JP2000064153A - 無杼織機用カッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速製織でも杼口へ緯糸を安定かつ確実に飛
走させることができ、織機の製織効率を向上させること
ができる無杼織機用カッターを提供する。 【解決手段】 無杼織機の給糸側に設置される給糸側カ
ッター(8)において、高圧水又は高圧空気を噴射するノ
ズル(5)、給糸側カッター(8)、そして糸掛けフック(1)
をこの順で無杼織機の給糸側に設けたことを特徴とする
無杼織機用カッターである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ウォータジェット
ルームのような無杼織機において、上下に開口させた経
糸の間（以下、「杼口」と称する。）に打ち込んだ緯糸
を給糸側で切断するための無杼織機用カッターに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】無杼織機、例えばウォータジェットルー
ムにおいて、経糸は綜絖によって杼口が形成され、該杼
口に噴射水と共に緯糸が挿入された後、筬により挿入さ
れた緯糸が経糸の間に打ち込まれて織物とされる。この
際、緯糸はチーズ状に巻き取られたボビンから解舒さ
れ、張力装置によって張力を付与されてフィードローラ
で測長され、プールパイプ及び把持装置を経てウォータ
ジェットノズルに供給される。そして、該ウォータジェ
ットノズルに供給された緯糸は、該ノズルから高圧で噴
射される噴射水に搬送されて前記の杼口へ挿入される。

【０００３】以上のように杼口に挿入され筬によって経
糸に打ち込まれる緯糸は、その一端を把持装置、他端を
耳組み装置による絡みと、仮撚りスピンドルを経た糸端
処理糸とによって把持され、一定の張力下で給糸側カッ
ターにより機械的に切断され、これによって１サイクル
の緯入れ動作を完了する。そして、次の緯入れサイクル
へと移行する。この際、従来の無杼織機においては、特
開昭５８−１８４５０号公報に開示されているように、
機械的に緯糸を切断する前記の給糸側カッターは、「ウ
ォータジェットノズル又はエアージェットノズル」、
「筬打ち動作によって緯糸を引っ掛ける糸掛けフッ
ク」、そして「給糸側カッター」という順序で給糸側に
設けられている。

【０００４】しかしながら、近年、無杼織機の製織速度
が年々速くなってくると、下記のような問題を惹起する
ようになってきた。

【０００５】即ち、(1) 緯糸は糸掛けフックに筬打ち運
動によって引っ掛けられた際に、該糸掛けフックにより
屈曲され、このような屈曲状態で給糸側カッターにより
切断されるため、次の緯糸挿入時に緯糸の先端が折れ曲
がった状態で緯糸が杼口を飛走し、経糸に引っかかって
織機が停止することが起こる。(2) 糸掛けフックを長時
間使用すると、糸掛けフックに傷が付き易く、このため
に緯糸切断後、次の緯糸を挿入する際に、緯糸の先端部
が糸掛けフックの傷によって邪魔されて、スムーズな緯
糸挿入が出来ないことが生じる。(3) 高速で製織するこ
とによって、カッティング頻度が多くなると、カッター
の切れ味が悪いとミスカットを発生し易いといった問題
が有る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような諸問題に鑑み、「製織速度が高速になっても緯
糸を安定かつ確実に切断することができ、しかも緯糸が
糸掛けフックによって屈曲されずに杼口を良好に飛走さ
せることができ、これによって無杼織機の製織効率を向
上させることが出来る無杼織機用カッターを提供する」
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】ここに、本発明によれ
ば、「無杼織機の給糸側に設置される給糸側カッターに
おいて、高圧水又は高圧空気を噴射するノズル、給糸側
カッター、そして糸掛けフックをこの順で無杼織機の給
糸側に設けたことを特徴とする無杼織機用カッター」が
提供される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の緯入れノズルにつ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図１は、本
発明の無杼織機用カッターを例示した模式斜視図であ
る。

【０００９】該図において、１は糸掛けフック、２は可
動刃、３は固定刃、４はカッターボデー、５は加圧水又
は加圧空気の噴射ノズル、６は緯糸、そして、７は筬を
それぞれ表わす。

【００１０】以上のように構成された無杼織機用カッタ
ーにおいて、可動刃２、固定刃３、及びカッターボデー
４によって給糸側カッター８が構成されている。なお、
該カッター８の材質としては、特に限定する必要はない
が、耐摩耗性を考えると、ジルコニア系セラミックスや
タングステンカーバイド系の超硬合金などが好適であ
る。また、糸掛けフック１の材質としても、摩耗し難い
難い高純度アルミナや酸化チタン等のセラミックスが好
ましいが、特に限定する必要も無い。

【００１１】本発明の無杼織機用カッターでは、噴射ノ
ズル６と糸掛けフック１との間に、給糸側カッター８を
設けてあるため、筬７による筬打ち運動によって糸掛け
フック１に引っ掛けられた緯糸６は、糸掛けフック１に
よる緯糸６の屈曲点より前で切断される。したがって、
緯糸６の先端は、給糸側カッター８によって切断された
後も屈曲されずに真っ直ぐな状態に有る。

【００１２】しかも、糸掛けフック１によって屈曲され
た緯糸６の張力は、噴射ノズル５と糸掛けフック１との
間において、糸掛けフック１以降よりも高くなっている
ため、より緊張された状態で切断され、緯糸６のカット
ミスが極めて少なくなる。これに対して、従来の給糸側
カッターでは、糸掛けフック１以降に給糸側カッターが
設けられているため、緯糸６が弛んだ状態で切断される
こととなり、カットミスが生じ易い。

【００１３】更には、従来のカッターにあっては、緯糸
６は糸掛けフック１に掛かったままで切断されるため、
糸掛けフック１に傷があると、該傷に邪魔されて緯糸６
が糸掛けフック１から離れずに杼口を飛走することが出
来ないと言う事態が生じる。しかしながら、本発明にお
いては、糸掛けフック１と噴射ノズル５との間で緯糸６
が切断されるために、糸掛けフック１上の傷の有無にか
かわらず、緯糸６は糸掛けフック１と緯糸６との係合が
自動的に断ち切られる。したがって、糸掛けフック１上
の傷は最早問題とならない。

【００１４】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明の無杼織機
用カッターによれば、高速運転時においても安定かつ確
実に緯糸を杼口へ緯入れでき、これによっての製織効率
を向上させることが出来るという極めて顕著な効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の無杼織機用カッターを例示した模式斜
視図である。

【符号の説明】

１ 糸掛けフック ２ 可動刃 ３ 固定刃 ４ カッターボデー ５ 噴射ノズル ６ 緯糸 ７ 筬 ８ 給糸側カッター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無杼織機の給糸側に設置される給糸側カ
   ッターにおいて、高圧水又は高圧空気を噴射するノズ
   ル、糸掛けフック、そして給糸側カッターをこの順で無
   杼織機の給糸側に設けたことを特徴とする無杼織機用カ
   ッター。
2. 【請求項２】 請求項１記載の無杼織機用カッターであ
   って、該カッターは可動刃と固定刃とで構成される機械
   式カッターであることを特徴とする無杼織機用カッタ
   ー。