JPH09120526A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH09120526A JPH09120526A JP27743595A JP27743595A JPH09120526A JP H09120526 A JPH09120526 A JP H09120526A JP 27743595 A JP27743595 A JP 27743595A JP 27743595 A JP27743595 A JP 27743595A JP H09120526 A JPH09120526 A JP H09120526A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、金属薄膜型磁気記録媒体における
高温高湿環境保存後の走行耐久性、スチル耐久性の向上
をおこなうもので、保存信頼性が高く実用信頼性の高い
磁気記録媒体の提供を目的とする。 【解決手段】 非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜2、
硬質カーボン膜3を有する磁気記録媒体において、硬質
カーボン膜3の表面に、分子内にパーフルオロアルキル
基、パーフルオロポリエーテル基、アルキル基を含有す
るカルボン酸アミン塩と分子内にパーフルオロアルキル
基、アルキル基を含有するカルボン酸を含有する潤滑剤
層4が形成された磁気記録媒体。
高温高湿環境保存後の走行耐久性、スチル耐久性の向上
をおこなうもので、保存信頼性が高く実用信頼性の高い
磁気記録媒体の提供を目的とする。 【解決手段】 非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜2、
硬質カーボン膜3を有する磁気記録媒体において、硬質
カーボン膜3の表面に、分子内にパーフルオロアルキル
基、パーフルオロポリエーテル基、アルキル基を含有す
るカルボン酸アミン塩と分子内にパーフルオロアルキル
基、アルキル基を含有するカルボン酸を含有する潤滑剤
層4が形成された磁気記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性金属薄膜を磁
性層とする磁気テープなどの金属薄膜型磁気記録媒体お
よびその製造方法に関するものである。
性層とする磁気テープなどの金属薄膜型磁気記録媒体お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、デジ
タル化、小型化、長時間化などの高性能化が進んでいる
が、それに伴って、高密度磁気記録媒体への要求が高ま
り、磁性層を強磁性金属薄膜で構成した金属薄膜型磁気
記録媒体が、短波長記録に極めて有利なことから盛んに
検討されている。
タル化、小型化、長時間化などの高性能化が進んでいる
が、それに伴って、高密度磁気記録媒体への要求が高ま
り、磁性層を強磁性金属薄膜で構成した金属薄膜型磁気
記録媒体が、短波長記録に極めて有利なことから盛んに
検討されている。
【0003】しかしながら、金属薄膜型磁気記録媒体で
は、磁性層は極めて良好な表面性を持つために、信号の
記録再生の過程における、磁気ヘッドとの高速摺動下で
の摩擦、摩耗により、耐久性、走行性、耐蝕性などは大
きな影響を受けており、その改善は大きな課題となって
いる。
は、磁性層は極めて良好な表面性を持つために、信号の
記録再生の過程における、磁気ヘッドとの高速摺動下で
の摩擦、摩耗により、耐久性、走行性、耐蝕性などは大
きな影響を受けており、その改善は大きな課題となって
いる。
【0004】そこで磁性層表面に潤滑剤層を設け、耐久
性、走行性、耐蝕性の改善が試みられている。磁気記録
媒体と磁気ヘッドとのスペーシングによる出力低下を極
力小さくして高出力化を図るため、磁性層表面の潤滑剤
層はわずか数nm厚みで潤滑特性を発揮することが求め
られている。そのため、優れた潤滑特性を示すフッ素系
化合物が広く検討がなされ各種化合物が提案されてい
る。例えば、カルボン酸パーフルオロアルキルアミン
塩、アルキルこはく酸パーフルオロエーテル部分エステ
ル、アルキルこはく酸パーフルオロアルキル部分エステ
ル(特開平4ー274018号公報、特開平4ー270
243号公報、特開平5ー77818号公報)などがあ
る。
性、走行性、耐蝕性の改善が試みられている。磁気記録
媒体と磁気ヘッドとのスペーシングによる出力低下を極
力小さくして高出力化を図るため、磁性層表面の潤滑剤
層はわずか数nm厚みで潤滑特性を発揮することが求め
られている。そのため、優れた潤滑特性を示すフッ素系
化合物が広く検討がなされ各種化合物が提案されてい
る。例えば、カルボン酸パーフルオロアルキルアミン
塩、アルキルこはく酸パーフルオロエーテル部分エステ
ル、アルキルこはく酸パーフルオロアルキル部分エステ
ル(特開平4ー274018号公報、特開平4ー270
243号公報、特開平5ー77818号公報)などがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから、磁気記
録媒体の性能向上に関する要求は厳しく、上記した潤滑
剤では十分な特性であるといえず、耐蝕性において一層
の改善が望まれている。
録媒体の性能向上に関する要求は厳しく、上記した潤滑
剤では十分な特性であるといえず、耐蝕性において一層
の改善が望まれている。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、耐蝕性に優れ、高い実用信頼性の磁気記録媒体およ
び磁気記録媒体の製造方法を提供するものである。
で、耐蝕性に優れ、高い実用信頼性の磁気記録媒体およ
び磁気記録媒体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜、硬質
カーボン層を有する磁気記録媒体、または、硬質カーボ
ン層上にさらに含窒素プラズマ重合膜を有する磁気記録
媒体、または、表面にカルボキシル基を形成した硬質カ
ーボン層を有する磁気記録媒体において、磁性層表面上
に、分子内にパーフルオロアルキル基、パーフルオロポ
リエーテル基、アルキル基を含有し、一般式
に本発明は、非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜、硬質
カーボン層を有する磁気記録媒体、または、硬質カーボ
ン層上にさらに含窒素プラズマ重合膜を有する磁気記録
媒体、または、表面にカルボキシル基を形成した硬質カ
ーボン層を有する磁気記録媒体において、磁性層表面上
に、分子内にパーフルオロアルキル基、パーフルオロポ
リエーテル基、アルキル基を含有し、一般式
【0008】
【化3】
【0009】で表される化合物の内少なくとも1種を含
有する潤滑剤層、および、分子内にパーフルオロアルキ
ル基、アルキル基を含有し、一般式
有する潤滑剤層、および、分子内にパーフルオロアルキ
ル基、アルキル基を含有し、一般式
【0010】
【化4】
【0011】で表される化合物の内少なくとも1種を含
有する潤滑剤層を形成するものである。
有する潤滑剤層を形成するものである。
【0012】ここで、(化3)におけるR1、R3は飽和
あるいは不飽和アルキル基、R2はパーフルオロアルキ
ル基、R4はパーフルオロポリエーテル基を示し、nは
0または1である。
あるいは不飽和アルキル基、R2はパーフルオロアルキ
ル基、R4はパーフルオロポリエーテル基を示し、nは
0または1である。
【0013】また、(化4)におけるR1は飽和あるい
は不飽和アルキル基、R2はパーフルオロアルキル基を
示し、nは0または1である。
は不飽和アルキル基、R2はパーフルオロアルキル基を
示し、nは0または1である。
【0014】また、本発明は、潤滑剤層がカルボン酸成
分とアミン成分との反応生成物を無極性溶剤に溶解した
塗布液の塗布によって形成されたものであり、また、潤
滑剤層がカルボン酸成分とアミン成分とを0.5%以上
の水分を有する有機溶剤に溶解した塗布液の塗布によっ
て形成されたものであり、また、潤滑剤層がカルボン酸
成分とアミン成分とを有機溶剤に溶解した塗布液を塗布
し、溶融温度以上で乾燥することによって形成されたも
のである。
分とアミン成分との反応生成物を無極性溶剤に溶解した
塗布液の塗布によって形成されたものであり、また、潤
滑剤層がカルボン酸成分とアミン成分とを0.5%以上
の水分を有する有機溶剤に溶解した塗布液の塗布によっ
て形成されたものであり、また、潤滑剤層がカルボン酸
成分とアミン成分とを有機溶剤に溶解した塗布液を塗布
し、溶融温度以上で乾燥することによって形成されたも
のである。
【0015】このようにすることにより、潤滑剤層は、
硬質カーボン膜表面、または、表面にカルボキシル基を
有する硬質カーボン膜表面、または、その上に形成した
含窒素プラズマ重合膜表面にカルボキシル基、アミノ基
により強固に化学吸着し、分子内に有するパーフルオロ
アルキル基、パーフルオロポリエーテル基、アルキル基
と硬質カーボン膜との相乗効果により、高温高湿環境に
保存後も優れた潤滑効果、保護膜効果を発揮し、従来に
ないスチル特性および走行耐久性を示すものである。
硬質カーボン膜表面、または、表面にカルボキシル基を
有する硬質カーボン膜表面、または、その上に形成した
含窒素プラズマ重合膜表面にカルボキシル基、アミノ基
により強固に化学吸着し、分子内に有するパーフルオロ
アルキル基、パーフルオロポリエーテル基、アルキル基
と硬質カーボン膜との相乗効果により、高温高湿環境に
保存後も優れた潤滑効果、保護膜効果を発揮し、従来に
ないスチル特性および走行耐久性を示すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜、硬質カーボン
層を有する磁気記録媒体において、硬質カーボン層表面
に、分子内にパーフルオロアルキル基、パーフルオロポ
リエーテル基、アルキル基を含有し、一般式(化1)で
表される化合物の内少なくとも1種と分子内にパーフル
オロアルキル基、アルキル基を含有し、一般式(化2)
で表される化合物の内少なくとも1種を含有する潤滑剤
層が形成されたことを特徴とする磁気記録媒体としたも
のであり、潤滑剤層は、硬質カーボン膜表面に強固に化
学吸着し、分子内に有するパーフルオロアルキル基、パ
ーフルオロポリエーテル基、アルキル基と硬質カーボン
膜との相乗効果により、高温高湿環境に保存後も優れた
潤滑効果、保護膜効果を発揮し、従来にないスチル特性
および走行耐久性を示すものである。
は、非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜、硬質カーボン
層を有する磁気記録媒体において、硬質カーボン層表面
に、分子内にパーフルオロアルキル基、パーフルオロポ
リエーテル基、アルキル基を含有し、一般式(化1)で
表される化合物の内少なくとも1種と分子内にパーフル
オロアルキル基、アルキル基を含有し、一般式(化2)
で表される化合物の内少なくとも1種を含有する潤滑剤
層が形成されたことを特徴とする磁気記録媒体としたも
のであり、潤滑剤層は、硬質カーボン膜表面に強固に化
学吸着し、分子内に有するパーフルオロアルキル基、パ
ーフルオロポリエーテル基、アルキル基と硬質カーボン
膜との相乗効果により、高温高湿環境に保存後も優れた
潤滑効果、保護膜効果を発揮し、従来にないスチル特性
および走行耐久性を示すものである。
【0017】以下本発明の実施の形態について、図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態で使
用した磁気テープの構成を示す拡大断面図である。図1
において、1は高分子フィルム、2は磁気記録層を構成
する強磁性金属薄膜、3は保護膜層を構成する硬質カー
ボン膜、4はフッ素系潤滑剤層、5はバックコート層で
ある。
参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態で使
用した磁気テープの構成を示す拡大断面図である。図1
において、1は高分子フィルム、2は磁気記録層を構成
する強磁性金属薄膜、3は保護膜層を構成する硬質カー
ボン膜、4はフッ素系潤滑剤層、5はバックコート層で
ある。
【0018】本発明の磁気テープに用いる高分子フィル
ムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリア
ミド、ポリイミドなどの高分子フィルムで、表面に微粒
子塗布層を有する構造のものが適している。
ムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリア
ミド、ポリイミドなどの高分子フィルムで、表面に微粒
子塗布層を有する構造のものが適している。
【0019】強磁性金属薄膜2は、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などで形成
した磁性膜でCo、Ni、Co−Ni,Co−O,Co
−Cr,Co−Ti,Co−W,Co−Mo,Co−N
i−O,Co−Pt−B−Oなどの中から適宜選択され
るものである。
グ法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などで形成
した磁性膜でCo、Ni、Co−Ni,Co−O,Co
−Cr,Co−Ti,Co−W,Co−Mo,Co−N
i−O,Co−Pt−B−Oなどの中から適宜選択され
るものである。
【0020】硬質カーボン膜3からなる保護層は、炭化
水素ガスあるいは、炭化水素とアルゴンの混合ガスのプ
ラズマ重合よって形成する事ができる。
水素ガスあるいは、炭化水素とアルゴンの混合ガスのプ
ラズマ重合よって形成する事ができる。
【0021】炭化水素ガスのプラズマ重合によって形成
する場合には、真空容器中に炭化水素ガス、または炭化
水素ガスと不活性ガスの混合ガスを導入し、0.001
から1Torrの圧力を保持した状態で真空容器内部に
放電させて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、硬質
カーボン膜3を形成する。放電形式としては、外部電極
方式、内部電極方式のいずれでも良く、放電周波数につ
いても実験的に決める事ができる。また、基体側の電極
に0から−3KVの電圧を印加する事によって、膜の硬
度の増大及び密着性を向上させることができる。
する場合には、真空容器中に炭化水素ガス、または炭化
水素ガスと不活性ガスの混合ガスを導入し、0.001
から1Torrの圧力を保持した状態で真空容器内部に
放電させて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、硬質
カーボン膜3を形成する。放電形式としては、外部電極
方式、内部電極方式のいずれでも良く、放電周波数につ
いても実験的に決める事ができる。また、基体側の電極
に0から−3KVの電圧を印加する事によって、膜の硬
度の増大及び密着性を向上させることができる。
【0022】炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ベンゼンなどを用いることができる。
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ベンゼンなどを用いることができる。
【0023】また、硬質膜を形成するには、できるだけ
放電エネルギーを大きくすることが望ましい。また、基
体の温度もできるだけ高くすることが望ましい。
放電エネルギーを大きくすることが望ましい。また、基
体の温度もできるだけ高くすることが望ましい。
【0024】硬質カーボン膜3の膜厚としては、50か
ら300Åの範囲が適当で、これよりも、薄い場合に
は、十分な保護膜効果が得られず、これよりも大きい場
合には、スペーシングによる出力の低下が大きく、実用
性が低下する。
ら300Åの範囲が適当で、これよりも、薄い場合に
は、十分な保護膜効果が得られず、これよりも大きい場
合には、スペーシングによる出力の低下が大きく、実用
性が低下する。
【0025】硬質カーボン膜3の表面にカルボキシル基
を形成する方法としては、酸素ガスまたは水蒸気ガスを
導入し、0.001から1Torrの圧力を保持した状
態で真空容器内部に高周波放電させプラズマ処理する方
法が適応できる。
を形成する方法としては、酸素ガスまたは水蒸気ガスを
導入し、0.001から1Torrの圧力を保持した状
態で真空容器内部に高周波放電させプラズマ処理する方
法が適応できる。
【0026】含窒素プラズマ重合膜は、真空容器中にプ
ロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどのアミン
化合物をガス化、導入し、0.001から1Torrの
圧力を保持した状態で真空容器内部に高周波放電させて
形成する。含窒素プラズマ重合膜の膜厚は3から30Å
の範囲が適当で、これよりも、薄い場合には、十分な膜
効果が得られず、潤滑剤成分の化学吸着力の向上効果が
不十分になり、これよりも大きい場合には、硬質カーボ
ンの保護膜効果が低下する。
ロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどのアミン
化合物をガス化、導入し、0.001から1Torrの
圧力を保持した状態で真空容器内部に高周波放電させて
形成する。含窒素プラズマ重合膜の膜厚は3から30Å
の範囲が適当で、これよりも、薄い場合には、十分な膜
効果が得られず、潤滑剤成分の化学吸着力の向上効果が
不十分になり、これよりも大きい場合には、硬質カーボ
ンの保護膜効果が低下する。
【0027】分子内にパーフルオロアルキル基、パーフ
ルオロポリエーテル基、アルキル基を含有するカルボン
酸アミン塩化合物としては、一般式
ルオロポリエーテル基、アルキル基を含有するカルボン
酸アミン塩化合物としては、一般式
【0028】
【化5】
【0029】で表されるものがある。(化5)において
R1、R3は炭素数22から12の飽和あるいは不飽和ア
ルキル基、R2は炭素数4から10のパーフルオロアル
キル基、R4はパーフルオロポリエーテル基を示し、パ
ーフルオロエーテル基の繰り返し数が3から7のもので
あり、これらにおいては上限を上回ると溶解性が低下
し、一般の有機溶剤に溶けにくくなり、下限を下回ると
潤滑効果が低下する。
R1、R3は炭素数22から12の飽和あるいは不飽和ア
ルキル基、R2は炭素数4から10のパーフルオロアル
キル基、R4はパーフルオロポリエーテル基を示し、パ
ーフルオロエーテル基の繰り返し数が3から7のもので
あり、これらにおいては上限を上回ると溶解性が低下
し、一般の有機溶剤に溶けにくくなり、下限を下回ると
潤滑効果が低下する。
【0030】分子内にパーフルオロアルキル基、アルキ
ル基を含有するカルボン酸化合物としては、一般式
ル基を含有するカルボン酸化合物としては、一般式
【0031】
【化6】
【0032】で表されるものがある。(化6)において
R5は炭素数22から12の飽和あるいは不飽和アルキ
ル基、R6は炭素数4から10のパーフルオロアルキル
基を示し、上限を上回ると溶解性が低下し、一般の有機
溶剤に溶けにくくなり、下限を下回ると潤滑効果が低下
する。
R5は炭素数22から12の飽和あるいは不飽和アルキ
ル基、R6は炭素数4から10のパーフルオロアルキル
基を示し、上限を上回ると溶解性が低下し、一般の有機
溶剤に溶けにくくなり、下限を下回ると潤滑効果が低下
する。
【0033】潤滑剤層の形成は、トルエンなどの無極性
溶剤にカルボン酸アミン塩化合物とカルボン酸化合物を
溶解した塗布液を通常のバーコーティング法、グラビア
コーティング法、リバースロールコーティング法、ダイ
コーティング法によって、潤滑剤溶液を塗工乾燥するこ
とによって得られる。
溶剤にカルボン酸アミン塩化合物とカルボン酸化合物を
溶解した塗布液を通常のバーコーティング法、グラビア
コーティング法、リバースロールコーティング法、ダイ
コーティング法によって、潤滑剤溶液を塗工乾燥するこ
とによって得られる。
【0034】また、潤滑剤層をカルボン酸成分とアミン
成分とを0.5%以上の水分を有するメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン等の
有機溶剤に溶解した塗工液の塗布によって形成する事に
より、カルボン酸成分とアミン成分の反応生成物を塗布
した場合と同等の効果が得られるが、過分の水分を含む
場合には、溶解性を低下させたり、塗布むらを発生させ
たりする。
成分とを0.5%以上の水分を有するメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン等の
有機溶剤に溶解した塗工液の塗布によって形成する事に
より、カルボン酸成分とアミン成分の反応生成物を塗布
した場合と同等の効果が得られるが、過分の水分を含む
場合には、溶解性を低下させたり、塗布むらを発生させ
たりする。
【0035】また、潤滑剤層をカルボン酸成分とアミン
成分とを有機溶剤に溶解した塗工液を塗布し、溶融温度
以上で乾燥することによって形成する事によっても、カ
ルボン酸成分とアミン成分の反応生成物を塗布した場合
と同等の効果が得られる 潤滑剤量としては、2〜20mg/m2が好ましく、こ
れ以下の量であると潤滑効果が得られず、これ以上にな
ると走行不良が発生し易くなる。
成分とを有機溶剤に溶解した塗工液を塗布し、溶融温度
以上で乾燥することによって形成する事によっても、カ
ルボン酸成分とアミン成分の反応生成物を塗布した場合
と同等の効果が得られる 潤滑剤量としては、2〜20mg/m2が好ましく、こ
れ以下の量であると潤滑効果が得られず、これ以上にな
ると走行不良が発生し易くなる。
【0036】以下、更に具体的に本発明の磁気記録媒体
について比較例との対比で説明する。
について比較例との対比で説明する。
【0037】(実施の形態1)表面に250Åの有機微
粒子を密度15ケ/μm2配した厚み6.3μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム表面に、直径1mの円
筒キャンに沿わせてコバルトを4x10-5から7x10
-5(Torr)の酸素中で、0.18μm厚になるよう
に蒸着した。ついで、蒸着層と反対側面に、カーボンブ
ラックと炭酸カルシウム1:2重量比の混合物をポリウ
レタンとニトロセルロース1:1重量比の樹脂成分中に
分散させた塗工液をリバースロール方式の塗工機で塗
布、乾燥し、0.5ミクロンの膜厚でバックコート層を
形成した。さらに、コバルト蒸着層の上に、メタン、ア
ルゴンの混合ガスの10KHzの高周波プラズマ法によ
り、電極を正極、磁気テープ原反自身を負極として10
00VのDC電圧を重畳しながら、放電を行ない、厚み
200Åの硬質カーボン膜を形成した(磁気テープ原反
A)。さらに、硬質カーボン膜表面に、ブチルアミンガ
スを導入しながら、真空度7x10-2(Torr)の条
件で10KHzの高周波プラズマ処理をおこない、含窒
素プラズマ重合膜を形成した(磁気テープ原反B)、ま
た、水蒸気を導入しながら、真空度5x10-2(Tor
r)の条件で10KHzの高周波プラズマ処理をおこな
い、表面にカルボキシル基をを形成した(磁気テープ原
反C)。さらに、(表1)記載の潤滑剤を有機溶剤に溶
解した塗工液を用い、リバースロール方式の塗工機を用
いて、8mg/m2の条件で塗工し、90℃で乾燥し、
潤滑剤層を形成した。その後スリッターで裁断し、8m
m幅のテープとした(試料NO.1〜12)。
粒子を密度15ケ/μm2配した厚み6.3μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム表面に、直径1mの円
筒キャンに沿わせてコバルトを4x10-5から7x10
-5(Torr)の酸素中で、0.18μm厚になるよう
に蒸着した。ついで、蒸着層と反対側面に、カーボンブ
ラックと炭酸カルシウム1:2重量比の混合物をポリウ
レタンとニトロセルロース1:1重量比の樹脂成分中に
分散させた塗工液をリバースロール方式の塗工機で塗
布、乾燥し、0.5ミクロンの膜厚でバックコート層を
形成した。さらに、コバルト蒸着層の上に、メタン、ア
ルゴンの混合ガスの10KHzの高周波プラズマ法によ
り、電極を正極、磁気テープ原反自身を負極として10
00VのDC電圧を重畳しながら、放電を行ない、厚み
200Åの硬質カーボン膜を形成した(磁気テープ原反
A)。さらに、硬質カーボン膜表面に、ブチルアミンガ
スを導入しながら、真空度7x10-2(Torr)の条
件で10KHzの高周波プラズマ処理をおこない、含窒
素プラズマ重合膜を形成した(磁気テープ原反B)、ま
た、水蒸気を導入しながら、真空度5x10-2(Tor
r)の条件で10KHzの高周波プラズマ処理をおこな
い、表面にカルボキシル基をを形成した(磁気テープ原
反C)。さらに、(表1)記載の潤滑剤を有機溶剤に溶
解した塗工液を用い、リバースロール方式の塗工機を用
いて、8mg/m2の条件で塗工し、90℃で乾燥し、
潤滑剤層を形成した。その後スリッターで裁断し、8m
m幅のテープとした(試料NO.1〜12)。
【0038】また、比較例として、硬質カーボン膜のな
いもの(試料NO.13)、潤滑剤のないもの(試料N
O.14)水分が0.5%以上を含む潤滑剤塗布液で塗
布したもの(試料NO.15)乾燥温度50℃で潤滑剤
層を形成したもの(試料NO.16)従来の潤滑剤層の
もの(試料NO.17)も合わせて製作し、磁気テープ
とした。磁気テープ製作条件を(表1)に示す。
いもの(試料NO.13)、潤滑剤のないもの(試料N
O.14)水分が0.5%以上を含む潤滑剤塗布液で塗
布したもの(試料NO.15)乾燥温度50℃で潤滑剤
層を形成したもの(試料NO.16)従来の潤滑剤層の
もの(試料NO.17)も合わせて製作し、磁気テープ
とした。磁気テープ製作条件を(表1)に示す。
【0039】
【表1】
【0040】これらの磁気テープを、市販の8mmVT
R(EV−S900、ソニー社製)の改造機を用い、ス
チル耐久性、保存特性を測定した。
R(EV−S900、ソニー社製)の改造機を用い、ス
チル耐久性、保存特性を測定した。
【0041】スチル耐久性は、5℃80%RHの環境で
試料数2で5回測定し、初期出力から6dB低下するま
での時間を測定し、その平均値をテープのスチル寿命と
した。
試料数2で5回測定し、初期出力から6dB低下するま
での時間を測定し、その平均値をテープのスチル寿命と
した。
【0042】保存特性は、45℃80%RHの環境に1
ヶ月放置し、表面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察
するとともにスチル耐久性および走行耐久性を測定し
た。
ヶ月放置し、表面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察
するとともにスチル耐久性および走行耐久性を測定し
た。
【0043】走行耐久性は5℃80%RHの環境で試料
数2で100回繰り返し再生を行なった後の出力の変化
を測定した。また、用いた潤滑剤を塗布乾燥条件である
90℃に放置し、乾燥温度における潤滑剤状態を確認し
た。
数2で100回繰り返し再生を行なった後の出力の変化
を測定した。また、用いた潤滑剤を塗布乾燥条件である
90℃に放置し、乾燥温度における潤滑剤状態を確認し
た。
【0044】測定結果を(表2)にまとめた。
【0045】
【表2】
【0046】(表2)から明らかなように、硬質カーボ
ン膜のない磁気テープ(試料NO.13)、潤滑剤のな
い磁気テープ(試料NO.14)、水分が0.5%以上
を含む潤滑剤塗布液で塗布した磁気テープ(試料NO.
15)乾燥温度50℃で潤滑剤層を形成した磁気テープ
(試料NO.16)従来の潤滑剤を用いた磁気テープ
(試料NO.17)は、高温高湿環境保存後、スチル寿
命の劣化が発生しており、また繰り返し走行時の出力低
下も大きくなっている。しかし、本実施の形態による磁
気記録媒体は保存後のスチル寿命も2時間以上であり、
繰り返し再生における出力低下も−2dB以内と、優れ
た保存耐久性を示している。
ン膜のない磁気テープ(試料NO.13)、潤滑剤のな
い磁気テープ(試料NO.14)、水分が0.5%以上
を含む潤滑剤塗布液で塗布した磁気テープ(試料NO.
15)乾燥温度50℃で潤滑剤層を形成した磁気テープ
(試料NO.16)従来の潤滑剤を用いた磁気テープ
(試料NO.17)は、高温高湿環境保存後、スチル寿
命の劣化が発生しており、また繰り返し走行時の出力低
下も大きくなっている。しかし、本実施の形態による磁
気記録媒体は保存後のスチル寿命も2時間以上であり、
繰り返し再生における出力低下も−2dB以内と、優れ
た保存耐久性を示している。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明は、非磁性基板の表
面に強磁性金属薄膜、硬質カーボン層を形成した磁気記
録媒体の表面に、分子内にパーフルオロアルキル基、パ
ーフルオロポリエーテル基、アルキル基を含有するカル
ボン酸アミン塩を含有する潤滑剤層が形成する事によっ
て、高温高湿環境保存後、スチル寿命、繰り返し走行時
の出力低下もなく、優れた保存耐久性を示す優れた磁気
記録媒体を実現できるものである。
面に強磁性金属薄膜、硬質カーボン層を形成した磁気記
録媒体の表面に、分子内にパーフルオロアルキル基、パ
ーフルオロポリエーテル基、アルキル基を含有するカル
ボン酸アミン塩を含有する潤滑剤層が形成する事によっ
て、高温高湿環境保存後、スチル寿命、繰り返し走行時
の出力低下もなく、優れた保存耐久性を示す優れた磁気
記録媒体を実現できるものである。
【図1】本発明の第1の実施の形態における磁気記録媒
体の拡大断面図
体の拡大断面図
1 高分子フィルム 2 強磁性金属薄膜 3 硬質カーボン膜 4 潤滑剤層 5 バックコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜代司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 非磁性基板の表面に強磁性金属薄膜、硬
質カーボン層を有する磁気記録媒体において、硬質カー
ボン層表面に、分子内にパーフルオロアルキル基、パー
フルオロポリエーテル基、アルキル基を含有し、一般式 【化1】 で表される化合物の内少なくとも1種と分子内にパーフ
ルオロアルキル基、アルキル基を含有し、一般式 【化2】 で表される化合物の内少なくとも1種を含有する潤滑剤
層が形成されたことを特徴とする磁気記録媒体。ここ
で、(化1)におけるR1、R3は飽和あるいは不飽和ア
ルキル基、R2はパーフルオロアルキル基、R4はパーフ
ルオロポリエーテル基を示し、nは0または1である。
また、(化2)におけるR5は飽和あるいは不飽和アル
キル基、R6はパーフルオロアルキル基を示し、nは0
または1である。 - 【請求項2】 潤滑剤層が硬質カーボン層表面上の含窒
素プラズマ重合膜上に形成されていることを特徴とする
請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 潤滑剤層が表面にカルボキシル基を形成
した硬質カーボン層上に形成されていることを特徴とす
る請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 請求項1、2、3記載の磁気記録媒体に
おいて潤滑剤層がカルボン酸成分とアミン成分との反応
生成物を無極性溶剤に溶解した塗布液を塗工することに
よって形成されたことを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法。 - 【請求項5】 請求項1、2、3記載の磁気記録媒体に
おいて潤滑剤層がカルボン酸成分とアミン成分とを0.
5%以上の水分を有する有機溶剤に溶解した塗布液の塗
布によって形成されたことを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3記載の磁気記録媒体に
おいて潤滑剤層がカルボン酸成分とアミン成分とを有機
溶剤に溶解した塗布液を塗布し、溶融温度以上で乾燥す
ることによって形成されたことを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27743595A JPH09120526A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27743595A JPH09120526A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09120526A true JPH09120526A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=17583529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27743595A Pending JPH09120526A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09120526A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6303227B1 (en) | 1997-07-16 | 2001-10-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Lubricant composition magnetic recording medium, and process for producing magnetic recording medium |
-
1995
- 1995-10-25 JP JP27743595A patent/JPH09120526A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6303227B1 (en) | 1997-07-16 | 2001-10-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Lubricant composition magnetic recording medium, and process for producing magnetic recording medium |
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