JPH11120541A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH11120541A
JPH11120541A JP28368197A JP28368197A JPH11120541A JP H11120541 A JPH11120541 A JP H11120541A JP 28368197 A JP28368197 A JP 28368197A JP 28368197 A JP28368197 A JP 28368197A JP H11120541 A JPH11120541 A JP H11120541A
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chem
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Application number
JP28368197A
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English (en)
Inventor
Hiroko Ogawa
裕子 小川
Kenji Kuwabara
賢次 桑原
Yukikazu Ochi
幸和 大地
Mikio Murai
幹夫 村居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性を損なうことなく、走行耐久性
とスチル寿命等に優れた磁気記録媒体を得ること。 【解決手段】 非磁性基板1の上面に、強磁性金属薄膜
2、炭素膜3、潤滑剤層4をこの順に夫々形成する。潤
滑剤層4として、分子内にパーフルオロアルキル基又は
パーフルオロポリエーテル基と、脂肪族アルキル基又は
脂肪族アルケニル基を含有した化合物から選ばれた少な
くとも1種と、分子内にパーフルオロポリエーテル基を
含有した化合物とより形成する。このような構造の磁気
テープをVTRにセットして、スチル寿命テストを行う
と、出力が6dB低下するまでの時間が、従来の1〜9
分台から50〜60分台に増加した。また耐候保存性も
向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオテ
ープレコーダや高精細度ビデオテープレコーダに最適の
記録媒体に係わり、特に強磁性金属薄膜を磁気記録層と
する磁気記録媒体及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録の分野においては、記録
/再生機器のデジタル化、小型化、長時間化等のような
高性能化に伴い、高密度の磁気記録媒体の開発が活発に
行なわれている。最近では塗布型の磁気記録媒体に代わ
って、短波長記録に極めて有利な金属薄膜型の磁気記録
媒体が実用化されている。
【0003】しかしながら、金属薄膜型の磁気記録媒体
においては、磁性層の保護膜としてダイヤモンド状の炭
素膜をコートし、耐食性、走行耐久性、スチル耐久性の
向上が試みられてきた。金属薄膜型の磁気記録媒体の一
形態であるメタルテープは、極めて良好な表面性を持つ
が、信号の記録再生の過程における磁気ヘッドとの高速
摺動下での摩擦や摩耗が生じ、磁気テープの耐久性に問
題があった。
【0004】そこでダイヤモンド状の炭素膜表面上に潤
滑剤層を設け、耐侯保存特性、スチル耐久性の改善が試
みられている。磁気記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシ
ングによる出力低下を極力抑えて信号の高出力化を図る
ため、炭素膜の表面上に潤滑剤層がコートされる。この
潤滑剤層の厚みは僅か数nmのもので、かつ付着強度の
強いものが求められている。そのため、潤滑剤層として
優れた潤滑特性を示すフッ素系化合物が広く検討なされ
ている。例えば、(化16)で示される長鎖カルボン酸
フルオロアルキルエステル(特開昭62−46431号
公報参照)や、(化17)で示されるフルオロアルキル
モノカルボン酸エステル(特開昭61−107529号
公報参照)などがその例である。
【化16】
【化17】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気記
録媒体の性能向上に関する要求は厳しく、上記した潤滑
剤層では十分な特性を得ることが困難である。また耐侯
保存性、スチル耐久性において一層の改善が望まれてい
る。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、電磁変換特性を損なうことな
く、耐侯保存性、スチル耐久性に優れ、高い信頼性を有
する磁気記録媒体、及びその磁気記録媒体の製造方法を
実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1記載の磁気記録媒体は、非磁性基板と、
非磁性基板上に形成した強磁性金属薄膜と、強磁性金属
薄膜上に形成した炭素膜と、炭素膜上に形成した潤滑剤
層と、を具備する磁気記録媒体であって、潤滑剤層は、
1 を脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基とし、
2 をパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエ
ーテル基とし、aを0〜20の整数とし、bを0又は1
とするとき、分子内にパーフルオロアルキル基又はパー
フルオロポリエーテル基、及び脂肪族アルキル基又は脂
肪族アルケニル基を含有し、
【化18】 一般式が(化18)で表されるものを第1の化合物と
し、R3 を脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基と
し、R4 をパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポ
リエーテル基とし、R5 を−O−又は−S−とし、cを
0〜20の整数とし、dを0又は1とするとき、分子内
に前記パーフルオロアルキル基と脂肪族アルキル基を含
有し、
【化19】 一般式が(化19)で表されるものを第2の化合物と
し、
【化20】 一般式が(化20)で表されるものを第3の化合物とす
るとき、第1又は第2の化合物のうち少なくとも一方の
化合物と、第3の化合物とにより形成されたものである
ことを特徴とするものである。
【0008】特に、潤滑剤(化18)又は(化19)か
ら選ばれた少なくとも1つの化合物と、(化20)から
選ばれた化合物の混合比率は、モル比で8:2〜2:8
が好ましく、さらにモル比で7:3〜4:6が好まし
い。
【0009】また請求項2記載の磁気記録媒体は、請求
項1記載の磁気記録媒体において、パーフルオロポリエ
ーテル基は、g,i,jを1以上の整数とし、kを1〜
6の整数とし、pを1〜30の整数とし、R6 をパーフ
ルオロアルキル基とするとき、
【化21】
【化22】
【化23】 (化21)、(化22)、(化23)のいずれかで示さ
れる構造であることを特徴とするものである。
【0010】請求項1及び請求項2の構成によれば、潤
滑剤層の炭素膜への付着強度が向上し、且つ良好な潤滑
性能が得られる。これらの相乗効果により、電磁変換特
性を損なうことなく、耐侯保存特性やスチル耐久性等の
実用信頼性が向上する。
【0011】請求項3記載の磁気記録媒体は、請求項1
の磁気記録媒体において、潤滑剤層中に、有機リン系化
合物を含有させたものを新たな潤滑剤層とすることを特
徴とするものである。
【0012】請求項4記載の磁気記録媒体は、請求項3
記載の磁気記録媒体において、有機リン系化合物は、
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】 (化24)、(化25)、(化26)、(化27)、
(化28)、(化29)、(化30)、(化31)、
(化32)のいずれかの構造で示され、炭素数が8〜2
0であることを特徴とするものである。
【0013】このような構成において、潤滑剤(化1
8)又は(化19)から選ばれた少なくとも1つの化合
物と、(化20)から選ばれた化合物の混合潤滑剤の全
量に対する(化24)〜(化32)の有機リン系化合物
の混合比率は、モル比で1:1〜1:0が好ましく、さ
らに3:1〜30:1が好ましい。
【0014】また請求項3および請求項4の磁気記録媒
体によると、潤滑剤層の炭素膜への付着強度が向上し、
且つ優れた潤滑性能が得られ、これらの相乗効果によ
り、電磁変換特性を損なうことなく、耐侯保存性やスチ
ル耐久性等の実用信頼性が向上する。
【0015】請求項5記載の磁気記録媒体は、請求項1
又は請求項3において、潤滑剤層が炭素膜表面上の含窒
素プラズマ重合膜上に形成されることを特徴とするもの
である。
【0016】このような構成では、表面に含窒素プラズ
マ重合膜を形成した炭素膜のアミノ基により、潤滑剤層
の付着強度がさらに向上し、且つ優れた潤滑性能が得ら
れる。これらの相乗効果により、電磁変換特性を損なう
ことなく、耐侯保存性やスチル耐久性等の実用信頼性が
向上する。
【0017】請求項6記載の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成し、強磁性金
属薄膜上に炭素膜を形成し、炭素膜上に潤滑剤層を形成
することにより、請求項1又は請求項3記載の磁気記録
媒体を製造するとき、炭化水素系溶剤とアルコール系溶
剤との混合有機溶剤に、潤滑剤層を構成する各化合物を
溶解し、その塗布液を炭素膜上に塗膜し、混合有機溶剤
の揮発によって薄層状の潤滑剤層を形成することを特徴
とするものである。
【0018】請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法
は、請求項6記載の磁気記録媒体の製造方法において、
混合有機溶剤は、炭化水素系溶剤とアルコール系溶剤の
混合割合が重量比で1:9〜9:1の範囲にあることを
特徴とするものである。
【0019】請求項6及び請求項7の磁気記録媒体の製
造方法によると、塗布ムラのない均一な厚みの潤滑剤層
が得られ、その結果、付着強度及び潤滑性能が向上し、
実用信頼性の高い磁気記録媒体が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における磁気
記録媒体について図面と化学式を用いて説明する。図1
は本実施の形態の磁気記録媒体(磁気テープ)の構成を
示す断面図である。この磁気記録媒体は、非磁性基板
1、強磁性金属薄膜2、炭素膜3、潤滑剤層4、バック
コート層5を含むテープ状の記録媒体とする。
【0021】非磁性基板1は、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミド、
芳香族ポリイミド等のフイルムで構成される。この磁気
記録媒体が所謂ハードディスクである場合、非磁性基板
1としてアルミ基板、ガラス基板等が使用可能である。
非磁性基板1の磁性面側表面として、10nm〜30n
mの突起形成処理が施されているものが、信頼性とRF
出力を両立するうえで最適である。
【0022】強磁性金属薄膜2は、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法等で形成さ
れる強磁性金属薄膜であり、その磁性材料としてはCo
−Ni、Co−Ni−O、Co、Co−O、Co−Cr
等が適宣選択される。その厚みは50nm〜300nm
である。
【0023】炭素膜3は潤滑剤層4と共に、磁気テープ
のダメージを防止する膜であり、その膜のビッカース硬
度は約2500kg/mm2 と高い。炭素膜3の厚みは
10nm〜20nmであり、この厚みは信頼性と出力と
のバランス上最適である。炭素膜3は、炭化水素ガス、
又は炭化水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いたプ
ラズマCVD法により形成される。
【0024】炭化水素ガスのプラズマ重合によって炭素
膜3を形成する場合には、真空容器中に炭化水素ガス、
又は炭化水素ガスとアルゴン等の不活性ガスの混合ガス
を導入し、0.001〜1Torrの圧力を保持した状
態で炭化水素ガスのプラズマを発生させ、炭素膜3を形
成する。放電形式としては、外部電極方式と内部電極方
式のいずれでも良く、放電周波数についても実験的に決
めることができる。また、非磁性基板1側の電極に0〜
−3KVの電圧を印加することによって、膜の硬度を増
大させたり、密着性を向上させることができる。
【0025】炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ベンゼン等を用いることができる。なお、硬質
炭素膜を形成するには、できるだけ放電エネルギーを大
きくすることが望ましく、非磁性基板1の温度もできる
だけ高くすることが望ましい。
【0026】また、炭素膜3の上に含窒素プラズマ重合
膜を形成する。この膜は潤滑剤層4の化学吸着力を向上
させるものである。真空容器中にプロピルアミン、ブチ
ルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン等のアミン化合物をガス化して導
入し、0.001〜1Torrの圧力を保持した状態で
高周波放電させて形成する。含窒素プラズマ重合膜の膜
厚は3nm未満が適当であり、この膜厚で潤滑剤成分の
化学吸着力の向上効果が発揮される。しかしこれよりも
膜厚が大きい場合には、炭素膜3の保護膜効果が低下す
る。
【0027】潤滑剤層4は本発明の特徴とする層であ
り、磁気記録ヘッド又は磁気再生ヘッドと磁気記録媒体
との当接状態を良好に保持するものである。潤滑剤層4
は特に磁気ヘッドにおけるコアー部と磁気ギャップ部の
磨耗を最小にする作用と、磨耗が生じてもコアー部と磁
気ギャップ部の磨耗量を均一にする作用を有する。
【0028】実施の形態1の潤滑剤層4は、分子内にパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基
と、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基を含有
し、一般式が(化18)又は(化19)で表される化合
物から選ばれた少なくとも1種と、分子内にパーフルオ
ロアルキル基と脂肪族アルキル基を含有し、一般式が
(化20)で表される化合物とより形成されたものであ
る。
【0029】ここで(化18)におけるR1 は、脂肪族
アルキル基又は脂肪族アルケニル基を示し、R2 はパー
フルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を
示す。aは0〜20の整数であり、bは0又は1であ
る。
【0030】また(化19)におけるR3 は、脂肪族ア
ルキル基又は脂肪族アルケニル基を示し、R4 はパーフ
ルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を示
し、R5 は−O−又は−S−を示す。cは0〜20の整
数であり、dは0又は1である。
【0031】さらに(化18)〜(化19)におけるパ
ーフルオロポリエーテル基は、(化21)〜(化23)
のいずれかで示される構造である。ここで(化21)に
おけるgは1以上の整数である。また(化22)におけ
るi、jは1以上の整数である。また(化23)におけ
るR6 は、パーフルオロアルキル基を示す。kは1〜6
の整数であり、pは1〜30の整数である。
【0032】また実施の形態2の潤滑剤層4は、実施の
形態1の含フッ素系潤滑剤に加えて、(化24)〜(化
32)のいずれかの構造で示され、炭素数が8〜20で
ある有機リン系化合物を更に混合させたものを用いる。
いずれの種類の潤滑剤層4であっても、その厚みは3n
m〜5nmであるが、使用する潤滑剤の種類により最適
膜厚が存在する。
【0033】この潤滑剤層4はバーコーティング法、グ
ラビアコーティング法、リバースロールコーティング
法、ダイコーティング法等の湿式塗布法により形成され
る。
【0034】バックコート層5は、非磁性基盤1の裏側
に形成される層で、材料としてはポリウレタン、ニトロ
セルロース、ポリエステルとカーボン、炭酸カルシウム
等を含んでいる。その厚みは500nmである。
【0035】
【実施例】次に、以上の層構造を有する磁気記録媒体の
製造方法について、更に具体的に説明する。
【0036】(実施例1)非磁性基板1として500m
m幅、厚み6.3μmのポリエチレンテレフタレートを
用意する。この非磁性基板1の表面は、STM分析によ
ると、高さが30nm、直径が200nmの突起が1m
2 当たり105 〜109 個形成されている。この非磁
性基板1上へ、酸素を導入しながら斜方真空蒸着法によ
り、Co(80)−Ni(20)からなる強磁性金属薄
膜2を180nmの厚みで形成する。その後非磁性基板
1の裏側に、リバースロールコータにより、ポリウレタ
ン、ニトロセルロース、カーボンブラックより構成され
た固形分30%のメチルエチルケトン/トルエン/シク
ロヘキサノン溶液を塗布してバックコート層5を形成す
る。そして乾燥後のバックコート層5の厚みを500n
mにする。
【0037】この強磁性金属薄膜2上に、プラズマCV
D法により、ヘキサンガスとアルゴンガスとを4:1の
比で混合し、トータルガス圧を0.3Torrに保っ
て、周波数20KHzで電圧1500Vの交流と、10
00Vの直流を放電管内の電極に重畳し、15nm厚の
炭素膜3を形成した。さらに、炭素膜3の表面にプロピ
ルアミンガスを導入し、0.05Torrの圧力を保持
した状態で10KHzの高周波プラズマ処理を行い、
2.5nm厚の含窒素プラズマ重合膜を形成した。
【0038】その後、炭素膜3上に(化33)、(化3
4)で示される潤滑剤2成分のモル比1:1のものを、
イソプロピルアルコールとトルエンとの重量比1:1の
混合有機溶剤に溶解し、2000ppm溶液を作成し
た。
【化33】
【化34】 そして湿式塗布法(リバースロールコータ)で塗布して
4nm厚の潤滑剤層4を形成した。こうして作成された
ロール状のサンプルを、スリッタで8mm幅に裁断し、
8mm幅の金属薄膜型の磁気テープ(全厚7μm、60
分長)を作製した。
【0039】(実施例2)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化34)、(化3
5)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化35】
【0040】(実施例3)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化34)、(化3
6)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化36】
【0041】(実施例4)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化34)、(化3
7)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化37】
【0042】(実施例5)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化34)、(化3
8)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化38】
【0043】(実施例6)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化39)、(化3
4)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化39】
【0044】(実施例7)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化40)、(化3
4)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化40】
【0045】(実施例8)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化41)、(化3
4)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化41】
【0046】(実施例9)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化42)、(化3
4)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【化42】
【0047】(実施例10)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2成分を、(化43)、
(化34)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【化43】
【0048】(実施例11)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2成分を、(化44)、
(化34)で示される潤滑剤2成分にかえた以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【化44】
【0049】(実施例12)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2成分のモル比1:1を、
(化33)、(化34)で示される潤滑剤2成分のモル
比4:1にかえた以外は、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。
【0050】(実施例13)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2成分のモル比1:1を、
(化33)、(化34)で示される潤滑剤2成分のモル
比1:4にかえた以外は、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。
【0051】(実施例14)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化45)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化45】
【0052】(実施例15)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化46)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化46】
【0053】(実施例16)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化47)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化47】
【0054】(実施例17)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化48)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化48】
【0055】(実施例18)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化49)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化49】
【0056】(実施例19)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化50)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化50】
【0057】(実施例20)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化51)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化51】
【0058】(実施例21)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化52)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化52】
【0059】(実施例22)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化53)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【化53】
【0060】(実施例23)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化39)、(化34)、(化45)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0061】(実施例24)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化40)、(化34)、(化45)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0062】(実施例25)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化44)、(化34)、(化45)で示される潤滑剤
3成分のモル比5:5:1にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0063】(実施例26)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化45)で示される潤滑剤
3成分のモル比1:1:2にかえた以外は、実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
【0064】(実施例27)実施例1の(化33)、
(化34)で示される潤滑剤2種のモル比1:1を、
(化33)、(化34)、(化45)で示される潤滑剤
3成分のモル比25:25:1にかえた以外は、実施例
1と同様にして磁気テープを作製した。
【0065】(実施例28)実施例1では2.5nm厚
の含窒素プラズマ重合膜を形成したが、実施例28では
含窒素プラズマ重合膜を形成せず、それ以外は実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
【0066】(実施例29)実施例1のイソプロピルア
ルコールとトルエンとの重量比1:1の混合有機溶剤に
溶解したことを、イソプロピルアルコールとトルエンと
の重量比8:1の混合有機溶剤に溶解したことにかえた
以外は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0067】(実施例30)実施例1のイソプロピルア
ルコールとトルエンとの重量比1:1の混合有機溶剤に
溶解したことを、イソプロピルアルコールとトルエンと
の重量比1:8の混合有機溶剤に溶解したことにかえた
以外は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0068】(比較例1)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化16)で示され
る潤滑剤にかえた以外は、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製して、比較例1とした。
【0069】(比較例2)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化17)で示され
る潤滑剤にかえた以外は、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。
【0070】(比較例3)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化33)で示され
る潤滑剤1成分にかえた以外は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0071】(比較例4)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化34)で示され
る潤滑剤1成分にかえた以外は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0072】(比較例5)実施例1の(化33)、(化
34)で示される潤滑剤2成分を、(化45)で示され
る潤滑剤1成分にかえた以外は、実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。
【0073】(比較例6)実施例1のイソプロピルアル
コールとトルエンとの重量比1:1の混合有機溶剤に溶
解したことを、イソプロピルアルコールのみに溶解した
ことにかえた以外は、実施例1と同様にして磁気テープ
を作製した。
【0074】(比較例7)実施例1のイソプロピルアル
コールとトルエンとの重量比1:1の混合有機溶剤に溶
解したことを、トルエンのみに溶解したことにかえた以
外は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0075】以上の各実施例および比較例で得られた8
mm幅の磁気テープについて、それぞれ以下に示す評価
試験を行った。
【0076】(1)耐侯保存特性 RF出力測定用に改造した市販の8mmVTRを用い、
各実施例及び比較例における8mm幅の磁気テープを、
高温高湿の環境下に7日間放置後、RF出力変化を測定
した。初期に対する保存後の変化率をデシベル表示で示
した。
【0077】また、保存後のテープ表面の目視観察およ
び微分干渉顕微鏡で状態観察をし、5段階評価を行っ
た。評価は実用的に全く問題のないものを5とし、実用
的に問題を発生したものを1とした。
【0078】(2)スチル寿命 初期スチル寿命として、スチル寿命測定用に改造した市
販の8mmVTRを用い、3℃5%RH環境下における
スチル寿命を測定した。なお、スチル寿命は初期から6
dB低下するまでの時間とした。
【0079】保存後スチル寿命として、40℃80%R
H環境下に、各実施例及び比較例の磁気テープを1ヶ月
放置した後、初期スチル寿命と同様にして、スチル寿命
を測定した。得られた結果を(表1)、(表2)、(表
3)、(表4)に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0080】(表1)〜(表4)から明らかなように、
実施例1〜28における出力低下は小さく、テープダメ
ージは良好であり、さらに初期、保存後のスチル寿命は
いずれも良好であった。このように、炭素膜上に、分子
内にパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエー
テル基と、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基を
含有し、一般式が(化18)又は(化19)で表される
化合物から選ばれた少なくとも1種と、分子内にパーフ
ルオロポリエーテル基を含有し、一般式が(化20)で
表される化合物とにより潤滑剤層を形成して実施例1〜
13及び28、の磁気テープの評価試験を行った。また
前記潤滑剤層中にさらに有機リン系化合物を混合させた
ものを新たな潤滑剤層とし、実施例14〜27の磁気テ
ープの評価試験を行った。さらに炭素膜表面上に含窒素
プラズマ重合膜上を形成し、実施例1〜27の磁気テー
プの評価試験を行った。これらの評価試験結果により、
走行耐久性、スチル寿命等の実用信頼性の点で優れた磁
気テープが実現できたと言える。
【0081】また、炭化水素系溶剤とアルコール系溶剤
との混合有機溶剤に溶解した塗布液の塗布によって潤滑
剤層を形成して、実施例1〜30の磁気テープの評価試
験を行った。この結果から、耐侯保存特性、スチル寿命
等の実用信頼性の点で優れた磁気テープが実現できたと
言える。
【0082】なお、上記実施の形態では磁気記録媒体と
して、市販の8mmVTR用の規格に合致した磁気テー
プのみについて説明したが、これに限定されるものでは
なく、他の金属薄膜型磁気テープ、ハードディスク等に
ついても適用できる。
【0083】さらに、上記実施例では潤滑剤層を湿式塗
布法(リバースロールコータ)で塗布したが、有機蒸着
法で形成しても全く同じ作用効果を有する。
【0084】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の磁気記録媒体に
よると、潤滑剤層の炭素膜への付着強度が向上し、且つ
良好な潤滑性能が得られ、これらの相乗効果により、電
磁変換特性を損なうことなく、耐候保存特性、スチル耐
久性等の実用信頼性が向上する。
【0085】請求項3及び請求項4の磁気記録媒体によ
ると、潤滑剤層の炭素膜への付着強度が向上し、且つ優
れた潤滑性能が得られ、これらの相乗効果により、電磁
変換特性を損なうことなく、耐侯保存特性、スチル耐久
性等の実用信頼性が向上する。
【0086】請求項5の磁気記録媒体によると、潤滑剤
層の炭素膜への付着強度がさらに向上し、且つ優れた潤
滑性能が得られ、これらの相乗効果により、電磁変換特
性を損なうことなく、耐侯保存特性、スチル耐久性等の
実用信頼性が向上する。
【0087】請求項6および請求項7の磁気記録媒体の
製造方法によると、塗布ムラのない均一な厚みの潤滑剤
層が得られ、その結果、付着強度および潤滑性能が向上
し、実用信頼性の高い磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁気記録媒体の構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 強磁性金属薄膜 3 炭素膜 4 潤滑剤層 5 バックコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105:54 105:72 105:60 137:02 137:04 137:10) C10N 40:18 50:08 (72)発明者 村居 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板と、 前記非磁性基板上に形成した強磁性金属薄膜と、 前記強磁性金属薄膜上に形成した炭素膜と、 前記炭素膜上に形成した潤滑剤層と、を具備する磁気記
    録媒体であって、 前記潤滑剤層は、 R1 を脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基とし、
    2 をパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエ
    ーテル基とし、aを0〜20の整数とし、bを0又は1
    とするとき、分子内に前記パーフルオロアルキル基又は
    前記パーフルオロポリエーテル基、及び前記脂肪族アル
    キル基又は前記脂肪族アルケニル基を含有し、一般式が 【化1】 (化1)で表されるものを第1の化合物とし、 R3 を脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基とし、
    4 をパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエ
    ーテル基とし、R5 を−O−又は−S−とし、cを0〜
    20の整数とし、dを0又は1とするとき、分子内に前
    記パーフルオロアルキル基と前記脂肪族アルキル基を含
    有し、一般式が 【化2】 (化2)で表されるものを第2の化合物とし、 一般式が 【化3】 (化3)で表されるものを第3の化合物とするとき、 前記第1又は第2の化合物のうち少なくとも一方の化合
    物と、前記第3の化合物とにより形成されたものである
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記パーフルオロポリエーテル基は、 g,i,jを1以上の整数とし、kを1〜6の整数と
    し、pを1〜30の整数とし、R6 をパーフルオロアル
    キル基とするとき、 【化4】 【化5】 【化6】 (化4)、(化5)、(化6)のいずれかで示される構
    造であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記潤滑剤層中に、有機リン系化合物を
    含有させたものを新たな潤滑剤層とすることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記有機リン系化合物は、 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 (化7)、(化8)、(化9)、(化10)、(化1
    1)、(化12)、(化13)、(化14)、(化1
    5)のいずれかの構造で示され、炭素数が8〜20であ
    ることを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記潤滑剤層と前記炭素膜の間に、含窒
    素プラズマ重合膜が形成されていることを特徴とする請
    求項1又は3記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成
    し、 前記強磁性金属薄膜上に炭素膜を形成し、 前記炭素膜上に潤滑剤層を形成することにより、請求項
    1又は請求項3記載の磁気記録媒体を製造する製造方法
    であって、 前記潤滑剤層は、 炭化水素系溶剤とアルコール系溶剤との混合有機溶剤
    に、前記潤滑剤層を構成する各化合物を溶解し、 その塗布液を前記炭素膜上に塗膜し、 前記混合有機溶剤の揮発によって薄層状の潤滑剤層を形
    成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記混合有機溶剤は、 前記炭化水素系溶剤と前記アルコール系溶剤の混合割合
    が重量比で1:9〜9:1の範囲にあることを特徴とす
    る請求項6記載の磁気記録媒体の製造方法。
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