JP3035972B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3035972B2
JP3035972B2 JP2113372A JP11337290A JP3035972B2 JP 3035972 B2 JP3035972 B2 JP 3035972B2 JP 2113372 A JP2113372 A JP 2113372A JP 11337290 A JP11337290 A JP 11337290A JP 3035972 B2 JP3035972 B2 JP 3035972B2
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邦男 日比野
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高密度磁気記録媒体に適する金属薄膜型の
磁気記録媒体に関するものである。
従来の技術 磁気記録の分野においては、近年デジタル化、小型
化,長時間化などの高性能化が進んでいるが、それに伴
って、高密度磁気記録媒体の要求が高まり、磁気記録層
を強磁性金属薄膜で構成した金属薄膜型磁気記録媒体
が、短波長記録に極めて有利なことから、盛んに検討さ
れている。
しかしながら、強磁性金属薄膜型磁気記録媒体では、
磁性層表面は極めて良好な表面性を持つために、磁気信
号の記録再生過程における、磁気ヘッドとの高速摺動下
での摩擦、摩耗により、耐久性,走行性,耐蝕性などは
大きな影響を受けており、その改善は大きな課題となっ
ている。
そこで、磁性層表面にトップコート層を設け、上記耐
久性や走行性,耐蝕性の改善が試みられている。
例えば、脂肪酸金属塩の蒸着膜の形成(特開昭54−11
3303号公報)、イミド基を有する高分子のスパッタ膜の
形成(特開昭57−116771号公報)、高分子をターゲット
としたスパッタ膜、カーボンやBN,MoS2,SiO2などをスパ
ッタや蒸着により薄膜化,ダイヤモンド状硬質炭素膜の
形成(日本応用磁気学会、第46回研究会資料)、脂肪
酸,脂肪酸アミドなどの潤滑剤層の形成(例えば、特公
昭56−30609号公報)など、数多く試みられている。
しかしながら、上記した例では、耐久性,走行性,耐
蝕性などを十分には満足することができないため積層化
してそれぞれの役割を分担する考え方が増加してきてい
る。
脂肪酸金属塩の吸着層上のフルオロカーボン系の潤滑
剤層の形成(特開昭61−120331号公報)、硬質カーボン
層の上に含フッ素潤滑油を配したもの(特開昭61−1266
27号公報)、Si−N−O系薄膜上に潤滑層を形成したも
の(特開昭61−131231号公報)などがある。
しかしながら、磁気記録媒体の耐久性に関する要求は
厳しく、上記した構成では十分な特性であるとは言え
ず、耐久性において一層の改善が望まれている。
そこで、この問題を解決すべく、検討を加えた結果、
繰り返し走行のために磁性層表面の潤滑剤が減少するこ
とによって、耐久性が低下することがわかった。
この傾向は磁性層表面が強磁性金属よりも硬質炭素膜
の場合においてより顕著に現われる。これは、強磁性金
属の場合には、潤滑剤と反応することによって、強固な
化学吸着が起こるのに対して、硬質炭素膜の場合には、
表面が不活性なため、潤滑剤は単に物理的な付着をして
いるので、繰り返し走行のために滑剤の減少が大きくな
っているためと考えられる。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、耐久
性、特に高温高湿での耐久性に優れた、極めて高い実用
信頼性を有する磁気テープを提供するものである。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために、本発明は非磁性基板上
に強磁性金属薄膜を形成し、さらに強磁性金属薄膜上に
硬質炭素膜,潤滑剤層を順次、形成した磁気記録媒体に
おいて、ピンホールを有する硬質炭素膜を形成したもの
である。
作用 上記した構成によって、潤滑剤はピンホール中に浸透
し、繰り返し走行によって、潤滑剤が硬質炭素膜表面か
ら減少しても、ピンホール中の潤滑剤が表面にしみ出
し、硬質炭素膜表面の潤滑剤の減少を防止することによ
って、耐久性の劣化を防止するものである。
実施例 第1図は、本発明の一実施例の磁気テープの構成を示
す断面図である。
図において、1はベースフィルム、2は強磁性金属薄
膜、3は硬質炭素膜、4は潤滑剤層、5はバックコート
層である。
本発明に用いられる非磁性基板は、ポリエチレンテレ
フタレートがよく用いられるが、ポリエチレンナフタレ
ートなどの他のポリエステルフィルム、セルロースアセ
テートなどのセルロース誘導体、ポリアミド,ポリイミ
ドなどのプラスチックフィルムであってもよい。
強磁性金属薄膜としては、電子ビーム蒸着法,スパッ
タリング法,イオンプレーティング法で形成した、鉄,
コバルト,ニッケル、または、それらを主成分とする合
金、あるいは、それらの部分酸化物、部分窒化物などを
用いることができる。
本発明の硬質炭素膜の形成は、炭化水素ガスのプラズ
マ重合、あるいは、カーボンまたはグラファイトを不活
性ガス雰囲気中でスパッタすることによって行なうこと
ができる。
炭化水素ガスのプラズマ重合によって形成する場合に
は、真空容器中に炭化水素ガス、または炭化水素ガスと
不活性ガスの混合ガスを導入し、0.001〜1Torrの圧力を
保持した状態で、真空容器内部に放電させて、炭化水素
ガスのプラズマを発生させ、磁気テープ原反の強磁性金
属薄膜表面に硬質炭素膜を形成する。放電形式として
は、外部電極方式,内部電極方式のいずれの方式でもよ
く、放電周波数については、実験的に決めることができ
る。また、磁気テープ原反側の電極に0〜−3KVの電圧
を印加することによって、膜の硬度の増大及び密着性を
向上させることができる。
炭化水素ガスとしては、メタン,エタン,プロパン,
ブタンなどを用いることができる。
また、硬質膜を形成するには、できるだけ放電エネル
ギーを大きくすることが望ましい。また、磁気テープ原
反の温度もできるだけ高くすることが望ましい。
一方、スパッタ法には、直流スパッタ,交流スパッ
タ,高周波スパッタ,マグネトロンスパッタ,イオンビ
ームスパッタなどがあるが、いずれの方法でもよい。硬
質膜を形成するには、圧力は、0.01Torr以下が好まし
く、エネルギー密度は高くするのがよく、例えば、高周
波マグネトロンスパッタでは、ターゲット面積あたり1W
/cm2以上が好ましく、また磁気テープ原反を保持する側
の電極に0〜−3KVの電圧を印加しつつ、スパッタする
ことによって、プラズマの場合と同様に膜の硬度の増
大、及び密着性を向上させることができる。
硬質炭素膜に形成するピンホールの数は、5000〜2500
000個/cm2の範囲が有効であり、更に30000〜1000000個/
cm2の範囲が望ましい。ピンホールが5000個/cm2より少
ないと潤滑剤の保持効果が不足し、2500000個/cm2より
も多いと硬質炭素膜の強度が劣化し、耐久性は低下す
る。ピンホールの大きさは直径0.1μm以下が適当であ
る。
硬質炭素膜にピンホールを形成する方法は、上記した
方法で形成した硬質炭素膜を不活性ガスによるスパッタ
・エッチングを行なうことによって形成することができ
る。すなわち、所定の膜厚よりも厚く硬質炭素膜を形成
し、その後、所定の膜厚までArなどの不活性ガスで表面
をスパッタ・エッチングすることによって、ピンホール
を有する硬質炭素膜が得られる。ピンホールの数は、ス
パッタア・エッチングする膜厚、スパッタ条件によっ
て、変えることができる。
また、硬質炭素膜にピンホールを形成する他の方法と
しては、炭化水素ガスのプラズマによって、硬質炭素膜
の形成を行なう際に、直流に高周波を重畳させた電力に
よって、放電させる方法がある。この場合も、プラズマ
条件によって、ピンホールの数を調整することができ
る。
このようにして形成したピンホールは、ほとんどが硬
質炭素膜を貫通するもので、一部硬質炭素膜表面の凹み
状の物も存在する。また、このような製造方法による
と、磁性層へのダメージはなく、磁性層への影響はない
ものである。
本発明に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤が有
効であり、パーフルオロカルボン酸、および、そのエス
テル、パーフルオロポリエーテルおよびその変性体など
がある。これら潤滑剤は、単独または混合して用いても
よい。
これら潤滑剤層を硬質炭素膜上に形成する方法として
は、上記潤滑剤溶液を、コーティングバー法,グラビア
法,リバースロール法などの通常のコーティング法によ
って、行なうことができる。
また、塗工量としては、0.1〜20mg/m2が好ましい。塗
工量が少な過ぎると、摩擦係数の低下、耐久性,耐摩耗
性の向上の効果が現われず、あまり多過ぎると、摺動部
材と磁気テープの間ではりつき現象が起こり、かえって
走行性が悪くなる。
以下に、更に具体的な実施例を示す。
重合残さに起因する微粒子をほとんど含まないポリエ
ステルフィルム表面にシリカ微粒子(粒径250Å)を分
散させた変性シリコーンと増粘剤とからなる波状突起と
粒状突起を形成した厚み10μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に、酸素を導入しながら電子ビーム法
で連続斜め蒸着を行い、膜厚1500ÅのCo−Ni−O膜を形
成した。ついで、メタンガスのプラズマ処理により、30
0Å膜厚の硬質炭素膜を形成した後、Arガスによるスパ
ッタ・エッチング処理を行ない種種の条件のピンホール
を有する硬質炭素膜を形成した。第1表に条件を示す。
ついで、裏面にカーボンブラックと炭酸カルシウム1:2
重量比の混合物をポリウレタンとニトロセルロース1:1
重量比の樹脂成分中に分散させた塗膜、いわゆる、バッ
クコートを0.8μmの厚みで形成した。更に、その後、
潤滑剤として、末端にカルボン酸基を有するパーフルオ
ロポリエーテル系カルボン酸として、市販されているデ
ュポン社製の“KRYTOX−157,FS−M"を8mg/m2の条件で硬
質炭素膜の表面にコーティングした後、8ミリ幅にスリ
ットし、磁気テープとした。これらの磁気テープを、40
℃,80%RHの環境下にて、市販のハイバンド8mm用VTR(E
V−S900、ソニー社製)にて、200回繰り返し録画再生を
行ない、その後、ドロップアウト、出力低下を測定し
た。ドロップアウトは、15μsec,−16dB以上の信号欠陥
の1分間当りの数を測定し、出力低下は耐久走行前の値
と比較した。また、ピンホールの数は下記に示す方法で
測定した。すなわち、製作した磁気テープを、60℃,90
%RHの環境下に2週間放置した後、光学顕微鏡にて200
倍の倍率で観察し、ピンホール要因で発生した腐食箇所
を測定し、ピンホールの数とした。
それらの結果を第1表にまとめて示す。
第1表の結果からわかる様に、本発明の実施例の場合
には、繰り返し録画再生後も、ドロップアウトの増加、
出力低下は殆ど無視できる。それに対して、各比較例の
磁気テープは、走行耐久後のドロップアウトの増加、出
力低下も大きく、実用信頼性の低いものであった。
発明の効果 以上のように、本発明は耐久性の劣化を防止すること
ができ、強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の実用信頼性を
飛躍的に向上することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の磁気記録媒体の拡大断面図
である。 1……ベースフィルム、2……強磁性金属薄膜、3……
硬質炭素膜、4……潤滑剤層、……5……バックコート
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/72

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成し、
    上記強磁性金属薄膜上に硬質炭素膜、フッ素系潤滑剤か
    らなる潤滑剤層を順次、形成した磁気記録媒体におい
    て、硬質炭素膜が、5000〜2500000個/cm2のピンホール
    を有することを特徴とする磁気記録媒体
JP2113372A 1990-04-27 1990-04-27 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP3035972B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100565011C (zh) * 2004-09-14 2009-12-02 株式会社东海 带锁定机构的连接器结构

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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