JP2000069947A - 風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法 - Google Patents

風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法

Info

Publication number
JP2000069947A
JP2000069947A JP10242668A JP24266898A JP2000069947A JP 2000069947 A JP2000069947 A JP 2000069947A JP 10242668 A JP10242668 A JP 10242668A JP 24266898 A JP24266898 A JP 24266898A JP 2000069947 A JP2000069947 A JP 2000069947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
juice
potassium
flavor
exchange resin
nutrition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10242668A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Kinoshita
優子 木下
Toshio Kinoshita
俊夫 木下
Toshio Takizawa
登志雄 滝沢
Akinaka Haneda
章中 羽太
Katsuharu Iinuma
勝春 飯沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP10242668A priority Critical patent/JP2000069947A/ja
Publication of JP2000069947A publication Critical patent/JP2000069947A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】腎機能が低下した患者のために、カリウム分を
低下せしめただけでなく、風味や栄養を改善し、飲むの
に適したジュースを提供する。 【解決手段】カリウム分を低下せしめたジュースに対し
て炭酸カルシウムを加えることにより酸味を中和するこ
とを特徴とする、低カリウムジュースの製造法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カリウム濃度を低
下せしめ、かつ、風味と栄養を改善したジュースであっ
て、特にカリウム摂取が制限されている腎不全患者に適
したジュースの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カリウムは主として細胞内液に存在し、
主として細胞外液に存在するナトリウムと対になり酸塩
基平衡の主役の一つとして生体のホメオスタシスの維持
に重要な役割を果たしている。しかしながら腎不全患者
は、カリウムの排泄機能が低下しており高カリウム血症
を起こしやすい。著しい血清カリウム値の上昇は心臓の
機能停止に結びつき、最悪の場合は生命の危険を招く。
したがって、腎不全患者はカリウム摂取が厳しく制限さ
れており、特にカリウム分を多く含む果物や野菜などは
自由に摂取することはできない。果物や野菜などの摂取
が制限されると食事内容の低下を招き、栄養バランスの
保持が困難になる。
【0003】そこで食品中のカリウム分を減らして腎不
全患者に供するための技術がいくつか出願されている
(特開昭61−209573、特開平8−6763
3)。しかしながら従来の技術で調製された食品は、風
味、呈味、食感などの点で必ずしも満足の行くものでは
なかった。特に、果物や野菜ジュースにあっては腎不全
患者の飲用に適するまでカリウム分を減らすと酸味が過
度に強まり、飲むのに適した食品にはならなかった。食
品にあっては風味は重要であり、腎不全患者にとっても
このことは無視できない問題であった。
【0004】また、カリウム分を減らすために陽イオン
交換樹脂で処理すると、原料ジュースに含まれているビ
タミンCが相当量失われるという問題点も見逃されてい
た。ビタミンCの補給はジュース飲用の栄養的な目的の
一つであり、無視できない問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の通
り、従来の技術が抱えている問題点の解決を目的に行わ
れたものであり、腎不全などの腎機能が低下した患者の
ために、カリウム分を低下せしめただけでなく、風味や
栄養を改善し、飲むのに適したジュースを供するために
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、各方面の調査および研究を行ったところ、カリウ
ム分を低下せしめて酸味が過度に強まった果物または野
菜ジュースに対して適量の炭酸カルシウムを加えること
により酸味が中和され飲むのに適した飲料になる事を見
出した。
【0007】一般に酸味の中和には塩基性物質の添加が
考えられるが、除去したカリウムまたはナトリウム分を
含む塩基性物質の添加は好ましくない。一方炭酸カルシ
ウムはリン酸の吸収抑制のため腎不全患者に服用させて
いるものであり、それを添加したジュースを患者が摂取
しても安全であるばかりでなく、それによりリン酸の吸
収抑制効果も期待される。リン酸の体内蓄積は腎不全患
者にとって重大な問題でありリン酸を含む食品の摂取制
限またはその吸収抑制が日常の重要な課題となってい
る。本発明により製造された食品は腎不全患者にとって
リン酸の吸収抑制という点から見ても意味がある。
【0008】また、陽イオン交換樹脂によりジュースを
処理するとその中に含まれていたビタミンCは無視でき
ない量が失われてしまう。ジュースの飲用の栄養的な目
的の一つはビタミンCの補給にあり、それが失われる事
は問題である。しかしながらビタミンCは添加する事に
より補う事ができる。すなわち陽イオン交換樹脂処理に
よって失われたジュース中のビタミンCを処理前と同程
度ジュース中に含有するようにビタミンCを補う事によ
り栄養価値を高める事ができる。
【0009】すなわち、本発明は、ジュースを陽イオン
交換樹脂によって処理することにより、ジュースのカリ
ウム含有量を10分の1以下に低下せしめ、さらに該ジ
ュースに炭酸カルシウム及びビタミンCを添加すること
より成る、低カリウムジュースの製造法を提供するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる原料ジュース
としては、野菜ジュース、果物ジュースなどすべての種
類のジュースを用いることができる。本発明に用いられ
るイオン交換樹脂は、市販の陽イオン交換樹脂でよく、
これを通常の方法で再生して用いる。陽イオン交換樹脂
による処理としては、バッチ式やカラム式があげられ、
バッチ式によって処理を行う場合は、原料ジュース10
00mlに対して再生して乾燥したイオン交換樹脂の重
量で 20〜1000g程度イオン交換樹脂を用意し
て、これを原料ジュースに加えて20分以上、通常は3
0分程度攪拌した後、ろ過することによって行う。この
ように陽イオン交換樹脂による処理を行えば原料ジュー
ス中のカリウム含量を当初の10分1以下にすることが
できる。カリウム摂取が制限されている患者の飲用が目
的であれば、ジュース中のカリウム濃度を0〜7mEq
/lとするのがよい。さらに、イオン交換樹脂による処
理を行ったジュースに炭酸カルシウムを1.0〜20g
/l、ビタミンCを0.2〜10g/lジュース中に含
有されるように加えることによって酸味や栄養が改善さ
れた低カリウムジュースを製造することができる。ま
た、本発明によって提供される低カリウムジュースは、
必要に応じ、腎機能に悪影響がない範囲において、各種
ビタミン、糖質、色素、香料などを配合し、風味に変化
を付けることができる。そして、そのまま飲料に供する
ことは勿論のこと、必要があれば、濃縮、乾燥、造粒工
程を加えて、粉末または顆粒に成型する事も可能であ
り、粉末または顆粒状の製品はそのまま摂取してもよい
し、水を加えて飲料に戻してもよく、他の食品に添加し
て用いることもできる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。なお、実施例では、市販の陽
イオン交換樹脂ダウエックス50W−X4を以下の手順
で再生することにより予め準備した陽イオン交換樹脂を
使用した。すなわち、樹脂500gに精製水を加えて攪
拌することにより、樹脂を十分水洗した。水を切った樹
脂にエタノール500mlを加え、30分間攪拌してろ
過してエタノールを除去した。このエタノールによる洗
浄操作を3回繰り返した後、エタノールを精製水に代え
て水洗した。水洗した樹脂に1M水酸化ナトリウム溶液
500mlを加え、30分間攪拌した後、ろ過して樹脂
を回収した。この水酸化ナトリウム溶液による処理操作
を5回繰り返した後、洗液が中性になるまで樹脂を水洗
した。次に洗浄した樹脂をカラムに詰め3M塩酸溶液2
500mlを通液後、洗液が中性になるまで水洗した。
以上の操作を行った後、吸引ろ過によって樹脂を十分乾
燥して再生樹脂を得た。
【0012】実施例1 市販の果汁100%オレンジジュース、果汁100%ア
ップルジュース、果汁100%グレープフルーツジュー
ス及び果汁100%グレープジュース各々1000ml
に再生した陽イオン交換樹脂を表1に示した量添加し、
30分間攪拌してカリウムを吸着させた後、ろ過した各
ジュースに表1に示した量の炭酸カルシウムを加えた
後、各ジュースにビタミンCを滴定法によって測定され
た処理前と同程度の濃度になるように加えて攪拌、溶解
することにより、最終製品である低カリウムジュースを
製造した。陽イオン交換樹脂による処理の前及びビタミ
ンCを添加する前に、Automated Elect
olyte Analyzer EA05(エイアンド
ティー)を用いてジュース中のカリウム濃度及びジュー
スのpHを市販pHメーターで測定した結果を表1に示
した。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2 市販の緑黄色野菜ジュース(原料:セロリ、パセリ、ク
レソン、キャベツ、ラディッシュ、ホウレン草、ミツ
バ)1000mlに再生した陽イオン交換樹脂700g
を添加して、実施例1に記載の方法と同様に陽イオン交
換樹脂処理を行うことにより、カリウムを吸着除去した
野菜ジュースに表2に示した量の炭酸カルシウムを加え
た後、野菜ジュースにビタミンCを滴定法によって測定
された処理前と同程度の濃度になるように加えて攪拌、
溶解することにより、最終製品である低カリウムジュー
スを製造した。実施例1と同様に陽イオン交換樹脂によ
る処理の前及びビタミンCを添加する前に、ジュース中
のカリウム濃度及びジュースのpHを測定した結果を表
2に示した。
【0015】
【表2】
【0016】試験例 実施例1に準じた方法で調製したカリウム濃度2.5m
Eq/lの低カリウムオレンジジュース200mlを実
際に腎不全透析患者に透析時あるいは非透析時にそれぞ
れ1回給与し、給与前後での患者の血中カリウム濃度の
推移をAutomated Electolyte A
nalyzer EA05(エイアンドティー)を用い
て測定した。表3にその時の測定値を示した。この結果
により本発明によって製造される低カリウムオレンジジ
ュースは腎不全透析患者に投与しても血中カリウム濃度
に何らの悪影響もない事が分かった。
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】本発明によればカリウム分を低下せしめ
たことによる酸味の強化を抑え、かつビタミンC添加に
より栄養バランスのよい野菜ジュース、果物ジュースを
提供することができる。本発明によって提供される低カ
リウムジュースは、腎不全などの腎機能が低下し、カリ
ウム摂取が制限されている患者の飲用に適するので有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯沼 勝春 神奈川県小田原市栢山788 明治製菓株式 会社薬品技術研究所内 Fターム(参考) 4B017 LC02 LC03 LE10 LG04 LG07 LK01 LK16 LP08 4C088 AB12 AB15 AB40 AB51 AB56 AB62 AC04 AC05 BA08 CA13 MA06 NA06 NA09 ZA81

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジュースを陽イオン交換樹脂によって処理
    することにより、ジュースのカリウム含有量を10分の
    1以下に低下せしめ、さらに該ジュースに炭酸カルシウ
    ム及びビタミンCを添加することより成る、低カリウム
    ジュースの製造法。
JP10242668A 1998-08-28 1998-08-28 風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法 Pending JP2000069947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10242668A JP2000069947A (ja) 1998-08-28 1998-08-28 風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10242668A JP2000069947A (ja) 1998-08-28 1998-08-28 風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000069947A true JP2000069947A (ja) 2000-03-07

Family

ID=17092474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10242668A Pending JP2000069947A (ja) 1998-08-28 1998-08-28 風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000069947A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001026487A1 (en) * 1999-10-12 2001-04-19 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Low potassium juice, method for producing thereof and food containing the same
JP2010233480A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 発酵残渣を用いた飼料の製造方法
JP2013135650A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Japan Organo Co Ltd 液体食品もしくは飲料の調整方法
WO2013190318A1 (en) * 2012-06-22 2013-12-27 Coressence Limited Fruit derived juice with low levels of potassium for patients with chronic kidney disease

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001026487A1 (en) * 1999-10-12 2001-04-19 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Low potassium juice, method for producing thereof and food containing the same
JP2003511052A (ja) * 1999-10-12 2003-03-25 明治製菓株式会社 低カリウムジュースとその製造方法及びその含有食品
JP2010233480A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 発酵残渣を用いた飼料の製造方法
JP2013135650A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Japan Organo Co Ltd 液体食品もしくは飲料の調整方法
WO2013190318A1 (en) * 2012-06-22 2013-12-27 Coressence Limited Fruit derived juice with low levels of potassium for patients with chronic kidney disease

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2198376C (en) Hydroxycitric acid concentrate and method of making
JP2747382B2 (ja) 青汁又はその乾燥粉末
JP6088975B2 (ja) 亜鉛高含有酵母抽出物の製造方法、並びに、食品の製造方法及び野菜の緑色保持復元剤の製造方法
CN1059834A (zh) 可溶咖啡生产中,改进二次咖啡萃取物的方法
JP2006230218A (ja) 非重合体カテキン類組成物の製造方法
JPS6024696B2 (ja) 柑橘系果実飲料類の製造法
JP4590145B2 (ja) 低カリウムジュースとその製造方法及びその含有食品
JP2000069947A (ja) 風味と栄養を改善した低カリウムジュースの製造法
US6387425B1 (en) Method for producing low potassium juice with improved taste and product thereof
AU2006233991A1 (en) Method of producing plant extract
US20090208619A1 (en) Selective removal of ions from aqueous liquids
JP2001103945A (ja) 風味を改善した低カリウムジュースの製造法
US7378117B2 (en) Method for the production of potato juice products by means of food technology
JPS60160865A (ja) 減塩作用を有する食品の製造方法
CN107302959A (zh) 一种悬浮型黑木耳颗粒饮料及其制备方法
MXPA05010618A (es) Desacidificacion de jugo citrico mediante resina con mantenimiento de acido elevado.
CN104172339A (zh) 复合果汁及其制作方法
CN104605454B (zh) 一种螺旋藻虫草花清凉饮料及其制备方法
WO2020021641A1 (ja) 液体状の食品から塩類を除去する装置、方法、及び塩類が除去された液体状の食品
JP4751113B2 (ja) 非重合体カテキン類組成物の製造方法
CN104432332B (zh) 一种蓝莓海带复合饮品的制备方法
CN108208492A (zh) 一种生姜椰子水食用竹炭粉饮料及其制备方法
CN104605455B (zh) 一种螺旋藻虫草花复合饮品及其制备方法
JP3692302B2 (ja) 低ナトリウム濃度梅果汁の製造方法及び梅果汁飲料の製造方法
CN110786442A (zh) 一种降低食物中镉生物有效性和毒性的方法