JP2000066661A - モジュ―ル式ギタ―装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響コンプライアンス、組立て、及び構造上
の欠点を解決する、改良された膨張式の組立式ギターを
提供する。 【解決手段】モジュール式ギター装置はギターボディフ
レーム２２０を含み、ギターボディフレーム２２０はそ
の長手方向の軸に沿って配置された中央部材２２４，２
２５及びボディフレームの周辺形状を定める外縁部材２
２８，２２９を有している。本装置はまた、ボディフレ
ーム２２０の外縁部材のみに取り外し可能に取り付けら
れた第一及び第二の格子部２４２，２４３から成る独立
した音響格子２４０を含んでいる。本装置はまた、取り
外し可能なギターネック３００及びヘッドストック部４
００を含み、更に、ギターボディフレームの外縁部に沿
ってギターボディフレームに取り付けられた膨張式の共
鳴室２６０を含んでいる。共鳴室２６０は、膨張したと
きに音響格子２４０と接触する膜を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、モジュール式ギタ
ー装置に関し、更に詳しくは、様々な音響的特性をもた
らす交換可能な構成要素から成る、膨張式のモジュール
式アコースティックギター装置に関している。

【０００２】

【従来の技術】ギターは、一般的にボディと細長いネッ
クと、ネックの一方の端にあるヘッドストックとギター
ボディに取り付けられたブリッジとの間に張られた複数
の弦から成っている。アコースティックギターにおい
て、ギターボディは、ボディ前面パネル、ボディ背面パ
ネル及びボディ側面パネルを含み、楽器に所望の音質を
与えるための共鳴箱の形状を定めている、間隔を空けて
配置されたパネルから成っている。

【０００３】ネックをボディに固定的に取付けること及
びボディのサイズのために、ギターはかなり大型にな
り、取り扱い、運搬、及び保管がしにくくなる。しか
し、ギターの弦に張力を掛けるためにボディ及びネック
には強度が必要であること、及びボディの共鳴箱に必要
な条件が、アコースティックギターの構造及び大きさを
決定してきた。数多くの発明が、運搬及び保管のために
ギターの大きさを縮小しようとしてギターの構造を検討
してきた。こうした発明の例は、米国特許No.4,073,21
1、No.4,111,093、No.4,433,603、No.4,686,882及びNo.
5,058,479に開示されている。これらの従来技術による
組立式ギターの多くは、依然として大型であり、運搬時
には特別の運搬用ケース及び特別な注意が必要である。
より小型で運搬が容易なものもあるが、こうしたギター
は、小型化するために音響性能を犠牲にしている。

【０００４】本発明の出願人に対して付与され、共有さ
れている米国特許No.4,573,391（以下'391特許という）
は、従来技術による組立式ギターの特許に見受けられた
欠点の多くを克服した、膨張式の組立式ギターを開示し
ている。この参照例は、アコースティックモードあるい
はエレクトリックモードのいずれでも使用することがで
き、楽器を従来のスーツケースに収納するように分解で
きるため、特別な運搬ケースが不要になる、複数のギタ
ー構成要素から成る組立式ギターを教示している。

【０００５】前記の'391特許は、開示されたギター装置
がアコースティックモードで使用される場合、膨張式の
袋をギター装置の共鳴室として使用することができると
教示している。「CHRYSALIS（登録商標） ユニバーサル
ギターシステム」として知られているこのギター装置
は、一組の交換可能なギター構成要素を含んでおり、以
下のような多くの特徴がある。例えば、ギター奏者が、
大型の完全な機能を備えたエレクトリックギターを、運
搬のために分解してシャツ収納箱大の包みにし、再調整
及びギター弦の再チューニングを含めて、最小限の時間
で演奏できる状態まで楽器を組立て直すことができるこ
と、そのエレクトリックギターを、ギターボディに膨張
式の共鳴室を取り付けることによって、迅速かつ容易に
大型の完全な機能を備えたアコースティックギターに転
換することができること、ヘッドストック、ネック、ボ
ディパネル及びブリッジを含む別々に手に入る交換可能
な複数の構成要素を提供することによって、演奏者が容
易かつ迅速に、ギターの特性あるいは機能を様々に大き
く変化させることができること等である。

【０００６】CHRYSALIS（登録商標）ギター装置の利点
には、その楽器をどのような構成にも組立てられ、専ら
弦の張力によってその構成を維持できることも含まれて
いる。更に、CHRYSALIS（登録商標）ギター装置は、装
置の構成要素すべてを射出成形プラスチック、一般的な
カーボンファイバ合成物、あるいは軽量金属から製造で
きるので、装置の機能特性を様々に変え、それに伴う価
格に幅を持たせることが可能である。更に、CHRYSALIS
（登録商標）ギター装置では、CHRYSALIS（登録商標）
ギターのネックとボディとの接合部にあって、容易に手
が届く3つの設定ねじによって、アクション、ネック、
及び音高のすべてを調整できる。

【０００７】しかし、CHRYSALIS（登録商標）ギター装
置が教示する最大の改良点は、CHRYSALIS（登録商標）
ギターのアコースティックモードにおいて高分子の膜を
張力のかかった状態に保つカーボンファイバ合成物の格
子から成る、新しいタイプの音響共鳴板の相当物を使用
していることであろう。

【０００８】従来技術によるモジュール式ギター装置１
の一実施例が図１で示されている。ギター１は、ギター
ボディ２、ギターネック４、ヘッドストック６、ブリッ
ジ８、及び複数の弦（図示されていない）から成る。弦
は、一方の端がブリッジ８に取り付けられ、他方の端が
ヘッドストックにおいて各々のギター弦チューニング装
置１２に取り付けられている。

【０００９】従来技術によるギターボディ２は、第一前
面パネル部１４ａ及び第二前面パネル部１４ｂから成る
前面パネル１４を含んでいる。前面パネル部は、好まし
くは格子状の形状に形成され、ガラス繊維及び樹脂等多
くの合成材料のいずれかでできている。前面パネル１４
は、ギターボディ部１４ａ及び１４ｂが組立てられた際
にギターボディ２の外形を定める外縁１６を含んでい
る。ギターボディ部１４ａ及び１４ｂは、ギターブリッ
ジ８の下面に設けられた対応するアリ組み用突起物２０
を受容するために構成された、一対のアリ組み用凹部１
８をそれぞれ備えている。

【００１０】ギターボディ部１４は、ネック部４を受容
するために構成された凹部２２をも備えている。ギター
ボディ部１４は、対応する接合面２４及び２６を接合
し、ネック部４を凹部２２に挿入し、ブリッジの突起物
２０をボディ部１４ａ及び１４ｂの対応するアリ組み用
凹部１８に挿入することによって、適切な結合状態に保
たれる。

【００１１】従来技術のネック部は、更にネックの翼状
部３４を貫通して、ボディ前面パネル１４ａ及び１４ｂ
の穴３２の中に伸びているだぼ３０を含んでいる。この
構成が、ネック部４のボディ２との一直線上のつながり
を保っているのである。

【００１２】ネック３６は、外側の端に、ネックの外側
の端と係合する、ネックの挿込溝４２内に受容される一
対の細長い角形ピン４０を含むアングルブロック３８を
備えている。押え板４４が、挿込溝４２を覆ってピン４
０をそれぞれの挿込溝の内部に保持するように、ネック
３６の下面に付いている。ねじ４６が押え板４４を固定
している。

【００１３】アングルブロック３８は、アングルブロッ
ク３８から細長い角形のピン４０と反対方向に、つまり
ヘッドストック５０の方向に伸びる、２つの斜めのピン
４８をも含んでいる。

【００１４】ヘッドストック５０は、ヘッドストック５
０とネック３６とをアングルブロック３８を介して一直
線にそろえるために、斜めのピン４８を受容するため
の、図示されていない穴を含んでいる。またヘッドスト
ック５０は、下面に、回転軸５４を中心に回転するテン
ションレバーを収容する凹部を含んでいる。テンション
レバー５２は、ピン４８の間でアングルブロック３８と
係合して、見て分かるように、レバー５２の回転がアン
グルブロック３８とヘッドストック５０の間の距離を変
化させる凸形カム面を含んでいる。これによって、一方
の端を音高調整装置１２に、また他方の端をブリッジ８
に取り付けられたギター弦は、レバーアーム５２の位置
が変わる度に引張られたり緩められたりする。

【００１５】ボディ部２は、膨張可能な袋６２が挿入さ
れた柔軟性のある外包６０でできた、膨張式の共鳴室を
も含んでいる。外包６０は、ジッパー、マジックテー
プ、スナップ、あるいは同様な固定具等の取り付け手段
７２を用いて、ボディ前面パネル１４の外縁に取り付け
られている。

【００１６】従来技術はまた、エレクトリックギター用
ブリッジ８’等の交換可能なブリッジを開示している。
エレクトリックギター用ブリッジ８’は、モジュール式
ギター装置１をアコースティックモードからエレクトリ
ックモードに変換するのに必要な構成要素を含んでい
る。従って、エレクトリックギター用ブリッジ８’は、
ピックアップ８２及び調整つまみ９０を含んでいる。上
記のエレクトリックギター用ブリッジ８’は、アコース
ティックギター用ブリッジ８と同様に、ボディ前面パネ
ル１４ａ及び１４ｂのそれぞれのアリ組み用凹部１８内
に受容されるように構成された、アリ組み用突起物２
０’を有している。

【００１７】前記の'391特許に開示されているように、
CHRYSALIS（登録商標）ギターのボディは２つの別々の
格子状ボディ部から成り、その格子状ボディ部はギター
のブリッジ及び一般的なネック接合によって、同一平面
となるよう結合されている。しかし、CHRYSALIS（登録
商標）ギター装置の１つの欠点は、教示されている別々
の格子状ボディ部が、構造用及び音響用の両方の補強体
を含むことである。このため、従来技術のCHRYSALIS
（登録商標）ギターの音響特性を変えたい場合には、格
子状ボディ部を両方とも完全に入れ替えざるを得ないの
である。

【００１８】従来技術のCHRYSALIS（登録商標）ギター
装置における構造用及び音響用の複合的補強体による他
の欠点は、音響用補強体が格子状ボディ部中央長手方向
の構造用補強体と繋がっていることである。このことに
よって、優れた構造的完全性がもたらされるのだが、音
響用補強体の振動特性を制限して、ギター装置の音響性
能に悪影響を与えることである。

【００１９】従来技術のCHRYSALIS（登録商標）ギター
装置における構造上及び音響上の複合的構成に伴う他の
欠点は、共鳴板相当物に適切な音響コンプライアンスを
与えるため、2つのボディ部がギターネックへの取り付
け部及び弦のブリッジによって接合されているだけだと
いうことである。従って、必要な構造上の完全性を備え
るために、組立てた状態においてギターボディの長手方
向の中心軸に沿う位置にあるボディフレームの端が、そ
れ自体構造上の枠状部材でなければならない。このた
め、かなりの大きさが求められるので、音響用の骨組み
が自由に振動して最大限の振動エネルギーをギターの共
鳴室に伝えるのを、更に妨げることになる。

【００２０】従来技術のCHRYSALIS（登録商標）ギター
は、楽器全体の分解を可能にするためにギターのネック
から垂直に回転して外れる、取り外し可能なヘッドスト
ックを含んでいる。CHRYSALIS（登録商標）ギターのヘ
ッドストックは、レバー装置を使用することにより、ギ
ター弦を急速に緩めたり、再度張力を掛けたりすること
を想定した急速解除装置を使用している。しかし、CHRY
SALIS（登録商標）ギターの弦が緩められると、弦は、
往々にしてヘッドストック上に設けられたチューニング
装置の支柱からほどけてしまい、迅速に組立ててギター
のチューニングをする能力が奪われてしまうのである。
この問題点を克服するために行われた試みは、ヘッドス
トックのレバーアームを用いてギター弦を緩める前に手
動で操作できる、外部付加式の弦用クランプをヘッドス
トックの基部に付け加えることである。一旦クランプが
締め付けられると、そのクランプと各々のチューニング
装置の支柱の間において各弦にかかる張力が保たれ、不
必要に弦がほどけるのを防ぐことができる。しかし、こ
の従来技術における問題の解決法では、使用者の別の動
作が必要であり、またギターのヘッドストック上に、少
々見た目の悪い特別な装置が必要となる。

【００２１】更に、従来技術のCHRYSALIS（登録商標）
ギター装置は、ネック、ブリッジ、及びヘッドストック
の交換が可能であると教示しているが、教示されたネッ
クとボディの接合は不完全なものであり、商業的に受け
入れられるのに必要な交換の容易性をもたらしてはいな
い。更に、従来技術のCHRYSALIS（登録商標）ギターの
ネックは、普通のギターネック以外の目的を果たすこと
が求められるため、一体成形の高強度・高弾性のグラフ
ァイトエポキシ合成物、アルミニウム材あるいは同等の
一体構造で作る必要がある。

【００２２】

【発明が解決しようとする課題】従って、CHRYSALISユ
ニバーサルギター装置を含む従来技術の組立式ギター装
置に伴う、音響コンプライアンス、組立て、及び構造上
の欠点を解決する、改良された膨張式の組立式ギターが
求められている。

【００２３】本発明は、前記の欠点を克服した改良され
たモジュール式のギター装置を提供するものである。

【００２４】

【課題を解決するための手段及び発明の効果】開示され
たモジュール式ギター装置は、ギターボディフレームを
含み、そのボディフレームは長手方向の軸に沿って設け
られた中央部材及びボディフレームの周辺形状を定める
外縁部材を有している。外縁部材は、ギターボディフレ
ームの第一及び第二の先端で中央部材とつながってい
る。ギター装置は、また第一及び第二格子部から成る独
立した音響格子をも含んでいる。その第一及び第二格子
部は、各々ギターボディフレームの形状に対応する外縁
を有している。音響格子部の外縁は、ギターボディフレ
ームの外縁部材に取り外し可能に取り付けられている。
第一及び第二格子部はまた、解放された先端を有してお
り、それは格子部がギターボディフレームに取り付けら
れる際に、ギターボディフレームの第一及び第二の先端
の中間にあるボディの中央部材と実質的に同一直線上に
配置される。

【００２５】本モジュール式ギター装置は、また、第一
の先端を有するギターネックを含んでおり、これはギタ
ーボディフレームの第一の先端に取り外し可能に取り付
けられる。ギターネックは、ヘッドストックに取り付け
られた第二の先端を有している。ヘッドストックは、少
なくとも１本のギター弦の第一の先端を保持するととも
に、その弦の張力を調整するための、少なくとも１個の
ギター弦チューニング装置を含んでいる。各ギター弦
は、ギター弦ブリッジに取り付けられた第二の先端を有
している。ギター弦ブリッジは、ボディフレーム中央部
材をまたいでおり、そのブリッジによってギター弦を音
響格子部と音響上結び付けるために、ボディフレーム中
央部材をはさんで向かい合う側にある第一及び第二音響
格子に取り外し可能に取り付けられている。本モジュー
ル式ギター装置はまた、ギターボディフレームの外縁部
材に沿ってギターボディフレームに取り付けられた膨張
式の共鳴室を含んでいる。膨張式共鳴室は、その共鳴室
が膨らまされたときにギターボディの音響格子部と接触
して連絡する膜を含んでいる。

【００２６】本発明において、好ましくは、ギターボデ
ィは、ギター装置中央の長手方向の軸に沿った嵌合面を
有する２つのボディフレーム部を含んでおり、その結
果、ボディフレーム部の嵌合面が嵌合される際に中央の
長手方向の軸に沿って配置される実質上堅固なギターボ
ディフレーム中央部材が提供されている。各ボディフレ
ーム部は、嵌合面から張り出してギターボディの外形を
定める外縁部材を含んでいる。このように、二分された
ギターボディフレームを含むことによって、本発明のこ
の実施例によるモジュール式ギター装置は、運搬及び保
管を容易にするために更に小さなサイズに分解すること
ができるのである。

【００２７】

【発明の実施の形態】本発明のモジュール式ギター装置
１００の一実施例が、図２に示されている。従来技術の
同種の膨張式ギターと同じく、モジュール式ギター装置
１００は、演奏可能な楽器を形成するために結合される
複数の構成要素から成っている。モジュール式ギター装
置１００は、ギターボディ部２００、ギターネック部３
００、及びギターヘッドストック部４００から成る。

【００２８】ギターボディ部２００は、ギターブリッジ
２１０、ギターボディフレーム２２０、音響用格子２４
０、及び取り付け手段２８０を用いてギターボディフレ
ーム２２０に取り付けられる膨張式共鳴室２６０を含
む。

【００２９】本発明の一実施例においては、ギターボデ
ィフレーム２２０は、第一及び第二構造ボディフレーム
部２２２及び２２３から成る（図２及び４）。それぞれ
の構造ボディフレーム部は、対応する嵌合面２２６及び
２２７を有する長手方向の中央部材２２４及び２２５を
含んでいる。

【００３０】構造ボディフレーム部２２２及び２２３
は、長手方向の部材２２４及び２２５の第一及び第二の
先端から延びて、第一及び第二の部分２２２及び２２３
が対応する嵌合面２２６及び２２７によって嵌合した際
にギターボディの周辺形状を定める、ギターボディフレ
ーム２２０の上方張り出し部２３８ａ、２３８ｂ及び下
方張り出し部２３９ａ、２３９ｂを含む外縁部材２２８
及び２２９をも含んでいる。構造ボディフレーム部は、
各々少なくとも１つの追加的な構造部材２３０及び２３
１を含んでおり、それらの構造部材は、図２に示された
実施例において、ギターボディの長手方向の部材２２４
及び２２５各々の第一の先端と、対応する外縁部材２２
８及び２２９とを、実質上、各ボディフレーム部の下方
張り出し部において接合する補強材として表されてい
る。

【００３１】これを設けることにより、ギター弦の張力
が加えられた際の構造ボディフレーム部に、優れた構造
的完全性が与えられている。

【００３２】一実施例では、嵌合面２２６及び２２７
は、実質的に長手方向の部材２２４及び２２５の長さ全
体にわたって設けられた長手方向のアリ組みから成って
いる。構造ボディフレーム部２２２及び２２３は射出成
形あるいは同様の工程を用いて製造されると想定される
ため、成形の小さな不整合及び不完全性が生じ得るであ
ろうが、好適な実施例においては、図９に示すように、
嵌合面２２６は中空（Ｖ字型）の凸状アリ組み部２２６
ａを含んでおり、嵌合面２２７はこれと嵌合する凹状ア
リ組み部２２７ａを含んでいる。これが成形の不整合を
埋め合わせるための適当な柔軟性とともに構造的完全性
を与えている。

【００３３】別の実施例において、凸状アリ組み部２２
６ａは、互い違いに配置された上部アリ組み突起２３５
及び下部アリ組み突起２３６を含む、区切られたアリ組
み２３４（図９（ｂ））から成っている。この仕組みに
よって、成形の不完全性を埋め合わせる、更に大きな柔
軟性がもたらされる。前述のいずれのアリ組み装置にお
いても、アリ組み突起はわずかな凸状の嵌合面２３７で
あればよく、それによって各々のアリ組み突起に沿って
単一線上の接合ができる。

【００３４】この仕組みは、成形の不完全性があっても
適切な接合が為されるように作られているのである。

【００３５】ギターボディ部２００は、第一及び第二の
格子部２４２及び２４３から成る音響格子２４０（図
２、５、及び６）を含んでいる。格子部２４２及び２４
３は各々、実質的にギターボディ外縁部材２２８及び２
２９の周辺形状にそれぞれ対応する外縁部２４４及び２
４５を含んでいる。音響格子部２４２及び２４３はま
た、開示された実施例において固定具２４７が挿入され
る穴２４６を有する保持部材も含んでいる。穴２４６
は、構造ボディフレーム部２２２及び２２３の下面に設
けられた受入部２３２（図３）に対応している。好適な
実施例では、受入部２３２はねじ穴あるいは差込みから
成り、その中に、格子部２４２及び２４３を各々構造ボ
ディフレーム部２２２及び２２３の下面に固定するため
に、ねじ部品２４７がねじ込まれる。音響格子部２４２
及び２４３は、それぞれ外縁部２４４及び２４５に沿っ
てボディフレーム部２２２及び２２３に接合されている
だけであり、中央の長手方向に位置する部分２４８及び
２４９は、音響格子部２４２及び２４３の最適な振動を
可能にするために解放されている。

【００３６】音響格子部２４２及び２４３は、繊維ガラ
ス、アルミニウムなどの軽金属、あるいはグラファイト
複合材料など数多くの許容し得る材料の一つから作られ
るラチス状の格子から成っている。格子２５０（図５及
び６）は、様々な間隔と形状を有する格子状メッシュ部
材２５２を含む。格子状メッシュの正確な間隔及び形状
は、楽器の音響特性に適応するように、あるいは音響特
性を変えるように変化させることができる。格子は、木
製ギターの共鳴板より内部減衰の小さい材料を用いるこ
とが好ましい。

【００３７】格子２５０に十分な構造的完全性を与える
ために、補強部材２５６が格子状メッシュ部材２５２に
被せられている。補強部材２５６は、木製の音響板ギタ
ーに見受けられる音響板補強部材に相当し、木製の補強
部材と同様に、それぞれの楽器に様々な音響効果特性を
生じさせるため、様々な形状、サイズ、及び配置にする
ことができる。補強部材はまた、音響格子部がブリッジ
取付け点２５４において強度が最大となり、長手方向に
位置する部分２４８及び２４９、及びブリッジ取付け点
２５４から離れた位置にある外縁部材２２８及び２２９
を含む周辺部において柔軟性が最大となるように、サイ
ズ、形状、方向及び配置が決められる。

【００３８】図７に示すように、音響格子２４２及び２
４３は、ギター構造フレームの寸法の制限内で最大の格
子状部分を生み出すために、ドーム状にしてもよい。ま
た音響格子部は、ギター弦の張力によって加えられる力
に対抗するために、長手方向への元応力を掛けておいて
もよい。

【００３９】しかし、従来の木製ギターに実質的に相当
する音響特性を生み出すために、格子状メッシュの間隔
（すなわち格子ピッチ）は、０．５インチから２．０イ
ンチの範囲内にする必要がある。この間隔すなわち格子
ピッチの範囲は、実質上０．７５インチの波長を有する
周波数６，０００ヘルツの高周波音波を含む、典型的な
ギター音の周波数に対応する音波をギター音響板相当物
に生じさせるために望ましいのである。

【００４０】本発明のこの特徴の一つの効果は、一つの
構造ボディフレーム内において音響格子部を交換できる
ことである。これにより、このようなモジュール式ギタ
ー装置の音響特性は、格子を交換することによって調整
できるのである。また、格子部は様々な価格の材料から
製造することができるであろう。従って、入門者レベル
のギター装置は音響格子を取り替えるだけで演奏家レベ
ルのギターに改良できるのである。構造ボディフレーム
２２０、ネック３００、ヘッドストック４００及びブリ
ッジ２１０などの他の構成要素は、そのまま使ってもよ
い。無論それらの部分のいずれもまた交換してもよい。

【００４１】従来技術の類似の膨張式ギターと同様に、
本発明のモジュール式ギター装置１００は、ギターブリ
ッジ２１０を音響格子部２４２及び２４３に取り外し可
能に取り付けるために、急速解除式の組立て部品を用い
ている。各格子部は、２箇所のブリッジ取付け点２５４
を含み、これらの重要部分において格子部に必要な強度
を与えるため、ブリッジ取付け点２５４が格子部補強部
材に結合されている。

【００４２】しかし、従来技術のCHRYSALISギターで使
用されたアリ組み装置と異なり、本発明のブリッジは、
ブリッジ２１０の下面から突き出してブリッジ取付け点
２５４と協働するフック形部材２１２を用いている。

【００４３】図８及び図１０（ａ）〜（ｄ）に示すよう
に、好適な実施例では、各フック形部材２１２は１対の
フック２１５を含み、そのフックが各ブリッジ取付け点
２５４の中心を通って長手方向に伸びる格子補強部材２
５６をまたぎ、ブリッジ取付け点２５４と嵌合してい
る。

【００４４】構造に更に強度を与えるため、各フック形
突起２１２につながった成形ピン２１４があり、各ブリ
ッジ取付け点２５４の対応する穴と嵌合している。ブリ
ッジ２１０を格子部２４２及び２４３に据え付けるため
に、ブリッジ２１０は各フック形突起が対応するブリッ
ジ取付け点２５４に揃うように格子部に沿って並べら
れ、次にヘッドストック側の先端を上向きに回転させら
れ、各フック２１５がブリッジ取付け点２５４とかみ合
うように、ネック取付け端から離れたボディの先端側か
らフック形の突起が下げられる。次に、ブリッジは反対
に（ヘッドストック側の先端を下向きに）回転させら
れ、ピン２１４がそれぞれに対応する穴２１５に嵌まる
まで、ブリッジがギターボディのネック取付け側の先端
の方にスライドする。従来技術による類似物と同様に、
一旦据え付けられれば、ブリッジは弦の張力によって保
持される。

【００４５】適切なアコースティックギターのコンプラ
イアンスを提供するために、開示されたモジュール式ギ
ター装置１００は、ギター構造ボディ２２０に取り付け
られた膨張式共鳴室２６０を含んでいる。一実施例で
は、膨張式共鳴室２６０は、内側の膨張式の袋２６４を
収容した外側の柔軟性のある保護用外包２６２を含んで
いる。外包２６２は、ギターボディの周辺形状に対応し
ており、袋２６４が簡単に破れないようにそれを保護し
ている。袋２６４は、ギターボディ２２０の形状をして
いてもよいが、そうである必要はない。いずれにして
も、膨張式共鳴室２６０は、ジッパー、マジックテー
プ、あるいは他の急速解除式固定具を含む取付け手段２
８０ａ及び２８０ｂを用いて、外縁部材２２８及び２２
９に沿ってギターボディ構造フレームに接合される。

【００４６】膨張式の袋は半球状に膨らもうとするであ
ろうが、これはギター背面の形状としては好ましくな
く、保護用外包は数多くの外包用部材から構成されても
よく、その部材は例えば綿など柔軟性のある生地の小片
であってもよい。外包用部材は、膨張式の袋を適当なギ
ター背面の様な形状にするのに役立つように、例えば一
般的な縫製技術を用いて接合される。

【００４７】図２１は、保護用外包を形成するために接
合される数多くの生地の部分２２６ａ−ｅから作られた
保護用外包２６２を示している。平坦な縫い目２６９及
びプリンセスラインの縫い目２７０などの成形用縫い目
が、保護用外包２６２を適当なギター背面の様な形状に
するのに役立つ。

【００４８】平坦な縫い目２６９の詳細は、図２２に示
されている。平坦な縫い目２６９は、側面布２２６ｄを
補強要素２７２と共に背面布２６６ｃと接合することに
より形成される。好適な実施例では、補強要素２７２は
骨組み状のものから成り、これによって縫い目が補強さ
れ、適切な形状に形成されている。骨組み状の補強要素
２７２は、図２１に示された構成で公知の縫製技術によ
るステッチ２７４を用いて、上面布２６６ａにも側面布
２６６ｄにも取り付けられることが好ましい。

【００４９】膨張式共鳴室２６０は、膨張状態では、音
響格子２４０と接触して連絡する。

【００５０】図２及び図１１〜図１６には、ヘッドスト
ック／弦保持装置４１０が示されている。このヘッドス
トック／弦保持装置は、弦クランプ４１２及びマルチカ
ムレバー４１４を含んでおり、このレバーは、ギター弦
に急速に張力を掛けたり緩めたりすることができ、それ
と同時に演奏ポジション以外においてギター弦がチュー
ニング装置４１６からほどけないようにするため、ギタ
ー弦を弦クランプ４１２内にしっかりクランプするよ
う、ネック３００に対してヘッドストック４００を長手
方向に位置決めするためにヘッドストック４００、弦ク
ランプ４１２、及びネック３００と協働する。マルチカ
ムレバー４１４は、回転ピン４１８を用いてヘッドスト
ック４００に回転可能に取り付けられている。

【００５１】マルチカムレバー４１４は、カム部４２２
から長手方向に延びたレバーアーム４２０を含んでい
る。カム部４２２は、ヘッドストック／弦保持装置が演
奏ポジションにある場合、弦クランプを持ち上げてチュ
ーニング装置４１６により弦４３０を調節できるように
するため、弦クランプ４１２の対応するピン４２８に連
絡する形状になった２個のカムヘッド４２６を含む第一
カム４２４を含んでいる。更に、ヘッドストック／弦保
持装置４１０が演奏ポジションにある場合、長手方向に
ネック３００から遠ざかるようにヘッドストック４００
を延ばすために、第二カム４３２がネック３００と嵌合
する。ネックに対するヘッドストックの長手方向の位置
決めは、ネック３００のヘッドストック側先端から伸び
る２個の位置合わせピン３０２、及びヘッドストック位
置合わせピン３０２に近い大きさと形状にされている対
応するヘッドストックの位置合わせ凹部４３４を用いて
為される。

【００５２】マルチカムレバー４１４が、図１６（ｂ）
に示すように第二の弦保持ポジションに位置を定められ
た場合、レバーアーム４２０は、ピン４１８の回りをヘ
ッドストック４００から下方向に回転させられ、これに
より弦クランプの突起４２８との連絡関係からカムヘッ
ド４２６を解放するように、カム部４２２が回転させら
れる。このポジションにおいて、弦クランプ４１２は弦
４３０を挟み込んでおり、弦クランプ４１２とチューニ
ング装置４１６との間で弦４３０に掛かる張力を保って
いるため、ギター装置が分解されたときに弦４３０がチ
ューニング装置４１６からほどけないのである。弦クラ
ンプ４１２が演奏ポジション以外にあるとき弦４３０に
十分なクランプ力を掛けておけるよう、弦クランプ４１
２をばね鋼などのばね状の材料から作ってもよいし、弦
クランプ４１２にばねによる付勢力を施してもよい。

【００５３】ヘッドストック／弦保持装置４１０の第三
のポジションが図１６（ｃ）に示されている。このポジ
ションにおいて、レバーアーム４２０は更に回転させら
れ、これによって第二のカム４３２が解放され、ヘッド
ストック４００がネック側に向かって長手方向にスライ
ドできるようになるため、弦クランプ４１２とギターブ
リッジ２１０（図２）との間の弦の張力が緩められる。
このポジションで、ギターブリッジ２１０をギターボデ
ィ２００から取り外すことができ、次にネック３００を
ボディから取り外すことができる。最後に、ヘッドスト
ック４００もネック３００のヘッドストック側先端から
取り外すことができる。

【００５４】本発明のモジュール式ギター装置はまた、
図１７及び１８に示すようにネックの新規の構造をも含
んでいる。ネック３００は、ギター弦による張力がネッ
クに掛かった状態にあるとき、ネックに長手方向の強度
を与える複数の長手方向の補強リブ３０４を含む、好ま
しくは半中空の射出成形プラスチック構造のネックボデ
ィ３０２を含んでいる。また、ギター心軸３１０を受け
入れるようなサイズと形状とを有する軸方向の溝３０８
を含む中央リブ３０６も含まれている。更に、心軸３１
０を溝３０８内に保持するために、心軸３１０の上から
溝３０８内に挿入される心軸シム３１２も含まれてい
る。心軸はギターの従来技術においてよく知られてお
り、数多くの特徴的な構成で提供されているであろう
が、本発明によって製造されるギターにはどの構成のも
のを用いてもよいだろう。

【００５５】一旦ネックボディ３０２に挿入されると、
ギター心軸３１０及び心軸シム３１２は、ネックボディ
３０２に挿入されるフィンガーボード３１４によってし
っかりと保持される。開示された発明は、ネックボディ
３０２内に成形されたフィンガーボード用の凹部３１６
を含む、新規のフィンガーボードとネックの接合法を用
いている。このように、ネックボディ３０２は、フィン
ガーボードとネックの優れた接合をもたらすために、フ
ィンガーボード３１４の側面を覆う突起部３１８を含ん
でいる。フィンガーボード３１４は、化学的結合剤を用
いてネックボディ３０２に接着されるのが望ましい。

【００５６】もちろん、ネック３００は従来技術で公知
のようにフィンガーボード３１４に挿入された前面ワイ
ヤ３２０を含んでいてもよい。更に、ギターネック３０
０は、ネック３００のヘッドストック側先端でギターブ
リッジ２１０と共にギターの弦の長さあるいは目盛りの
長さを決める、ギターナットを含んでいてもよい。

【００５７】本発明のモジュール式ギター装置は、新規
のネックとボディとの接合をも含んでおり、これによっ
てネックの迅速な挿入及び取り外しが可能になり、ネッ
クの適切な配置が確実にでき、ネックの角度を微妙に調
整することもできる。これは非常に重要なことである。
というのは、本発明の原理に従って製造されるギターネ
ック及びボディは、射出成形によって製造されると想定
され、このため寸法の許容誤差が大きく、ギターの設計
においてそれを埋め合わせなければならないからであ
る。

【００５８】図１８に示すように、ギターネック３００
のボディ側先端は、取付け用フォーク３３０及び位置合
わせ／嵌合用凹部３３２を有している。これらの構成要
素に対応して、ギターボディ２２０を形成するために接
合される第一及び第二ギターボディフレーム部２２２及
び２２３は、位置合わせ／嵌合用凸部２８２及びネック
フォーク受容部２８４を含んでいる。ネックフォーク３
３０は、フィンガーボード３１４の調整穴３３６を通じ
て達することができるねじ付き調整器３３４を含み、構
造フレーム２２０もまた調整穴２９０を含んでいる。こ
れにより、ネック３００をボディフレーム２２０に挿入
する際に、フィンガーボード３１４の調整穴３３６及び
構造ボディフレーム２２０の調整穴２９０を通じて嵌合
されたねじ付き調整器３３４にドライバーなどの道具を
挿入することにより、ねじ付き調整器３３４を用いてネ
ックの角度を調整することができる。

【００５９】ボディフレーム位置合わせ／嵌合用凸部２
８２は、ネックボディ３００の同様な斜めの面３３８に
対応する斜めの面２８６を含んでいる。位置合わせ／嵌
合用凸部２８２の先端には、確実な固定用の突起部２８
８があり、位置合わせ／嵌合用凹部３３２の固定用受容
部３４０に嵌まるようなサイズ及び形状になっている。
突起２８８は、凸部２８２から例えば０．０６５インチ
突き出ていれば十分であり、これによって演奏ポジショ
ンにおいてはネックが確実に固定され、一方で、ネック
３００がボディフレーム２２０から容易に外れるよう
に、ネック３００のヘッドストック側先端が上方に回転
するのに十分なほどギター弦が緩められた場合に、ネッ
クはボディフレーム２２０から離れて軸方向に移動でき
る。

【００６０】ネック挿入の順序は図１９及び図２０に示
されている。図１９（ａ）において、ネック３００は構
造ボディフレーム２２０の上方に位置し、構造ボディフ
レーム２２０の軸に対して角度αだけ傾いている。図１
９（ｂ）から２０（ｃ）に示すように、ネックフォーク
３３０が、この挿入角度αでボディ受容部２８４に挿入
され、ネックが構造ボディの軸の方向に回転させられ
る。一旦ネック３００がボディ２２０と一直線に並ぶ
と、ネック３００は構造ボディフレーム２２０に向かっ
て軸方向に移動し、これによって、図２０（ｅ）に示す
ように、ネック固定用突起２８８がネック固定用受容部
３４０に挿入される。ヘッドストック／弦保持装置４１
０（図２）を用いてギター弦に張力が掛かっているとき
には、この固定関係が保たれる。ネックを取り外すため
には、上記と逆の手順が用いられる。

【００６１】従って、開示された発明は、容易に組立て
可能なモジュール式ギター装置を提供している。この装
置は、交換可能な構成要素を利用することによって、安
価な入門レベルのギターを提供することも、またギター
装置で使用される構成要素を改良して、音響特性が最高
品質の手作りのギターにさえ匹敵するギターを提供する
こともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来技術のギター装置の分解斜視図である。

【図２】 本発明のモジュール式ギター装置の分解斜視
図である。

【図３】 本発明の第一実施例によるギターボディフレ
ームの底面図である。

【図４】 ２つのギターボディ構造フレーム部を含む本
発明の第二実施例によるギターボディフレームの上面図
である。

【図５】 ギターボディフレーム内に取り付けられた、
開示された第一及び第二の音響格子部の上面斜視図であ
る。

【図６】 ギターボディフレーム内に取り付けられた、
開示された第一及び第二の音響格子部の底面斜視図であ
る。

【図７】 図５に示された音響格子部の、線ＶＩＩ−Ｖ
ＩＩに沿った断面図である。

【図８】 ギターブリッジによって接合され、ギターボ
ディ構造フレーム部材に取り付けられた第一及び第二の
音響格子部の断面図である。

【図９】（ａ）は、ギターボディフレームの長手方向の
嵌合面の一実施例の拡大断面図であり、（ｂ）は、ギタ
ーボディフレームの長手方向の嵌合面の、中空の区切ら
れたメイルメンバの第二実施例の斜視図であり、（ｃ）
は、ギターボディフレームの長手方向の嵌合面の、他の
実施例の拡大断面図である。

【図１０】 （ａ）は、図８のギターブリッジの上面図
であり、（ｂ）は、ギターブリッジの端面図であり、
（ｃ）は、ギターブリッジの底面図であり、（ｄ）は、
（ａ）の線ＤＤに沿ったギターブリッジの一部断面図で
ある。

【図１１】 本発明のデュアルアクションカムレバーの
側面図である。

【図１２】 図１１のデュアルアクションカムレバーの
上面図である。

【図１３】 図１１のデュアルアクションカムレバーの
カム部の断面図である。

【図１４】 デュアルアクションカムレバーのカム部の
拡大側面図である。

【図１５】 （ａ）は、演奏ポジションにおける、デュ
アルアクションカムレバーの第一カムの位置を示してお
り、（ｂ）は、弦保持ポジションにおける、デュアルア
クションカムレバーのカム部を示しており、（ｃ）は、
弦緩めポジションにおける、デュアルアクションカムレ
バーのカム部を示す図である。

【図１６】 （ａ）は、演奏ポジションにおける、デュ
アルアクションカムレバーの側断面図であり、（ｂ）
は、弦保持ポジションにおける、デュアルアクションカ
ムレバーの側断面図であり、（ｃ）は、弦緩めポジショ
ンにおける、デュアルアクションカムレバーの側断面図
である。

【図１７】 本発明によるギターネックの分解断面図で
ある。

【図１８】 ギターネックとギターボディフレームとの
嵌合面を切り欠いた側面図である。

【図１９】 （ａ）〜（ｃ）は、ギターネックがギター
ボディフレームに取り付けられる際の、ギターネックと
ボディの一連の位置関係を示す切り欠いた側面図であ
る。

【図２０】 （ａ）〜（ｅ）は、ギターネックがギター
ボディフレームに取り付けられる際の、ギターネックと
ボディの一連の位置関係を示す切り欠いた側面図であ
り、図１９（ｃ）に続く動作を示している。

【図２１】 本発明の膨張式ギターの膨張式の袋を収容
する、保護用外包の背面図である。

【図２２】 木製のアコースティックギターの形状に近
づけるのに役立つ、保護用外包の構成部品の断面図であ
る。

【符号の説明】

１００−−−モジュール式ギター装置 ２００−−−ギターボディ部 ２１０−−−ギターブリッジ ２２０−−−ギターボディフレーム ２２２，２２３−−−ボディフレーム部 ２２４，２２５−−−中央部材 ２２６，２２７−−−嵌合面 ２２６ａ−−−凸状アリ組み部 ２２７ａ−−−凹状アリ組み部 ２２８，２２９−−−外縁部材 ２３８ａ，２３８ｂ−−−上方張り出し部 ２３９ａ，２３９ｂ−−−下方張り出し部 ２４０−−−音響格子 ２４２，２４３−−−音響格子部 ２５０−−−格子 ２５２−−−格子状メッシュ部材 ２５４−−−ブリッジ取付け点 ２５６−−−補強部材 ２６０−−−膨張式共鳴室 ２６４−−−袋 ３００−−−ネック ４００−−−ヘッドストック ４１０−−−ヘッドストック／弦保持装置 ４１２−−−弦クランプ ４１４−−−マルチカムレバー ４１６−−−チューニング装置 ４２４−−−第一カム ４３０−−−弦 ４３２−−−第二カム

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 膨張式のモジュール式ギター装置であっ
   て、 ギターボディフレームであって、該ボディフレームの長
   手方向の軸に沿って配置された中央部材と、上方張り出
   し部及び下方張り出し部を有する該ボディフレームの周
   辺形状を定める外縁部材とを有し、該外縁部材は前記ギ
   ターボディフレームの第一及び第二の先端において前記
   中央部材とつながっている、ギターボディフレームと、 音響格子であって、第一及び第二の格子部から成り、該
   第一及び第二の格子部は、それぞれ前記ギターボディフ
   レームの形状に対応し該ギターボディフレームの外縁部
   材に取り外し可能に取り付けられる外縁と、前記ギター
   ボディフレームの第一及び第二の先端の間にある前記ボ
   ディーフレーム中央部材と実質的に同一直線上に配置さ
   れる解放された先端とを有している、音響格子と、 前記ギターボディフレームの前記第一の先端に取り外し
   可能に取り付けられる第一の先端と、ヘッドストックに
   取り付けられる第二の先端とを有するギターネックであ
   って、該ヘッドストックは、少なくとも１本のギター弦
   の第一の先端を保持するとともに該少なくとも１本の弦
   の張力を調整するための、少なくとも１個のギター弦チ
   ューニング装置を含んでいる、ギターネックと、 前記ボディフレーム中央部材をまたいでおり、該ボディ
   フレーム中央部材をはさんで向かい合う側にある前記音
   響格子部に取り外し可能に取り付けられるギター弦ブリ
   ッジであって、該ブリッジによって前記少なくとも１本
   のギター弦を前記音響格子部と音響上結び付けるため
   に、該少なくとも１本のギター弦の第二の先端が取り付
   けられている、ギター弦ブリッジと、 前記ギターボディフレームの外縁部材に沿って前記ギタ
   ーボディフレームに取り付けられた膨張式の共鳴室を有
   し、該共鳴室が膨らまされたとき前記ギターボディの音
   響格子部と連絡する膜を含んでいる膨張式の音響室と、 を組合わせてなる膨張式のモジュール式ギター装置。
2. 【請求項２】 前記ギターボディフレームは更に、実質
   的に該ボディフレームをはさんで向かい合う側にある前
   記外縁部材の前記下方張り出し部において、前記ボディ
   フレーム中央部材を該ボディフレーム外縁部材と接合す
   る第一及び第二の補強材を含んでいる、請求項１記載の
   モジュール式ギター装置。
3. 【請求項３】 前記ヘッドストックは前記ギターネック
   の前記第二の先端に取り外し可能に取り付けられ、該ヘ
   ッドストックは更に弦クランプ及び複数のポジションを
   有するマルチカムレバーを含むヘッドストック／弦保持
   装置を含んでおり、 該ポジションは、 前記レバーが前記ヘッドストックと実質上水平に置かれ
   前記弦クランプが第一のカム装置から解放されて前記少
   なくとも１本のギター弦の張力が前記少なくとも１個の
   ギター弦チューニング装置を用いて調整されるようにす
   る演奏ポジションと、 前記第一のカムが、前記少なくとも１本のギター弦に掛
   かる張力を保つため前記弦クランプと係合するように回
   転する弦保持ポジションと、 前記レバーが第二のカムを回転させるように位置決めさ
   れ、これにより前記ヘッドストックが前記ネックの前記
   第二の先端の方に移動して、前記弦クランプと前記ブリ
   ッジとの間で前記少なくとも１本のギター弦の張力を緩
   めることができ、前記ヘッドストック、ギターネック及
   びギターブリッジが分解できるヘッドストック取り外し
   ポジションと、 を含む請求項１記載のモジュール式ギター装置。
4. 【請求項４】 前記音響格子部のそれぞれに、ギター弦
   の張力下において該格子部のそれぞれが変形するのを最
   小限にするために、元応力が掛けられている、請求項１
   記載のモジュール式ギター装置。
5. 【請求項５】 前記格子部が、少なくとも実質上木製ギ
   ターの共鳴板の強度及び堅さに匹敵する格子から成る、
   請求項１記載のモジュール式ギター装置。
6. 【請求項６】 前記格子が、木製ギターの共鳴板より小
   さい内部減衰を示す材料から成る、請求項５記載のモジ
   ュール式ギター装置。
7. 【請求項７】 前記格子の材料がプラスチックから成
   る、請求項６記載のモジュール式ギター装置。
8. 【請求項８】 前記格子の材料がアルミニウムから成
   る、請求項６記載のモジュール式ギター装置。
9. 【請求項９】 前記格子の材料がガラスから成る、請求
   項６記載のモジュール式ギター装置。
10. 【請求項１０】 前記格子の材料がグラファイト複合材
    料から成る、請求項６記載のモジュール式ギター装置。
11. 【請求項１１】 前記格子が、実質上０．５から２．０
    インチの格子ピッチを含む、請求項６記載のモジュール
    式ギター装置。
12. 【請求項１２】 前記ギターネックが、ネック背面部
    材、該ネック背面部材に埋め込まれたフィンガーボー
    ド、及び該ネックに構造的強度を与えるとともに調整を
    可能にするために該ネック背面部材内に含まれたネック
    強化／調整要素から成る、請求項１記載のモジュール式
    ギター装置。
13. 【請求項１３】 前記ギターネック背面部材が、内部に
    設けられた少なくとも一つの長手方向の溝を有し、該溝
    が前記ネック強化／調整要素を受容するように構成され
    ている射出成形された部材から成る、請求項１２記載の
    モジュール式ギター装置。
14. 【請求項１４】 膨張式のモジュール式ギター装置であ
    って、 ギターボディであって、第一及び第二のボディフレーム
    部を有し、該第一及び第二のボディフレーム部の各々が
    前記ギター装置中央の長手方向の軸に沿った嵌合面を有
    することにより、該嵌合面が嵌合されたときに該中央の
    長手方向の軸に沿って配置される実質上堅固なギターボ
    ディフレーム中央部材が提供され、前記第一及び第二の
    ボディフレーム部は更に、前記嵌合面の第一及び第二の
    先端から延びて前記ギターボディフレームの上方張り出
    し部及び下方張り出し部を含む前記ギターボディの周辺
    形状を定めている外縁部材を有しており、前記第一及び
    第二のボディフレーム部は更に、前記ボディフレーム部
    嵌合面のそれぞれの第一の先端から実質的に前記下方張
    り出し部においてそれに対応する外縁部材へと伸びた補
    強材を含んでいる、ギターボディと、 実質的に前記ギターボディの形状に対応する音響格子で
    あって、該格子が、各ボディフレーム部に対応する格子
    部から成り、該格子部のそれぞれが、前記外縁部材に取
    り外し可能に取り付けられた外縁、前記ギターボディフ
    レームとは関係なく振動するために解放されている中央
    の長手方向の縁、及び１箇所以上のブリッジ取付け点を
    有している、音響格子と、 基部先端及び末端部先端を有するネックであって、該基
    部先端が、前記中央の長手方向の軸に沿ったギターボデ
    ィフレームのネック側先端において、前記ギターボディ
    と取り外し可能に結合している、ネックと、 前記ネックの前記末端部先端と取り外し可能に結合して
    いるヘッドストックであって、各ギター弦のヘッドスト
    ック側先端において前記ギターに含まれている各弦を保
    持するとともにチューニングするためのギター弦保持及
    び張力調整装置を含む、ヘッドストックと、 前記実質上堅固なギターボディフレーム中央部材をまた
    いでおり、該中央部材をはさんで向かい合う側にある前
    記ブリッジ取付け点において、前記格子部と結合してい
    るギターブリッジであって、各前記弦のブリッジ側先端
    において該弦のそれぞれを取り外し可能に保持するとと
    もに、該ギター弦を前記音響格子と音響上結び付けてい
    る、ギターブリッジと、 前記ギターボディフレームの外縁に取り外し可能に取り
    付けられた膨張式の袋であって、前記音響格子と連絡す
    る膜を含み、前記ギターボディフレームの形状に対応す
    るギターボディを形成する量の空気を供給する袋と、 を組合わせて成る膨張式のモジュール式ギター装置。
15. 【請求項１５】 前記ボディフレームの嵌合面は、実質
    的に第一の前記ボディフレーム部の全長にわたって設け
    られた凹状アリ組み及び実質的に第二の前記ボディフレ
    ーム部の全長にわたって設けられた中空の凸状アリ組み
    から成り、該中空の凸状アリ組みがボディフレーム部の
    不揃いを埋め合わせるための柔軟性を与えている、請求
    項１４記載の膨張式のモジュール式ギター装置。
16. 【請求項１６】 前記ボディフレームの嵌合面は、実質
    的に前記第一のボディフレーム部の全長にわたって設け
    られた凹状アリ組み及び実質的に前記第二のボディフレ
    ーム部の全長にわたって設けられた中空の区切られた凸
    状アリ組みから成り、該中空の区切られた凸状アリ組み
    が、前記凹状アリ組みと嵌合する際にボディフレーム部
    の不揃いを埋め合わせるためのより大きな柔軟性を与え
    ている、請求項１４記載の膨張式のモジュール式ギター
    装置。
17. 【請求項１７】 前記区切られた凸状アリ組みが互い違
    いになった上部及び下部のアリ組み突起から成る、請求
    項１６記載の膨張式のモジュール式ギター装置。
18. 【請求項１８】 前記中空の凸状アリ組みが、更に前記
    ギターボディフレーム中央部材の全長にわたり接合部の
    単一線に沿って前記凹状アリ組みと嵌合するように形成
    された凸状の嵌合面から成る、請求項１５記載の膨張式
    のモジュール式ギター装置。
19. 【請求項１９】 前記中空の凸状アリ組みが、更に各区
    切られたアリ組み突起の全長にわたり接合部に沿って前
    記凹状アリ組みと嵌合するように形成された凸状の嵌合
    面から成る、請求項１６記載の膨張式のモジュール式ギ
    ター装置。
20. 【請求項２０】 前記各音響格子部が、格子補強部材に
    被せられた格子状メッシュ部材を含む格子から成り、該
    格子補強部材は前記ブリッジ取付け点に対応する最大限
    の強度を与えるとともに、該ブリッジ取付け点から離れ
    た位置にある該格子部の縁においては最大限の音響格子
    の柔軟性を与えている、請求項１４記載の膨張式のモジ
    ュール式ギター装置。