JP2000081022A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑装置

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JP2000081022A
JP2000081022A JP10250987A JP25098798A JP2000081022A JP 2000081022 A JP2000081022 A JP 2000081022A JP 10250987 A JP10250987 A JP 10250987A JP 25098798 A JP25098798 A JP 25098798A JP 2000081022 A JP2000081022 A JP 2000081022A
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oil hole
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crank
journal
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Masafumi Yamaguchi
雅史 山口
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランクジャーナル側の油穴の配置の改善に
よって、ジャーナル軸受部の信頼性にかかわる耐摩耗
性、耐焼付性を従来と同様に維持しつつ、クランクジャ
ーナル側の油穴に作用する油圧を高めて、コネクティン
グロッド軸受部への潤滑油供給性能を高めた内燃機関の
潤滑装置を提供すること。 【解決手段】 クランクジャーナル16側の油穴19の
該クランクジャーナル16外周面に開口する少なくとも
一つの開口部19aを、クランクシャフト方向視で、隣
り合うクランクピン中心Aとクランクジャーナル中心B
とを結ぶ直線上若しくは該直線の近傍位置に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の潤滑装
置に関し、特に、クランクシャフトにおける油穴構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関において、潤滑油は、オ
イルポンプによってオイルパンからストレーナを介して
吸い上げられ、調圧装置によって調圧されて、メインギ
ヤラリに送られる。このメインギヤラリからは、各潤滑
部への油穴、例えば、動弁系への油穴やクランクシャフ
トへの油穴が分岐して形成される。
【0003】前記クランクシャフトにおける油穴構造と
しては、クランクジャーナル側の油穴とクランクピン側
の油穴とを、それぞれクランクジャーナル中心とクラン
クピン中心とを結ぶ線に直角に設けて、互いに平行に配
し、両油穴の略中間部同士を両油穴と直交する油穴で連
通した構成の略H形油穴構造のものが知られている(特
開平7−27126号公報参照)。
【0004】又、近年、油穴形態が簡単で、油穴の成形
性にも優れるという利点を有する斜め油穴構造のものが
提案されている。このものは、例えば、図5に示すよう
に、クランクシャフト1に、クランクジャーナル2外周
面から該クランクジャーナル2及びクランクピン3を貫
通して該クランクピン3外周面へと貫通する第1の油穴
4と、一端部が該第1の油穴4のクランクジャーナル2
側油穴と連通し、他端部がクランクジャーナル2外周面
に開口する第2の油穴5と、を設けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クランクジ
ャーナル外周面とジャーナル軸受部内周面のメインメタ
ル内周面とが接近して、両者間に形成される油膜厚さが
薄く(例えば、略2μm以下)なった部位にクランクジ
ャーナル側の油穴の開口部があると、油穴の開口部の径
分だけメインメタル幅が減じられたのと等価な状態とな
り、油膜圧力の急上昇や最小油膜厚さの薄膜化を生じ
る。
【0006】このため、上述したような斜め油穴構造を
採用しようとするクランクシャフト1においては、クラ
ンクジャーナル2側の第2の油穴5の配置を略H形油穴
構造におけるクランクジャーナル側の油穴配置に近づけ
て、油膜厚さが薄くなった部位にクランクジャーナル2
側の油穴の開口部が位置する頻度が略H形油穴構造のも
のと同等となるようにして、メインメタルの信頼性にか
かわる耐摩耗性、耐焼付き性を維持するようにするのが
一般的設計手法として提案されている。
【0007】例えば、直列4気筒エンジンにおいて、ク
ランクピン3が鉛直上方に位置した状態で、鉛直上方を
0度にして時計方向を(+)方向と設定するとき、クラ
ンクジャーナル2側の第2の油穴5のクランクジャーナ
ル2外周面に開口するだけの一端開口部5aを略+45
度に配置し、クランクジャーナル2外周面に開口しかつ
第1の油穴4と連通する開口部5bを+200度に配置
することが考えられている(図5参照)。
【0008】しかしながら、このような油穴配置におい
ては、第2の油穴5の開口部5aの位置は、クランクピ
ン中心Aとクランクジャーナル中心Bとを結ぶ直線Cに
沿った部位から離れており、図6に示すように、上述の
クランクピン中心Aとクランクジャーナル中心Bとを結
ぶ直線Cに沿った部位のクランクジャーナル2外周面と
メインメタル6内周面間のオイルクリアランスC1より
も広いオイルクリアランスC2の部位に位置しているた
め、メインメタル6に形成された油溝6Aからのオイル
の横逃げが生じ易く、この結果、第2の油穴5に作用す
る油圧が低くなる。
【0009】このため、第2の油穴5から第1の油穴4
を経てクランクピン3側に至る潤滑油の圧力、即ち、ク
ランクピン3を軸受するコネクティングロッド(以下、
コンロッドと言う)軸受部のコンロッドメタルへの供給
潤滑油圧が低くなる。特に、斜め油穴構造にあっては、
クランクピン3側の油穴はその一端部のみしかコンロッ
ドメタル内周面に開口されていないため、元々潤滑の厳
しいコンロッドメタルの焼付きが発生し易い。
【0010】従って、上記のような問題がある斜め油穴
構造は、高出力エンジンへの採用は難しいのが実情であ
る。そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑
み、クランクジャーナル側の油穴の配置の改善によっ
て、ジャーナル軸受部の信頼性にかかわる耐摩耗性、耐
焼付性を従来と同様に維持しつつ、クランクジャーナル
側の油穴に作用する油圧を高めて、コネクティングロッ
ド軸受部への潤滑油供給性能を高めた内燃機関の潤滑装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、クランクシャフトに、該クランクシャフトの
クランクジャーナルを軸受するジャーナル軸受部とクラ
ンクピンを軸受するコネクティングロッド軸受部とに潤
滑油を供給する油穴を設けた内燃機関の潤滑装置におい
て、前記クランクジャーナル側の油穴の該クランクジャ
ーナル外周面に開口する少なくとも一つの開口部を、ク
ランクシャフト方向視で、隣り合うクランクピン中心と
クランクジャーナル中心とを結ぶ直線上若しくは該直線
の近傍位置に配置したことを特徴とする。
【0012】請求項2に係る発明は、クランクシャフト
は、クランクジャーナル外周面から該クランクジャーナ
ル及びクランクピンを貫通して該クランクピン外周面へ
と貫通する第1の油穴と、一端部が該第1の油穴のクラ
ンクジャーナル側油穴と連通し、他端部がクランクジャ
ーナル外周面に開口する第2の油穴と、を有し、該第2
の油穴のクランクジャーナル外周面に開口する開口部
が、クランクシャフト方向視で、隣り合うクランクピン
中心とクランクジャーナル中心とを結ぶ直線上若しくは
該直線の近傍位置に配置されることを特徴とする。
【0013】かかる本発明の作用について説明する。ク
ランクシャフト方向視で、隣り合うクランクピン中心と
クランクジャーナル中心とを結ぶ直線上若しくは該直線
の近傍位置のクランクジャーナル外周面とメインメタル
内周面間のオイルクリアランスは他部位と比較して最も
小さい。クランクシャフトは、その重量バランスから常
にクランクピン側に遠心力が大きく作用するため、クラ
ンクシャフト方向視で、隣り合うクランクピン中心とク
ランクジャーナル中心とを結ぶ直線上若しくは該直線の
近傍位置に位置するクランクジャーナル側の油穴の開口
部は、ピストン膨張行程を除いて常に前記最も小さいオ
イルクリアランスのところに位置し、該開口部近傍にお
けるオイルの横逃げが生じ難いため、クランクジャーナ
ルの油穴に作用する油圧が高くなり、この油穴からクラ
ンクピン側の油穴に至る潤滑油の圧力、即ち、コネクテ
ィングロッド軸受部への供給潤滑油圧が高くなる。
【0014】尚、油膜厚さが薄くなった部位にクランク
ジャーナル側の油穴の開口部が位置する頻度は従来と変
わらず、メインメタルの信頼性にかかわる耐摩耗性、耐
焼付き性を従来と同様に維持できる。請求項2に係る発
明における油穴構造にあっては、油穴形態が簡単で、油
穴の成形性にも優れるという利点を有する上に、コネク
ティングロッド軸受部への供給潤滑油圧が高くなるとい
う利点を奏する。
【0015】又、かかる油穴構造では、クランクピンの
油穴はその一端部のみしかコネクティングロッド軸受部
内周面に開口されていないため、コネクティングロッド
軸受部は元々潤滑の厳しいところであるが、上記のよう
にコネクティングロッド軸受部への供給潤滑油圧が高く
維持できる結果、コネクティングロッド軸受部の焼付き
等の発生を効果的に防止することができる。
【0016】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ジャーナ
ル軸受部の信頼性にかかわる耐摩耗性、耐焼付性を従来
と同様に維持しつつ、クランクジャーナルの油穴に作用
する油圧が高くなり、該油穴からクランクピン側の油穴
に至る潤滑油の圧力、即ち、コネクティングロッド軸受
部の供給潤滑油圧が高くなる結果、コネクティングロッ
ド軸受部の焼付き等の発生を防止することができ、コネ
クティングロッド軸受部の信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0017】請求項2に係る発明によれば、油穴形態が
簡単で、油穴の成形性にも優れるという利点を有する上
に、コネクティングロッド軸受部への供給潤滑油圧が高
くなるという利点を奏し、コネクティングロッド軸受部
の焼付き等の発生を効果的に防止することができ、よっ
て、高出力エンジンへの採用が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。先ず、図3及び図4に基づいて、ク
ランクシャフトの構造について説明する。即ち、これら
の図において、シリンダブロック10とその下面に締結
されるベアリングキャップ11とこれらにより形成され
る円形孔12に嵌合されたメインメタル13とで構成さ
れるジャーナル軸受部14には、クランクシャフト15
のクランクジャーナル16が回転自在に嵌装され、図示
しないコンロッド基底部とこれに形成された円形孔に嵌
合されたコンロッドメタルとからなるコンロッド軸受部
には、クランクシャフト15のクランクピン17が回転
自在に嵌装されている。
【0019】ここで、クランクシャフト15には、ジャ
ーナル軸受部14とコンロッド軸受部とに潤滑油を供給
する油穴が設けられている。即ち、本実施形態におい
て、クランクシャフト15には、クランクジャーナル1
6外周面から該クランクジャーナル16及びクランクピ
ン17を貫通して該クランクピン17外周面へと貫通す
る第1の油穴18と、一端部が該第1の油穴18のクラ
ンクジャーナル16側油穴と連通し、他端部がクランク
ジャーナル16外周面に開口する第2の油穴19と、が
設けられている。
【0020】かかる斜め油穴構造は、油穴形態が簡単
で、油穴の成形性にも優れるという利点がある。ここ
で、図1に示すように、前記第2の油穴19のクランク
ジャーナル16外周面に開口する開口部19aは、クラ
ンクシャフト方向視で、隣り合うクランクピン中心Aと
クランクジャーナル中心Bとを結ぶ直線C上に配置され
る。
【0021】つまり、クランクピン17が鉛直上方に位
置した状態で、鉛直上方を0度にして時計方向を(+)
方向と設定するとき、クランクジャーナル16側の第2
の油穴19のクランクジャーナル16外周面に開口する
開口部19aは0度に配置される。又、クランクジャー
ナル16外周面に開口しかつ第1の油穴18と連通する
開口部は+200〜220度に配置される。
【0022】尚、開口部19aは、必ずしもその中心が
隣り合うクランクピン中心Aとクランクジャーナル中心
Bとを結ぶ直線C上にある必要はなく、該直線Cに開口
部19aの一部がかかるようにな位置であれば良い。か
かるクランクシャフト15の油穴の配置に基づく作用・
効果を、図2を参照して説明する。
【0023】クランクシャフト方向視で、隣り合うクラ
ンクピン中心Aとクランクジャーナル中心Bとを結ぶ直
線C上若しくは該直線Cの近傍位置のクランクジャーナ
ル16外周面とメインメタル13内周面間のオイルクリ
アランスは他部位と比較して最も小さい。クランクシャ
フト15は、その重量バランスから常にクランクピン1
7側に遠心力が大きく作用するため、本実施形態におい
てクランクシャフト方向視で、隣り合うクランクピン中
心Aとクランクジャーナル中心Bとを結ぶ直線C上に位
置するクランクジャーナル16側の第2の油穴19の開
口部19aは、ピストン膨張行程を除いて常に前記最も
小さいオイルクリアランスのところに位置し、該開口部
19a近傍における、メインメタル13を構成するアッ
パメタルとロアメタルのうちアッパメタル内周面に形成
された油溝13Aからのオイルの横逃げが生じ難いた
め、クランクジャーナル16の第2の油穴19に作用す
る油圧が高くなり、この油穴19から第1の油穴18を
経てクランクピン17側に至る潤滑油の圧力、即ち、コ
ンロッド軸受部への供給潤滑油圧が高くなる。
【0024】尚、図4のメインギヤラリ20から分配さ
れる潤滑油は、メインメタル13の給油孔13Bから高
い圧力(例えば、約5kgf/cm2 )で供給され、給
油孔13Bと油穴19の開口部19a,19bとが一致
したときには、この高い潤滑油圧が直接油穴19に作用
するため、コンロッド軸受部に高い油圧の潤滑油が供給
される。
【0025】特に、本実施形態のような斜め油穴構造に
あっては、クランクピン17側の油穴はその一端部のみ
しかコンロッド軸受部内周面に開口されていないため、
コンロッドメタルは元々潤滑の厳しいところであるが、
上記のようにコンロッド軸受部への供給潤滑油圧が高く
維持できる結果、コンロッドメタルの焼付きの発生を防
止することができる。
【0026】従って、高出力エンジンへの斜め油穴構造
のクランクシャフトの採用が可能となる。尚、油膜厚さ
が薄くなった部位にクランクジャーナル16側の油穴1
9の開口部19a,19bが位置する頻度は従来と変わ
らず、メインメタル13の信頼性にかかわる耐摩耗性、
耐焼付き性を従来と同様に維持できる。
【0027】かかる実施形態においては、クランクシャ
フト15に、クランクジャーナル外16周面から該クラ
ンクジャーナル16及びクランクピン17を貫通して該
クランクピン17外周面へと貫通する第1の油穴18
と、一端部が該第1の油穴18のクランクジャーナル1
6側油穴と連通し、他端部がクランクジャーナル16外
周面に開口する第2の油穴19と、が設けられている斜
め油穴構造のものに本願発明を適用した例について説明
したが、クランクジャーナル側の油穴とクランクピン側
の油穴とを、それぞれクランクジャーナル中心とクラン
クピン中心とを結ぶ線に直角に設けて、互いに平行に配
し、両油穴の略中間部同士を両油穴と直交する油穴で連
通した構成の略H形油穴構造のものにおいて、本発明を
適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の内燃機関の潤滑装置の一実施形態を
説明する直列4気筒エンジンのクランクシャフトにおけ
る油穴をクランクシャフト方向視した図
【図2】 同上のクランクシャフトの油穴の作用を説明
する図で、クランクジャーナルにおける油穴をクランク
シャフト方向視した図
【図3】 同上のクランクシャフトの正面図
【図4】 図3中要部の拡大図
【図5】 従来のクランクシャフトにおける油穴をクラ
ンクシャフト方向視した図
【図6】 同上の従来のクランクシャフトの油穴の問題
点を説明する図で、クランクジャーナルにおける油穴を
クランクシャフト方向視した図
【符号の説明】
14 ジャーナル軸受部 15 クランクシャフト 16 クランクジャーナル 17 クランクピン 18 第1の油穴 19 第2の油穴 19a 開口部 19b 開口部 A クランクピン中心 B クランクジャーナル中心 C 直線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランクシャフトに、該クランクシャフト
    のクランクジャーナルを軸受するジャーナル軸受部とク
    ランクピンを軸受するコネクティングロッド軸受部とに
    潤滑油を供給する油穴を設けた内燃機関の潤滑装置にお
    いて、 前記クランクジャーナル側の油穴の該クランクジャーナ
    ル外周面に開口する少なくとも一つの開口部を、クラン
    クシャフト方向視で、隣り合うクランクピン中心とクラ
    ンクジャーナル中心とを結ぶ直線上若しくは該直線の近
    傍位置に配置したことを特徴とする内燃機関の潤滑装
    置。
  2. 【請求項2】クランクシャフトは、クランクジャーナル
    外周面から該クランクジャーナル及びクランクピンを貫
    通して該クランクピン外周面へと貫通する第1の油穴
    と、一端部が該第1の油穴のクランクジャーナル側油穴
    と連通し、他端部がクランクジャーナル外周面に開口す
    る第2の油穴と、を有し、該第2の油穴のクランクジャ
    ーナル外周面に開口する開口部が、クランクシャフト方
    向視で、隣り合うクランクピン中心とクランクジャーナ
    ル中心とを結ぶ直線上若しくは該直線の近傍位置に配置
    されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の潤滑
    装置。
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