JP2000072545A - 圧電体 - Google Patents

圧電体

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JP2000072545A
JP2000072545A JP10244240A JP24424098A JP2000072545A JP 2000072545 A JP2000072545 A JP 2000072545A JP 10244240 A JP10244240 A JP 10244240A JP 24424098 A JP24424098 A JP 24424098A JP 2000072545 A JP2000072545 A JP 2000072545A
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泰広 中井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い電気的特性を維持できるとともに、主結晶
粒子の組成を変更することなく、共振周波数の温度係数
Fr.TC.を容易に制御することができる圧電体を提
供する。 【解決手段】チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする主結
晶粒子からなる圧電磁器中に、平均結晶粒径0.3〜
1.0μmの部分安定化ジルコニア粒子および/または
安定化ジルコニア粒子を全量中0.05〜5重量%の割
合で分散してなるとともに、主結晶粒子の平均結晶粒径
1 と、部分安定化ジルコニア粒子および/または安定
化ジルコニア粒子の平均結晶粒径d2 の比(d1
2 )が2〜8である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体に関するも
のであり、より詳しくは、チタン酸ジルコン酸鉛を主成
分とする主結晶粒子からなる圧電磁器中に、部分安定化
ジルコニア粒子および/または安定化ジルコニア粒子が
分散した圧電体に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、圧電磁器組成物を利用した製品
としては、例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾ
ネータ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニ
ット、超音波モータ、圧電ファン、圧電センサ、圧電ア
クチュエータ等がある。
【0003】ここで、セラミックフィルタ、セラミック
レゾネータ等の電子部品としては、PbZrO3 −Pb
TiO3 を主成分とした磁器組成物(PZT)が利用さ
れており、これにNb2 5 やMnO2 等の金属酸化
物、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 やPb(Nb2/3
1/3 )O3 等の複合ペロブスカイト型酸化物を添加し
たり置換することにより圧電特性の向上が図られてい
る。
【0004】しかしながら、圧電素子の共振周波数の温
度係数Fr.TC.が大きい場合、環境変化の激しい車
両搭載用通信装置や、屋外での使用を前提としている携
帯電話機などのフィルタ用として用いると、素子の特性
変化によって安定した送受信ができなくなるという問題
があった。
【0005】また、セラミックレゾネータは、マイコン
の基準信号発振用として発振回路に組み込まれて使用さ
れるが、圧電素子の共振周波数の温度係数Fr.TC.
が大きい場合、基準信号が変化してしまうためマイコン
が正常に動作しなくなるという問題があった。
【0006】従来、PZTでは、Aサイト(Pb)をS
r、Caなどで置換したり、BサイトのZr/Ti比を
最適化することで圧電素子の温度係数を調整する方法が
知られ、それらを組み合わせた組成が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】圧電発振子を電気回路
に組み込んで利用する場合、電気回路の温度特性が加算
されるため、圧電素子の共振周波数の温度係数Fr.T
C.を回路に合わせて変更する必要がある。しかしなが
ら、圧電素子の温度特性を組成で制御する場合、磁器組
成から変更する必要があり、温度特性を満足するよう
に、例えばPZTの置換材料や添加材料、その量比を変
更する必要があった。
【0008】本発明は、高い電気的特性を維持できると
ともに、主結晶粒子の組成を変更することなく、共振周
波数の温度係数Fr.TC.を容易に制御することがで
きる圧電体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電体は、チタ
ン酸ジルコン酸鉛を主成分とする主結晶粒子からなる圧
電磁器中に、平均結晶粒径0.3〜1.0μmの部分安
定化ジルコニア粒子および/または安定化ジルコニア粒
子を全量中0.05〜5重量%の割合で分散してなると
ともに、前記主結晶粒子の平均結晶粒径d1 と、前記部
分安定化ジルコニア粒子および/または前記安定化ジル
コニア粒子の平均結晶粒径d2 の比(d1 /d2 )が2
〜8である。ここで、主結晶粒子の平均結晶粒径d1
3μm以下であることが望ましい。また、共振周波数の
温度係数Fr.TC.が−50〜+50ppm/℃のも
のである。
【0010】
【作用】本発明の圧電体は、部分安定化または安定化さ
れたジルコニアは、焼結過程において、チタン酸ジルコ
ン酸鉛と固溶反応を殆ど起こさず、主結晶粒子の粒界部
に局在し、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする主結晶
粒子の粒成長を抑制し、組織を微細化する。
【0011】そして、平均結晶粒径0.3〜1.0μm
の部分安定化ジルコニア粒子および/または安定化ジル
コニア粒子を全量中0.05〜5重量%含有するととも
に、主結晶粒子の平均結晶粒径d1 と、部分安定化ジル
コニア粒子および/または安定化ジルコニア粒子の平均
結晶粒径d2 の比(d1 /d2 )を2〜8とすることに
より、主結晶粒子の組成を変更せずに共振周波数の温度
係数Fr.TC.を−50〜+50ppm/℃に容易に
制御することができる。
【0012】また、部分安定化または安定化されたジル
コニアは安定化されていないジルコニアとは異なり、1
100℃付近にマルテンサイト変態による異常膨張を示
さないことから、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする
焼結体内部において、電気的特性の劣化原因となるマイ
クロクラックを多数発生させないので、添加量を増やし
ても電気機械結合係数Kr等の電気的特性を大きく低下
させることがない。
【0013】さらに、主結晶粒子の平均結晶粒径を3μ
m以下とすることにより、機械的強度を向上することが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の圧電体は、チタン酸ジル
コン酸鉛を主成分とする主結晶粒子からなる圧電磁器中
に、平均結晶粒径0.3〜1.0μmの部分安定化ジル
コニア粒子および/または安定化ジルコニア粒子を全量
中0.05〜5重量%の割合で分散してなるものであ
る。
【0015】チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電
磁器とは、例えば、Pb(Zr、Ti)O3 のPb、Z
r、Tiの一部をBa等のアルカリ土類金属、Nb等の
周期律表第5a族元素、Y等の希土類元素、Cr等の周
期律表第6a族元素、Co等の周期律表第8族元素等で
置換したものがある。
【0016】チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする主結
晶粒子は、電気的特性を大きくするため、1μm以上の
平均結晶粒径を有することが望ましい。一方、主結晶粒
子の平均結晶粒径が3μmよりも大きくなると機械的強
度が劣化するため、電気的特性および機械的強度の点か
らは、主結晶粒子の平均結晶粒径は1〜3μmであるこ
とが望ましい。
【0017】部分安定化ジルコニア(PSZ)および/
または安定化ジルコニア(FSZ)は、焼成温度の範囲
内において、マルテンサイト変態を起こさないものであ
れば良い。例えば、CaO、MgOからなる安定化剤を
16モル%以上含有するジルコニア、Y2 3 からなる
安定化剤を8モル%以上含有するジルコニアが一般に安
定化ジルコニアであり、CaO、MgOや、Y2 3
含有量が上記量よりも少ない場合が部分安定化ジルコニ
アである。
【0018】部分安定化ジルコニアおよび/または安定
化ジルコニアの含有量は、全量中0.05〜5重量%含
有することが望ましい。これは含有量が全量中0.05
重量%未満ではジルコニアによる粒成長抑制効果が小さ
く、主結晶粒子の微細化による共振周波数の温度係数F
r.TC.の改善効果が小さいからであり、5重量%よ
りも多い場合には電気機械結合係数Kr等の電気的特性
が大きく低下するからである。部分安定化ジルコニアお
よび/または安定化ジルコニアの含有量は、高い電気的
特性を維持するためには、全量中0.05〜0.5重量
%含有することが望ましい。
【0019】部分安定化ジルコニアおよび/または安定
化ジルコニアの結晶粒子は、平均結晶粒径d2 が0.3
μmより小さい場合、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分と
する主結晶粒子内に取り込まれる割合が多くなり、粒成
長の抑制効果が小さくなり、一方、平均結晶粒径が1μ
mよりも大きくなると、電気的特性が大きく低下するこ
とから、0.3〜1.0μmの平均結晶粒径d2 を有す
る必要がある。
【0020】そして、主結晶粒子の平均結晶粒径d
1 と、部分安定化ジルコニア粒子および/または安定化
ジルコニア粒子の平均結晶粒径d2 の比(d1 /d2
が2〜8であることが重要である。d1 /d2 が8より
も大きい場合は、主結晶粒子内に部分安定化ジルコニア
粒子および/または安定化ジルコニア粒子が取り込まれ
る割合が多くなり、粒成長の抑制効果が小さくなり、共
振周波数の温度係数Fr.TC.が大きくなるからであ
る。一方、d1 /d2 が2よりも小さくなると、電気機
械結合係数Kr等の電気的特性が大きく低下する。
【0021】本発明の圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛
を主成分とする主結晶粒子の粒界や粒内に、部分安定化
ジルコニア粒子および/または安定化ジルコニア粒子が
分散した組織であり、部分安定化ジルコニアおよび/ま
たは安定化ジルコニアは主結晶粒子中に固溶しないか、
もしくは固溶したとしてもごく僅かである。
【0022】このような圧電体は、例えば、PbO、Z
rO2 、TiO2 、SrCO3 、Nb2 5 等の粉末を
所定の組成に混合し、これを仮焼した後、平均粒径0.
2〜1.5μmになるように粉砕する。
【0023】これに、平均粒径0.3〜1μmの部分安
定化ジルコニアおよび/または安定化ジルコニア粉末を
全量中0.05〜5重量%添加し、所望によりバインダ
ーや溶媒等を添加混合し、これをプレス成形やドクター
ブレード法等により所定形状に成形し、大気中等の酸素
含有雰囲気にて焼成することにより得られる。焼成温度
は、主結晶粒子へのジルコニアの固溶反応を抑えるため
に、低く設定する方が良く、1100〜1250℃程度
であり、焼成時間は1〜2時間あれば良い。
【0024】尚、ジルコニア粒子は焼成により殆ど粒成
長しないため、原料粒径を0.3〜1.0μmとするこ
とにより、磁器中のジルコニア粒子の平均結晶粒径d2
を0.3〜1.0μmに制御できる。
【0025】また、主結晶粒子の平均結晶粒径d1 と、
部分安定化ジルコニア粒子および/または安定化ジルコ
ニア粒子の平均結晶粒径d2 の比(d1 /d2 )は、ジ
ルコニア粉末の平均粒径や添加量、主結晶粒子の平均結
晶粒径d1 、焼成温度等により制御することが可能であ
る。
【0026】本発明の圧電体は、部分安定化ジルコニア
粒子および/または安定化ジルコニア粒子が、チタン酸
ジルコン酸鉛を主成分とする主結晶粒子と固溶反応を起
こさず、粒界部または粒内に局所的に存在するので、主
結晶粒子の粒成長を抑制して組織を微細化する。そし
て、平均結晶粒径が0.3〜1.0μmの部分安定化ジ
ルコニア粒子および/または安定化ジルコニア粒子を含
有せしめるとともに、主結晶粒子の平均結晶粒径d
1 と、部分安定化ジルコニア粒子および/または安定化
ジルコニア粒子の平均結晶粒径d2 の比(d1 /d2
を2〜8とすることにより、同一組成の主結晶粒子から
なる圧電磁器であっても共振周波数の温度係数Fr.T
C.を−50〜+50ppm/℃に制御することができ
る。
【0027】さらに、本発明の圧電体では、部分安定化
または安定化されたジルコニアを分散するので、焼成時
において1100℃以上まで加熱する場合でも、マルテ
ンサイト変態による異常体積膨張が起こらず、このた
め、ジルコニア量を増やしても、マイクロクラックの発
生が起こり難く、電気的特性の低下が起こりにくい。
【0028】
【実施例】チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする材料と
して、表1に示す平均粒径のPb9.96Sr0.04[(Nb
2/3 Co1/3 0.92Nb0.080.06(Ti0.50
0.500.943 (A組成)、Pb0.96Sr0.04[(N
2/3 Co1/3 0.92Nb0.080.06(Ti0.52Zr
0.480.943 (B組成)、およびPb0.96Sr
0.04[(Nb2/3 Co1/3 0.92Nb0.080.06(Ti
0.48Zr0.520.943 (C組成)からなる仮焼粉末を
用い、これに、3モル%のY2 3 で安定化された純度
99%以上、平均粒径が表1に示す値のジルコニア粉末
(PSZ)を全量中0〜10重量%になるように添加し
た。この混合物をZrO2 ボールを用いたボールミルで
16時間混合した後、バインダーを添加し造粒した。こ
の混合粉体を1t/cm2 の圧力でプレス成形し、大気
中1200℃×2時間の条件で焼成した。
【0029】得られた焼結体を幅2mm、、長さ3.5
mm、厚み1.5mmの寸法に加工し、スパン2mmの
3点曲げ試験で評価した。
【0030】また、得られた焼結体を直径20mm、厚
さ0.5mmの円板に加工し、円板の上下に銀電極を焼
き付けた。銀電極を焼き付けた円板を80℃に設定した
シリコンオイル中で3kV/mmの電場を30分間印加
して分極処理した後、インピーダンスアナライザーを用
い、電気機械結合係数Krおよび共振周波数の温度係数
Fr.TC.を測定した。
【0031】共振周波数の温度係数Fr.TC.は、−
30℃〜80℃の温度範囲における共振周波数の最大値
frmax と最小値frmin 、25℃における共振周波数
fr25の値から、Fr.TC.={(frmax −fr
min )/fr25}/110×106 の式を用いて算出し
た。
【0032】圧電磁器中のチタン酸ジルコン酸鉛を主成
分とする主結晶粒子の平均結晶粒径d1 と、部分安定化
ジルコニア(PSZ)および/または安定化ジルコニア
(FSZ)の平均結晶粒径d2 とを、焼結体断面のSE
M写真を用いてインターセプト法で測定し、d1 /d2
を求めた。以上の結果を表1に示す。尚、表1中試料N
o.8、11については、8モル%のY2 3 で安定化さ
れたジルコニア(FSZ)を用いた。試料No.12につ
いては安定化されていないジルコニア(純度99%以
上、平均粒径0.5μm、mZrO2 )を用いた。
【0033】
【表1】
【0034】この表1から、部分安定化または安定化し
たジルコニアを含有させることによって、主結晶粒子の
平均結晶粒径を著しく小さくすることができ、特に、平
均結晶粒径0.3〜1.0μmの部分安定化ジルコニア
粒子および/または安定化ジルコニア粒子を全量中0.
05〜5重量%含有せしめるとともに、主結晶粒子の平
均結晶粒径d1 と、部分安定化ジルコニア粒子および/
または安定化ジルコニア粒子の平均結晶粒径d2 の比
(d1 /d2 )を2〜8とすることにより、電気機械結
合係数Krを50%以上、共振周波数の温度係数Fr.
TC.を±50ppm/℃以内に制御できることが判
る。
【0035】一方、ジルコニアの含有量が0.05重量
%より少ない場合(試料No.2)は、添加の効果が認め
られず、共振周波数の温度係数Fr.TC.の改善も見
られない。添加量が5重量%を越えると主結晶粒子の平
均結晶粒径は小さくなるが、電気機械結合係数Krが著
しく低下する(試料No.13、16、26)。
【0036】また、ジルコニアの平均結晶粒径は、平均
粒径が0.3μmより小さい場合(試料No.14)に
は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする主結晶粒子内
に取り込まれる割合が多くなり、主結晶粒子の粒成長抑
制効果が小さくなり、平均粒径が1μmよりも大きくな
ると(試料No.17)電気的特性が大きく低下する。
【0037】また、圧電磁器中のチタン酸ジルコン酸鉛
を主成分とする主結晶粒子の平均結晶粒径d1 と、部分
安定化ジルコニアおよび/または安定化ジルコニアの平
均結晶粒径d2 との比率が8よりも大きい場合(試料N
o.2、3、14)は、部分安定化ジルコニアおよび/ま
たは安定化ジルコニアがチタン酸ジルコン酸鉛を主成分
とする主結晶粒子内に取り込まれる割合が多くなり、主
結晶粒子の粒成長抑制効果が小さくなり、共振周波数の
温度係数Fr.TC.が正側に大きくなる。一方比率が
2よりも小さくなると(試料No.10、16、17、2
6、31)、電気的特性が大きく低下する。
【0038】さらに、安定化されていないジルコニアの
場合(試料No.12)には、部分安定化又は安定化した
ジルコニアを含有させた場合と比較して、電気機械結合
係数Krが著しく小さいことが判る。これは、マルテン
サイト変態に起因するマイクロクラックが多数発生し、
電気的特性を著しく低下させたからである。
【0039】図1に、圧電磁器中のチタン酸ジルコン酸
鉛を主成分とする主結晶粒子の平均結晶粒径d1 と抗折
強度の関係を示す。平均結晶粒径d1 が3μmよりも大
きくなると急激に抗折強度が低下することが判る。抗折
強度の点からは、平均結晶粒径d1 が3μm以下である
ことが望ましいことが判る。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電体では、平
均結晶粒径0.3〜1.0μmの部分安定化ジルコニア
粒子および/または安定化ジルコニア粒子を全量中0.
05〜5重量%含有するとともに、主結晶粒子の平均結
晶粒径d1 と、部分安定化ジルコニア粒子および/また
は安定化ジルコニア粒子の平均結晶粒径d2 の比(d1
/d2 )を2〜8とすることにより、高い電気的特性を
維持できるとともに、主結晶粒子の組成を変更すること
なく、共振周波数の温度係数Fr.TC.を−50〜+
50ppm/℃に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電磁器中のチタン酸ジルコン酸鉛を主成分と
する主結晶粒子の平均結晶粒径と抗折強度の関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G031 AA11 AA12 AA32 BA10 CA04 GA03 5J108 AA04 BB05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする主結
    晶粒子からなる圧電磁器中に、平均結晶粒径0.3〜
    1.0μmの部分安定化ジルコニア粒子および/または
    安定化ジルコニア粒子を全量中0.05〜5重量%の割
    合で分散してなるとともに、前記主結晶粒子の平均結晶
    粒径d1 と、前記部分安定化ジルコニア粒子および/ま
    たは前記安定化ジルコニア粒子の平均結晶粒径d2 の比
    (d1 /d2 )が2〜8であることを特徴とする圧電
    体。
  2. 【請求項2】主結晶粒子の平均結晶粒径d1 が3μm以
    下であることを特徴とする請求項1記載の圧電体。
  3. 【請求項3】共振周波数の温度係数Fr.TC.が−5
    0〜+50ppm/℃であることを特徴とする請求項1
    または2記載の圧電体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009007197A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Kyocera Corp 圧電セラミックス、圧電アクチュエータおよび液体吐出ヘッド
WO2018138070A3 (de) * 2017-01-30 2018-09-27 Ceramtec Gmbh Verfahren zur herstellung eines keramischen teils auf basis von blei-zirkonat-titanat

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