示すように、第2基板5と光触媒含有層6との間に光反射層9を備えて構成されている。
この光反射層9は、例えばアルミニウム等の反射性を有する金属によって形成されたものである。このような光反射層9は、例えば第2基板5の表面にアルミニウム等が蒸着法等によって設けられることにより、形成される。
なお、本実施形態では第2基板5上に光反射層9を形成したが、第2基板5として石英等の透光性基板を用いた場合には、これの裏面に光反射層9を形成し、この透光性基板((第2基板5)と光反射層9とから鏡体を構成し、この鏡体の透光性基板(第2基板5)上に前記光触媒含有層6を形成するようにしてもよい。
また、光反射層9は、乱反射することなく、その反射面に直交して入射した光を同じ光軸で全反射するものであるのが好ましく、そのため、該光反射層9の反射面は平滑な鏡面形状である必要がある。光反射層9の反射面をこのような鏡面形状にするためには、第2基板5の光反射層9形成面を予め平滑化しておいたり、あるいは形成した光反射層9の反射面を研磨して平滑化したり、さらには前述した鏡体を用いることで対応することができる。
このような構成の露光用基板8を用い、被パターニング体1の特性変化層4に膜パターンを形成するには、前述した第1の実施形態の場合と同様にして露光用基板8と被パターニング体1とを用意し、これらを、図4(a)に示すようにその光触媒含有層6と特性変化層4とが接触するように当接させるとともに、露光用基板8および被パターニング体1を共に加熱する。加熱については、第1の実施形態と同様、160℃以上300℃以下とするのが好ましく、200℃とするのが望ましい。
このように加熱しても、被パターニング体1の第1基板3と露光用基板2の第2基板5とは、本実施形態では同一の材質であって同一の熱膨張係数を有することから、これら被パターニング体1と露光用基板2とはほぼ同一に熱膨張を起こし、したがってこれらの間にずれ(合わせずれ)が生じることがない。
次に、このように光触媒含有層6と特性変化層4とを加熱しつつ接触させた状態のもとで、図4(b)に示すように被パターニング体1の第1基板3側から露光用基板2の光触媒含有層6に向けて露光用の光(例えばUV光)をフォトマスク7によって選択的に照射し、露光を行う。
このようにして露光を行うと、図4(c)中矢印で示すようにフォトマスク7に覆われた箇所以外では、照射した光が一旦光触媒含有層6を通過して通過した部分の光触媒を活性化させ、さらに、光反射層9で反射して再度同じ光触媒含有層6の部分を通過することにより、ここを再度活性化させるようになる。なお、図4(c)中では、説明上、見易くするため入射光と反射光とを別の矢印で示しているが、実際には同じ光軸で入射・反射(出射)がなされる。このように、一度の露光で照射した光が入射・反射によって光触媒含有層6を二度通過することから、光触媒含有層6中の光触媒の活性化を、前記第1の実施形態の場合に比べて格段に高めることができる。
したがって、光触媒含有層6に直接接触した箇所の特性変化層4を親液部、すなわち親液パターン4aにし、光触媒含有層6に接触しない箇所の特性変化層4を、元の撥液性のままに保持することで撥液パターン4bとすることができるのはもちろん、特に親液パターン4aの形成を良好にかつ迅速に行うことができる。
次に、図5を参照して本発明の膜パターンの形成方法の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態が前述した第1の実施形態と異なるところは、使用する露光用基板10において、光触媒含有層11が予めパターニングされており、したがってフォトマスク7の形成が省略されている点である。
この露光用基板10は、図5に示すように、第2基板5上にパターニングされてなる光触媒含有層11を有したものである。この光触媒含有層11は、図1に示したフォトマスク7とは逆のパターン、すなわち特性変化層4に形成する親液パターン4aと同じパターンに形成されたものである。
このような光触媒含有層11のパターニングについては、フォトリソグラフィー法によって行うこともできるが、前述したようにフォトリソグラフィー法には工程が複雑であり、エッチングを行う際に多量の廃液が生じるなどの問題があることから、インクジェット法等の液滴吐出法を用いて直接描画することで、光触媒含有層11のパターンを形成するのが好ましい。
ここで、前記インクジェット法は、例えば図7(a)、(b)に示す吐出ヘッド34を用い、これから液状体を液滴として吐出する方法である。
吐出ヘッド34は、図7(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液状体タンク(図示せず)がチューブ(図示せず)を介して接続されるようになっている。
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図7(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
そして、このような吐出ヘッド34を用いて前記の光触媒含有層11のパターンを形成するには、まず、光触媒含有層11の形成材料を溶媒に溶解しあるいは分散媒に分散させ、光触媒含有層形成用の液状体を形成する。そして、この液状体を第2基板5上の所定位置、すなわち所望のパターン状に配し、その後、乾燥しさらに必要に応じて焼成することにより、光触媒含有層11を得る。
このようにして光触媒含有層11を形成し、露光用基板10を得たら、前記第1の実施形態と同様にして図6(a)に示すように被パターニング体1に露光用基板10を当接させ、これにより特性変化層4に光触媒含有層11を接触させるとともに、これら露光用基板2および被パターニング体1を共に加熱する。加熱については、第1の実施形態と同様、160℃以上300℃以下とするのが好ましく、200℃とするのが望ましい。
このように加熱しても、被パターニング体1の第1基板3と露光用基板11の第2基板5とは、本実施形態では同一の材質であって同一の熱膨張係数を有することから、これら被パターニング体1と露光用基板11とはほぼ同一に熱膨張を起こし、したがってこれらの間にずれ(合わせずれ)が生じることがない。
次に、このように光触媒含有層6と特性変化層4とを加熱しつつ接触させた状態のもとで、図6(b)に示すように露光用基板10の第2基板5側から前記光触媒含有層11に向けて露光用の光(例えばUV光)を照射する。ここで、光触媒含有層11は予めパターニングされていることにより、露光用の光は結果的に、光触媒含有層11に対して選択的に照射されることになる。
このようにして露光を行うと、図6(c)に示すように照射した光が光触媒含有層11を照射し露光して光触媒を活性化させる。すると、この露光用基板2に当接した被パターニング体1において、光触媒含有層11に接触した箇所の特性変化層4は、その特性、すなわち液状体に対する濡れ性が、撥液性から親液性へ良好にかつ迅速に変化する。したがって、特性変化層4は、光触媒含有層11に接触した箇所が親液部、すなわち親液パターン4aとなり、光触媒含有層11に接触しない箇所、すなわち光触媒含有層11が形成されていない箇所では、元の撥液性のままに保持されることで撥液パターン4bとなる。
このような膜パターンの形成方法によれば、前記実施形態と同様に、廃液を生じることなく特性の変化したパターン(親液パターン4a)をより良好にかつ低コスト、短時間で形成することができる。また、被パターニング体1の第1基板3と露光用基板2の第2基板5とを同一の材質のものとし、これによって同一の熱膨張係数のものとしたので、これらの間にずれ(合わせずれ)が生じることがなく、したがって親液パターン4a、撥液パターン4bを高精細に形成することができる。さらに、光触媒含有層11をインクジェット法(液滴吐出法)によってパターニングしておくことにより、結果的に光触媒含有層11に対してフォトマスクを用いることなしに選択的に光を照射し露光することができる。したがって、フォトレジストグラフィー法によるフォトマスクを用いることによる不都合を回避することができるとともに、前記特性変化層4の濡れ性を変化させて高精細な親液パターン4aおよび撥液パターン4bを形成することができる。
なお、前記第1の実施形態、第2の実施形態では、露光用基板2、8としてフォトマスク7を設けた構造としたが、これら露光用基板2、8に直接フォトマスク7を設けない構造としてもよい。その場合には、遮光パターンをガラスなどの透光性基板に形成してフォトマスクとしておき、これを被パターニング体1と露光用基板2、8との間にセットし、露光を行うようにすればよい。
また、本発明においては、第3の実施形態に示したように光触媒含有層6に対し選択的に光を照射し露光することができれば、フォトマスク7を用いる必要もない。その場合に、第3の実施形態で示した例以外にも、例えばレーザー光等を用いた光描画照射によって直接所定のパターンを描くことにより、選択的に露光を行うことができる。このような光描画照射を行うための光源としては、例えばエキシマレーザーやYAGレーザー等を挙げることができる。
さらに、前記実施形態においては、特性変化層を撥液性のものとし、光触媒含有層の光触媒を、特性変化層の撥液性を親液性に変化させるものとしたが、本発明はこれに限定されることなく、特性変化層を親液性のものとし、光触媒含有層の光触媒を、特性変化層の親液性を撥液性に変化させるものとしてもよい。
このようにして被パターニング体1に形成した親液パターン4aに対し、機能性材料からなる液状体を選択的に配することにより、種々の機能性パターンを形成することができる。ここで、機能性とは、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものである。
なお、機能性材料からなる液状体を親液パターン4a上に選択的に配する方法としては、この親液パターン4aが撥液パターン4bに囲まれていることから、特に限定されることなく、ディップコート、ロールコート、ブレードコート、スピンコート等の塗布方法や、インクジェット法等の液滴吐出法などが採用可能であるが、中でも、図7(a)、(b)に示したような吐出ヘッド34を用いたインクジェット法が好適とされる。このようなインクジェット法(液滴吐出法)を採用すれば、機能性材料の必要量を精度良く所望位置に塗布することができる。
また、このような機能性材料から得られる機能性パターンについても、種々のものを挙げることができる。例えば、液晶装置や有機EL装置、プラズマディスプレーなどの電気光学装置や、各種半導体装置における配線パターンを、前述したように導電材料からなる液状体を前記親液パターン4aに選択的に配し、その後乾燥・焼成することにより、機能性パターンとしての配線パターンを形成することができる。
さらに、液晶装置におけるカラーフィルタや、有機EL装置における各機能層、すなわち発光層や正孔注入/輸送層、電子注入/輸送層などの光学パターンについても、本発明における機能性パターンの形成方法によって得ることができる。
そして、このような機能性パターンは、各種の電気光学装置や電子機器にその機能性要素として形成される。したがって、このような本発明の機能性パターンを有した電気光学装置や電子機器は、前述した本発明の膜パターンの形成方法、機能性パターンの形成方法を応用してなるので、高精細でしかも容易にかつ迅速に形成された機能性パターンを備えてなることにより、高い信頼性が確保され、コスト低減化が図られたものとなる。
次に、このような電気光学装置や電子機器の具体例を示す。
図8は、本発明の電気工学装置をプラズマディスプレイに適用した場合の一例を示す図であり、図8中符号500はプラズマディスプレイである。このプラズマディスプレイ500は、互いに対向して配置されたガラス基板501とガラス基板502と、これらの間に形成された放電表示部510とから概略構成されている。
放電表示部510は、複数の放電室516が集合されてなり、複数の放電室516のうち、赤色放電室516(R)、緑色放電室516(G)、青色放電室516(B)の3つの放電室516が対になって1画素を構成するように配置されている。
前記(ガラス)基板501の上面には所定の間隔でストライプ状にアドレス電極511が形成され、それらアドレス電極511と基板501の上面とを覆うように誘電体層519が形成され、更に誘電体層519上においてアドレス電極511、511間に位置して各アドレス電極511に沿うように隔壁515が形成されている。なお、隔壁515においてはその長手方向の所定位置においてアドレス電極511と直交する方向にも所定の間隔で仕切られており(図示略)、基本的にはアドレス電極511の幅方向左右両側に隣接する隔壁と、アドレス電極511と直交する方向に延設された隔壁により仕切られる長方形状の領域が形成され、これら長方形状の領域に対応するように放電室516が形成され、これら長方形状の領域が3つ対になって1画素が構成される。また、隔壁515で区画される長方形状の領域の内側には蛍光体517が配置されている。蛍光体517は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するもので、赤色放電室516(R)の底部には赤色蛍光体517(R)が、緑色放電室516(G)の底部には緑色蛍光体517(G)が、青色放電室516(B)の底部には青色蛍光体517(B)が各々配置されている。
次に、前記ガラス基板502側には、先のアドレス電極511と直交する方向に複数のITOからなる透明表示電極512がストライプ状に所定の間隔で形成されるとともに、高抵抗のITOを補うために金属からなるバス電極512aが形成されている。また、これらを覆って誘電体層513が形成され、更にMgOなどからなる保護膜514が形成されている。
そして、前記基板501とガラス基板502の基板2が、前記アドレス電極511…と表示電極512…を互いに直交させるように対向させて相互に貼り合わされ、基板501と隔壁515とガラス基板502側に形成されている保護膜514とで囲まれる空間部分を排気して希ガスを封入することで放電室516が形成されている。なお、ガラス基板502側に形成される表示電極512は各放電室516に対して2本ずつ配置されるように形成されている。
前記アドレス電極511と表示電極512は図示略の交流電源に接続され、各電極に通電することで必要な位置の放電表示部510において蛍光体517を励起発光させて、カラー表示ができるようになっている。
そして、本例では、特に前記アドレス電極511とバス電極512aとが、それぞれ先に説明した本発明の機能性パターン(配線パターン)によって形成されたものとなっている。
したがって、本例のプラズマディスプレイによれば、前述したように機能性パターン(配線パターン)が高精細でしかも迅速に形成されることから、高い信頼性を有し、しかも生産性が高い良好なものとなる。
また、本発明の電子機器は、前記の機能性パターン(配線パターン)を有したものであり、具体的には図9に示す携帯電話が挙げられる。
図9は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図9において、600は携帯電話本体を示し、601は前記機能性パターン(配線パターン)を有した表示部を示している。
また、このような携帯電話以外にも、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置や、腕時計型電子機器にも本発明は適用可能である。
さらに、本発明の電子機器としては、前記機能性パターン(配線パターン)をアンテナ回路として備えた非接触型カード媒体を、その一例として挙げることもできる。図10は、このような非接触型カード媒体の一例を示す図であり、図10中符号400は非接触型カード媒体である。この非接触型カード媒体400は、カード基体402とカードカバー418からなる筐体内に、半導体集積回路チップ408とアンテナ回路412とを内蔵し、図示しない外部の送受信機と電磁波または静電容量結合の少なくとも一方により、電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うようにしたものである。
本例では、前記アンテナ回路412が、先に説明した本発明の機能性パターン(配線パターン)によって形成されたものとなっている。したがって本例の非接触型カード媒体400によれば、前述したようにアンテナ回路412が高精細でしかも迅速に形成されることから、高い信頼性を有し、しかも生産性が高い良好なものとなる。
以下、本発明の膜パターンの形成方法および機能性パターンの形成方法を、その実験例及び実施例に基づき、さらに詳しく説明する。
(実験例)
まず、本発明の膜パターンの形成方法による効果を確認するための実験例を示す。
この実験例では、図11に示すように、特に第1の実施形態で用いた露光用基板2において、フォトマスク7を形成しないものを露光用基板2aとして用いた。また、被パターニング体1については第1の実施形態で用いたものをそのまま用いた。ただし、これら露光用基板2aおよび被パターニング体1については、具体的には以下のようにして作製した。
露光用基板2aについては、第2基板5として7センチ角の石英を用い、この石英製の第2基板5上に光触媒塗膜用コーティング剤(商品名;STK211、石原産業社製)をスピンコート法によって塗布し、150℃で30分間熱処理し、二酸化チタンを含む光触媒含有層6を形成した。
被パターニング体1については、第1基板3として前記第2基板5と同材質である7センチ角の石英を用い、この石英製の第1基板3上にFAS処理を行って特性変化層4を形成した。FAS処理については、第1基板3とヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン約100μlとを密閉容器に入れ、120℃で2時間熱処理することにより、第1基板3表面に前記化合物からなる撥液性の単分子膜を形成させ、この単分子膜を特性変化層4とした。
このようにして作製した露光用基板2aおよび被パターニング体1を、それぞれ光触媒含有層6と特性変化層4とが接するようにして当接させ、以下の各温度にそれぞれ調整(加熱)しつつUV照射(波長254nm、エネルギー密度10mW/cm)を1分行い、特性変化層4の濡れ性を撥液性から親液性に変化させた。UV照射処理後、特性変化層4の濡れ性を、水に対する接触角によって調べた。得られた結果を以下に示す。
・調整温度(加熱温度) 室温 80℃ 120℃ 160℃ 180℃ 200℃
・水の接触角[°] 100 92.7 77.1 50.0 35.0 28.2
以上の結果より、加熱しつつ露光を行うことによって光触媒が活性化し、特性変化層4の濡れ性をより効率的に変化させるようになることが確認された。また、160℃以上とすることで、特性変化層4の濡れ性が比較的に良好に変化し、特に200とすることで、より良好に変化することが分かった。
(実施例1)
次に、本発明の膜パターンの形成方法の、前記第2の実施形態についての実施例を説明する。
まず、実験例1と同様にして図3に示す露光用基板8を形成した。ただし、光触媒含有層6を塗布する前に、第2基板5上にアルミニウムを厚さ200nmで蒸着し、エネルギー線を反射する光反射層9を形成した。また、光触媒含有層6を形成した後、この光触媒含有層6上にクロムを蒸着し、さらにフォトリソグラフィー技術、エッチング技術によって線幅20μmの配線パターンを形成し、フォトマスク7とした。
また、被パターニング体1については、前記実験例と同様にして作製したものを用いた。
このようにして作製した露光用基板8および被パターニング体1を、それぞれ光触媒含有層6と特性変化層4とが接するようにして当接させ、200℃に加熱しつつUV照射(波長254nm、エネルギー密度10mW/cm)を1分行った。これにより、露光部分を配線パターンとしての親液パターン4aに形成した。
続いて、導電性材料(配線材料)の液状体として銀微粒子をテトラデカンに分散させた機能性液状体(アルバック社製)を用い、これを前述したインクジェット法によって前記親液パターン4a上に選択的に吐出してこれを配し、その後、300℃で30分乾燥・焼成を行った。得られた配線パターンは、その線幅が約22μmであり、厚さが約1μmの良好な金属配線となった。
(実施例2)
次に、本発明の膜パターンの形成方法の、前記第3の実施形態についての実施例を説明する。
まず、実験例1と同様にして図5に示す露光用基板10を形成した。ただし、光触媒含有層11については、図7(a)、(b)に示した吐出ヘッド34を用いたインクジェット法により、光触媒含有層形成材料の液状体を線幅20μmの配線パターン状に配し、続いてこれを乾燥することで配線パターン状の光触媒含有層11とした。
また、被パターニング体1については、前記実験例と同様にして作製したものを用いた。
このようにして作製した露光用基板10および被パターニング体1を、それぞれ光触媒含有層11と特性変化層4とが接するようにして当接させ、200℃に加熱しつつUV照射(波長254nm、エネルギー密度10mW/cm)を1分行った。これにより、露光部分を配線パターンとしての親液パターン4aに形成した。
続いて、前記の実施例1と同様にして銀微粒子をテトラデカンに分散させた機能性液状体をインクジェット法によって前記親液パターン4a上に選択的に配し、その後、300℃で30分乾燥・焼成を行った。得られた配線パターンは、その線幅が約25μmであり、厚さが約1μmの良好な金属配線となった。
この実施例2では、フォトマスクを用いないことから特性変化層4の全面にエネルギー線が照射されるが、1分のUV照射では光触媒と接していない部分はFASがほとんど分解されず、したがってその撥液性が十分に保持されていた。したがって、光触媒を用いることにより、フォトマスクレスのパターン形成が可能となった。
本発明に係る被パターニング体と露光用基板とを示す図である。 (a)〜(c)は本発明の膜パターンの形成方法の説明図である。 本発明に係る被パターニング体と露光用基板とを示す図である。 (a)〜(c)は本発明の膜パターンの形成方法の説明図である。 本発明に係る被パターニング体と露光用基板とを示す図である。 (a)〜(c)は本発明の膜パターンの形成方法の説明図である。 (a)は液滴吐出ヘッドの要部斜視図、(b)は要部側断面図である。 本発明に係るプラズマディスプレイの一例を示す分解斜視図である。 本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。 本発明に係る非接触型カード媒体の分解斜視図である。 実験例に用いた被パターニング体と露光用基板とを示す図である。
符号の説明
1…被パターニング体、2、8、10…露光用基板、3…第1基板、4…特性変化層、 5…第2基板、6、11…光触媒含有層、7…フォトマスク、9…光反射層

Claims (13)

  1. 第1基板と、該第1基板上に形成された光触媒の作用によって液状体に対する親液性が変化する特性変化層と、からなる被パターニング体、および第2基板と、該第2基板上方に形成された該光触媒を含む光触媒含有層と、該光触媒含有層上に形成されたマスクと、を含む露光用基板を準備する工程と、
    前記光触媒含有層を前記特性変化層に接触または近接させる工程と、
    前記露光用基板および前記被パターニング体を加熱する工程と、
    前記露光用基板および前記被パターニング体が加熱された状態で前記光触媒含有層に光を照射して、該光触媒含有層に接触または近接している前記特性変化層を、該光触媒含有層に接触または近接していない該特性変化層よりも、前記液状体に対する親液性が大きい親液パターンに変化させる工程と、を含み、
    該第1基板と該第2基板との熱膨張係数の差が±10%以内であることを特徴とする膜パターン形成方法。
  2. 第1基板と、該第1基板上に形成された光触媒の作用によって液状体に対する親液性が変化する特性変化層と、からなる被パターニング体、および第2基板と、該第2基板上の所定の領域に形成された該光触媒を含む光触媒含有層と、を含む露光用基板を準備する工程と、
    前記光触媒含有層を前記特性変化層に接触または近接させる工程と、
    前記露光用基板および前記被パターニング体を加熱する工程と、
    前記露光用基板および前記被パターニング体が加熱された状態で、前記光触媒含有層に光を照射して、該光触媒含有層に接触または近接している前記特性変化層を、該光触媒含有層に接触または近接していない該特性変化層よりも、前記液状体に対する親液性が大きい親液パターンに変化させる工程と、を含み、
    該第1基板と該第2基板との熱膨張係数の差が±10%以内であることを特徴とする膜パターン形成方法。
  3. 前記光触媒含有層が、前記親液パターンに対応した領域に形成されていることを特徴とする請求項2記載の膜パターン形成方法。
  4. 前記第1基板と前記第2基板とが同じ材質であることを特徴する請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法。
  5. 前記加熱温度が160℃以上300℃以下であることを特徴する請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法。
  6. 前記露光用基板は、前記第2基板と前記光触媒含有層との間に光反射層を有し、
    前記第1基板が透過性を有し、
    前記光の照射を、前記第1基板を透過させて前記光触媒含有層に向けて行うことを特徴とする請求項1、4又は5のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法によって前記親液パターンを形成した後、該親液パターン上に機能性材料を含む液状体を配し、機能性パターンを形成することを特徴とする機能性パターンの形成方法。
  8. 前記機能性材料を含む液状体を、液滴吐出法によって前記親液パターン上に配することを特徴とする請求項7記載の機能性パターンの形成方法。
  9. 前記機能性材料が導電性材料であり、前記機能性パターンが配線パターンであることを特徴とする請求項7又は8記載の機能性パターンの形成方法。
  10. 前記機能性材料が光学材料であることを特徴とする請求項7又は8記載の機能性パターンの形成方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法によって得られた機能性パターン。
  12. 請求項11記載の機能性パターンを備えた電気光学装置。
  13. 請求項11記載の機能性パターンを備えた電子機器。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005292228A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタの製造方法
WO2014188828A1 (ja) 2013-05-20 2014-11-27 東罐マテリアル・テクノロジー株式会社 酸化ビスマス系レーザーマーキング用添加剤
JP2015120615A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 テイカ株式会社 異種元素含有単斜晶系酸化ビスマスおよび紫外線遮蔽用塗料

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