JP3477555B2 - 組み合わせ試薬保持及び試験装置 - Google Patents

組み合わせ試薬保持及び試験装置

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JP3477555B2 JP50342096A JP50342096A JP3477555B2 JP 3477555 B2 JP3477555 B2 JP 3477555B2 JP 50342096 A JP50342096 A JP 50342096A JP 50342096 A JP50342096 A JP 50342096A JP 3477555 B2 JP3477555 B2 JP 3477555B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 一定状況又は特定の分析物の存在または不在に関する
サンプルのアッセイにおいては、アッセイシステムの試
薬/要素はそのアッセイの異なった段階で加えることが
しばしばである。即ち、試薬/要素は、アッセイが適当
な段階に至るまで混合されない。試薬を混合する具体的
順序は、実行するアッセイ毎の要件によって特定され
る。例えば、システムによっては、アッセイを開始する
前にサンプル及び/又は試薬を望みの温度にするために
インキュベートする必要があり、また、1つの反応が他
の反応に先行する2ステップ式のアッセイで、2番目の
反応用の試薬が最初の反応を妨害するような場合には、
最初の反応が完了するまで2番目の試薬を加えてはなら
ない、等々である。
アッセイの途中で要素/試薬を様々な時に添加または
混合するようなアッセイは、ユーザーの過誤を招き易
く、また煩わしく非能率的であることが多い。以下に述
べるように、患者の血液の状態を測定するために開発さ
れたアッセイがまさにその1つの適例である。
止血又は出血の停止には、種々の蛋白因子及び成形要
素(例、血小板)によって制御される2つの生化学的経
路の相互作用が関係している。現在理解されているとこ
ろによれば、血液凝固のプロセスは、最終的にファブリ
ンを形成するに至る蛋白因子活性化の多段階のカスケー
ドを含んでいる。このカスケードの各段階について試験
し、患者の血液が適正に凝固するものであるか、又は適
正な凝固に必要な1つ又は複数の因子を欠いているよう
な凝血上の障害があるかについて決定するための様々な
試験が開発されている。周知の通り、血小板の状態又は
血液の血小板機能が、血液に適正に凝血する上での指標
の1つである。
血小板機能又は人間の全血の一次止血(Primary Hemo
stasis)を試験するために現在使用されている主な試験
は、出血時間試験として知られている。数十年の歴史を
持つこの出血時間試験は、患者の前腕の切開を伴う。従
って、切開を伴わずしかもより正確な成果を得る試験が
開発されてきた。
米国特許第4,604,804号、第4,780,417号、及び第5,05
1,239号は、上記のin vivo(生体内)出血試験と正確に
且つ再現可能な形で相関づけることのできるin vitro
(試験管内)試験を行なう場合に使用可能であり、患者
を煩わせることのないアッセイシステムを開示してい
る。現在使用されているThrombostat TM4000(Baxter D
iagnostics)は、この種のシステムの1つである。こう
したシステムでは、血小板機能は、一定の負圧下で抗凝
固剤処理した全血を無孔性または多孔性であってよい隔
壁の中央部に配置された小さな開口を通して吸引するこ
とにより評価される。多孔性の隔壁を使用するシステム
では、アッセイを開始する前に血小板の凝固を促進する
活性化剤で隔壁を濡らす。開口部に血小板栓子が形成さ
れて血流停止が起こるまでに要した時間が測定され、こ
の時間が次いで血小板機能、即ちin vivo出血時間と相
関づけられる。
Thrombostat TM4000システムは、余り普及していな
い。これは、コスト高でありまた試験用サンプルの保持
装置の制約という理由の他にも多くの点によって自動化
には不向きである現在の構成が大きく関係している。Th
rombostat TM4000と共に現在使用されている装置は、3
つの別個の部品(試薬/試験チャンバー、細管、サンプ
ルカップ)で構成されている。コラーゲンを含んだ多孔
性の隔壁が、別個の試薬/試験チャンバーに配置されて
いる。従って、一定の貯蔵期間はコラーゲンの安定性を
保持するために、この試薬/試験チャンバーは独立した
密封容器に入れ、細管及びサンプルカップとは別に貯蔵
しなければならない。細管と試薬/試験チャンバーは、
試験を開始する度毎にオペレーターが手で組み立てなけ
ればならない。さらに、試験用サンプルは、サンプルカ
ップを細管及び試薬/試験チャンバーに組み込む前にピ
ペットでサンプルカップに採取してインキュベートしな
ければならない。加えて、インキュベーションステップ
はオペレーターの手によって時間調整される。別個のイ
ンキュベーションステップのために、インキュベーショ
ン後にオペレーターは組み立てた細管と試薬/試験チャ
ンバーをサンプルカップに手作業によって配置してテス
トシーケンスを開始する必要がある。高価であることか
ら試験終了時に細管は外され再使用のために清浄化され
る。
試験サイクルの途中でユーザーが作業する必要をなく
し、複雑なサンプル取扱メカニズムを要さず、出荷及び
貯蔵の際に試薬/試験チャンバー用の独立した外部密閉
パッケージの必要をなくし、しかも使い捨てのできるよ
うな装置を使用すれば、Thrombostat TM4000を改良する
ことができると思われる。このような目標を達成する、
特定の要素/試薬を分離して貯蔵し又は適当な時まで混
合しない装置ならば、アッセイシステムにおいて一般に
有用であろう。従って、こうした装置が求められてい
る。
図面の簡単な説明 図1は、本発明による好ましい装置の構成要素の等角
分解図である。
図2は、図1の線2−2に沿った断面図であり(図1
に示された装置は組立てた形である)、本発明の装置と
共に使用する機器の一部を更に示している。
図3は、図2と同様であるが、本発明の装置と共に使
用する機器の一部が、図2に示された装置の構成要素と
接触し、それを第1ポジションから第2ポジションへと
移動させた状態を示している。
図4は、図3と同様であるが、サンプルが該装置を通
って移動した状態を示している。
図5は、図1に示された細管ハブ30の拡大等角図であ
る。
図6は、図2に示されているような細管31を備えた細
管ハブ30の拡大断面図である。
図7は、本発明によるカセットの前方等角図である。
図8は、図7に示されたカセットの後方等角図であ
る。
発明の要約 本発明は、液体サンプルのアッセイに使用するテスト
カートリッジを提供するものである。このアッセイに
は、アッセイするサンプルとアッセイシステムの1つ又
は複数の構成要素とを分離しておくような少なくとも1
つのステップが含まれる。本発明の好ましい一実施例で
は、テストカートリッジは自動分析に特に有効な使い捨
ての液体サンプリング及び保持装置であって、アッセイ
する液体が同装置を通って流れる。本発明によるテスト
カートリッジは、血液、血漿又は血清等のような体液の
試験に関係するアッセイでの使用に特に適している。
本発明の好ましい実施例においては、液体サンプルを
評価するためのアッセイシステムにおいて使用するため
のテストカートリッジが提供される。このテストカート
リッジは、アッセイの間サンプルが通って流れるハウジ
ングを含み、該ハウジングが (a)液体サンプルを保持するための保持チャンバー及
び該保持チャンバーから液体サンプルを受け入れる試験
チャンバーであって、刺通可能な部材によって分離され
ているものである保持チャンバー及び試験チャンバー
と、 (b)該試験チャンバー内に配置された仕切り部材であ
って、貫通した開口を有し且つ少なくとも1つのアッセ
イ用試薬を含んでいるものである部材と、そして (c)該試験チャンバーに可動式に配置され、刺通可能
部材へと移動させてそれを刺通し、該保持チャンバー内
の液体サンプルに接触することのできる移転部材と を含み それによって、該移転部材が刺通可能部材の方へ移動
しそれを刺通して液体サンプルに接触しそして該試験チ
ャンバー内に負圧が作り出されるとき、液体サンプルが
該移転部材を通って該試験チャンバー内へそして該仕切
り部材の該開口を通って移動する。
本発明の好適なテストカートリッジの1つは、インキ
ュベーションステップを伴うアッセイシステムにおいて
使用するのに適合させてあり、分析すべきサンプル及び
同アッセイの他の構成要素とは分離して保持される。こ
の装置は、インキュベーションステップ及び試験ステッ
プが1つの機器によって自動的に実行され、インキュベ
ーションステップが分析すべきサンプル及びアッセイシ
ステムのその他の構成要素を所定の分析実行温度にまで
加熱することを含むようなアッセイシステムに特に適し
ている。このようなテストカートリッジは、止血又は血
液の凝固機能を試験するためのアッセイシステムにおい
て使用するのに特に適している。
本発明によるそのような好ましいテストカートリッジ
の1つは、血小板機能の測定等のような血液の凝固機能
を試験するためのアッセイ(上記記載の米国特許第4,60
4,804号、第4,780,418号、及び第5,051,239号で説明さ
れているアッセイの自動化版を含むがこれに限定されな
い)において使用するのに特に適合させてある。
そのような好ましい一実施例においては、テストカー
トリッジはハウジングを含み、該ハウジングは、 (a)試験すべき血液サンプルを受け入れるための保持
チャンバー及び試験チャンバーであって、刺通可能な部
材によって分離されているものである保持チャンバー及
び試験チャンバーと、 (b)該試験チャンバー内に配置された仕切り部材であ
って、貫通した開口を有し且つ血液凝固経路の少なくと
も1つを活性化する少なくとも1つの試薬を含んでいる
ものである仕切り部材と、 (c)該刺通可能部材へと移動させてそれを刺通するこ
とができるように試験チャンバーに可動式に取り付けら
れている移転部材と、そして (d)該移転部材から血液を受け入れるために該試験チ
ャンバー内において該仕切り部材と該移転部材の間に配
置された受入チャンバーとを含む。
使用の際は、ユーザーが血液を保持チャンバーに入
れ、テストカートリッジをインキュベーションのための
器具に入れる。インキュベーション後、移転部材を刺通
可能部材の方へ移動させ、同部材を刺通して血液に接
し、試験チャンバー内に負圧が作り出され、血液が移転
部材を通って受入チャンバーへそして仕切り部材の開口
を通って移動する。
本発明によるテストカートリッジは、実行されるアッ
セイの幾つか又は全部のステップを自動化する機器と共
に使用するように意図されている。この機器の形態は特
に重要ではないが、テストカートリッジと機器とは、望
みの目的を達成するよう互いに適合したものでなければ
ならず、その一つは、液体サンプル及び/又はその他の
試薬を望み通りにサンプル移転部材を通じて吸引できる
ようにテストカートリッジ又はその一部内に負圧をつく
り出すことである。
ハウジング及びその構成要素の設計と幾何学形状は、実
行すべきアッセイに基づいて選択される。ハウジング
は、アッセイを実行するに十分な液体量が試験チャンバ
ーへと転移できるよう、移転部材が液体サンプル及び/
又は試薬に接触するように構成される。アッセイにイン
キュベーションステップが含まれる場合は、保持チャン
バーの一区画が機器中の加熱または冷却要素に接触して
いる。この区画は、好ましくは熱伝導性を高めることの
できる物質を含む。好ましい一具体例においては、保持
チャンバーはL字形で、Lの底部は、保持チャンバーの
底部を形成し、保持チャンバー内の液体サンプルが底部
へ流れやすいよう下方に曲がっている。この構造はま
た、加熱または冷却要素に接触するための追加の表面積
を作り出す。
ある好適な実施例では、試験チャンバーはサンプルカ
ップを受け入れるのに適合させてあり、サンプルカップ
内には仕切り部材、受入チャンバー、移転部材が配置さ
れている。こうした実施例では、アッセイは仕切り部材
の付近で実行され、液体サンプルは吸引によって保持チ
ャンバーから移転部材を通り、仕切り部材の直下に位置
する受入チャンバー内へ、そして更に仕切り部材の中の
開口部を通って移動する。
仕切り部材は多孔性であってよく薬剤によって湿らせ
てよく、また無孔性のプレートであってもよい。
血液の凝固機能を試験するのに適合させた複数の実施
例においては、仕切り部材は、好ましくは、抗凝固剤処
理した全血及び血漿において凝固プロセスを開始するこ
とのできる、又は抗凝固剤処理した全血及び血小板リッ
チ血漿において血小板凝固を開始することのできる1つ
又は複数の試薬を含んだ多孔性部材を含む。例えば、血
小板機能試験に特に適合させた1つの好適な実施例で
は、仕切り部材の血液入口側は米国特許第4,604,894
号、及び第5,059,239号に開示され血小板機能の活性化
剤として作用するコラーゲン材料を含む。やはり開示さ
れている通り、所望によりADPのような他の活性化剤を
多孔性部材に供給することもできる。吸引された抗凝固
剤処理された血液中の血小板が多孔性部材上のコラーゲ
ンに接触すると、開口周辺で活性化及び凝集事象が起こ
り、最終的に血小板栓子が形成されて開口が塞がれ流血
停止に至る。
この種の薬剤を、これらの多孔性仕切り部材に導入
し、乾燥させ、次いでアッセイを行なう時点で復元する
ことができるということが予想外にも発見された。
好ましいテストカートリッジにおいては、移転部材は
細管である。装置を流れる液体サンプルの流量は、細管
の長さと直径を変えることで制御可能であり、細管の寸
法はテストカートリッジを流れる液体サンプルの流速が
実行する特定の試験にとって最適となるように選択され
る。
血小板機能の試験用として設計されるテストカートリ
ッジの場合、流速は仕切り部材にある開口において適当
な血小板栓子が形成できるようなものとする。流速が大
き過ぎれば凝血による適当な栓子を形成することができ
ず、多大なサンプル量が必要となるばかりか誤った結果
を得ることにもなる。
サンプルカップを含んだ実施例では、試験チャンバー
には、インキュベーション中にサンプルを収容している
保持チャンバー隔離するためにサンプルカップのための
2位置支持体が備えられている。インキュベーションス
テップの間、サンプルカップは移転部材とサンプルとが
接触しない第1ポジションに位置している。インキュベ
ーションステップの後、サンプルカップが第2ポジショ
ンへと移動され、それによりサンプルカップ内に配置さ
れた移転部材を刺通可能な部材の方へと移動させてこれ
を刺通させ、保持チャンバー内の液体サンプルと接触さ
せる。
本発明による他の好適なテストカートリッジでは、ハ
ウジングに試験タイプの識別名が付されており、それは
望みのアッセイを行うための適当な試験パラメーターを
設定し、そしてまた該機器による出力としてアッセイ結
果を適切に標識するために、アッセイを自動的に行う機
器によって読み取ることができる。
さらに別の好適な実施例では、本発明はまた、本発明
の1つ又は複数のテストカートリッジを受入可能であ
り、また保持チャンバーへのサンプル導入とその後の自
動的にインキュベーション及び試験ステップを実行する
機器への移転のための適正な位置に装置を保持すること
のできるホルダーをも提供する。
本発明のテストカートリッジは、アッセイの実行にお
ける多くの有意な改良点を提供しており、試薬/要素は
アッセイの中の様々な時点で添加又は混合される。イン
キュベーションステップを含むアッセイでは、試験すべ
きサンプルは、アッセイを行なうのと同じテストカート
リッジ中でインキュベートされ、それによりユーザーの
取扱や過誤の可能性をが減少される。薄く熱伝導性の高
い物質でサンプル保持チャンバーの底面を製造すること
により、インキュベーション時間を最小にする効率的な
熱伝導が達成される。試験チャンバーへの移転部材の導
入には、オペレーターによる作業は不要である。貯蔵の
ための制御された、低湿度の環境を提供するために、所
望によりハウジングを密閉することもできる。試験タイ
プ識別名を含んだ具体例では、識別名は、全てユーザー
の介入なしで適当な試験パラメーターを設定しそして結
果出力を標識するために機器によって読み取られ、それ
により過誤のもう一つの潜在的原因が除去される。試験
するサンプルを添加する間装置を保持するためのカセッ
トホルダーは取扱が容易であり、アッセイを行なう機器
への装填、及び取外しが簡単である。
米国特許第4,604,804号、第4,780,418号、及び第5,05
1,239号に開示されているアッセイにおいて血小板機能
を試験するのに適合させた本発明によるテストカートリ
ッジは、上記記載の改良点を提供している。例えば、被
験サンプルは、アッセイを実行するのと同じ装置におい
てインキュベートされ、この間サンプルと移転部材とが
分離されており血小板が活性化してその結果細管を閉塞
させるおそれがない。さらに、ユーザーによる取扱が減
ったことで血液によるユーザーへの汚染の危険性が減少
する。
本発明によるテストカートリッジは、一般に血液の凝
固試験に有用であり、そして、患者な血液に存在する可
能性のある種々の因子によって、又は因子の欠乏、減少
等によって凝血が影響されるような場合に特に有用であ
る。血小板機能試験で使用するのに適合させたテストカ
ートリッジは、例えば、前外科的に出血のリスクを予測
するために、機能的な血小板を求めてドナーのスクリー
ンを行い及び投与の前の血小板の機能についての品質管
理試験のために血液銀行において、及び血小板注入等に
対する患者の反応の仕方を決定するための投与後試験に
おいて病院などにおいて、有用である。
本発明によるテストカートリッジは、血小板機能を試
験するアッセイで使用するのに特に適合させたカートリ
ッジにより説明されている。しかし、本発明によるテス
トカートリッジは、アッセイにおける一定時間まで構成
要素を分離して保持する必要があり、負圧下でサンプル
移転部材を通して同要素を混合することのできるような
他のアッセイにも適合させることができるということが
分かる。
例えば、本テストカートリッジは細胞対リガンドの様
々な相互作用及び結合を量的表示するためのアッセイへ
の使用に適用可能である。この種のテストカートリッジ
では、リガンドを開口周辺で仕切り部材に結合させる。
次いで細胞懸濁液が移転部材を通じてカップへ内へ吸引
され、さらに開口を通って流れることが許容される。開
口の周辺に存在するリガンドへの細胞の結合が、開口を
部分的に塞ぎ、開口を通じた流量に計測可能な変化が起
こる。白血球のリガンドに対する相互作用の計測は、こ
うした適用可能性の好例の一つである。白血球はまた、
互いに反応して凝集物を形成することが知られており、
この凝集物も本発明のテストカートリッジによって評価
できる。本テストカートリッジはさらに、剪断条件にお
ける細胞対細胞の相互作用について研究するアッセイに
おいて使用可能である。この種の適用のうちの1つは、
内皮細胞に対する血小板反応の評価におけるものであ
り、そこでは内皮細胞は開口を囲む領域をライニング
し、血小板の懸濁液が特定の剪断条件下において開口部
を通って流れることが許容される。
多くの酵素免疫測定法では、抗原(又は抗体)が固体
支持体に結合させてある。抗体(又は抗原)が加えられ
ると、抗原抗体複合体が形成される。次いで、色を形成
する基質の添加により、複合体の量が測定される。この
アッセイ系の個々の構成要素は、反応の進行準備ができ
るまで個々に分離して保持されなければならない。ここ
に記載のテストカートリッジは、この酵素免疫測定法へ
の適用に適合させることができる。この種のテストカー
トリッジでは、抗原(又は抗体)は、吸収または架橋化
学の何れかによって仕切り部材に結合させてある。抗体
(又は抗原)は、試験開始と同時に試験チャンバー内に
入れられる。抗体液は移転部材を通じて吸引され、薄膜
上に存在する抗原と反応させられる。特定時間に及ぶイ
ンキュベーション後、移転部材が下方のチャンバーの方
へ押し下げられて2つのチャンバーを分離している刺通
可能な部材を刺通し、基質が移転部材を通して吸収され
てカップへ内と移動し、そこで薄膜上の抗原抗体複合物
に反応する。
本発明によるテストカートリッジは、様々なアッセイ
において使用可能であることが分かる。
発明の詳細な説明 本発明によるテストカートリッジについて、特に米国
特許第4,604,804号、第4,780,418号、及び第5,051,239
号に開示されている血小板機能試験のためのアッセイの
自動化版を実行可能な機器において使用するのに特に適
合させた一具体例により説明する。これらのアッセイ
は、機器内におけるインキュベーションステップを伴う
が、その間分析すべき血液の液体サンプル及びアッセイ
の構成要素が特定温度にまで加熱され、そしてこのイン
キュベートステップの間サンプル及びアッセイ構成要素
とは別々に保持される。
インキュベーションステップ後、同機器は、移転部材
が保持チャンバーと試験チャンバーの間にある刺通可能
な部分を刺通させて血液と接触させ、次いで、後に詳述
するようにハウジング内に作り出される負圧によって、
血液を移転部材を通じて吸収させる。
図1は、本発明による好ましい装置の等角分解図であ
る。(組み立てた形のそしてサンプル11を収容した)図
1の直線2−2に沿った装置の断面図が図2、3、4に
示されている。図2乃至図4はまた、本発明の装置と共
に使用可能なある機器の構成要素も示している。図2乃
至図4もまた、本発明の好適なアッセイにおける異なっ
た段階を示している。
図1において、この装置は、保持チャンバー61と試験
チャンバー63とを備えたハウジング60を含む。ハウジン
グ60には、フランジ67とタブ69が備えられている。
ハウジング60には、組み立てた装置においてはフラン
ジ67に密封シールされ底部において底部シール66で閉じ
られた、着脱可能な上部シール62が備えられている。好
適な実施例においては、上部シール62を剥がせるように
なっており、後に説明するようハウジング60における負
圧の生成を損なう原因となりうる如何なるシール片をも
残さないよう、フランジ67から完全に除去できる。
上部シール62には、所望により(図示されていない)
乾燥剤が備えられる。ハウジング60は、上部シール62、
乾燥剤、及び底部シール66が所定位置に配置されると、
貯蔵用パッケージとして機能する。乾燥剤材料は、貯蔵
中にハウジング60から浸透する可能性のある湿気を吸収
し、チャンバー61及び63を低湿度に維持する。
上部シール62は、例えばLCFlex 7075ポリエステル/
ポリエチレン被覆アルミニウム(Polyester/Polyethyle
ne Coated Aluminum:イリノイ州ショームバーグ、Jeffe
rson Smurfit Corporationの商標)のような耐湿性の材
質で構成されている。底部シール66は、試験開始前に血
液サンプルを37℃(体温)にまで上昇させる機器からの
熱を効率よく伝導する金属箔のような材質で構成されて
いる。
保持チャンバー61と試験チャンバー63を規定するハウ
ジング60は、装置内に空気泡が捕らえられる可能性を最
小にするような幾何学形状が選択されており、また好適
な実施例における保持チャンバーの底部は斜めにされ、
開口部65を通して血液を加えていく際の空気の取り込み
を最小限にしている。保持チャンバー61を限定するハウ
ジング60の一部は、例えば保持チャンバー61に血液を放
出するためのピペット先端の挿入を容易にするため、開
口部65にテーパーが付けられている。
ハウジングの幾何学形状は、加熱されたハウジング表
面への血液の表面接触を最大限にするのと同時に、サン
プル劣化のおそれを最小にするため、空気に曝される部
分を最小限にするように選択されている。図に示された
実施例では、L型形状のハウジング60がこれら2つの目
的を達成している。
図の実施例では、フランジ67がハウジング60に備えら
れている。このフランジは、取り外し可能な上部シール
62を付けるため、十分な大きな表面を与えられるように
設計されている。
また、フランジ67には穿孔タイプセンスコード68のあ
るタブ69が備えられている。自動化された試験機器の動
作下では、ハウジング60はこの機器の一部分である反射
型赤外線センサーの下を比較的一定の速度で移動する。
フランジ60のタブ69にあるタイプセンスコード68を形成
する交替するパンチ穴と中実領域は、赤外線ビームを交
互に反射し且つ感知センサーに向けて反射しないように
配置されている。この結果得られる感知器からの高低の
交互出力は、実行するアッセイのタイプを識別するよう
働く一連の2進数字に翻訳することができる。こうした
一般的方式は、周知のバーコードリーダーに使用されて
いるものと同様である。
また、感知コード68はサンプルが挿入されたことも機
器に告げる。言い換えればこれは存在感知器であり且つ
試験タイプの感知器でもある。
また、ハウジング60を図7及び図8に示されたカセッ
トにはめ込むことができるよう、フランジ67にはカセッ
トスナップ80が備えられており、該カセットは貫通開口
65を通してサンプルをピペットで取り入れる作業が容易
とし且つ空気の混入を最小限にするように正しい配向に
1個または複数個の本テストカートリッジを保持する。
実施例が示すように、自動製造ラインにおいてボール
供給が可能であるよう、フランジ67は2つの平行する側
面を有している。
試験チャンバー63はサンプルカップ10を受け入れるの
に適合させてある。サンプルカップ10は中に開口9を有
する試薬処理仕切り部材6と、サンプルカップ10に細管
40を可動式に取付けるメカニズムを備えた細管ハブ30と
を支持している。サンプルカップ10の内部には、位置決
め用の4本の真空チャックストップリブ14が設けられて
いる(その内の2本が図1に示されている)。
ハウジング60は試験チャンバー63内に又は試験チャン
バー63の一部分内に負圧を発生させることのできる機器
に噛み合うのに適合させてある。図示された実施例で
は、これはサンプルカップ10のリム12(試験チャンバー
63の一部分を構成する)によって達成されている。この
機器は、サンプルカップ10のリム12と密封式に係合する
ことのできる係合構成要素を有している。図2乃至図4
に示されている実施例では、この係合構成要素は真空チ
ャック15を含む。真空チャック15にはOリング27が備え
られており、これがアッセイの間リム12と密着してい
る。この接触は、真空チャック15がサンプルカップ10内
に負圧を発生させるのを可能にするに十分である。真空
チャック15は、リム12と接触するようそしてサンプルカ
ップ10に下方向の圧力を掛け、移転部材40を刺通可能な
部材70の方向に動かして刺通可能部材を刺通させ保持チ
ャンバー中のサンプル11の中に伸長させるよう、機器に
よって動かされる。サンプルカップ10の真空チャックス
トップリブ14は真空チャック15の下方向への動きを限定
している。
図2は、図1に表示された機器のライン2−2に沿っ
た断面図であり、真空チャック15がサンプルカップ10に
下方向の圧力を掛ける以前の状態を示している。図3
は、図2に示された機器の断面図であり、真空チャック
15が移動してサンプルカップ10に接触しそしてサンプル
カップ10を下方向に動して、それによりサンプルキャッ
プ10の底部が支持部材71に接触し、細管40が刺通可能部
材70を刺通してサンプル11の中に伸長した後の状態を示
している。図3に示されているように、支持部材71は、
装置による下方向への圧力下によってサンプルカップ10
の底部に接触する。
この状態で、同装置は、例えば真空吸引などによって
試験チャンバー63内に負圧を生成することが可能であ
る。この真空または負圧によってサンプル11は保持チャ
ンバー61から細管移転部材40を通して受入チャンバー18
の中へ、そして図4に表示されているように仕切り部材
6の開口11を通って流れる。血小板機能アッセイに使用
するテストカートリッジの場合、仕切り部材6上の試薬
が血小板栓子の形成を活性化させ、最終的には開口9を
閉塞させて、移転部材40を通るサンプルの流れが止ま
る。次いで、血流の停止に要した時間が、血液の血小板
機能が正常な場合の血流停止時間と比較される。血流が
止まるべき正常な時間範囲は、正常な血液を試験して得
る。
図5は細管ハブ30の詳細図である。図6は細管40が接
着隙間42に塗布された接着剤によって細管ハブ30に接着
されている装置の断面図を示している。細管ハブ30は超
音波溶接によってサンプルカップ10の溶接面34に取付ら
れている。
図示された実施例では、細管ハブ30は別個の部品とし
て成形され、脆弱な仕切り部材の被膜、及びパンチング
による開口を容易にしている。しかしながら、サンプル
カップ10は細管ハブ30及び細管40を含む単一部品として
も成形が可能であろう。
細管ハブ30をサンプルカップ10に組み入れる前に、仕
切り部材6を薄膜シート8に溶接し、1つまたは複数の
試薬を、受入チャンバー18に面することになる仕切り部
材6の表面に塗布する。次いで、仕切り部材6を乾燥さ
せ、図1の開口9がこの乾燥した薄膜に作成される。
仕切り部材6の開口9は、特定のアッセイ条件下に栓
子を形成し開口が閉鎖されるよう、寸法が与えられる。
開口が小さすぎる場合は、アッセイに関係のない閉塞が
発生するであろう。開口が大き過ぎる場合は、栓子プラ
グが正しく形成されないであろう。血小板機能試験用に
は、開口は約100μm乃至約200μm、より好ましくは約
140μm乃至約160μm、最も好ましくは約150μmであ
る。仕切り部材6における開口の寸法は、装置内の初期
のフロー特性に対して大きな影響を及ぼすものではな
い。
図2及び図3に表示されている受入チャンバー18は試
験チャンバー63内において仕切り部材6と細管ハブ30の
間に配置される。受入チャンバー18は、細管40から入る
血液が薄膜の過度に近くに流入して栓子の形成を妨げな
いよう、寸法が与えられる。
仕切り部材6は、コラーゲン及び/又は他の血液凝固
を起こす薬剤のための多孔性又は非多孔性の支持マトリ
ックスである。好ましい材料は、試薬の適用が可能でし
かも安定した構造のためパンチ等による正確な穿孔がで
きるよう、液体に対する吸収性を有する。血小板機能試
験においては、アデノシン5'二リン酸(ADP)及びコラ
ーゲンが仕切り部材6用の好適な試薬である。
本発明のテストカートリッジ及び方法に使用する好適
な多孔性仕切り部材としては、セルロースエステル、セ
ラミック、ナイロン、ポリプロピレン、ポリビニリデン
フルオライド(PVDF)、及びガラス繊維が含まれる。特
に好適な多孔性仕切り部材は、Milliporeからの混合セ
ルロース・エステル(アセテート及びナイトレート)薄
膜である。
仕切り部材がコラーゲン被膜を施されている具体例に
おいては、開口周辺に均質なコラーゲン層を作ることが
特に望ましい。薄膜上のコラーゲンの量は決定的ではな
い。血小板機能の分析においては約1〜2μgの範囲で
よく機能することが見出された。本発明のテストカート
リッジの1つでは、仕切り部材にコラーゲンが与えら
れ、次いで該多孔性部材が乾燥されて密封シールされた
ハウジング内に貯蔵される。
ADPは周知の通り、水溶液中では不安定であり、有効
寿命が僅かに4時間である。従って、使用直前に、約1m
g/mlから約90mg/mlの濃度、より好ましくは約45mg/mlか
ら約55mg/mlの濃度で多孔性部材に適用する。
しかしながら、本発明の好適なテストカートリッジの
1つでは、ADPは多孔性仕切り部材に組み込まれてお
り、仕切り部材は乾燥され、サンプルカップ10に溶接さ
れ、使用直前まで密封シール状態で保存されている。AD
Pは使用前に湿潤溶液を適用して溶液にされる。
血小板機能を試験するアッセイシステムでは、ADPの
ような血小板凝集調節剤を本発明による多孔性仕切り部
材に組み込んでいる。本発明はまた、血小板機能の種々
な面の評価において有用なリストセチン、アラキドン酸
及びその塩、トロンビン、エピネフリン、血小板活性因
子(PAF)、トロンビン受容体作用薬ペプチド(TRAP)
等のような他の標準的な調節剤を組み込んだ多孔性仕切
り部材を提供している。
本発明によるテストカートリッジ及び方法における多
孔性仕切り部材は、PT及びPTT試験と同様な凝固機能を
評価するための全血及び血漿凝固アッセイにおいても有
効である。このような実施例では、血液の凝固は、多孔
性仕切り部材に組み込まれ最終的に多孔性仕切り部材を
通る血流を停止させる適当な外因性又は内因性経路の活
性剤と血液とが接触することによって開始される。血流
停止の発生に要する時間は、例えば患者のプロトロンビ
ン時間又は部分トロンボプラスチン時間と相関づけるこ
とができる。これとは対照的に、現在の全血凝固機器
は、凝固が形成される際の光信号又は電気信号に依存し
ている。
プロトロンビン変換の外因性経路の活性化剤として本
発明の多孔性仕切り部材への組み込みに適したものとし
ては、例えばBaxter−DadeのTHROMBOPRASTIN−C のよ
うなトロンボプラスチン試薬がある。本発明による多孔
性仕切り部材への組み込みに適した内因性経路の活性剤
には、イノシチン(inosithin)、及び塩化カルシウム
及び/又は活性セファロプラスチン試薬(ACTIN ,Baxt
er−Dade)が含まれる。ACTIN は多孔性仕切り部材に
組み込み可能であり、または事前に試験対象の全血サン
プルに混ぜることもできる。こうした試験は、抗凝固剤
処理した全血サンプル及び血漿サンプルについて実行可
能である。
多孔性仕切り部材における薬剤の濃度は、凝固に関し
て正常パラメーターと異常パラメーターとの差を示す開
口閉塞時間をもたらすように選択される。
血小板機能試験では、アデノシン5'二リン酸が本発明
による多孔性仕切り部材へ組み込む試薬としては好まし
い。ADPは水溶液中で安定せず、その有効寿命は僅か4
時間である。偶然にも、ADPを多孔性仕切り部材に組み
込み、乾燥させた上約4℃の密封シール状態で貯蔵すれ
ば、それは約一年半は安定していることが発見された。
ユーザーがアッセイで使用するADP溶液を準備する必要
がなくなることで、こうした多孔性仕切り部材はユーザ
ーによる過誤及び透過の変動性を除去し、血小板凝集の
ための再現可能な刺激作用を提供する。
正常な血液サンプルによる開口閉鎖時間は、薄膜に組
み込んだ生物学的反応性物質の濃度に部分的に依存す
る。薬剤の濃度は正常な凝縮パラメーターと異常な凝縮
パラメーターを簡便に区別できるように選択する。これ
は、当業者により容易に決定できる。使用のために報告
されている凝集測定用の同様な試薬の濃度範囲が、適切
な濃縮範囲を決定する上での1つの出発点を提示してい
る。試薬濃度は、望みの分析感度を考慮して最適化され
る。例えば、ADPの濃度は軽い血小板機能不全を検知す
る程度で十分であるがしかし変動する結果を導く程低く
ないことが望ましい。
完全な活性化と凝集のためには閾値量の使用は必要で
あるが、軽い血小板機能不全を調べるのならば、試薬の
使用はより少量にする。試験の感度と再現可能な結果を
得ることとのバランスを計ることが望ましい。
図2及び図3に示されているように試験チャンバー63
はサンプルカップ10用の2位置支持体を含んでおり、こ
の支持体は支持部材71、及びクラッシュリブ72を備えて
いる。支持部材71は中央に細管ハブ30の部分31が通り抜
けられるように寸法を与えられた開口を有している。図
2に示されているように、クラッシュリブ72(他は図示
されていない)はサンプルカップ10を第1の位置に維持
しており、それにより細管40は穿孔可能な薄膜70より上
方にあるがこれに接触していない。図3に示すように、
サンプルカップ10は第2ポジションに移動されており、
それによりクラッシュリブ72が圧縮されされ、サンプル
カップ10が支持部材71に接触して所定位置に保持され、
細管ハブ30の部分31は支持部材71を通過し、また細管40
は穿孔可能な薄膜70の方へと動かされてそれを貫通し保
持チャンバー61及びそこに配置されたサンプル11の中へ
と伸長している。
サンプルは機器が生成した負圧によって保持チャンバ
ー61から試験チャンバー63に流れされる。
装置を通じた初期の流速は、細管の長さ及び内径を変
化させることによって制御される。
血小板機能試験において、サンプル量が約500μlか
ら800μlの場合、装置を通る初期の血液流量は毎分約1
00μlから約200μlであることが好ましい。直径が100
ミクロンを大幅に下回る場合は、血小板に影響があると
信じられている。従って、細管40の好適な内径は、約10
0ミクロンから220ミクロンである。特に好適な内径は約
150〜210μであり、細管の好適な長さは約0.6〜1.2イン
チである。特に好適な実施例においては、細管の内径は
約200±10ミクロンであり細管の長さは約1.2インチであ
る。この構成と流量の場合、血液が正常であれば薄膜の
開口は、約1分から3分で閉塞する。
アッセイのために細管を短くするのが望ましい場合
は、システムを通る同じ流速を維持するために、細管の
内径を減らすか、又はそれに応じてサンプル量を調整す
る。
細管は内径に関して誤差が少なく、比較的滑らかな内
部表面を持ち、血液との適合性(即ち血液の賦活物質で
はない)を有するものであれば、いずれの物質によって
も製造が可能である。サンプルカップ10が細管ハブ30を
含む単体として成形されているような具体例において
は、細管ハブ30に便利な材料はプラスチックである。細
管に便利な物質はステンレス鋼である。
本発明の構成要素は、血液と適合性のある物質から製
造される。血小板機能試験では、血小板を活性化させな
いように材料が選択される。ポリプロピレンはハウジン
グに適した物質である。しかしながら、ポリエチレン・
テレフタレート(PET)のような他のプラスチックもま
た使用可能である。ポリプロピレンは、装置の部品組立
に溶接を使用する場合には適切なプラスチックである。
オペレーターはトップホイル62と添付の乾燥剤(もし
ある場合は)を取り除いて、図に示されているような使
い捨ての装置を用意する。好適な具体例の1つでは、こ
うした装置は図7及び図8に示されているようなカセッ
ト100にはめ込まれる。次いで、オペレーターはピペッ
ト又はそれに類似する装置を使用して被験サンプルを開
口65を通して保持チャンバー61に移す。サンプルを負荷
した使い捨て装置を含むカセット100は、サンプルを試
験温度にまで加熱する自動化された機器の中に置かれ
る。
本機器はフランジ67のタブ69上に位置するタイプセン
スコード68を読みとって加熱時間やその他の試験パラメ
ーターを決定することができる。サンプル11の加熱は底
部シール66の熱伝導特性が高いほど増大し、底部シール
66の外表面は機器のヒーターブロックに極めて近接して
おり、内表面はサンプル11に接触している。
保持チャンバー61内のサンプルは、図2の刺通可能部
材70によってインキュベーション期間の間は試験チャン
バー63から隔離されている。ここで図2、及び図3につ
いて言及すると、インキュベーション期間が終了する時
点で、本自動機器は、サンプルカップ10/細管ハブ30ア
ッセンブリーを図2に示されたA点から図3のB点に移
動させることで試験サイクルを開始する。この移動によ
って、移転部材40は刺通可能部材70を通過して保持チャ
ンバー61に入り、サンプル11と接触する。本機器は真空
チャック15を通してサンプルカップ10に下向きの圧力を
掛け、真空チャック15はサンプルカップ10のリム12と密
着して噛み合っており、これによって本機器の噛み合い
部分とリム12の間にシールが形成される。次いで、本機
器はサンプルカップ10の内部に負圧を発生させ、これに
よってサンプルを細管40を通して受入チャンバー18に吸
い上げ、さらに仕切り部材6の開口を通して吸い上げ
る。
サンプル共々こうした使い捨て装置は試験の終了時点
で機器より取り外し廃棄する。カセットは再使用する。
本発明の好適なテストカートリッジでは、薄膜を構成
する多孔性仕切り部材には凍結乾燥されたADP又はエピ
ネフリン酒石酸水素塩が組み込まれていた。こうした薬
剤は5%グルコース(浸透圧280mOsm/kg)を含む酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH3.5)に溶解されている。薄膜への
結合用に使用されたADP溶液の濃度は50mg/mlであり、エ
ピネフリン溶液の場合は10mg/mlであった。
薄膜の小板は1μLのADP溶液、又はエピネフリン溶
液によってスポット被膜を行った。従って、テストカー
トリッジ内に置かれた各薄膜は50μgのADP又は10μg
のエピネフリンを含有した。次いで、薄膜をNycomed AG
より入手可能な馬の腱から抽出した小繊維性のタイプ1
コラーゲン懸濁液1μLによってスポット被膜を行っ
た。
スポット被膜には薄膜の小片上に薬液のスポットを付
けることを伴った。スポット被膜を行った後、薄膜を強
制空気乾燥チャンバー内に25分間置き、ADP又はエピネ
フリンの乾燥、及び被膜部位上のコラーゲン膜の形成を
行った。乾燥を終えると、斑点の中心を打ち抜き、薄膜
ディスクを薄膜小片から切り出した。薄膜ディスクをテ
ストカートリッジに挿入した。
血液試験の前に、ADPまたはエピネフリンを溶液にす
るため薄膜上に食塩水を加えた。しかしながら、食塩水
を薄膜上に加えなくとも、試験は正常に進行することが
判明している。血液サンプルのみでも薄膜中の乾燥ADP
又はエピネフリンを溶解することができる。
両試験ともに、血液は開口を通して約40mbarの一定圧
力勾配で吸引され、血流の停止発生に必要な時間が決定
された。
同様の結果を得るために、サンプルカップ、細管ハブ
及び細管を一つの部品に統合する又はサンプル貯蔵領域
を完全にサンプルカップ/細管ハブアセンブリーの直下
に配置する等のように、主要構成要素の種々の構成を実
施できよう。
本発明は、その好適な実施例を含めて詳細に説明され
た。しかしながら、当業者が本開示を考慮して本発明の
改変及び/又は改良を行うことができるが、依然それが
以下の特許請求範囲に規定されている本発明の範囲と精
神の範囲内にあるということが認識されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ショーエンベルク,スティーブン アメリカ合衆国94107カリフォルニア、 レッドウッドシティー、フェイストリー ト 1050 (72)発明者 ストーン,トーマス,アール アメリカ合衆国94107カリフォルニア、 サンフランシスコ、ノース、サードスト リート 300 (72)発明者 クンドゥ,ソウラブ,ケイ アメリカ合衆国33330フロリダ、クーパ ーシティー、サウスウエスト118アベニ ュー 5362 (72)発明者 ガイゼルマン,テッド,エス アメリカ合衆国01740マサチューセッツ、 ボルトン、ボーガンヒルロード 50 (56)参考文献 特開 平1−201157(JP,A) 特開 平6−23012(JP,A) 米国特許4812293(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/98

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体サンプルのアッセイのためのアッセイ
    システムにおいて使用するためのテストカートジッリで
    あって、アッセイ中にそれを通って液体サンプルが流れ
    るハウジングを含み、該ハウジングが、 (a)該サンプルを保持するための保持チャンバー及び
    試験チャンバーであって、刺通可能部材によって分離さ
    れたものである保持チャンバー及び試験チャンバーと、 (b)該試験チャンバー内に配置された仕切り部材であ
    って、それを貫通した開口を有し且つ該アッセイのため
    の少なくとも1つの試薬を含むものである仕切り部材
    と、そして (c)該刺通可能部材に向かって移動してこれを刺通し
    て該保持チャンバー内の液体サンプルに接触することが
    できるよう、該試験チャンバー内に可動式に取り付けら
    れた移転部材と を備えたものであり、 それにより、該移転部材が該刺通可能部材の方へと移動
    されてこれを刺通して該液体サンプルに接触しそして該
    試験チャンバー内に負圧がつくり出されたとき、液体サ
    ンプルが該移転部材を通って該試験チャンバー内へとそ
    して該仕切り部材にある開口を通って移動するものであ
    る、 テストカートリッジ。
  2. 【請求項2】該試験チャンバー又はその一部分が、該試
    験チャンバー内に負圧を作り出すことの可能な機器の1
    構成要素と密封的に嵌合するのに適合させてあるもので
    ある、請求項1のテストカートリッジ。
  3. 【請求項3】該試験チャンバー内に可動式に支持された
    サンプルカップであって、該仕切り部材及び該サンプル
    移転部材がその中に配置されているものであるサンプル
    カップを更に含む、請求項1のテストカートリッジ。
  4. 【請求項4】該サンプルカップが、該サンプルカップ内
    に負圧を作り出すことのできる機器の1構成要素と密封
    的に嵌合するのに適合させたものである、請求項3のテ
    ストカートリッジ。
  5. 【請求項5】少なくとも1つの試薬が、コラーゲン、抗
    原、抗体または細胞を結合させるためのリガンドであ
    る、請求項1のテストカートリッジ。
  6. 【請求項6】該仕切り部材が多孔性材料を含むものであ
    る、請求項1のテストカートリッジ。
  7. 【請求項7】該多孔性仕切り部材が、開口を有し且つ血
    液凝固プロセス又は血中の血小板凝集を開始させること
    のできる少なくとも1つの薬剤を組み込んでいる多孔性
    材料を含むものである、請求項6のテストカートリッ
    ジ。
  8. 【請求項8】血液凝固プロセスを開始させることのでき
    る該薬剤が、プロトロンビン変換の外因性又は内因性経
    路の活性化剤を少なくとも1つ含むものである、請求項
    7のテストカートリッジ。
  9. 【請求項9】プロトロンビン変換の該外因性又は内因性
    経路の該活性化剤が、トロンボプラスチン試薬又は活性
    セファロプラスチン試薬を含むものである、請求項8の
    テストカートリッジ。
  10. 【請求項10】血中の血小板凝集を開始させることので
    きる該薬剤が、ADP、リストセチン、アラキドン酸、ト
    ロンビン、エピネフリン、血小板活性因子(PAF)、又
    はトロンビン受容体作用薬ペプチド(TRAP)を含むもの
    である、請求項7のテストカートリッジ。
  11. 【請求項11】コラーゲンを更に含む、請求項10のテス
    トカートリッジ。
  12. 【請求項12】該多孔性仕切り部材が薄膜、セラミッ
    ク、ナイロン、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオ
    ライド又はガラス繊維を含むものである、請求項7のテ
    ストカートリッジ。
  13. 【請求項13】該薄膜が混合セルロース・エステル(ア
    セテート及びナイトレート)を含むものである、請求項
    7のテストカートリッジ。
  14. 【請求項14】該保持チャンバーがL形状で、該L形の
    底部が該保持チャンバーの底部を形成しており且つ下方
    に傾斜しているものである、請求項1のテストカートリ
    ッジ。
  15. 【請求項15】該保持チャンバーの底部が熱伝導を増大
    することのできる材料で構成されているものである、請
    求項14のテストカートリッジ。
  16. 【請求項16】該保持チャンバーと該試験チャンバーと
    の両方をシールする除去可能なシールが該ハウジング頂
    部に備えられているものである、請求項1のテストカー
    トリッジ。
  17. 【請求項17】該除去可能なカバーの該ハウジングの内
    側へ向かって位置した側面に乾燥剤が備えられているも
    のである、請求項16のテストカートリッジ。
  18. 【請求項18】タイプセンスコードをその上に有するフ
    ランジが該ハウジングの頂部に備えられているものであ
    る、請求項1のテストカートリッジ。
  19. 【請求項19】血液の凝固機能を試験するためのアッセ
    イシステムにおいて使用するためのテストカートリッジ
    であって、それを通って血液が流れるハウジングを含
    み、該ハウジングが、 (a)試験すべき血液サンプルを保持するための保持チ
    ャンバー及び試験チャンバーであって、刺通可能部材に
    よって分離されたものである保持チャンバー及び試験チ
    ャンバーと、 (b)該試験チャンバー内に配置された仕切り部材であ
    って、それを貫通した開口を有し且つ血液凝固の経路の
    少なくとも1つの活性化させる少なくとも1つの試薬を
    含む仕切り部材と、 (c)該刺通可能部材に向かって移動してこれを刺通す
    ることができるよう、該試験チャンバー内に可動式に取
    り付けられた移転部材と、そして (d)該サンプル移転部材から血液を受け入れるために
    該試験チャンバー内において該仕切り部材及び該移転部
    材の間に配置された受入れチャンバーと を備えたものであり、 それによって、血液が該保持チャンバー内に配置されそ
    して該移転部材が該刺通可能部材の方へ移動されてこれ
    を刺通して血液と接触しそして該試験チャンバー内に負
    圧がつくり出されたとき、血液が該移転部材を通って該
    受入チャンバー内へとそして該仕切り部材の該開口を通
    って移動されるものである テストカートリッジ。
  20. 【請求項20】血液凝固プロセスを開始させることので
    きる該薬剤が、プロトロンビン変換の外因性又は内因性
    経路の活性化剤の少なくとも1つを含むものである、請
    求項19のテストカートリッジ。
  21. 【請求項21】プロトロンビン変換の外因性又は内因性
    経路の該活性化剤が、トロンボプラスチン試薬、又は活
    性セファロプラスチン試薬を含むものである、請求項20
    のテストカートリッジ。
  22. 【請求項22】テストカートリッジに血液を通すことを
    含む血小板機能の試験方法であって、アッセイ中に血液
    が通って流れるハウジングを該テストカートリッジが含
    み、該ハウジングが、 (a)試験すべき血液サンプルを保持するための保持チ
    ャンバー及び試験チャンバーであって、刺通可能部材に
    よって分離されたものである保持チャンバー及び試験チ
    ャンバーと、 (b)該試験チャンバー内に配置された仕切り部材であ
    って、それを貫通した開口を有し且つ血小板の凝集を活
    性化させる少なくとも1つの試薬を含む仕切り部材と、 (c)該刺通可能部材に向かって移動してこれを刺通す
    ることができるよう、該試験チャンバー内に可動式に取
    り付けられた移転部材と、そして (d)該サンプル移転部材から血液を受け入れるために
    該試験チャンバー内において該仕切り部材及び該移転部
    材の間に配置された受入れチャンバーと を備えたものであり、 ここに該方法が (i) 該保持チャンバーに血液サンプルを供給するス
    テップと、 (ii) 所定の条件下にサンプルを予備インキュベーシ
    ョンするステップと、 (iii)該移転部材を該刺通可能な部分の方へ移動させ
    てこれを貫通させて該保持チャンバー内の血液と接触さ
    せるステップと、 (iv) 該試験チャンバー内の圧力を、血液を該移転部
    材を通して該受入れチャンバー内へそして該仕切り部材
    の該開口を通して流すのに十分な負圧にするステップ
    と、 (v)該仕切り部材にある該開口における血小板栓子の
    形成及びそれによる血液の流れの停止に要する時間量を
    測定するステップと、そして (vi)段階(v)で測定された時間を所定の正常範囲と
    相関づけるステップとを含む方法。
JP50342096A 1994-06-30 1995-06-29 組み合わせ試薬保持及び試験装置 Expired - Fee Related JP3477555B2 (ja)

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