JPH07247425A - ポリイミド系前駆体組成物、その製造法、これを用いた半導体装置および光学装置 - Google Patents

ポリイミド系前駆体組成物、その製造法、これを用いた半導体装置および光学装置

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JPH07247425A
JPH07247425A JP3964494A JP3964494A JPH07247425A JP H07247425 A JPH07247425 A JP H07247425A JP 3964494 A JP3964494 A JP 3964494A JP 3964494 A JP3964494 A JP 3964494A JP H07247425 A JPH07247425 A JP H07247425A
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JP
Japan
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polyimide
bis
precursor composition
dianhydride
polyimide precursor
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JP3964494A
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English (en)
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Tomoaki Yamagishi
智明 山岸
Han Sasaki
範 佐々木
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前処理なしに、またはフッ素を含有する場合
でも基板に対する接着性に優れたポリイミド系ポリマー
を形成することができるポリイミド系前駆体組成物、そ
の製造法、これを用いた半導体装置および光学装置を提
供する。 【構成】 ポリイミド系前駆体に有機ジルコニウム化合
物を含有させてなるポリイミド系前駆体組成物、テトラ
カルボン酸二無水物とジアミンを極性溶媒中で反応させ
て得られるポリイミド系前駆体溶液に有機ジルコニウム
化合物を添加するポリイミド系前駆体組成物の製造法お
よび前記ポリイミド系前駆体組成物を基板上に塗布、硬
化してなる半導体装置等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド系前駆体組成
物、さらに詳しくは、基板との接着性に優れたポリイミ
ド系前駆体組成物、その製造法、この組成物を用いた半
導体装置および光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、耐熱性や耐溶剤性に優れ
ることから半導体装置の層間絶縁膜や表面保護膜に用い
られている。またフッ素を含むポリイミドは、耐熱性に
加えて低誘電率となるため、高速信号処理用の半導体装
置や光透過性が要求される光学装置の光伝送用材料など
に用いられる(特開平3−72528号公報)。
【0003】半導体装置や光学装置では、ポリイミドと
基板の接着性を向上させるため、ポリイミドと基板の中
間にシラン系などのカップリング剤層を形成させる方
法、ポリイミドの組成の一部にシリコーンを含有させる
方法(特開昭58−7473号公報)などが採用されて
いる。しかしながら、前者の方法では製造工程が増加す
るという問題があり、また後者の方法では、フッ素を含
まないポリイミドでは効果があるが、フッ素を含むポリ
イミドでは効果が低下し、長時間の使用によりポリイミ
ドの剥離が発生するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決し、前処理なしに、またはフッ素を
含む場合でも基板に対する接着性に優れたポリイミド系
樹脂を形成することができるポリイミド系前駆体組成物
およびその製造法ならびにこれを用いた半導体装置およ
び光学装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリイミド系
前駆体に有機ジルコニウム化合物を含有させてなるポリ
イミド系前駆体組成物、ポリイミド系前駆体を重合によ
り高分子量化してイミド化率を1〜30%とした前記記
載のポリイミド系前駆体組成物、前記有機ジルコニウム
化合物のポリイミド系前駆体に対する含有量を0.00
5〜5重量%としたポリイミド系前駆体組成物、前記ポ
リイミド系前駆体がフッ素を含むポリイミド系前駆体で
あるポリイミド系前駆体組成物、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを極性溶媒中で反応させて得られるポリ
イミド系前駆体溶液に粉体または有機溶剤に溶解された
有機ジルコニウム化合物を添加するポリイミド系前駆体
組成物の製造法、前記ポリイミド系前駆体組成物を基板
上に塗布、硬化してなる半導体装置および前記ポリイミ
ド系前駆体組成物を基板上に塗布、硬化してなる光学装
置に関する。
【0006】本発明に用いられるポリイミド系前駆体
は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシ
ド等の極性溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンを反応させることにより得られる。テトラカルボン酸
二無水物とジアミンとはほぼ等モルとして反応させるこ
とが好ましく、反応温度は、通常0〜40℃とされ、反
応時間は、通常30分〜50時間の範囲とされる。使用
するテトラカルボン酸二無水物とジアミンの種類には特
に制約はないが、有機ジルコニウム化合物の添加による
ポリイミドの接着力向上の点から、テトラカルボン酸二
無水物およびジアミンの少なくとも一方にフッ素を含む
化合物を用いるのが好ましい。フッ素を含むテトラカル
ボン酸二無水物またはフッ素を含むジアミンを用いるこ
とにより、シリコーンを含有させたり、カップリング剤
層を形成する従来の方法では得られない大きい接着力が
得られる。
【0007】フッ素を含むテトラカルボン酸二無水物と
しては、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水
物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水
物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無
水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、
ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}
ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、
5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,
4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,
2′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−
3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無
水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,
3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル
二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−
3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノン
二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシ
フェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロ
メチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキ
シ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス
(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキ
シ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水
物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェ
ノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、
ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキ
シ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチ
ル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチ
ル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無
水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフル
オロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。
【0008】フッ素を含むジアミンとしては、例えば4
−(1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデカノ
キシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H
−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノ
ベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプ
タノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,
1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジ
アミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,
3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラ
フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4
−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベン
ゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−
1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−
(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカ
ノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、(2,5)−ジ
アミノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメ
チル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフル
オロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチ
ル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシ
ル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチ
ル)ベンゼン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)
−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ビス(ト
リフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、
オクタフルオロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキ
サフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタ
フルオロブタン、
【0009】1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペ
ンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロ
ヘプタン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビ
ス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリ
フルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−
p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニ
ル)ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオ
ロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキ
シ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミ
ノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベン
ゼン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)
フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4
−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチル
フェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス
(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビ
フェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−3−トリフル
オロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス
(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジ
フェニルスルホン、4,4′−ビス(3−アミノ−5−
トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、
2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメ
チルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、
ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフ
ェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノ
キシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2−
〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソ
プロピル}ベンゼンなどが挙げられる。
【0010】フッ素を含まないテトラカルボン酸二無水
物としては、p−ターフェニル−3,4,3″,4″−
テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエー
テルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−
ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,1
0−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ス
ルホニルジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−テ
トラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、メタ−
ターフェニル−3,3″,4,4″−テトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物などが
挙げられる。なお、ポリアミドイミド樹脂を得る場合に
は、塩化無水トリメリット酸などが用いられる。
【0011】フッ素を含まないジアミンとしては、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、ベ
ンジン、メタンフェニレンジアミン、パラフェニレンジ
アミン、2,2−ビス−(4−アミノフェノキシフェニ
ル)プロパン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−
ナフタレンジアミン、ビス−(4−アミノフェノキシフ
ェニル)スルホン、ビス−(4−アミノフェノキシフェ
ニル)スルフィド、ビス−(4−アミノフェノキシフェ
ニル)ビフェニル、1,4−ビス−(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−ス
ルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノ
ジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン−3−スルホンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン−4−スルホンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルメタン−3′−スル
ホンアミド、
【0012】3,3′−ジアミノジフェニルメタン−4
−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン−3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン−3′−スルホンアミド、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン−4−スルホンアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−
スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルフ
ァイド−4−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフ
ェニルサルファイド−4−スルホンアミド、3,4′−
ジアミノジフェニルサルファイド−3′−スルホンアミ
ド、1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホンアミド、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−
カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェ
ニルエーテル−4−カルボンアミド、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン−3−カルボンアミド、3,4′−
ジアミノジフェニルメタン−4−カルボンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン−3′−カルボンアミ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルメタン−4−カルボ
ンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン−3
−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン−3′−カルボンアミド、3,3′−ジア
ミノジフェニルスルホン−4−カルボンアミド、4,
4′−ジアミノジフェニルサルファイド−3−カルボン
アミド、3,4′−ジアミノジフェニルサルファイド−
4−カルボンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルサ
ルファイド−4−カルボンアミド、3,4′−ジアミノ
ジフェニルサルファイド−3′−スルホンアミド、1,
4−ジアミノベンゼン−2−カルボンアミドなどが挙げ
られる。
【0013】上記のテトラカルボン酸二無水物およびジ
アミンはそれぞれ2種以上を併用してもよい。
【0014】本発明において、ポリイミド系前駆体はテ
トラカルボン酸二無水物とジアミンの重合によりアミド
結合およびイミド結合を形成して高分子量化している。
またポリイミド系前駆体溶液として感光性を有するもの
を使用することもできる。
【0015】ポリイミド系前駆体組成物の硬化により得
られるポリイミド系ポリマーには、ポリイミド樹脂、ポ
リ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂な
どが含まれる。
【0016】本発明に用いられる有機ジルコニウム化合
物としてはジルコニウムエステルおよびジルコニウムキ
レート化合物が好ましい。ジルコニウムエステルとして
はテトラプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネ
ートなどが挙げられる。またジルコニウムキレート化合
物としては、テトラキス(アセチルアセトネート)ジル
コニウム、モノブトキシトリス(アセチルアセトネー
ト)ジルコニウム、ジブトキシビス(アセチルアセトネ
ート)ジルコニウム、トリブトキシアセチルアセトネー
トジルコニウム、テトラ(エチルアセチルアセテート)
ジルコニウム、モノブトキシトリス(エチルアセチルア
セテート)ジルコニウム、ジブトキシビス(エチルアセ
チルアセテート)ジルコニウム、トリブトキシエチルア
セチルアセテート、テトラキス(エチルラクトネート)
ジルコニウム、ビス(ジスアセチルアセトネート)ビス
(エチルアセチルアセトネート)ジルコニウム、モノア
セチルアセトネートトリス(エチルアセチルアセトネー
ト)ジルコニウム、モノブトキシモノアセチルアセトネ
ートビス(エチルアセチルアセトネート)ジルコニウム
などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよ
い。
【0017】有機ジルコニウム化合物のポリイミド系前
駆体に対する含有量は、ポリイミドの接着性および強度
の点から、0.005〜5重量%の範囲が好ましく、よ
り好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。有機ジ
ルコニウム化合物は、ポリイミド系前駆体の合成時にテ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとともに添加されて
もよいが、ポリイミド系ポリマーの接着性向上の点か
ら、反応後のポリイミド系前駆体溶液に添加されるのが
好ましい。また、合成時に有機ジルコニウム化合物を添
加するとポリイミド系前駆体(ポリアミド酸等)の重合
が阻害され、高分子量化が図れないことがある。
【0018】本発明のポリイミド系前駆体組成物には、
通常その製造に用いられた極性溶媒が含まれる。
【0019】テトラカルボン酸二無水物とジアミンを極
性溶媒中で反応させて得られる上記のポリイミド系前駆
体に、有機ジルコニウム化合物を添加する方法として
は、有機ジルコニウムの粉体をポリイミド系前駆体溶液
に添加して撹拌し、混合させる方法や有機ジルコニウム
化合物をメタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホ
キシド、キシレン、トルエン、ベンゼンなどの有機溶剤
に0.5〜50重量%に溶解した後に、0〜60℃の温
度範囲でポリイミド系前駆体溶液に添加して撹拌し、混
合させる方法などがあるが、有機ジルコニウム化合物を
短時間に均一化するためには後者の方法が好ましい。
【0020】本発明のポリイミド系前駆体組成物は、シ
リコン、ガリウムヒ素などの半導体、鉄、アルミニウ
ム、ニッケル、銅などの金属およびこれらの半導体、酸
化膜または窒化膜、ガラス、セラミックなどの無機膜な
どの基板上に塗布し、硬化することにより、接着力の大
きなポリイミド系ポリマー膜を絶縁膜または保護膜とし
て有する半導体装置を得ることができる。
【0021】本発明のポリイミド前駆体組成物は、シリ
コン、ガリウムヒ素などの半導体およびこれらの酸化膜
または窒化膜、リチウムナイオベートなどの誘電体、石
英、ガラスなどの無機材料、ポリイミドなどの有機材料
などの基板上に塗布し、必要に応じてパターン化して硬
化することにより、接着力の大きなポリイミド系ポリマ
ーを光伝送路用材料、例えばコアやクラッドなどの光導
波路、光フィルタ等として有する光学装置を得ることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1および比較例1 N−メチル−2−ピロリドン85gに、4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル7.18gを溶解し、これにピ
ロメリット酸二無水物7.82gを加え、室温で10時
間攪拌して粘度約6Pa・sのポリイミド系前駆体溶液
を合成した。
【0023】このポリイミド前駆体溶液を50gずつの
2つに分け、一方にトリブトキシアセチルアセトネート
ジルコニウム10重量%のブタノール溶液3gを加えて
室温で1時間攪拌して有機ジルコニウム化合物を添加し
たポリイミド系前駆体組成物を得た。これらのポリイミ
ド系前駆体溶液または組成物を用いて形成したそれぞれ
のポリイミド膜の基板に対する接着性を以下の方法で評
価した。
【0024】基板として5インチのシリコンウエハを用
い、ポリイミド系前駆体溶液または組成物をウエハ上に
滴下し、3000rpmで30秒間スピン塗布した後、
100℃で30分、200℃で30分および350℃で
60分間オーブンによる硬化を行ってフィルムを作製し
た。この試料をJIS K 5400の基盤目試験法に
準じてカッターナイフで1×1mmの正方形100個に切
断してセロハンテープを密着させた後に引き剥がし、テ
ープ剥離後の接着残数を調べた。さらにプレッシャーク
ッカー試験(PCT、121℃、2気圧)による加速劣
化試験を300時間まで行って同様の方法で接着残数を
調べた。
【0025】上記接着性の評価結果を図1に示した。図
1から、有機ジルコニウム化合物を含むポリイミド(実
施例1)では、有機ジルコニウム化合物を含まないポリ
イミド(比較例1)に比べて接着性が優れることが示さ
れる。
【0026】実施例2および比較例2 N,N−ジメチルアセトアミド85gに、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル4.16gと1,3−ビス
(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.57
gを溶解し、これに2,2′−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物1
0.26gを加え、室温で20時間攪拌して粘度約6P
a・sのポリイミド系前駆体溶液を合成した。
【0027】このポリイミド前駆体溶液を50gずつの
2つに分け、一方にトリブトキシアセチルアセトネート
ジルコニウム10重量%のブタノール溶液5gを加えて
室温で1時間攪拌して有機ジルコニウム化合物を添加し
たポリイミド系前駆体組成物を得た。これらのポリイミ
ド系前駆体溶液および組成物について実施例1と同じ方
法により接着性の評価をし、結果を図2に示した。図2
から、実施例2の有機ジルコニウム化合物を含むポリイ
ミドでは、含まない比較例2に較べて接着性が優れるこ
とが示される。
【0028】実施例3 実施例2で製造した有機ジルコニウム化合物を含むポリ
イミド系前駆体組成物を石英板上に滴下して3000r
pmで30秒間スピン塗布し、100℃で1分間ホット
プレートで乾燥してポリイミドフィルムを形成した。こ
の上にポジ型フォトレジストOFPR−5000(東京
応化工業社製商品名)を1200rpmで30秒間スピ
ン塗布し、100℃で30秒間乾燥し、幅20μmおよ
び100μmの直線および緩やかな曲線を有するマスク
パターンを介して露光した後、水酸化テトラメチルアン
モニウム3重量%水溶液でレジストの現像とポリイミド
フィルムのエッチングを同時に行い、次いでレジスト除
去液でレジストを除去し、ポリイミドパターンを200
℃で30分、350℃で60分間オーブンで硬化を行っ
てポリイミドのパターンを得た。このポリイミドはアッ
ベ式屈折率計を用いて波長589nmの光源で屈折率を
測定したところ1.59であった。
【0029】この石英基板上に形成した直線および緩や
かな曲線を有するポリイミドのパターンの端面からヘリ
ウム・ネオンレーザ(波長633nm)の光線を入射し
たところ、10cmの長さのポリイミドパターンのもう一
つの端面から光の出射を確認することができた。以上の
結果から、本発明のポリイミド系前駆体組成物を用いて
形成したポリイミドは光伝送路の一部として使用できる
ことが示された。
【0030】また、上記で作製したリッジ型の光伝送路
の上に、N,N−ジメチルアセトアミド85gに2,
2′−ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロブ
ロパン5.86gと1,3−ビス(アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン0.49gを溶解し、これに
2,2′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン酸二無水物8.65gを加え、室温
で20時間攪拌して得たポリイミド系前駆体溶液を塗
布、硬化して得た屈折率が1.54のポリイミドを形成
し、埋め込み型の光伝送路とした場合でも光伝送路とし
て使用できることが確認された。
【0031】実施例4 実施例2で製造した有機ジルコニウム化合物を含むポリ
イミド系前駆体組成物を石英板上に滴下し、3000r
pmで30秒間スピン塗布し、100℃で30分、20
0℃で30分および350℃で60分間オーブンで硬化
してポリイミドフィルムを形成した。この石英板の透過
スペクトル(波長200〜1800nm)を測定したと
ころ、波長350nm以下の短波長では透過率が0.1
%以下で、波長500nm以上の波長領域では透過率8
0%以上であった。
【0032】以上の結果から、本発明のポリイミド系前
駆体組成物を用いて形成したポリイミド付石英板は35
0nm以下の短波長カット用フィルタとして使用できる
ことが示された。このポリイミド使用フィルタは、基板
に対するポリイミドの接着性が高いため、長時間の使用
においても高い信頼性を得ることができる。また、この
ポリイミド使用フィルタにおいて、基板の種類を変えた
り、ポリイミドの上に光学フィルタとして使用されるT
iOなどの膜を形成してフィルタの透過領域を変えて使
用することもできる。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリイミド系前駆体組成物によ
れば、前処理なしに、またはフッ素を含む場合でも、シ
リコン、石英等の基板に対するポリイミド系ポリマーの
接着性を向上することができるため、特に半導体装置の
絶縁膜や保護膜として、または光学装置の光伝送路用材
料として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1における接着性試験結
果を示す図。
【図2】実施例2および比較例2における接着試験結果
を示す図。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド系前駆体に有機ジルコニウム
    化合物を含有させてなるポリイミド系前駆体組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイミド系前駆体を重合により高分子
    量化してイミド化率を1〜30%とした請求項1記載の
    ポリイミド系前駆体組成物。
  3. 【請求項3】 有機ジルコニウム化合物のポリイミド系
    前駆体に対する含有量を0.005〜5重量%とした請
    求項1記載のポリイミド系前駆体組成物。
  4. 【請求項4】 ポリイミド系前駆体がフッ素を含むポリ
    イミド系前駆体である請求項1または2記載のポリイミ
    ド系前駆体組成物。
  5. 【請求項5】 テトラカルボン酸二無水物とジアミンを
    極性溶媒中で反応させて得られるポリイミド系前駆体溶
    液に有機ジルコニウム化合物を添加することを特徴とす
    るポリイミド系前駆体組成物の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載のポ
    リイミド系前駆体組成物を基板上に塗布、硬化してなる
    半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載のポ
    リイミド系前駆体組成物を基板上に塗布、硬化してなる
    光学装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009177113A (ja) * 2007-12-25 2009-08-06 Hitachi Chemical Dupont Microsystems Ltd 半導体装置、その製造方法及び感光性樹脂組成物

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