JP2000074910A - 血液検査用容器及び血液検査方法 - Google Patents

血液検査用容器及び血液検査方法

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JP2000074910A
JP2000074910A JP10255470A JP25547098A JP2000074910A JP 2000074910 A JP2000074910 A JP 2000074910A JP 10255470 A JP10255470 A JP 10255470A JP 25547098 A JP25547098 A JP 25547098A JP 2000074910 A JP2000074910 A JP 2000074910A
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Yoshie Matsumoto
美枝 松本
Kazuo Niimura
和夫 新村
Hironobu Isogawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査従事者が血液と接触することなく、血液
の採取から血液中の各種成分の測定までを容易に行うこ
とを可能とする血液検査用容器及び血液検査方法を提供
する。 【解決手段】 有底の管状容器2の内部において血液検
査用試薬3が固定されている血液検査用容器1が、管状
容器2内に配置されており、有底であり、前記管状容器
よりも小径の第2の管状容器をさらに備え、前記血液検
査用測定試薬が、管状容器内面または第2の管状容器外
面の少なくとも一方に固定されている上記の血液検査用
容器。上記いずれかの血液検査用容器1に血液を導入
し、血液または血液成分と上記血液検査用測定試薬3と
を接触させる血液検査方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト及び動物の臨
床検査等に用いられる血液検査用容器に関し、より詳細
には、血液の採取から血液成分等の測定までを単一の容
器で行うことを可能とする血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、臨床検査等における血液中の成分
の検査は、以下のようにして行われている。先ず、注射
器もしくは真空採血管を用いて採血し、次に、血液が導
かれた試験管もしくは採血管を遠心し、血清もしくは血
漿と固形分とに分離する。しかる後、分離された血清も
しくは血漿を別の測定用容器に分注し、該測定用容器内
で測定が行われる。
【0003】上記測定を行うための器具として、例え
ば、オーソクリニカルダイアグノステックス社製、商品
名:「オーソHCV・Abクイックパック」などが市販
されている。この検査器具では、血清または血漿をスポ
イトにより検査器具の試薬上に滴下し、例えばHCV抗
体スクリーニング検査を行うことができる。
【0004】しかしながら、上述した従来の検査方法で
は、採血時及び測定時に、検査従事者が、採血管の蓋を
開封したり、計量用カップに分注したりするため、複数
回にわたり血液と接触するおそれがあった。そのため、
検査従事者が、HIVや肝炎などに感染するおそれがあ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、検査
従事者の血液との接触を防止しつつ、血液の採取から血
液中の各種成分の測定までを、容易に行うことを可能と
する血液検査用容器及び血液検査方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、有底の管状容器と、管状容器内において固定された
血液検査用測定試薬とを備えることを特徴とする血液検
査用容器である。
【0007】すなわち、請求項1に記載の発明にかかる
血液検査用容器では、有底の管状容器内において測定試
薬が固定されており、管状容器内に血液又は血液成分
(この血液成分は、血液から予め分離された血清又は血
漿などをいう)を導入し、そのまま血液検査用測定試薬
と接触させることができ、或いは、管状容器内に血液
を導入した後、遠心分離することにより、血清または血
漿などの血液成分を血液検査用測定試薬と接触させるこ
とができる。よって、検査従事者が血液と接触すること
なく、血液の採取から検査までの作業を行うことができ
る。
【0008】なお、血液検査用測定試薬は、直接管状容
器の内面に固定されていてもよく、管状容器の内面に他
の部材を介して間接的に固定されていてもよい。あるい
は、血液検査用測定試薬は、管状容器内に配置される、
内側容器部、第2の管状容器または管状体等の外面に固
定されていてもよい。
【0009】本発明において、上記の「測定試薬が内面
に固定」又は「外面に固定」とは、測定試薬が単に内面
に固着又は外面に固着している場合だけでなく、測定試
薬が液状であり液状物質として内面又は外面に接触して
存在している場合、並びに測定試薬が粉末状であり、粉
末として内面又は外面に接触して存在している場合も含
まれるものとする。このような、液状物質又は粉末とし
ての測定試薬が管状容器内に存在する代表的な例として
は、管状容器内に、内側容器部、第2の管状容器または
管状体等が配置されてなる血液検査用容器において、該
測定試薬が管状容器と、内側容器部、第2の管状容器ま
たは管状体等との間に、両者に接触して存在する場合が
挙げられる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明にかかる検査用容器において、前記管状容器に導
入された血液と前記測定試薬との接触を防止し、かつ遠
心されることにより血液成分と測定試薬との接触を達成
し得る接触制御構造をさらに備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、上記接触制御構造により、
管状容器に導入された血液と測定試薬とが初期状態では
接触されず、遠心されて初めて、血液成分と測定試薬と
が接触されることになる。
【0011】請求項3に記載の発明では、上記接触制御
構造が、管状容器の内側面から管状容器の底部側に延
び、下端に孔が形成された内側容器部と、該内側容器部
の孔を閉塞するように内側容器部内に配置されており、
かつ遠心された際に孔から下方に落下するように設けら
れた固形部材とを有し、前記血液検査用測定試薬が管状
容器内面及び/または内側容器部外面に形成されてい
る。内側容器部の下端の孔が固形部材により閉塞されて
いるので、管状容器に血液を導入した場合、初期状態で
は、血液が内側容器部内に貯留される。遠心により固形
部材が下方に落下し、血液が管状容器の底部に貯留し始
め、遠心後には血清もしくは血漿が測定試薬と接触され
ることになる。
【0012】請求項4に記載の発明では、上記接触制御
構造が、管状容器内に配置されており、かつ両端が開口
されている管状体と、管状体の外周面と管状容器の内周
面とに当接されたリング状部材とを有し、リング状部材
が初期状態では測定用試薬よりも下方に配置されてお
り、前記血液検査用測定試薬が、管状容器内面または管
状体外面の少なくとも一方に固定されている。この構造
では、管状体内に血液を導入した場合、管状体の下方開
口から管状容器の底部に血液が導入される。しかしなが
ら、リング状部材で押さえられることになるため、血液
が測定用試薬には接触しない。遠心すると、管状体内の
血液が下方に移動し、さらに、管状体の周囲に移動し、
それによって、リング状部材が押し上げられる。また、
遠心により血清もしくは血漿と固形分に分離され、分離
された血清または血漿が測定用試薬に接触されることに
なる。
【0013】請求項5に記載の発明では、上記接触制御
構造が、管状容器内に配置されており、両端が開口され
ており、さらに下端が管状容器の内底面に接触された管
状体と、管状体を管状容器の内底面に接触させて管状体
に導入された血液の管状体外への漏洩を抑制し、かつ遠
心により血液成分の管状体外への漏洩を可能とする圧接
手段とが備えられており、前記血液検査用測定試薬が、
管状容器内面または管状体外面の少なくとも一方に固定
されている。従って、初期状態では、上記圧接手段によ
り、管状体の下端が管状容器の内底面に接触し、血液の
管状体外への漏洩が抑制される。よって、初期状態で
は、血液と測定用試薬との接触が防止される。また、遠
心すると、血液が管状体外へ漏洩し、血清もしくは血漿
と固形分とに分離される。従って、血清もしくは血漿を
測定試薬と接触させることができる。
【0014】請求項6に記載の発明では、上記接触制御
構造が、管状容器の内側面に固定されており、かつ両端
が開口されている管状体と、管状体の下端近傍において
管状体の下端開口を閉成するように固定されており、遠
心された際に落下し得る固形部材とを有し、測定試薬が
管状体内において固形部材よりも上方に固定されてい
る。従って、初期状態では、測定用試薬が管状体内に配
置されており、該管状体の下端開口が固形部材により閉
成されているので、管状容器内に導入された血液と測定
用試薬等の接触が防止される。遠心すると、固形部材が
落下し、血液は血清もしくは血漿と固形分とに分離され
る。上記固形部材の落下により、分離された血清もしく
は血漿を管状体内に移動させることができ、測定試薬と
血清もしくは血漿とを接触させることができる。
【0015】請求項7に記載の発明では、請求項4に記
載の発明に係る血液検査用容器において、上記リング状
部材の内周面及び外周面が、それぞれ、Cn H2n+2(但
し、nは18〜22、好ましくは22〜24)で表され
るパラフィンを介して管状体の外周面と管状容器の内周
面とに当接されている。ここでは、初期状態では、請求
項4に記載の発明の場合と同様に、リング状部材により
血液と測定試薬との接触が遮断される。血液を採取し、
遠心分離を行うと、血液が血清もしくは血漿と固形分と
に分離される。しかる後、パラフィンの融点以上の温度
に加温することによりパラフィンが溶融し、リング状部
材が上下に容易に移動可能となる。そのため、血清もし
くは血漿がリング状部材を押し上げ、測定試薬と接触さ
れることになる。すなわち、遠心分離後に加温すること
により、測定試薬と血清もしくは血漿とを確実に接触さ
せ得る。
【0016】請求項8に記載の発明に係る血液検査用容
器では、前記接触制御構造が、管状容器内に配置されて
おり、両端が開口されている管状容器よりも小径の管状
体を有し、前記血液検査用測定試薬が、管状容器内面ま
たは管状体外面の少なくとも一方に固定されており、血
液検査用測定試薬が固定されている部分を含む、上記管
状容器と管状体との間の空隙が、チクソトロピー性を有
し、かつ粘度が25℃で5000〜500000センチ
ポイズの物質よりなるシール材で封止されている。従っ
て、使用に際しては、管状体内に血液を導いた場合、上
記シール材により空隙が封止されているので、血液が一
気に空隙内に流れ込むことを防止することができる。測
定に際しては、血液を管状体内に導いた後、遠心分離す
ることにより、チクソトロピー性を有する上記シール材
が管状容器内の底部に移動し、上記空隙の封止が解除さ
れる。しかる後、血液検査用容器全体を上下転倒もしく
は傾斜することにより、分離された血清もしくは血漿が
上記空隙に進入し、血液検査用測定試薬と接触し、反応
する。
【0017】請求項9に記載の発明に係る血液検査用容
器では、前記接触制御構造が、管状容器内に配置されて
おり、かつ柔軟性を有する樹脂からなる内管を有し、内
管の外周面が管状容器の内面に密着されており、かつ内
管の一端側において内管の外径が管状容器の内径よりも
小さくされて内管の外周面が管状容器の内面から隔てら
れている。また、管状容器の内面から内管の外周面が隔
てられている部分において、移動可能に連通部材が配置
されている。さらに、内管の外周面と管状容器の内面と
が隔てられている部分において、管状容器の内面または
内管の外面に血液検査用測定試薬が固定されている。
【0018】請求項9に記載の発明では、内管に血液が
導かれる。もっとも、内管の下端が開口している場合に
は、導かれた血液は管状容器の底部に収納されることに
なる。また、内管の下端が閉成されて有底とされている
場合には、内管内に血液が収納されることになる。
【0019】いずれの場合においても、血液検査用測定
試薬は、内管の外周面と管状容器の内面とが隔てられて
いる部分に配置されており、その隔てられている部分を
除いて、内管の外周面が管状容器の内面に密着されてい
るため、初期状態では、内管の外周面と管状容器の内面
とが密着されている部分の存在により、血液と血液検査
用測定試薬との接触が防止される。測定に際しては、血
液が導かれた血液検査用容器を遠心分離することによ
り、連通部材が移動されて、内管の外周面と管状容器の
内面とが密着されている部分側に移動し、内管の外周面
と管状容器の内面との密着が解かれる。従って、分離さ
れた血清もしくは血漿が、内管の外周面と管状容器の内
面との間の空間に入り込み、血液検査用測定試薬と接触
し、反応する。
【0020】請求項9に記載の発明において、より具体
的には、請求項10に記載のように、内管の上端及び下
端が開口され、内管の上端開口部の外径が管状容器の内
径よりも小さくされる。この場合には、内管の下端が開
口しているため、内管内に導かれた血液は、内管の下端
開口から下方に流入し、管状容器の底部に収納される。
内管の上端開口部側において、内管の外周面と管状容器
の内面とが隔てられており、この空間において血液検査
用測定試薬が固定されている。従って、内管の下端開口
近傍部分においては、内管の外周面と管状容器の外面と
が密着されているので、血液と血液検査用測定試薬の初
期状態における接触を防止することが可能とされてい
る。また、遠心分離した場合、上記連通部材が下方側に
移動し、内管の下端開口近傍部分、すなわち内管の外周
面と管状容器の内面とが密着されている部分の密着が連
通部材の移動により解かれ、遠心分離により分離された
血清もしくは血漿が血液検査用測定試薬と接触される。
【0021】また、請求項11に記載のように、請求項
9に記載の発明において、内管が有底であり、内管の底
部近傍において内管の外径が管状容器の内径よりも小さ
くされ、それによって内管の外周面と管状容器の内面と
の間が隔てられていてもよい。この場合には、残りの部
分、すなわち内管の上端側部分においては、内管の外周
面が管状容器の内面に密着されている。従って、血液検
査用測定試薬と血液との接触が防止される。測定に際し
ては、血液を導いた後、血液検査用容器を上下逆転し、
遠心分離する。遠心分離により血清もしくは血漿が分離
されるが、同時に連通部材が管状容器の底部とは反対
側、すなわち上下逆転された血液検査用容器の下方側に
移動する。そのため、連通部材の移動により、内管の外
周面と管状容器の内面とが密着している部分の密着が解
かれ、分離された血清もしくは血漿が内管の外周面と管
状容器の内面との間の空間に入り込み、血液検査用測定
試薬と接触する。
【0022】請求項12に記載の発明に係る血液検査用
容器では、上記管状容器内に配置されており、有底であ
り、前記管状容器よりも小径の第2の管状容器がさらに
備えられている。第2の管状容器の底部には孔が形成さ
れている。前記血液検査用測定試薬は、管状容器内面ま
たは第2の管状容器外面の少なくとも一方に固定されて
いる。なお、前述のように、血液検査用測定試薬が、液
状物質又は粉末の場合には、管状容器と第2の管状容器
との間に両者に接触するように配置されて固定されてい
てもよい。この血液検査用容器では、血液を第2の管状
容器内に入れ、例えば、栓体により開口部を閉成し、血
液検査用容器を転倒もしくは傾斜させた場合、血液が第
2の管状容器内から管状容器と第2の管状容器との間の
空隙に移動する。他方、管状容器の内面及び/または第
2の管状体の外面には血液検査用測定試薬が固定されて
いるので、血液と測定試薬とが接触し、反応する。従っ
て、目視により、あるいは分光光度計などの測定装置を
用いることにより、反応結果を判定することができる。
【0023】請求項13に記載の発明にかかる血液検査
用容器では、第2の管状容器の底部に直径0.1〜10
μmの複数の貫通孔が形成されており、前記血液検査用
測定試薬が、管状容器内面または第2の管状容器外面の
少なくとも一方に固定されている。従って、第2の管状
容器内に血液が導入された場合、初期状態では、血液が
第2の管状容器内に貯留されるが、必要により遠心する
と、血液中の血清または血漿が貫通孔を通過し、管状容
器の底部に貯留し始める。そのため、遠心後に、血清ま
たは血漿を測定試薬と接触させることができる。
【0024】請求項14に記載の発明では、第2の管状
容器の底部に直径10〜400μmの複数の貫通孔が形
成されており、該複数個の貫通孔が形成されている多孔
部分が測定試薬よりも下方に位置されており、前記血液
検査用測定試薬が、管状容器内面または第2の管状容器
外面の少なくとも一方に固定されている。第2の管状容
器に血液を導入した場合、上記径の複数の貫通孔が形成
されているため、血清もしくは血漿が第2の管状容器の
底部から徐々に漏洩し、管状容器内に貯留する。従っ
て、第2の管状容器内に血液を導いた場合、直ちには血
液が外側の管状容器内に移動せず、該血液の移動が緩や
かに行われる。従って、初期状態における血液と測定試
薬との接触を防止することができる。また、必要により
遠心すると、血液が第2の管状容器から外側の管状容器
内に移動し、かつ血清もしくは血漿と固形分とに分離さ
れる。従って、血清もしくは血漿を測定試薬に接触させ
ることができる。
【0025】請求項15に記載の発明に係る血液検査用
容器では、血液検査用測定試薬が固定されている部分を
含む、管状容器と第2の管状容器との間の空隙が、水溶
性物質よりなるシール材により封止されている。すなわ
ち、採血に際し、あるいは血液を分注するに際し、管状
容器の内面と第2の管状容器の外側との間の空隙に血液
試料が一気に流れ込むことが抑制される。使用に際して
は、第2の管状容器内に血液を入れた後、必要により遠
心分離した後、血液検査用容器全体を上下転倒もしくは
傾斜させることにより、血清または血漿などの血液試料
が上記水溶性物質に接触する。接触後、しばらくする
と、水溶性物質が溶解するので、血液試料が管状容器と
第2の管状容器との間の空隙に進入し、血液測定用試薬
と接触し、反応することになる。
【0026】請求項16に記載の発明に係る血液検査用
容器では、上記血液検査用測定試薬が固定されている部
分を含む、管状容器と第2の管状容器との間の空隙が、
融点40℃以上の物質よりなるシール材により封止され
ている。従って、血液を血液検査用容器内に導くに際
し、誤って血液試料が管状容器と第2の管状容器との間
の空隙に一気に流入することを防止することができる。
また、第2の管状容器内に血液を導入した後、必要によ
り遠心分離した後、血液検査用容器全体を上下転倒もし
くは傾斜させ、40℃以上の熱を加えることにより、上
記シール材が溶融し、血液試料が上記空隙内に導かれ、
血液検査用測定試薬と接触し、反応が開始される。
【0027】請求項17に記載の発明に係る血液検査用
容器では、先端に第2の管状容器の上端開口に圧入され
る相対的に径の小さな第1の栓体部と、第1の栓体部の
上方に連ねられており、管状容器の開口に圧入される第
2の栓体部とを有する栓体がさらに備えられ、第1の栓
体部の外表面において、下端から第2の管状容器に圧入
される部分よりも上方まで延びるように溝が形成されて
おり、第2の管状容器の内面に、開口縁から第1の栓体
部が圧入される部分よりも下方に延びるように溝が形成
されている。
【0028】使用に際しては、栓体を取り付けたまま、
あるいは栓体を取り外し、第2の管状容器内にまず血液
試料を導入する。しかる後、栓体が取り外されている場
合には、栓体を血液検査用容器に取り付ける。この場
合、栓体の第1の栓体部に設けられた溝と、第2の管状
容器に設けられた溝とが一致しないように栓体を取り付
けることにより、血液の上記空隙への進入を防止するこ
とができる。測定に際しては、必要により遠心分離した
後、第1の栓体部に設けられた溝と、第2の管状容器の
内面に設けられた溝とが一致するように栓体を回転させ
ることにより、第2の管状容器内と、第2の管状容器と
管状容器との間の上記空隙との間の流路を確保する。し
かる後、血液検査用容器全体を上下転倒もしくは傾斜す
れば、血液試料が上記流路を介して空隙に導かれ、空隙
内の血液検査用測定試薬に接触される。
【0029】請求項18に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器の開口部が、厚さ100μm
以下の高分子フィルムまたは金属膜でシールされてい
る。測定に際しては、第2の管状容器内に血液を投入す
るが、この場合、針や先端が鋭利な切削具を用いて高分
子フィルムもしくは金属膜を部分的に突き破る。すなわ
ち、血液を導入するための管状部材を、高分子フィルム
や金属膜が破られた部分に挿入し、血液を導く。これに
よって、血液分注時に、第2の管状容器と管状容器との
間の空隙に血液が進入することを防止することができ
る。次に、必要に応じて遠心分離し、血液検査用容器を
転倒し、血液試料を管状容器と第2の管状容器との間の
隙間に進入させ、血液検査用測定試薬と反応させる。
【0030】請求項19に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器の開口部が、融点40℃以上
の物質からなる膜でシールされている。従って、血液を
導くに際しては、上記融点40℃以上の物質からなる膜
を部分的に突き破り、突き破られた部分に管状体などを
用いて血液試料を導入する。従って、管状容器と第2の
管状容器との間の空隙に血液試料が一気に流れ込み難
い。しかる後、必要に応じて遠心分離し、血液検査用容
器全体を上下転倒もしくは傾斜し、40℃以上の熱を加
える。その結果、融点40℃以上の物質からなる膜が溶
解するため、血液試料が、管状容器と第2の管状容器と
の間の空隙に速やかに導かれ、血液検査用測定試薬と接
触し、反応する。
【0031】請求項20に記載の発明に係る血液検査用
容器では、上記請求項12〜19のいずれかに記載の血
液検査用容器において、第2の管状容器内に、血清もし
くは血漿分離剤が配置されている。従って、遠心分離に
より、血液から血清もしくは血漿を確実に分離すること
ができ、血清もしくは血漿を血液測定用試薬と接触させ
反応させることができる。
【0032】請求項21に記載の発明に係る血液検査用
容器では、管状容器内に配置されており、有底でありか
つ管状容器よりも小径の第2の管状容器がさらに備えら
れており、該第2の筒状容器の底部に、赤血球をトラッ
プするために下方に突出されたトラップ部が形成されて
おり、該トラップ部の周囲に、直径0.1〜20μmの
貫通孔が複数形成された血球分離部が設けられている。
【0033】従って、使用に際し、血液試料を第2の管
状容器内に導いた後、遠心分離することにより、血清も
しくは血漿は上記貫通孔からトラップ部外に流出する
が、赤血球は流出せず、かつ比重が重いため、該トラッ
プ部内に貯留される。その結果、血清または血漿が、ト
ラップ部から第2の管状容器と管状容器との間の空隙に
流出し、血液検査用測定試薬と接触する。なお、遠心分
離は必ずしも必要ではなく、例えば、血液検査用容器内
を減圧とし、真空採血した場合には、該真空採血時の減
圧下の吸引力により、血液試料が上記トラップ部が設け
られている部分を通過し、血清もしくは血漿が濾過され
る。
【0034】請求項22に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器の底部に、複数の貫通孔が形
成されており、該貫通孔の上部に直径0.1〜200μ
mの親水性微粒子からなる層が配置されている。従っ
て、使用に際し、第2の管状容器内に血液を導いた場
合、例えば、遠心分離することにより、血清もしくは血
漿が直径0.1〜200μmの親水性微粒子よりなる層
が配置されている部分を通過し、上記貫通孔から第2の
管状容器と外側の管状容器との間に流出する。他方、血
球は、上記親水性微粒子層が設けられている部分の上方
に留められる。従って、血清もしくは血漿を管状容器の
内面及び/または第2の管状容器の外面に固定された血
液検査用測定試薬と接触させることができる。なお、遠
心分離は必ずしも必要ではなく、例えば、血液検査用容
器内を減圧とし、真空採血した場合には、該真空採血時
の減圧下の吸引力により、血液試料が上記親水性微粒子
層が設けられている部分を通過し、血清もしくは血漿が
濾過される。
【0035】請求項23に記載の発明に係る血液検査用
容器では、請求項22に記載の発明に係る検査用容器に
おいて、第2の管状容器が、両端が開口された筒状体
と、筒状体の下端に固定されており、かつ複数の貫通孔
を有する底部材とを備える。すなわち、請求項22に記
載の発明に係る血液検査用容器では、第2の管状容器の
底部に複数の貫通孔を形成する構造としては、第2の管
状容器を有底の管状容器で構成し、該第2の管状容器の
底部に複数の貫通孔を形成したものであってもよく、あ
るいは、下端が開口されている管状体を用い、複数の貫
通孔を有する上記底部材を筒状体の下端開口縁に固定す
ることにより構成してもよい。
【0036】請求項24に記載の発明に係る血液検査用
容器では、請求項12に記載の発明に係る血液検査用容
器において、第2の管状容器の底部に孔が形成されてお
り、該孔を閉成するように第2の管状容器の底部に水溶
性の蓋材が固定されている。
【0037】従って、請求項24に記載の発明に係る血
液検査用容器において第2の管状容器内に血液を導いた
場合、当初は水溶性蓋材により第2の管状容器の底部の
孔が閉成されているので、血液と血液検査用測定試薬と
の接触が防止される。もっとも、血液中の水分により、
あるいは遠心分離した後に分離された血清もしくは血漿
の水分により、上記水溶性蓋材が溶解される。そのた
め、経時により、あるいは遠心分離後に、水溶性蓋材が
溶解し、血液、血清もしくは血漿が、第2の管状容器と
外側の管状容器との間の空間に流入し、血液検査用測定
試薬と接触し、反応する。
【0038】請求項25に記載の発明に係る血液検査用
容器では、請求項12に記載の血液検査用容器におい
て、第2の管状容器の底部に孔が形成されており、該孔
が閉成されるように、第2の管状容器の底部に金属もし
くは磁石からなる蓋材が固定されている。従って、第2
の管状容器内に血液を導いた場合、蓋材により第2の管
状容器の底部の孔が閉成されているので、血液と血液検
査用測定試薬との接触が防止される。
【0039】測定に際しては、蓋材が金属からなる場合
には磁石を用い、蓋材が磁石からなる場合には金属もし
くは磁石を用い、外部から上記蓋材を移動させることに
より、第2の管状容器の底部の孔を露出させる。その結
果、第2の管状容器内に導かれた血液、あるいは血液を
導いた後遠心分離により分離された血清もしくは血漿
が、第2の管状容器の底部の孔から第2の管状容器と外
側の管状容器との間の空間に流入する。従って、流入し
た血液、血清もしくは血漿が血液検査用測定試薬と接触
し、反応する。
【0040】請求項26に記載の発明では、請求項24
または25に記載の発明に係る血液検査用容器におい
て、上記血液検査用測定試薬の一部が露出されており、
残りの部分が血液検査用測定試薬と血液との接触を防止
するようにコーティング層で被覆されている。よって、
血液検査用測定試薬の所望でない膨潤を防止することが
でき、より確実に検査結果を確認することができる。
【0041】請求項27に記載の発明に係る血液検査用
容器では、請求項1に記載の発明に係る血液検査用容器
において、管状容器の側壁上において上下に移動可能
に、かつ該側壁を挟み込むようにスライドスイッチが設
けられている。このスライドスイッチの管状容器内部に
存在する部分に上記血液検査用測定試薬が固定されてい
る。
【0042】従って、管状容器内に血液を導入した後、
スライドスイッチを操作することにより、血液検査用測
定試薬を下方に移動させることができ、それによって血
液検査用測定試薬を血液等と接触させて反応させること
ができる。
【0043】すなわち、導く血液の量を、初期状態にお
いて、血液検査用測定試薬の下端よりも下方に位置する
ように選択すれば、初期状態における血液検査用測定試
薬と血液との接触を確実に防止することができる。ま
た、測定に際してスライドスイッチを操作するだけで、
血液、血清もしくは血漿に、血液検査用測定試薬を浸漬
し、接触させることができる。
【0044】請求項28に記載の発明では、請求項27
に記載の血液検査用容器において、管状容器内に、管状
容器よりも小さな径のチューブが配置されており、この
チューブの下端が上記スライドスイッチの取り得る最下
端位置よりも底部側に位置されている。従って、測定に
際しては、チューブ内に血液を導くことにより、チュー
ブの下端がスライドスイッチの取り得る最下端位置りも
下方に位置するので、血液が管状容器の側壁に設けられ
たスライドスイッチ部分に付着し難い。よって、例えば
スライドスイッチを移動させるための切り込み等を管状
容器に設けている場合、該切り込みから外部への血液の
漏洩を防止することができる。
【0045】なお、上記チューブは管状容器の軸方向の
ほぼ中央部に設けられるのが好ましいが、上記チューブ
をこのような位置に固定する方法は、特には限定される
わけではないが、例えば、以下の〜の方法が挙げら
れる。管状容器の上端開口を封止する蓋体を用いると
共に該蓋体の底面部にチューブの上端部を固定する。こ
の固定方法としては、接着剤を用いる方法が挙げられ
る。管状容器の上端開口に嵌合する栓体を用いると共
に該栓体の底面部にチューブの上端部を固定する。この
固定方法としては、接着剤を用いる方法、該栓体にチュ
ーブの上端部をねじ込む方法などが挙げられる。チュ
ーブの上端部に、管状容器の開口端に係合してチューブ
を吊り下げできるような係合部を設ける。
【0046】請求項29に記載の発明に係る血液検査用
容器では、スライドスイッチが設けられた管状容器全体
を収納するように有底の第2の管状容器が設けられてお
り、かつ2つの管状容器の上端開口を閉成するように栓
体が取り付けられ、2つの管状容器内が減圧されてい
る。従って、真空採血法により採血し、必要に応じて遠
心分離することにより血清もしくは血漿を分離した後、
第2の管状容器を取り外せばよい。以下、請求項27ま
たは28に記載の血液検査用容器と同様にして測定を行
うことができる。この場合、検査従事者が血液と接触す
ることなく、血液の採取から血液中の各種成分の測定ま
での作業を、容易に行うことができる。
【0047】請求項30に記載の発明に係る血液検査用
容器では、上記請求項1〜28のいずれかに記載の血液
検査用容器において、内部が減圧されているので、真空
採血法により血液を血液検査用容器に容易に導くことが
できる。
【0048】請求項31に記載の発明に係る血液検査方
法では、請求項1〜31のいずれかに記載の血液検査用
容器に血液を導入し、血液又は血液成分と上記血液検査
用測定試薬とを接触させることにより、容易に血液検査
を行なうことができる。
【0049】請求項32に記載の発明に係る血液検査方
法では、請求項1〜31のいずれかに記載の血液検査用
容器に血液を導入し、遠心分離を行なった後、血液成分
と上記血液検査用測定試薬とを接触させることにより、
容易に血液検査を行なうことができる。上記血液成分と
は、例えば、血清、血漿などが挙げられる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
血液検査用容器の構造例を説明する。図1は、請求項1
に記載の発明にかかる血液検査用容器を示す断面図であ
る。血液検査用容器1は、有底の管状容器2と、管状容
器2の内面に固定された血液検査用測定試薬3とを備え
る。管状容器2は、合成樹脂、ガラスなどの適宜の材料
により構成することができ、好ましくは、管状容器2の
内部を目視し得るため、透明な材料により構成される。
管状容器は、図1では円筒であるが、横断面が三角や四
角等の角筒、あるいはその他の任意の断面形状の筒状体
であってもよい。
【0051】測定試薬3は、血清または血漿中の各種成
分を測定するのに用いられる適宜の測定試薬により構成
され得る。もっとも、測定試薬3は、管状容器2の内側
壁に固定し得るように、固形のものであることが望まし
い。しかしながら、管状容器2の内側壁に固定し得る限
り、粘弾性を有する測定試薬であってもよい。また、測
定試薬3は、前述のように、液体状又は粉末状であって
もよく、さらに不溶性担体に試薬を塗布または吸着させ
たものなどであってもよい。また、測定試薬3は、血液
成分と接触された際に、目視、比色、蛍光、反射光強度
などにより分析しようとする成分を検出または定量でき
るものならば何でもよく、特にその種類は限定されな
い。
【0052】測定試薬3としては、例えば1)B型肝炎
抗原検出用イムノクロマトグラフィーのように、試験
紙、布、あるいはニトロセルロースメンブレン、グラス
ファイバーなどのフィルム状、ディスク状もしくはステ
ィック状などの媒体に試薬を含ませたものにより判定す
るもの(なお試験紙等はフィルムなどでその表面が覆わ
れていてもよい);2)PH指示液または生化学もしく
は免疫関連項目測定に使う液状試薬のごとく液状のも
の;3)凍結乾燥した抗体、酵素もしくは蛋白を利用し
たTIA等の免疫試薬、または化学物質等を利用した粉
末の試薬;4)抗体や蛋白、化学物質等試薬を壁面塗布
したもの;5)ラテックス、金属コロイドなどの粒子に
液状または粉末状の試薬を吸着したものなどを例示する
ことができる。より具体的には、1)の例として、HB
s抗原検出用試薬(ミズホメディー社製、商品名:クィ
ックチェイサーHBsAg、ダイナボット社製、商品
名:ダイナスクリーンHBsAg)などを例示すること
ができる。また、2)の例として、フェノールフタレイ
ン液やBTB溶液などがある。
【0053】3)の例として、CRP、RFなどの抗体
を凍結乾燥したTIA用試薬などが挙げられる。4)の
例として、棒針状のグラスファイバーなどに呈色試薬及
び酵素などを固定化したものなど、あるいは、抗原また
は抗体などが容器内壁に直接塗布されたものを挙げるこ
とができる。
【0054】5)の例として、合成高分子であるラテッ
クス粒子や金属コロイドに、抗原または抗体を固定化さ
せた液状の試薬あるいはそれらを凍結乾燥させたものな
どが挙げられる。
【0055】上記測定用試薬3を管状容器2の内面に固
定する方法については、粘着テープを用いる方法、接着
剤を用いる方法など任意である。管状容器2の寸法につ
いても特に限定されるものではなく、血液を採取し、遠
心分離した後、血清もしくは血漿と測定用試薬3とを反
応させ得る限り、適宜の寸法の管状容器2を用いること
ができる。
【0056】図2は、請求項1に記載の発明にかかる血
液検査用容器の他の構造例を示す断面図であり、図1に
示した血液検査用容器1と異なる点は、血液検査用容器
4では管状容器2の上方開口2aが栓体5により閉成さ
れていることにある。栓体5を構成する材料についても
特に限定されず、シリコーンゴムなどのゴム弾性を有す
る天然もくしは合成ゴムからなるものを用いることがで
きる。
【0057】血液検査用容器4では、管状容器2が栓体
5で閉栓されており、かつ管状容器2の内部が減圧とさ
れている。この減圧の程度は、採血針を患者の血管に刺
通し、該採血針の他端を栓体5に刺通した場合に、血液
が管状容器2内に速やかに導かれるように選択されてい
る。通常、管状容器2内の減圧の程度は、0.1〜0.
8気圧程度とされる。
【0058】図1,図2に示した血液検査用容器1,4
では、測定試薬3が、管状容器2の底部2bから所定距
離離れた上方位置において管状容器2の内側壁に固定さ
れている。従って、図3(a)及び図4(a)に示すよ
うに、血液面Aが測定試薬3の下端3aより下方に位置
するように血液6を採取することが好ましく、それによ
って血液6と測定試薬3との接触を防止することができ
る。また、図3(b)及び図4(b)に示すように、遠
心後に、血清もしくは血漿6aと固形分6bとに分離し
た後には、管状容器2を傾けることにより、血清もしく
は血漿6aと測定試薬3とを容易に接触させることがで
きる。
【0059】すなわち、血液検査用容器1,4では、測
定試薬3が管状容器2の中間高さ位置に固定されている
ことにより、本発明における接触制御構造が構成されて
いる。
【0060】なお、遠心は、500〜5000r.p.
m.で5分〜30分程度とすればよい。また、以下の図
示の構造例においても、管状容器2及び測定試薬3につ
いては同様の材料で構成され、栓体5についても、血液
検査用容器4で用いた栓体5と同様に構成され得る。
【0061】図5は、請求項3に記載の発明にかかる血
液検査用容器の縦断面図である。血液検査用容器7は、
管状容器2内に内側容器部8を有する。内側容器部8
は、管状容器2と同じ材料もしくは異なる材料で構成さ
れており、その上端において管状容器2の内面に固定さ
れている。内側容器部8は、管状容器2の底部2bに向
かって徐々にその径が小さくなるように下方に延ばされ
た形状を有する。
【0062】内側容器部8の下端には、孔8aが形成さ
れている。この孔8aを閉成するように、固形部材9が
配置されている。固形部材9は、初期状態では、図示の
ように孔8aを閉塞し、下方に落下しないように、必要
に応じて接着剤を用いて内側容器部8に固定されてい
る。
【0063】もっとも、固形部材9は、内側容器部8内
に血液を導入し、遠心した場合、遠心力により孔8aか
ら下方に落下し得るように構成されている。従って、接
着剤を用いずに固形部材9を配置してもよく、接着剤を
用いる場合には、遠心により落下する程度の接着力とな
るように接着力が調整される。固形部材9が遠心により
落下するように、固形部材9の外径及び材質並びに孔8
aの径も選択されている。
【0064】固形部材9は上記のように作用し得る限り
適宜の材料により構成することができるが、例えば、ポ
リスチレンビーズのような合成樹脂ビーズやチクソトロ
ピー性を有する、例えば、酸化エラグ酸のような高分子
化合物やゴムなどからなるものを用いることができる。
中でも、遠心により孔8aから下方に容易に落下させる
には、チクソトロピー性を有する高分子化合物やゴムに
より固形部材9を構成することが望ましい。
【0065】また、血液検査用容器7では、上記固形部
材9が配置されている部分よりも上方において、測定試
薬3が管状容器2の内側壁に固定されている。血液検査
用容器7において血液を検査するにあたっては、内側容
器部8に血液を導入し、しかる後、血液検査用容器7を
遠心する。遠心条件は、特に限定されるわけではない
が、血液検査用容器1の場合と同様に、500r.p.
m.〜5000r.p.m.で5〜30分程度遠心すれ
ばよい。
【0066】上記のようにして遠心することにより、固
形部材9が下方に落下し、血液が管状容器2の底部2b
に貯留し、かつ血清もしくは血漿と固形分に分離され
る。従って、内側容器部8の外側に配置されている測定
試薬3に血清もしくは血漿を容易に接触させることがで
きる。血液検査用容器7においても、好ましくは、図6
に示すように、管状容器2の開口2aに栓体5が取り付
けられ、かつ管状容器2内が減圧状態とされる。管状容
器2内を減圧することにより、管状容器2内に設けられ
た内側容器部8内に血液を速やかに導入することができ
る。
【0067】図25は、請求項3に記載の発明に係る血
液検査用容器の変形例を示す縦断面図である。この変形
例では、管状容器2内に円筒状の管状容器2よりも小さ
な径の内側容器部8が配置されている。すなわち、内側
容器部8については、図5に示したように、底部2bに
向かって徐々にその径が小さくなるようにテーパーが付
けられたものに限定されず、図25に示すように、円筒
状の内側容器部8を構成してもよい。なお、図25では
図示は省略されているが、内側容器部8は、図示しない
リブにより管状容器2に連結されて固定されている。
【0068】図25に示す変形例では、内側容器部8の
下端が開口されて孔8aが形成されており、この孔8a
を閉成するようにゴムよりなる固形部材9が配置されて
いる。固形部材9については、ゴム以外に、前述した各
種材料により構成することができ、それによって、図5
に示した構造例と同様に、初期状態では、血液の内側容
器部8外への漏洩を抑制し、血液と測定試薬との接触を
遮断することができる。遠心分離により、上記固形部材
9が落下し、管状容器2内において血液が血清もしくは
血漿と固形分とに分離され、血清もしくは血漿を測定試
薬3に確実に接触させることができる。
【0069】なお、図5,6,25において、測定試薬
3は、内側容器部8の外面に固定されてもよく、あるい
は、内側容器部8の外面及び管状容器2の内面の双方に
固定されていてもよい。また、液体状又は粉末状の測定
試薬を、管状容器2と内側容器部8の間に、存在させて
もよい。また、内側容器部8は、管状容器2と別に用意
されて相互固定されてもよいし、両方が一体に成形され
ていてもよい。
【0070】図7は、請求項13に記載の発明にかかる
血液検査用容器の縦断面図である。血液検査用容器10
では、管状容器2の内側壁に測定試薬3,3が固定され
ている。なお、測定試薬3,3は、管状容器2の内側壁
において向かい合うように一対形成されているが、血液
検査用測定試薬3は1か所にのみ固定されていてもよ
い。
【0071】管状容器2内には、管状容器2よりも小さ
な径の第2の管状容器11が挿入されている。第2の管
状容器11は血液を導入する部分に相当する。第2の管
状容器11を構成する材料についても、ポリエチレンテ
レフタレートなどの合成樹脂やガラスなどの適宜の材料
からなるものを用いることができ、特に限定されるもの
ではない。また、第2の管状容器11は、透明であるこ
とが望ましいが、測定結果は第2の管状容器11外で確
認されるため、第2の管状容器11は必ずしも透明であ
る必要はない。
【0072】第2の管状容器11は、図示しないリブ等
により管状容器2に連結されて固定されている。もっと
も、後述の栓体5を用いる場合には、第2の管状容器1
1は、図8に示す栓体5に固定されてもよい。
【0073】第2の管状容器11の下端には、第2の管
状容器11の下端開口を閉成するように多孔プレート1
2が固定されている。多孔プレート12には、直径0.
1〜10μmの複数の貫通孔12aが形成されている。
多孔プレート12についても、ポリエチレンテレフタレ
ートなどの適宜の合成樹脂もしくはガラスなどにより構
成することができる。
【0074】多孔プレート12の第2の管状容器11へ
の固定は、接着剤を用いて行ってもよい。あるいは多孔
プレート12は第2の管状容器11と一体に形成されて
いてもよい。さらに、多孔プレート12は、第2の管状
容器11の下端に配置されている必要は必ずしもなく、
下端よりもやや上方に配置されていてもよい。
【0075】多孔プレート12には、0.1〜10μm
の複数の貫通孔が形成されているため、第2の管状容器
11内に血液を導入した場合、血液は直ちには第2の管
状容器11内から第2の管状容器11の下方に流下しな
い。従って、図9(a)に示すように血液6を第2の管
状容器11内に導入した後、遠心すると、図9(b)に
示すように、血清もしくは血漿6aが多孔プレート12
から下方に流下し、管状容器2の内底部に溜まり、血液
中の血球や血餅などの固形分が管状容器11内に留まる
ことになる。従って、図9(b)に示す状態で、測定試
薬3と血清もしくは血漿6aとを接触させることがで
き、測定を行うことができる。
【0076】また、血液検査用容器10においても、図
8に示すように、好ましくは、管状容器2の上端開口2
aを閉成するように栓体5が固定され、管状容器2内が
減圧状態とされる。この場合には、圧力差を利用して血
液を第2の管状容器11内に吸引し、図10(a)に示
すように血液6を血液検査用容器10内に採取すること
ができる。次に、遠心することにより、図10(b)に
示すように、血清もしくは血漿6aが第2の管状容器1
1から下方に流下し、血餅などの固形分が第2の管状容
器11内に残存することになる。従って、血清もしくは
血漿6aと測定試薬3とを接触させて測定を行うことが
できる。
【0077】なお、測定試薬3は、第2の管状容器11
の外面に固定されていてもよく、あるいは、第2の管状
容器11及び管状容器2の双方に固定されていてもよ
い。また、液体状又は粉末状の測定試薬を、管状容器2
と第2の管状容器11の間に、存在させてもよい。ま
た、内側容器部は、筒状容器と別に用意されて固定され
てもよいし、両方が一体に成形されていてもよい。
【0078】図11は、請求項4に記載の発明にかかる
血液検査用容器の縦断面図である。血液検査用容器13
では、管状容器2内に管状容器2よりも細い管状体14
が配置されている。管状体14は、両端が開口されてい
る。また、管状体14は、図示しないリブ等により管状
容器2に対して固定されている。この管状体14は、管
状容器2と同様の材料で構成することができ、その材質
については特に限定されるものではない。
【0079】管状体14の下端近傍において、管状体1
4の外周面と管状容器2の内周面とに接触するようにリ
ング状部材15が配置されている。リング状部材15
は、例えば、合成ゴムもしくは天然ゴムなどのゴム弾性
を有する材料で構成することができる。
【0080】リング状部材15は、初期状態では、測定
試薬3よりも下方に配置されている。従って、管状体1
4に血液が導入されると、図13(a)に示すように、
血液は管状体14の下方から管状容器2内に広がるが、
リング状部材15により規制されるため、リング状部材
15の上方には移動しない。遠心すると、図13(b)
に示すように、血液が管状体14内において下方に移動
され、その結果リング状部材15を上方に押し上げるこ
とになる。また、遠心により血液が血清もしくは血漿と
固形分とに分離される。この場合、リング状部材15の
高さが、図13(b)に示すように、測定試薬3の下端
よりも上方に位置することになる。従って、血清もしく
は血漿6aが測定試薬3と接触される。
【0081】血液検査用容器13においても、図12に
示すように、管状容器2の開口2aを閉成するように栓
体5を取り付けてもよく、この場合、管状容器2内が減
圧状態とされる。従って、採血針を用いて栓体5を刺通
し、血液を管状体14内に速やかに吸引することができ
る。
【0082】また、血液検査用容器13においても、測
定試薬3は、管状体14の外面に固定されてもよく、あ
るいは管状体14及び管状容器2の双方に固定されても
よい。また、管状体14は、管状容器2と別に用意され
て固定されてもよいし、両方が一体に成形されていても
よい。
【0083】図15は、請求項14に記載の発明に係る
血液検査用容器の一例を示す縦断面図である。血液検査
用容器16では、管状容器2内に有底の第2の管状容器
17が配置されている。第2の管状容器17は図示しな
いリブにより管状容器2に対して固定されている。この
管状容器17の底部には、直径10〜400μmの複数
の貫通孔17aが形成されており、該貫通孔が形成され
ている多孔部分が、測定試薬3よりも下方に位置されて
いる。
【0084】上記第2の管状容器17を構成する材料に
ついては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンや
ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂やガラス等
により構成することができる。
【0085】また、上記貫通孔17aが形成されている
多孔部については、別部材で構成してもよく、すなわ
ち、中空の管状体の下端近傍に、上記径の複数の貫通孔
を有する多孔性プレートなどの多孔性部材を固定しても
よい。
【0086】いずれにしても、第2の管状容器17にお
いて、上記貫通孔が10〜400μmの大きさを有する
ため、図17(a)に示すように、血液6を管状容器1
7に導入した場合、血清もくしは血漿は徐々に下方に流
下するが、固形分は直ちには流下しない。
【0087】従って、血液を第2の管状容器17内に導
いた後、遠心することにより、血液が管状容器2内に流
下され、管状容器2内で血清もしくは血漿6aと固形分
6bとに分離される(図17(b)参照)。
【0088】よって、血清もしくは血漿6aを測定試薬
3と接触させ、測定を行うことができる。血液検査用容
器16においても、好ましくは、図16に示すように、
管状容器2の開口2aを栓体5を用いて閉栓し、内部を
減圧としてもよい。この場合、第2の管状容器17内を
減圧とすることにより、あるいは管状容器2内も含めて
減圧とすることにより、血液を容易に第2の管状容器1
7内に導くことができる。
【0089】なお、測定試薬3は、第2の管状容器17
の外面に固定されていてもよく、あるいは、第2の管状
容器17及び管状容器2の双方に固定されていてもよ
い。また、液体状又は粉末状の測定試薬を、管状容器2
と第2の管状容器17の間に、存在させてもよい。ま
た、内側容器部は、筒状容器と別に用意されて固定され
てもよいし、両方が一体に成形されていてもよい。
【0090】図19は、請求項5に記載の発明にかかる
血液検査用容器の一例を説明するための縦断面図であ
る。血液検査用容器18では、管状容器2内に、管状容
器2よりも小さな径の管状体19が挿入されている。管
状体19は、両端が開口されており、その下端は、管状
容器2の底部内面に接触されている。管状体19は、ポ
リプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの適宜
の合成樹脂もしくはガラスにより構成することができる
が、血液の管状体19から管状容器2への初期状態にお
ける漏洩を確実に抑制するには、合成樹脂により構成す
ることが望ましい。
【0091】管状体19の下端を管状容器2の底部に押
しつけるために、圧接手段としてのキャップ20が取付
けられている。キャップ20については、ゴムもしくは
合成樹脂等の適宜の材料により構成することができ、た
だし、キャップ20は、管状容器2に取り付けた際にキ
ャップ20の下面20aが管状体19を下方に押しつ
け、管状体19内に導入された血液の管状容器2側への
漏洩を抑制し得るように構成されていることが必要であ
る。すなわち、このような作用を果たし得るように、キ
ャップ20の材質及び管状体19の長さが、管状容器2
の寸法に応じて定められる。
【0092】図21(a)に示すように、血液検査用容
器18では、血液が管状体19内に導入される。しかる
後、キャップ20を取り付ける。あるいは、キャップ2
0に採血針の他端を突き刺し、直接採血針から管状体1
9内に血液が導入される。初期状態では、管状体19の
下端が管状容器2の底壁に押しつけられているため、血
液6は管状体19内に留まり、管状容器2側に漏洩しな
い。
【0093】血液検査用容器18を遠心すると、図21
(b)に示すように、血液が管状体19の下端と管状容
器2の底面との間を押し広げて管状体19の外側に漏洩
する。また、遠心により血液が血清もしくは血漿6aと
固形分6bとに分離される。従って、測定試薬3に血清
もしくは血漿6aが接触され、測定が行われる。
【0094】血液検査用容器18においては、圧接手段
としてのキャップ20に代えて、図20に示すように、
管状容器2の開口2aを閉栓するように栓体5を取り付
けてもよい。この場合、栓体5が管状体19を下方に押
しつけ、血液検査用容器8のキャップ20と同様に作用
するように栓体5を選択することが必要である。
【0095】また、栓体5を管状容器2に嵌め込んだ場
合には、管状容器2内及び管状体19内を減圧にするこ
とにより、血液を管状体19内に速やかに吸引し、導入
することができる。
【0096】また、血液検査用容器18においても、測
定試薬3は、管状体19の外面に固定されてもよく、あ
るいは管状体19及び管状容器2の双方に固定されても
よい。また、液体状又は粉末状の測定試薬を、管状容器
2と管状体19の間に、存在させてもよい。また、内側
容器部は、筒状容器と別に用意されて固定されてもよい
し、両方が一体に成形されていてもよい。
【0097】図23は、請求項6に記載の発明に係る血
液検査用容器を示す縦断面図である。血液検査用容器2
2では、管状容器2の内側壁に、管状容器2に比べて小
さな径の管状体23が固定されている。管状体23は、
両端が開口されており、ポリプロピレン、ポリエチレン
テレフタレートなどの適宜の合成樹脂もしくはガラス等
により構成し得る。また、管状体23の管状容器2の内
面への固定は接着剤や接着テープ等を用いて行い得る。
【0098】管状体23内に測定試薬3が固定されてい
る。従って、測定試薬3は、管状容器2の内壁に直接で
はなく間接に固定されている。管状体23の下端開口に
は、固形部材24が挿入されている。固形部材24は、
そのままでは下方に落下しないが、遠心された際に落下
し得るように必要に応じて接着剤を用いて固定されてい
る。
【0099】固形部材24は、図5に示した固形部材9
と同様の材料により構成することができる。血液検査用
容器22においては、管状容器2内にまず血液が導入さ
れるが、この場合、血液が、管状体23内には進入しな
いようにする。また、導入される血液量は、管状体23
の上端よりも下方までとする。従って、固形部材24に
より管状体23の下端開口が閉成されているので、血液
が管状体23内に進入することがない。次に、血液検査
用容器22を遠心すると、固形部材24が落下し、血液
が血清もしくは血漿と固形分とに分離されることにな
る。
【0100】固形部材24が管状体25から下方に落下
しているため、血液検査用容器22を傾けることにより
血清もしくは血漿を測定試薬3に接触させることができ
る。あるいは、血液の量が、初期状態において、管状体
23の中間高さ位置であって、測定試薬3が位置してい
る高さまで挿入されている場合には、血清もしくは血漿
が管状体23内に入り込み、測定試薬3と接触するた
め、血液検査用容器22を傾けずとも測定を行うことが
できる。
【0101】血液検査用容器22においても、図24に
示すように、管状容器2の開口2aを栓体5で閉栓し、
内部を減圧としてもよい。このように管状容器2の内部
を減圧とすることにより、血液を吸引により容易に管状
容器2内に採取することができる。なお、図24では、
一対の管状体23が対向配置されている。また、内側容
器部は、筒状容器と別に用意されて固定されてもよい
し、両方が一体に成形されていてもよい。
【0102】図26は、請求項7に記載の発明に係る血
液検査用容器を示す縦断面図である。血液検査用容器3
1は、図11に示した請求項4に記載の発明に係る血液
検査用容器13と、リング状部材15の取付け方が異な
ることを除いては、同様に構成されている。従って、同
様の部分については、図11に示した説明を援用するこ
とにより省略する。
【0103】血液検査用容器31では、リング状部材1
5は、パラフィン32を介して管状体14の外周面及び
管状容器2の内周面に固定されている。この場合、パラ
フィン32としては、Cn H2n+2(但し、nは18〜2
2、好ましくは22〜24)のものが用いられる。この
種のパラフィンとしては、例えば、オクタデカン(C 18
38、融点28℃)、ノナデカン(C1940、融点32
℃)、イコサン(C2042、融点37℃)、モノイコサ
ン(C2144、融点42℃)、ジイコサン(C 2246
融点47℃)、トリイコサン(C2348、融点52
℃)、テトライコサン(C2450、融点57℃)、ペン
タイコサン(C2552、融点62℃)などを例示するこ
とができる。
【0104】これらのパラフィンは、上記融点以上の温
度に加温されると溶解する。従って、血液検査用容器3
1では、初期状態では、図26に示すように、リング状
部材15がパラフィン32を介して管状体14及び管状
容器2に固定されているので、図11に示した血液検査
用容器13の場合と同様に、血液が管状体14内に導入
されると、リング状部材15により規制されるため、リ
ング状部材15は上方には移動しない。
【0105】遠心すると、図27に示すように、血液が
血清もしくは血漿6aと、固形分6bとに分離される。
しかる後、上記パラフィン32の融点以上の温度に加温
することにより、図28に示すように、パラフィンが溶
解し、リング状部材15が上下に自由に移動可能とな
る。そのため、血清もしくは血漿6aがリング状部材1
5を押し上げ、測定試薬3と接触可能となる。また、内
側容器部は、筒状容器と別に用意されて固定されてもよ
いし、両方が一体に成形されていてもよい。
【0106】図29は、請求項12に記載の発明に係る
血液検査用容器の一例を示す縦断面図である。血液検査
用容器41では、管状容器2内に有底の第2の管状容器
42が配置されている。管状容器42は、ポリエチレン
テレフタレートなどの適宜の合成樹脂あるいはガラスに
より構成することができる。
【0107】なお、管状容器2の内面には、血液検査用
測定試薬3が固定されている。また、栓体5が管状容器
2の開口2aに圧入されて、血液検査用容器41内が密
封されている。
【0108】管状容器2、血液検査用測定試薬3及び栓
体5については、前述の請求項1に記載の発明に係る血
液検査用容器1と同様に構成されている。第2の管状容
器42は、管状容器2よりも小さな径を有し、管状容器
2内に配置されている。
【0109】使用に際しては、好ましくは、管状容器2
内を減圧状態とし、栓体5に真空採血針を挿通させ、真
空採血法により第2の管状容器42内に血液を導く。あ
るいは、栓体5を取り外し、血液を第2の管状容器42
内に導いた後、栓体5を再度取り付ける。
【0110】しかる後、遠心分離する。なお、遠心分離
は、500〜5000r.p.m.で5分〜30分程度
の条件で行えばよい。その結果、第2の管状容器42内
において、血液が、血清もしくは血漿と、固形分とに分
離される。従って、血液検査用容器41を上下転倒させ
ることにより、第2の管状容器42内に収納されていた
血清もしくは血漿が、第2の管状容器42の外表面と管
状容器2の内表面との間の空隙X内に導かれ、血液検査
用測定試薬3と接触し、反応する。
【0111】従って、管状容器2の外部から反応結果を
目視により確認することができ、あるいは分光光度計な
どの測定装置を用いて反応結果を測定することができ
る。好ましくは、栓体5により血液検査用容器41内を
封止し、管状容器2内を減圧することにより、血液を第
2の管状容器42内に速やかに導くことができる。この
減圧の程度は、通常、0.1〜0.8気圧程度とされ
る。また、内側容器部は、筒状容器と別に用意されて固
定されてもよいし、両方が一体に成形されていてもよ
い。
【0112】なお、測定試薬3は、第2の管状容器42
の外面に固定されていてもよく、あるいは、第2の管状
容器42及び管状容器2の双方に固定されていてもよ
い。また、液体状又は粉末状の測定試薬を、管状容器2
と第2の管状容器42の間に、存在させてもよい。
【0113】図30は、請求項15に記載の発明に係る
血液検査用容器を示す縦断面図である。血液検査用容器
43では、第2の管状容器42と、管状容器2との間の
空隙Xが、シール材44により封止されている。すなわ
ち、血液検査用測定試薬3を含む空隙Xが、シール材4
4により封止されている。
【0114】シール材44は、血液検査用測定試薬3よ
りも上方の位置で、図30では、第2の管状容器42の
外周面上端近傍と、管状容器2の内周面との間に固着さ
れている。
【0115】シール材44は、水溶性物質により構成さ
れている。この水溶性物質としては、血液を第2の管状
容器42に導いた際に、測定試薬3と血液とを遮断し得
る限り、適宜の水溶性材料を用いることができる。特に
限定されるわけではないが、このような水溶性物質とし
ては、各種の天然高分子、半合成物質あるいは合成高分
子などを挙げることができる。天然高分子としては、キ
チン、キトサン、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、卵
白、デンプン(オブラート)、海藻、カラギーナン、ア
ルギン酸ナトリウム、寒天、キサンタンガム、プルラ
ン、半合成物質としては、デキストリン、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、合成高分子として
は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レンオキサイド、ポリエチレングリコールなどを挙げる
ことができる。
【0116】上記水溶性物質として、より具体的には、
例えば、ソルブロン(アイセロ化学社製)、クラリア
(クラレ社製)、トスロン(東京セロハン社製)、ハイ
セロン(日本合成フィルム社製)、ビニロンフィルム
(クラレ社製)、ボブロン(日本合成フィルム社製)、
エンブラー(ユニチカ社製)、エクシード(大倉工業社
製)、エバール(クラレ社製)などの商品を例示するこ
とができる。
【0117】使用に際しては、第2の管状容器42内に
血液を導き、遠心分離する。遠心の条件については、血
液検査用容器41の場合と同様とされる。遠心により、
血液試料が、血清もしくは血漿と、固形分とに分離され
る。従って、血液検査用容器43を上下転倒させること
により、血清もしくは血漿が水溶性物質44と接触さ
れ、水溶性物質44は、血清もしくは血漿により溶解さ
れる。よって、血清もしくは血漿が空隙X内に導かれ、
測定試薬3と接触され、反応が進行する。
【0118】反応結果については、外部から目視によ
り、あるいは分光光度計などの測定装置により測定する
ことができる。なお、請求項15に記載の発明に係る血
液検査用容器では、上記シール材44として、水溶性物
質よりなるものを用いたが、請求項13に記載の発明で
は、上記シール材44として、融点が40℃以上の物質
が用いられる。このような融点が40℃以上の物質とし
ては、特に限定されるわけではないが、例えば、パラフ
ィンCn H2n+2(但し、nは18〜22)を挙げること
ができる。
【0119】シール材44として、上記融点が40℃以
上の物質を用いる場合には、遠心分離後に、血液検査用
容器43を上下転倒させ、加熱することにより、シール
材44の温度を40℃以上とすればよい。その結果、シ
ール材44が溶解し、血清もしくは血漿が、空隙X内に
進入し、測定試薬3と接触し、反応される。また、内側
容器部は、筒状容器と別に用意されて固定されてもよい
し、両方が一体に成形されていてもよい。
【0120】血液検査用容器43においては、シール材
として、上記水溶性物質を用いたが、請求項8に記載の
発明に係る血液検査用容器では、血液検査用容器43と
同じ構造のものを用い、但しシール材44として、チク
ソトロピー性を有し、かつ粘度が25℃で5000〜5
00000センチポイズの物質により構成される。
【0121】このようなシール材としては、例えば、酸
化エラグ酸、塩素化ポリブテンを例示することができ
る。この場合、シール材が上記のように、チクソトロピ
ー性を有し、かつ上記特定の範囲の粘度を有するため、
血液を第2の管状容器42に導く際には、血液が空隙X
に一気に入ることを確実に防止することができる。ま
た、遠心分離後に、血液を血清もしくは血漿と固形分と
に分離する際に、該遠心分離に加わる力により、シール
材44が管状容器2の底部側に移動される。従って、空
隙Xの封止が解かれる。従って、遠心分離後に血液検査
用容器43を上下転倒させることにより、血清もしくは
血漿が空隙X内に導かれ、測定試薬3と接触し、反応さ
れる。また、内側容器部は、筒状容器と別に用意されて
固定されてもよいし、両方が一体に成形されていてもよ
い。
【0122】図31〜図34は、請求項17に記載の発
明に係る血液検査用容器の構造例を説明するための図で
ある。血液検査用容器45は、管状容器2及び第2の管
状容器42を有する。第2の管状容器42の外面には、
測定試薬3が固定されている。
【0123】他方、血液検査用容器45では、管状容器
2及び第2の管状容器42に圧入される栓体46が用い
られている。栓体46は、第2の管状容器42に圧入さ
れる相対的に径の小さな第1の栓体部46aを先端側に
有する。第1の栓体部46aの上部には、管状容器2に
圧入され、かつ相対的に径の大きな第2の栓体部46b
が連ねられている。
【0124】第1の栓体部46aの外周面には、図32
及び図34に示すように、長さ方向に延びる溝46cが
形成されている。他方、図33(a),(b)に示すよ
うに、第2の管状容器42の内周面には、開口縁42b
から下方に向かって延びるように溝42aが形成されて
いる。
【0125】上記溝46c,42aは、いずれも、第1
の栓体部46aが第2の管状容器42に圧入されている
部分において、該圧入されている部分よりも上下に延び
るように溝が形成されている。
【0126】血液検査用容器45を使用するに際して
は、第2の管状容器42内に血液を導く。この場合、栓
体46を管状容器2から取り外した後、血液を第2の管
状容器42内に入れてもよく、あるいは栓体46を取り
付けたまま、真空採血針などを用いて第2の管状容器4
2内に血液試料を導いてもよい。
【0127】しかる後、栓体46を回転させ、溝46c
を、第2の管状容器42の溝42aに対向させる。その
結果、溝42a,46cにより、第2の管状容器42内
から第2の管状容器42の外周面と管状容器2の内周面
との間の空隙Xに通ずる流路が確保される。
【0128】しかる後、遠心分離し、血液を血清もしく
は血漿と、固形分とに分離する。次に、血液検査用容器
45を上下転倒させ、血清もしくは血漿を上記流路を経
由して空隙X内に導く。その結果、血清もしくは血漿が
測定試薬3と接触し、反応する。
【0129】本構造例においても、好ましくは、血液検
査用容器45内を減圧し、栓体46に真空採血針などを
挿通させ、上記減圧に基づく吸引力により血液試料を第
2の管状容器42内に導いてもよい。また、内側容器部
は、筒状容器と別に用意されて固定されてもよいし、両
方が一体に成形されていてもよい。
【0130】図35は、請求項18に記載の発明に係る
血液検査用容器を説明するための縦断面図である。血液
検査用容器51では、管状容器2内に、管状容器2より
も小径の第2の管状容器42が配置されている。また、
管状容器2の内面には測定試薬3が固定されている。さ
らに、栓体5が管状容器2の開口2aに圧入されてい
る。ここまでは、図29に示した血液検査用容器41と
同様である。
【0131】血液検査用容器51の特徴は、第2の管状
容器42の上端開口が、厚さ100μm以下の高分子フ
ィルム52でシールされていることにある。上記高分子
フィルム52としては、特に限定されるわけではない
が、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アラビア
ゴムからなるものを用いることができる。また、高分子
フィルム52に代えて、アルミニウム、銀、銅などの厚
さ100μm以下の金属膜を用いてもよい。
【0132】上記高分子フィルム52を用いる場合、第
2の管状容器42の開口周縁に溶着してもよく、あるい
は適宜の接着剤を用いて固定してもよい。また、金属膜
を用いて第2の管状容器42の開口周縁に金属膜を固定
する場合には、適宜の接着剤が用いられる。
【0133】本構造例に係る血液検査用容器51では、
血液試料を第2の管状容器42に導くに際し、上記高分
子フィルム52を針などを用いて突き破る。すなわち、
高分子フィルム52の厚みが100μm以下と非常に薄
いため、あるいは金属膜を用いた場合であっても同様に
厚みが100μm以下と非常に薄いため、針などを用い
て容易に部分的に突き破ることができる。従って、例え
ば栓体5を装着し、真空採血針を栓体5に挿通させた場
合、真空採血針の血液吐出側の刃先やカテーテルを高分
子フィルム52の突き破られた部分に容易に挿入するこ
とができる。あるいは、真空採血針の血液吐出側の刃先
を用いて直接高分子フィルム52を突き破ってもよい。
従って、上記高分子フィルム52により第2の管状容器
42の開口がシールされているため、血液を第2の管状
容器42に導くに際し、該血液が第2の管状容器42の
外周面と管状容器2の内周面との間の空隙Xに流入し難
くされている。
【0134】判定に際しては、血液試料を第2の管状容
器42内に導いた後、遠心分離する。その結果、血液
が、血清もしくは血漿と、固形分とに分離される。しか
る後、血液検査用容器51全体を上下転倒させる。その
結果、高分子フィルム52の突き破られた部分から血清
もしくは血漿が流出し、空隙X内に導かれ、測定試薬3
と接触する。
【0135】上記高分子フィルム52に代えて、金属膜
を用いた場合においても同様の操作により、血清もしく
は血漿が測定試薬3に接触される。なお、好ましくは、
血液検査用容器51内を減圧し、栓体5で血液検査用容
器51内を封止しておくことにより、血液を減圧に基づ
く吸引力により第2の管状容器42内に速やかに導き得
る。
【0136】図36は、血液検査用容器41の変形例を
説明するための断面図である。この変形例に係る血液検
査用容器41Aでは、第2の管状容器42内に血清分離
剤53が収納されている。血清分離剤53としては、特
に限定されるわけではないが、例えば、比重1.00〜
1.2の範囲にあるポリブテン、ポリスチレンまたは酸
化エラグ酸などを例示することができる。また、これら
の試剤を血漿分離剤として用いてもよく、血漿分離剤を
血清分離剤53に代えて用いてもよい。
【0137】血液検査用容器41Aでは、上記血清分離
剤53が第2の管状容器42内に収納されているので、
遠心分離により、血液が、確実に血清と血餅とに分離さ
れる。同様に、血漿分離剤を用いた場合には、血液が、
血漿と固形分とに確実に分離される。
【0138】なお、前述した他の構造例に係る血液検査
用容器43,45,51においても、同様に血清分離剤
や血漿分離剤を第2の管状容器42内に配置してもよ
く、それによって、遠心分離により、血清もしくは血漿
と固形分とに確実に分離することができる。
【0139】また、血液検査用容器41,41A,4
3,45及び51における第2の管状容器42と管状容
器2との固定については、前述したシール材44を用い
た場合には、シール材44により該固定が果たされる
が、シール材44を有しない場合には、第2の管状容器
42の外周壁と、管状容器2の内壁との間に、例えば合
成樹脂や金属などからなるブリッジのような連結材をか
け渡し、両者を連結してもよい。あるいは、第2の管状
容器42の上端開口を、栓体5と連結してもよい。ま
た、内側容器部は、筒状容器と別に用意されて固定され
てもよいし、両方が一体に成形されていてもよい。
【0140】さらに、管状容器2に、下方にいくほど径
が小さくなるようにテーパーを設け、管状容器2のテー
パーが付けられている部分の内面に第2の管状容器42
の下方部分が当接するようにして、第2の管状容器42
を管状容器2内に固定してもよい。さらに、管状容器2
の内面に1以上の突起を設け、それによって第2の管状
容器42と管状容器2の内面との空隙Xを形成しつつ、
第2の管状容器42を管状容器2内において所定の位置
に固定してもよい。
【0141】さらに、測定試薬3については、管状容器
2の内面及び/または第2の管状容器42の外面に固定
すればよい。また、液体状又は粉末状の測定試薬を、管
状容器2と第2の管状容器42の間に、存在させてもよ
い。
【0142】図37(a)及び(b)は、請求項21に
記載の発明に係る血液検査用容器を説明するための縦断
面図である。血液検査用容器61では、管状容器2内に
第2の管状容器62が配置されている。第2の管状容器
62は、管状容器2よりも径が小さく、かつ栓体5に上
端が固定されている。
【0143】第2の管状容器62の下端には、赤血球を
トラップするために、下方に突出されたトラップ部62
aが形成されている。また、トラップ部62aの周囲に
は、直径0.1〜20μmの貫通孔62bが複数形成さ
れた血球分離部62cが形成されている。
【0144】上記第2の管状容器62を構成する材料と
しては、下方にトラップ部62aを形成した場合に赤血
球をトラップし得る限り適宜の材料からなるものを用い
ることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピ
レンなどの高分子材料、ガラス、鉄、アルミニウムなど
の無機材料または金属などを例示することができる。
【0145】トラップ部62aの大きさについては、採
血量に応じて決定すればよい。標準的なヒトの血液のヘ
マトクリット値は、50%前後であるため、採血量に対
して50%程度の容積を有するようにトラップ部62a
を形成すればよい。
【0146】トラップ部62aの周囲には、血清もしく
は血漿を流出させるために、貫通孔62bが複数形成さ
れており、それによって血球分離部62cが構成されて
いる。この貫通孔62bを有する血球分離部62cにつ
いては、適宜のフィルタ材料により構成することがで
き、あるいは上記貫通孔を形成し得るような粒子集合体
により構成してもよい。上記貫通孔の大きさが0.1〜
20μmの範囲とされているため、血液を第2の管状容
器62内に入れ、遠心分離した際、血清もしくは血漿が
貫通孔62bから管状容器62外に流出し、赤血球は流
出せず、かつ比重が重いため、トラップ部62a内に貯
留される。その結果、血清もしくは血漿が貫通孔62b
から下方に流下し、管状容器2の底部に貯留される。
【0147】管状容器2の底部に貯留された血清もしく
は血漿は、ある程度の量に達すると、測定試薬3に接触
し、反応が開始される。従って、判定に際しては、第2
の管状容器62内に血液試料を導き、遠心分離を行うこ
とにより、血清もしくは血漿を、管状容器2の底部に貯
留させることができ、貯留された血清もしくは血漿の量
が増加し、測定試薬3に接触した場合には、直ちに反応
が開始する。
【0148】あるいは、図37(b)に示すように、遠
心分離後に、血清もしくは血漿63が測定試薬3の下端
3aに達しない場合には、血液検査用容器61全体を傾
けたり、上下転倒することにより、血清もしくは血漿6
3と測定試薬3との反応を開始させることができる。
【0149】本構造例においても、好ましくは、血液検
査用容器61内が、上述した程度の減圧下に維持され、
それによって血液試料を第2の管状容器62内に、減圧
に起因する吸引力によって速やかに導くことができる。
【0150】また、測定試薬3は、第2の管状容器62
の外面に固定されてもよく、あるいは、第2の管状容器
62の外面及び管状容器2の内面の双方に固定してもよ
い。また、内側容器部は、管状容器と別に用意されて固
定されてもよいし、両方が一体に成形されていてもよ
い。
【0151】図38,39は、請求項22に記載の発明
に係る血液検査用容器を説明するための各断面図であ
る。血液検査用容器71では、管状容器2内に、管状容
器2よりも小さな径の第2の管状容器72が配置されて
いる。図38では、第2の管状容器72は、管状容器2
内に浮かされた状態で図示されているが、前述した第2
の管状容器42と管状容器2とを連結する適宜の構造を
用いることにより、第2の管状容器72についても、管
状容器2内において、第2の管状容器72の外周面と管
状容器2の内周面との間に空隙Xを確保し得るように配
置され得る。
【0152】血液検査用容器71では、第2の管状容器
72の底部に、複数の貫通孔72aが形成されている。
貫通孔72aの径については、上記血清もしくは血漿を
流下させ、血球を通過させない大きさ、すなわち10μ
m以下とすることが望ましい。この貫通孔72aが形成
されている部分の上部に、直径0.1〜200μmの親
水性微粒子よりなる層73が配置されている。
【0153】図38に示す構造例では、上記複数の貫通
孔72aを有する底部材72bが筒状体72cの下端開
口を閉成するように接着剤(図示せず)を用いて固定さ
れているが、有底の管状容器の底部に複数の貫通孔72
aが形成されていてもよい。
【0154】上記直径0.1〜200μmの親水性微粒
子層を形成するための親水性微粒子としては、特に限定
されるわけではないが、例えば、カルボキシル基等の親
水基が付与されたポリスチレン、塩化ビニル、シリカ、
酸化鉄、糖などを挙げることができる。
【0155】使用に際しては、第2の管状容器72内に
血液を導く。その状態で、遠心分離することにより、血
液を血清もしくは血漿と固形分とに分離することができ
る。この場合、赤血球や白血球などが親水性微粒子層7
3の上部に貯留されるが、血清もしくは血漿は下方に流
下し、貫通孔72aを介して第2の管状容器72から下
方に流下する。従って、血清もしくは血漿が測定試薬3
に接触し、反応が開始される。
【0156】下方に流下した血清もしくは血漿の量が少
ない場合には、血液検査用容器71を傾けたり、上下転
倒することにより、血清もしくは血漿と測定試薬3とを
確実に接触させることができる。
【0157】また、好ましくは、図39に示すように、
管状容器2に、栓体5を圧入し、かつ血液検査用容器7
1の内部を減圧状態とする。このように、血液検査用容
器71自体を減圧することにより、真空採血法などを利
用して第2の管状容器72内に血液試料を速やかに導く
ことができると共に、該減圧に基づく吸引力により、導
かれた血液を親水性微粒子層73により濾過することが
でき、血清もしくは血漿を管状容器2の底部に流下させ
ることができる。
【0158】すなわち、血液検査用容器71において、
内部を減圧とした場合には、減圧による吸引力で親水性
微粒子層73により導かれた血液が濾過され、血清もし
くは血漿を遠心分離を行うことなく、管状容器2の底部
に流下させることができる。また、内側容器部は、管状
容器と別に用意されて固定されてもよいし、両方が一体
に成形されていてもよい。
【0159】図42は、請求項27に記載の発明にかか
る血液検査用容器の構造例を示す断面図である。血液検
査用容器81では、有底の管状容器2の側壁2dに、側
壁2d上を上下に移動可能なスライドスイッチ83が側
壁2dを挟みこむようにして設けられている。血液検査
用測定試薬3が、上記管状容器2の内部に配置されてお
り、かつスライドスイッチ83に取り付けられている。
【0160】上記スライドスイッチ83および測定試薬
3は、スライドスイッチ83については管状容器2の側
壁2dに、側壁2d上を上下に移動可能とされ側壁2d
を挟みこむようにして設けられること、測定試薬3が上
記管状容器2の内部に存在するようにして該スライドス
イッチ83に取り付けられていること、の条件を満足す
るものであれば、その具体的な構造は何ら限定されるも
のではない。
【0161】スライドスイッチ83および測定試薬4の
構造の一例を図43、図44および図45を用いて説明
する。図43は、管状容器2に、スライドスイッチ83
が取り付けられた状態を、管状容器2の外面側から見た
図であり、図44は、管状容器2の内面側から見た図で
ある。図45は、図44のIV−IV線断面図を拡大して示
した図である。
【0162】図43に示すように、管状容器2の上端開
口の周縁2eの一部から側壁2dにかけて細長い短冊状
の切り込み2fが設けられ、該切り込み2fのうちの2
辺を形成する側壁2g、2hが、スライドスイッチ83
の外翼83aと内翼83bとで挟みこまれている。スラ
イドスイッチ83の外翼83aと内翼83bは、薄肉の
矩形体からなり、側壁2dに沿うように側壁2dの曲率
と同様の曲率で湾曲している。上記の外翼83aと内翼
83bは、上記切り込み2fの幅よりも小さな径をもつ
接合体83cで接合されて、側壁2g、2hに緊密に密
着され、外翼83aに手指で力を加えて押し下げたり、
押し上げたりすることによって、側壁2g、2h上を上
下に摺動して移動可能とされている。なお、図43に示
したように、外翼83aは、手指で上下に移動させる際
に、より軽く移動可能なように、その表面に凹凸が設け
られている。更に、スライドスイッチ83の接合体83
cの管状容器2の内部側に測定試薬3が吊りさげられて
いる。測定試薬3を接合体83cに固定する方法につい
ては、機械的機構により固定する方法、粘着テープを用
いる方法、接着剤を用いる方法など任意であるが、この
例では、粘着テープを用いて固定されている。
【0163】スライドスイッチ83は、合成樹脂などの
適宜の材料により構成することができる。管状容器2の
寸法についても特に限定されるものではなく、血液を採
取し、必要に応じて遠心分離した後、スライドスイッチ
83を下側に移動させることにより、測定試薬3の一部
を血液、血清もしくは血漿と接触せしめることにより、
血液、血清もしくは血漿中の成分と測定試薬4とを反応
させ得る限り、適宜の寸法の管状容器2を用いることが
できる。
【0164】図46は、請求項28に記載の発明にかか
る血液検査用容器90の構造例を示す断面図であり、図
42に示した血液検査用容器1に、更に、該管状容器2
の上端開口近傍から底部に向かって、その下端部91a
が上記スライドスイッチ83の取り得る最下端位置より
も底部側に位置するチューブ91が、管状容器2の軸方
向のほぼ中央部に設けられている。
【0165】なお、図46において、上記チューブ91
は、その上端部91bが管状容器2の上端開口を封止す
る蓋体92の底面部に接着剤で固定されている。上記チ
ューブをこのような位置に固定する方法は、これに限ら
ず、前記に例示したような他の方法でもよい。
【0166】図47は、請求項29に記載の発明にかか
る血液検査用容器100の構造例を示す断面図であり、
図42に示した血液検査用容器81または図43に示し
た血液検査用容器90に(なお、図47は、図46に示
した血液検査用容器90を用いた場合を示しているが、
血液検査用容器90に用いられた蓋体92の代わりに、
下記の栓体102が用いられている)、更に、上記管状
容器2の全体およびスライドスイッチ83の両方を包み
込み得る有底の管状容器101が設けられると共に、上
記二つの管状容器2、101の上端開口を閉成するよう
に栓体102が取り付けられており、更に上記二つの管
状容器2、101内が減圧にされている。
【0167】上記栓体102は、外径がより大きい上部
102aと外径がより小さい下部102bとからなり、
下部102bの外周面と内側の管状容器2の上端開口の
内周面が嵌合するように構成され、外径がより大きい上
部102aの下面部には外側の管状容器101の上端開
口の周縁部101aが気密的にはめ込まれ得る溝102
cが設けられている。
【0168】上記栓体102の下部102bの底面部に
は、前記チューブ91の上端部91bが接合されてい
る。接合方法は、例えば、粘着テープによる方法、接着
剤による方法、機械的な嵌合による方法などが挙げられ
る。
【0169】上記血液検査用容器100の製造に際し
て、上記二つの管状容器2、101内を減圧にするに
は、スライドスイッチ83が取り付けられた管状容器2
の上端開口に、栓体102(栓体102には、予めチュ
ーブ91が接合されているものとする)を嵌合した状態
の血液検査用容器および外側の管状容器101を、例え
ば、真空ポンプなどの減圧装置が取り付けられた容器内
においた後、上記容器を所望の減圧度に減圧した状態
で、外側の管状容器101の上端開口の周縁部101a
を、栓体102の上部102aに設けられた溝102c
に嵌合させる。この場合、管状容器2に栓体102を嵌
合した状態で、減圧装置内に置かれていたが、管状容器
2には、スライドスイッチ83の取り付けのための切り
込み2fがあり、その切り込み2fには隙間があるため
管状容器2内は気密となっていないので、上記の減圧操
作により、管状容器2内も減圧となる。
【0170】なお、栓体102において、上部102a
に溝102cが設けられていることは、必須ではなく、
図48に示すような、外径がより大きい上部102aと
外径がより小さい下部102bとの間に、上部102a
の外径と下部102bの外径との中間の外径を有する中
間部102dが設けられ、中間部102dの外周面に外
側の管状容器101の上端開口の内周面が、下部102
bの外周面に内側の管状容器2の上端開口の内周面が嵌
合されるように構成されてもよい。
【0171】上記の減圧の程度は、採血針を患者の血管
に刺通し、該採血針の他端を栓体102に刺通した場合
に、血液が管状容器2内に速やかに導かれるように選択
されている。通常、管状容器2および管状容器101内
の減圧の程度は、0.1〜0.9気圧程度とされる。
【0172】また、外側の管状容器101を構成する材
料は、上記の内側の管状容器2を構成する材料と同様
に、合成樹脂、ガラスなどの適宜の材料により構成する
ことができ、好ましくは、透明な材料により構成され
る。
【0173】また、栓体102を構成する材料について
は、特に限定されないが、シリコンゴム、ブチルゴムな
どのゴム弾性を有する合成もしくは天然ゴムからなるも
のを用いることができる。
【0174】図42、図46、図47に示した血液検査
用容器81、90、100では、それぞれ図49
(a)、図50(a)、図51(a)に示すように、血
液6導入時および遠心分離時においては、スライドスイ
ッチ83は、その最上端の位置にセットされており、血
液面Aが測定試薬3の下端3aより下方に位置するよう
に血液6を採取することが好ましく、血液6と測定試薬
3との接触を防止することができる。遠心分離により、
それぞれ図49(b)、図50(b)、図51(b)に
示すように、血液6が血清または血漿6aと血餅または
血球6bに分離される。遠心分離後、スライドスイッチ
83が下側に移動され、測定試薬3の一部が血清または
血漿6aに接触されその成分の測定がなされる。なお、
スライドスイッチ3の下側移動の前に、図47に示した
血液検査用容器100では、外側の管状容器101が取
り外される。
【0175】なお、上記の遠心分離は、500〜500
0r.p.m.で3分〜30分程度、好ましくは500
〜3000r.p.m.で5分〜25分程度とすればよ
い。また、図42、図46、図47においては、血液検
査用容器に測定試薬3、3が向かい合うように一対設け
られているが、血液検査用測定試薬3は1か所にのみ設
けられていてもよい。
【0176】図53〜図55を参照して、請求項24〜
26に記載の発明に係る血液検査用容器の構造例を説明
する。図53は、請求項24に記載の血液検査用容器の
縦断面図である。この血液検査用容器111では、有底
の管状容器2内に有底の第2の管状容器112が配置さ
れている。第2の管状容器112の径は、管状容器2の
径よりも小さくされている。また、第2の管状容器11
2の底部には、孔112aが形成されている。また、該
孔112aを閉成するように、第2の管状容器112の
底部に水溶性膜からなる蓋材113が固定されている。
【0177】他方、第2の管状容器112の外面または
管状容器2の内面に、血液検査用測定試薬3,3が固定
されている。図53では、血液検査用測定試薬3,3
は、管状容器2の内面に固定されているが、第2の管状
容器112の外周面に固定されていてもよい。
【0178】上記管状容器2及び第2の管状容器112
並びに血液検査用測定試薬3を構成する材料について
は、前述した請求項12に記載の発明における管状容
器、第2の管状容器及び血液検査用測定試薬と同じもの
を用いることができる。
【0179】また、管状容器2を閉成するように、栓体
5が取り付けられている。上記栓体5については、ゴ
ム、合成樹脂栓などの適宜の材料からなるものを用いる
ことができる。
【0180】また、上記蓋材113を構成する水溶性膜
については、血液、血清もしくは血漿中の水分により溶
解されるものである限り、その材料は特に限定されな
い。上記水溶性膜を構成する材料の例としては、各種天
然高分子、半合成物質または合成高分子などを挙げるこ
とができる。天然高分子としては、キチン、キトサン、
カゼイン、コラーゲン、卵白、澱粉、海草、カラギリナ
ン、アルギン酸ナトリウム、寒天、キサンタンガム、ま
たはプルランなどを挙げることができる。
【0181】半合成物質としては、デキストリン、メチ
ルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースなど
を挙げることができる。合成高分子としては、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタク
リル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリエチレングリコールなどを挙げることができ
る。
【0182】より具体的には、上記水溶性膜を構成する
物質としては、例えば、ダイセル化学社製、商品名:ソ
ブロン、クラレ社製、商品名:クラリア、東京セロハン
社製、商品名:トスロン、日本合成フィルム社製、商品
名:ハイセロン、クラレ社製、商品名:ミーロンフィル
ム、日本合成フィルム社製、商品名:ボブロン、オオク
ラ工業社製、商品名:エクシード、クラレ社製、商品
名:エバールなどを挙げることができる。
【0183】使用に際しては、上記第2の管状容器11
2内に血液を導く。初期状態では、血液は、第2の管状
容器112内にとどまるため、血液検査用測定試薬3,
3と接触されない。すなわち、上記孔112aを閉成し
ている蓋材113が、初期状態における血液と血液検査
用測定試薬との接触を防止する機能を果たす。
【0184】経時により、血液中の水分により蓋材11
3が溶解し、血液が第2の管状容器112の外周面と管
状容器2の内周面との間の空間に流入し、血液検査用測
定試薬3,3と接触し、反応が進行する。
【0185】反応結果については、外部から目視によ
り、あるいは分光光度計、反射光読み取り装置またはカ
メラなどの適宜の測定装置を用いて測定することができ
る。などの血液を第2の管状容器112に導いた後、遠
心分離し、血清もしくは血漿を血液検査用測定試薬3,
3と接触させてもよい。この場合には、血清もしくは血
漿中の水分により蓋材113が溶解され、血清もしくは
血漿が第2の管状容器112の外周面と管状容器2の内
周面との間の空間に流入し、血液検査用測定試薬3,3
と接触されることになる。
【0186】上記のように遠心分離を行う場合、図53
に示す向きのまま遠心分離をおこなってもよいが、血液
検査用容器111を上下逆転した状態で遠心分離し、遠
心分離後に再度血液検査用容器111を上下逆転しても
よい。
【0187】さらに、上記栓体5を管状容器2に取り付
け、管状容器2及び第2の管状容器112内を減圧し、
真空採血法により血液を第2の管状容器112内に導い
てもよい。
【0188】従って、図53に示した血液検査用容器1
11においても、血液を採取してから、測定結果を得る
まで、検査従事者が血液と接触する機会を低減すること
ができ、かつ血液成分の測定を効率良く行うことができ
る。
【0189】特に、真空採血法を採用した場合、採血か
ら測定結果を得るまでの全工程において、血液と検査従
事者とが接触する可能性をより小さくすることができ、
望ましい。
【0190】図54は、請求項25に記載の発明に係る
血液検査用容器121を示す断面図である。この血液検
査用容器1は、第2の管状容器112の底部に設けられ
た孔112aが、金属からなる蓋材122で閉成されて
いることを除いては、図53に示した血液検査用容器1
11と同様に構成されている。蓋材122は、孔112
aの内面側において、孔112aを閉成するように配置
されている。従って、第2の管状容器112内に導かれ
た血液は、蓋材122の存在により、孔112aから管
状容器2内に流入しない。
【0191】他方、測定に際しては、外部から磁石を用
いることにより、蓋材122を移動させ、孔112aを
開放すればよい。すなわち、重力により蓋材122を移
動させて孔112aが開口されると、導かれた血液ある
いは遠心分離により分離された血清もしくは血漿が、管
状容器2の内面と第2の管状容器112の外周面との間
の空間に流入する。従って、図53に示した血液検査用
容器111と同様にして測定を行うことができる。
【0192】なお、蓋材122を構成する材料として
は、鉄、ニッケルなどの磁石により動かし得る常磁性材
料からなるものを用いることが望ましい。さらに、蓋材
122自体を磁石で構成してもよく、その場合には、外
部から常磁性材料からなる金属片、例えば鉄片などを用
いて蓋材122を移動させればよい。
【0193】図55は、請求項26に記載の発明に係る
血液検査用容器131を説明するための断面図である。
ここでは、管状容器2の内周面に血液検査用測定試薬3
が固定されている。もっとも、血液検査用測定試薬3の
表面のうち、下端近傍部分3aのみが露出されており、
残りの部分は保護層132により被覆されている。
【0194】血液検査用測定試薬3の管状容器2の内周
面への固定方法については、接着剤を用いる方法あるい
は粘着剤を用いる方法など任意である。また、血液検査
用測定試薬3と血液との接触を防止するための保護層1
32を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレ
ートなどの適宜の合成樹脂、ガラスなどからなるものを
用いることができ、血液と血液検査用測定試薬3との接
触を防止し得る限り適宜の材料により構成することがで
きる。好ましくは、血液検査用測定試薬の変化を外部か
ら観察し得るため、透明な保護層を構成することが望ま
しい。
【0195】また、保護層132が血液検査用測定試薬
3を被覆している部分については、下端の反応開始部分
3aを除く残りの血液検査用測定試薬3の外表面の全て
である。
【0196】測定に際しては、血液または血液成分を管
状容器2内に導いた後、静止する。この場合、血液検査
用測定試薬3の下端3a近傍部分のみが血液または血液
成分に浸漬されるため、それによって血液検査用測定試
薬における反応が開始する。
【0197】図55に示した血液検査用容器131で
は、血液検査用測定試薬の一部のみが血液または血液成
分に浸漬されるため、血液検査用測定試薬3全体が湿潤
し難い。
【0198】図56(a),(b)〜図58(a),
(b)を参照して、請求項9,10に記載の血液検査用
容器141の具体的な構造例を説明する。図56(a)
に示す血液検査用容器141では、前述した接触制御構
造が、管状容器2内に配置されており、かつ柔軟性を有
する樹脂からなる内管142を有する。内管142の外
周面は、管状容器2の内面に密着されている。もっと
も、内管142の上端側において、内管142の外径が
管状容器2の内径よりも小さくされており、それによっ
て内管142の外周面が管状容器2の内面から隔てられ
ている。
【0199】管状容器2の内面から内管142の外周面
が隔てられている部分においては、管状容器2の長さ方
向に移動可能に連通部材143が配置されている。連通
部材143の形状については、ビーズ状、もしくはリン
グ状など、管状容器2の長さ方向に移動し得る限り、特
に限定されるものではない。
【0200】上記内管142を構成する材料について
は、柔軟性を有し、下方部分において管状容器2の内周
面に密着し得る限り、適宜の材料からなるものを挙げる
ことができ、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、軟
質塩化ビニル、ナイロン、発泡ポリウレタンなどからな
るものを例示することができる。また、肉厚を薄くすれ
ば、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート、
硬質塩化ビニルなどからなるものを例示することができ
る。この場合、内管142の肉厚は、下方部分において
管状容器2の内周面に密着し得るような柔軟性及び弾性
を有するように選択することが望ましい。
【0201】連通部材143を構成する材料について
も、管状容器2の長さ方向に移動し得る限り、特に限定
されず、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレートなど適宜の合成樹脂、金属もしくはガラスな
どから構成することができる。
【0202】また、血液検査用容器141において、管
状容器2の内周面に血液検査用測定試薬3が固定されて
いる。この血液検査用測定試薬3としては、請求項1に
記載の発明で用いた血液検査用測定試薬3を用いること
ができ、その固定方法についても特に限定されない。
【0203】もっとも、血液検査用測定試薬3は、内管
142が管状容器2の内周面に密着している部分の下端
よりも上方に固定されていることが必要である。これ
は、導入された血液を内管142と管状容器2とが密着
している部分の内側に位置させ、該密着部分の外側に配
置された血液検査用測定試薬5との接触を防止するため
である。
【0204】図56に示す血液検査用容器1では、管状
容器2の底部に、分離剤144が収納されている。この
分離剤144としては、ポリブテンの塩素化物を主成分
とするもの(特開昭55−43462)、シクロペンタ
ジエンのオリゴマーの変性物を主成分とするもの(特開
平2−95257)、α−オレフィン・マレイン酸ジエ
ステル共重合体を主成分とするもの(特開昭57−14
9964)などを用いることができるが、遠心分離後に
血清もしくは血漿と、固形分とを分離するのに適した適
宜の材料を用いることができる。また、分離剤144は
必ずしも収納されておらずともよい。
【0205】また、栓体5が管状容器2に取り付けられ
ている。好ましくは、栓体5を管状容器2に取り付けた
後、管状容器2内を減圧しておくことにより、真空採血
法により管状容器2内に血液を採取することができ、望
ましい。
【0206】測定に際しては、図56(b)に示すよう
に、管状容器2内に血液6を導く。この場合、栓体5を
注射器の針で貫通し、内部に血液6を供給してもよく、
あるいは真空採血法により血液6を内管142内に導い
てもよい。
【0207】内管142の内側に血液6が導かれている
が、内管142と管状容器2とが密着されているため、
血液6は、密着部分の上方において内管142の外周面
と管状容器2の内面との間の空間には流入しない。従っ
て、血液検査用測定試薬3と血液6との接触を防止する
ことができる。
【0208】次に、一定時間放置することにより、血液
6が凝固し、図57(a)に示すように、血清6Aと血
餅6Bとに分離する。しかる後、血液検査用容器141
を上下逆転し、遠心分離する。その結果、図57(b)
に示すように、分離剤層144が中間高さ位置に移動
し、血餅6Bと血清6Aとが確実に分離される。また、
連通部材143が下方に移動し、内管142と管状容器
2との密着部分の面積が小さくなる。
【0209】しかる後、再度遠心分離することにより、
連通部材143が下方に移動する。この場合、図58
(a)及び(b)に示すように、連通部材143が移動
していくことにより、内管142の外周面と管状容器2
の内面との間に隙間が生じ、それによって分離された血
清6Aが内管142の外面と管状容器2の内面との間の
空間に流入し、血液検査用測定試薬3に接触し、反応が
進行する。
【0210】従って、図58(b)に示す状態では、連
通部材144は既に分離剤層144上に落下しており、
内管142の外面と管状容器2の内面とが再度密着して
いるが、血液検査用測定試薬3における反応は持続す
る。
【0211】よって、血液検査用測定試薬3を外部から
目視により確認することにより、あるいは前述した分光
光度計やカメラなどの適宜の測定装置を用いることによ
り、測定結果を得ることができる。
【0212】図56〜図58に示した血液検査用容器に
おいても、血液の採取を、測定結果を得るまでの工程が
管状容器2内で行われ、検査従事者が血液と接触する可
能性がほとんどない。従って、血液もしくは血液成分の
測定を安全にかつ効率良く行い得る。
【0213】図59〜図61を参照して、請求項11に
記載の発明に係る血液検査用容器を説明する。図59
(a)に示す血液検査用容器151では、内管152と
して、有底であり、その上端開口近傍部分が管状容器2
の内面に密着されているものが用いられる。この内管1
52を構成する材料については、図58に示した血液検
査用容器141の内管142と同様の材料で構成するこ
とができる。
【0214】ここでは、内管152の下方部分の径が小
さくされており、すなわち、底部近傍部分においてその
外径が小さくされている。従って、底部近傍において、
内管152の外周面が管状容器2の内面と隔てられてい
る。この内管152の外周面が管状容器2の内面と隔て
られている領域において、連通部材143が配置されて
いる。
【0215】また、血液検査用測定試薬3が、上記内管
152と管状容器2との密着部分の上端よりも下方にお
いて管状容器2の内面に固定されている。図59に示し
た血液検査用容器1では、上記内管152の取り付け位
置、構造及び連通部材並びに血液検査用測定試薬5の取
り付け位置が異なることを除いては、図56に示した血
液検査用容器と同様に構成されている。
【0216】測定に際しては、図59(b)に示すよう
に、管状容器2内に血液6を導く。この場合、内管15
2の上端近傍部分が管状容器2の内面と密着されている
ので、導かれた血液6は、連通部材143や血液検査用
測定試薬3が配置されている空間すなわち内管152と
管状容器2の内面が密着している部分の外側の空間には
流入しない。従って、初期状態では、血液6と血液検査
用測定試薬3との接触を防止することができる。
【0217】次に、一定時間放置することにより、血液
6が凝固し、血清6Aと血餅6Bとに分離する(図60
(a))。しかる後、血液検査用容器151を上下逆転
し、遠心分離する。その結果、図60(b)に示すよう
に、分離剤層144により血清6Aと血餅6Bとが確実
に分離される。この場合、遠心条件が緩やかであるた
め、連通部材143は、管状容器2の内面と内管152
の外面との密着部分より上方に位置している。
【0218】しかる後、再度遠心分離し、連通部材14
3を下方に移動させる。その結果、図61(a)及び
(b)に示すように、連通部材143が下方に移動する
につれて、内管152の外周面と管状容器2の内周面と
が密着している部分の密着が解かれ、血清6Aが内管3
の外側の空間に流入し、血液検査用測定試薬3と接触
し、反応が進行する。
【0219】図61(b)に示す状態では、連通部材1
43が下方に落下し、その状態では内管152の外周面
が再度管状容器2の内面に当接されているが、血液検査
用測定試薬3は既に血清6Aと接触しているため、上記
反応は持続する。
【0220】よって、図56に示した血液検査用容器1
41の場合と同様にして外部から反応結果を確認するこ
とができる。
【0221】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例につき説明す
る。 (実施例1)図1に示した血液検査用容器1を作製し
た。血清分離剤入り真空採血管(積水化学社製、真空採
血管、商品名:インセパック、直径15mm、長さ10
0mm、ポリエチレンテレフタレート製、管内壁面に血
液凝固促進剤塗布済)を用意した。この真空採血管のゴ
ム栓を取り外し、管内を常圧とし、管状容器2とした。
【0222】次に、測定試薬3として、クイックチェイ
サーHBsAg(ミズホメディー社製、HBs抗原検出
用試薬、長さ約6cm)1回分の反応容器から試験紙片
のみを取出し、粘着テープを用い、上端が管底部2bか
ら8cmの高さに位置するように接着し、固定した。
【0223】HBs抗原検出用試薬(クイックチェイサ
ーHBsAg)は、サンドイッチ法を原理としたイムノ
クロマトグラフィー・アッセイ試薬である。血液試料が
この試薬下部に接触すると、毛細管現象により血液試料
が試薬上を移動し、移動した血液試料中のHBs抗原
は、事前に試薬に塗布されている抗HBsマウスモノク
ローナル抗体結合金コロイド粒子と反応し、HBs抗原
−抗体−金コロイド複合体を形成する。この複合体は、
試薬のメンブランフィルター上をさらに移動し、抗HB
sマウスモノクローナル抗体固相部において結合捕捉さ
れる。その結果、HBs抗原陽性の場合には、固相部分
には金コロイド由来の赤紫色ラインが出現し、陰性の場
合は出現しない。すなわち、目視により、HBs抗原陽
性であるか陰性であるかを判定することができる。
【0224】被験者A氏、B氏、及びC氏の血液を注射
器で採血し、採血した血液を、それぞれ、本実施例の血
液検査用容器に7ml分注し、10分間放置後、遠心分
離器(国産遠心器社製、商品名:H−20)を用い、3
000r.p.m.で10分間遠心分離した。その結
果、血清6aと固形分6bとに分離した(図3(b)参
照)。遠心後10分間放置し、しかる後、血清6aを試
薬3と接触させたところ、A氏、B氏及びC氏のいずれ
においても、HBs抗原陰性である結果が得られた。
【0225】(実施例2)図4に示す血液検査用容器4
を作製した。すなわち、実施例1で用いた血清分離剤入
り真空採血管のゴム栓を取り外し、管状容器2とし、管
状容器2内に実施例1と同様にして試薬3を固定した
後、真空打栓機VS−150A(共和真空社製)を用い
0.26気圧でゴム栓5を打栓し、血液を7ml真空採
血し得るように構成し、図4に示した栓体5付きの血液
検査用容器4を得た。
【0226】上記血液検査用容器4を用い、実施例1と
同様にしてA氏〜C氏の血液をそれぞれ採取し評価し
た。その結果、A氏〜C氏のいずれの血液試料について
も、HBs抗原陰性である結果が得られた。
【0227】(実施例3)図5に示した血液検査用容器
7を作製した。まず、実施例1で用いた真空採血管のゴ
ム栓を取り外し、管状容器2とした。この管状容器2内
に、直径15mm、短径6mm及び厚さ0.1mmのポ
リエチレン製円錐体容器(容器内壁面に血液凝固促進剤
塗布済)を内側容器部8として挿入した。内側容器部8
の下端に、直径6mmのポリスチレン製ビーズ(積水化
学社製、商品名:ポリスチレンビーズ#45)を接着剤
を用いて接着し、固形部材9とした。
【0228】測定試薬3については、ダイナボット社
製、HBs抗原検出用試薬、商品名:ダイナスクリーン
HBsAg1回分に添付のコンジュゲート液を添加し、
試薬プレート先端部に50μl滴下したものを、粘着テ
ープを用いて管状容器2の内側壁に固定した。
【0229】上記のようにして得た血液検査用容器7を
用い、実施例1と同様にA氏〜C氏の血液をそれぞれ導
入し、10分間放置後、遠心分離器(国産遠心器社製、
商品名:H−20)を用い、3000r.p.m.で1
0分間遠心した。その結果、固形部材9が下方に落下
し、血液が血清と血餅とに分離され、遠心後10分間放
置した後、実施例1と同様に試薬3と血清とを接触させ
たところ、A氏〜C氏のいずれの場合もHBs抗原陰性
であることが確かめられた。
【0230】(実施例4)図6に示した血液検査用容器
7を作製した。すなわち、実施例3で作製した血液検査
用容器7に、さらに、HBs抗原検出用試薬だけでな
く、HBs抗体検出用試薬(ダイナボット社製、商品
名:ダイナスクリーン・オーサブ1回分)を固定し、真
空打栓機(共和真空社製、商品名:VS−150A)を
用い、0.26気圧でゴム栓を打栓し、血液を7ml真
空採血し得るように構成した。このようにして得られた
血液検査用容器を用い、実施例3と同様にして評価した
ところ、A氏〜C氏のいずれについても、HBs抗原陰
性であり、HBs抗体陰性であることが確かめられた。
【0231】(実施例5)図7に示した血液検査用容器
10を作製した。まず、実施例1と同様に、血清分離剤
入り真空採血管(積水化学社製、商品名:インセパッ
ク)を用意し、ゴム栓を取り外し、管内を常圧とし、管
状容器2とした。直径6mm、長さ60mmのポリプロ
ピレン製チューブからなる第2の管状容器11(管内壁
面に血液凝固促進剤塗布済)を用意した。ミリポア社
製、MILLEX−SVから孔径5μmのフィルターを
取出し、直径10mmに切断し多孔プレートとし、第2
の管状容器11の底部に粘着テープを用いて固定した。
【0232】次に、実施例1と同様にして、管状容器2
の内側壁に実施例4と同じHBs抗原検出用試薬及びH
Bs抗体検出用試薬を実施例1と同様にして固定した。
しかる後、第2の管状容器11を、接着剤を用い、ゴム
栓の内側に接着し、管状容器2内に挿入し固定した。
【0233】第2の管状容器は管壁に直接、接着した
り、ブリッジ等を介して管状容器に固定してもよい。上
記のようにして得られた血液検査用容器10に、実施例
1と同様にA氏〜C氏の血液を導入し、10分間放置
後、遠心分離器(国産遠心器社製、商品名:H−20)
を用い、3000r.p.m.で10分間遠心分離し、
しかる後、10分間放置し、外壁の試薬を観察した結
果、A氏〜C氏のいずれにおいてもHBs抗原陰性、H
Bs抗体陰性であることが認められた。
【0234】(実施例6)実施例5で用意した血液検査
用容器において、管状容器2内を減圧し、図8に示す血
液検査用容器10を得た。この場合、減圧にあたって
は、真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS−150
A)を用い、0.85気圧でゴム栓を打栓し、血液を1
ml真空採血し得るように構成した。
【0235】このようにして得た血液検査用容器に、A
氏〜C氏の血液をそれぞれ採取し、10分間放置後、実
施例5と同様に遠心分離した。その結果、図10(b)
に示すように、血清6aと血餅6bとに分離された。遠
心後10分間放置し、試薬3を観察したところ、A氏〜
C氏のいずれについても、HBs抗原陰性、HBs抗体
陰性であることが確かめられた。
【0236】(実施例7)図11に示す血液検査用容器
13を作製した。実施例1で用いた血清分離剤入り真空
採血管を管状容器2として用意した。
【0237】この管状容器2について、ゴム栓を取り外
し管内を常圧とした。また、管状体14として、直径6
mm、長さ60mmのポリプロピレン製チューブ(チュ
ーブ内壁面に血液凝固促進剤塗布済)を用意した。ま
た、リング状部材15として、ニプロ社製、シリンジ5
mlのピストン先端のゴムを取出し、中央に直径6mm
の貫通孔を有するようにカッターでゴムの中央部をくり
抜いたものを用意した。
【0238】次に、実施例4と同様にして、HBs抗原
検出用試薬及びHBs抗体検出用試薬3,3を管状容器
2の内側壁に固定した。しかる後、管状体14の上端を
ゴム栓内側に接着した後、管状体14に上記リング状部
材15を取付け、管状容器2内に挿入し、血液検査用容
器13を得た。
【0239】上記のようにして得た血液検査用容器13
を用い、実施例1と同様にA氏〜C氏の血液をそれぞれ
採取し、10分間放置後、遠心分離器(国産遠心器社
製、商品名:H−20)を用い、3000r.p.m.
で10分間遠心分離した。遠心後10間放置し、試薬3
を観察した結果、A氏〜C氏のいずれもHBs抗原陰
性、HBs抗体陰性であることが確かめられた。なお、
リング状部材15は、ブリッジ等を介して管状容器に固
定してもよい。
【0240】(実施例8)図12に示した血液検査用容
器13を作製した。すなわち、実施例7で作製した血液
検査用容器13において、栓体5を取り付けるに際し、
真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS−150A)
を用い、0.26気圧で打栓し、血液を7ml真空採血
し得るように構成した。
【0241】上記のようにして構成された血液検査用容
器13について、A氏〜C氏の血液を真空採血した。そ
の結果、図14(a)に示すように、血液6が管状体1
4内に導入され、かつリング状部材15の下面にまで達
した。10分後、遠心分離器(国産遠心器社製、H−2
0)を用い、3000r.p.m.で10分間遠心分離
した。その結果、図14(b)に示すように、血清6a
と血餅6bとに分離されるとともに、リング状部材15
が上方に押し上げられ、試薬3の中間高さ位置に達し
た。10分間放置後、測定試薬3を観察した結果、A氏
〜C氏のいずれの血液試料においても、HBs抗原陰性
であり、HBs抗体陰性であることが確かめられた。
【0242】(実施例9)図15に示した血液検査用容
器16を作製した。実施例1で用いた血清分離剤入り真
空採血管のゴム栓を取り外し、管内を常圧とし、管状容
器2とした。
【0243】第2の管状容器17を構成するために、直
径6mm、長さ60mmのポリプロピレン製チューブ
(チューブ内壁面に血液凝固促進剤塗布済)を用意し、
このポリプロピレン製チューブの下端に以下の要領で作
製した多孔プレートを接着剤により固定し、第2の管状
容器17とした。
【0244】すなわち、ミリポア社製、商品名:MIL
LEX−SVから孔径10μmのフィルターを取り出し
て直径10mmに切断し、多孔性プレートとした。この
多孔性プレートを、上記ポリプロピレン製チューブの下
端開口に粘着テープを用いて固定した。
【0245】測定試薬3については、実施例4と同じも
のを用い、管状容器2の内側壁に実施例4と同様にして
固定した。しかる後、第2の管状容器17を接着剤を用
い、ゴム栓の内側に接着した後、管状容器2内に挿入し
た。
【0246】上記のようにして用意した血液検査用容器
16を用い、実施例1と同様にしてA氏〜C氏の血液を
それぞれ導入し、10分間放置後、遠心分離し、評価し
た。遠心後10分間放置した後、試薬3を観察したとこ
ろ、A氏〜C氏のいずれもHBs抗原陰性及びHBs抗
体陰性であった。なお、多孔プレートは、接着剤などを
用いて管状容器に固定してもよく、あるいはブリッジな
どを介して固定してもよい。
【0247】(実施例10)図16に示した血液検査用
容器16を作製した。すなわち、実施例9で作製した血
液検査用容器16において、ゴム栓を打栓するに際し、
真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS−150A)
を用い、0.26気圧で打栓し、血液を7ml真空採血
し得るように構成した。その他の点については、実施例
9と同様である。
【0248】上記血液検査用容器を用い、A氏〜C氏の
血液を採取した。図18(a)に示すように、血液6が
第2の管状容器17内に導入された。10分後、300
0r.p.m.で10分間遠心分離したところ、図18
(b)に示すように、血液試料が第2の管状容器17か
ら管状容器2の方に流下するとともに、血清6aと血餅
6bとに分離された。遠心後10分間放置し、しかる
後、試薬3を観察したところ、A氏〜C氏のいずれにつ
いても、HBs抗原陰性であり、かつHBs抗体陰性で
あることが確かめられた。
【0249】(実施例11)図19に示した血液検査用
容器18を作製した。管状容器2については、実施例1
と同様とした。管状体19として、直径6mm、長さ9
8mmのポリプロピレン製チューブ(チューブ内壁面に
血液凝固促進剤塗布済)を用意した。測定試薬3につい
ては、実施例4と同じものを用い、実施例4と同様にし
て管状容器2の内側壁に固定した。
【0250】キャップ20としては、管状容器2にセッ
トされていたゴム栓を用いた。このキャップ20の内面
に管状体19を接着剤を用いて接着し、管状容器2内に
挿入した。
【0251】しかる後、実施例1と同様にA氏〜C氏の
血液をそれぞれ血液検査用容器18内に採取し、10分
間放置後、実施例1と同様にして遠心分離した。遠心後
10分間放置し、試薬3を観察したところ、A氏〜C氏
のいずれについても、HBs抗原陰性及びHBs抗体陰
性であることが確かめられた。なお、管状体19は、ブ
リッジ等を介して管状容器に固定されてもよい。
【0252】(実施例12)実施例11で用いた血液検
査用容器において、管状容器2内を減圧し、真空採血し
得るように構成した。すなわち、図20に示すように、
管状容器19が接着固定されたゴム栓5を打栓するに際
し、真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS−150
A)を用い、0.26気圧でゴム栓5を打栓し、血液を
7ml真空採血し得るように構成した。
【0253】次に、実施例2と同様にA氏〜C氏の血液
を真空採血した。その結果、図22(a)に示すように
管状体19内に血液6が導入された。もっとも、血液6
は、管状体19の下端から管状容器2内には漏洩してい
なかった。10分後、実施例11と同様に遠心分離し
た。その結果、図22(b)に示すように、血液試料が
管状体19から管状容器2側へ漏洩するとともに、血清
6aと血餅6bとに分離された。遠心後10分間放置し
た後、測定試薬3を観察したところ、A氏〜C氏のいず
れの血液試料についてもHBs抗原陰性であり、かつH
Bs抗体陰性であることが確かめられた。
【0254】(実施例13)図23に示した血液検査用
容器22を作製した。管状容器2については、実施例1
と同様とした。管状容器2の内側壁に、管状体23とし
て、直径6mm、長さ60mmのポリエチレン製チュー
ブを管状容器2の上端から下方に向かって10mmの位
置にポリエチレン製チューブの上端が位置するように接
着剤により固定した。この管状体23の底部には、直径
6mmのポリスチレン製ビーズ(積水化学社製、商品
名:ポリスチレンビーズ#45)を接着剤により固定し
た。
【0255】また、上記ポリエチレンチューブ内には、
実施例1で用いた測定試薬3を実施例1と同様にして固
定しておいた。なお、測定試薬3の下端が、管状容器2
の下端から8cmの高さ位置に位置するように、測定試
薬3の高さを調整した。
【0256】しかる後、実施例1と同様にA氏〜C氏の
血液を注射器で採血し、管状容器2内に、ただし、管状
体23内には入らないように導入した。10分間放置
後、実施例1と同様に遠心分離器を用い、遠心した。遠
心により、固形部材24としてのポリスチレンビーズが
落下し、かつ血液が血清と血餅とに分離されていること
が確かめられた。また、血清が管状体23内に進入して
いることが確かめられた。遠心後10分間放置した後、
試薬3を観察したところ、A氏〜C氏のいずれの血液試
料についてもHBs抗原陰性であることが確かめられ
た。
【0257】(実施例14)図24に示す血液検査用容
器22を作製した。すなわち、管状容器2内に、固形部
材24が接着固定され、かつ実施例4と同様の2種の測
定試薬3,3がそれぞれ固定されている2本の管状体2
3を固定し、かつ管状容器2内を減圧したことを除いて
は、図23に示した血液検査用容器22と同様とした。
減圧にあたっては、ゴム栓5を打栓するに際し、真空打
栓機(共和真空社製、商品名:VS−150A)を用
い、0.26気圧でゴム栓5を打栓し、血液を7ml真
空採血し得るように構成した。
【0258】上記血液検査用容器を用い、A氏〜C氏の
血液をそれぞれ採血し、実施例13と同様にして評価し
た。その結果、A氏〜C氏の血液試料のいずれにおいて
も、HBs抗原陰性であり、HBs抗体陰性であること
が確かめられた。
【0259】(実施例15)図25に示す血液検査用容
器31を作製した。実施例1で用いた血清分離剤入り真
空採血管を管状容器2として用意した。
【0260】この管状容器2について、ゴム栓を取り外
し管内を常圧とした。また、管状体14として直径6m
m、長さ60mmのポリプロピレン製チューブ(チュー
ブ内壁面に血液凝固促進剤塗布済)を用意した。また、
リング状部材として、ニプロ社製、シリンジ5mlのピ
ストン先端のゴムを取り出し、中央に直径6mmの貫通
孔を有するようにカッターでゴムの中央部をくり抜いた
ものを用意した。
【0261】上記リング状部材を、50℃に温度調節さ
れたジイコサンに浸漬し、しかる後、ジイコサンからリ
ング状部材15を取り出し、管状体14の外周に装着す
ると共に、管状容器2内に挿入し、ジイコサンを介して
リング状部材15を管状体14の外周面及び管状容器2
の内周面に取り付けた。
【0262】次に、実施例4と同様にして、HBs抗原
検出用試薬3を管状容器2の内側壁に固定した。しかる
後、管状体14の上端にゴム栓を接着し、さらにゴム栓
を管状容器2に圧入した。このようにして、血液検査用
容器31を得た。
【0263】上記のようにして得た血液検査用容器31
を用い、実施例1と同様にA氏〜C氏の血液をそれぞれ
採取し、10分間放置後、遠心分離器を用い、3000
r.p.m.で10分間遠心分離した。その結果、図2
7に示すように、血液が血清6aと固形分6bとに分離
した。しかる後、50℃の浴槽に10分間放置したとこ
ろ、図28に示すように、ジイコサンが溶解したため、
リング状部材15が血清6aにより上方に押し上げら
れ、血清6aと検出用試薬3等が接触されており、試薬
3を観察した結果、A氏〜C氏のいずれもHBs抗原陰
性、HBs抗体陰性であることが確かめられた。
【0264】(実施例16)図26に示した血液検査用
容器31を、真空採血し得る構造として作製した。すな
わち、実施例15で作製した血液検査用容器31におい
て、栓体5の取付けに際し、真空打栓機(共和真空社
製、商品名:VS−150A)を用い、0.26気圧で
打栓し、血液を7ml真空採血し得るように構成した。
【0265】上記のようにして構成された血液検査用容
器31について、A氏〜C氏の血液を真空採血した。1
0分間放置後、実施例15と同様にして遠心分離し、か
つ遠心分離後10分間50℃で加温した。
【0266】その結果、実施例15と同様に、ジイコサ
ンが溶解したためか、リング状部材15は上方に押し上
げられ、血清6aが試薬3に接触されていた。試薬3を
観察した結果、A氏〜C氏のいずれの血液試料において
も、HBs抗原陰性であり、HBs抗体陰性であること
が確かめられた。
【0267】(実施例17)図29に示した血液検査用
容器41を以下の要領で作製した。管状容器2について
は、実施例1と同じものを用い、実施例1と同様にし
て、測定試薬3として、クイックチェイサーHBsAg
(ミズホメディー社製、HBs抗原検出用試薬、長さ約
6cm)を用い、粘着テープにより上端が管底部から8
cmの高さに位置するように管状容器2の内面に接着
し、固定した。
【0268】第2の管状容器42については、ポリエチ
レンテレフタレート製試験管(積水化学社製、直径12
mm、長さ95mm、管内壁面に血液凝固促進剤塗布
済)を用いた。
【0269】上記測定試薬3が固定された管状容器2
に、第2の管状容器42を挿入し、臭化ブチルゴムより
なる栓体5を用いて閉栓した。被験者A氏、B氏及びC
氏の血液を注射器で採血し、採血した血液1mlを、栓
体5を取り外した本実施例の血液検査用容器41の第2
の管状容器42内に分注した。
【0270】分注後、血液検査用容器に、栓体5を再度
取り付け、全体を上下転倒させ、30分間放置し、血液
と測定試薬3とを接触させ、測定試薬3を観察した。そ
の結果、A氏、B氏及びC氏のいずれにおいても、HB
s抗原陰性である結果が得られた。
【0271】(実施例18)測定試薬3の上端が、第2
の管状容器42の管底部から7cmの位置となるように
第2の管状容器42の外面に固定し、管状容器2の内面
には測定試薬3を固定しなかったことを除いては、実施
例17と同様にして血液検査用容器を作製した。
【0272】上記血液検査用容器において、測定試薬が
外面に固定された第2の管状容器42を外側の管状容器
2内に挿入し、実施例17で用いた栓体を外側の管状容
器上に載置し、真空打栓機(共和真空社製、商品名:V
S−150A)を用い、0.9気圧で打栓し、血液を1
ml真空採血し得るように構成した。
【0273】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法
に従って真空採血し、第2の管状容器42内に採取し
た。10分間放置後、遠心分離器(国産遠心器社製、商
品名:H−20)を用い、3000r.p.m.で10
分間遠心した。しかる後、血液検査用容器全体を上下転
倒させ、分離された血清を内側の第2の管状容器と外側
の管状容器との間に導き、30分間放置し、測定試薬と
接触させた。しかる後、測定試薬を観察したところ、A
氏、B氏及びC氏のいずれにおいても、HBs抗原陰性
である結果が得られた。
【0274】(実施例19)測定試薬3の固定位置が第
2の管状容器42の外面とされていることを除いては、
図30に示した血液検査用容器43と同じ構造の血液検
査用容器を以下の要領で作製した。管状容器2について
は、実施例1と同じものを用いた。
【0275】第2の管状容器42については、血清分離
剤入り真空採血管(積水化学社製、商品名:インセパッ
ク、ポリエチレンテレフタレート製、直径12mm、長
さ75mm、管内壁面に血液凝固促進剤塗布済)を用い
た。
【0276】上記第2の管状容器42の外周面に、実施
例1で用いたHBs抗原検出用試薬を測定試薬3として
固定した。固定に際しては、第2の管状容器42の管底
部から上方7cmの位置に測定試薬の上端が位置するよ
うに測定試薬3を第2の管状容器42の外面に接着し
た。
【0277】上記のようにして測定試薬3が外周面に接
着された第2の管状容器42を、管状容器2内に挿入
し、しかる後、第2の管状容器42の上端開口部外周面
に、水溶性物質としての水溶性フィルム(プルラン)を
幅5mm×長さ20mmに切断したものを外周面に沿っ
て、瞬間接着剤(東亜合成社製、商品名:アロンアルフ
ァ)を用い接着し、第2の管状容器42と管状容器2と
の間の空隙Xをシールした。
【0278】さらに、管状容器2の上部に栓体5として
臭化ブチル製ゴム栓を配置し、真空打栓機(共和真空社
製、商品名:VS−150A)を用い、0.9気圧でゴ
ム栓を打栓し、血液を1ml真空採血し得るように構成
した。
【0279】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法
に従って真空採血し、第2の管状容器42内に採取し
た。10分間放置後、遠心分離器(国産遠心器社製、商
品名:H−20)を用い、3000r.p.m.で10
分間遠心した。しかる後、血液検査用容器全体を上下転
倒させ、分離された血清を内側の第2の管状容器と外側
の管状容器との間に導き、30分間放置し、測定試薬3
と接触させた。しかる後、測定試薬3を観察したとこ
ろ、A氏、B氏及びC氏のいずれにおいても、HBs抗
原陰性である結果が得られた。
【0280】(実施例20)水溶性フィルム「プルラ
ン」に代えて、ジイコサンを用い、該ジイコサンを第2
の管状容器の両端開口部外周面において周方向に沿って
塗布し、第2の管状容器42と管状容器2との間の空隙
Xをシールしたことを除いては、実施例19と同様にし
て血液検査用容器43を作製した。
【0281】また、上記血液検査用容器に、実施例19
と同様にして、栓体を打栓し、血液を1ml真空採血し
得るように構成した。被験者A氏、B氏及びC氏の血液
を上記のようにして用意した血液検査用容器の第2の管
状容器42内に真空採血により採取し、10分間放置
後、実施例19と同様にして遠心分離した。次に、血液
検査用容器43を上下転倒し、予め50℃に設定された
恒温槽(小松電子社製、商品名:CTE24−A)の浴
槽内に入れ、30分間放置した。次に、測定試薬3を観
察したところ、A氏、B氏及びC氏のいずれにおいても
HBs抗原陰性である結果が得られた。
【0282】(実施例21)図31に示した血液検査用
容器45を以下の要領で作製した。管状容器2について
は、実施例1と同じものを用いた。
【0283】また、管状容器42については、血清分離
剤入り真空採血管(積水化学社製、商品名:インセパッ
ク、ポリエチレンテレフタレート製、直径12mm、長
さ75mm、管内壁面に血液凝固促進剤塗布済)を用い
た。また、上記第2の管状容器42の内面においては、
開口部から下方に向かって、幅2.5mm×長さ5mm
×深さ0.5mmの溝42aを形成した。
【0284】さらに、臭化ブチルゴムよりなる栓体46
を用意し、該栓体46の第1の栓体部46aに、幅2.
5mm×長さ5mm×深さ0.5mmの溝46cを上下
方向に延びるように形成した。
【0285】実施例1で用いたHBs抗原検出用試薬を
測定試薬3として用い、実施例18と同様に、第2の管
状容器42の外面に接着した。上記測定試薬3が接着さ
れた第2の管状容器42を管状容器2内に挿入した後、
臭化ブチルゴムよりなる栓体を、溝46cと溝42aと
が上下方向に一致しない位置となるように配置し、真空
打栓機(共和真空社製、商品名:VS−150A)を用
い、0.9気圧で打栓し、血液を1ml真空採血し得る
ように構成した。
【0286】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、真空
採血し、第2の管状容器42内に導いた。10分間放置
後、遠心分離器(国産遠心器社製、商品名:H−20)
を用い、3000r.p.m.で10分間遠心した。し
かる後、血液検査用容器45を上下転倒し、さらに栓体
46を回転させ、溝46cを溝42aと対向させ、流路
を確保した。その結果、分離された血清が、第2の管状
容器42と管状容器2との間の空隙Xに導かれた。30
分間放置後、測定試薬3を観察したところ、A氏、B氏
及びC氏のいずれにおいても、HBs抗原陰性である結
果が得られた。
【0287】(実施例22)実施例20で用意した管状
容器2及び第2の管状容器42を用意した。また、第2
の管状容器42の外周面に、実施例20と同様にしてH
Bs抗原検出用試薬を測定試薬3として接着した。
【0288】しかる後、測定試薬3が接着された第2の
管状容器42を管状容器2内に挿入し、別途用意した血
清分離剤入り真空採血管(積水化学社製、商品名:イン
セパック)から血清分離剤のみを0.2g取り出し、該
血清分離剤0.2gを第2の管状容器42の外周面にお
いて周方向に沿って塗布し、第2の管状容器42と管状
容器2との間の空隙Xをシールした。
【0289】さらに、実施例20と同様にして、臭化ブ
チル製ゴム栓よりなる栓体5を用い、血液を1ml真空
採血し得るように構成し、血液検査用容器43を作製し
た。被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法に従って
真空採血し、第2の管状容器42内に採取した。10分
間放置後、遠心分離器(国産遠心器社製、商品名:H−
20)を用い、3000r.p.m.で10分間遠心し
た。しかる後、血液検査用容器全体を上下転倒させ、分
離された血清を内側の第2の管状容器と外側の管状容器
との間に導き、30分間放置し、測定試薬3と接触させ
た。しかる後、測定試薬3を観察したところ、A氏、B
氏及びC氏のいずれにおいても、HBs抗原陰性である
結果が得られた。
【0290】(実施例23)管状容器2及び第2の管状
容器42として、実施例19と同じものを用い、かつ実
施例19と同様にして、HBs抗原検出用試薬を測定試
薬3として第2の管状容器42の外周面に接着した。
【0291】しかる後、第2の管状容器42の上端開口
を、パラフィルムからなる高分子フィルム52でシール
し、管状容器42を管状容器2内に挿入した。また、実
施例19と同様にして、臭化ブチル製ゴム栓を配置し、
真空打栓機を用いて打栓し、血液を1ml真空採血し得
るように構成し、血液検査用容器51を得た。
【0292】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法
に従って真空採血し、第2の管状容器42内に採取し
た。10分間放置後、遠心分離器(国産遠心器社製、商
品名:H−20)を用い、3000r.p.m.で10
分間遠心した。しかる後、血液検査用容器全体を上下転
倒させ、分離された血清を内側の第2の管状容器と外側
の管状容器との間に導き、30分間放置し、測定試薬3
と接触させた。しかる後、測定試薬3を観察したとこ
ろ、A氏、B氏及びC氏のいずれにおいても、HBs抗
原陰性である結果が得られた。
【0293】(実施例24)パラフィルムに代えて、フ
ィルム状ジイコサンからなる高分子フィルム52を用い
たことを除いては、実施例23と同様にして血液を1m
l真空採血し得るように構成された血液検査用容器51
を得た。
【0294】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を上記の
ようにして用意した血液検査用容器の第2の管状容器4
2内に真空採血により採取し、10分間放置後、実施例
19と同様にして遠心分離した。次に、血液検査用容器
43を上下転倒し、予め50℃に設定された恒温槽(小
松電子社製、商品名:CTE24−A)の浴槽内に入
れ、30分間放置した。次に、測定試薬3を観察したと
ころ、A氏、B氏及びC氏のいずれにおいてもHBs抗
原陰性である結果が得られた。
【0295】(実施例25)以下の要領で、図37に示
した血液検査用容器61を作製した。管状容器2につい
ては、実施例1と同じものを用いた。
【0296】また、第2の管状容器62としては、採血
量2.5mLのシリンジ(テルモ社製)の先端に、ミリ
ポア社製、サンプレップフィルタ(品番:MILLEX
−LH、ポアサイズ0.5μm)を取り付け、上記シリ
ンジの上部(すなわちピストン挿入口)から、粒径8μ
mのポリスチレンゲル(積水化学社製、商品名:MIC
RONEX)を0.4g入れ、さらに、該シリンジ内
に、ポリプロピレン製1.5mL小型サンプルカップ
(エッペンドルフ社製)を上記ゲルの中央に埋め込み、
トラップ部62a及び上記ゲルからなる血球分離層62
bを構成した。
【0297】次に、測定試薬3として、実施例1で用い
たHBs抗原検出用試薬を用い、実施例1と同様にして
管状容器2の内面に接着した。しかる後、上記のように
して用意された第2の管状容器62を瞬間接着剤(東亜
合成社製、商品名:アロンアルファ)を用い、栓体5の
内側に接着し、さらに第2の管状容器62を管状容器2
内に挿入し、管状容器2に栓をした。
【0298】被験者A氏、B氏、C氏の血液を注射器で
採血し、その血液をそれぞれ1ml本品に分注し、遠心
分離器(国産遠心器社製、商品名:H−20)を用いて
3000r.p.m.で10分間遠心分離を行った。遠
心後10分間放置し、その後、管壁の試薬を観察した結
果、それぞれ陰性の結果が得られた。
【0299】(実施例26)実施例25と同様にして血
液検査用容器61を作製した。但し、栓体5を第2の管
状容器62の上部に配置した後、真空打栓機(共和真空
社製、商品名:VS−150A)を用い0.85気圧で
栓体5を打栓し、血液が1ml真空採血し得るように構
成した。
【0300】被験者A氏、B氏、C氏の血液を本製品で
採血し、遠心分離器(国産遠心器社製、商品名:H−2
0)を用い3000r.p.m.で10分間遠心分離を
行った。その後、遠心後10分間放置し、管壁の試薬を
観察した結果、3人とも陰性の結果が得られた。
【0301】(実施例27)図39に示した血液検査用
容器71を以下の要領で作製した。管状容器2について
は、実施例1と同じものを用いた。
【0302】上記管状容器2については、ゴム栓を取り
外し、管内を常圧としておいた。第2の管状容器72に
ついては、直径6mm、長さ60mmのポリプロピレン
製チューブ(チューブ内壁面に血液凝固促進剤塗布済)
を用いた。
【0303】ミリポア社製、フィルタ(品番:MILL
EX−SV、孔径5μm)を直径10mmに切断し、第
2の管状容器72の下端開口に粘着テープを用いて固定
した。このようにして、第2の管状容器72の下端に上
記フィルタよりなる底部材72bを固定した。
【0304】次に、第2の管状容器72内に、粒径8μ
mのポリスチレン製ゲル(積水化学社製、商品名:MI
CRONEX)0.2gを入れ、親水性微粒子層73を
形成した。
【0305】しかる後、実施例1と同様にして、HBs
抗原検出用試薬を測定試薬3として用い、管状容器2の
内面に接着した。次に、第2の管状容器72を瞬間接着
剤(東亜合成社製、商品名:アロンアルファ)を用い、
栓体5の内面に接着した後、管状容器2内に挿入し、栓
をした。
【0306】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法
に従って真空採血し、第2の管状容器72内に採取し
た。10分間放置後、遠心分離器(国産遠心器社製、商
品名:H−20)を用い、3000r.p.m.で10
分間遠心した。しかる後、血液検査用容器全体を上下転
倒させ、分離された血清を内側の第2の管状容器と外側
の管状容器との間に導き、30分間放置し、測定試薬3
と接触させた。しかる後、測定試薬3を観察したとこ
ろ、A氏、B氏及びC氏のいずれにおいても、HBs抗
原陰性である結果が得られた。
【0307】(実施例28)実施例27と同様にして、
但し、真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS−15
0A)を用い、0.85気圧で栓体5を打栓し、血液が
1ml真空採血し得るように、血液検査用容器71(図
39)を作製した。
【0308】上記血液検査用容器を用い、A氏〜C氏の
血液をそれぞれ採血し、実施例27と同様にして評価し
た。その結果、A氏〜C氏の血液試料のいずれにおいて
も、HBs抗原陰性であり、HBs抗体陰性であること
が確かめられた。
【0309】(実施例29)この実施例は、検体として
全血を用いた例である。図4に示した血液検査用容器4
を作製した。血液凝固阻止剤入り真空採血管(積水化学
社製、真空採血管、商品名:インセパック、直径15m
m、長さ100mm、ポリエチレンテレフタレート製、
管内壁面に血液凝固促進剤塗布せず)を用意した。この
真空採血管のゴム栓を取り外し、管内を常圧とし、管状
容器2とした。
【0310】次に、測定試薬3として、クイックチェイ
サーHBsAg(ミズホメディー社製、HBs抗原検出
用試薬、長さ約6cm)1回分を取出し、粘着テープを
用い、上端が管底部2bから8cmの高さに位置するよ
うに接着し、固定した。
【0311】次いで、真空打栓機VS−150A(共和
真空社製)を用い0.26気圧でゴム栓5を打栓し、血
液を7ml真空採血し得るように構成し、図4に示した
栓体5付きの血液検査用容器4を得た。
【0312】上記血液検査用容器4を用い、A氏〜C氏
の血液をそれぞれ採取し、10分間放置し、測定試薬3
を観察したところ、A氏〜C氏のいずれの血液試料につ
いても、HBs抗原陰性である結果が得られた。
【0313】(実施例30)図40に示した血液検査用
容器41Bを以下の要領で作製した。管状容器2につい
ては、実施例1と同じもの(但し、管内壁面に血液凝固
促進剤を塗布せず)を用い、測定試薬3bとして、0.
04重量%ブロムチモールブルー指示薬溶液(和光純薬
社製)を1ml入れた。
【0314】第2の管状容器42については、血漿分離
剤入り真空採血管(積水化学社製、直径12mm、長さ
95mm、管内壁面に血液凝固促進剤を塗布せず)を用
い、この真空採血管のゴム栓を取り外し、管内を常圧と
し、管状容器42とした。次いで、上記測定試薬3bが
収容された管状容器2内に、第2の管状容器42を挿入
し、臭化ブチルゴムよりなる栓体5を外側の管状容器2
上に載置し、真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS
−150A)を用い、0.26気圧で打栓し、血液を7
ml真空採血し得るように構成し、図40に示した栓体
5付きの血液検査用容器41Bを得た。
【0315】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法
に従って真空採血し、第2の管状容器42内に採取し
た。しかる後、遠心分離器(国産遠心器社製、商品名:
H−20)を用い、3000r.p.m.で10分間遠
心した。しかる後、血液検査用容器全体を上下転倒さ
せ、分離された血漿を内側の第2の管状容器と外側の管
状容器との間に導き、30分間放置し、測定試薬と接触
させた。しかる後、測定試薬を観察したところ、A氏、
B氏及びC氏のいずれにおいても、ブロムチモールブル
ー指示薬溶液は緑色になり中性であることが確認され
た。
【0316】(実施例31)図41に示した血液検査用
容器41Cを以下の要領で作製した。管状容器2につい
ては、実施例1と同じもの(但し、管内壁面に血液凝固
促進剤を塗布せず)を用い、測定試薬3cとして、ブロ
ムチモールブルー指示薬粉末(和光純薬社製)を1mg
入れた。
【0317】第2の管状容器42については、血漿分離
剤入り真空採血管(積水化学社製、直径12mm、長さ
95mm、管内壁面に血液凝固促進剤を塗布せず)を用
い、この真空採血管のゴム栓を取り外し、管内を常圧と
し、管状容器42とした。次いで、上記測定試薬3cが
収容された管状容器2内に、第2の管状容器42を挿入
し、臭化ブチルゴムよりなる栓体5を外側の管状容器2
上に載置し、真空打栓機(共和真空社製、商品名:VS
−150A)を用い、0.26気圧で打栓し、血液を7
ml真空採血し得るように構成し、図41に示した栓体
5付きの血液検査用容器41Cを得た。
【0318】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を、常法
に従って真空採血し、第2の管状容器42内に採取し
た。しかる後、遠心分離器(国産遠心器社製、商品名:
H−20)を用い、3000r.p.m.で10分間遠
心した。しかる後、血液検査用容器全体を上下転倒さ
せ、分離された血漿を内側の第2の管状容器と外側の管
状容器との間に導き、30分間放置し、測定試薬と接触
させた。しかる後、測定試薬を観察したところ、A氏、
B氏及びC氏のいずれにおいても、ブロムチモールブル
ー指示薬は緑色になり中性であることが確認された。
【0319】(実施例32)図52(a)に示した血液
検査用容器90Aを作製した。血液検査用容器90A
は、以下に示した相違点以外は、図46に示した血液検
査用容器90と同様である。
【0320】相違点:血液検査用容器90では、チュー
ブ91が蓋体92の底面部に接着剤で固定されている
が、血液検査用容器90Aでは、チューブ91がゴムか
らなる栓体5に接着され、該栓体5が管状容器2に取り
付けられている。
【0321】まず、血漿分離剤入り真空採血管(積水化
学社製、真空採血管、商品名:インセパック、直径10
mm、長さ75mm、ポリエチレンテレフタレート製)
を用意した。この真空採血管のゴム栓を取り外し、管内
を常圧とし、管状容器2とした。
【0322】管状容器2の上端開口の周縁の一部から側
壁にかけて、幅3mm、長さ30mmの短冊状の切り込
み2f、2fを向かい合うように一対設けた。該切り込
み2fの2辺を形成する側壁2g、2h(側壁2g、2
hについては図43参照)を外翼83aと内翼83bと
で挟みこむようにして、スライドスイッチ83(ポリエ
チレン製。外翼83aおよび内翼83bは、共に幅5m
m、高さ10mm)を取り付けた。スライドスイッチ8
3は、上記一対の切り込み2f、2fの両方に取り付け
られた。
【0323】スライドスイッチ83の接合体83cの先
端には、予め、測定試薬3として、クイックチェイサー
HBsAg(ミズホメディー社製、HBs抗原検出用試
薬、幅5mm、長さ40mm)の1回分を、粘着テープ
を用いて、スライドスイッチ83が管状容器2に取り付
けられ且つその最上部に位置される時に測定試薬3の上
端が管状容器2の管底から60mmの位置になるよう
に、スライドスイッチ83の接合体83cの先端部に吊
りさげておいた。
【0324】なお、上記のHBs抗原検出用試薬(クイ
ックチェイサーHBsAg)は、サンドイッチ法を原理
としたイムノクロマトグラフィー・アッセイ試薬であ
る。血液試料がこの試薬下部に接触すると、毛細管現象
により血液試料が試薬上を移動し、移動した血液試料中
のHBs抗原は、事前に試薬に塗布されている抗HBs
マウスモノクローナル抗体結合金コロイド粒子と反応
し、HBs抗原−抗体−金コロイド複合体を形成する。
この複合体は、試薬のメンブランフィルター上をさらに
移動し、抗HBsマウスモノクローナル抗体固相部にお
いて結合捕捉される。その結果、HBs抗原陽性の場合
には、固相部分には金コロイド由来の赤紫色ラインが出
現し、陰性の場合は出現しない。すなわち、目視によ
り、HBs抗原陽性であるか陰性であるかを判定するこ
とができる。
【0325】上記管状容器2の上端開口に嵌合する栓体
5(すなわち、真空採血管、商品名:インセパックに使
用されていたゴム栓)の底面部に、直径6mm、長さ6
0mmのポリプロピレン製のチューブ91の上端を接着
剤(東亜合成社製、商品名:アロンアルファ)で接着し
た。このチューブ91が接着された栓体5を、上記のス
ライドスイッチ83が取り付けられた管状容器2の上端
開口に嵌合して血液検査用容器90Aを製造した。
【0326】被験者A氏、B氏、及びC氏の血液を注射
器で採血し、その採血針を、上記で得られた血液検査用
容器の栓体5を突き通して、血液検査用容器に血液6を
1ml採取し(図52(a)参照)、遠心分離器(国産
遠心器社製、商品名:H−20)を用い、3000r.
p.m.で10分間遠心分離した。その結果、血漿6A
と血球6Bとに分離した。
【0327】遠心後、スライドスイッチ83を下方に押
し下げ、測定試薬3の一部を血漿6Aに接触させた(図
52(b)参照)。10分間放置し、しかる後、測定試
薬3を観察したところ、A氏、B氏及びC氏の何れにお
いても、HBs抗原陰性である結果が得られた。
【0328】(実施例33)図51に示した血液検査用
容器100を作製した。すなわち、実施例32で用いた
と同様の真空採血管のゴム栓を取り外し、管状容器2と
した。実施例32と同様にして管状容器2に、測定試薬
3が取り付けられたスライドスイッチ83を取り付け
た。ただし、一対の切り込み2f、2fの一方の側に取
り付けられたスライドスイッチ83には、実施例32と
同様の測定試薬(クイックチェイサーHBsAg)3が
取り付けられたが、他方の側に取り付けられたスライド
スイッチ83には、クイックチェイサーHBsAgの代
わりに、HBs抗体検出用試薬(ダイナボット社製、商
品名:ダイナスクリーン・オーサブ)が、クイックチェ
イサーHBsAgの場合と同様にして測定試薬3として
取り付けられた。
【0329】次に、上記管状容器2の上端開口に嵌合可
能であると共に、溝102cが設けられている栓体10
2の底面部に、実施例32と同様のチューブ91の上端
を接着した。このチューブ91が接着された栓体102
を、上記のスライドスイッチ83が取り付けられた管状
容器2の上端開口に嵌合した。
【0330】次いで、直径13mm、長さ100mmの
ポリエチレンテレフタレート製の有底の管状容器101
を、上記管状容器2の外側から軽く被せた後、真空打栓
機VS−150A(共和真空社製)を用い0.85気圧
の状態で管状容器の上端開口周縁部を栓体102の溝1
02cに打栓し、血液を1ml真空採血し得るように構
成し、図に示した血液検査用容器を作製した。
【0331】上記の血液検査用容器をマルチプル採血針
が取り付けられた真空採血用ホルダーにセットし、マル
チプル採血針を被験者の血管に刺通し、該採血針の他端
を栓体102に刺通して行う常法の真空採血法により、
被験者A氏、B氏、及びC氏より、血液検査用容器に血
液を1ml採血し、遠心分離器(国産遠心器社製、商品
名:H−20)を用い、3000r.p.m.で10分
間遠心分離した。その結果、血漿6Aと血球6Bとに分
離した。
【0332】遠心後、外側の管状容器を取り外した後、
スライドスイッチ83を下方に押し下げ、測定試薬3の
一部を血漿6Aに接触させた(図51(b)参照)。1
0分間放置し、しかる後、測定試薬3を観察したとこ
ろ、A氏、B氏及びC氏の何れにおいても、HBs抗原
陰性およびHBs抗体陰性である結果が得られた。
【0333】(実施例34)図53に示した血液検査用
容器111を作製した。直径15.5mm、長さ100
mmのポリエチレンテレフタレート製管状容器2(積水
化学社製、商品名:セパラピットチューブ)と、直径6
mm×長さ85mmのポリエチレンテレフタレート製の
第2の管状容器112(積水化学社製、商品名:セパラ
ピットチューブ)を用意した。上記管状容器2及び第2
の管状容器112の内部を精製水を用いて洗浄した。
【0334】次に、第2の管状容器112の底部に直径
3mmの孔112aを形成した。他方、血液検査用測定
試薬3として、品名:クイックチェイサーHBsAg
(ミズホメディー社製、HBs抗原検出試薬、長さ6c
m)を粘着テープを用い、第2の管状容器の外壁に接着
した。この場合、血液検査用測定試薬3の上端が第2の
管状容器の下端開口から1cmの高さに位置するよう
に、血液検査用測定試薬を固定した。
【0335】上記第2の管状容器112の内部に抗凝固
剤としてEDTA5mgを投入した。次に、第2の管状
容器を管状容器2の内部に入れ、栓体5により閉成し
た。
【0336】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を注射器
で採血し、採血した血液を、それぞれ、本実施例の血液
検査用容器に2ml分注した。40分間放置した後、血
液検査用測定試薬3を観察したところ、A氏、B氏及び
C氏のいずれの血液の場合においても、HBs抗原陰性
である結果が得られた。
【0337】(実施例35)図53に示した血液検査用
容器111を作製した。直径15.5mm、長さ100
mmのポリエチレンテレフタレート製管状容器2(積水
化学社製、商品名:セパラピットチューブ)と、直径6
mm×長さ85mmのポリエチレンテレフタレート製の
第2の管状容器112(積水化学社製、商品名:セパラ
ピットチューブ)を用意した。上記管状容器2及び第2
の管状容器112の内部を精製水を用いて洗浄した。
【0338】次に、第2の管状容器112の底部に直径
3mmの孔112aを形成した。他方、血液検査用測定
試薬として、品名:クイックチェイサーHBsAg(ミ
ズホメディー社製、HBs抗原検出試薬、長さ6cm)
を粘着テープを用い、第2の管状容器112の外壁に接
着した。この場合、血液検査用測定試薬3の上端が第2
の管状容器112の下端開口から1cmの高さに位置す
るように、血液検査用測定試薬を固定した。
【0339】上記第2の管状容器112の内部に抗凝固
剤としてEDTA2mgを投入した。上記のようにして
加工された第2の管状容器112を管状容器2の内部に
入れ、真空打栓機VS−150A(共和真空社製)を用
い、0.56気圧で栓体5を打栓し、血液2mlを真空
採血し得るように構成し、本実施例の血液検査用容器を
得た。
【0340】被験者A氏、B氏及びC氏の血液をそれぞ
れ、上記血液検査用容器を用いて真空採血し、40分間
放置した。しかる後、血液検査用測定試薬3を観察した
ところ、A氏、B氏及びC氏のいずれの血液において
も、HBs抗原陰性であった。
【0341】(実施例36)図54に示した血液検査用
容器121を作製した。直径15.5mm、長さ100
mmのポリエチレンテレフタレート製管状容器2(積水
化学社製、商品名:セパラピットチューブ)と、直径6
mm×長さ85mmのポリエチレンテレフタレート製の
第2の管状容器112(積水化学社製、商品名:セパラ
ピットチューブ)を用意した。上記管状容器2及び第2
の管状容器112の内部を精製水を用いて洗浄した。
【0342】次に、第2の管状容器112の底部に直径
3mmの孔112aを形成した。この孔112aを覆う
ように、直径6mmの円板状の水溶性フィルム(プルラ
ン)からなる水溶性蓋材を瞬間接着剤(東亜合成社製、
商品名:アロンアルファ)を用いて接着し、孔5aをシ
ールした。
【0343】他方、血液検査用測定試薬3として、品
名:クイックチェイサーHBsAg(ミズホメディー社
製、HBs抗原検出試薬、長さ6cm)を粘着テープを
用い、第2の管状容器112の外壁に接着した。この場
合、血液検査用測定試薬3の上端が第2の管状容器11
2の下端開口から1cmの高さに位置するように、血液
検査用測定試薬を固定した。
【0344】上記第2の管状容器112の内部に抗凝固
剤としてEDTA5mgを投入した。次に、第2の管状
容器112を管状容器2の内部に入れ、栓体5により閉
成した。
【0345】被験者A氏、B氏及びC氏の血液を注射器
で採血し、採血した血液を、それぞれ、本実施例の血液
検査用容器に2ml分注した。40分間放置した後、血
液検査用測定試薬3を観察したところ、A氏、B氏及び
C氏のいずれの血液の場合においても、HBs抗原陰性
である結果が得られた。
【0346】(実施例37)図54に示した血液検査用
容器121を作製した。直径15.5mm、長さ100
mmのポリエチレンテレフタレート製管状容器2(積水
化学社製、商品名:セパラピットチューブ)と、直径6
mm×長さ85mmのポリエチレンテレフタレート製の
第2の管状容器112(積水化学社製、商品名:セパラ
ピットチューブ)を用意した。上記管状容器2及び第2
の管状容器112の内部を精製水を用いて洗浄した。
【0347】次に、第2の管状容器112の底部に直径
3mmの孔112aを形成した。この孔112aを覆う
ように、直径6mmの円板状の水溶性フィルム(プルラ
ン)からなる水溶性蓋材を瞬間接着剤(東亜合成社製、
商品名:アロンアルファ)を用いて接着し、孔5aをシ
ールした。
【0348】他方、血液検査用測定試薬として、品名:
クイックチェイサーHBsAg(ミズホメディー社製、
HBs抗原検出試薬、長さ6cm)を粘着テープを用
い、第2の管状容器112の外壁に接着した。この場
合、血液検査用測定試薬3の上端が第2の管状容器11
2の下端開口から1cmの高さに位置するように、血液
検査用測定試薬を固定した。
【0349】上記第2の管状容器112の内部に抗凝固
剤としてEDTA2mgを投入した。上記のようにして
加工された第2の管状容器112を管状容器2の内部に
入れ、真空打栓機VS−150A(共和真空社製)を用
い、0.56気圧で栓体5を打栓し、血液2mlを真空
採血し得るように構成し、本実施例の血液検査用容器を
得た。
【0350】被験者A氏、B氏及びC氏の血液をそれぞ
れ、上記血液検査用容器を用いて真空採血し、40分間
放置した。しかる後、血液検査用測定試薬3を観察した
ところ、A氏、B氏及びC氏のいずれの血液において
も、HBs抗原が陰性であった。
【0351】(実施例38)第2の管状容器112の孔
112aを閉成するのに、水溶性蓋材に代えて、直径4
mmのステンレスプレートからなる蓋材122を孔11
2aの内面側に当接させ、孔112aを閉成した。その
他の点については、実施例36と同様とした。
【0352】第2の管状容器112の内部に抗凝固剤と
して、EDTAを2mg投入し、以下、実施例36と同
様にして、A氏、B氏及びC氏の血液を分注した。しか
る後、血液検査用容器の外部から磁石を用いて、ステン
レスプレートからなる蓋材122をずらし、貫通孔11
2aを開口し、管状容器2と第2の管状容器112との
隙間に血液を導き、血液検査用測定試薬3と接触させ
た。40分間放置した後、血液検査用測定試薬3を観察
したところ、A氏、B氏及びC氏の血液のいずれにおい
ても、HBs抗原陰性であった。
【0353】(実施例39)実施例38と同様にして図
54に示した血液検査用容器121を作製した。もっと
も、上記第2の管状容器112を管状容器2の内部に入
れた後、真空打栓機VS−150A(共和真空社製)を
用い、0.56気圧でゴム栓を打栓し、血液2mlを採
血し得るように構成した。
【0354】しかる後、外部から磁石を用いて蓋材12
2をずらし、第2の管状容器112内の血液を、管状容
器2と第2の管状容器112との隙間に導き、血液検査
用測定試薬3と接触させた。
【0355】(実施例40)図55に示した血液検査用
容器131を作製した。直径15.5mm、長さ100
mmのポリエチレンテレフタレート製管状容器2(積水
化学社製、商品名:セパラピットチューブ)を用意し
た。上記管状容器2の内部を精製水を用いて洗浄した。
【0356】他方、血液検査用測定試薬3として、品
名:クイックチェイサーHBsAg(ミズホメディー社
製、HBs抗原検出試薬、長さ6cm)1回分を取り出
し、粘着テープを用い、管状容器2の内壁に接着した。
この場合、血液検査用測定試薬3の上端が第2の管状容
器3の下端開口から1cmの高さに位置するように、血
液検査用測定試薬3を固定した。さらに、上記血液検査
用測定試薬3の下端の1cmの長さ部分のみが露出する
ように、上記血液検査用測定試薬3の残りの部分をポリ
エチレンテレフタレート製膜(幅3cm×横6cm)か
らなる保護層により被覆した。この保護層による被覆に
際しては、粘着テープを用いて保護層132を血液検査
用測定試薬3の表面に貼付した。
【0357】上記管状容器131の内部に抗凝固剤とし
てEDTA5mgを投入した。次に、管状容器2を栓体
5により閉成した。被験者A氏、B氏及びC氏の血液を
注射器で採血し、採血した血液を、それぞれ、本実施例
の血液検査用容器に2ml分注した。40分間放置した
後、血液検査用測定試薬3を観察したところ、A氏、B
氏及びC氏のいずれの血液の場合においても、HBs抗
原陰性である結果が得られた。
【0358】(実施例41)実施例40と同様にして図
55に示した血液検査用容器131を作製した。もっと
も、真空打栓機VS−150A(共和真空社製)を用
い、0.56気圧で栓体5を打栓し、血液2mlを真空
採血し得るように構成した。
【0359】被験者A氏、B氏及びC氏の血液をそれぞ
れ、上記血液検査用容器を用いて真空採血し、40分間
放置した。しかる後、血液検査用測定試薬5を観察した
ところ、A氏、B氏及びC氏のいずれの血液において
も、HBs抗原が陰性であった。
【0360】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る血液検査用
容器では、有底の管状容器内において血液検査用測定試
薬が固定されているので、該血液検査用容器に血液又
は血液成分を導入し、そのまま血液検査用測定試薬と接
触させることができ、或いは、該血液検査用容器に血
液を導入し、遠心分離することにより、血清または血漿
などの血液成分を血液検査用測定試薬と接触させること
ができ、直ちに血液検査結果を得ることができる。すな
わち、従来の血液検査方法では、採血後、血液を遠心分
離し、血清または血漿を得た後、これをスポイドで採取
し、試薬上に滴下するという煩雑な作業が強いられ、か
つ検査従事者が血液に接触するおそれがあったのに対
し、請求項1に記載の発明に係る血液検査用容器を用い
ることにより、血液検査工程を簡略化し得るだけでな
く、検査従事者が血液と接触するおそれがほとんどな
い。従って、効率よくかつ安全に血液検査を行うことが
可能となる。
【0361】請求項2に記載の発明では、管状容器に導
入された血液と測定試薬との接触を防止し、かつ遠心す
ることにより血液成分と測定試薬との接触を達成し得る
接触制御構造がさらに備えられているので、効率よくか
つ安全に検査を行い得るだけでなく、血清もしくは血漿
のみをより確実に測定試薬に接触させ得るので、より正
確に血液検査を行うことが可能となる。
【0362】請求項3に記載の発明では、上記接触制御
構造が、上述した内側容器部及び固形部材とを有するよ
うに構成されているため、遠心前には固形部材により導
入された血液が内側容器部内に貯留され、測定試薬と接
触されず、遠心により固形部材が落下し、血清もしくは
血漿が管状容器の内面及び/または内側容器部の外面に
固定された測定試薬と確実に接触され得る。
【0363】請求項4に記載の発明では、接触制御構造
が、管状容器内に配置された管状体と、上記リング状部
材とを有するように構成されているので、血液を導入し
た段階では、リング状部材により血液の測定試薬側への
移動が抑制され、遠心により血液が管状体から管状容器
側へ移動し、それに伴ってリング状部材が押し上げら
れ、血清もしくは血漿が測定試薬に確実に接触されるこ
とになる。
【0364】請求項5に記載の発明では、上記接触制御
構造は、管状容器内に配置されており、かつ下端が管状
容器の内底面に接触された管状体と、管状体を管状容器
の内底面に接触させて管状体内に導入された血液の管状
体外への漏洩を抑制する圧接手段とが備えられているの
で、管状体内に血液を導入した場合、血液の管状容器側
への漏洩が抑制される。遠心により、管状体内の血液が
管状容器側に漏洩するが、遠心分離により血清もしくは
血漿と固形分とに分離されることになり、血清もしくは
血漿が測定試薬に確実に接触され得る。
【0365】請求項6に記載の発明では、上記接触制御
構造が、管状容器の内側面に固定された管状体と、上記
管状体内に配置された測定試薬と、管状体内に固定され
た測定試薬と、測定試薬よりも下方において遠心により
落下され得る固形部材とを有するので、管状容器内に血
液を導入した段階では、血液が管状体内に進入しない。
遠心すると、固形部材が落下し、他方、血液が血清もく
しは血漿と固形分とに分離される。従って、血清もしく
は血漿が管状体内に容易に入り込むことができ、測定試
薬と接触される。
【0366】また、請求項7に記載の発明では、請求項
4に記載の発明に係る血液検査用容器において、リング
状部材がパラフィンを介して管状体の外周面と管状容器
の内周面に取り付けられているため、遠心分離後に加温
することによりパラフィンが溶解する。従って、リング
状部材が血清もしくは血漿の移動を抑制し得なくなるた
め、血清もしくは血漿がリング状部材を押し上げ、測定
試薬に確実に接触される。
【0367】請求項8に記載の発明に係る血液検査用容
器では、血液検査用測定試薬が固定されている部分を含
む、上記管状容器と第2の管状容器との間の空隙が、チ
クソトロピー性を有し、かつ粘度が25℃で5000〜
500000センチポイズの物質よりなるシール材で封
止されているので、血液試料を第2の管状容器内に導い
た後、遠心分離することにより、チクソトロピー性を有
する上記シール材が管状容器内の底部に移動する。従っ
て、上記空隙の封止が解除される。従って、血液検査用
容器全体を上下転倒することにより、分離された血清も
しくは血漿が上記空隙に進入し、血液検査用測定試薬と
確実に接触される。
【0368】従って、請求項3〜8に記載の各発明によ
れば、上記接触制御構造により、導入された血液と測定
試薬との初期状態における接触を確実に抑制することが
できるとともに、遠心により血清もしくは血漿を得た後
には、血清もしくは血漿のみを測定試薬に確実に接触さ
せることができ、高精度に血液検査を行うことが可能と
なる。
【0369】請求項9に記載の発明では、上記接触制御
構造が、管状容器内に配置されており、かつ柔軟性を有
する樹脂からなる内管を有し、内管の外周面が管状容器
の内面に密着されておりかつ内管の一端側において内管
の外径が管状容器の内径よりも小さくされて内管の外周
面が管状容器の内面から隔てられているため、遠心前に
は、上記内管の外周面と管状容器の内面とが密着されて
いる部分により血液と血液検査用測定試薬との接触が確
実に防止される。また、遠心することにより、連通部材
が移動されて、内管の外周面と管状容器の内面との密着
部分の密着が解かれ、血清もしくは血漿が血液検査用測
定試薬と確実に接触され得る。
【0370】請求項10に記載の発明では、上記内管の
上端及び下端が開口されており、内管の上端開口部の外
径が管状容器の内径よりも小さくされているので、内管
内に導かれた血液が内管の下端開口から下方に流入し、
管状容器の底部側に収納される。従って、遠心分離した
場合、連通部材が下方側に移動し、内管の外周面と管状
容器の内面とが密着されている部分の密着が解かれ、分
離された血清もしくは血漿が血液検査用測定試薬と確実
に接触され得る。
【0371】請求項11に記載の発明では、内管が有底
であり、内管の底部近傍において内管の外周面が管状容
器の内径よりも小さくされ、それによって内管の外周面
と管状容器の内面とが隔てられている。また、内管の上
方部分では、内管の外周面が管状容器の内面に密着され
ているので、血液検査用測定試薬と内管に導入された血
液との接触が防止される。また、上記血液検査用容器を
上下逆転し、遠心分離することにより、連通部材が管状
容器の底部とは反対側に移動し、それによって内管の外
周面と管状容器の内面とが密着している部分の密着状態
が解かれ、分離された血清もしくは血漿が血液検査用測
定試薬と確実に接触される。
【0372】請求項12に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器が管状容器内に配置されてお
り、管状容器の内面及び/または第2の管状容器の外面
に血液検査用測定試薬が固定されているので、例えば栓
体により開口部を閉成し、転倒させた場合、血液試料が
第2の管状容器内から第2の管状容器と第1の管状容器
との間の空隙に移動し、血液と測定試薬とが接触され
る。
【0373】請求項13に記載の発明では、接触制御構
造が、管状容器内に配置された第2の管状容器を有し、
第2の管状容器の底部に直径0.1〜10μmの複数の
貫通孔を有するので、第2の管状容器内に血液を導入し
た場合、血液が第2の管状容器から管状容器側へ漏洩し
難いため、遠心前に血液が試薬と接触することがない。
遠心により、血清もしくは血漿が第2の管状容器から複
数の貫通孔を通り管状容器側へ漏洩し、血餅が第2の管
状容器内に貯留されることになる。そのため、遠心後に
は、血清もしくは血漿を測定試薬に確実に接触させるこ
とができる。
【0374】請求項14に記載の発明では、接触制御構
造が、上記第2の管状容器を有し、第2の管状容器の底
部に直径10〜400μmの複数の貫通孔が形成されて
いるので、血液を第2の管状容器内に導入した場合、直
ちには血液が管状容器側へ流下しない。従って、遠心前
の血液と測定試薬の接触を抑制することができ、遠心に
より血液が第2の管状容器から管状容器側に流下する
が、血清もしくは血漿と固形分とに分離されることにな
る。従って、遠心により血清もしくは血漿を測定試薬に
接触させることができる。
【0375】また、請求項15,16に記載の発明に係
る各血液検査用容器では、血液検査用測定試薬が固定さ
れている部分を含む、管状容器と第2の管状容器との間
の空隙が、水溶性物質または融点が40℃以上の物質か
らなるシール材により封止されている。従って、血液を
血液検査用容器内に導くに際し、誤って、血液試料が管
状容器と第2の管状容器との間の上記空隙に一気に流入
することを防止することができ、かつ血液試料を第2の
管状容器内に導入した後には、血液検査用容器全体を上
下転倒させ、請求項12に記載の発明では、放置するだ
けで、請求項13に記載の発明では、40℃以上に加温
することにより、血液試料が空隙内に導かれ、血液検査
用測定試薬と接触される。
【0376】請求項17に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器内に血液を導入した後、血液
検査用容器全体を上下転倒させ、しかる後、第1の栓体
部に設けられた溝と、第2の管状容器の内面に設けられ
た溝とが一致するように栓体を回転させることにより、
血液試料が上記空隙に導かれ、空隙内の血液検査用測定
試薬に接触される。
【0377】請求項18に記載の発明では、第2の管状
容器の開口部が、厚さ100μm以下の高分子フィルム
または金属膜でシールされているので、第2の管状容器
内に血液試料を導くに際し、針や先端が鋭利な切削部を
用いて高分子フィルムや金属膜を部分的に突き破ること
により、血液を第2の管状容器内に確実に導くことがで
き、前述した空隙への血液試料の進入を防止することが
できる。
【0378】しかる後、血液検査用容器を上下転倒し、
血液試料を管状容器と第2の管状容器との間の上記空隙
に進入させることにより、血液検査用測定試薬と確実に
接触させることができる。
【0379】請求項19に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器の開口部が、融点40℃以上
の物質からなる膜でシールされているので、血液を導く
に際し、上記膜を部分的に突き破り、突き破られた部分
に管状体などを用いて血液を導入することができる。従
って、管状容器と第2の管状容器との間の上記空隙への
血液試料の進入を防止することができる。しかる後、血
液検査用容器を上下転倒し、40℃以上に加温すること
により、上記膜が溶解され、血液試料が、上記空隙に速
やかに導かれ、血液検査用測定試薬と確実に接触され
る。
【0380】また、請求項20に記載の発明に係る血液
検査用容器では、第2の管状容器内に、血清もしくは血
漿分離剤が配置されているので、遠心により血液から血
清もしくは血漿を確実に分離することができ、血清もし
くは血漿を血液測定用試薬と確実に接触させて反応させ
ることができる。
【0381】請求項21に記載の発明に係る血液検査用
容器においては、第2の管状容器に赤血球をトラップす
るためのトラップ部が形成されており、トラップ部の周
囲に直径0.1〜20μmの貫通孔が複数形成された血
球分離部が設けられているので、第2の管状容器内に血
液を導いた後、遠心分離することにより、血清もしくは
血漿が上記貫通孔からトラップ部外に流出するが、赤血
球は流出せず、かつ比重が重いため、該トラップ部内に
貯留される。その結果、血清または血漿が、トラップ部
から第2の管状容器と管状容器との間の上記空隙に流出
し、血液検査用測定試薬に確実に接触される。
【0382】請求項22に記載の発明に係る血液検査用
容器では、第2の管状容器の底部に複数の貫通孔が形成
されており、該貫通孔が形成されている部分の上部に直
径0.1〜200μmの親水性微粒子からなる層が配置
されているので、血液試料を第2の管状容器内に導き、
遠心分離した場合、血清もしくは血漿が、第2の管状容
器と外側の管状容器との間に流出する。他方、血球は上
記親水性微粒子層が設けられている部分の上方に留めら
れる。従って、血清もしくは血漿を血液検査用測定試薬
と確実に接触させることができる。
【0383】また、遠心分離を行わない場合には、血液
検査用容器内を減圧とし、真空採血することにより、減
圧下の吸引力により上記親水性微粒子層が設けられてい
る部分により血清もしくは血漿を濾過することができ、
上記と同様にして血清もしくは血漿を血液検査用測定試
薬と確実に接触させ得る。
【0384】請求項22に記載の発明における上記第2
の管状容器は、請求項23に記載のように、筒状体と複
数の貫通孔を有する底部材を固定することにより、容易
に構成し得る。
【0385】請求項24に記載の発明に係る血液検査用
容器では、請求項12に記載の発明に係る血液検査用容
器において、第2の管状容器の底部に孔が形成されてお
り、該孔を閉成するように水溶性の蓋材が第2の管状容
器の底部に固定されている。よって、第2の管状容器に
血液を導いた当初は、水溶性蓋材により第2の管状容器
の底部の孔が閉成されているので、血液と血液検査用測
定試薬との接触を確実に防止することができる。
【0386】また、経時により、あるいは遠心分離した
後に、血液中の水分、または血清もしくは血漿中の水分
により、水溶性蓋材が溶解され、血液、血清もしくは血
漿が、血液検査用測定試薬と確実に接触される。
【0387】請求項25に記載の発明では、第2の管状
容器の底部の孔が金属もしくは磁石からなる蓋材により
閉成されている。従って、第2の管状容器内に血液を導
いたとしても、血液と血液検査用測定試薬との接触が確
実に防止される。また、磁石または金属を用いて外部か
ら蓋材を移動させることにより、第2の管状容器の底部
の孔を露出させることができる。従って、第2の管状容
器内に導かれた血液、あるいは遠心分離により分離され
た血清もしくは血漿を、第2の管状容器の底部の孔から
第2の管状容器と管状容器との間の空間に流入させるこ
とができ、血液、血清もしくは血漿を血液検査用測定試
薬と確実に接触させることができる。
【0388】請求項26に記載の発明では、血液検査用
測定試薬の一部が露出されており、残りの部分が保護層
により被覆されているので、血液検査用測定試薬の所望
でない膨潤を防止することができる。
【0389】請求項27に記載の発明に係る血液検査用
容器では、管状容器内に血液を導入し、必要に応じて遠
心分離することにより、血清もしくは血漿を分離した
後、スライドスイッチを下方に移動させることにより、
血液検査用測定試薬の一部が血液、血清もしくは血漿に
確実に接触される。従って、遠心分離後、血清または血
漿を検査用カップに分注する作業などを省略することが
でき、検査従事者が血液と接触するおそれを非常に少な
くすることができると共に、血液検査の効率を高め得
る。
【0390】請求項28に記載の発明では、上記スライ
ドスイッチの取り得る最下端位置よりもチューブの下端
が底部側に位置されているので、チューブ内に血液を導
いたとしても、血液が管状容器の側壁に設けられたスラ
イドスイッチ部分に付着し難い。すなわち、例えばスラ
イドスイッチを移動させるための切り込み等を管状容器
に形成している場合であっても、該切り込みから外部へ
の血液の漏洩を確実に防止することができ、安全性を高
め得る。
【0391】請求項29に記載の発明に係る血液検査用
容器では、スライドスイッチが設けられた管状容器全体
を収納する有底の第2の管状容器が設けられており、2
つの管状容器内が減圧されているので、真空採血法によ
り血液を速やかに管状容器内に採取することができる。
また、血液を導入した後、必要に応じて遠心分離するこ
とにより血清もしくは血漿を分離した後、第2の管状容
器を取り外せば、請求項27または28に記載の血液検
査用容器と同様にして測定を行うことができる。
【0392】従って、血液の採取から血液中の各種成分
の測定までの全工程を、検査従事者が血液と接触するこ
となく安全に行われ得る。請求項30に記載の発明に係
る血液検査用容器では、請求項1〜30のいずれかに記
載の血液検査用容器において、内部が減圧されているの
で、真空採血法により血液を血液検査用容器に容易に導
くことができる。
【0393】従って、請求項1〜30に記載の各発明に
係る血液検査用容器を用いた場合、血液の採取から血液
中の各種成分の測定に至るまで、検査従事者が血液と直
接接触することなく、容易にかつ確実に血液中の各種成
分の測定を行うことが可能となる。
【0394】請求項31に記載の発明に係る血液検査方
法によれば、血液の採取から血液中の各種成分の測定に
至るまで、検査従事者が血液と直接接触することなく、
容易にかつ確実に血液中の各種成分の測定を行うことが
可能となる。
【0395】請求項32に記載の発明に係る血液検査方
法によれば、血液の採取から血液中の各種成分の測定に
至るまで、検査従事者が血液と直接接触することなく、
容易にかつ確実に血液中の各種成分の測定を行うことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明に係る血液検査用容器の
一例を示す縦断面図。
【図2】請求項1に記載の発明に係る血液検査用容器に
おいて、管状容器内が減圧されている構造例を示す縦断
面図。
【図3】(a)及び(b)は、それぞれ、図1に示した
血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明する
ための各縦断面図。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれ、図2に示した
血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明する
ための各縦断面図。
【図5】請求項3に記載の発明に係る血液検査用容器の
一例を示す縦断面図。
【図6】請求項3に記載の発明に係る血液検査用容器に
おいて、管状容器内が減圧されている構造例を示す縦断
面図。
【図7】請求項10に記載の発明に係る血液検査用容器
を説明するための縦断面図。
【図8】請求項10に記載の発明に係る血液検査用容器
において、管状容器内が減圧されている構造例を示す縦
断面図。
【図9】(a)及び(b)は、それぞれ、図7に示した
血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明する
ための各縦断面図。
【図10】(a)及び(b)は、それぞれ、図8に示し
た血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明す
るための各縦断面図。
【図11】請求項4に記載の発明に係る血液検査用容器
の一例を示す縦断面図。
【図12】請求項4に記載の発明に係る血液検査用容器
において、管状容器内が減圧されている構造例を示す縦
断面図。
【図13】(a)及び(b)は、それぞれ、図11に示
した血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明
するための各縦断面図。
【図14】(a)及び(b)は、それぞれ、図12に示
した血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明
するための各縦断面図。
【図15】請求項14に記載の発明に係る血液検査用容
器の一例を示す縦断面図。
【図16】請求項14に記載の発明に係る血液検査用容
器において、管状容器内が減圧されている構造例を示す
縦断面図。
【図17】(a)及び(b)は、それぞれ、図15に示
した血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明
するための各縦断面図。
【図18】(a)及び(b)は、それぞれ、図16に示
した血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明
するための各縦断面図。
【図19】請求項5に記載の発明に係る血液検査用容器
の一例を示す縦断面図。
【図20】請求項5に記載の発明に係る血液検査用容器
において、管状容器内が減圧されている構造例を示す縦
断面図。
【図21】(a)及び(b)は、それぞれ、図19に示
した血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明
するための各縦断面図。
【図22】(a)及び(b)は、それぞれ、図20に示
した血液検査用容器を用いた場合の血液検査工程を説明
するための各縦断面図。
【図23】請求項6に記載の発明に係る血液検査用容器
を示す縦断面図。
【図24】請求項6に記載の発明に係る血液検査用容器
において、管状容器内が減圧されている構造例を示す縦
断面図。
【図25】請求項3に記載の発明に係る血液検査用容器
の変形例を説明するための縦断面図。
【図26】請求項7に記載の発明に係る血液検査用容器
の縦断面図。
【図27】図26に示した血液検査用容器を用いて血液
を採取し、遠心分離した後の状態を示す縦断面図。
【図28】図26に示した血液検査用容器を用い、遠心
分離後に加温した後の状態を示す縦断面図。
【図29】請求項12に記載の発明に係る血液検査用容
器を示す縦断面図。
【図30】請求項15に記載の発明に係る血液検査用容
器を説明するための縦断面図。
【図31】請求項17に記載の発明に係る血液検査用容
器を説明するための縦断面図。
【図32】図31に示した血液検査用容器の分解斜視
図。
【図33】(a)及び(b)は、図31に示した血液検
査用容器において用いられている第2の管状容器の斜視
図及びA−A線に沿う部分に相当する断面図。
【図34】図31に示した血液検査用容器で用いられて
いる栓体を示す斜視図。
【図35】請求項18に記載の発明に係る血液検査用容
器を説明するための縦断面図。
【図36】請求項12に記載の発明に係る血液検査用容
器において血漿もしくは血清分離剤が第2の管状容器内
に挿入されている状態を示す縦断面図。
【図37】(a)及び(b)は、請求項21に記載の発
明に係る血液検査用容器を説明するための各縦断面図。
【図38】請求項22に記載の発明に係る血液検査用容
器を説明するための縦断面図。
【図39】図38に示した血液検査用容器の変形例を説
明するための縦断面図。
【図40】実施例30の血液検査用容器を示す縦断面
図。
【図41】実施例31の血液検査用容器を示す縦断面
図。
【図42】請求項27に記載の発明に係る血液検査用容
器を説明するための縦断面図。
【図43】図42に示した血液検査用容器において、ス
ライドスイッチが取り付けられた状態を、管状容器の外
側から見た側面図。
【図44】図42に示した血液検査用容器において、ス
ライドスイッチが取り付けられている状態を説明するた
めに、管状容器の内側から見た状態を示す側面図。
【図45】図44のIV−IV線に沿う断面図を拡大して示
す図。
【図46】請求項28に記載の発明に係る血液検査用容
器の構造例を示す縦断面図。
【図47】請求項29に記載の発明に係る血液検査用容
器の構造例を示す縦断面図。
【図48】図47に示した血液検査用容器において用い
られる栓体の他の例を説明するための側面図。
【図49】図42に示した血液検査用容器の使用状態を
示す図であり、図49(a)は、血液導入時の状態を示
す断面図であり、図49(b)は、遠心分離後の測定時
の状態を示す断面図。
【図50】図46に示した血液検査用容器の使用状態を
示す図であり、図50(a)は、血液導入時の状態を示
す断面図であり、図50(b)は、測定時の状態を示す
断面図である。
【図51】実施例33の血液検査用容器を示す縦断面図
であり、(a)は血液を導入した状態を示す断面図、
(b)は遠心分離後の測定時の縦断面図。
【図52】実施例32の血液検査用容器を説明するため
の図であり、(a)は血液導入時の状態を示す縦断面
図、(b)は遠心分離後の測定時の状態を示す縦断面
図。
【図53】請求項12に記載の発明に係る血液検査用容
器の構造例を説明するための縦断面図。
【図54】請求項25または26に記載の血液検査用容
器の構造例を示す縦断面図。
【図55】請求項26に記載の発明に係る血液検査用容
器の構造例を示す縦断面図。
【図56】(a)及び(b)は、それぞれ、請求項10
に記載の発明に係る血液検査用容器の構造例を示す縦断
面図であり、(a)は初期状態を、(b)は血液を導入
した状態を示す各縦断面図。
【図57】(a)及び(b)は、請求項10に記載の発
明に係る血液検査用容器の構造例を説明するための図で
あり、(b)は血清と固形分とが分離した状態を示す断
面図であり、(b)は強く遠心分離した後の状態を示す
縦断面図。
【図58】(a)及び(b)は、請求項10に記載の発
明に係る血液検査用容器による測定工程を説明するため
の図であり、(a)は、強く遠心した場合の連通部材通
の移動を説明するための縦断面図であり、(b)は遠心
分離後の状態を示す縦断面図である。
【図59】(a)及び(b)は、それぞれ、請求項11
に記載の発明に係る血液検査用容器を説明するための図
であり、(a)は初期状態を、(b)は血液を導入した
状態を示す各縦断面図。
【図60】(a)及び(b)は、図59に示した血液検
査用容器において、それぞれ、血清と固形分とが分離し
た状態を示す縦断面図及び上下転倒した状態を示す縦断
面図。
【図61】(a)及び(b)は、請求項11に記載の発
明に係る血液検査用容器の測定工程を説明するための図
であり、(a)は、遠心分離により連通部材が移動して
いる状態を説明するための縦断面図、(b)は遠心分離
後の状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…血液検査用容器 2…管状容器 3…測定試薬 3b、3c…測定試薬 4…血液検査用容器 5…栓体 6…血液 6a…血清もくしは血漿 6b…固形分 7…血液検査用容器 8…内側容器部 9…固形部材 10…血液検査用容器 11…第2の管状容器 12a…貫通孔 13…血液検査用容器 14…管状体 15…リング状部材 16…血液検査用容器 17…第2の管状容器 17a…貫通孔 18…血液検査用容器 19…管状体 20…キャップ 22…血液検査用容器 23…管状体 24…固形部材 31…血液検査用容器 32…パラフィン 41…血液検査用容器 41B、41C…血液検査用容器 42…第2の管状容器 42a…溝 43…血液検査用容器 44…シール材 45…血液検査用容器 46…栓体 46a…第1の栓体部 46b…第2の栓体部 46c…溝 51…血液検査用容器 52…高分子フィルム 53…血漿もしくは血清分離剤 61…血液検査用容器 62…第2の管状容器 62a…トラップ部 62b…血球分離部 63…血清 71…血液検査用容器 72…第2の管状容器 72a…底部材 73…親水性微粒子層 81…血液検査用容器 83…スライドスイッチ 90…血液検査用容器 90A…血液検査用容器 91…チューブ 92…蓋材 100…血液検査用容器 101…第2の管状容器 102…栓体 111…血液検査用容器 112…第2の管状容器 112a…孔 121…血液検査用容器 122…蓋材 131…血液検査用容器 132…保護層 141…血液検査用容器 142…内管 143…連通部材 144…分離剤 151…血液検査用容器 152…内管
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−170091 (32)優先日 平成10年6月17日(1998.6.17) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 松本 美枝 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 新村 和夫 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 五十川 浩信 山口県新南陽市開成町4560 徳山積水工業 株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA01 AA25 AA39 BA08 BA10 BA13 BB01 BB04 BB05 BB10 BB21 BB22 BB34 BB50 CA01 CA02 CA25 CA26 FA05 FA11 FA18 FA19 FA36 FB03 FB11 FB15 GC11 GC12 GC15 HB03 JA07 4C038 KL07 TA01 UB05 UC02 UD01 UF03

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底の管状容器と、管状容器内において
    固定された血液検査用測定試薬とを備えることを特徴と
    する血液検査用容器。
  2. 【請求項2】 前記管状容器に導入された血液と前記測
    定試薬との接触を防止し、かつ遠心されることにより血
    液成分と測定試薬との接触を達成し得る接触制御構造を
    さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の血液検
    査用容器。
  3. 【請求項3】 前記接触制御構造が、前記管状容器の内
    側面から管状容器の底部側に延び、下端に孔が形成され
    た内側容器部と、該内側容器部の孔を閉塞するように内
    側容器部内に配置されており、かつ遠心された際に孔か
    ら下方に落下するように設けられた固形部材とを有し、 前記血液検査用測定試薬が管状容器内面または内側容器
    部外面に形成されている請求項2に記載の血液検査用容
    器。
  4. 【請求項4】 前記接触制御構造が、管状容器内に配置
    されており、両端が開口されている管状体と、管状体の
    外周面と管状容器の内周面とに当接されたリング状部材
    とを有し、該リング状部材が、初期状態では前記測定用
    試薬よりも下方に配置されており、 前記血液検査用測定試薬が、管状容器内面または管状体
    外面の少なくとも一方に固定されている請求項2に記載
    の血液検査用容器。
  5. 【請求項5】 前記接触制御構造が、管状容器内に配置
    されており、両端が開口されており、さらに下端が管状
    容器の内底面に接触された管状体と、管状体を管状容器
    の内底面に接触させて管状体に導入された血液の管状体
    外への漏洩を抑制しかつ遠心により血液成分の管状体外
    への漏洩を可能とするように管状体を管状容器内底面に
    圧接させる圧接手段とを備えており、 前記血液検査用測定試薬が、管状容器内面または管状体
    外面の少なくとも一方に固定されている請求項2に記載
    の血液検査用容器。
  6. 【請求項6】 前記接触制御構造が、前記管状容器の内
    側面に固定されており、両端が開口された管状体と、管
    状体の下端近傍において管状体の下端開口を閉成するよ
    うに固定されており、遠心された際に落下し得る固形部
    材とを有し、前記測定試薬が管状体内において、前記固
    形部材よりも上方に固定されている請求項2に記載の血
    液検査用容器。
  7. 【請求項7】 前記リング状部材の内周面及び外周面
    が、それぞれ、Cn H2n+2(但し、nは18〜22)で
    表されるパラフィンを介して前記管状体の外周面及び管
    状容器の内周面に取り付けられている請求項4に記載の
    血液検査用容器。
  8. 【請求項8】 前記接触制御構造が、管状容器内に配置
    されており、両端が開口されており、管状容器よりも小
    径の管状体を有し、 前記血液検査用測定試薬が、管状容器内面または管状体
    外面の少なくとも一方に固定されており、 前記血液検査用測定試薬が固定されている部分を含む、
    前記管状容器と管状体との間の空隙がチクソトロピー性
    を有し、かつ粘度が25℃で5000〜500000セ
    ンチポイズの物質よりなるシール材により封止されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の血液検査用容器。
  9. 【請求項9】 前記接触制御構造が、前記管状容器内に
    配置されており、柔軟性を有する樹脂からなる内管を有
    し、前記内管の外周面が管状容器の内面に密着されてお
    り、かつ内管の一端側において内管の外径が管状容器の
    内径よりも小さくされて内管の外周面が管状容器の内面
    から隔てられており、 前記管状容器の内面から内管の外周面が隔てられている
    部分において、移動可能に配置された連通部材をさらに
    備え、 前記内管の外周面と管状容器の内面とが隔てられている
    部分において、管状容器の内面または内管の外面に前記
    血液検査用測定試薬が固定されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の血液検査用容器。
  10. 【請求項10】 前記内管の上端及び下端が開口してお
    り、該内管の上端開口部の外径が管状容器の内径よりも
    小さくされている、請求項9に記載の血液検査用容器。
  11. 【請求項11】 前記内管が有底であり、内管の底部近
    傍における外径が管状容器の内径よりも小さくされてい
    る、請求項9に記載の血液検査用容器。
  12. 【請求項12】 前記管状容器内に配置されており、有
    底であり、前記管状容器よりも小径の第2の管状容器を
    さらに備え、該第2の管状容器の底部に孔が形成されて
    おり、 前記血液検査用測定試薬が、管状容器内面または第2の
    管状容器外面の少なくとも一方に固定されていることを
    特徴とする請求項1に記載の血液検査用容器。
  13. 【請求項13】 前記第2の管状容器の底部に直径0.
    1〜10μmの複数の貫通孔が形成されていることを特
    徴とする請求項12に記載の血液検査用容器。
  14. 【請求項14】 前記第2の管状容器の底部に、直径1
    0〜400μmの複数の貫通孔が形成されており、該複
    数個の貫通孔が形成されている多孔部分が前記測定試薬
    よりも下方に位置されていることを特徴とする請求項1
    2に記載の血液検査用容器。
  15. 【請求項15】 前記血液検査用測定試薬が固定されて
    いる部分を含む、前記管状容器と第2の管状容器との間
    の空隙が水溶性物質よりなるシール材により封止されて
    いることを特徴とする請求項12に記載の血液検査用容
    器。
  16. 【請求項16】 前記血液検査用測定試薬が固定されて
    いる部分を含む、前記管状容器と第2の管状容器との間
    の空隙が融点40℃以上の物質よりなるシール材により
    封止されていることを特徴とする請求項12に記載の血
    液検査用容器。
  17. 【請求項17】 先端に第2の管状容器の上端開口に圧
    入される相対的に径の小さな第1の栓体部と、 前記第1の栓体部に連ねられており、管状容器の開口に
    圧入される第2の栓体部とを有する栓体とをさらに備
    え、 前記第1の栓体部の外表面において、下端から第2の管
    状容器に圧入される部分よりも上方に延びるように溝が
    形成されており、 前記第2の管状容器の内面に、開口縁から第1の栓体部
    が圧入される部分よりも下方に延びるように溝が形成さ
    れていることを特徴とする請求項12に記載の血液検査
    用容器。
  18. 【請求項18】 前記第2の管状容器の底部の孔が、厚
    さ100μm以下の高分子フィルムまたは金属膜でシー
    ルされていることを特徴とする請求項12に記載の血液
    検査用容器。
  19. 【請求項19】 前記第2の管状容器の底部の孔が、融
    点40℃以上の物質からなる膜でシールされていること
    を特徴とする請求項12に記載の血液検査用容器。
  20. 【請求項20】 前記第2の管状容器内に配置された血
    清もしくは血漿分離剤をさらに備えることを特徴とする
    請求項12〜19のいずれかに記載の血液検査用容器。
  21. 【請求項21】 前記第2の管状容器の底部に、赤血球
    をトラップするために、下方に突出されたトラップ部が
    形成されており、該トラップ部の周囲に直径0.1〜2
    0μmの貫通孔が複数形成された血球分離部が設けられ
    ていることを特徴とする請求項12に記載の血液検査用
    容器。
  22. 【請求項22】 前記第2の管状容器の底部に、複数の
    貫通孔が形成されており、該貫通孔の上部に直径0.1
    〜200μmの親水性微粒子よりなる層が配置されてい
    ることを特徴とする請求項12に記載の血液検査用容
    器。
  23. 【請求項23】 前記第2の管状容器が、両端が開口さ
    れた筒状体と、筒状体の下端に固定されており、かつ複
    数の貫通孔を有する底部材とを備えることを特徴とする
    請求項22に記載の血液検査用容器。
  24. 【請求項24】 前記第2の管状容器の底部の前記孔が
    閉成されるように、第2の管状容器の底部に固定された
    水溶性の蓋材をさらに備えることを特徴とする、請求項
    12に記載の血液検査用容器。
  25. 【請求項25】 前記第2の管状容器の底部の孔が閉成
    されるように、第2の管状容器の底部に固定された金属
    もしくは磁石からなる蓋材をさらに備えることを特徴と
    する、請求項12に記載の血液検査用容器。
  26. 【請求項26】 前記血液検査用測定試薬の一部が露出
    されており、残りの部分が血液検査用測定試薬と血液等
    との接触を防止するように、保護層で被覆されている、
    請求項1〜25に記載の血液検査用容器。
  27. 【請求項27】 前記管状容器の側壁上において上下に
    移動可能に、かつ該側壁を挟み込むように設けられたス
    ライドスイッチをさらに備え、 スライドスイッチの管状容器内部に存在する部分に前記
    血液検査用測定試薬が固定されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の血液検査用容器。
  28. 【請求項28】 前記管状容器内に配置されており、か
    つ管状容器よりも小さな径のチューブをさらに備え、 前記チューブの下端が、スライドスイッチの取り得る最
    下端位置よりも底部側に位置されている、請求項27に
    記載の血液検査用容器。
  29. 【請求項29】 前記スライドスイッチが設けられた管
    状容器全体を収納するように設けられた有底の第2の管
    状容器と、 前記2つの管状容器の上端開口を閉成するように取り付
    けられた栓体とをさらに備え、 前記2つの管状容器内が減圧されていることを特徴とす
    る、請求項27または28に記載の血液検査用容器。
  30. 【請求項30】 内部が減圧されている請求項1〜28
    のいずれかに記載の血液検査用容器。
  31. 【請求項31】 請求項1〜30のいずれかに記載の血
    液検査用容器に血液を導入し、血液又は血液成分と上記
    血液検査用測定試薬とを接触させることを特徴とする血
    液検査方法。
  32. 【請求項32】 請求項1〜31のいずれかに記載の血
    液検査用容器に血液を導入し、遠心分離を行なった後、
    血液成分と上記血液検査用測定試薬とを接触させること
    を特徴とする血液検査方法。
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