JP2000060562A - ヒト転写関連蛋白質とこの蛋白質をコードするcDNA - Google Patents
ヒト転写関連蛋白質とこの蛋白質をコードするcDNAInfo
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Abstract
写関連蛋白質と、この蛋白質をコードするヒトcDNA
などの遺伝子材料を提供する。 【解決手段】 配列番号1のアミノ酸配列を含むヒト転
写関連と、このヒト転写関連蛋白質をコードするヒト遺
伝子、配列番号2の塩基配列を含むcDNA、および上
記のヒト転写関連蛋白質に対する抗体。
Description
白質Npw38と結合する新規なヒト転写関連蛋白質と、こ
の蛋白質をコードしているヒト遺伝子、この遺伝子のc
DNA、および上記蛋白質に対する抗体に関するもので
ある。この発明の蛋白質および抗体は、各種疾患の診断
および治療に有用であり、ヒトcDNAは遺伝子診断用
プローブや遺伝子治療用遺伝子源として有用である。ま
た、cDNAは、この発明の蛋白質を大量生産するため
の遺伝子源として用いることが出来る。
有する38kDaの核蛋白質として見いだされた[小室
ら、第70回日本生化学会大会講演要旨集、p.548 ]。
WWドメインとはSH2、SH3、PH、PTBドメイ
ンと類似した蛋白質−蛋白質相互作用モチーフの新しい
ファミリーである。このドメインは、2個の保存された
トリプトファンを持つ約40アミノ酸残基からなり、SH
3ドメインと同様にプロリンリッチなアミノ酸配列に結
合することが知られている[H. I. Chen and M. Sudol.
(1995 ) Proc. Natl. Sci.92, 7819-7823]。Npw38
のWWドメインは、転写活性促進作用を有することが示
されている[小室ら、第20回日本分子生物学会年会講
演要旨集、p.369]。したがって、このWWドメイ
ンに結合する蛋白質が、転写活性化に関与していると考
えられる。
どの生命現象のみならず、癌等の疾患とも密接に関係し
ている[村松正寛編、NEW メディカルサイエンス、「転
写のしくみと疾患」]。従って、これらの蛋白質は特定
遺伝子の転写・翻訳を調節する低分子医薬品を開発する
ためのターゲット蛋白質としての可能性を秘めており、
できるだけ多くの転写関連蛋白質を得ることが望まれて
いる。
上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、医薬品
などの開発に有用なヒト蛋白質、特に、ヒト核蛋白質N
pw38と結合する新規な転写関連蛋白質を提供することを
課題としている。またこの出願の発明は、この蛋白質を
コードするヒト遺伝子、この遺伝子のcDNAおよび蛋
白質に対する抗体などの遺伝子操作材料を提供すること
を課題としている。
を解決する発明として、配列番号1で表されるアミノ酸
配列を含むヒト転写関連蛋白質を提供する。また、この
出願は、配列番号1のアミノ酸配列における1もしくは
複数のアミノ酸が、欠失、置換もしくは付加されたアミ
ノ酸配列を含むヒト転写関連蛋白質を提供する。
蛋白質をコードするヒト遺伝子、この遺伝子のcDNA
であって、配列番号2の塩基配列を含むcDNA、およ
び配列番号2の一部配列からなるDNA断片を提供す
る。さらにまた、この出願は、上記cDNAを保有する
組換えベクター、および上記のヒト転写関連蛋白質に対
する抗体を提供する。
く説明する。
は、公知の方法、すなわちヒトの臓器、細胞株などから
単離する方法、この発明によって提供されるのアミノ酸
配列に基づき化学合成によってペプチドを調製する方
法、あるいはこの発明によって提供されるcDN断片を
用いて組換えDNA技術で生産する方法などにより取得
することができる。例えば、組換えDNA技術によって
蛋白質を取得する場合には、この発明のcDNA断片を
有するベクターからインビトロ転写によってRNAを調
製し、これを鋳型としてインビトロ翻訳を行なうことに
よりインビトロで発現できる。また翻訳領域を公知の方
法により適当な発現ベクターに組換えてやれば、大腸
菌、枯草菌、酵母、動物細胞等で、コードしている蛋白
質を大量に発現させることができる。
Aを発現させて生産させる場合には、このcDNAの翻
訳領域をRNAポリメラーゼプロモーターを有するベク
ターに組換え、プロモーターに対応するRNAポリメラ
ーゼを含む、ウサギ網状赤血球溶解物や小麦胚芽抽出物
などのインビトロ翻訳系に添加してやれば、この発明の
蛋白質をインビトロで生産することができる。RNAポ
リメラーゼプロモーターとしては、T7、T3、SP6
などが例示できる。これらのRNAポリメラーゼプロモ
ーターを含むベクターとしては、pKA1、pCDM
8、pT3/T718、pT7/3 19、pBluescr
ipt IIなどが例示できる。
DNAを発現させて生産させる場合には、微生物中で複
製可能なオリジン、プロモーター、リボソーム結合部
位、cDNAクローニング部位、ターミネーター等を有
する発現ベクターに、この発明のcDNAの翻訳領域を
組換えた発現ベクターを作成し、この発現ベクターで宿
主細胞を形質転換したのち、得られた形質転換体を培養
してやれば、このcDNAがコードしている蛋白質を微
生物内で大量生産することができる。この際、任意の翻
訳領域の前後に開始コドンと停止コドンを付加して発現
させてやれば、任意の領域を含む蛋白質断片を得ること
ができる。あるいは、他の蛋白質との融合蛋白質として
発現させることもできる。この融合蛋白質を適当なプロ
テアーゼで切断することによってこのcDNAがコード
する蛋白質部分のみを取得することもできる。大腸菌用
発現ベクターとしては、pUC系、pBluescript II、
pET発現システム、pGEX発現システムなどが例示
できる。
現させて生産させる場合には、このcDNAの翻訳領域
を、プロモーター、スプライシング領域、ポリ(A)付
加部位等を有する真核細胞用発現ベクターに組換え、真
核細胞内に導入してやれば、この発明の蛋白質を動物細
胞内で生産することができる。発現ベクターとしては、
pKA1、pCDM8、pSVK3、pMSG、pSV
L、pBK−CMV、pBK−RSV、EBVベクタ
ー、pRS、pYES2などが例示できる。真核細胞と
しては、サル腎臓細胞COS7、チャイニーズハムスタ
ー卵巣細胞CHOなどの哺乳動物培養細胞、出芽酵母、
分裂酵母、カイコ細胞、アフリカツメガエル卵細胞など
が一般に用いられるが、この蛋白質を発現できるもので
あれば、いかなる真核細胞でもよい。発現ベクターを真
核細胞に導入するには、電気穿孔法、リン酸カルシウム
法、リポソーム法、DEAEデキストラン法など公知の
方法を用いることができる。
発現させたのち、培養物から目的蛋白質を単離精製する
ためには、公知の分離操作を組み合わせて行うことがで
きる。例えば、尿素などの変性剤や界面活性剤による処
理、超音波処理、酵素消化、塩析や溶媒沈殿法、透析、
遠心分離、限外濾過、ゲル濾過、SDS−PAGE、等
電点電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、逆相クロマトグラフィーなどが挙げられる。
れるアミノ酸配列のいかなる部分アミノ酸配列を含むペ
プチド断片(5アミノ酸残基以上)も含まれる。これら
のペプチド断片は抗体を作製するための抗原として用い
ることができる。この発明の蛋白質には、他の任意の蛋
白質との融合蛋白質も含まれる。例えば、実施例に挙げ
たグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)と
の融合蛋白質などである。
するヒトの遺伝子であって、例えば、この発明のcDN
Aまたはその一部配列をプローブとして、既存のゲノム
ライブラリーから単離することができる。この発明のc
DNAは、例えばヒト細胞由来cDNAライブラリーか
らクローン化することができる。cDNAはヒト細胞か
ら抽出したポリ(A)+RNAを鋳型として合成する。
ヒト細胞としては、人体から手術などによって摘出され
たものでも培養細胞でも良い。cDNAは、岡山−Berg
法[Okayama, H and Berg,P., Mol. Cell. Biol. 2:161
-170 (1982)]、Gubler−Hoffman 法[Guler, U.and Ho
ffman, J. Gene 25:263-269 (1983)]等、いかなる方法
を用いて合成してもよいが、完全長クローンを効率的に
得るためには、実施例にあげたようなキャッピング法
[Kato, S. et al. Gene 150:243-250 (1994) ]を用い
ることが望ましい。また市販のヒトcDNAライブラリ
ーを用いることもできる。cDNAライブラリーからこ
の発明のcDNAをクローン化するには、この発明のc
DNAの任意の部分の塩基配列に基づいてオリゴヌクレ
オチドを合成し、これをプローブとして用いて、公知の
方法によりコロニーあるいはプラークハイブリダイゼー
ションによるスクリーニングを行えばよい。また、目的
とするcDNA断片の両末端にハイブリダイズするオリ
ゴヌクレオチドを合成し、これをプライマーとして用い
て、ヒト細胞から単離したmRNAからRT−PCR法
により、この発明のcDNA断片を調製することもでき
る。
れる塩基配列を含むことを特徴とするものであり、1926
bpのオープンリーディングフレームを有している。この
オープンリーディングフレームは、641 アミノ酸残基か
らなる蛋白質をコードしている。この発明の蛋白質は、
いかなる組織でも発現しているので、配列番号2に記載
のcDNAの塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレ
オチドプローブを用いて、ヒト細胞から作製したヒトc
DNAライブラリーをスクリーニングすることにより、
この発明のcDNAと同一のクローンを容易に得ること
ができる。あるいは、これらのオリゴヌクレオチドをプ
ライマーとして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を
用いて、目的cDNAを合成することもできる。
るヒト核蛋白質Npw38と結合するものであり、また、ポ
リリボGや一本鎖DNAとも結合する。従って、この発
明の蛋白質は、転写調節において重要な役割を有してい
ると考えられる。一般にヒト遺伝子は個体差による多型
が頻繁に認められる。従って配列番号2において、1ま
たは複数個のヌクレオチドの付加、欠失および/または
他のヌクレオチドによる置換がなされているcDNAも
この発明のcDNAに含まれる。
または複数個のアミノ酸の付加、欠失および/または他
のアミノ酸による置換がなされている蛋白質も、配列番
号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質の活性を有
する限り、この発明の蛋白質に含まれる。この発明のD
NA断片には、配列番号2で表される塩基配列のいかな
る部分塩基配列を含むcDNA断片(10bp以上)も
含まれる。また、センス鎖およびアンチセンス鎖からな
るDNA断片もこの範疇に入る。これらのDNA断片は
遺伝子診断用のプローブとして用いることができる。
それ自体、またはその部分ペプチドを抗原として、公知
の方法によりポリクローナル抗体またはモノクローナル
抗体として得ることができる。
具体的に説明するが、この発明はこれらの例に限定され
るものではない。なお、DNAの組換えに関する基本的
な操作および酵素反応は、文献["Molecular Cloning.
Laboratory Manual" ColdSpring Harbor Laboratory, 1
989”]に従った。制限酵素および各種修飾酵素は特に
記載の無い場合は宝酒造社製のものを用いた。各酵素反
応の緩衝液組成、並びに反応条件は付属の説明書に従っ
た。cDNA合成は文献[Kato, S. et al.,Gene 150:2
43-250, (1994)]に従った。 実施例1:ヒトNpw38cDNAのクローニング ヒト胃癌細胞cDNAライブラリー(WO97/03190記
載)から選択したcDNAクローンの大規模塩基配列決
定の結果、クローンHP10345 を得た。このクローン
は、170bp の5’非翻訳領域、798bp のオープンリーデ
ィングフレーム、52bpの3’非翻訳領域からなる構造を
有していた(配列番号3)。オープンリーディングフレ
ームは265 アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしてい
た。
から78番目までの領域が、WWドメインと類似性を有し
ていた。52番目と75番目のトリプトファン、78番目のプ
ロリンが、これまで知られている全てのWWドメインに
保存されているアミノ酸残基である。この蛋白質のアミ
ノ酸配列における他の特徴として、21番目から41番目ま
での酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸とグルタミン
酸)に富む領域、104 番目から176 番目までの酸性アミ
ノ酸残基と塩基性アミノ酸残基が交互に並ぶ領域がある
ことなどが挙げられる。 実施例2:大腸菌によるGST融合蛋白質の発現 EcoRI 認識部位を付加した翻訳開始コドンから始まる25
merのセンスプライマー(5'-CCGAATTCATGCCGCTGCCCGTTG
C-3') とEcoRI 認識部位を付加した停止コドンまでを含
む25 merのアンチセンスプライマー(5'-CCGAATTCTCAATC
CTGCTGCTTGG-3') を用い、pHP10345 を鋳型としてP
CRにより翻訳領域を増幅した。PCR産物を EcoRIで
消化し、pGEX−5X−1(Pharmacia社製) の EcoRI
部位に挿入した。塩基配列を確認した後、宿主大腸菌B
L21の形質転換を行った。LB培地中で37℃で5時間培
養し、IPTGを最終濃度が0.4 mMになるように加え、さら
に37℃で2.5 時間培養した。菌体を遠心により分離し、
溶解溶液(50 mM Tris-HCl(pH7.5 ), 1mM EDTA-1 % T
riton X-100 , 0.2% SDS, 0.2 mM PMSF )に溶かし、一
度-80 ℃で凍結させ融解させた後、超音波破砕を行っ
た。1000 x gで30分遠心し、上清にグルタチオンセファ
ロース4Bを加え、4℃で1時間インキュベートした。
ビーズを十分洗浄した後、溶出溶液(10 mM Tris-50 mM
グルタチオン)で融合蛋白質を溶出した。その結果、分
子量約 60 kDa の GST-HP10345融合蛋白質を得た。 (3)Npw38結合蛋白質の精製 HeLa-S3 細胞(1 x 1010個)に低張バッファー(20 mM
Hepes (pH7.4), 10 mMKCl, 1.5 mM MgCl2)を加え、4
℃で10分間放置し、ダウンス型ホモジェナイザーにより
均一化した。1000 x g, 15分の遠心により核画分を得
た。核画分を0.5%NP-40 を含む低張バッファーで2回
洗浄した後、高張バッファー(20 mM Hepes (pH7.4), 2
50 mM NaCl, 1.5 mM MgCl2, 0.5% NP-40)により4℃、
30分間抽出し、核抽出液とした。
白質25 mg を加え、4℃、ローテーターにて2時間攪拌
した。グルタチオンセファロース4Bを加え、さらに、
4℃、2時間インキュベートし、ビーズを十分洗浄した
後、10 mM Tris、50 mM グルタチオンで溶出した。溶出
液をSDS-PAGEにかけたところ、約100kDaの蛋白質が含ま
れていた。この蛋白質をNpw38BP1と命名した。SDS-
PAGEゲル上のバンドをPVDF膜に転写後、100 kDa のバン
ドをプロテインシーケンサーG1000A (HEWLETTPACKARD
社) にのせ、N末端アミノ酸配列を決定した。その結
果、配列番号4で表されるアミノ酸配列が得られた。 実施例4:Npw38BP1をコードするcDNAのクロー
ニング 決定したアミノ酸配列25残基を用いてデータベースをサ
ーチしたところ、この配列はESTクローン(GenBank
TM登録番号AA206624)がコードする蛋白質のアミノ酸配
列と一致した。このESTクローンの塩基配列をもとに
して、6アミノ酸残基をコードする領域に対するアンチ
センスプライマー(5'-TGTAGATCTCCGTCCCAT-3')を合成
した。ヒトフィブロサルコーマ細胞株HT−1080cDN
Aライブラリー(WO98/11217に記載)を鋳型とし、ア
ンチセンスプライマーとT7プライマーを用い、Npw38
BP1cDNAの5'上流領域をPCRにより増幅したと
ころ約200bp のcDNA断片を得た。このcDNA断片
をプローブとしてヒトフィブロサルコーマ細胞株HT−
1080cDNAライブラリー(WO98/11217記載)をスク
リーニングした結果、クローンHP00169 を得た。この
クローンは、配列番号2に示したとおり、1,926 bpのオ
ープンリーディングフレームを有していた。また、オー
プンリーディングフレームは配列番号1に示した641
アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしていた。 実施例5:インビトロ翻訳による蛋白質合成 Npw38BP1cDNAを有するプラスミドベクターを用
いて、TNTウサギ網状赤血球溶解物キット(プロメガ
社製)によるインビトロ転写/翻訳を行なった。その際
に[35S]メチオニンを添加し、発現産物をラジオアイ
ソトープでラベルした。いずれの反応もキットに付属の
プロトコールに従って行なった。プラスミド2μg を、
TNTウサギ網状赤血球溶解物12.5μl 、緩衝液(キッ
トに付属)0.5 μl 、アミノ酸混合液(メチオニンを含
まない)2μl 、[35S]メチオニン(アマーシャム
社)2μl (0.3 MBq/μl )、T7RNAポリメラー
ゼ0.5 μl 、RNasin20Uを含む総量25μl の反応液中
で30℃で90分間反応させた。反応液3μl にSDSサン
プリングバッファー(125mM トリス塩酸緩衝液、pH6.8
、120mM 2−メルカプトエタノール、2%SDS溶
液、0.025 %ブロモフェノールブルー、20%グリセロー
ル)2μl を加え、95℃3分間加熱処理した後、SDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。オートラ
ジオグラフィーを行なったところ、約100kDaの翻訳産物
のバンドが得られた。オープンリーディングフレームか
ら予想されるNpw38BP1の分子量は、約70kDa であ
る。翻訳産物の分子量はそれよりも大きい値を示すが、
細胞から単離したNpw38BP1の分子量も約100kDaであ
ることから、この蛋白質の見かけの分子量は約100kDaで
あることが判明した。 実施例6:Npw38BP1の大腸菌による発現 EcoRI 認識部位を付加した翻訳開始コドンから始まる26
mer のセンスプライマー(5'-CCGAATTCATGGGACGGAGATCT
ACA-3')とSalI認識配列を付加した停止コドンまでを含
む26mer のアンチセンスプライマー(5'-CCGTCGACTCACA
GTAGCCCTTCCAT-3')を用い、クローンHP00169 を鋳型と
してPCRにより翻訳領域を増幅した。PCR産物をEc
oRI とSalIで消化し、pGEX−5X−1(Pharmacia社
製) のEcoRI とSalI部位に挿入した。塩基配列を確認し
た後、宿主大腸菌JM109 の形質転換を行った。LB培
地中で37℃で5時間培養し、IPTGを最終濃度が0.4 mMに
なるように加え、さらに37℃で4 時間培養した。菌体を
遠心により分離し、溶解溶液(50 mM Tris-HCl pH7.5,
1mM EDTA, 0.2 mM PMSF )に溶かし、一度-80 ℃で凍結
させ融解させた後、超音波破砕を行った。10,000 x gで
30分遠心し、上清にグルタチオンセファロース4Bを加
え、4℃で1時間インキュベートした。ビーズを十分洗
浄した後、溶出溶液(10 mM Tris-HCl, 50 mM グルタチ
オン)で融合蛋白質を溶出した。 実施例7:抗体作製 上記の融合蛋白質を抗原として家兔に常法により免疫を
行い抗血清を得た。抗血清はまず、40%飽和硫安沈殿画
分をGST アフィニティーカラムによりGST 抗体を除い
た。素通り画分をさらにGST-HP00169 の抗原カラムによ
り精製した。 実施例8:ウェスタンブロット HeLa-S3 細胞ライセートを SDS-PAGE により分離し、PV
DF膜ブロットした後、5%スキムミルクを含む0.05 % T
ween20 -PBS (TPBS)で1時間室温でブロッキングし、
抗体をTPBSで10,000倍希釈したものと1時間インキュベ
ートした。TPBSで3回洗浄し、さらにTPBSで10,000倍希
釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ I
gGと1時間インキュベートした。TPBSで4回洗浄し、EC
L 試薬(Amersham社製)により発光させて検出したとこ
ろ、約100kDaの位置にシグナルが得られた。 実施例9:Npw38BP1の核酸結合能 Npw38BP1cDNAを鋳型とした、ウサギ網状赤血球
インビトロ翻訳産物と種々の核酸との結合能を検討し
た。ポリリボAアガロース、ポリリボGアガロース、ポ
リリボUアガロース、ポリリボCアガロース、二本鎖D
NAセルロース、一本鎖DNAセルロース(いずれもフ
ァルマシア社製)とインビトロ翻訳産物をHKN 緩衝液
[Hepes(pH7.4), 150 mM NaCl, 0.01% NP40 ]中で室
温、20分間インキュベートした。HKN 緩衝液で5回洗浄
し、担体に結合した蛋白質をSDS-PAGEにより分析したと
ころ、Npw38BP1はポリリボGならびに一本鎖DNA
に特異的に結合することがわかった。
よって、癌などの病態の診断および治療等に有用な新規
なヒト転写関連蛋白質とその抗体が提供される。また、
この発明のcDNA等の遺伝子操作材料を用いることに
よって、このヒト蛋白質を大量に製造することができ
る。そして、この蛋白質と結合する低分子化合物をスク
リーニングすることによる、新しい型の抗腫瘍剤などの
医薬を探索することが可能となる。
Claims (7)
- 【請求項1】 配列番号1のアミノ酸配列を含むヒト転
写関連蛋白質。 - 【請求項2】 配列番号1のアミノ酸配列における1も
しくは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加された
アミノ酸配列を含むヒト転写関連蛋白質。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のヒト転写
関連蛋白質をコードするヒト遺伝子。 - 【請求項4】 請求項3のヒト遺伝子のcDNAであっ
て、配列番号2の塩基配列を含むcDNA。 - 【請求項5】 配列番号2の塩基配列における一部連続
配列からなるDNA断片。 - 【請求項6】 請求項4のcDNAを保有する組換えベ
クター。 - 【請求項7】 請求項1または2のヒト転写関連蛋白質
に対する抗体。
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