JP2003121674A - 光導波路およびその製造方法 - Google Patents

光導波路およびその製造方法

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JP2003121674A JP2001318698A JP2001318698A JP2003121674A JP 2003121674 A JP2003121674 A JP 2003121674A JP 2001318698 A JP2001318698 A JP 2001318698A JP 2001318698 A JP2001318698 A JP 2001318698A JP 2003121674 A JP2003121674 A JP 2003121674A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製造工程が簡便化されることに伴いコスト的
にも有利な、かつ環境面にも配慮したより高品質な光導
波路を提供することを主目的とするものである。 【解決手段】基板1と、上記基板1上に形成された、エ
ネルギー照射により液体との接触角が低下するように濡
れ性が変化し、少なくとも光触媒およびバインダからな
る光触媒含有層2と、上記光触媒含有層2上にパターン
状に形成されたコア層4と、上記コア層4を覆うように
上記光触媒含有層2上に形成された上部クラッド層5と
を特徴とする光導波路とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒含有層の親
液性、撥液性のパターニングを利用することにより簡便
な製造が可能な光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日のインターネットの急激な普及にと
もない、光通信システムの商用化展開が非常な勢いで進
んでいる。このような光通信に使用される光導波路の製
造方法および構造として、次のものが知られている。
【0003】まず石英ガラス、多成分ガラス、無機結晶
などの無機材料を用いた方法が挙げられる。この方法で
は透明ガラスのクラッド層を形成するためにかなり高温
な製造温度が要求され、かつ大面積な光導波路の形成が
不可能であるため商用化には不向きとされている。
【0004】次に、高分子材料を用いた製造方法を挙げ
ることができる。高分子材料はスピンコート法やディッ
プコート法等による基板上への薄膜形成が容易であり、
大面積の光導波路を製造するのに適している。また成膜
の際、高温での熱処理工程を含まないことから上述した
石英ガラス等の無機材料を用いた製造方法に比べ、耐熱
性に乏しい基板上でも光導波路を形成することが可能で
ある。また、高分子材料の特性である柔軟性や強靭性を
活かしてフレキシブルな光導波路の製造も可能である。
したがって、現在光通信の分野で用いられる光集積回路
や光情報通信の分野で用いられる光配線板等の光導波路
部品を、このような高分子材料を用いた製造方法により
大量、安価に製造することが期待されている。
【0005】上記高分子材料を用いた製造方法、具体的
にはコア層及びクラッド層から構成される光導波路をフ
ォトリソグラフィー法を用いて製造する製造方法を示し
たのが図3である。以下、図3を工程順に説明する。
【0006】図3(a)に示すように、基板31上に下
部クラッド層32を形成する高分子材料を塗布し、乾燥
させて下部クラッド層32を形成する。次に図3(b)
に示すように、コア層形成用塗工液を上記下部クラッド
層32上に塗布し、硬化させることによってコア層形成
用層33を形成する。さらに上記コア層形成用層33上
にフォトレジストを塗布し、乾燥させてフォトレジスト
層34を形成する。次いで上記コア層形成用層33を所
望のコア層にパターニングするためコア層がパターニン
グされる位置をフォトマスク35で覆い、フォトマスク
35を介し紫外線36を照射する(図3(c))。フォ
トレジスト層34のうち紫外線36を照射された領域
は、フォトレジスト現像液で現像、洗浄により除去さ
れ、図3(d)に示すようにコア層が形成される位置の
上部のみにフォトレジスト層が残存した形状となる。こ
の形状のフォトレジスト層をフォトレジスト部34´と
する。フォトレジスト層が除去され剥き出しになった部
分のコア層形成用層33をコア層現像液で除去すると、
図3(e)に示すように、フォトレジスト部34´を上
部に有するコア層33´が形成される。続いてコア層3
3´上に残存するフォトレジスト部34´をフォトレジ
スト剥離液によって剥離すると図3(f)に示すように
コア層33´が剥き出しにされる。最後にコア層33´
を有する下部クラッド層32上に、上部クラッド層37
を形成する高分子材料を塗布し、下部クラッド層32と
同様の方法で、上部クラッド層37を形成する。これら
の工程を経て図3(g)に示すような光導波路が完成す
る。
【0007】しかし、上記に示したフォトリソグラフィ
ー法を用いた製造方法においても、いくつかの問題点が
存在する。第一に製造工程が多いため製造に手間を要
し、それに伴った様々な高精度な装置を必要とすること
からコストがかさむといった問題、第二にコア層のパタ
ーニングの際に行う現像、洗浄工程における廃液処理の
問題、第三にコア層のパターニング精度の限界によるコ
ア層とクラッド層との界面不整を要因とする光伝送損失
の問題等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、製造工程が簡便化される
ことに伴いコスト的にも有利な、かつ環境面にも配慮し
たより高品質な光導波路を提供することを主目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に記載するように、基板と、上
記基板上に形成された、エネルギー照射により液体との
接触角が低下するように濡れ性が変化し、少なくとも光
触媒およびバインダからなる光触媒含有層と、上記光触
媒含有層上にパターン状に形成されたコア層と、上記コ
ア層を覆うように上記光触媒含有層上に形成された上部
クラッド層とを有することを特徴とする光導波路を提供
する。
【0010】エネルギー照射により液体との接触角が低
下するように濡れ性の変化する光触媒含有層が形成され
れば、エネルギーのパターン照射を行うことにより容易
に照射された部位の濡れ性を変化させ、液体との接触角
の小さい親液性領域とすることが可能となる。そこで本
発明においては、このような方法を活用することによ
り、光触媒含有層上のコア層形成部を予め親液性とし、
液体との接触角の小さい親液性領域のみコア層形成用塗
工液が付着することを利用して、所望の領域に精度よく
コア層を作製することを容易とする。さらに本発明にお
いては、コア層は光触媒含有層上に形成されていること
から、コア層および光触媒含有層の屈折率差を調節する
ことにより、光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働
きを担う下部クラッド層として活用することができる。
したがって、別途クラッド層を形成する必要がなく、工
程の簡略化が可能となり、コストを低減させることがで
きる。
【0011】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記上部クラッド層は
上記光触媒含有層上にパターン状に形成されていること
が好ましい。このように、上部クラッド層をパターン状
に形成することにより、平面基板上に複雑な光配線を施
し、分岐、スイッチィング、コネクト等の光インターコ
ネクション機能を有する平面光導波路を、低損失にて、
容易に作製できるといった利点を有するからである。
【0012】上記請求項1または請求項2に記載された
発明においては、請求項3に記載するように、上記光触
媒含有層上における表面張力40mN/mの液体との接
触角が、エネルギー照射されていない部分において10
度以上であり、エネルギー照射された部分において10
度未満であることが好ましい。
【0013】エネルギーが照射されていない部分は、撥
液性が要求される部分であることから、表面張力40m
N/mの液体との接触角が10度未満である場合は、撥
液性が十分でなく、コア層形成用塗料が残存する可能性
が生じるため好ましくない。また、エネルギーが照射さ
れた部分の表面張力40mN/mの液体との接触角が1
0度以上である場合は、この部分でのコア層形成用塗料
の広がりが劣る可能性があり、正確なパターニングが困
難となるからである。
【0014】上記請求項1から請求項3までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項4に記載
するように、上記光触媒含有層と上記コア層との屈折率
の差が0.03以上であることが好ましい。屈折率の差
が上記範囲よりも小さくなるとコア層内を良好に光が導
波することが困難となるからである。また上述したよう
に上記範囲程度の屈折率差があれば、光触媒含有層を上
部クラッド層と同様の働きを担う下部クラッド層として
十分に活用することができるからである。
【0015】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項5に記載
するように、上記上部クラッド層が透明性を有する材料
で形成されている場合、上記上部クラッド層および上記
コア層の屈折率差が0.03以上であることが好まし
い。上部クラッド層とコア層との屈折率差が少なくとも
上述した範囲以上あることにより、コア層から上部クラ
ッド層への光の吸収損失を抑えることができるからであ
る。
【0016】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項6に記載
するように、上記上部クラッド層が不透明である場合、
上記上部クラッド層および上記コア層との界面が鏡面と
して作用する金属からなることが好ましい。このように
不透明な上部クラッド層とコア層との界面が鏡面として
作用する金属を用いることにより、コア層から上部クラ
ッド層への光はすべて反射され光の損失が最大限抑止さ
れた光導波路が製造できるからである。
【0017】上記請求項1から請求項6までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項7に記載
するように、上記光触媒含有層がフッ素を含み、上記光
触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触
媒の作用により上記光触媒含有層表面のフッ素含有量が
エネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒
含有層が形成されていることが好ましい。
【0018】このように、本発明の光導波路は、光触媒
含有層のうちエネルギー照射領域のフッ素含有量が低下
するように構成されているので、エネルギーをパターン
照射することにより、フッ素含有量の低下した領域から
なるパターンを形成することができる。フッ素含有量が
低下するとその領域は、他の部分と比較して親液性の高
い領域となるので、コア層が形成される部分のみ容易に
親液性領域とすることが可能となり、この親液性領域に
コア層形成用塗工液を塗布するのみでコア層が形成でき
るからである。
【0019】上記請求項1から請求項7までの請求項に
記載された発明においては、請求項8に記載するよう
に、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO)、酸化タングステン(W
)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄
(Fe)から選択される1種または2種以上の物
質であることが好ましい。中でも請求項9に記載するよ
うに酸化チタン(TiO)であることが好ましい。こ
れは、酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いた
め光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性
もなく、入手も容易だからである。
【0020】上記請求項1から請求項9までの請求項に
記載された発明においては、請求項10に記載するよう
に、上記バインダが、YSiX(4−n)(ここで、
Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミ
ノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコ
キシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数
である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上
の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオル
ガノポリシロキサンであることが好ましい。このような
オルガノポリシロキサンを用いることにより、エネルギ
ーが照射された場合であっても、光触媒を光触媒含有層
内に強力に保持することが可能となるからである。
【0021】上記目的を達成するために、本発明は、請
求項11に記載するように、基板を準備する工程と、上
記基板上に少なくとも光触媒とバインダとを有しエネル
ギー照射により照射部分の濡れ性が液体との接触角が低
下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工程と、
上記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であるコア
層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア層露光
部を形成する工程と、上記光触媒含有層のコア層露光部
上にコア層を形成する工程と、上記光触媒含有層上に形
成された上記コア層の表面を被覆するように上部クラッ
ド層を形成するために、上記光触媒含有層上の上部クラ
ッド層が形成される部位である上部クラッド層形成部
に、エネルギーを照射して上部クラッド層露光部を形成
する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上部クラッ
ド層を形成する工程とを有することを特徴とする光導波
路の製造方法を提供する。
【0022】本発明における光導波路の製造方法と、上
述した図3に示す従来のフォトリソグラフィー法による
光導波路の製造方法とを比較すると、まず図3(d)か
ら図3(e)に示した余分な部位のコア層形成用層を除
去する工程が省かれ、製造工程の簡便化が図れる。ま
た、図3の(c)から(f)に示した一連の工程が、本
発明においては光触媒含有層に、コア層のパターンに応
じてエネルギーをパターン照射しコア層露光部を形成
し、その領域にコア層形成用塗工液を塗布するのみで完
了することにより、飛躍的な製造効率の向上が望める。
また図3のこの一連の工程における、所望の形状にコア
層形成用層をパターニングするために行うフォトレジス
ト層の現像、洗浄の際に生じる廃液の問題をも解決する
ことができるといった利点が挙げられる。
【0023】上記請求項11に記載された発明において
は、請求項12に記載するように、上記エネルギー照射
により上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上
部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程
とが、上記光触媒含有層の表面に対して、上記コア層の
両側部に所定の幅を持つようにエネルギーをパターン照
射して、上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記
上部クラッド層露光部上に上記コア層を被覆するよう
に、上部クラッド層を形成する工程とを有することが好
ましい。
【0024】これにより、コア層表面を被覆するように
かつパターン状に配置された上部クラッド層を形成する
ことができる。上述したように、上部クラッド層をパタ
ーン状に形成することにより、平面基板上に複雑な光配
線を施し、分岐、スイッチィング、コネクト等の光イン
ターコネクション機能を有する平面光導波路を、低損失
にて、容易に作製できるといった利点を有するからであ
る。
【0025】上記請求項11に記載された発明において
は、請求項13に記載するように、上記エネルギー照射
により上部クラッド層露光部を形成する工程と、上記上
部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工程
とが、上記光触媒含有層の表面に対して全面にエネルギ
ーを照射して、上部クラッド層露光部を形成する工程
と、上記上部クラッド層露光部上にコア層を被覆するよ
うに上部クラッド層を形成する工程とを有することが好
ましい。光触媒含有層上の全面に上部クラッド層を形成
することは、製造工程上容易に行うことができるからで
ある。
【0026】上記請求項11から請求項13までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項14
に記載するように、上記光触媒含有層上における表面張
力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射さ
れていない部分において10度以上であり、エネルギー
照射された部分において10度未満であることが好まし
い。
【0027】上述したように、エネルギーが照射されて
いない部分は、撥液性が要求される部分であることか
ら、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度未
満である場合は、撥液性が十分でなく、コア層形成用塗
料が残存する可能性が生じるため好ましくない。また、
エネルギーが照射された部分の表面張力40mN/mの
液体との接触角が10度以上である場合は、この部分で
のコア層形成用塗料の広がりが劣る可能性があり、正確
なパターニングが困難となるからである。
【0028】上記請求項11から請求項14までのいず
れかの請求項に記載された発明おいては、請求項15に
記載するように、上記光触媒含有層上にパターン状に形
成されたコア層が、コア層形成用塗工液を塗布すること
によって形成されたコア層であることが好ましい。中で
も請求項16に記載するように、上記コア層形成用塗工
液を塗布してコア層を形成する工程が、ノズル吐出法で
塗布されることが好ましい。ノズル吐出法で塗布するこ
とにより、効率よくコア層形成用塗工液を塗布すること
が可能となる。またコア層形成用塗工液の塗布位置が正
確であり、發液性領域に残存するコア層形成用塗工液の
量を抑えることが可能であるので、コア層の周囲を被覆
する光触媒含有層および上部クラッド層との界面におけ
る界面不整による光伝送損失を防止することができるか
らである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
するが、まず光導波路について説明し、次に光導波路の
製造方法について説明する。
【0030】A.光導波路について 本発明の光導波路は、基板と、上記基板上に形成され
た、エネルギー照射により液体との接触角が低下するよ
うに濡れ性が変化し、少なくとも光触媒およびバインダ
からなる光触媒含有層と、上記光触媒含有層上にパター
ン状に形成されたコア層と、上記コア層を覆うように上
記光触媒含有層上に形成された上部クラッド層とを有す
ることを特徴とするものである。
【0031】図1は本発明の光導波路の一例を図示した
概略断面図である。図1に示す光導波路は、基板1上に
形成された光触媒含有層2と、上記光触媒含有層2上の
エネルギー照射領域であるコア層露光部3と、上記コア
層露光部3に設けられることにより、光触媒含有層2上
にパターン状に形成されたコア層4と、上記コア層4を
覆うように上記光触媒含有層2上に形成された上部クラ
ッド層5とからなる。図1に図示した上部クラッド層5
は光触媒含有層2上の全面に形成されたものであるが、
コア層4表面のみを被覆するようにパターン状に形成さ
れた上部クラッド層であってもよい。
【0032】光導波路は、コア層内を光が導波すること
によって、光に変換された様々な情報を他の機器に伝達
する役割を担っている。したがっていかに光伝送損失の
少ない光導波路とするかが重要な要素となる。この光伝
送損失の要因としてコア層とクラッド層との界面におけ
る形状が均一に整っていないことによる界面不整を挙げ
ることができる。本発明においては、光触媒含有層の親
液性、撥液性のパターンを利用して、この親液性領域に
良好な密着性を示すコア層形成用塗工液を付着させるこ
とにより界面不整が防止でき、所望の形状のコア層の形
成が容易となるため、精度の高い光導波路の製造が可能
となる。以下、本発明の光導波路について各構成毎に詳
細に説明する。
【0033】(光触媒含有層)本発明の光導波路におい
ては、露光(本発明においては、光が照射されたことの
みならず、エネルギーが照射されたことをも意味するも
のとする。)により液体との接触角が低下するように濡
れ性が変化する光触媒含有層を設け、これにエネルギー
のパターン照射等を行うことにより容易に濡れ性を変化
させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを
形成することができる。これによりコア層を形成する領
域のみ容易に親液性領域とすることが可能となる。また
コア層と光触媒含有層との屈折率の差を調整することに
より光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働きを担う
下部クラッド層として用いることができる。これにより
製造工程が効率的でコスト的にも有利な光導波路が容易
に得られる。なお、この場合のエネルギーとしては、通
常紫外光を含む光が用いられる。
【0034】ここで、親液性領域とは、液体との接触角
が小さい領域であり、コア層形成用塗工液等に対する濡
れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域
とは、液体との接触角が大きい領域であり、コア層形成
用塗工液等に対する濡れ性が悪い領域をいうこととす
る。
【0035】上記光触媒含有層は、露光していない部分
においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が
10度以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体と
の接触角が10度以上、特に表面張力20mN/mの液
体との接触角が10度以上であることが好ましい。これ
は、露光していない部分は、本発明においては撥液性が
要求される部分であることから、液体との接触角が小さ
い場合は、撥液性が十分でなく、コア層形成用塗工液等
が撥液性領域に残存することにより、コア層側部等の形
状を良好な状態とすることが困難になる等の問題が生じ
る可能性があるためである。
【0036】また、上記光触媒含有層は、露光すると液
体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体
との接触角が10度未満、好ましくは表面張力50mN
/mの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60
mN/mの液体との接触角が10度以下となるような層
であることが好ましい。露光した部分の液体との接触角
が高いと、この部分でのコア層形成用塗工液等の広がり
が劣る可能性があり、正確なパターニングが困難となる
からである。
【0037】なお、ここでいう液体との接触角は、種々
の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協
和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイク
ロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果
から、もしくはその結果をグラフにして得たものであ
る。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する
液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を
用いることができる。
【0038】ところで、光導波路のコア層は、これと接
する他の層と比較して屈折率が大きいことが要求され
る。コア層と接する他の層は通常クラッド層と呼ばれ、
本発明では、このクラッド層に上部クラッド層と光触媒
含有層が該当する。すなわち本発明においては、光触媒
含有層がクラッド層として用いることができるのであ
る。なお本発明においては、上部クラッド層と区別する
ため光触媒含有層を下部クラッド層とする場合がある。
【0039】このようにクラッド層として機能するため
に、本発明においては、上記光触媒含有層の屈折率が、
1.1〜1.7の範囲内、好ましくは1.1〜1.5の
範囲内であることが好ましい。
【0040】また、光触媒含有層およびコア層の屈折率
差は0.03以上であることが好ましく、特に0.05
以上、中でも0.1以上であることが好ましい。通常光
導波路においてクラッド層は、コア層内を導波する光を
反射させる働きを主目的とする層である。つまりコア層
内を導波する光がクラッド層を構成する物質によって吸
収されることによる吸収損失を防止する働きを持つ層で
ある。このような効果を及ぼすために、コア層の屈折率
をクラッド層の屈折率よりも高くする必要がある。そこ
で本発明においては、光触媒含有層およびコア層の屈折
率差を上記範囲とすることにより、光触媒含有層がクラ
ッド層として十分に機能するようにしたものである。
【0041】本発明の光触媒含有層は、少なくとも光触
媒とバインダとから構成されていることが好ましい。こ
のような層とすることによりエネルギー照射による光触
媒の作用から、バインダの化学構造を変化させ、これに
よりエネルギー照射部分の臨界表面張力を高くすること
が可能となり、液体との接触角を低くすることができる
のである。
【0042】このような光触媒含有層における、後述す
るような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、
必ずしも明確なものではないが、光等の照射によって生
成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるい
は、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有
機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
【0043】本発明においては、光触媒により、バイン
ダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を
用いて、露光部の濡れ性を変化させて親液性とし、非露
光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。
よって、コア層形成用塗工液との受容性(親液性)およ
び反撥性(撥液性)を高めることによって、品質が良好
でかつコスト的にも有利な光導波路を得ることができ
る。
【0044】また、本発明においてこのような光触媒含
有層を用いた場合、この光触媒含有層が少なくとも光触
媒とフッ素とを含有し、さらにこの光触媒含有層表面の
フッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射
した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に
比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されて
いてもよい。
【0045】このような特徴を有する光触媒含有層にお
いては、エネルギーをパターン照射することにより、容
易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形
成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面
エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く
含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくな
る。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨
界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨
界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有
量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親
液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の
表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパタ
ーンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパタ
ーンを形成することとなる。
【0046】したがって、このような光触媒含有層を用
いた場合は、エネルギーをパターン照射することによ
り、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成
することができるので、この親液性領域のみにコア層を
形成することが容易に可能となり、品質の良好な光導波
路とすることができる。
【0047】上述したような、フッ素を含む光触媒含有
層中に含まれるフッ素の含有量は、エネルギーが照射さ
れて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域における
フッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフ
ッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは
5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0048】このような範囲内とすることにより、エネ
ルギー照射部分と未照射部分との親液性に大きな違いを
生じさせることができる。したがって、このような光触
媒含有層上にコア層を形成することにより、フッ素含有
量が低下した親液性領域のみに正確にコア層を形成する
ことが可能となり、精度の高い光導波路を得ることがで
きるからである。なお、この低下率は重量を基準とした
ものである。
【0049】このような光触媒含有層中のフッ素含有量
の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いるこ
とが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Phot
oelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscop
y for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線
分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測
定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0050】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば酸化チタン(TiO)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO
)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(F
)を挙げることができ、これらから選択して1
種または2種以上を混合して用いることができる。
【0051】本発明においては、特に酸化チタンが、バ
ンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性も
なく、入手も容易であることから好適に使用される。酸
化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明で
はいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸
化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波
長が380nm以下にある。
【0052】このようなアナターゼ型酸化チタンとして
は、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0053】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された
光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光
触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心
線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の
撥液性が低下し、また露光部の親液性の発現が不十分と
なるため好ましくない。
【0054】本発明においては、上述したように光触媒
含有層表面にフッ素を含有させ、この光触媒含有層表面
にエネルギーをパターン照射することにより光触媒含有
層表面のフッ素含有量を低下させ、これにより撥液性領
域中に親液性領域のパターンを形成し、ここにコア層を
形成して得られる光導波路であってもよい。この場合で
あっても、光触媒として上述したような二酸化チタンを
用いることが好ましいが、このように二酸化チタンを用
いた場合の、光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量
としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、
チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素
(F)元素が500以上、このましくは800以上、特
に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元
素が光触媒含有層表面に含まれていることが好ましい。
【0055】フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含
まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張
力を十分低くすることが可能となることから表面におけ
る撥液性を確保でき、これによりエネルギーをパターン
照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分におけ
る表面の親液性領域との濡れ性の差異を大きくすること
ができ、最終的に得られる光導波路の品質を向上させる
ことができるからである。
【0056】さらに、このような光導波路においては、
エネルギーをパターン照射して形成される親液性領域に
おけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100と
した場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは2
0以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれて
いることが好ましい。
【0057】光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程
度低減することができれば、コア層等を形成するために
は十分な親液性を得ることができ、上記エネルギーが未
照射である部分の撥液性との濡れ性の差異により、コア
層等を精度良く形成することが可能となり、品質の良好
な光導波路を得ることができる。
【0058】本発明において、光触媒含有層に使用する
バインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解
されないような高い結合エネルギーを有するものが好ま
しく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまた
はアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強
度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や
撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポ
リシロキサン等を挙げることができる。
【0059】上記の(1)の場合、一般式: YSiX(4−n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0060】また、バインダとして、特にフルオロアル
キル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いること
ができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの
1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合
物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤と
して知られたものを使用することができる。
【0061】CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;(CFCF(CFCHCH
Si(OCH;(CFCF(CF
CHCHSi(OCH;(CFCF
(CFCHCHSi(OCH;CF
(C)CSi(OCH;CF(C
(C)CSi(OCH;C
(CF(C)CSi(OC
;CF(CF(C)C
i(OCH;CF(CFCHCH
iCH(OCH;CF(CFCH
SiCH(OCH;CF(CF
CHSiCH(OCH;CF(C
CHCHSiCH(OCH;(C
CF(CFCHCHSiCH(O
CH;(CFCF(CFCHCH
Si CH(OCH;(CFCF(C
CHCHSi CH(OCH;C
(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH
(OCH;CF(CF(C)C
SiCH(OCH;CF(CF
(C)CSiCH(OCH;CF
(CFCHCHSi(OCH
;CF(CFCHCHSi(OC
CH;CF(CFCHCHSi
(OCHCH;CF(CFCHCH
Si(OCHCH;CF(CFSO
N(C)CCHSi(OCH
【0062】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
光触媒含有層の非露光部の撥液性が大きく向上させるこ
とができるからである。
【0063】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0064】
【化1】
【0065】ただし、nは2以上の整数であり、R
はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、R
メチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので
好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが
好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に
少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0066】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合して
もよい。
【0067】本発明の光導波路においては、このように
オルガノポリシロキサン等の種々のバインダを光触媒含
有層に用いることができる。本発明においては、上述し
たように、このようなバインダおよび光触媒を含む光触
媒含有層にフッ素を含有させ、エネルギーをパターン照
射することにより光触媒含有層表面のフッ素を低減さ
せ、これにより撥液性領域内に親液性領域を形成するよ
うにしてもよい。この際、光触媒含有層中にフッ素を含
有させる必要があるが、このようなバインダを含む光触
媒含有層にフッ素を含有させる方法としては、通常高い
結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物
を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的
弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を光触媒
含有層に混入させる方法等を挙げることができる。この
ような方法でフッ素を導入することにより、エネルギー
が照射された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さ
いフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素を光触
媒含有層中から除去することができるからである。
【0068】上記第1の方法、すなわち、高い結合エネ
ルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的
弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オ
ルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基と
して導入する方法等を挙げることができる。
【0069】例えば、オルガノポリシロキサンを得る方
法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル
反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分
解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロ
キサンを得ることができる。ここで、この方法において
は、上述したように上記一般式: YSiX(4−n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは
共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサン
を得るのであるが、この一般式において、置換基Yとし
てフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成
することにより、フルオロアルキル基を置換基として有
するオルガノポリシロキサンを得ることができる。この
ようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガ
ノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、エネ
ルギーが照射された際、光触媒含有層中の光触媒の作用
により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解さ
れることから、光触媒含有層表面にエネルギーを照射し
た部分のフッ素含有量を低減させることができる。
【0070】この際用いられるフルオロアルキル基を有
する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有する
ものであれば特に限定されるものではないが、少なくと
も1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアル
キル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、
特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用
いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通
りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロア
ルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロア
ルキルシランが好ましい。
【0071】本発明においては、このようなフルオロア
ルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキ
ル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共
加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用
いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する
珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分
解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキ
サンとして用いてもよい。
【0072】このようにして得られるフルオロアルキル
基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオ
ルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記
フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル
%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていること
が好ましい。
【0073】フルオロアルキル基がこの程度含まれるこ
とにより、光触媒含有層上の撥液性を高くすることがで
き、エネルギーを照射して親液性領域とした部分との濡
れ性の差異を大きくすることができるからである。
【0074】また、上記(2)に示す方法では、撥水牲
や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋することによ
りオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合
も同様に、上述した一般式中のR,Rのいずれかも
しくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する
置換基とすることにより、光触媒含有層中にフッ素を含
ませることが可能であり、またエネルギーが照射された
場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフ
ルオロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー
照射により光触媒含有層表面におけるフッ素の含有量を
低下させることができる。
【0075】一方、後者の例、すなわち、バインダの結
合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合
物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ
素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活
性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子
量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ
樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を
挙げることができる。
【0076】本発明において光触媒含有層には上記の光
触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることが
できる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKK
OLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素
系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子
(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ
化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネ
オス(株)製フタージェントF−200、F251、ダ
イキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、
スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等
のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤
を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもで
きる。
【0077】また、光触媒含有層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0078】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、光触
媒含有層が下部クラッド層として作用するために、0.
1〜1μmの範囲内が好ましく、特に好ましくは、0.
1〜0.5μmの範囲内である。
【0079】上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを
必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布
液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成する
ことができる。使用する溶剤としては、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好まし
い。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコ
ート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法
により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより光触媒含有層を形成することができ
る。
【0080】(コア層)一般に光導波路において、コア
層はその内部を光が伝送するため、コア層の周囲を覆う
クラッド層よりも屈折率が高いことが要求される。さら
にコア層内部を導波する光が滞りなく伝送されるため、
コア層の周辺部は整った形状であることが好ましい。コ
ア層の周辺部が整った形状であることにより、コア層と
これに接する上部クラッド層との界面が整っていないこ
とによる光伝送損失を防止することができるからであ
る。
【0081】本発明においては、上述した一般的な光導
波路のクラッド層に、上部クラッド層および光触媒含有
層が該当する。したがって、コア層はこの両方の層より
も屈折率を高くすることが必要である。本発明における
コア層の屈折率は、光触媒含有層上に付着させるコア層
形成用材料を変化させることにより容易に調節すること
が可能であり、上部クラッド層および光触媒含有層との
関係において、容易に好適な屈折率のコア層とすること
ができる。
【0082】さらに、本発明においては、光触媒含有層
に対するエネルギー照射により生じる親液性および撥水
性の濡れ性の違いを利用してコア層を形成するものであ
る。つまりコア層を形成するコア層形成用材料は、親液
性領域および撥水性領域に対する密着性に格段の違いを
有するため、この性質を利用することにより、親液性領
域にのみコア層形成用材料を付着させることが可能であ
る。したがって、コア層の周辺部が整った形状となるた
め、コア層とこれに接する上部クラッド層との界面が整
っていないことによる光伝送損失を防止することが可能
である。
【0083】このようなコア層を形成するするための材
料としては、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリスチレン、酸化ケイ素等が挙げら
れる。これらの材料をスピンコート法やディップコート
法等の各種コーティング法やインクジェット法等のノズ
ル吐出法、蒸着法および無電解メッキ法等を材料の特性
に応じて選択し、コア層を形成する。また選択する材料
の種類や混合比率により屈折率を制御することが可能で
ある。
【0084】また、光導波路においてコア層内における
光の導波を良好に保つためにコア層の屈折率をその表面
を被覆するクラッド層の屈折率よりも高くする必要があ
る。本発明においては、コア層の屈折率を1.1〜1.
7の範囲内、好ましくは1.4〜1.7の範囲内とする
ことが好ましい。さらにコア層の表面を覆う上部クラッ
ド層が透明性を有する材料で形成されている場合、コア
層との屈折率差を0.03以上、特に0.05以上とす
ることが好ましい。コア層と上部クラッド層との屈折率
差を上記範囲とし、かつコア層の下部を被覆する光触媒
含有層とコア層との屈折率差を上述した範囲内とするこ
とにより、光伝送損失の少ない光導波路の作製が可能と
なる。
【0085】ここでコア層の形状に関しては、通常コア
層内を導波する光のモード等を考慮して決定する。導波
光としては、一般に赤外光を用いることから、コア層の
頂部から底部までの膜厚が、0.8〜300μmの範囲
内、好ましくは1〜100μmの範囲内が好ましい。ま
たコア層底部の幅は0.8〜300μmの範囲内、好ま
しくは1〜100μmの範囲内が好ましい。上記範囲内
のコア層とすることにより、コア層内を滞りなく光が導
波し、効率の良好な光導波路を得ることができるからで
ある。
【0086】(上部クラッド層)本発明のおいて、図1
に示すように上部クラッド層5はコア層4の表面を被覆
するように形成されている。図1に図示された上部クラ
ッド層5は光触媒含有層2上の全面に形成されている
が、コア層表面を被覆するようにパターン状に形成され
た上部クラッド層であってもよい。また光導波路におけ
るクラッド層の役割としては、光導波路の光伝送損失を
抑制することの他に、外部からの応力等による悪影響の
防止や、光導波路端面を切断して端面研磨する際、高い
寸法精度の加工を可能とすること等を挙げることができ
る。
【0087】本発明において上部クラッド層は、透明性
を有する材料で形成されている場合と、不透明である場
合とのいずれの態様であってもよい。
【0088】まず、上部クラッド層が透明性を有する材
料で形成されている場合について説明する。
【0089】上部クラッド層が透明性を有する材料で形
成されている場合に用いられる材料としては、例えば、
シリコン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、酸化珪素、UV硬化型エポキシ樹脂、エポキ
シ樹脂、フッ素化ポリイミド、ポリイミド、ポリカーボ
ネイト―MMA、重水素化ポリフルオロメタクリレート
等を挙げることができる。
【0090】これらの材料は例えば蒸着法等により付着
させることも可能であるが、好ましくはスピンコート、
スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビー
ドコート等の各種コーティング法やインクジェットなど
の吐出法等により、塗工液とした上記材料を塗布するこ
とによって上部クラッド層を形成する。また選択する材
料の種類や材料の混合比率によって屈折率を容易に変化
させることができるため、コア層の屈折率に応じて屈折
率差を制御した上部クラッド層の形成が可能である。
【0091】本発明において上部クラッド層の屈折率は
1.1〜1.7の範囲内、好ましくは1.4〜1.7の
範囲内であることが好ましい。上部クラッド層を上記範
囲内とすることにより、光伝送損失の一要因である吸収
損失を効果的に防止することができるからである。
【0092】また、上部クラッド層とコア層との屈折率
の差は、0.03以上、特に0.05以上であることが
好ましい。上記範囲程度にコア層の屈折率が上部クラッ
ド層の屈折率よりも高ければ、吸収損失による光伝送損
失を効率よく防止でき伝送効率の良好な光導波路が製造
できるからである。
【0093】ところで、上述したように、本発明におい
ては上部クラッド層の形状は、光触媒含有層上の全面に
形成されている場合と、コア層表面を被覆するようにパ
ターン状に形成されている場合とがある。
【0094】上部クラッド層が図1に図示するように、
光触媒含有層上の全面に形成されている場合は、比較的
製造が容易であるという利点を有する。さらに、上部ク
ラッド層が光触媒含有層上の全面に形成されており、か
つ透明性を有する場合、コア層頂部から上部クラッド層
表面までの上部クラッド層の膜厚が、0.5〜300μ
mの範囲内、その中でも特に1〜100μmの範囲内で
あることが好ましい。この膜厚が上記範囲よりも薄くな
るとコア層を導波する光の損失が顕著に大きくなり、光
導波路として機能しなくなるからである。
【0095】一方、上部クラッド層が光触媒含有層上の
コア層を被覆するようにパターン状に形成されていても
よい。このように上部クラッド層をパターン状に形成す
ることにより、平面基板上に複雑な光配線を施し、分
岐、スイッチィング、コネクト等の光インターコネクシ
ョン機能を有する平面光導波路を、低損失にて、容易に
作製できるといった利点を有するからである。
【0096】さらに、上部クラッド層がパターン状に形
成され、かつ透明性を有する材料で形成されている場
合、コア層の頂部から上部クラッド層の頂部までの上部
クラッド層の膜厚は0.5〜300μmの範囲内、その
中でも特に1〜100μmの範囲内であることが好まし
い。またこの場合上部クラッド層はコア層の両側部に所
定の幅を持つように形成されており、コア層の側部から
上部クラッド層の側部までの上部クラッド層の幅は0.
5〜300μmの範囲内、その中でも特に1〜100μ
mの範囲内であることが好ましい。上記範囲内の膜厚お
よび幅で形成されている上部クラッド層であれば、コア
層内を導波する光を反射させ、コア層を表面からの塵や
汚れから防御し、外部からの応力等からの影響を防止す
るクラッド層としての機能を十分に発揮することができ
るからである。
【0097】次に、上部クラッド層が不透明な場合につ
いて説明する。この場合、上記上部クラッド層とコア層
との界面が鏡面として作用する金属からなることが好ま
しい。このような金属として具体的には、金、アルミニ
ウム、銅、銀等を挙げることができ、本発明においては
その中でも特にアルミニウムが好ましい。これらの金属
を蒸着法等を用いて形成し、上部クラッド層とすること
により、上部クラッド層とコア層との界面が鏡面として
作用し、コア層内を導波する光を全反射させるため、上
部クラッド層への光の吸収損失が抑えられ、光伝送損失
の少ない効率的な光導波路が得られるからである。
【0098】また、上部クラッド層の形状に関しては、
コア層および上部クラッド層との界面で、隙間なく両者
が接していればその界面における鏡面効果は十分に得る
ことができる。したがって、上部クラッド層が全面形成
されている場合の上述した膜厚や、上部クラッド層がパ
ターン状に形成されている場合の上述した膜厚および幅
は、この鏡面効果に影響を及ぼさないため、上部クラッ
ド層が不透明である場合は、これらの膜厚および幅は光
の全反射に不都合がない程度であればよい。
【0099】(基板)本発明において、基板は支持体と
しての役割を担う他、外部からの応力によるコア層への
影響を和らげる働きも持つ。このような働きを担う材料
であれば特に限定されないが、具体的には、ソーダガラ
ス、石英ガラス、光学ガラス、無アルカリガラス等のガ
ラス基板およびポリカーボネート、メチルメタクリレー
ト単重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン等のプラスチックフィルム、プラスチ
ックシートなどを挙げることができる。
【0100】B.光導波路の製造方法について 本発明の光導波路の製造方法は、基板を準備する工程
と、上記基板上に少なくとも光触媒とバインダとを有し
エネルギー照射により照射部分の濡れ性が液体との接触
角が低下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工
程と、上記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であ
るコア層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア
層露光部を形成する工程と、上記光触媒含有層のコア層
露光部上にコア層を形成する工程と、上記光触媒含有層
上に形成された上記コア層の表面を被覆するように上部
クラッド層を形成するために、上記光触媒含有層上の上
部クラッド層が形成される部位である上部クラッド層形
成部に、エネルギーを照射して上部クラッド層露光部を
形成する工程と、上記上部クラッド層露光部上に上部ク
ラッド層を形成する工程とを有するものである。
【0101】本発明においては、このような製造方法と
することにより、図3に図示した従来の光導波路の製造
方法よりも、コア層のパターニングにかかる手間を簡略
化することが可能であるという利点を有する。
【0102】図2は、本発明の光導波路の製造方法の一
例を示す工程図である。まずこの図2の各工程について
説明する。
【0103】図2の(a)に示すように、基板1を準備
し、準備された基板1上に少なくとも光触媒とバインダ
とからなる光触媒含有層の形成材料を溶剤に溶かした塗
工液を塗布し、乾燥させ光触媒含有層2を形成する(光
触媒含有層形成工程)。
【0104】次いで、上記光触媒含有層2上のコア層4
を形成する部位であるコア層形成部以外にマスク6をか
け、エネルギー7がコア層形成部にのみ照射されるよう
にパターン照射し(図2(b))、上記パターン照射に
よるエネルギー照射領域であるコア層露光部3を形成す
る(コア層露光部形成工程)(図2(c))。
【0105】さらに、上記光触媒含有層2のコア層露光
部3上にコア層形成用材料を付着させ、乾燥させること
によりコア層4を形成する(コア層形成工程)(図2
(d))。
【0106】上記光触媒含有層2上に形成された上記コ
ア層4の表面を被覆するように上部クラッド層5を形成
するため、上記光触媒含有層2上の上部クラッド層5が
形成される部位である上部クラッド層形成部に、エネル
ギーを照射することにより(図2(f))、図2(e)
に示すように、上部クラッド層露光部8が形成される
(上部クラッド層露光部形成工程)。
【0107】そして、上記上部クラッド層露光部8上に
上部クラッド層形成材料を付着させ、乾燥させることに
よって上部クラッド層5を形成する(上部クラッド層形
成工程)(図2(e))。
【0108】以下、このような各工程について詳細に説
明をする。
【0109】(光触媒含有層形成工程)まず、第1の工
程である光触媒含有層を設ける工程について説明する。
光触媒含有層形成工程とは、基板上に少なくとも光触媒
とバインダとを有しエネルギー照射により照射部分の濡
れ性が液体との接触角が低下する方向に変化する光触媒
含有層を形成する工程である。
【0110】この光触媒含有層の形成は、上述したよう
な光触媒とバインダとを必要に応じて他の添加剤ととも
に溶剤中に分散させた塗布液を調製し、この塗布液を塗
布した後、加水分解、重縮合反応を進行させてバインダ
中に光触媒を強固に固定することにより形成される。使
用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等
のアルコール系の有機溶剤が好ましく、塗布はスピンコ
ート、スプレーコート、ディップコート、ロールコー
ト、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことが
できる。また、結合剤として、紫外線硬化型の成分を含
有している場合には、紫外線を照射して硬化処理を行う
ことにより、基材上に光触媒含有層を形成することがで
きる。
【0111】(コア層露光部形成工程)次に第2の工程
であるコア層露光部の形成工程について説明する。この
コア層露光部形成工程とは、上記光触媒含有層上のコア
層を形成する部位であるコア層形成部に、エネルギーを
パターン照射してコア層露光部を形成する工程である。
【0112】本発明において照射されるエネルギーとし
ては、光触媒含有層の濡れ性を変化させるエネルギーで
あればいかなるエネルギーでも使用可能であるが、中で
も光を用いることが好ましい。光は制御しやすく、安全
に操作することが可能であるからである。
【0113】さらに、本発明において用いられる光触媒
の触媒反応を起こさせる光の波長を考慮して選択された
光を用いることが好ましい。例えば、硫化カドニウムで
あれば496nm、また酸化鉄であれば539nmの可
視光であり、二酸化チタンであれば388nmの紫外光
である。このように、用いる光触媒に対応して、光であ
れば可視光であれ紫外光であれ用いることができるので
あるが、上述したようにバンドギャップエネルギーが高
いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で
毒性もなく、入手も容易といった理由から光触媒として
は二酸化チタンが好適に用いられる関係上、この二酸化
チタンの触媒反応を開始させる紫外光を含む光であるこ
とが好ましい。具体的には、400nm以下の範囲、好
ましくは380nm以下の範囲の紫外光が含まれること
が好ましい。
【0114】このような紫外光を含む光の光源として
は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げること
ができる。また、露光に際しての光の照射量は、露光さ
れた部位が光触媒の作用により親液性を発現するのに必
要な照射量とすることができる。
【0115】エネルギーの照射に際してパターン照射が
必要な場合は、上述したような光源を用い、フォトマス
クを介したパターン照射により行うことができるが、他
の方法として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いて
パターン状に描画照射する方法を用いることも可能であ
る。
【0116】なお、このコア層露光部が形成される部位
等の詳細については、A.光導波路についての(コア
層)の項目において、説明したとおりなのでここでの説
明は省略する。
【0117】(コア層形成工程)次に第3の工程である
コア層形成工程について説明する。このコア層形成工程
は、上記光触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成
する工程である。
【0118】このコア層形成工程において、コア層露光
部にコア層を形成するために、コア層形成用材料をコア
層露光部上に付着させる方法がとられる。この方法とし
てはコーティング法、吐出法、蒸着法、無電解メッキ法
等があるが、この中でも塗工液を用いるコーティング法
および吐出法が好ましい。
【0119】具体的には、上記コア層形成用材料を溶剤
中に分散してコア層形成用塗工液を調製し、このコア層
形成用塗工液を上記コア層露光部上に塗布した後、硬化
させることによりコア層を形成する方法等を挙げること
ができる。さらにこの塗工液を用いる方法の中でも、効
率よくコア層形成用塗工液を塗布できるという観点か
ら、ノズル吐出法が好ましい。ノズル吐出法であればコ
ア層形成用塗工液の塗布位置が正確であり、發液性の領
域に残存するコア層形成用塗工液の量を抑えることがで
きるからである。さらにこのノズル吐出法の中でもイン
クジョット法が好適に用いられる。これは、量産可能で
あるためコスト面で有利である等の理由によるものであ
る。
【0120】このコア層形成用材料を溶解させる溶剤と
しては、コア層形成用材料が溶解可能であり、かつ光触
媒含有層のエネルギー露光部とエネルギー未露光部との
接触角の差が20°以上となる溶剤であれば特に限定さ
れない。特にN−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキ
サノンおよびこれらを含む混合溶液が好ましい。また、
結合剤として、紫外線硬化型の成分を含有している場合
には、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、光
触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成することが
できる。
【0121】(上部クラッド層露光部形成工程および上
部クラッド層形成工程)上部クラッド層露光部形成工程
とは、上記光触媒含有層上に形成された上記コア層の表
面を被覆するように上部クラッド層を形成するために、
上記光触媒含有層上の上部クラッド層が形成される部位
である上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射して
上部クラッド層露光部を形成する工程である。
【0122】さらに上部クラッド層形成工程とは、上記
上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成する工
程である。
【0123】本発明において、この上部クラッド層露光
部形成工程および上部クラッド層形成工程の一連の工程
は、大きく2つの実施態様に分けることができる。第1
の実施態様は上部クラッド層が透明性を有する材料で形
成されている態様である。さらに第2の実施態様は上部
クラッド層が不透明である場合である。以下に両実施態
様について各工程毎に説明する。
【0124】a.第1実施態様 第1実施態様は上部クラッド層が透明性を有する材料で
形成されている態様である。さらにこの第1実施態様の
中でも上部クラッド層の形状の違いから、上部クラッド
層がコア層を被覆するように光触媒含有層上の全面に形
成されている場合上部クラッド層がコア層の表面のみを
覆うようにパターン状に形成されている場合に分けるこ
とができる。
【0125】以下に、第1実施態様を(1)、(2)の
各場合について説明を行う。
【0126】(1) 上部クラッド層がコア層を被覆す
るように光触媒含有層上の全面に形成されている場合 まず、上部クラッド層がコア層を被覆するように光触媒
含有層上の全面に形成されている場合について説明を行
う。
【0127】具体的には、上記上部クラッド層露光部形
成工程が、この場合においては、上記光触媒含有層の表
面に対して全面にエネルギーを照射して、上部クラッド
層露光部を形成する工程(上部クラッド層露光部全面形
成工程)となり、上記上部クラッド層形成工程が、上記
上部クラッド層露光部上にコア層を被覆するように全面
に、上部クラッド層を形成する工程(上部クラッド層全
面形成工程)となる。
【0128】以下に両工程ついて説明をする。
【0129】(上部クラッド層露光部全面形成工程)上
部クラッド層露光部全面形成工程は、上記コア層形成工
程により、光触媒含有層上の所望の位置にコア層が形成
された上記光触媒含有層上の全面にエネルギーを照射す
る工程である。このエネルギー照射により上記光触媒含
有層上のうち上記コア層が形成されている部位以外の表
面はすべて親液性となり、この親液性領域が上部クラッ
ド層全面露光部となる。その他エネルギー照射等に関す
ることは、上記コア層露光部形成工程の中で説明したと
おりなので、ここでの説明は省略する。
【0130】(上部クラッド層全面形成工程)上部クラ
ッド層全面形成工程は、上記上部クラッド層露光部全面
形成工程により形成された上部クラッド層全面露光部上
に上部クラッド層形成用材料を付着させ、上記光触媒含
有層上の全面に上部クラッド層を形成する工程である。
【0131】このような上部クラッド層形成用材料を上
部クラッド層全面露光部上に付着させる方法としては、
コーティング法、吐出法、蒸着法、無電解メッキ法等が
あるが、この中でも塗工液を用いるコーティング法およ
び吐出法が好ましい。
【0132】具体的には、上記上部クラッド層形成用材
料を溶剤中に分散して上部クラッド層形成用の塗工液を
調製し、この塗工液を上記上部クラッド層全面露光部上
に塗布した後、硬化させることによりコア層を形成する
方法等が挙げられる。
【0133】ここで、この上部クラッド層形成用材料を
溶解させる溶剤としては、上部クラッド層形成用材料が
溶解可能であり、かつ光触媒含有層のエネルギー露光部
とエネルギー未露光部との接触角の差が20°以上とな
る溶剤であれば特に限定されない。特にN−メチル−2
−ピロリドン、シクロヘキサノンおよびこれらを含む混
合溶液が好ましい。
【0134】また、結合剤として、紫外線硬化型の成分
を含有している場合には、紫外線を照射して硬化処理を
行うことにより、光触媒含有層上の全面に上部クラッド
層を形成することができる。
【0135】(2) 上部クラッド層がコア層の表面の
みを覆うようにパターン状に形成されている場合 次に、上部クラッド層が透明性を有する材料で形成され
ており、かつコア層の表面を覆うようにパターン状に上
部クラッド層が形成されている場合について説明する。
【0136】この場合、具体的には、上記上部クラッド
層露光部形成工程が、上記光触媒含有層の表面に対し
て、上記コア層の両側部に所定の幅を持つようにエネル
ギーをパターン照射して、上部クラッド層露光部を形成
する工程(パターン状上部クラッド層露光部形成工程)
となり、さらに上記上部クラッド層形成工程が、上記パ
ターン状上部クラッド層露光部上に上記コア層を被覆す
るように、パターン状に上部クラッド層を形成する工程
(パターン状上部クラッド層形成工程)となる。
【0137】以下に両工程について説明する。
【0138】(パターン状上部クラッド層露光部形成工
程)パターン状上部クラッド層露光部形成工程は、上記
コア層形成工程により、所望の位置にコア層を有する上
記光触媒含有層上にエネルギーをパターン照射する工程
である。
【0139】この工程は、コア層の側部から一定の幅ま
での領域の光触媒含有層に対し、エネルギーをパターン
照射することにより、コア層の側部から一定の幅までの
領域が、コア層を取り囲むように親液性領域となる。こ
の親液性領域がパターン状上部クラッド層露光部であ
る。その他、コア層側部から上部クラッド層側部までの
幅やエネルギーの照射方法等に関しては、上述したとお
りなのでここでの説明は省略する。
【0140】(パターン状上部クラッド層形成工程)パ
ターン状上部クラッド層形成工程は、上記パターン状上
部クラッド層露光部形成工程により形成された上記パタ
ーン状上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成
する工程である。
【0141】このパターン状上部クラッド層形成工程に
おいては、パターン状に上部クラッド層が形成される以
外は、上記上部クラッド層全面形成工程と同様であるの
でここでの詳細な説明は省略する。
【0142】b.第2実施態様 本発明における第2実施態様は、上部クラッド層が不透
明な材料で形成された態様である。
【0143】このように、上部クラッド層が不透明な材
料で形成される場合の製造方法としては、上述したよう
にコア層と上部クラッド層との界面が鏡面として作用す
る必要性があることから、具体的には、蒸着法、スパッ
タ法、CVD法、転写法、無電解メッキ法、溶解金属を
用いたスプレーコート等によるコーティング法等を挙げ
ることができ、中でも蒸着法による方法が好ましい。
【0144】この場合は、コア層および上部クラッド層
との界面において隙間なく金属が形成されてさえいれ
ば、鏡面効果の作用による光の全反射が効率的に行われ
る。したがって、上述したように上部クラッド層が光触
媒含有層上の全面に形成されている場合でも、またパタ
ーン状に形成されている場合でも、コア層と上部クラッ
ド層との界面において隙間なく上部クラッド層が形成さ
れてさえいれば、この鏡面効果による光の全反射は起こ
る。そこで鏡面効果を損なわせない程度に、上部クラッ
ド層が不透明な場合に用いられる上述した金属を上述し
た方法によって形成することが好ましい。
【0145】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0146】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに説明す
る。
【0147】50×100mmの無アルカリガラス基板
上に光触媒を含有する光触媒含有層を形成し、紫外線を
開口線幅100μmのラインパターンが施されたマスク
パターンを介して照射することにより、光触媒含有層上
に同ラインパターンに即した濡れ性の異なるパターンを
形成した。
【0148】このパターンを有する基板のエネルギー露
光部である100μmのラインパターン形成部のディス
ペンサー方式にて、ポリメタクリル酸メチルのN−メチ
ル−2−ピロリドン溶液を塗布したところ、エネルギー
露光部のみに溶液は付着した。これを250℃にて30
分間乾燥することにより硬化させた。
【0149】次にこの基板全体に対し紫外線露光を施
し、ポリスチレンのシクロヘキサノン溶液を基板全面に
塗布した。これを前述同様の乾燥方法にて硬化させるこ
とにより光損失30dB/m以下の光導波路を形成する
ことができた。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、光触媒含有層上のコア
層形成部を予め親液性とし、液体との接触角の小さい親
液性領域のみコア層形成用塗工液が付着することを利用
して、所望の領域に精度よくコア層を作製することがで
きるという効果を奏する。さらに本発明においては、コ
ア層は光触媒含有層上に形成されていることから、コア
層および光触媒含有層の屈折率差を調節することによ
り、光触媒含有層を上部クラッド層と同様の働きを担う
下部クラッド層として活用することができる。したがっ
て、別途クラッド層を形成する必要がなく、工程の簡略
化が可能となり、コストを低減させることができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の一例を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程
図である。
【図3】従来の光導波路の製造方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1 … 基板 2 … 光触媒含有層 3 … コア層露光部 4 … コア層 5 … 上部クラッド層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板上に形成された、エネ
    ルギー照射により液体との接触角が低下するように濡れ
    性が変化し、少なくとも光触媒およびバインダからなる
    光触媒含有層と、前記光触媒含有層上にパターン状に形
    成されたコア層と、前記コア層を覆うように前記光触媒
    含有層上に形成された上部クラッド層とを有することを
    特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】 前記上部クラッド層は前記光触媒含有層
    上にパターン状に形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の光導波路。
  3. 【請求項3】 前記光触媒含有層上における表面張力4
    0mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されて
    いない部分において10度以上であり、エネルギー照射
    された部分において10度未満であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 前記光触媒含有層と前記コア層との屈折
    率の差が0.03以上であることを特徴とする請求項1
    から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光導波
    路。
  5. 【請求項5】 前記上部クラッド層が透明性を有する材
    料で形成されている場合、前記上部クラッド層および前
    記コア層の屈折率差が0.03以上であることを特徴と
    する請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記
    載の光導波路。
  6. 【請求項6】 前記上部クラッド層が不透明である場
    合、前記上部クラッド層および前記コア層の界面が鏡面
    として作用する金属からなることを特徴とする請求項1
    から請求項4までのいずれかの請求項に記載の光導波
    路。
  7. 【請求項7】 前記光触媒含有層がフッ素を含み、前記
    光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、前記光
    触媒の作用により前記光触媒含有層表面のフッ素含有量
    がエネルギー照射前に比較して低下するように前記光触
    媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項1か
    ら請求項6までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  8. 【請求項8】 前記光触媒が、酸化チタン(Ti
    )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、
    チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タング
    ステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、およ
    び酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種
    以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項
    7までのいずれかの請求項に記載の光導波路。
  9. 【請求項9】 前記光触媒は、酸化チタンであることを
    特徴とする請求項8に記載の光導波路。
  10. 【請求項10】 前記バインダが、YSiX
    (4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキ
    ル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ
    基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。
    nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物
    の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水
    分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを
    特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求
    項に記載の光導波路。
  11. 【請求項11】 基板を準備する工程と、 前記基板上に少なくとも光触媒とバインダとを有しエネ
    ルギー照射により照射部分の濡れ性が液体との接触角が
    低下する方向に変化する光触媒含有層を形成する工程
    と、 前記光触媒含有層上のコア層を形成する部位であるコア
    層形成部に、エネルギーをパターン照射してコア層露光
    部を形成する工程と、 前記光触媒含有層のコア層露光部上にコア層を形成する
    工程と、 前記光触媒含有層上に形成された前記コア層の表面を被
    覆するように上部クラッド層を形成するために、前記光
    触媒含有層上の上部クラッド層が形成される部位である
    上部クラッド層形成部に、エネルギーを照射して上部ク
    ラッド層露光部を形成する工程と、 前記上部クラッド層露光部上に上部クラッド層を形成す
    る工程とを有することを特徴とする光導波路の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記エネルギー照射により上部クラッ
    ド層露光部を形成する工程と、前記上部クラッド層露光
    部上に上部クラッド層を形成する工程とが、前記光触媒
    含有層の表面に対して、前記コア層の両側部に所定の幅
    を持つようにエネルギーをパターン照射して、上部クラ
    ッド層露光部を形成する工程と、 前記上部クラッド層露光部上に前記コア層を被覆するよ
    うに、上部クラッド層を形成する工程とを有することを
    特徴とする請求項11記載の光導波路の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記エネルギー照射により上部クラッ
    ド層露光部を形成する工程と、前記上部クラッド層露光
    部上に上部クラッド層を形成する工程とが、 前記光触媒含有層の表面に対して全面にエネルギーを照
    射して、上部クラッド層露光部を形成する工程と、 前記上部クラッド層露光部上にコア層を被覆するよう
    に、上部クラッド層を形成する工程とを有することを特
    徴とする請求項11記載の光導波路の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記光触媒含有層上における表面張力
    40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射され
    ていない部分において10度以上であり、エネルギー照
    射された部分において10度未満であることを特徴とす
    る請求項11から請求項13までのいずれかの請求項に
    記載の光導波路の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記光触媒含有層上にパターン状に形
    成されたコア層が、コア層形成用塗工液を塗布すること
    によって形成されたコア層であることを特徴とする請求
    項11から請求項14までのいずれかの請求項に記載の
    光導波路の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記コア層形成用塗工液を塗布してコ
    ア層を形成する工程が、ノズル吐出法により塗布される
    ことを特徴とする請求項15に記載の光導波路の製造方
    法。
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