JP2000073081A - 潤滑剤組成物ならびに磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

潤滑剤組成物ならびに磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

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JP2000073081A JP19861398A JP19861398A JP2000073081A JP 2000073081 A JP2000073081 A JP 2000073081A JP 19861398 A JP19861398 A JP 19861398A JP 19861398 A JP19861398 A JP 19861398A JP 2000073081 A JP2000073081 A JP 2000073081A
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Mikio Murai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた潤滑性能を呈する潤滑剤組成物、なら
びに電磁変換特性を損なうことなく、走行耐久性および
スチル耐久性等の実用信頼性を向上させた磁気記録媒体
を得る。 【解決手段】 分子内にパーフルオロアルキル基または
パーフルオロエーテル基、およびアルキル基またはアル
ケニル基を有する含フッ素化合物から選ばれる少なくと
も1種類の化合物と、分子内にパーフルオロポリエーテ
ル基を有する含フッ素化合物から選ばれる少なくとも1
種類の化合物とを含んで成る潤滑剤組成物、ならびに非
磁性基板(1)上に、強磁性金属薄膜(2)、炭素膜
(3)および潤滑剤層(4)がこの順に形成されて成る
磁気記録媒体であって、潤滑剤層(4)が前記潤滑剤組
成物を含有する磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた潤滑性能を
呈する潤滑剤組成物、ならびに、例えばデジタルビデオ
テープレコーダや高精細度ビデオテープレコーダに最適
の、磁気記録層として強磁性金属薄膜、その上の炭素
膜、およびさらにその上の潤滑剤層を有する磁気記録媒
体ならびにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
・再生機器のデジタル化、小型化および使用時間の長時
間化等の高性能化に伴い、それに適した高密度磁気記録
媒体の開発が活発に行なわれており、最近では塗布型磁
気記録媒体に代わって、短波長記録に極めて有利な金属
薄膜型磁気記録媒体が実用化されている。
【0003】しかしながら、金属薄膜型磁気記録媒体の
磁性層は、極めて良好な表面性を有する、すなわち磁性
層の面の粗度が小さいために磁気ヘッドとの接触面積が
増えるので、信号の記録・再生の過程において磁気ヘッ
ドと高速摺動する間に大きな摩擦力を受けて摩耗されや
すい。磁性層の磨耗は、走行耐久性あるいはスチル耐久
性等に大きな影響を与えるため、磁性層の磨耗を低減さ
せることは金属薄膜型磁気記録媒体の研究開発において
大きな課題となっている。
【0004】そこで、磁性層表面に潤滑剤層を設けるこ
とによって磨耗を低減し、走行耐久性およびスチル耐久
性を改善しようとする試みがなされている。潤滑剤層を
設ける場合、磁気記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシン
グロスによる出力低下を極力抑えて高出力化を図るべ
く、磁性層表面の潤滑剤層は僅か数nmの厚みで潤滑特性
を発揮することが求められている。そのため、優れた潤
滑特性を示すフッ素系化合物を用いることが広く検討さ
れ、各種化合物の使用が提案されている。例えば、(化
18):
【化18】C1835OCOC917 で示される含フッ素長鎖カルボン酸エステル(特開昭62
−46431号公報参照)や(化19):
【化19】 で示されるカルボキシル基を有する含フッ素カルボン酸
モノエステル(特開昭61−107529号公報参照)等を使用
することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気記
録媒体の性能向上に関する要求は厳しく、上記した従来
の潤滑剤では十分な潤滑特性を得ることが困難であり、
走行耐久性およびスチル耐久性において一層の改善が望
まれている。
【0006】本発明は、上記問題に鑑み、電磁変換特性
を損なうことなく、走行耐久性およびスチル耐久性に優
れ、実用信頼性の高い磁気記録媒体を得ることを可能に
する潤滑剤組成物およびその潤滑剤組成物を用いた磁気
記録媒体ならびにその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤組成物
は、特定の二種以上の含フッ素化合物を含んで成るもの
である。それにより、例えば、この潤滑剤組成物を用い
て磁気記録媒体の潤滑剤層を形成した場合、潤滑剤層の
その下に位置する炭素膜への付着強度が向上し、かつ優
れた潤滑特性が磁気記録媒体に付与されるので、磁気記
録媒体はその電磁変換特性が損なわれることなく優れた
走行耐久性およびスチル耐久性を呈するものとなる。
【0008】第一の要旨において、本発明の潤滑剤組成
物は、分子内にパーフルオロアルキル基またはパーフル
オロポリエーテル基、およびアルキル基またはアルケニ
ル基を有する、一般式(a)および(b):
【化20】 (ここで、R1はアルキル基またはアルケニル基であ
り、R2はパーフルオロアルキル基またはパーフルオロ
ポリエーテル基であり、aは0〜20の整数であり、b
は0または1である。)
【化21】 (ここで、R3はアルキル基またはアルケニル基であ
り、R4はパールオロアルキル基またはパーフルオロポ
リエーテル基であり、R5はOまたはSであり、cは0
〜20の整数であり、dは0または1である。)で示さ
れる化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物、な
らびに分子内にパーフルオロポリエーテル基を有する、
一般式(c)、(d)および(e):
【化22】 HOCH2CF2(OC24)e(OCF2)gOCF2CH2OH ...(c) (ここで、eおよびgは1以上の整数である。)
【化23】 HOOCCF2(OC24)i(OCF2)jOCF2COOH ...(d) (ここで、iおよびjは1以上の整数である。)
【化24】 R6COOCH2CF2(OC24)k(OCF2)pOCF2CH2OCOR6 ...(e) (ここで、kおよびpは1以上の整数であり、R6は炭
素数4〜22のアルキル基である。)で示される化合物
から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含むことを特
徴とする。
【0009】一般式(a)〜(e)で示される化合物
は、いずれも含フッ素化合物である。この潤滑剤組成物
は、含フッ素モノカルボン酸(a)および(b)から選
択される少なくとも1種の化合物と、含フッ素ジオール
(c)、含フッ素ジカルボン酸(d)および含フッ素ジ
エステル(e)から選択される少なくとも1種の化合物
とを含んで成るものである。なお、一般式(a)で示さ
れる化合物は、一のカルボキシル基を有する含フッ素カ
ルボン酸モノエステルともいえるものである。
【0010】この組成物が、例えば、非磁性基板上に、
強磁性金属薄膜、炭素膜および潤滑剤層がこの順に形成
されて成る磁気記録媒体(以下、これを単に金属薄膜型
磁気記録媒体という場合がある)の潤滑剤層に含まれる
場合には、潤滑剤層の炭素膜への付着強度が向上し、か
つ優れた潤滑特性が磁気記録媒体に付与される。そして
これらの相乗効果により、電磁変換特性が損なわれるこ
となく走行耐久性およびスチル耐久性が向上した実用信
頼性の高い磁気記録媒体が得られる。
【0011】第二の要旨において、本発明の潤滑剤組成
物は、上記一般式(a)で示される化合物から選ばれる
少なくとも1種類の化合物と、上記一般式(b)で示さ
れる化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物とを
含んで成ることを特徴とする。
【0012】この組成物は、少なくとも1種類の含フッ
素モノカルボン酸(もしくは一のカルボキシル基を有す
る含フッ素カルボン酸モノエステル)(a)、および少
なくとも1種類の含フッ素モノカルボン酸(b)を含
む。それにより、例えば、この組成物が金属薄膜型磁気
記録媒体の潤滑剤層に含まれる場合には、潤滑剤層の炭
素膜への付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性が磁気
記録媒体に付与される。そしてこれらの相乗効果によ
り、電磁変換特性が損なわれることなく走行耐久性およ
びスチル耐久性が向上した実用信頼性の高い磁気記録媒
体が得られる。
【0013】第三の要旨において、本発明の潤滑剤組成
物は、上記一般式(a)で示され、R2がパーフルオロ
アルキル基である化合物から選ばれる少なくとも1種類
の化合物、および上記一般式(a)で示され、R2がパ
ーフルオロポリエーテル基である化合物から選ばれる少
なくとも1種類の化合物を含んで成ることを特徴とす
る。
【0014】この組成物は、R2がパーフルオロアルキ
ル基である一般式(a)の化合物を少なくとも1種類、
およびR2がパーフルオロポリエーテル基である一般式
(a)の化合物を少なくとも1種類含むものである。そ
れにより、例えば、この組成物が金属薄膜型磁気記録媒
体の潤滑剤層に含まれる場合には、潤滑剤層の炭素膜へ
の付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性が磁気記録媒
体に付与される。そしてこれらの相乗効果により、電磁
変換特性が損なわれることなく走行耐久性およびスチル
耐久性が向上した実用信頼性の高い磁気記録媒体が得ら
れる。
【0015】なお、いずれの要旨においても、一般式
(a)のR2がパーフルオロポリエーテル基である場合
には、そのパーフルオロポリエーテル基が一般式
(f)、(g)および(h)のいずれかで示されるもの
であることが好ましい。
【化25】 (ここで、qは1以上の整数である。)
【化26】 (ここで、rおよびtは1以上の整数である。)
【化27】 R7(OCu2u)vO(CF2)u-1− ...(h) (ここでR7はパーフルオロアルキル基を示し、uは1
〜6の整数であり、vは1〜30の整数である。)
【0016】また、一般式(b)のR4についても同様
に、R4がパーフルオロポリエーテル基である場合に
は、それが一般式(f)、(g)および(h)のいずれ
かで示されるものであることが好ましい。
【0017】上記のパーフルオロポリエーテル基を有す
る化合物が潤滑剤組成物に含まれることにより、例え
ば、この組成物が金属薄膜型磁気記録媒体の潤滑剤層に
含まれる場合には、潤滑剤層の炭素膜への付着強度がよ
り向上し、かつより優れた潤滑特性が磁気記録媒体に付
与される。そしてこれらの相乗効果により、電磁変換特
性が損なわれることなく走行耐久性およびスチル耐久性
が向上した実用信頼性の高い磁気記録媒体が得られる。
【0018】また、本発明のいずれの要旨においても、
潤滑剤組成物は有機リン系化合物をさらに含有してもよ
い。有機リン系化合物は防錆剤および/または極圧剤と
して作用するとともに、これが金属薄膜型磁気記録媒体
の潤滑剤層に含有される場合には、潤滑剤層と炭素膜の
間の付着強度を向上させる役割をも果たすので、磁気記
録媒体の潤滑性能ならびに走行耐久性およびスチル耐久
性がより向上し、その結果、磁気記録媒体の実用信頼性
がより向上する。
【0019】具体的には、下記一般式(i)、(j)、
(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)およ
び(q):
【化28】HP(O)(OCn2n+1)2 ...(i)
【化29】P(OCn2n+1)3 ...(j)
【化30】P(SCn2n+1)3 ...(k)
【化31】O=P(OCn2n+1)3 ...(l)
【化32】S=P(OCn2n+1)3 ...(m)
【化33】O=P(SCn2n+1)3 ...(n)
【化34】S=P(SCn2n+1)3 ...(o)
【化35】(Cn2n+1O)2P(O)OH ...(p)
【化36】(Cn2n+1O)P(O)(OH)2 ...(q) (上記一般式(i)〜(q)において、nは8〜20の
整数である。)から成る群から選択される少なくとも1
種の有機リン系化合物を用いることが好ましい。
【0020】これら特定の有機リン系化合物を含む潤滑
剤組成物を、例えば、金属薄膜型記録媒体の潤滑剤層に
用いた場合には、磁気記録媒体の実用信頼性がより向上
する。
【0021】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上
に、強磁性金属薄膜、炭素膜および潤滑剤層がこの順に
形成されてなる磁気記録媒体であって、潤滑剤層が上記
潤滑剤組成物を含むことを特徴とするものである。上記
特定の含フッ素化合物を2種以上組み合わせた潤滑剤組
成物を用いることにより、潤滑剤層のその下に位置する
炭素膜への付着強度が向上し、かつ優れた潤滑特性が磁
気記録媒体に付与される。そしてこれらの相乗効果によ
り、電磁変換特性が損なわれることなく走行耐久性およ
びスチル耐久性が向上した実用信頼性の高い磁気記録媒
体を得ることができる。
【0022】本発明の磁気記録媒体の好ましい態様で
は、その炭素膜が表層部に含窒素プラズマ重合膜を有
し、潤滑剤層が炭素膜の含窒素プラズマ重合膜上に形成
されている。含窒素プラズマ重合により炭素膜の表層部
にアミノ基が存在することとなり、その結果、潤滑剤層
と炭素膜の間の付着強度がより大きくなり、磁気記録媒
体の耐久性がより向上することとなる。そして、潤滑剤
層に特定の含フッ素化合物等を含有させることと相俟っ
て、電磁変換特性が損なわれることなく優れた潤滑性能
を有する走行耐久性およびスチル耐久性が向上した実用
信頼性の高い磁気記録媒体が得られる。
【0023】本発明の磁気記録媒体は、潤滑剤層の形成
工程を除いて、従来から磁気記録媒体の製造に用いられ
ている工程を使用して製造することができる。なお、潤
滑剤層の形成工程は、炭化水素系溶媒とアルコール系溶
媒との混合有機溶媒に上述の潤滑剤組成物を溶解して調
製した塗布液を炭素膜上に塗布し、混合溶媒を乾燥する
工程を含むことを特徴とする。炭化水素系溶媒とアルコ
ール系溶媒の混合有機溶媒を使用することにより、潤滑
剤層と炭素膜との間の付着強度が向上し、かつ塗布ムラ
が極めて少ない均一な薄い潤滑剤層が形成され得る。よ
って本発明の製造方法によれば、優れた潤滑性能を有す
る実用信頼性の高い磁気記録媒体を得ることが可能であ
る。
【0024】上記本発明の製造方法において、炭化水素
系溶媒とアルコール系溶媒との混合割合は重量比で1:
9〜9:1の範囲にあることが好ましい。この範囲で両
者を混合することは、塗布ムラを極力少なくすることを
可能とし、またコスト面でも有利である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の潤滑剤組成物に含まれる
含フッ素化合物は、上記一般式(a)〜(e)で示され
る化合物である。
【0026】一般式(a)で示される化合物は一のカル
ボキシル基を有する含フッ素カルボン酸モノエステルと
もいえるものである。この化合物は、例えば、コハク酸
のようなジカルボン酸に含まれる二のカルボキシル基の
うち、一のカルボキシル基をエステルにすることにより
得られる。
【0027】一般式(a)において、R1はアルキル基
またはアルケニル基であり、R2はパーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロポリエーテル基である。aは通
常0〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数であ
る。bは0または1である。一般式(a)におけるR1
の炭素数は6〜30が好ましく、10〜24がより好ましい。
炭素数が6未満である場合又は30を超える場合には潤滑
性が低下することがある。
【0028】R2がパーフルオロアルキル基である場
合、その炭素数は1〜12が好ましい。R2がパーフルオ
ロポリエーテル基である場合、その分子量は約200〜約6
000程度であることが好ましく、約300〜約4000であるこ
とがより好ましい。分子量が200未満である場合もしく
は6000を越える場合には潤滑性及び保存信頼性が低下す
る場合がある。
【0029】R2がパーフルオロポリエーテル基である
場合、そのパーフルオロポリエーテル基は、上記一般式
(f)、(g)および(h)のいずれかで示されるもの
であることが好ましい。ここで、一般式(f)における
qは1以上の整数、また一般式(g)におけるrおよび
tは1以上の整数である。一般式(h)におけるR7
パーフルオロアルキル基であり、uは通常1〜6の整数
であり、vは通常1〜30の整数であり、より好ましくは
1〜8である。q、r、t、uおよびvがこれらの範囲
外である場合、磁気記録媒体の潤滑性および保存信頼性
が低下することがある。
【0030】一般式(b)において、R3はアルキル基
またはアルケニル基であり、R4はパーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロポリエーテル基である。R5
酸素原子または硫黄原子である。cは通常0〜20の整数
であり、好ましくは1〜10の整数である。dは0または
1である。一般式(b)におけるR3の炭素数は6〜30
が好ましく、10〜24がより好ましい。炭素数が6未満で
ある場合又は30を超える場合には潤滑性が低下すること
がある。
【0031】R4がパーフルオロアルキル基である場
合、その炭素数は1〜12が好ましい。R4がパーフルオ
ロポリエーテル基である場合、その分子量は約200〜約6
000程度であることが好ましく、約300〜約4000であるこ
とがより好ましい。分子量が200未満である場合もしく
は6000を越える場合には潤滑性及び保存信頼性が低下す
る場合がある。
【0032】特にR4がパーフルオロポリエーテル基で
ある場合、そのパーフルオロポリエーテル基は上記一般
式(f)、(g)および(h)のいずれかで示されるも
のであることが好ましい。ここで、一般式(f)におけ
るqは1以上の整数、また一般式(g)におけるrおよ
びtは1以上の整数である。一般式(h)におけるR7
はパーフルオロアルキル基であり、uは通常1〜6の整
数であり、vは通常1〜30の整数であり、より好ましく
は1〜8である。q、r、t、uおよびvがこれらの範
囲外である場合、磁気記録媒体の潤滑性および保存信頼
性が低下することがある。
【0033】一般式(c)におけるeおよびg、一般式
(d)におけるiおよびj、ならびに一般式(e)にお
けるkおよびpは、それぞれ1以上の整数である。一般
式(c)、(d)および(e)で示される各化合物の一
分子内のパーフルオロポリエーテル鎖の分子量は約200
〜約6000程度が好ましく、約300〜約4000がより好まし
い。分子量が200未満である場合もしくは6000を越える
場合には、潤滑性及び保存信頼性が低下する。一般式
(e)におけるR6の炭素数は4〜22が好ましく、12〜2
2がより好ましい。
【0034】本発明の第一の要旨の潤滑剤組成物は、一
般式(a)および(b)で示される化合物から選ばれる
少なくとも1種類の化合物、ならびに一般式(c)、
(d)および(e)から選ばれる少なくとも1種類の化
合物とが混合されて成るものである。前者と後者の混合
比率は、モル比で8:2〜2:8の範囲が好ましく、よ
り好ましくはモル比で7:3〜4:6の範囲である。
【0035】本発明の第二の要旨の潤滑剤組成物は、一
般式(a)で示される化合物から選ばれる少なくとも1
種類の化合物、および一般式(b)で示される化合物か
ら選ばれる少なくとも1種類の化合物とが混合されて成
るものである。一般式(a)で示される化合物から選択
される化合物と一般式(b)で示される化合物から選択
される化合物との混合比率は、モル比で8:2〜2:8
の範囲が好ましく、さらに好ましくはモル比で7:3〜
4:6の範囲である。
【0036】本発明の第三の要旨の潤滑剤組成物は、一
般式(a)で示され、R2がパーフルオロアルキル基で
ある化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物と、
一般式(a)で示され、R2がパーフルオロポリエーテ
ル基である化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合
物とが混合されて成るものである。前者と後者の混合比
率は、モル比で8:2〜2:8の範囲が好ましく、さら
に好ましくはモル比で7:3〜4:6の範囲である。
【0037】上記各潤滑剤組成物には、有機リン系化合
物をさらに含有させてもよい。本発明では特に、上記一
般式(i)〜(q)から成る群から選択される少なくと
も1種の有機リン系化合物を用いることが好ましい。一
般式(i)〜(q)において、各化合物を構成する炭素
原子の数(n)は8〜20である。炭素原子の数が7以
下であると潤滑性の低下を招き、21を越えると炭化水
素系溶媒もしくはアルコール系溶媒等の汎用溶媒への溶
解性が低下する。汎用溶媒への溶解性が低いと、例え
ば、本発明の磁気記録媒体の製造方法に従って金属薄膜
型磁気記録媒体の潤滑剤層を形成する場合、磁気記録媒
体の製造に支障をきたす。
【0038】有機リン系化合物を除く潤滑剤組成物の全
量と有機リン系化合物との混合比率は、モル比で1:1
〜1:0.01の範囲内にあることが好ましく、1:0.3〜
1:0.02の範囲内にあることがより好ましい。有機リン
系化合物の混合割合が多すぎる場合には、潤滑性能が悪
くなり、少ない場合には有機リン系化合物が奏する作用
・効果を十分に得ることができない。なお、「有機リン
系化合物を除く潤滑剤組成物の全量」とは、潤滑剤組成
物に含まれる上記一般式(a)〜(e)で示される化合
物の全量を意味し、その他の成分が含まれている場合に
はこれを除く量である。例えば、本発明の潤滑剤組成物
が、一般式(a)で示される化合物、一般式(b)で示
される化合物、ならびに有機リン系化合物を含む3成分
系のものである場合、有機リン系化合物を除く潤滑剤組
成物の全量は、一般式(a)で示される化合物と一般式
(b)で示される化合物とを合わせた量となる。更にこ
の潤滑剤組成物が、一般式(a)〜(e)で示される化
合物でない第四の成分を含む場合、有機リン系化合物を
除く潤滑剤組成物の全量には第四の成分は含まれず、一
般式(a)で示される化合物と一般式(b)で示される
化合物とを合わせた量だけが有機リン系化合物を除く潤
滑剤組成物の全量となる。
【0039】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上
に、強磁性金属薄膜、炭素膜および潤滑剤層がこの順に
形成されてなる磁気記録媒体であって、潤滑剤層が上記
の潤滑剤組成物を含有するものである。そこで、次に、
本発明の磁気記録媒体を構成する各層について、その製
造方法とともに図面を参照しながら説明する。
【0040】図1は本発明の磁気記録媒体の一態様であ
る金属薄膜型磁気テープ(以下、単に磁気テープという)
の断面図である。この磁気テープは下から順にバックコ
ート層(5)、非磁性基板(1)、強磁性金属薄膜
(2)、炭素膜(3)および潤滑剤層(4)が積層され
た構成となっている。
【0041】上述のように潤滑剤層以外の層およびその
形成方法については公知であり、常套の材料および形成
方法を採用することができる。
【0042】例えば、非磁性基板(1)として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳
香族ポリアミドもしくは芳香族ポリイミドから成るフイ
ルム、アルミ基板またはガラス基板等を使用することが
できる。実用信頼性と良好なRF出力とを両立するため
に、この非磁性基板(1)における表面、すなわち強磁
性金属薄膜と接する面には10nmから30nmの突起形成処理
が施されていることが好ましい。
【0043】強磁性金属薄膜(2)はイオンプレーティ
ング法、スパッタリング法もしくは電子ビーム蒸着法等
で形成することができる。薄膜材料として、Co−Ni、
Co−Ni−O、Co、Co−OまたはCo−Cr等が適宣選
択される。強磁性金属薄膜(2)の厚みは50nmから300n
mが一般的である。
【0044】炭素膜(3)は、ビッカース硬度が約2500
kg/mm2と高く、磁気テープのダメージを潤滑剤層(4)
と共に防止している。実用信頼性と出力とのバランスを
考慮すれば、その厚みは10nmから20nmであることが好ま
しい。この炭素膜(3)は、炭化水素ガスのみ、あるい
は炭化水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いたプラ
ズマCVD法により形成される。具体的には、真空容器
中に炭化水素ガス、または炭化水素ガスとアルゴン等の
不活性ガスとの混合ガスを導入し、容器内の圧力を0.00
1〜1Torrに保った状態で真空容器内部で放電を発生さ
せ、炭化水素ガスのプラズマを発生させて炭素膜(3)
を強磁性金属薄膜(2)上に形成させる。放電形式は外
部電極方式および内部電極方式のいずれでも良く、放電
周波数は実験的に決めることができる。また、非磁性基
板(1)側に配置される電極に0KVから−3KVの電圧を
印加することによって炭素膜(3)の硬度を増大させる
ことができ、また炭素膜(3)と強磁性金属薄膜(2)
との密着性を向上させることができる。炭化水素ガスと
しては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンもしくはベンゼン等
を用いることができる。
【0045】なお、硬質の炭素膜(3)を形成するため
には、放電エネルギーを大きくすることが望ましく、併
せて非磁性基板(1)の温度を高温に維持することが望
ましい。例えば、放電エネルギーは、交流電流、例えば
高周波数電流と直流電流を重畳して実効値を600V以
上にすることが望ましい。
【0046】炭素膜(3)の表層部には含窒素プラズマ
重合膜(図示省略)を形成することが好ましい。含窒素プ
ラズマ重合膜は、真空容器中にプロピルアミン、ブチル
アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンもしく
はテトラメチレンジアミン等のアミン化合物をガス化し
て導入し、容器内の圧力を0.001〜1Torrに保った状態
で真空容器内部に高周波放電させて形成する。含窒素ブ
ラズマ重合膜を形成することにより潤滑剤組成物の化学
吸着力が向上し、その結果、潤滑剤層と炭素膜の間の付
着強度が向上する。含窒素プラズマ重合膜の膜厚は3nm
未満が適当であり、これよりも含窒素プラズマ重合膜が
厚い場合には炭素膜の保護膜効果が低下する。なお、炭
素膜の表層部に含窒素プラズマ重合膜を形成する方法
は、米国特許第5,540,957号および第5,637,393号に開示
されており、この引用によりこれらの特許に開示された
内容は本明細書の一部を構成する。
【0047】潤滑剤層(4)を構成する潤滑剤組成物は
前述したとおりである。潤滑剤層(4)の形成工程は、
上記一般式(a)〜(e)で示される化合物を適宜混合
した潤滑剤組成物、もしくはこれに適宜有機リン系化合
物を混合した潤滑剤組成物を炭化水素系溶媒とアルコー
ル系溶媒の混合有機溶媒に溶解して塗布液を調製し、こ
れを炭素膜(3)に塗布する工程を含む。
【0048】本発明で使用できる炭化水素系溶媒は、例
えばトルエン、ヘキサン、へプタンおよびオクタン等で
あり、本発明で使用できるアルコール系溶媒は、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ールおよびイソプロピルアルコール等の低級アルコール
である。アルコール系溶媒の割合が大きすぎると塗布ム
ラが生じやすく、一方、炭化水素系溶媒の割合が大きす
ぎると不経済であるため、両者は混合割合が重量比で
1:9〜9:1の範囲、好ましくは3:7〜7:3の範
囲となるように混合して使用することが好ましい。塗布
液の濃度および塗布厚は、溶媒が蒸発した後に炭素膜
(3)上に形成される潤滑剤層(4)の厚みが所望の厚
みになるように塗布する。一般には、潤滑剤組成物の濃
度が100ppm〜4000ppmである塗布液を1μm〜5
0μmの厚みで塗布することが好ましい。
【0049】潤滑剤層(4)は潤滑剤組成物に応じて最
適膜厚が決定され、その厚みは一般に3〜5nmである。
塗布液の塗布方法はバーコーティング法、グラビアコー
ティング法、リバースロールコーティング法、ダイコー
ティング法、ディッピング法もしくはスピンコート法等
の湿式塗布法あるいは有機蒸着法のいずれを採用しても
よい。
【0050】塗布液を塗布した後、乾燥処理して有機溶
媒を蒸発させると、炭素膜(3)上に潤滑剤組成物の層
(4)が形成される。乾燥処理は加熱することにより、
もしくは自然乾燥によって実施することができる。
【0051】この混合有機溶媒を用いることにより、塗
布ムラのない均一な厚みの潤滑剤層が得られ、しかも溶
媒が最終的に蒸発した後には数nmという非常に薄い潤滑
剤層を形成させることができる。その結果、優れた潤滑
性能を有する実用信頼性の高い磁気記録媒体が得られ
る。
【0052】バックコート層(5)は、ポリウレタン、
ニトロセルロース、ポリエステル、カーボンおよび炭酸
カルシウム等から選ばれる一もしくは複数の材料により
形成される層であり、その厚みは約500nmとすることが
好ましい。
【0053】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではないこと
はいうまでもない。
【0054】(実施例1)非磁性基板(1)として、幅
が500mm、厚みが6.3μmであって、表面に高さが30nm、
直径が200nmの突起が1mm2あたり105から109個形成され
たポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。な
お、突起の数はSTM分析で測定した値である。この非
磁性基板(1)の表面に、酸素を導入しながら斜方真空
蒸着法によりCo(80)−Ni(20)(カッコ内は混合モル比
率)から成る厚み180nmの強磁性金属薄膜(2)を形成
した。
【0055】次いで、非磁性基板(1)の裏面に、ポリ
ウレタン、ニトロセルロースおよびカーボンブラックよ
り構成された固形分30%のメチルエチルケトン/トルエ
ン/シクロヘキサノン溶液をリバースロールコータによ
り塗布して、乾燥後の厚みが約500nmのバックコート層
(5)を形成した。
【0056】次に強磁性金属薄膜(2)上に、プラズマ
CVD法によって厚み15nmの炭素膜(3)を形成し
た。炭素膜は、真空容器中にヘキサンガスとアルゴンガ
スとを4:1の比(圧力比)で混合したガスを導入し、
トータルガス圧を0.3Torrに保ちながら、周波数20KHz、
電圧1500Vの交流と1000Vの直流を重畳し、これを放電管
内の電極に印加することにより形成した。さらに、炭素
膜(3)上にプロピルアミンガスを導入し、0.05Torrの
圧力を保った状態で10KHzの高周波プラズマ処理を行な
い、炭素膜(3)の表層部に厚み2.5nmの含窒素プラズ
マ重合膜を形成した。
【0057】次に、化学式(a1)で示される化合物と
化学式(c1)で示される化合物(アウジモント 社 F
omblin−Z−DOL)とをモル比で1:1となるように
配合した潤滑剤組成物を、イソプロピルアルコールとト
ルエンとを重量比で1:1となるように混合した混合有
機溶媒にその濃度が2000ppmとなるように溶解して塗布
液を調製した。そしてこの塗布液を、リバースロールコ
ータを用いて湿式塗布法で塗布した。最終的に炭素膜
(3)上には厚み4nmの潤滑剤層(4)が形成された。
【0058】
【化37】
【化38】 HOCH2CF2(OC24)6OCF2OCF2CH2OH ...(c1)
【0059】以上のようにして作成したテープ素材をス
リッタで8mm幅に裁断して8mm幅の磁気テープ試料(全
厚7μm、60分長)を作製した。
【0060】(実施例2〜実施例6)化学式(a2)〜
化学式(a6)(実施例2〜6に相当)で示される化合
物と化学式(c1)で示される化合物とをそれぞれモル
比で1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いた
こと以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を
それぞれ作製した。
【0061】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【0062】(実施例7〜11)化学式(b1)〜化学
式(b5)(実施例7〜11に相当)で示される化合物
と化学式(c1)で示される化合物とをそれぞれモル比
で1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこ
と以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作
製した。
【0063】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【0064】(実施例12〜17) 化学式(a1)〜化学式(a6)(実施例12〜17に
相当)で示される化合物と化学式(d1)で示される化
合物(アウジモント社 Fomblin−Z−DIAC)とを
それぞれモル比で1:1となるように配合した潤滑剤組
成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で磁気
テープ試料を作製した。
【0065】
【化49】 HOOCCF2(OC24)6OCF2OCF2COOH ...(d1)
【0066】(実施例18〜22)化学式(b1)〜化
学式(b5)(実施例18〜22に相当)で示される化
合物と化学式(d1)で示される化合物とをそれぞれモ
ル比で1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用い
たこと以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料
を作製した。
【0067】(実施例23〜28)化学式(a1)〜化
学式(a6)(実施例23〜28に相当)で示される化
合物と化学式(e1)で示される化合物とをそれぞれモ
ル比で1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用い
たこと以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料
を作製した。
【0068】
【化50】 C1735COOCH2CF2(OC24)6OCF2OCF2CH2OCOC1735 ...(e1)
【0069】(実施例29〜33)化学式(b1)〜化
学式(b5)(実施例29〜33に相当)で示される化
合物と化学式(e1)で示される化合物とをそれぞれモ
ル比で1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用い
たこと以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料
を作製した。
【0070】(実施例34)化学式(a5)で示される
化合物と化学式(b1)で示される化合物とをモル比で
1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製
した。
【0071】(実施例35)化学式(a5)で示される
化合物と化学式(b2)で示される化合物とをモル比で
1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製
した。
【0072】(実施例36)化学式(a5)で示される
化合物と化学式(b4)で示される化合物とをモル比で
1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製
した。
【0073】(実施例37)化学式(a5)で示される
化合物と化学式(a1)で示される化合物とをモル比で
1:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製
した。
【0074】(実施例38)化学式(a1)で示される
化合物と化学式(c1)で示される化合物とをモル比で
4:1となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製
した。
【0075】(実施例39)化学式(a1)で示される
化合物と化学式(c1)で示される化合物とをモル比で
1:4となるように配合した潤滑剤組成物を用いたこと
以外は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製
した。
【0076】(実施例40〜48)化学式(a1)で示
される化合物と化学式(c1)で示される化合物とを配
合した2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1:1)に代
えて、化学式(a1)で示される化合物、および化学式
(c1)で示される化合物、ならびに化学式(i1)、
(j1)、(k1)、(l1)、(m1)、(n1)、
(o1)、(p1)もしくは(q1)(実施例40〜4
8に相当)でそれぞれ示される有機リン系化合物を配合
した3成分系の潤滑剤組成物(モル比5:5:1)を用
いたこと以外は、実施例1の場合と同様の方法で磁気テ
ープ試料を作製した。
【0077】
【化51】HP(O)(OC1225)2 ...(i1)
【化52】P(OC1021)3 ...(j1)
【化53】P(SC1225)3 ...(k1)
【化54】O=P(OC1837)3 ...(l1)
【化55】S=P(OC1837)3 ...(m1)
【化56】O=P(SC1225)3 ...(n1)
【化57】S=P(SC1837)3 ...(o1)
【化58】(C1225O)2P(O)OH ...(p1)
【化59】(C1225O)P(O)(OH)2 ...(q1)
【0078】(実施例49〜52)化学式(a1)で示
される化合物と化学式(c1)で示される化合物とを配
合した2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1:1)に代
えて、化学式(a1)、(a6)(b1)もしくは(b
5)(実施例49〜52に相当)でそれぞれ示される化
合物、および化学式(d1)で示される化合物、ならび
に化学式(i1)で示される有機リン系化合物を配合し
た3成分系の潤滑剤組成物(モル比5:5:1)を用い
たこと以外は、実施例1の場合と同様の方法で磁気テー
プ試料を作製した。
【0079】(実施例53〜56)化学式(a1)で示
される化合物と化学式(c1)で示される化合物とを配
合した2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1:1)に代
えて、化学式(a1)、(a6)(b1)もしくは(b
5)(実施例53〜56に相当)でそれぞれ示される化
合物、および化学式(e1)で示される化合物、ならび
に化学式(i1)で示される有機リン系化合物を配合し
た3成分系の潤滑剤組成物(モル比5:5:1)を用い
たこと以外は、実施例1の場合と同様の方法で磁気テー
プ試料を作製した。
【0080】(実施例57)化学式(a1)で示される
化合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した
2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1:1)に代えて、
化学式(a1)で示される化合物、および化学式(c
1)で示される化合物、ならびに化学式(i1)で示さ
れる有機リン系化合物を配合した3成分系の潤滑剤組成
物(モル比1:1:2)を用いたこと以外は、実施例1
の場合と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。
【0081】(実施例58)化学式(a1)で示される
化合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した
2成分系の潤滑剤組成物(モル比 1:1)に代えて、
化学式(a1)で示される化合物、および化学式(c
1)で示される化合物、ならびに化学式(i1)で示さ
れる有機リン系化合物を配合した3成分系の潤滑剤組成
物(モル比25:25:1)を用いたこと以外は、実施例1
の場合と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。
【0082】(実施例59)炭素膜(3)の表層部に含
窒素プラズマ重合膜を形成する工程を省略したこと以外
は、実施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製し
た。
【0083】(実施例60)イソプロピルアルコールお
よびトルエンから成る有機溶媒の重量比を1:1から
8:1に変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法
で磁気ープ試料を作製した。
【0084】(実施例61)イソプロピルアルコールお
よびトルエンから成る有機溶媒の重量比を1:1から
1:8に変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法
で磁気テープ試料を作製した。
【0085】(比較例1)化学式(a1)で示される化
合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した2
成分系の潤滑剤組成物に代えて、公知の潤滑剤である
(化18)で示される化合物のみを用いたこと以外は、実
施例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。
【0086】(比較例2)化学式(a1)で示される化
合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した2
成分系の潤滑剤組成物に代えて、公知の潤滑剤である
(化19)で示される化合のみを用いたこと以外は、実施
例1と同様の方法で磁気テープ試料を作製した。
【0087】(比較例3)化学式(a1)で示される化
合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した2
成分系の潤滑剤組成物に代えて、化学式(a1)で示さ
れる化合物のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の
方法で磁気テープ試料を作製した。
【0088】(比較例4)化学式(a1)で示される化
合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した2
成分系の潤滑剤組成物に代えて、化学式(c1)で示さ
れる化合物のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の
方法で磁気テープ試料を作製した。
【0089】(比較例5)化学式(a1)で示される化
合物と化学式(c1)で示される化合物とを配合した2
成分系の潤滑剤組成物に代えて、化学式(i1)で示さ
れる化合物のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の
方法で磁気テープ試料を作製した。
【0090】(比較例6)イソプロピルアルコールおよ
びトルエンから成る混合有機溶媒に代えてイソプロピル
アルコールのみを用いたこと以外は、実施例1と同様の
方法で磁気テープ試料を作製した。
【0091】(比較例7)イソプロピルアルコールおよ
びトルエンから成る混合有機溶媒に代えてトルエンのみ
を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で磁気テー
プ試料を作製した。
【0092】以上の各実施例1〜61および比較例1〜7
で得られた8mm幅の磁気テープ試料について、それぞれ
以下に示す評価試験(1)〜(2)を実施し、それぞれ
の試験で得られた結果を、表1に示す。
【0093】(1)走行耐久性試験 RF(高周波)出力測定用に改造した市販8mmVTR
(ソニー(株)製 EV−S900)を用い、各8mm幅テープ
試料を5℃、80%RHの環境下で300パス、300時間繰り
返し再生を行った後のRF出力変化を測定した。試験前
に対する試験後の変化をデシベル表示で示した。
【0094】テープダメージは、テープ試料を目視観察
および微分干渉顕微鏡で状態観察し、5段階で評価し
た。評価基準は次のとおりである。 5:実用上全く問題ない。 4:実用上問題ない。 3:実用可能であるが、改善が必要である。 2:テープダメージがひどく、実用性は殆どない。 1:テープダメージがあまりにもひどく、実用性は全く
ない。
【0095】(2)スチル寿命試験 初期スチル寿命は、スチル寿命測定用に改造した市販8
mmVTR(ソニー(株)製 EV−S900)を用い、3℃、
5%RH環境下において測定した。なお、スチル寿命は
初期から出力が6dB低下するまでの時間で示した。保存
後スチル寿命は、40℃、80%RH環境下に1ヶ月放置し
た後、初期スチル寿命の測定と同様の方法で測定した。
【0096】
【表1】 走行耐久性 スチル寿命 出力低下 テーフ゜ 初期スチル 保存後スチル (dB) タ゛メーシ゛ 寿命(分) 寿命(分) 実施例 1 −1.1 5 >60 35 実施例 2 −1.5 5 >60 42 実施例 3 −1.4 5 >60 38 実施例 4 −0.9 5 >60 44 実施例 5 −0.8 5 >60 39 実施例 6 −1.3 4 >60 44 実施例 7 −1.4 5 >60 35 実施例 8 −1.0 5 >60 43 実施例 9 −1.2 5 >60 41 実施例10 −1.4 5 >60 42 実施例11 −0.8 4 >60 46 実施例12 −0.9 5 >60 44 実施例13 −1.3 5 >60 45 実施例14 −1.4 5 >60 41 実施例15 −1.1 5 >60 39 実施例16 −1.2 5 >60 35 実施例17 −1.3 4 >60 41 実施例18 −0.8 5 >60 43 実施例19 −1.4 5 >60 40 実施例20 −1.2 5 >60 42 実施例21 −1.3 5 >60 39 実施例22 −1.1 4 >60 43 実施例23 −1.3 5 >60 55 実施例24 −1.2 5 >60 52 実施例25 −1.1 5 >60 49 実施例26 −1.2 5 >60 47 実施例27 −1.3 4 >60 52 実施例28 −0.8 5 >60 48 実施例29 −1.0 5 >60 >60 実施例30 −1.2 5 >60 44 実施例31 −1.3 5 >60 49 実施例32 −1.1 4 >60 55 実施例33 −0.9 5 >60 >60 実施例34 −1.1 5 >60 >60 実施例35 −1.4 5 >60 >60 実施例36 −1.3 5 >60 >60 実施例37 −0.9 5 >60 >60 実施例38 −1.0 5 >60 44 実施例39 −1.2 5 >60 47 実施例40 −0.8 5 >60 >60 実施例41 −1.4 5 >60 >60 実施例42 −1.3 5 >60 >60 実施例43 −1.2 5 >60 >60 実施例44 −1.5 5 >60 >60 実施例45 −0.9 5 >60 >60 実施例46 −0.8 5 >60 >60 実施例47 −1.1 5 >60 >60 実施例48 −1.4 5 >60 >60 実施例49 −1.3 5 >60 >60 実施例50 −1.5 4 >60 >60 実施例51 −1.4 5 >60 >60 実施例52 −1.2 4 >60 >60 実施例53 −0.8 5 >60 >60 実施例54 −0.9 5 >60 >60 実施例55 −0.9 5 >60 >60 実施例56 −0.7 5 >60 >60 実施例57 −1.9 4 >60 >60 実施例58 −0.5 5 >60 >60 実施例59 −2.2 4 >60 32 実施例60 −1.7 5 >60 51 実施例61 −1.8 5 >60 56 比較例 1 −6.6 1 8 1 比較例 2 −7.8 1 6 1 比較例 3 −2.1 5 19 3 比較例 4 −2.4 4 25 9 比較例 5 −4.1 2 33 5 比較例 6 −2.9 3 31 6 比較例 7 −3.5 3 44 7
【0097】上記(表1)から明らかなように、比較例1
〜7との比較において、実施例1〜61の出力低下は小さ
く、かつテープダメージの問題は発生せず、さらに初
期、保存後のスチル寿命はいずれも良好であった。
【0098】このように、炭素膜(3)上に、一般式
(a)および(b)で示される化合物から選ばれた少な
くとも1種類の化合物と、一般式(c)、(d)および
(e)で示される化合物から選ばれた少なくとも1種類
の化合物とを含有する潤滑剤層(4)を形成した実施例
1〜33、38、39、59〜61の各磁気テープ試料は、走行耐
久性、スチル寿命等の実用信頼性の点で優れていること
が明らかである。
【0099】また、炭素膜(3)上に、一般式(a)で
示される化合物から選ばれた少なくとも1種類の化合
物、および一般式が(b)で示される化合物から選ばれ
た少なくとも1種類の化合物を混合した潤滑剤組成物を
含有する潤滑剤層(4)が形成された実施例34〜36の磁
気テープ試料も、走行耐久性、スチル寿命等の実用信頼
性の点で優れていることが明らかである。
【0100】また、炭素膜(3)上に、一般式(a)で
示されR2がパーフルオロアルキル基である化合物から
選ばれた少なくとも1種類の化合物、および一般式
(a)で示されR2がパーフルオロポリエーテル基であ
る化合物から選ばれた少なくとも1種類の化合物を混合
した潤滑剤組成物を含有する潤滑剤層(4)が形成され
た実施例37の磁気テープ試料も、走行耐久性、スチル寿
命等の実用信頼性の点で優れていることが明らかであ
る。
【0101】また、有機リン系化合物をさらに混合した
潤滑剤組成物を含有する実施例40〜58の磁気テープ試料
も、同様に走行耐久性、スチル寿命等の実用信頼性の点
で優れている。保存後のスチル寿命が向上していること
からも明らかなとおり、有機リン系化合物を含有するも
のは特にスチル寿命が向上している。また表1には特に
示していないが、実施例40〜58の磁気テープの初期スチ
ル寿命はいずれも有機リン系化合物を含有していないも
のに比べて大幅に向上していることが認められた。
【0102】実施例59の磁気テープは実施例1と同じ潤
滑剤組成物を用いたものであるが、炭素膜(3)上に含
窒素プラズマ重合膜を形成しなかったものである。実施
例59の走行耐久性およびスチル寿命は実施例1のそれら
に比べてやや劣っている。このことは含窒素プラズマ重
合膜が磁気テープの潤滑性能の向上に寄与していること
を示している。
【0103】また、潤滑剤層(4)の潤滑剤組成物を炭
化水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合有機溶媒に溶
解して調製した塗布液を炭素膜(3)上に塗布して潤滑
剤層(4)を形成することにより、走行耐久性およびス
チル寿命等の実用信頼性の点で優れた上記の各実施例1
〜61の磁気テープ試料を安定して作製することが可能に
なる。
【0104】実施例1〜61では、潤滑剤層(4)の形成
工程において湿式塗布法であるリバースロールコーティ
ング法を用いたが、有機蒸着法によっても同様の作用効
果を有する潤滑剤層(4)を形成することが可能であ
る。なお、以上説明した実施例1〜61では、本発明の磁
気記録媒体およびその製造方法を市販8mmVTR用テー
プに適用した場合についてのみ説明したが、むろん、本
発明の磁気記録媒体およびその製造方法はこれに限定さ
れるものではなく、他の金属薄膜型磁気テープや磁気デ
ィスク等についても適用できるものである。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、特定の含フッ素化
合物が二種類以上組み合わされて成る本発明の潤滑剤組
成物は優れた潤滑性能を呈する。そして、この潤滑剤組
成物で磁気記録媒体の潤滑剤層を形成することによっ
て、潤滑剤層の炭素膜への付着強度が向上した、良好な
潤滑性能を呈する本発明の磁気記録媒体を得ることがで
きる。そしてこれらの相乗効果により、本発明の磁気記
録媒体は、その電磁変換特性が損なわれることのない、
すなわち出力低下が小さい、走行耐久性およびスチル耐
久性等の実用信頼性が向上したものとなる。
【0106】また、潤滑剤組成物に有機リン系化合物を
さらに含有させることにより、磁気記録媒体における潤
滑剤層の炭素膜への付着強度がさらに向上し、より優れ
た潤滑性能を呈する磁気記録媒体を得ることができる。
そしてこれらの相乗効果により、本発明の磁気記録媒体
は、電磁変換特性が損なわれることなく、走行耐久性、
スチル耐久性等の実用信頼性がより向上したものとな
る。
【0107】また、本発明の磁気記録媒体において炭素
膜の表層部に含窒素プラズマ重合膜を形成することによ
り潤滑剤組成物の化学吸着力が向上するので、潤滑剤層
の炭素膜への付着強度がさらに向上し、優れた潤滑性能
を呈する磁気記録媒体を得ることができる。そしてこれ
らの相乗効果により、本発明の磁気記録媒体は、電磁変
換特性が損なわれることなく、走行耐久性、スチル耐久
性等の実用信頼性が向上する。
【0108】本発明の磁気記録媒体は、潤滑剤層の組成
物を特定の溶媒に溶解して調製した塗布液を炭素膜上に
塗布する工程を含む製造方法によって製造される。この
塗布液を用いることにより塗布ムラのない均一な厚みの
潤滑剤層が得られる。従って、本発明の製造方法によれ
ば、走行耐久性およびスチル寿命等の実用信頼性の点で
優れた本発明の磁気記録媒体を安定して作製することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による磁気記録媒体が適
用された金属薄膜型磁気テープの断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 強磁性金属薄膜 3 炭素膜 4 潤滑剤層 5 バックコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渕 鉄男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村居 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BD07A BH02C BH03C BH06C CD04A PA16 QA08 5D006 AA01 AA06 BB01 FA02 FA05 FA06 FA09 5D112 AA05 AA07 AA11 AA22 BC05 BC06 BC10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にパーフルオロアルキル基または
    パーフルオロポリエーテル基とアルキル基またはアルケ
    ニル基とを有する、一般式(a)および(b): 【化1】 (ここで、R1はアルキル基またはアルケニル基であ
    り、R2はパーフルオロアルキル基またはパーフルオロ
    ポリエーテル基であり、aは0〜20の整数であり、b
    は0または1である。) 【化2】 (ここで、R3はアルキル基またはアルケニル基であ
    り、R4はパーフルオロアルキル基またはパーフルオロ
    ポリエーテル基であり、R5はOまたはSであり、cは
    0〜20の整数であり、dは0または1である。)で示
    される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物、
    ならびに分子内にパーフルオロポリエーテル基を有す
    る、一般式(c)、(d)および(e): 【化3】 HOCH2CF2(OC24)e(OCF2)gOCF2CH2OH ...(c) (ここで、eおよびgは1以上の整数である。) 【化4】 HOOCCF2(OC24)i(OCF2)jOCF2COOH ...(d) (ここで、iおよびjは1以上の整数である。) 【化5】 R6COOCH2CF2(OC24)k(OCF2)pOCF2CH2OCOR6 ...(e) (ここで、kおよびpは1以上の整数であり、R6は炭
    素数4〜22のアルキル基である。)で示される化合物
    から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含んで成る潤
    滑剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(a)で示され
    る化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物、およ
    び請求項1に記載の一般式(b)で示される化合物から
    選ばれる少なくとも1種類の化合物を含んで成る潤滑剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(a)で示さ
    れ、R2がパーフルオロアルキル基である化合物から選
    ばれる少なくとも1種類の化合物、および請求項1に記
    載の一般式(a)で示され、R2がパーフルオロポリエ
    ーテル基である化合物から選ばれる少なくとも1種類の
    化合物を含んで成る潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】 パーフルオロポリエーテル基が、一般式
    (f)、(g)および(h): 【化6】 (ここで、qは1以上の整数である。) 【化7】 (ここで、rおよびtは1以上の整数である。) 【化8】R7(OCu2u)vO(CF2)u-1− ...(h) (ここで、R7はパーフルオロアルキル基であり、uは
    1〜6の整数であり、vは1〜30の整数である。)の
    いずれかで示されるものであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 有機リン系化合物をさらに含むことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の潤滑剤組
    成物。
  6. 【請求項6】 有機リン系化合物が、一般式(i)、
    (j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、
    (p)および(q): 【化9】HP(O)(OCn2n+1)2 ...(i) 【化10】P(OCn2n+1)3 ...(j) 【化11】P(SCn2n+1)3 ...(k) 【化12】O=P(OCn2n+1)3 ...(l) 【化13】S=P(OCn2n+1)3 ...(m) 【化14】O=P(SCn2n+1)3 ...(n) 【化15】S=P(SCn2n+1)3 ...(o) 【化16】(Cn2n+1O)2P(O)OH ...(p) 【化17】(Cn2n+1O)P(O)(OH)2 ...(q)
    (上記各一般式(i)〜(q)において、nは8〜20
    の整数である。)から成る群から選択される少なくとも
    1種の化合物であることを特徴とする請求項5記載の潤
    滑剤組成物。
  7. 【請求項7】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭素
    膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録媒
    体であって、潤滑剤層が請求項1に記載の潤滑剤組成物
    を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭素
    膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録媒
    体であって、潤滑剤層が、請求項2に記載の潤滑剤組成
    物を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭素
    膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録媒
    体であって、潤滑剤層が、請求項3に記載の潤滑剤組成
    物を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭
    素膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録
    媒体であって、潤滑剤層が、請求項4に記載の潤滑剤組
    成物を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭
    素膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録
    媒体であって、潤滑剤層が、請求項5に記載の潤滑剤組
    成物を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 非磁性基板上に、強磁性金属薄膜、炭
    素膜および潤滑剤層がこの順に形成されて成る磁気記録
    媒体であって、潤滑剤層が、請求項6に記載の潤滑剤組
    成物を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 炭素膜が表層部に含窒素プラズマ重合
    膜を有し、潤滑剤層が炭素膜の含窒素プラズマ重合膜上
    に形成されていることを特徴とする請求項7〜12のい
    ずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 請求項7〜13のいずれか一項に記載
    の磁気記録媒体の製造方法であって、潤滑剤層の形成工
    程が、炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合有機
    溶媒に潤滑剤組成物を溶解して調製した塗布液を炭素膜
    上に塗布する工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒と
    の混合割合が重量比で1:9〜9:1の範囲にあること
    を特徴とする請求項14に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
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