JP2003295428A - パターン形成体の製造方法およびそれに用いるフォトマスク - Google Patents

パターン形成体の製造方法およびそれに用いるフォトマスク

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JP2003295428A
JP2003295428A JP2002086168A JP2002086168A JP2003295428A JP 2003295428 A JP2003295428 A JP 2003295428A JP 2002086168 A JP2002086168 A JP 2002086168A JP 2002086168 A JP2002086168 A JP 2002086168A JP 2003295428 A JP2003295428 A JP 2003295428A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、パターン形成体の製造に際して、
高精度にパターンを形成することが可能であり、露光後
の後処理が不要で、かつ製造されたパターン形成体内に
光触媒が含有されていないことから、パターン形成体自
体の劣化の心配もないパターン形成体の製造方法を提供
することを主目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、光触媒の作用により表面の特
性が変化する特性変化層を有するパターン形成体用基板
を調製するパターン形成体用基板調製工程と、光触媒を
含有する光触媒含有層が基材上に形成されてなる光触媒
含有層側基板の光触媒含有層と上記特性変化層とを、2
00μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所
定の方向からエネルギーを照射することにより、上記特
性変化層表面に特性の変化したパターンを形成するパタ
ーン形成工程とを有することを特徴とするパターン形成
体の製造方法を提供することにより上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒を用いて特
性を変化させるに当たり、形成されたパターン形成体中
には光触媒が存在しないため、経時的に劣化する可能性
の少ないパターン形成体の製造方法、およびこの製造方
法にも用いることができるフォトマスクに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、高精細なパターンを形成する
方法として、基材上に塗布したフォトレジスト層にパタ
ーン露光を行い、露光後、フォトレジストを現像し、さ
らにエッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を
有する物質を用いて、フォトレジストの露光によって目
的とするパターンを直接形成する等のフォトリソグラフ
ィーによるパターン形成体の製造方法が知られている。
【0003】フォトリソグラフィーによる高精細パター
ンの形成は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィル
タの着色パターンの形成、マイクロレンズの形成、精細
な電気回路基板の製造、パターンの露光に使用するクロ
ムマスクの製造等に用いられているが、これらの方法に
よっては、フォトレジストを用いると共に、露光後に液
体現像液によって現像を行ったり、エッチングを行う必
要があるので、廃液を処理する必要が生じる等の問題点
があり、またフォトレジストとして機能性の物質を用い
た場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によっ
て劣化する等の問題点もあった。
【0004】カラーフィルタ等の高精細なパターンを印
刷等によって形成することも行われているが、印刷で形
成されるパターンには、位置精度等の問題があり、高精
度なパターンの形成は困難であった。
【0005】一方、このような問題点を解決するため
に、光触媒の作用により濡れ性が変化する物質を用いて
パターンを形成するパターン形成体の製造方法等が本発
明者等において検討されてきた。しかしながら、これま
での光触媒の作用によるパターン形成体の製造方法は、
製造されるパターン形成体自体に光触媒が含まれる構成
となることから、パターン形成体の種類によっては、こ
の光触媒によって劣化が起こる可能性があるという問題
点を有する場合もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、パターン形成体の製造に際し
て、高精度にパターンを形成することが可能であり、露
光後の後処理が不要で、かつ製造されたパターン形成体
内に光触媒が含有されていないことから、パターン形成
体自体の劣化の心配もないパターン形成体の製造方法を
提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、光触媒の作用により表
面の特性が変化する特性変化層を有するパターン形成体
用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、光
触媒を含有する光触媒含有層が基材上に形成されてなる
光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記特性変化層と
を、200μm以下となるように間隙をおいて配置した
後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、
上記特性変化層表面に特性の変化したパターンを形成す
るパターン形成工程とを有することを特徴とするパター
ン形成体の製造方法を提供する。
【0008】本発明によれば、特にエネルギー照射後の
後処理も必要無く、種々の特性を有するパターンを高精
細に形成することができる。また、エネルギー照射後、
パターン形成体から光触媒含有層側基板を取り外すの
で、パターン形成体自体には光触媒含有層が含まれるこ
とがなく、したがってパターン形成体の光触媒の作用に
よる経時的な劣化に対する心配がない。さらに、光触媒
含有層と特性変化層との間隔が、上述した範囲内である
ので、効率よくかつ精度の良好な特性の変化したパター
ンを有するパターン形成体を得ることができる。
【0009】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記光触媒含有層と上
記特性変化層とを、0.2μm〜10μmの範囲内とな
るよう間隔をおいて配置したものであることが好まし
い。光触媒含有層と特性変化層との間隔が、0.2μm
〜10μmの範囲内であるので、短時間のエネルギー照
射により特性の変化したパターンを有するパターン形成
体を得ることができる。
【0010】上記請求項1または請求項2に記載された
発明においては、請求項3に記載するように、上記光触
媒含有層側基板が、基材と、上記基材上にパターン状に
形成された光触媒含有層とからなることが好ましい。こ
のように、光触媒含有層をパターン状に形成することに
より、フォトマスクを用いることなく特性変化層上に特
性の異なるパターンを形成することが可能となるからで
ある。また、光触媒含有層に対応する面のみ特性が変化
するものであるので、照射するエネルギーは特に平行な
エネルギーに限られるものではなく、また、エネルギー
の照射方向も特に限定されるものではないことから、エ
ネルギー源の種類および配置の自由度が大幅に増加する
という利点を有するからである。
【0011】上記請求項1または請求項2に記載された
発明においては、請求項4に記載するように、上記光触
媒含有層側基板が、基材と、上記基材上に形成された光
触媒含有層と、パターン状に形成された遮光部とからな
り、上記パターン形成工程におけるエネルギーの照射
が、光触媒含有層側基板から行なわれることが好まし
い。
【0012】このように光触媒含有層側基板に遮光部を
有することにより、エネルギー照射に際してフォトマス
ク等を用いる必要がないことから、フォトマスクと位置
合わせ等が不要となり、工程を簡略化することが可能と
なるからである。
【0013】上記請求項4に記載された発明において
は、請求項5に記載するように、上記光触媒含有層側基
板において、上記遮光部が上記基材上にパターン状に形
成され、さらにその上に上記光触媒含有層が形成されて
いるものであってもよく、また請求項6に記載するよう
に、上記光触媒含有層側基板において、上記基材上に光
触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層上に上記遮光
部がパターン状に形成されているものであってもよい。
【0014】遮光部は、特性変化層と近い位置に配置さ
れることが、得られる特性パターンの精度上好ましいも
のであるといえる。したがって、上述した位置に遮光部
を配置することが好ましいのである。また、光触媒含有
層上に遮光部を形成した場合は、上記パターン形成工程
における光触媒含有層と特性変化層との配置に際しての
スペーサとして用いることができるという利点を有する
ものである。
【0015】上記請求項2に記載された発明において
は、請求項7に記載するように、上記光触媒含有層側基
板において、上記光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜
10μmの範囲内であるスペーサがパターン状に形成さ
れており、上記スペーサと上記特性変化層とを接触させ
て露光させることが好ましい。
【0016】このように、光触媒含有層上にパターン状
にスペーサを設け、これを特性変化層と接触させるよう
にして露光することにより、光触媒含有層と特性変化層
との距離を0.2μm〜10μmの範囲内に容易に保つ
ことが可能となる。また、このスペーサが形成された部
分は光触媒含有層がスペーサにより覆われることから、
この部分はエネルギー照射されても特性変化層上の特性
に変化が生じない。したがって、スペーサが形成された
パターンと同じパターンで特性変化層上に特性の異なる
パターンを形成することが可能となる。
【0017】上記請求項7に記載された発明において
は、請求項8に記載するように、上記スペーサが、遮光
性の材料で形成された遮光部であることが好ましい。ス
ペーサが遮光部であることにより、遮光部を特性変化層
に密着させた状態でエネルギー照射を行うことにより、
より高精細なパターンを形成することが可能となるから
である。
【0018】本発明はまた、請求項9に記載するよう
に、透明な基材上に遮光部がパターン状に形成されたフ
ォトマスク上にプライマー層を介して光触媒含有層が形
成された光触媒含有層側基板と、少なくとも上記光触媒
含有層中の光触媒の作用により特性の変化する特性変化
層を有するパターン形成体用基板とを、上記光触媒含有
層および上記パターン形成体用基板が接触するように配
置し、もしくは上記光触媒含有層の光触媒の作用が上記
特性変化層に及ぶ距離を隔てて上記光触媒含有層側基板
を配置した後、エネルギーを照射することにより、照射
した部分の特性変化層の特性を変化させて、次いで、光
触媒含有層側基板を取り外すことにより特性の変化した
パターンを形成することを特徴とするパターン形成体の
製造方法を提供する。
【0019】本発明によれば、特にエネルギー照射後の
後処理も必要無く、高感度で高精細なパターンを製造す
ることができる。また、エネルギー照射後、パターンか
ら光触媒含有層側基板を取り外すので、特性変化層側基
板自体には光触媒含有層が含まれることがなく、したが
って光触媒の作用による経時的な劣化に対する心配がな
い。さらに、プライマー層の効果により、上記遮光部を
パターニングする際に生じ、遮光部もしくは遮光部間の
開口部に存在する残渣等が、光触媒の作用に影響を与え
ない。したがって、光触媒の感度を向上させることが可
能であり、短時間のエネルギー照射により特性の変化し
たパターンを得ることができる。
【0020】上記請求項9に記載された発明において
は、請求項10に記載するように、上記光触媒含有層の
光触媒の作用が上記特性変化層に及ぶ距離が、0.2μ
m〜10μmの範囲内とであることが好ましい。光触媒
含有層と特性変化層との間隔が、0.2μm〜10μm
の範囲内であるので、短時間のエネルギー照射により特
性の変化したパターンを有するパターン形成体を得るこ
とができるからである。
【0021】上記請求項1から請求項10までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項11に
記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒からなる
層であることが好ましい。光触媒含有層が光触媒のみか
らなる層であれば、特性変化層の特性を変化させる効率
を向上させることが可能であり、効率的にパターン形成
体を製造することができるからである。
【0022】上記請求項11に記載された発明において
は、請求項12に記載するように、上記光触媒含有層
が、光触媒を真空製膜法により基材上に製膜してなる層
であることが好ましい。このように真空製膜法により光
触媒含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく
均一な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であ
り、特性変化層表面への特性パターンの形成を均一にか
つ高効率で行うことができるからである。
【0023】上記請求項1から請求項10までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項13に
記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒とバイン
ダとを有する層であってもよい。このようにバインダを
用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成す
ることが可能となり、結果的に低コストでパターン形成
体の製造を行うことができるからである。
【0024】上記請求項1から請求項13までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項14に
記載するように、上記光触媒が、酸化チタン(Ti
)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、
チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タング
ステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、およ
び酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種
以上の物質であることが好ましく、中でも請求項15に
記載するように、上記光触媒が酸化チタン(TiO
であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンド
ギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であ
り、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だか
らである。
【0025】上記請求項1から請求項15までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項16に
記載するように、上記パターン形成体用基板が、少なく
とも基板とこの基板上に設けられた上記特性変化層とか
ら形成されていることが好ましい。これは、通常特性変
化層は種々の特性を有するものであることから、強度
面、コスト面および機能面から基板上に薄膜として形成
されることが好ましいからである。
【0026】上記請求項16に記載された発明において
は、請求項17に記載するように、上記特性変化層が、
光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー照射
された際に液体との接触角が低下するように濡れ性が変
化する濡れ性変化層であることが好ましい。この特性変
化層の特性は種々のものがあるが、その中でも重要なも
のとして濡れ性の変化を挙げることができる。このよう
に特性変化層を濡れ性変化層とすることにより、光触媒
の作用により濡れ性の変化したパターンを有するパター
ン形成体とすることが可能となり、この濡れ性の変化し
た部位にインク等の機能性部用組成物を付着させること
により、後述するように種々の機能性素子、例えばカラ
ーフィルタやマイクロレンズ等を形成することができる
からである。
【0027】上記請求項17に記載された発明において
は、請求項18に記載するように、上記濡れ性変化層上
における表面張力40mN/mの液体との接触角が、露
光されていない部分において10°以上であり、露光さ
れた部分において9°以下であることが好ましい。エネ
ルギーが照射されていない部分は撥液性が要求される部
分であり、照射された部分は親液性が要求される部分で
あることから、この程度の濡れ性である必要があるから
である。
【0028】上記請求項17または請求項18に記載さ
れた発明においては、請求項19に記載するように、上
記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する
層であることが好ましく、中でも請求項20に記載する
ように、上記オルガノポリシロキサンが、フルオロアル
キル基を含有するポリシロキサンであることが好まし
い。このような濡れ性変化層は、光触媒含有層が接触し
た状態でのエネルギー照射により、大幅な濡れ性の変化
を得ることができるからである。
【0029】上記請求項19または請求項20に記載の
発明においては、請求項21に記載するように、上記オ
ルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここ
で、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、
アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはア
ルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの
整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種
以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物である
オルガノポリシロキサンであることが好ましい。このよ
うなオルガノポリシロキサンを材料として濡れ性変化層
を形成することにより、濡れ性の差の大きな濡れ性パタ
ーンが形成されたパターン形成体とすることができるか
らである。
【0030】上記請求項1から請求項15までのいずれ
かの請求項に記載の発明においては、請求項22に記載
するように、上記パターン形成体用基板が、自己支持性
を有するフィルムであり、その少なくとも一方の表面が
光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー照射
された際に液体との接触角が低下するように濡れ性が変
化するようなフィルム状の濡れ性変化層であってもよ
い。このようなパターン形成体は、例えば所定の材質か
らなる市販のフィルムの一方の表面に光触媒含有層と接
触させた状態でエネルギー照射することのみで、濡れ性
の異なるパターンを得ることが可能であり、安価なパタ
ーン形成体とすることができるからである。
【0031】上記請求項16に記載された発明において
は、請求項23に記載するように、上記特性変化層が、
光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去される分
解除去層であってもよい。このように、特性変化層を光
触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去される分解
除去層とすることにより、エネルギー照射された部分は
光触媒の作用により分解され除去されることになる。こ
のようにエネルギーが照射された部分は、特に後処理の
必要性もなく完全に分解除去することが可能であるの
で、例えば分解除去層をフォトレジストとし、ここに光
触媒含有層側基板を接触させて露光することにより、従
来行われてきた現像工程を行う必要無しにフォトレジス
トにパターンを形成することができる等の種々の用途が
あるからである。
【0032】上記請求項23に記載の発明においては、
請求項24に記載するように、上記分解除去層とこの分
解除去層が分解除去された際に露出する基板との液体と
の接触角が異なることが好ましい。
【0033】このように、分解除去層とこの分解除去層
が分解除去された際に露出する基板との液体との接触角
が異なることにより、エネルギー照射された部分は光触
媒の作用により分解除去層が分解され除去されて基材が
表面に露出することになる。一方、エネルギー照射され
ていない部分は分解除去層が残存することになる。ここ
で、分解除去層と露出した基材とで液体との接触角が異
なるものである場合、例えば分解除去層を撥液性の材料
で形成し、基材を親液性の材料で形成した場合等におい
ては、予め機能性部を形成する部分にエネルギーを照射
して光触媒を作用させることによりその部分の分解除去
層を除去することができ、エネルギーを照射した部分は
凹部でかつ親液性領域となり、エネルギーを照射しない
部分は凸部でかつ撥液性領域となる。これにより、この
機能性部を設ける凹部でかつ親液性領域の部分に機能性
部用組成物を精確かつ容易に付着させることができる。
よって、上述した特性変化層が濡れ性変化層である場合
よりさらに精確に機能性部が形成でき、かつ現像工程も
しくは洗浄工程等のエネルギー照射後の後処理を行う必
要がない。このため、容易に工程を簡略化することが可
能であり、安価かつ精確な機能性部を有する機能性素子
を得ることができる。
【0034】上記請求項23または請求項24に記載の
発明においては、請求項25に記載するように、上記分
解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロ
ジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであること
が好ましい。これらの材料が、光触媒含有層中の光触媒
の作用により分解除去されて、種々の機能を発揮するも
のだからである。
【0035】上記請求項1から請求項25までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項26に
記載するように、上記エネルギー照射が、光触媒含有層
を加熱しながらなされることが好ましい。光触媒を加熱
することにより、光触媒の感度が向上し、特性変化層上
での特性の変化を効率的に行うことができるからであ
る。
【0036】本発明においては、請求項27に記載する
ように、透明な基材と、上記透明な基材上にパターン状
に形成された遮光部と、上記透明な基材および遮光部上
に形成されたプライマー層と、上記プライマー層上に形
成された光触媒含有層とからなることを特徴とするフォ
トマスクを提供する。このようなフォトマスクを用いれ
ば、単にこのフォトマスクを介してエネルギーを照射す
るのみで、種々の特性の変化したパターンを得ることが
でき、効率的にパターン形成体を得ることができるから
である。
【0037】また、本発明においては、請求項28に記
載するように、透明な基材と、上記透明な基材上に形成
された光触媒含有層と、0.2μm〜10μmの厚みで
上記光触媒含有層上にパターン状に形成された遮光部パ
ターンとからなることを特徴とするフォトマスク、およ
び請求項29に記載するように透明な基材と、0.2μ
m〜10μmの厚みで上記透明基材上にパターン状に形
成された遮光部パターンと、上記透明な基材および上記
遮光部パターン上に形成された光触媒含有層とからなる
ことを特徴とするフォトマスクを提供する。この場合も
同様に、このフォトマスクを介して上述したような特性
変化層を有するパターン形成体用基板にエネルギーを照
射することにより、種々の特性の変化したパターンを得
ることができ、効率的にパターン形成体を得ることがで
きるからである。
【0038】本発明においてはさらに、請求項30に記
載するように、上記請求項1から請求項26までのいず
れかの請求項に記載されたパターン形成体の製造方法に
より製造されたパターン形成体に、機能性部が配置され
たことを特徴とする機能性素子を提供する。このよう
に、本発明のパターン形成体を用いることにより、容易
に機能性素子を得ることができる。
【0039】上記請求項30に記載された機能性素子
は、上記機能性部が金属であるものを挙げることができ
る。この場合は、例えば高精細な電気回路基板等に応用
することが可能となる。
【0040】本発明はまた、請求項32に記載するよう
に、上記請求項30に記載された機能性素子における機
能性部が、画素部であることを特徴とするカラーフィル
タを提供する。このようなカラーフィルタは、高精細な
画素部が高精度で形成されたもので、極めて高品質なも
のである。
【0041】
【発明の実施の形態】まず、本発明のパターン形成体の
製造方法について説明し、次いで、このパターン形成体
の製造方法にも用いることができるフォトマスクについ
て説明する。
【0042】A.パターン形成体の製造方法 本発明のパターン形成体の製造方法は、光触媒の作用に
より表面の特性が変化する特性変化層を有するパターン
形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程
と、光触媒を含有する光触媒含有層が基材上に形成され
てなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記特性変
化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配
置した後、所定の方向からエネルギーを照射することに
より、上記特性変化層表面に特性の変化したパターンを
形成するパターン形成工程とを有することを特徴とする
ものである。
【0043】このように、本発明のパターン形成体の製
造方法においては、光触媒含有層および特性変化層を所
定の間隙を有するように配置した後、所定の方向からエ
ネルギー照射することにより、光触媒含有層中の光触媒
の作用により、光触媒含有層に面しかつ露光した部分の
特性変化層の特性が変化し、この特性変化層上の特性の
変化した部分のパターンが形成される。したがって、パ
ターン形成に際して露光後の現像・洗浄等の後処理が不
要となるので、従来より少ない工程で、かつ安価に特性
の異なるパターンを形成することができる。そして、こ
の特性変化層の材料を選択することにより、様々な用途
に用いることができるパターン形成体とすることができ
る。
【0044】さらに、本発明においては、特性変化層上
の特性を光触媒含有層中の光触媒の作用により変化させ
た後、光触媒含有層側基板を取り外してパターン形成体
側基板をパターン形成体としたものであるので、得られ
るパターン形成体には必ずしも光触媒が含有されている
必要がない。したがって、得られるパターン形成体が光
触媒の作用により経時的に劣化するといった不具合を防
止することができる。
【0045】このような、本発明のパターン形成体の製
造方法について、図面を用いて具体的に説明する。図1
は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示すも
のである。
【0046】この例においては、まず、基材1上に光触
媒含有層2が形成されてなる光触媒含有層側基板3と、
基板4上に特性変化層5が形成されてなるパターン形成
体用基板6とを調整する(図1(a)参照、パターン形
成体用基板調製工程)。
【0047】次に、図1(b)に示すように、上記光触
媒含有層側基板3とパターン形成体用基板6とを、それ
ぞれの光触媒含有層2および特性変化層5が所定の間隔
を有するように配置した後、必要とされるパターンが描
かれたフォトマスク7を用い、これを介して紫外光8を
光触媒含有層側基板3側から照射する。これにより、図
1(c)に示すように、特性変化層5表面に特性の変化
した領域9からなるパターンが形成される(パターン形
成工程)。
【0048】また、上記紫外線の照射は、上記例ではフ
ォトマスク7を介したものであるが、後述するように光
触媒含有層がパターン状に形成されたものや、光触媒含
有層側基板内に遮光部が形成されたものを用いてもよ
く、この場合は、フォトマスク7等を用いることなく、
全面に露光することになる。
【0049】そして、上記パターン形成体用基板6上か
ら光触媒含有層側基板を外す工程が行われ(図1
(d))、表面に特性が変化したパターン9を有するパ
ターン形成体6を得ることができる。
【0050】このような本発明のパターン形成体の製造
方法について、各要素毎に詳細に説明する。
【0051】1.光触媒含有層側基板の調整 本発明においては、まず後述するパターン形成工程にお
いて用いる光触媒含有層側基板を調製する。この光触媒
含有層側基板は、基材と、この基材上に形成された光触
媒を含有する光触媒含有層とを有するものである。
【0052】このような光触媒含有層側基板は、少なく
とも光触媒含有層と基材とを有するものであり、通常は
基材上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層
が形成されてなるものである。また、この光触媒含有層
側基板には、パターン状に形成された遮光部が形成され
たものも用いることができる。
【0053】(光触媒含有層)本発明に用いられる光触
媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、対象とする特
性変化層の特性を変化させるような構成であれば、特に
限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成
されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜さ
れたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特
に親液性であっても撥液性であってもよい。
【0054】本発明において用いられる光触媒含有層
は、例えば上記図1(a)等に示すように、基材1上に
全面に形成されたものであってもよいが、例えば図2に
示すように、基材1上に光触媒含有層2がパターン上に
形成されたものであってもよい。
【0055】このように光触媒含有層をパターン状に形
成することにより、後述するパターン形成工程において
説明するように、光触媒含有層を特性変化層と所定の間
隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォ
トマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全
面に照射することにより、特性変化層上に特性の変化し
たパターンを形成することができる。
【0056】この光触媒処理層のパターニング方法は、
特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラ
フィー法等により行うことが可能である。
【0057】また、実際に光触媒含有層に面する特性変
化層上の部分のみの特性が変化するものであるので、エ
ネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と特性変化層と
が面する部分にエネルギーが照射されるものであれば、
いかなる方向から照射されてもよく、さらには、照射さ
れるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定され
ないという利点を有するものとなる。
【0058】このように光触媒含有層における、後述す
るような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構
は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって
生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、ある
いは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、
有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられてい
る。本発明においては、このキャリアが光触媒含有層近
傍に配置される特性変化層中の化合物に作用を及ぼすも
のであると思われる。
【0059】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(W
)、酸化ビスマス(Bi )、および酸化鉄
(Fe)を挙げることができ、これらから選択し
て1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0060】本発明においては、特に二酸化チタンが、
バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性
もなく、入手も容易であることから好適に使用される。
二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発
明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型
の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタン
は励起波長が380nm以下にある。
【0061】このようなアナターゼ型二酸化チタンとし
ては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0062】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。
【0063】本発明における光触媒含有層は、上述した
ように光触媒単独で形成されたものであってもよく、ま
たバインダと混合して形成されたものであってもよい。
【0064】光触媒のみからなる光触媒含有層の場合
は、特性変化層上の特性の変化に対する効率が向上し、
処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光
触媒とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触
媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
【0065】光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方
法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真
空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることがで
きる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することに
より、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有
層とすることが可能であり、これにより特性変化層上の
特性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒
のみからなることから、バインダを用いる場合と比較し
て効率的に特性変化層上の特性を変化させることが可能
となる。
【0066】また、光触媒のみからなる光触媒含有層の
形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合
は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成によ
り結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。
ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩
化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、
脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキ
シチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブト
キシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合
物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得る
ことができる。次いで、400℃〜500℃における焼
成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜
700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性するこ
とができる。
【0067】また、バインダを用いる場合は、バインダ
の主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないよ
うな高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例え
ばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0068】このようにオルガノポリシロキサンをバイ
ンダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒
とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応
じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製
し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成する
ことができる。使用する溶剤としては、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好まし
い。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコ
ート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法
により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより光触媒含有層を形成することかでき
る。
【0069】また、バインダとして無定形シリカ前駆体
を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一
般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エ
トキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、そ
れらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量
3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0070】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノール
を形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触
媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を10
0℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面
の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あ
るいは2種以上を混合して用いることができる。
【0071】バインダを用いた場合の光触媒含有層中の
光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜
40重量%の範囲で設定することができる。また、光触
媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ま
しい。
【0072】また、光触媒含有層には上記の光触媒、バ
インダの他に、界面活性剤を含有させることができる。
具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL B
L、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デ
ュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)
製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工
業(株)製メガファックF−141、144、ネオス
(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキ
ン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ
ーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフ
ッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙
げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもでき
る。
【0073】さらに、光触媒含有層には上記の界面活性
剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0074】(基材)本発明においては、図1に示すよ
うに、光触媒含有層側基板3は、少なくとも基材1とこ
の基材1上に形成された光触媒含有層2とを有するもの
である。
【0075】この際、用いられる基材を構成する材料
は、後述するパターン形成工程におけるエネルギーの照
射方向や、得られるパターン形成体が透明性を必要とす
るか等により適宜選択される。
【0076】すなわち、例えばパターン形成体が不透明
なものを基板として用いる場合においては、エネルギー
照射方向は必然的に光触媒含有層側基板側からとなり、
図1(b)に示すように、フォトマスク7を光触媒含有
層側基板3側に配置して、エネルギー照射をする必要が
ある。また、後述するように光触媒含有層側基板に遮光
部を予め所定のパターンで形成しておき、この遮光部を
用いてパターンを形成する場合においても、光触媒含有
層側基板側からエネルギーを照射する必要がある。この
ような場合、基材は透明性を有するものであることが必
要となる。
【0077】一方、パターン形成体が透明である場合で
あれば、パターン形成体用基板側にフォトマスクを配置
してエネルギーを照射することも可能である。また、こ
のパターン形成体用基板内にパターン形成体側遮光部を
形成する場合は、パターン形成体用基板側からエネルギ
ーを照射する必要がある。このような場合においては、
基材の透明性は特に必要とされない。
【0078】また本発明に用いられる基材は、可撓性を
有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよい
し、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であっ
てもよい。これは、後述するパターン形成工程における
エネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
【0079】このように、本発明における光触媒含有層
側基板に用いられる基材は特にその材料を限定されるも
のではないが、本発明においては、この光触媒含有層側
基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定
の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性
が良好である材料が好適に用いられる。
【0080】具体的には、ガラス、セラミック、金属、
プラスチック等を挙げることができる。
【0081】なお、基材表面と光触媒含有層との密着性
を向上させるために、基材上にプライマー層を形成する
ようにしてもよい。このようなプライマー層としては、
例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げ
ることができる。
【0082】(遮光部)本発明に用いられる光触媒含有
層側基板には、パターン状に形成された遮光部が形成さ
れたものを用いても良い。このように遮光部を有する光
触媒含有層側基板を用いることにより、エネルギー照射
に際して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描
画照射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側
基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることか
ら、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射
に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的
に有利となるという利点を有する。
【0083】このような遮光部を有する光触媒含有層側
基板は、遮光部の形成位置により、下記の二つの実施態
様とすることができる。
【0084】一つが、例えば図3に示すように、基材1
上に遮光部13を形成し、この遮光部13上に光触媒含
有層2を形成して、光触媒含有層側基板3とする実施態
様である。もう一つは、例えば図4に示すように、基材
1上に光触媒含有層2を形成し、その上に遮光部13を
形成して光触媒含有層側基板3とする実施態様である。
【0085】いずれの実施態様においても、フォトマス
クを用いる場合と比較すると、遮光部が、上記光触媒含
有層と特性変化層とが間隙をもって位置する部分の近傍
に配置されることになるので、基材内等におけるエネル
ギーの散乱の影響を少なくすることができることから、
エネルギーのパターン照射を極めて正確に行うことが可
能となる。
【0086】さらに、上記光触媒含有層上に遮光部を形
成する実施態様においては、光触媒含有層と特性変化層
とを所定の間隙をおいて配置する際に、この遮光部の膜
厚をこの間隙の幅と一致させておくことにより、上記遮
光部を上記間隙を一定のものとするためのスペーサとし
ても用いることができるという利点を有する。
【0087】すなわち、所定の間隙をおいて上記光触媒
含有層と特性変化層とを接触させた状態で配置する際
に、上記遮光部と特性変化層とを密着させた状態で配置
することにより、上記所定の間隙を正確とすることが可
能となり、そしてこの状態で光触媒含有層側基板からエ
ネルギーを照射することにより、特性変化層上にパター
ンを精度良く形成することが可能となるのである。
【0088】このような遮光部の形成方法は、特に限定
されるものではなく、遮光部の形成面の特性や、必要と
するエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択され
て用いられる。
【0089】例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等
により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属
薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより
形成されてもよい。このパターニングの方法としては、
スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることがで
きる。
【0090】また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、
金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有
させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。
用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等
の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹
脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例え
ば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用
いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとし
ては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができ
る。このよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フ
ォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用
いることができる。
【0091】なお、上記説明においては、遮光部の形成
位置として、基材と光触媒含有層との間、および光触媒
含有層表面の二つの場合について説明したが、その他、
基材の光触媒含有層が形成されていない側の表面に遮光
部を形成する態様も採ることが可能である。この態様に
おいては、例えばフォトマスクをこの表面に着脱可能な
程度に密着させる場合等が考えられ、パターン形成体を
小ロットで変更するような場合に好適に用いることがで
きる。
【0092】(プライマー層)本発明において、上述し
たように基材上に遮光部をパターン状に形成して、その
上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側基板とする
場合においては、上記遮光部と光触媒含有層との間にプ
ライマー層を形成することが好ましい。
【0093】このプライマー層の作用・機能は必ずしも
明確なものではないが、遮光部と光触媒含有層との間に
プライマー層を形成することにより、プライマー層は光
触媒の作用による特性変化層の特性変化を阻害する要因
となる遮光部および遮光部間に存在する開口部からの不
純物、特に、遮光部をパターニングする際に生じる残渣
や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止する機能
を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を
形成することにより、高感度で特性変化の処理が進行
し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能と
なるのである。
【0094】なお、本発明においてプライマー層は、遮
光部のみならず遮光部間に形成された開口部に存在する
不純物が光触媒の作用に影響することを防止するもので
あるので、プライマー層は開口部を含めた遮光部全面に
わたって形成されていることが好ましい。
【0095】図5はこのようなプライマー層を形成した
光触媒含有層側基板の一例を示すものである。遮光部1
3が形成された基材1の遮光部13が形成されている側
の表面にプライマー層10が形成されており、このプラ
イマー層10の表面に光触媒含有層2が形成されてい
る。
【0096】上記基材上に遮光部がパターン状に形成さ
れた構成は、一般的なフォトマスクの構成である。した
がって、このプライマー層は、光触媒含有層がプライマ
ー層を介してフォトマスク上に形成されたものであると
いえる。
【0097】本発明におけるプライマー層は、光触媒含
有層とフォトマスクとが物理的に接触しないように配置
された構造であれば特に限定されるものではない。すな
わち、フォトマスクの遮光部と光触媒含有層とが接触し
ないようにプライマー層が形成されていればよいのであ
る。
【0098】このプライマー層を構成する材料として
は、特に限定されるものではないが、光触媒の作用によ
り分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定
形シリカを挙げることができる。このような無定形シリ
カを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一
般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エ
トキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であ
り、それらの加水分解物であるシラノール、または平均
分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0099】また、プライマー層の膜厚は、0.001
μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に
0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好
ましい。
【0100】2.パターン形成体用基板調整工程 本発明のパターン形成体の製造方法においては、図1に
示すように、まず上述した光触媒含有層側基板3と対向
する位置に配置するパターン形成体用基板6を準備す
る。
【0101】このパターン形成体用基板は、少なくとも
特性変化層を有するものであれば特に限定されるもので
はないが、強度等の関係から基板上にこの特性変化層が
形成されていることが好ましい。また、必要であれば他
の保護層等も形成されてもよいが、少なくとも一方の面
全面もしくは部分的に特性変化層が露出している必要が
ある。
【0102】本発明においてパターン形成体用基板と
は、いまだ特性変化層に特性変化部位によるパターンが
形成されていない状態の基板を示し、このパターン形成
体用基板に対して露光して、特性変化層上に特性変化部
位のパターンが形成されたものをパターン形成体とす
る。
【0103】(1)特性変化層 本発明における特性変化層とは、光触媒の作用により特
性が変化する層であればいかなる層であってもよく、例
えば特性変化層中にスピロピラン等のフォトクロミック
材料あるいは光触媒の作用により分解される有機色素等
を特性変化層に混合し、特性変化層を光触媒の作用によ
り着色する層としてもよい。
【0104】また、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンなどのポリマー材料等を用いる
ことにより、露光した部分が光触媒の作用により、極性
基が導入されたり、表面の状態が粗い状態となったりし
て種々の物質との接着性が向上するようにした層を特性
変化層としてもよい。このように特性変化層を接着性が
変化する接着性変化層とすることにより、パターン露光
により接着性の良好なパターンを形成することが可能と
なる。このような接着性の良好な部位のパターンを有す
るパターン形成体は、例えば、このようなパターン形成
体に金属成分を蒸着し、金属の薄膜を形成し、次いで接
着性の違いを利用して金属薄膜を例えば粘着剤や薬剤等
により剥離することにより、金属の薄膜のパターンを形
成することが可能となる。この方法によれば、レジスト
のパターンを形成することなく金属薄膜のパターンを形
成することが可能となり、印刷法によるものよりも高精
細なパターンを有するプリント基板や電子回路素子等を
形成することができる。
【0105】また、本発明においては、このような特性
変化層が、乾式法、すなわち真空蒸着法等により形成さ
れたものであってもよく、また湿式法、すなわちスピン
コート法やディップコート法等の方法により形成された
ものであってもよい。
【0106】このように、特性変化層は光触媒の作用に
より変化する種々の特性を有する層であれば特に限定さ
れないのであるが、本発明においては中でも特性変化層
が光触媒の作用により濡れ性が変化して濡れ性によるパ
ターンが形成される濡れ性変化層である場合、および特
性変化層が光触媒の作用により分解除去され凹凸による
パターンが形成される分解除去層である場合の二つの場
合が、特に得られる機能性素子等の関係からより本発明
の有効性を引き出すものであるので好ましい。
【0107】(濡れ性変化層)本発明における濡れ性可
変層は、上記光触媒の作用により表面の濡れ性が変化す
る層であれば特に限定されるものではないが、一般には
エネルギーの照射に伴う光触媒の作用により、その濡れ
性変化層表面における液体との接触角が低下するように
濡れ性が変化する層であることが好ましい。
【0108】このように、露光(本発明においては、光
が照射されたことのみならず、エネルギーが照射された
ことをも意味するものとする。)により液体との接触角
が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層とする
ことにより、上記遮光部を介したエネルギーの照射を行
うことにより容易に濡れ性をパターン状に変化させ、液
体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成する
ことが可能となり、この親液性領域に機能性部用組成物
を付着させることにより、容易に機能性素子を形成する
ことができる。したがって、効率的に機能性素子が製造
でき、コスト的に有利となるからである。
【0109】ここで、親液性領域とは、液体との接触角
が小さい領域であり、機能性部用組成物、例えば機能性
素子がカラーフィルタであれば、画素部(着色層)着色
用のインク、また機能性素子がマイクロレンズであれ
ば、マイクロレンズ形成用組成物等に対する濡れ性の良
好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液
体との接触角が大きい領域であり、上述した機能性部用
組成物に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0110】上記濡れ性変化層は、露光していない部
分、すなわち撥水性領域においては、表面張力40mN
/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張
力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表
面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の濡
れ性を示すことが好ましい。これは、露光していない部
分は、本発明においては撥液性が要求される部分である
ことから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十
分でなく、上記機能性部形成用組成物が残存する可能性
が生じるため好ましくないからである。
【0111】また、上記濡れ性変化層は、露光すると液
体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体
との接触角が9°以下、好ましくは表面張力50mN/
mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60m
N/mの液体との接触角が10°以下となるような層で
あることが好ましい。露光した部分、すなわち親液性領
域における液体との接触角が高いと、この部分での機能
性部形成用組成物の広がりが劣る可能性があり、機能性
部の欠け等の問題が生じる可能性があるからである。
【0112】なお、ここでいう液体との接触角は、種々
の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協
和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイク
ロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果
から、もしくはその結果をグラフにして得たものであ
る。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する
液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を
用いた。
【0113】また、本発明において上述したような濡れ
性変化層を用いた場合、この濡れ性変化層中にフッ素が
含有され、さらにこの濡れ性変化層表面のフッ素含有量
が、濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上
記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下
するように上記濡れ性変化層が形成されていてもよい。
【0114】このような特徴を有する濡れ性変化層であ
れば、エネルギーをパターン照射することにより、容易
にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成
することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エ
ネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含
有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。
したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表
面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表
面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の
少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性
領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面
に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターン
を形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターン
を形成することとなる。
【0115】したがって、このような濡れ性変化層を用
いた場合は、エネルギーをパターン照射することによ
り、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成
することができるので、この親液性領域のみに機能性部
を形成することが容易に可能となり、低コストで品質の
良好な機能性素子とすることができる。
【0116】上述したような、フッ素を含む濡れ性変化
層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが
照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域に
おけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部
分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ま
しくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ま
しい。
【0117】このような範囲内とすることにより、エネ
ルギー照射部分と未照射部分との濡れ性に大きな違いを
生じさせることができる。したがって、このような濡れ
性変化層に機能性部を形成することにより、フッ素含有
量が低下した親液性領域のみに正確に機能性部を形成す
ることが可能となり、精度良く機能性素子を得ることが
できるからである。なお、この低下率は重量を基準とし
たものである。
【0118】このような濡れ性変化層中のフッ素含有量
の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いるこ
とが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Phot
oelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscop
y for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線
分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測
定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0119】このような濡れ性変化層に用いられる材料
としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち露光
により接触する光触媒含有層中の光触媒により濡れ性が
変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解し
にくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるもの
ではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロ
ロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大
きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥
水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオル
ガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げ
ることができる。
【0120】上記の(1)の場合、一般式: YSiX(4−n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0121】また、特にフルオロアルキル基を含有する
オルガノポリシロキサンが好ましく用いることができ、
具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種また
は2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げ
られ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知ら
れたものを使用することができる。
【0122】CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;(CFCF(CFCHCH
Si(OCH;(CFCF(CF
CHCHSi(OCH;(CFCF
(CFCHCHSi(OCH;CF
(C)CSi(OCH;CF(C
(C)CSi(OCH;C
(CF(C)CSi(OC
;CF(CF(C)C
i(OCH;CF(CFCHCH
iCH(OCH;CF(CFCH
SiCH(OCH;CF(CF
CHSiCH(OCH;CF(C
CHCHSiCH(OCH;(C
CF(CFCHCHSiCH(O
CH;(CFCF(CFCHCH
Si CH(OCH;(CFCF(C
CHCHSi CH(OCH;C
(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH
(OCH;CF(CF(C)C
SiCH(OCH;CF(CF
(C)CSiCH(OCH;CF
(CFCHCHSi(OCH
;CF(CFCHCHSi(OC
CH;CF(CFCHCHSi
(OCHCH;CF(CFCHCH
Si(OCHCH;およびCF(CF
SON(C)CCHSi(OC
【0123】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
濡れ性変化層の未露光部の撥液性が大きく向上し、例え
ば機能性素子がカラーフィルタである場合における画素
部着色用のインクといった機能性部用組成物の付着を妨
げる機能を発現する。
【0124】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0125】
【化1】
【0126】ただし、nは2以上の整数であり、R
はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、R
メチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので
好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが
好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に
少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0127】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
【0128】本発明においては、このようにオルガノポ
リシロキサン等の種々の材料を濡れ性変化層に用いるこ
とができるのであるが、上述したように、濡れ性変化層
にフッ素を含有させることが、濡れ性のパターン形成に
効果的である。したがって、光触媒の作用により劣化・
分解しにくい材料にフッ素を含有させる、具体的にはオ
ルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させて濡れ性
変化層とすることが好ましいといえる。
【0129】このように、オルガノポリシロキサン材料
にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネ
ルギーを有する主剤に対し、フッ素化合物を比較的弱い
結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネ
ルギーで結合されたフッ素化合物を濡れ性変化層に混入
させる方法等を挙げることができる。このような方法で
フッ素を導入することにより、エネルギーが照射された
場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合
部位が分解され、これによりフッ素を濡れ性変化層中か
ら除去することができるからである。
【0130】上記第1の方法、すなわち、高い結合エネ
ルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的
弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オ
ルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基と
して導入する方法等を挙げることができる。
【0131】例えば、オルガノポリシロキサンを得る方
法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル
反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分
解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロ
キサンを得ることができる。ここで、この方法において
は、上述したように上記一般式: YSiX(4−n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは
共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサン
を得るのであるが、この一般式において、置換基Yとし
てフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成
することにより、フルオロアルキル基を置換基として有
するオルガノポリシロキサンを得ることができる。この
ようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガ
ノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、エネ
ルギーが照射された際、接触する光触媒含有層中の光触
媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分
が分解されることから、濡れ性変化層表面にエネルギー
を照射した部分のフッ素含有量を低減させることができ
る。
【0132】この際用いられるフルオロアルキル基を有
する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有する
ものであれば特に限定されるものではないが、少なくと
も1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアル
キル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、
特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用
いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通
りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロア
ルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロア
ルキルシランが好ましい。
【0133】本発明においては、このようなフルオロア
ルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキ
ル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共
加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用
いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する
珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分
解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキ
サンとして用いてもよい。
【0134】このようにして得られるフルオロアルキル
基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオ
ルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記
フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル
%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていること
が好ましい。
【0135】フルオロアルキル基がこの程度含まれるこ
とにより、濡れ性変化層上の撥液性を高くすることがで
き、エネルギーを照射して親液性領域とした部分との濡
れ性の差異を大きくすることができるからである。
【0136】また、上記(2)に示す方法では、撥液牲
に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガ
ノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様
に、上述した一般式中のR,Rのいずれかもしくは
両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基
とすることにより、濡れ性変化層中にフッ素を含ませる
ことが可能であり、またエネルギーが照射された場合
に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオ
ロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照射
により濡れ性変化層表面におけるフッ素の含有量を低下
させることができる。
【0137】一方、後者の例、すなわち、バインダの結
合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合
物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ
素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活
性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子
量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ
樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を
挙げることができる。
【0138】本発明における濡れ性変化層には、さらに
界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日
光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、B
O、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製Z
ONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロン
S−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メ
ガファックF−141、144、ネオス(株)製フター
ジェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製
ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製
フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいは
シリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかで
き、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0139】また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0140】このような濡れ性変化層は、上述した成分
を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗
布液を調製し、この塗布液を基板上に塗布することによ
り形成することができる。使用する溶剤としては、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤
が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、デ
ィッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の
塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより濡れ性変化層を形成することかでき
る。
【0141】本発明において、この濡れ性変化層の厚み
は、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.
001μmから1μmであることが好ましく、特に好ま
しくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0142】本発明において上述した成分の濡れ性変化
層を用いることにより、接触する光触媒含有層中の光触
媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤
の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化
させて親液性とし、未露光部との濡れ性に大きな差を生
じさせることができる。よって、機能性部用組成物、例
えば画素部着色用のインク等との受容性(親液性)およ
び反撥性(撥液性)を高めることによって、品質の良好
でかつコスト的にも有利なカラーフィルタ等の機能性素
子を得ることができる。
【0143】なお、本発明に用いられる濡れ性変化層
は、上述したように光触媒の作用により濡れ性の変化す
る層であれば特に限定されるものではないが、特に、光
触媒を含まない層であることが好ましい。このように濡
れ性変化層内に光触媒が含まれなければ、その後機能性
素子として用いた場合に、経時的な劣化を心配する必要
がなく、長期間に渡り問題なく使用することが可能だか
らである。
【0144】上述した濡れ性変化層は、通常基板上に形
成されるものであるが、本発明におていは、この濡れ性
変化層が自己支持性を有する材料で形成されており、基
板を含まないものであってもよい。
【0145】なお、本発明でいう自己支持性を有すると
は、他の支持材無しで有形な状態で存在し得ることをい
うこととする。
【0146】このような本発明に用いられる濡れ性変化
層の材料として、具体的には、光触媒含有層をその表面
に接触させてエネルギーを照射させることにより、その
後塗布する機能性部用組成物が有する表面張力と同等の
表面張力の液体に対する接触角が、少なくとも1°以
上、好ましくは5°特に10°以上変化する材料を挙げ
ることができる。
【0147】また、この濡れ性変化層は、照射されるエ
ネルギーを透過することができる材料で形成されている
ことが必要である。
【0148】このような材料としては、例えば、ポリエ
チレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセター
ル樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリオキシメチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レンテレフタレート、シリコーン等を挙げることができ
る。
【0149】(分解除去層)次に分解除去層について説
明する。この分解除去層は、露光された際に光触媒含有
層中の光触媒の作用により、露光された部分の分解除去
層が分解除去される層である。
【0150】このように分解除去層は、露光した部分が
光触媒の作用により分解除去されることから、現像工程
や洗浄工程を行うことなく分解除去層のある部分と無い
部分からなるパターン、すなわち凹凸を有するパターン
を形成することができる。したがって各種印刷版原版等
の凹凸のパターンを必要とする部材は、この方法により
容易に形成することができる。また、スクリーン上にこ
の分解除去層を塗布し、光触媒含有層側基板と接触させ
てパターン露光することにより、露光された部分の分解
除去層は分解除去されることから、スクリーン印刷の原
版を現像・洗浄工程無しに形成することができる。さら
に、レジスト特性を有する素材でこの分解除去層を形成
した場合は、光触媒含有層側基板と接触させてパターン
露光することにより、容易にレジストのパターンを形成
することができる。したがって、現像・洗浄工程の無い
フォトレジストとして、半導体製造工程等に用いること
も可能である。
【0151】なお、この分解除去層は、露光による光触
媒の作用により酸化分解され、気化等されることから、
現像・洗浄工程等の特別な後処理なしに除去されるもの
であるが、分解除去層の材質によっては、洗浄工程等を
行ってもよい。
【0152】また、この分解除去層を用いた場合は、凹
凸を形成するのみならず、分解除去されて露出する基材
と分解除去層との特性の相違によりパターンを形成する
ことも可能である。このような特性としては、接着性、
発色性等種々のものを挙げることができるが、本発明に
おいては中でも濡れ性を挙げることができ、この濡れ性
の相違によりパターンを形成することが、最終的に素子
を形成した場合の有効性の点で好ましい。
【0153】すなわち、本発明においては、分解除去層
とこの分解除去層が分解除去されて露出する基板との液
体の接触角が異なるように構成されていることが好まし
く、特に基板の液体との接触角より分解除去層上の液体
との接触角が大きいことが好ましい。
【0154】このような分解除去層表面に要求される撥
液性としては、その後塗布する機能性部用組成物が有す
る表面張力と同等の表面張力の液体に対する接触角が、
30°以上、特に40°以上、中でも50°以上となる
ものであることが好ましい。
【0155】このような分解除去層に用いることができ
る材料としては、具体的には機能性薄膜、すなわち、自
己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、およ
び交互吸着膜等が好適に用いられ、その他フッ素系樹脂
等を用いることができる。
【0156】ここで、本発明に用いられる自己組織化単
分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着
膜について具体的に説明する。
【0157】a.自己組織化単分子膜 自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer)の公式
な定義の存在を発明者らは知らないが、一般的に自己組
織化膜として認識されているものの解説文としては、例
えばAbraham Ulmanによる総説“Formation and Structu
re of Self-Assembled Monolayers”, Chemical Revie
w, 96, 1533-1554 (1996)が優れている。本総説を参考
にすれば、自己組織化単分子膜とは、適当な分子が適当
な基板表面に吸着・結合(自己組織化)した結果生じた
単分子層のことと言える。自己組織化膜形成能のある材
料としては、例えば、脂肪酸などの界面活性剤分子、ア
ルキルトリクロロシラン類やアルキルアルコキシド類な
どの有機ケイ素分子、アルカンチオール類などの有機イ
オウ分子、アルキルフォスフェート類などの有機リン酸
分子などが挙げられる。分子構造の一般的な共通性は、
比較的長いアルキル鎖を有し、片方の分子末端に基板表
面と相互作用する官能基が存在することである。アルキ
ル鎖の部分は分子同士が2次元的にパッキングする際の
分子間力の源である。もっとも、ここに示した例は最も
単純な構造であり、分子のもう一方の末端にアミノ基や
カルボキシル基などの官能基を有するもの、アルキレン
鎖の部分がオキシエチレン鎖のもの、フルオロカーボン
鎖のもの、これらが複合したタイプの鎖のものなど様々
な分子から成る自己組織化単分子膜が報告されている。
また、複数の分子種から成る複合タイプの自己組織化単
分子膜もある。また、最近では、デンドリマーに代表さ
れるような粒子状で複数の官能基(官能基が一つの場合
もある)を有する高分子や直鎖状(分岐構造のある場合
もある)の高分子が一層基板表面に形成されたもの(後
者はポリマーブラシと総称される)も自己組織化単分子
膜と考えられる場合もあるようである。本発明は、これ
らも自己組織化単分子膜に含める。
【0158】b.ラングミュア−ブロジェット膜 本発明に用いられるおけるラングミュア−ブロジェット
膜(Langmuir-BlodgettFilm)は、基板上に形成されてし
まえば形態上は上述した自己組織化単分子膜との大きな
相違はない。ラングミュア−ブロジェット膜の特徴はそ
の形成方法とそれに起因する高度な2次元分子パッキン
グ性(高配向性、高秩序性)にあると言える。すなわ
ち、一般にラングミュア−ブロジェット膜形成分子は気
液界面上に先ず展開され、その展開膜がトラフによって
凝縮されて高度にパッキングした凝縮膜に変化する。実
際は、これを適当な基板に移しとって用いる。ここに概
略を示した手法により単分子膜から任意の分子層の多層
膜まで形成することが可能である。また、低分子のみな
らず、高分子、コロイド粒子なども膜材料とすることが
できる。様々な材料を適用した最近の事例に関しては宮
下徳治らの総説“ソフト系ナノデバイス創製のナノテク
ノロジーへの展望” 高分子 50巻 9月号 644-647
(2001)に詳しく述べられている。
【0159】c.交互吸着膜 交互吸着膜(Layer-by-Layer Self-Assembled Film)は、
一般的には、最低2個の正または負の電荷を有する官能
基を有する材料を逐次的に基板上に吸着・結合させて積
層することにより形成される膜である。多数の官能基を
有する材料の方が膜の強度や耐久性が増すなど利点が多
いので、最近ではイオン性高分子(高分子電解質)を材
料として用いることが多い。また、タンパク質や金属や
酸化物などの表面電荷を有する粒子、いわゆる“コロイ
ド粒子”も膜形成物質として多用される。さらに最近で
は、水素結合、配位結合、疎水性相互作用などのイオン
結合よりも弱い相互作用を積極的に利用した膜も報告さ
れている。比較的最近の交互吸着膜の事例については、
静電的相互作用を駆動力にした材料系に少々偏っている
がPaula T. Hammondによる総説“Recent Explorations
in Electrostatic Multilayer Thin Film Assembly” C
urrent Opinion in Colloid & Interface Science, 4,
430-442 (2000)に詳しい。交互吸着膜は、最も単純なプ
ロセスを例として説明すれば、正(負)電荷を有する材
料の吸着−洗浄−負(正)電荷を有する材料の吸着−洗
浄のサイクルを所定の回数繰り返すことにより形成され
る膜である。ラングミュア−ブロジェット膜のように展
開−凝縮−移し取りの操作は全く必要ない。また、これ
ら製法の違いより明らかなように、交互吸着膜はラング
ミュア−ブロジェット膜のような2次元的な高配向性・
高秩序性は一般に有さない。しかし、交互吸着膜及びそ
の作製法は、欠陥のない緻密な膜を容易に形成できるこ
と、微細な凹凸面やチューブ内面や球面などにも均一に
成膜できることなど、従来の成膜法にない利点を数多く
有している。
【0160】また、分解除去層の膜厚としては、後述す
るエネルギー照射工程において照射されるエネルギーに
より分解除去される程度の膜厚であれば特に限定される
ものではない。具体的な膜厚としては、照射されるエネ
ルギーの種類や分解除去層の材料等により大きく異なる
ものではあるが、一般的には、0.001μm〜1μm
の範囲内、特に0.01μm〜0.1μmの範囲内とす
ることが好ましい。
【0161】(2)基板 本発明のパターン形成体の製造方法において、特性変化
層は強度との関係や最終的な機能性素子との関係から、
図1に示すように基板4上に形成されることが好まし
い。このような基板としては、パターン形成体もしくは
パターン形成体により形成された機能性素子の用途に応
じて、ガラス、アルミニウム、およびその合金等の金
属、プラスチック、織物、不織布等を挙げることができ
る。
【0162】3.パターン形成工程 本発明においては、次に、光触媒含有層および特性変化
層を200μm以下であって、接触しないように間隙を
おいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射す
るパターン形成工程が行われる。
【0163】このように光触媒含有層と特性変化層表面
とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水
および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやす
くなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と特性変
化層との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着
がしにくくなり、結果的に特性の変化速度を遅くしてし
まう可能性があることから好ましくなく、上記範囲より
間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が特性
変化層に届き難くなり、この場合も特性の変化速度を遅
くしてしまう可能性があることから好ましくないのであ
る。
【0164】本発明において上記間隙は、パターン精度
が極めて良好であり、光触媒の感度も高く、したがって
特性変化の効率が良好である点を考慮すると特に0.2
μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの
範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲
は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小
面積のパターン形成体用基板に対して特に有効である。
【0165】一方、例えば300mm×300mmとい
った大面積のパターン形成体用基板に対して処理を行う
場合は、接触することなく、かつ上述したような微細な
間隙を光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板との
間に設けることは極めて困難である。したがって、パタ
ーン形成体用基板が比較的大面積である場合は、上記間
隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μm
の範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲
内とすることにより、パターンがぼやける等のパターン
精度の低下の問題や、光触媒の感度が悪化して特性変化
の効率が悪化する等の問題が生じることなく、さらに特
性変化層上の特性変化のムラが発生しないといった効果
を有するからである。
【0166】このように比較的大面積のパターン形成体
用基板を露光する際には、露光装置内の光触媒含有層側
基板とパターン形成体用基板との位置決め装置における
間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に2
5μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。
設定値をこのような範囲内とすることにより、パターン
精度の大幅な低下や光触媒の感度の大幅な悪化を招くこ
となく、かつ光触媒含有層側基板とパターン形成体用基
板とが接触することなく配置することが可能となるから
である。
【0167】本発明においては、このような間隙をおい
た配置状態は、少なくとも露光の間だけ維持されればよ
い。
【0168】このような極めて狭い間隙を均一に形成し
て光触媒含有層と特性変化層とを配置する方法として
は、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができ
る。そして、このようにスペーサを用いることにより、
均一な間隙を形成することができると共に、このスペー
サが接触する部分は、光触媒の作用が特性変化層表面に
及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと
同様のパターンを有するものとすることにより、特性変
化層上に所定のパターンを形成することが可能となる。
【0169】本発明においては、このようなスペーサを
一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略化等の
ため、上記光触媒含有層側基板の欄で説明したように、
光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成すること
が好ましい。なお、上記光触媒含有層側基板調製工程に
おける説明においては、遮光部として説明したが、本発
明においては、このようなスペーサは特性変化層表面に
光触媒の作用が及ばないように表面を保護する作用を有
すればよいものであることから、特に照射されるエネル
ギーを遮蔽する機能を有さない材料で形成されたもので
あってもよい。
【0170】次に、上述したような接触状態を維持した
状態で、接触する部分へのエネルギー照射が行われる。
なお、本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触
媒含有層による特性変化層表面の特性を変化させること
が可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であ
り、可視光の照射に限定されるものではない。
【0171】通常このような露光に用いる光の波長は、
400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範
囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有
層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、
この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネ
ルギーとして、上述した波長の光が好ましいからであ
る。
【0172】このような露光に用いることができる光源
としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノ
ンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げる
ことができる。
【0173】上述したような光源を用い、フォトマスク
を介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、
YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方
法を用いることも可能である。
【0174】また、露光に際してのエネルギーの照射量
は、特性変化層表面が光触媒含有層中の光触媒の作用に
より特性変化層表面の特性の変化が行われるのに必要な
照射量とする。
【0175】この際、光触媒含有層を加熱しながら露光
することにより、感度を上昇させことが可能となり、効
率的な特性の変化を行うことができる点で好ましい。具
体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ま
しい。
【0176】本発明における露光方向は、光触媒含有層
側基板に遮光部が形成されているか否か等のパターンの
形成方法や、光触媒含有層側基板もしくはパターン形成
体用基板が透明であるか否かにより決定される。
【0177】すなわち、光触媒含有層側基板に遮光部が
形成されている場合は、光触媒含有層側基板側から露光
が行なわれる必要があり、かつこの場合は光触媒含有層
側基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要
がある。なお、この場合、光触媒含有層上に遮光部が形
成され、かつこの光触媒含有層側遮光部を上述したよう
なスペーサとしての機能を有するように用いた場合にお
いては、露光方向は光触媒含有層側基板側からでもパタ
ーン形成体用基板側からであってもよい。
【0178】また、光触媒含有層がパターン状に形成さ
れている場合における露光方向は、上述したように、光
触媒含有層と特性変化層とが接触する部分にエネルギー
が照射されるのであればいかなる方向から照射されても
よい。
【0179】同様に、上述したスペーサを用いる場合
も、接触する部分にエネルギーが照射されるのであれば
いかなる方向から照射されてもよい。
【0180】フォトマスクを用いる場合は、フォトマス
クが配置された側からエネルギーが照射される。この場
合は、フォトマスクが配置された側の基板、すなわち光
触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板のいず
れかが透明である必要がある。
【0181】上述したようなエネルギー照射が終了する
と、光触媒含有層側基板が特性変化層との接触位置から
離され、これにより図1(d)に示すように特性が変化
した特性変化領域9からなるパターンが特性変化層5上
に形成される。
【0182】このようなパターン形成工程における、特
性変化層表面の特性の変化は、大きく分けて二つのタイ
プに分けることが可能であり、一つがその表面の性質を
変化させるものであり、もう一つが除去するものであ
る。
【0183】すなわち、表面の性質を変化する場合と
は、特性変化層表面の化合物が光触媒の作用により変性
して、その化学的性質、物理的性質を変化させるもので
ある。例えば、表面の抵抗値を変化させる場合、表面の
化学的な活性を変化させる場合、表面の粘着性を変化さ
せる場合等がある。具体的には、上述した濡れ性変化層
がその代表的な例である。
【0184】一方、他の性質として、エネルギー照射に
伴う光触媒の作用により、特性変化層が除去される場合
も本発明でいう特性変化層の特性の変化に含まれるもの
である。例えば、基板上の特性変化層がエネルギーが照
射された部分のみ除去される場合や、特性変化層表面に
おいて、エネルギーが照射された部分のみ凹部が形成さ
れる場合、さらには特性変化層表面においてエネルギー
が照射されることにより部分的な除去が発生して凹凸が
生じる場合等である。この場合の代表的な例が、上述し
た分解除去層である。
【0185】4.機能性素子 上述したパターン形成体用基板に特性の変化したパター
ンを形成することによりパターン形成体を得ることがで
きる。そしてこのパターンに沿って、機能性部形成用組
成物を付着させることにより、種々の機能性素子を得る
ことができる。
【0186】このような機能性素子は、上述したパター
ン形成体のパターンに沿って機能性部が形成されてなる
点に特徴を有するものである。
【0187】ここで機能性とは、光学的(光選択吸収、
反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あ
るいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性
等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、
電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電
性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イ
オン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロク
ロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱
性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合
性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものである。
【0188】このような機能性部のパターン形成体のパ
ターンに対応した部位への配置は、親液性領域および撥
液性領域の濡れ性の差を利用した方法や、親液性領域お
よび撥液性領域の密着性の差を利用した方法等により行
われる。
【0189】例えば、濡れ性変化層上における濡れ性パ
ターンの密着性の差を利用する場合としては、濡れ性変
化層上に全面にわたって機能性部用組成物としての金属
を蒸着させ、その後粘着剤等により引き剥がすことによ
り、密着性が良好な親液性領域のみ機能性部としての金
属のパターンが形成される。これにより容易にプリント
基板等を形成することができる。
【0190】また、濡れ性変化層上における濡れ性パタ
ーンの濡れ性の差を利用する場合としては、機能性部用
組成物をパターン形成体上に塗布することにより、濡れ
性の良好な親液性領域のみ機能性部用組成物が付着する
ことになり、容易にパターン形成体の親液性領域のパタ
ーン上にのみ機能性部を配置することができる。
【0191】本発明に用いられる機能性部用組成物とし
ては、上述したように機能性素子の機能、機能性素子の
形成方法等によって大きく異なるものであり、例えば上
述した密着性の相違により金属のパターンを形成するよ
うな場合は、この機能性部用組成物は金属となり、また
濡れ性の相違によりパターンを形成する場合には、紫外
線硬化型モノマー等に代表される溶剤で希釈されていな
い組成物や、溶剤で希釈した液体状の組成物等を用いる
ことができる。
【0192】溶剤で希釈した液体状組成物の場合は、溶
剤が水、エチレングリコール等の高表面張力を示すもの
であることが好ましい。また、機能性部用組成物として
は粘度が低いほど短時間にパターンが形成できることか
ら特に好ましい。ただし、溶剤で希釈した液体状組成物
の場合には、パターン形成時に溶剤の揮発による粘度の
上昇、表面張力の変化が起こるため、溶剤が低揮発性で
あることが望ましい。
【0193】本発明に用いられる機能性部用組成物とし
ては、パターン形成体に付着等させて配置されることに
より機能性部となるものであってもよく、またパターン
形成体上に配置された後、薬剤により処理され、もしく
は紫外線、熱等により処理された後に機能性部となるも
のであってもよい。この場合、機能性部用組成物の結着
剤として、紫外線、熱、電子線等で硬化する成分を含有
している場合には、硬化処理を行うことにより素早く機
能性部が形成できることから好ましい。
【0194】このような機能性素子の形成方法を具体的
に説明すると、例えば機能性部用組成物をディップコー
ト、ロールコート、ブレードコート、スピンコート等の
塗布手段、インクジェット等を含むノズル吐出手段等の
手段を用いて塗布することにより、パターン形成体表面
の親液性領域パターン上に機能性部を形成する。
【0195】さらに、無電解めっきによる金属膜形成方
法に本発明のパターン形成体を用いることにより、機能
性部として金属膜のパターンを有する機能性素子を得る
ことができる。具体的には、濡れ性の差を利用すること
により、パターン形成体の濡れ性変化層表面における親
液性領域にのみ化学めっきの前処理液によって処理を行
い、次いで処理したパターン形成体を化学めっき液に浸
漬することにより、所望の金属パターンを濡れ性変化層
上に有する機能性素子を得ることができる。この方法に
よれば、レジストパターンを形成することなく、金属の
パターンを形成することができるので、機能性素子とし
て、プリント基板や電子回路素子を製造することができ
る。
【0196】また、全面に機能性部用組成物を配置した
後、撥液性領域と親液性領域との濡れ性の差異を利用し
て不要な部分を取り除くことにより、パターンに沿って
機能性部を形成するようにしてもよい。これは濡れ性変
化層上の親液性領域と撥液性領域との密着性の差を利用
して、例えば、粘着テープを密着した後に引き剥がすこ
とによる剥離、空気の吹き付け、溶剤による処理等の後
処理により不要部分を除去して機能性部のパターンを得
ることができる。
【0197】この場合は、本発明のパターン形成体の濡
れ性変化層表面に全面に機能性部用組成物を配置する必
要があるが、この方法としては、例えばPVD、CVD
等の真空製膜手段を挙げることができる。
【0198】このようにして得られる機能性素子として
具体的には、カラーフィルタ、マイクロレンズ、プリン
ト基板、電子回路素子等を挙げることができる。
【0199】5.カラーフィルタ カラーフィルタは、液晶表示装置等に用いられるもので
あり、赤、緑、青等の複数の画素部がガラス基板等上に
高精細なパターンで形成されたものである。本発明のパ
ターン形成体をこのカラーフィルタの製造に用いること
により、低コストで高精細なカラーフィルタとすること
ができる。
【0200】すなわち、上述したパターン形成体の親液
性領域に、例えばインクジェット装置等によりインク
(機能性部用組成物)を付着・硬化させることにより、
容易に画素部(機能性部)を形成することができ、これ
により少ない工程数で高精細なカラーフィルタを得るこ
とができる。
【0201】また、本発明においては、上記パターン形
成体の遮光部をそのままカラーフィルタにおけるブラッ
クマトリックスとして用いることが可能である。したが
って、上述した本発明のパターン形成体上に機能性部と
しての画素部(着色層)を形成するれば、別途ブラック
マトリックスを形成すること無しに、カラーフィルタを
得ることが可能である。
【0202】B.フォトマスク 次に、本発明のフォトマスクについて説明する。本発明
のフォトマスクは、少なくとも以下の3つの態様があ
る。
【0203】第1の態様のフォトマスクは、透明な基材
と、0.2μm〜10μmの厚みで上記透明基材上にパ
ターン状に形成された遮光部パターンと、上記透明な基
材および上記遮光部パターン上に形成された光触媒含有
層とからなることを特徴とするものであり、その具体例
を、図3に示す。
【0204】このように、本発明においては、上記パタ
ーン形成体の製造方法において、遮光部を有する光触媒
含有層側基板の機能面に着目し、これをフォトマスクと
したものである。
【0205】また、第2の態様のフォトマスクは、透明
な基材と、上記透明な基材上に形成された光触媒含有層
と、0.2μm〜10μmの厚みで上記光触媒含有層上
にパターン状に形成された遮光部パターンとからなるこ
とを特徴とするものであり、その具体例を図4に示す。
【0206】さらに、第3の態様のフォトマスクは、透
明な基材と、上記透明な基材上にパターン状に形成され
た遮光部と、上記透明な基材および遮光部上に形成され
たプライマー層と、上記プライマー層上に形成された光
触媒含有層とからなることを特徴とするものであり、そ
の具体例を図5に示す。
【0207】いずれのフォトマスクの各要素とも、上記
「パターン形成体の製造方法」の欄において説明したも
のと同様であり、かつ各態様が奏する作用効果も、上記
「パターン形成体の製造方法」の欄において説明したも
のと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0208】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0209】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳述する。 [実施例1]100μmのラインアンドスペースで厚さ0.4
μmのクロム製の遮光部パターンが形成された石英ガラ
ス基板上に、テイカ(株)製の光触媒用酸化チタンコー
ティング剤TKC301をコーティングし、350℃で3時間乾燥
させ、光触媒含有層付きフォトマスク(光触媒含有層側
基板)を完成させた。
【0210】次に、メチルトリメトキシシラン5gに0.1N
塩酸水3gを添加し1時間室温にて攪拌した溶液をガラス
基板上にコーティングし、150℃で10分間乾燥させ濡れ
性変化層を形成した。
【0211】これに、先のフォトマスクを密着させ、フ
ォトマスク側から超高圧水銀ランプにて20mW/cm2(365n
m)の照度で紫外線照射し濡れ性変化層表面に濡れ性の
パターンを形成した。このとき、未露光部の水の接触角
は72°であり、露光部の水の接触角が10°以下になるの
に120秒かかった。また、濡れ性変化層表面上の未露光
部は95μmで露光部は105μmであった。
【0212】[実施例2]実施例1のクロム製のパター
ン形成体の厚みが0.1μmのものを使用する以外は実施
例1同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の
水の接触角が10°以下になるのに370秒かかった。
【0213】[実施例3]実施例1のパターン形成体に
おいて、遮光部パターンをカーボンブラックが分散され
た樹脂バインダ製の厚さ20μmのものとした以外は実施
例1同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の
水の接触角が10°以下になるのに560秒かかった。
【0214】[実施例4]フォトマスクと濡れ性変化層
の露光を密着させずに、遮光部パターン上の光触媒含有
層と濡れ性変化層とのギャップを10μmに設定した以外
は実施例1同様にパターン形成を行った。その結果、露
光部の水の接触角が10°以下になるのに120秒掛かっ
た。また、濡れ性変化表面上の未露光部は80μmで露光
部は120μmであった。
【0215】[実施例5]50μmのラインアンドスペー
スで厚さ0.4μmのクロム製の遮光部のパターンが形成さ
れた石英ガラス製のフォトマスク上に、以下のような組
成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したプ
ライマー層用塗工液を塗布後、120℃で20分間加熱
し厚さ0.1μmのプライマー層を形成した。
【0216】<プライマー層用塗工液の組成> ・0.1規定塩酸水溶液 50g ・テトラメトキシシラン 100g 次いで、石原産業製の光触媒無機用コーティング剤ST
−K01をプライマー層上に塗布後、150℃で20分
間加熱し厚さ0.15μmの光触媒含有層を形成し、光
触媒付きフォトマスク(光触媒含有層側基板)を形成し
た。
【0217】次いで、ガラス基板上に以下のような組成
の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したフッ
素系シリコーン用塗工液を塗布後、120℃で15分間
加熱し、厚さ0.05μmの特性変化層を形成した。
【0218】<フッ素系シリコーン塗工液の組成> ・0.2規定塩酸水溶液 25g ・フルオロアルキルシラン 15g ・テトラメトキシシラン 50g これに、先のフォトマスクを密着させ、フォトマスク側
から超高圧水銀ランプにて、20mW/cm(365
nm)の照度で紫外線照射し特性変化層表面に濡れ性の
パターンを形成した。このとき、未露光部の水との接触
角は106°であり、露光部の水の接触角が10°以下
になるのに120秒かかった。また、このときの未露光
部位の幅は、49μm、露光部の幅は51μmであっ
た。
【0219】[参考例]実施例5において、プライマー
層を形成せず、光触媒付きフォトマスクを形成した以外
は、上記実施例5と同様にパターン形成を行った。その
結果、露光部の水との接触角が10°以下になるのに2
40秒かかった。またこのときの未露光部位の幅は40
μm、露光部の幅は60μmであった。
【0220】[実施例6]50μmのラインアンドスペ
ースで厚さ0.4μmのクロム製の遮光層パターンが形成さ
れた石英ガラス製のフォトマスク上に、以下のような組
成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したプライ
マー層用塗工液を塗布後、120℃で20分間加熱し厚さ0.1
μmのプライマー層を形成した。
【0221】<プライマー層用塗工液の組成> ・0.1規定塩酸水溶液 50g ・テトラメトキシシラン 100g 次いで、石原産業製の光触媒無機用コーティング剤ST-K
03をプライマー層上に塗布後、150℃で20分間加熱し厚
さ0.15μmの光触媒含有層を形成し、光触媒付きフォト
マスク(光触媒含有層側基板)を完成させた。
【0222】次いで、370×470mmのガラス基板上
に、以下のような組成の成分を混合後25℃で24時間攪拌
して調整したフッ素系シリコーン用塗工液を塗布後、12
0℃で15分間加熱し厚さ0.05μmの特性変化層を形成し
た。
【0223】<フッ素系シリコーン塗工液の組成> ・0.2規定塩酸水溶液 25g ・フルオロアルキルシラン 15g ・テトラメトキシシラン 50g これに、大型自動露光機MA-6000シリーズ((株)大日
本科研製)を用いて、フォトマスクとのギャップを60
μmに設定し、フォトマスク側から20mW/cm2(365nm)
の照度で紫外線照射し特性変化層表面に濡れ性のパター
ンを形成した。このとき、面内における4点のギャップ
は実測で53〜64μmの範囲であった。また、未露光
部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角は75°で
あり、露光部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角
が9°以下になるのに150秒かかった。また、このときの
未露光部位の幅は49μm、露光部の幅は51μmであ
った。
【0224】[実施例7]実施例6のギャップを150
μmと設定した以外は実施例6同様にパターン形成を行
った。このとき、面内における4点のギャップは実測で
145μm〜152μmの範囲であった。その結果、露
光部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角が9°以
下になるのに230秒かかった。また、このときの未露
光部位の幅は47μm、露光部の幅は53μmであっ
た。
【0225】[比較例1]実施例6のギャップを250
μmと設定した以外は実施例6同様にパターン形成を行
った。その結果、露光部の濡れ標準試薬(40mN/
m)の接触角が9°以下になるのに360秒かかった。ま
た、このときの未露光部位の幅は15μm、露光部の幅
は85μmであった。
【0226】[比較例2]実施例6のギャップを5μm
と設定した以外は実施例6同様にパターン形成を行っ
た。光触媒含有層と特性変化層とが接触している部分が
生じ、その結果、面内で濡れ性の変化に差が生じてしま
い、均一なパターンが得られなかった。
【0227】[実施例8]50μmのラインアンドスペ
ースで厚さ0.4μmのクロム製の遮光層パターンが形成さ
れた石英ガラス製のフォトマスク上に、以下のような組
成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したプライ
マー層用塗工液を塗布後、120℃で20分間加熱し厚さ0.1
μmのプライマー層を形成した。
【0228】<プライマー層用塗工液の組成> ・0.1規定塩酸水溶液 50g ・テトラメトキシシラン 100g 次いで、石原産業製の光触媒無機用コーティング剤ST-K
03をプライマー層上に塗布後、150℃で20分間加熱し厚
さ0.15μmの光触媒含有層を形成し、光触媒付きフォト
マスク(光触媒含有層側基板)を完成させた。
【0229】次いで、ガラス基板上に金を蒸着した基板
を、オクタデカンチオールをヘキサンにより溶解した自
己組織化膜組成物に24時間浸漬し、ガラス基板上に金
を介して分解除去層を形成した。
【0230】これに、先のフォトマスクを密着させ、フ
ォトマスク側から超高圧水銀ランプにて20mW/cm2(365n
m)の照度で紫外線照射し特性変化層表面に濡れ性のパ
ターンを形成した。このとき、自己組織化膜を分解除去
するのに150秒かかった。また、このときの未露光部位
の幅は49μm、露光部の幅は51μmであった。
【0231】
【発明の効果】本発明によれば、特にエネルギー照射後
の後処理も必要無く、種々の特性を有するパターンを高
精細に形成することができる。また、エネルギー照射
後、パターン形成体から光触媒含有層側基板を取り外す
ので、パターン形成体自体には光触媒含有層が含まれる
ことがなく、したがってパターン形成体の光触媒の作用
による経時的な劣化に対する心配がない。さらに、光触
媒含有層と特性変化層との間隔が、上述した範囲内であ
るので、効率よくかつ精度の良好な特性の変化したパタ
ーンを有するパターン形成体を得ることができるといっ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示
す工程図である。
【図2】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の一例
を示す概略断面図である。
【図3】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の
例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の
例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の
例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 基材 2 … 光触媒含有層 3 … 光触媒含有層側基板 4 … 基板 5 … 特性変化層 6 … パターン形成体用基板 9 … 特性変化領域 10 … プライマー層 13 … 遮光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB13 AC01 AD01 AD03 BH03 2H048 BA02 BA45 BA48 BB02 BB34 2H095 BA12 BB01 BB06 BC05 BC27 4G069 BA04A BA04B BA48A BB04A BB06A BC12A BC22A BC23A BC35A BC50A BC60A BC66A CD10 DA05 EA08 EC22Y FA03 FB01 FB23 FB30

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒の作用により表面の特性が変化す
    る特性変化層を有するパターン形成体用基板を調製する
    パターン形成体用基板調製工程と、 光触媒を含有する光触媒含有層が基材上に形成されてな
    る光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記特性変化層
    とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置し
    た後、所定の方向からエネルギーを照射することによ
    り、前記特性変化層表面に特性の変化したパターンを形
    成するパターン形成工程とを有することを特徴とするパ
    ターン形成体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記光触媒含有層と前記特性変化層と
    を、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隔をお
    いて配置したことを特徴とする請求項1に記載のパター
    ン形成体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光触媒含有層側基板が、基材と、前
    記基材上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    パターン形成体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光触媒含有層側基板が、基材と、前
    記基材上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形
    成された遮光部とを有し、 前記パターン形成工程におけるエネルギーの照射が、光
    触媒含有層側基板から行なわれることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記光触媒含有層側基板において、前記
    遮光部が前記基材上にパターン状に形成され、さらにそ
    の上に前記光触媒含有層が形成されていることを特徴と
    する請求項4に記載のパターン形成体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光触媒含有層側基板において、前記
    基材上に光触媒含有層が形成され、前記光触媒含有層上
    に前記遮光部がパターン状に形成されていることを特徴
    とする請求項4に記載のパターン形成体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記光触媒含有層側基板において、前記
    光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜10μmの範囲内
    であるスペーサがパターン状に形成されており、前記ス
    ペーサと前記特性変化層とを接触させて露光させること
    を特徴とする請求項2に記載のパターン形成体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記スペーサが、遮光性の材料で形成さ
    れた遮光部であることを特徴とする請求項7記載のパタ
    ーン形成体の製造方法。
  9. 【請求項9】 透明な基材上に遮光部がパターン状に形
    成されたフォトマスク上にプライマー層を介して光触媒
    含有層が形成された光触媒含有層側基板と、少なくとも
    前記光触媒含有層中の光触媒の作用により特性の変化す
    る特性変化層を有するパターン形成体用基板とを、前記
    光触媒含有層および前記パターン形成体用基板が接触す
    るように配置し、もしくは前記光触媒含有層の光触媒の
    作用が前記特性変化層に及ぶ距離を隔てて前記光触媒含
    有層側基板を配置した後、エネルギーを照射することに
    より、照射した部分の特性変化層の特性を変化させて、
    次いで、光触媒含有層側基板を取り外すことにより特性
    の変化したパターンを形成することを特徴とするパター
    ン形成体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記光触媒含有層の光触媒の作用が前
    記特性変化層に及ぶ距離が、0.2μm〜10μmの範
    囲内とであることを特徴とする請求項9に記載のパター
    ン形成体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記光触媒含有層が、光触媒からなる層
    であることを特徴とする請求項1から請求項10までの
    いずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記光触媒含有層が、光触媒を真空製
    膜法により基材上に製膜してなる層であることを特徴と
    する請求項11に記載のパターン形成体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記光触媒含有層が、光触媒とバイン
    ダとを有する層であることを特徴とする請求項1から請
    求項10までのいずれかの請求項に記載のパターン形成
    体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記光触媒が、前記光触媒が、酸化チ
    タン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(S
    nO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、
    酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi
    )、および酸化鉄(Fe)から選択される1種
    または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1
    から請求項13までのいずれかの請求項に記載のパター
    ン形成体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記光触媒が酸化チタン(TiO
    であることを特徴とする請求項14記載のパターン形成
    体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記パターン形成体用基板が、少なく
    とも基板とこの基板上に設けられた前記特性変化層とか
    ら形成されていることを特徴とする請求項1から請求項
    15までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 前記特性変化層が、光触媒含有層中の
    光触媒の作用により、エネルギー照射された際に液体と
    の接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化
    層であることを特徴とする請求項16記載のパターン形
    成体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記濡れ性変化層上における表面張力
    40mN/mの液体との接触角が、露光されていない部
    分において10°以上であり、露光された部分において
    9°以下であることを特徴とする請求項17に記載のパ
    ターン形成体の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記濡れ性変化層が、オルガノポリシ
    ロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項1
    7または請求項18に記載のパターン形成体の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記オルガノポリシロキサンが、フル
    オロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを
    特徴とする請求項19記載のパターン形成体の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記オルガノポリシロキサンが、Y
    SiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロ
    アルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエ
    ポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを
    示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素
    化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは
    共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンである
    ことを特徴とする請求項19または請求項20に記載の
    パターン形成体の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記パターン形成体用基板が、自己支
    持性を有するフィルムであり、その少なくとも一方の表
    面が光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー
    照射された際に液体との接触角が低下するように濡れ性
    が変化するようなフィルム状の濡れ性変化層であること
    を特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかの
    請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記特性変化層が、光触媒含有層中の
    光触媒の作用により分解除去される分解除去層であるこ
    とを特徴とする請求項16に記載のパターン形成体の製
    造方法。
  24. 【請求項24】 前記分解除去層とこの分解除去層が分
    解除去された際に露出する基板との液体との接触角が異
    なることを特徴とする請求項23記載のパターン形成体
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記分解除去層が、自己組織化単分子
    膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着
    膜のいずれかであることを特徴とする請求項23または
    請求項24に記載のパターン形成体の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記エネルギー照射が、光触媒含有層
    を加熱しながらなされることを特徴とする請求項1から
    請求項25までのいずれかの請求項に記載のパターン形
    成体の製造方法。
  27. 【請求項27】 透明な基材と、前記透明な基材上にパ
    ターン状に形成された遮光部と、前記透明な基材および
    遮光部上に形成されたプライマー層と、前記プライマー
    層上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴と
    するフォトマスク。
  28. 【請求項28】 透明な基材と、前記透明な基材上に形
    成された光触媒含有層と、0.2μm〜10μmの厚み
    で前記光触媒含有層上にパターン状に形成された遮光部
    パターンとからなることを特徴とするフォトマスク。
  29. 【請求項29】 透明な基材と、0.2μm〜10μm
    の厚みで前記透明基材上にパターン状に形成された遮光
    部パターンと、前記透明な基材および前記遮光部パター
    ン上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴と
    するフォトマスク。
  30. 【請求項30】 上記請求項1から請求項26までのい
    ずれかの請求項に記載されたパターン形成体の製造方法
    により製造されたパターン形成体に、機能性部が配置さ
    れたことを特徴とする機能性素子。
  31. 【請求項31】 前記機能性部が金属であることを特徴
    とする請求項30に記載の機能性素子。
  32. 【請求項32】 請求項30に記載された機能性素子の
    機能性部が、画素部であることを特徴とするカラーフィ
    ルタ。
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