JP2000058807A - 二次元画像検出器およびその製造方法 - Google Patents

二次元画像検出器およびその製造方法

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JP2000058807A JP10218412A JP21841298A JP2000058807A JP 2000058807 A JP2000058807 A JP 2000058807A JP 10218412 A JP10218412 A JP 10218412A JP 21841298 A JP21841298 A JP 21841298A JP 2000058807 A JP2000058807 A JP 2000058807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクティブマトリクス基板上に300℃以下
の低温でCdTeやCdZnTeなどの半導体材料を形
成することで、応答性がよく、動画像にも対応できる二
次元画像検出器およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 格子状に配列された電極配線と、各格子
点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッ
チング素子を介して前記電極配線に接続される画素電極
を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、前記画素
配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部と、前記
画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性を有
する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器におい
て、前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板
と、前記電極部および半導体層を含む対向基板とを備え
ており、前記アクティブマトリクス基板の画素配列層
と、前記対向基板の半導体層とが対向するように両基板
が配置されるとともに、該両基板は、少なくとも一方の
基板に形成された電極上に自己整合により配置された導
電性材料によって接続されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線などの放射
線、可視光、赤外光などの画像を検出できる二次元画像
検出器と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、放射線の二次元画像検出器と
して、X線を感知して電荷(電子−正孔)を発生する半
導体センサーを二次元状に配置し、これらのセンサーに
それぞれ電気スイッチを設けて、各行毎に電気スイッチ
を順次オンにして各列毎にセンサーの電荷を読み出すも
のが知られている。このような二次元画像検出器は、例
えば、文献「D.L.Lee,et al.,"A New Digital Detector
for Projection Radiography",SPIE,2432,pp.237-249,
1995」、「L.S.Jeromin,et al.,"Application ofa-Si A
ctive-Matrix Technology in a X-Ray Detector Pane
l",SID 97 DIGEST,pp.91-94,1997」、および特開平6−
342098号公報などに具体的な構造や原理が記載さ
れている。
【0003】以下、前記従来の放射線二次元画像検出器
の構成と原理について説明する。
【0004】図8は、前記従来の放射線二次元画像検出
器の構造を模式的に示した図である。また、図9は、1
画素当たりの構成断面を模式的に示した図である。
【0005】前記放射線二次元画像検出器は、図8およ
び図9に示すように、ガラス基板51上にXYマトリク
ス状の電極配線(ゲート電極52とソース電極53)、
薄膜トランジスタ(TFT)54、電荷蓄積容量(C
s)55などが形成されたアクティブマトリクス基板を
備えている。また、このアクティブマトリクス基板上に
は、そのほぼ全面に、光導電膜56、誘電体層57およ
び上部電極58が形成されている。
【0006】前記電荷蓄積容量55は、Cs電極59
と、前記薄膜トランジスタ54のドレイン電極に接続さ
れた画素電極60とが、絶縁層61を介して対向してい
る構成である。
【0007】前記光導電膜56は、X線などの放射線が
照射されることで電荷(電子−正孔)が発生する半導体
材料が用いられるが、前記文献によれば、暗抵抗が高
く、X線照射に対して良好な光導電特性を示すアモルフ
ァスセレニウム(a−Se)が用いられている。この光
導電膜(a−Se)56は、真空蒸着法によって300
〜600μmの厚みで形成されている。
【0008】また、前記アクティブマトリクス基板は、
液晶表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマ
トリクス基板を流用することが可能である。例えば、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置(AMLCD)に用
いられるアクティブマトリクス基板は、アモルファスシ
リコン(a−Si)やポリシリコン(p−Si)によっ
て形成された薄膜トランジスタ(TFT)や、XYマト
リクス電極、電荷蓄積容量(Cs)を備えた構造になっ
ている。したがって、若干の設計変更を行うだけで、放
射線二次元検出器用のアクティブマトリクス基板として
利用することが容易である。
【0009】次に、前記構造の放射線二次元画像検出器
の動作原理について説明する。
【0010】前記a−Se膜などの光導電膜56に放射
線が照射されると、光導電膜56内に電荷(電子−正
孔)が発生する。図8および図9に示すように、光導電
膜56と電荷蓄積容量(Cs)55は電気的に直列に接
続された構造になっているので、上部電極58とCs電
極59間との間に電圧を印加しておくと、光導電膜56
で発生した電荷(電子−正孔)がそれぞれ+電極側と−
電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量(Cs)55
に電荷が蓄積される仕組みになっている。なお、光導電
膜56と電荷蓄積容量(Cs)55との間には、薄い絶
縁層からなる電子阻止層62が形成されており、これが
一方側からの電荷の注入を阻止する阻止型フォトダイオ
ードの役割を果たしている。
【0011】前記の作用で、電荷蓄積容量(Cs)55
に蓄積された電荷は、ゲート電極G1、G2、G3、
…、Gnの入力信号によって薄膜トランジスタ(TF
T)54をオープン状態にすることでソース電極S1、
S2、S3、…、Snより外部に取り出すことが可能で
ある。電極配線(ゲート電極52とソース電極53)、
薄膜トランジスタ(TFT)54、および電荷蓄積容量
(Cs)55などは、すべてXYマトリクス状に設けら
れているため、ゲート電極G1、G2、G3、…、Gn
に入力する信号を線順次に走査することで、二次元的に
X線の画像情報を得ることが可能となる。
【0012】なお、前記二次元画像検出器は、使用する
光導電膜56がX線などの放射線に対する光導電性だけ
でなく、可視光や赤外光に対しても光導電性を示す場合
は、可視光や赤外光の二次元画像検出器としても作用す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
放射線二次元検出器では、光導電膜56としてa−Se
を用いており、このa−Seは、アモルファス材料特有
の光電流の分散型伝導特性を有していることから応答性
が悪く、また、a−SeのX線に対する感度(S/N
比)が十分でないため、長時間X線を照射して電荷蓄積
容量(Cs)55を十分に充電してからでないと情報を
読み出すことができないといった欠点を持ち合わせてい
る。
【0014】また、X線の照射時に漏れ電流が原因で電
荷が電荷蓄積容量に蓄積することの防止、およびリーク
電流(暗電流)の低減や高電圧保護の目的で、光導電膜
(a−Se)56と上部電極58との間に誘電体層57
が設けられているが、この誘電体層57に残留する電荷
を1フレーム毎に除去するシーケンスを付加する必要が
あるため、前記放射線二次元検出器は静止画の撮影にし
か利用することができないといった問題を生じていた。
【0015】これに対し、動画に対応した画像データを
得るためには、a−Seの代わりに、結晶(もしくは多
結晶)材料で、かつX線に対する感度(S/N比)の優
れた光導電膜56を利用する必要がある。光導電膜56
の感度が向上すれば、短時間のX線照射でも電荷蓄積容
量(Cs)55を十分に充電できるようになり、また、
光導電膜56に高電圧を印加する必要がなくなるため、
誘電体層57自身も不要となる。
【0016】このような、X線に対する感度が優れた光
導電材料としては、CaTeやCdZnTeなどが知ら
れている。一般に、X線の光電吸収は吸収物質の実効原
子番号の5乗に比例するため、例えば、Seの原子番号
が34、CdTeの実効原子番号が50とすると、約
6.9倍の感度の向上が期待できる。ところが、前記放
射線二次元検出器の光導電膜として、a−Seの代わり
にCaTeやCdZnTeを利用しようとすると、以下
のような問題が生じる。
【0017】従来のa−Seの場合、成膜方法としては
真空蒸着法を用いることができ、この時の成膜温度は常
温で可能なため、上述のアクティブマトリクス基板上へ
の成膜が容易であった。これに対して、CdTeやCd
ZnTeの場合は、MBE法やMOCVD法による成膜
法が知られており、特に大面積基板への成膜を考慮する
とMOCVDが適した方法と考えられる。
【0018】しかしながら、MOCVD法でCdTeや
CdZnTeを成膜する場合、原料である有機カドミウ
ム(DMCd)の熱分解温度が約300℃、有機テルル
(DETeやDiPTe)の熱分解温度が各々約400
℃、約350℃であるため、成膜には約400℃の高温
が要求される。
【0019】一般に、アクティブマトリクス基板に形成
されている前述の薄膜トランジスタ(TFT)54は、
半導体層としてa−Si膜やp−Si膜を用いている
が、半導体特性を向上させるために300〜350℃程
度の成膜温度で水素(H2)を付加しながら成膜されて
いる。このようにして形成されるTFT素子の耐熱温度
は約300℃であり、TFT素子をこれ以上の高温に曝
すとa−Si膜やp−Si膜から水素が抜け出し半導体
特性が劣化してしまう。
【0020】したがって、上述のアクティブマトリクス
基板上に、MOCVD法を用いてCdTeやCdZnT
eを成膜することは、成膜温度の観点から事実上困難で
あった。
【0021】本発明は、上述したような問題点に臨みて
なされたものであって、その目的とするところは、アク
ティブマトリクス基板上に300℃以下の低温でCdT
eやCdZnTeなどの半導体材料を形成することで、
応答性がよく、動画像にも対応できる二次元画像検出器
およびその製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の二次元画像検出
器は、格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設
けられた複数のスイッチング素子と、該スイッチング素
子を介して前記電極配線に接続される画素電極を含む電
荷蓄積容量とからなる画素配列層と、前記画素配列層の
ほぼ全面に対向して形成される電極部と、前記画素配列
層および電極部の間に形成され、光導電性を有する半導
体層とを備えてなる二次元画像検出器において、前記画
素配列層を含むアクティブマトリクス基板と、前記電極
部および半導体層を含む対向基板とを備えており、前記
アクティブマトリクス基板の画素配列層と、前記対向基
板の半導体層とが対向するように両基板が配置されると
ともに、該両基板は、少なくとも一方の基板に形成され
た電極上に自己整合により配置された導電性材料によっ
て接続されていることを特徴としており、そのことによ
り、上記目的は達成される。
【0023】また、このとき、前記半導体層が、放射線
に対して感度を有することを特徴としている。
【0024】また、このとき、前記半導体層が、CdT
eもしくはCdZnTe化合物半導体であることを特徴
としている。
【0025】また、このとき、前記対向基板の半導体層
表面に、前記アクティブマトリクス基板上に形成されて
いる各画素電極に対応して、複数の接続電極が形成され
ていることを特徴としている。
【0026】また、このとき、前記各接続電極および各
画素電極のうち、少なくとも一方の電極の面積が、前記
自己整合により配置された導電性材料の接続面積よりも
大きいことを特徴としている。
【0027】また、このとき、前記対向基板の半導体層
表面に、前記アクティブマトリクス基板上に形成されて
いる各画素電極に対応して、複数の接続電極が形成され
ていることを特徴としている。
【0028】また、このとき、前記各接続電極の幅は、
隣接する画素電極間の距離よりも小さいことを特徴とし
ている。
【0029】また、このとき、前記対向基板は、光導電
性を有する半導体層自身が支持基板であることを特徴と
している。
【0030】また、このとき、前記対向基板は、検出す
る光や放射線を透過する基板を支持基板とし、該支持基
板上に光導電性を有する半導体膜が形成されていること
を特徴としている。
【0031】本発明の二次元画像検出器の製造方法は、
格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられ
た複数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介
して前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積
容量とからなる画素配列層と、前記画素配列層のほぼ全
面に対向して形成される電極部と、前記画素配列層およ
び電極部の間に形成され、光導電性を有する半導体層と
を備えてなる二次元画像検出器の製造方法において、前
記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板を作製す
る工程と、前記電極部および半導体層を含む対向基板を
作製する工程と、前記アクティブマトリクス基板および
対向基板のどちらか一方を樹脂および導電粒子を分散し
て得た電解液中に浸漬し、電着法により導電粒子を取り
込んだ樹脂層を該基板に形成された電極上に積層するこ
とにより、導電性材料を該電極上に直接形成する工程
と、を含むことを特徴としており、そのことにより、上
記目的は達成される。
【0032】本発明の二次元画像検出器の製造方法は、
格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられ
た複数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介
して前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積
容量とからなる画素配列層と、前記画素配列層のほぼ全
面に対向して形成される電極部と、前記画素配列層およ
び電極部の間に形成され、光導電性を有する半導体層と
を備えてなる二次元画像検出器の製造方法において、前
記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板を作製す
る工程と、前記電極部および半導体層を含む対向基板を
作製する工程と、前記アクティブマトリクス基板および
対向基板のどちらか一方を導電性高分子形成能を有する
モノマーを溶解して得た電解液中に浸漬し、電解酸化重
合により導電性高分子を該基板に形成された電極上に電
析させることにより、導電性材料を該電極上に直接形成
する工程と、を含むことを特徴としており、そのことに
より、上記目的は達成される。
【0033】なお、このとき、前記導電性材料を基板上
に形成したのち、該アクティブマトリクス基板および対
向基板を減圧プレス方式でプレスしながら加熱処理を施
して接続することを特徴としている。
【0034】また、このとき、前記導電性材料を基板上
に形成したのち、該アクティブマトリクス基板および対
向基板を加圧プレス方式でプレスしながら加熱処理を施
して接続することを特徴としている。
【0035】さらに、このとき、前記導電性材料を基板
上に形成したのち、該アクティブマトリクス基板および
対向基板を加熱ローラー間を通すことにより接続するこ
とを特徴としている。
【0036】以下、本発明の二次元画像検出器およびそ
の製造方法による作用について説明する。
【0037】本発明の二次元画像検出器によれば、格子
状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられた複
数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介して
前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積容量
とからなる画素配列層とを含むアクティブマトリクス基
板と、光導電性を有する半導体層がほぼ全面に具備され
た対向基板とが、少なくとも一方の基板に形成された電
極上に自己整合により配置された導電性材料によって接
続されていることにより、従来半導体層の成膜温度とア
クティブマトリクス基板の耐熱性との関係で、アクティ
ブマトリクス基板上に直接成膜することができなかった
半導体材料を、前記半導体層として使用することが可能
になる。
【0038】このとき、パターニングを行うことなく導
電性材料を電極上に選択的に配置することが可能である
ため、両基板の電極間のみに限定した電気的接続が可能
となり、隣り合う画素電極同士の電気的絶縁性を確保す
ることができ、隣り合う画素電極同士のクロストークの
発生を防ぐことが可能になる。
【0039】また、前記二次元画像検出器において、前
記半導体層が放射線に対して感度を有していることによ
り、放射線に対する二次元画像検出器を実現することが
可能になる。なお、このような構成により使用可能な半
導体材料としては、例えば、CdTeもしくはCdZn
Te化合物半導体が挙げられるが、これらの半導体材料
は、従来用いられていたa−Seに比べて、X線などの
放射線に対する感度が高く、前記半導体層にCdTeも
しくはCdZnTe化合物半導体を用いる場合には、二
次元画像検出器の応答性が向上し、動画の撮影も可能に
なる。
【0040】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることにより、対向基板上の
半導体層における画素電極間が電気的に分離され、放射
線や光線の入射によって半導体層内で発生した電荷が入
射位置に対応した接続電極にのみ収集され、周囲の画素
電極に回り込むことがなくなるため、電気的クロストー
クを抑制することが可能になる。
【0041】また、前記二次元画像検出器において、前
記各接続電極および各画素電極のうち、少なくとも一方
の電極の面積が、前記自己整合により配置された導電性
材料の接続面積よりも大きく構成されていることによ
り、アクティブマトリクス基板と対向基板との貼り合わ
せの際に位置ずれが生じた場合であっても、隣り合う画
素電極同士の電気的クロストークを抑制することが可能
になる。
【0042】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることにより、1つの画素電
極に対応する複数の対向電極がアクティブマトリクス基
板と対向基板との貼り合わせ位置により任意に決定され
ることになり、アクティブマトリクス基板と対向基板と
の貼り合わせの際に微細な位置合わせを行う必要がなく
なる。
【0043】また、前記二次元画像検出器において、前
記各接続電極の幅が、隣接する画素電極間の距離よりも
小さく構成されていることにより、アクティブマトリク
ス基板と対向基板との貼り合わせの際に位置ずれが生じ
た場合であっても、隣り合う画素電極同士の電気的クロ
ストークを抑制することが可能になる。
【0044】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板が光導電性を有する半導体層自身を支持基板
にしていることにより、ブリッジマン法やグラディエン
トフリーズ法、トラベルヒーティング法などによって得
られる結晶性半導体基板を利用することが可能になる。
【0045】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板が検出する光や放射線を透過する基板を支持
基板とし、該支持基板上に光導電性を有する半導体膜を
形成していることにより、対向基板自身の強度を増すこ
とが可能になる。
【0046】本発明の二次元画像検出器の製造方法によ
れば、アクティブマトリクス基板と対向基板とのどちら
か一方を樹脂および導電粒子を分散して得た電解液中に
浸漬し、電着法により導電粒子を取り込んだ樹脂層を該
基板に形成された電極上に積層することで、導電性材料
を該電極上に直接形成していることにより、パターニン
グなどの処理を行うことなく、極めて容易に自己整合す
ることができ、製造工程を大幅に短縮することが可能に
なる。
【0047】本発明の二次元画像検出器の製造方法によ
れば、アクティブマトリクス基板および対向基板のどち
らか一方を導電性高分子形成能を有するモノマーを溶解
して得た電解液中に浸漬し、電解酸化重合により導電性
高分子を該基板に形成された電極上に電析させることに
より、導電性材料を該電極上に直接形成していることに
より、パターニングなどの処理を行うことなく、極めて
容易に自己整合することができ、製造工程を大幅に短縮
することが可能になるとともに、接続材料である高分子
そのものが導電性を有するため、導電粒子などを混入さ
せることにより導電性を付加する必要がなく、また、通
電電荷量による膜厚の制御およびドーパントの付加によ
る電導度の制御が可能になる。
【0048】また、前記二次元画像検出器の製造方法に
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を減圧プレス(真空プ
レス)方式でプレスしながら加熱処理を施して貼り合わ
せていることにより、大面積のアクティブマトリクス基
板と対向基板との貼り合わせの際でも、均一にプレスす
ることが可能になる。
【0049】また、前記二次元画像検出器の製造方法に
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を加圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせていることに
より、汎用的な熱プレス装置を使用することができ、例
えば使用する樹脂の接着に1kgf/cm2以上のプレ
ス圧を必要とする場合であっても容易に対応することが
可能になる。
【0050】また、前記二次元画像検出器の製造方法に
おいて、前記導電性材料を基板上に形成したのち、該ア
クティブマトリクス基板および対向基板を加熱ローラー
間を通すことにより接続していることにより、大面積の
アクティブマトリクス基板と対向基板との貼り合わせの
際でも、大規模な油圧プレス装置などを必要とすること
なく容易に貼り合わせすることが可能になる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て 図面を参照しながら詳細に説明する。
【0052】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る二次元画像検出器を示すものであり、該二
次元画像検出器の全体構成の概略を示す断面図であり、
図2は、その二次元画像検出器の1画素当たりの構成を
示す断面図である。
【0053】本実施の形態1における二次元画像検出器
は、図1に示すように、スイッチング素子としての薄膜
トランジスタ(TFT)5と画素電極14とが形成され
たアクティブマトリクス基板1と、接続電極6が形成さ
れた対向基板2とが、導電性接着剤3により貼り合わさ
れた構成となっている。
【0054】このアクティブマトリクス基板1は、液晶
表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマトリ
クス基板と同じプロセスで形成することが可能である。
具体的に説明すれば、図2に示すように、ガラス基板7
上に、XYマトリクス状の電極配線(ゲート電極8とソ
ース電極9)、薄膜トランジスタ(TFT)5、蓄積容
量電極(Cs電極)4などにより画素配列層が構成され
ている。
【0055】前記ガラス基板7には、無アルカリガラス
基板(例えばコーニング社製#7059や#1737)
を用い、その上にTaなどの金属膜からなるゲート電極
8を形成する。このゲート電極8は、Taなどをスパッ
タ蒸着で約3000Å成膜した後、所望の形状にパター
ニングして得られる。この際、同時に蓄積容量電極(C
s電極)4も形成する。次に、SiNxやSiOxから
なる絶縁膜11を、CVD法で約3500Å成膜して形
成する。この絶縁膜11は、前記薄膜トランジスタ(T
FT)5のゲート絶縁膜および電荷蓄積容量(Cs)4
の電極間の誘電層として作用する。なお、絶縁膜11と
して、SiNxやSiOxだけでなく、ゲート電極8と
Cs電極4とを陽極酸化した陽極酸化膜を併用してもよ
い。
【0056】次に、薄膜トランジスタ(TFT)5のチ
ャネル部となるa−Si膜(i層)12と、ソース・ド
レイン電極とのコンタクトを図るa−Si膜(n+層)
13とを、CVD法で各々約1000Å、約400Å成
膜した後、所望の形状にパターニングする。次に、Ta
やAlなどの金属膜からなるソース電極9とドレイン電
極(画素電極14にも兼用)とを形成する。このソース
電極9と画素電極14とは、前記金属膜をスパッタ蒸着
で約3000Å成膜した後、所望の形状にパターニング
することで得られる。
【0057】その後、画素電極14の開口部以外の領域
を絶縁保護する目的で、絶縁保護膜15を形成する。こ
の絶縁保護膜15は、SiNxやSiOxからなる絶縁
膜をCVD法で約6000Å成膜した後、所望の形状に
パターニングすることで得られる。なお、この絶縁保護
膜15には、無機の絶縁膜の他に、アクリルやポリイミ
ドなどの有機膜を使用することも可能である。このよう
にして、アクティブマトリクス基板1が形成される。
【0058】なお、ここでは、前記アクティブマトリク
ス基板1のTFT素子として、a−Siを用いた逆スタ
ガ構造のTFT5を用いたが、これに限定されるもので
はなく、p−Siを用いても良いし、スタガ構造にして
も良い。
【0059】一方、対向基板2は、X線などの放射線に
対して光導電性を有する半導体基板(光導電体基板)1
6を支持基板としている。ここでは、CdTeもしくは
CdZnTeといった化合物半導体を用いる。前記半導
体基板16の厚みは約0.5mmである。この半導体基
板16は、ブリッジマン法やグラディエントフリーズ
法、トラベルヒーティング法などによって、容易に結晶
基板を形成することが可能である。前記半導体基板16
の一方の面のほぼ全面に、AlなどのX線を透過しやす
い金属によって上部電極17を形成する。また、他方の
面には、厚さ約1000ÅのAlOxからなる絶縁層で
ある電子阻止層18をほぼ全面に形成した後、TaやA
lなど金属膜をスパッタ蒸着で約2000Å成膜し、所
望の形状にパターニングすることで接続電極6を形成す
る。前記接続電極6は、アクティブマトリクス基板に形
成された画素電極14と対応する位置に形成される。
【0060】次に、上述したようなプロセスによって形
成された両基板(アクティブマトリクス基板1および対
向基板2)のうち、アクティブマトリクス基板1側の画
素電極14上に、電着法によって導電性材料を形成す
る。なお、本実施の形態1では、導電性材料として接着
性を有する導電性接着剤3を用いた。その後、画素電極
14と接続電極6とが各々対向するように向かい合わ
せ、熱圧着することにより前記両基板が電気的および物
理的に接続され、本実施の形態1における二次元画像検
出器が形成される。
【0061】ここで、図2および図3を用いて、上述し
た二次元画像検出器の動作原理について説明する。図3
は、本実施の形態1における二次元画像検出器の1画素
当たりの等価回路を示す回路図である。
【0062】CdTeやCdZnTeからなる半導体基
板(光導電体基板)16にX線が入射すると、光導電効
果によりこの半導体基板16に電荷(電子−正孔)が発
生する。この時、蓄積容量電極(Cs電極)4と半導体
基板16とは、画素電極14/導電性接着剤3/接続電
極6を介して直列に接続された構造になっているので、
上部電極17とCs電極4との間に電圧を印加しておく
と、半導体基板16内で発生した電荷(電子−正孔)が
それぞれ+電極側と−電極側に移動し、その結果、電荷
蓄積容量(Cs)に電荷が蓄積される仕組みになってい
る。
【0063】なお、半導体基板16と接続電極6との間
には、薄い絶縁層からなる電子阻止層18が形成されて
おり、これが一方側からの電荷の注入を阻止するMIS
(Metal−Insulator−semicond
uctor)構造の阻止型フォトダイオードの役割を果
たしており、X線が入射しない時の暗電流の低減に寄与
している。すなわち、上部電極17側に正電圧を印加し
た場合、電子阻止層18は接続電極6から半導体基板
(光導電体)16への電子の注入を阻止する働きをす
る。なお、半導体基板(光導電体)16と上部電極17
との間にも絶縁層を設け、上部電極17から半導体基板
(光導電体)16への正孔の注入も阻止し、更なる暗電
流低減を図る場合もある。
【0064】この阻止型フォトダイオードの構造として
は、前記MIS構造の他にも、PIN接合構造、ショッ
トキー接合構造を用いることも、もちろん可能である。
【0065】前記の作用により、蓄積容量電極(Cs電
極)4に蓄積された電荷は、ゲート電極8の入力信号に
よって薄膜トランジスタ(TFT)5をオープン状態に
することでソース電極9より外部に取り出すことが可能
である。電極配線(ゲート電極8とソース電極9)、薄
膜トランジスタ(TFT)5、蓄積容量電極(Cs電
極)4などは、従来例の図8にも示すように、すべてX
Yマトリクス状に設けられているため、ゲート電極G
1、G2、G3、…、Gnに入力する信号を線順次に走
査することで、二次元的にX線の画像情報を得ることが
可能となる。このように、基本的な動作原理は、従来例
に示した画像検出器と同様である。
【0066】前記のごとく、本実施の形態1における二
次元画像検出器は、格子状の電極配線と各格子点毎に設
けられた複数の薄膜トランジスタ(TFT)5と複数の
画素電極14とが具備されたアクティブマトリクス基板
1と、光導電性を有する半導体基板16がほぼ全面に具
備された対向基板とが、導電性材料3により電気的およ
び物理的に接着されている構成である。
【0067】したがって、従来の画像検出器のように、
光導電半導体を直接アクティブマトリクス基板上に成膜
する場合に問題となっていた、アクティブマトリクス基
板の耐熱性に起因する光導電体の成膜温度の制限が、本
実施の形態1の構成では緩和される。この結果、従来で
はアクティブマトリクス基板上に直接成膜できなかった
半導体材料を、容易に画像検出器に使用することが可能
になる。
【0068】この場合、アクティブマトリクス基板の耐
熱性から、導電性材料3の硬化に要する温度が制限され
ることになる。しかしながら、通常アクティブマトリク
ス基板は250℃程度の耐熱性を有していることから、
この温度以下で硬化が促進する導電性材料を選びさえす
ればよく、前記半導体材料にCdTeやCdZnTeを
使用するうえでは全く障害にはならない。
【0069】また、前記理由により、半導体基板(光導
電体基板)16としてCdTeやCdZnTeを用いる
ことができるため、従来のa−Seを用いた二次元画像
検出器に比べてX線に対する感度が向上するとともに、
半導体基板16と上部電極17間に誘電体層を設ける必
要がなくなり、動画に対応する画像データ、すなわち3
3msec/framのレートで画像データを得ること
が可能になった。
【0070】また、前記構造の二次元画像検出器は、半
導体基板16の貼り合わせ面に、アクティブマトリクス
基板1上に形成されている複数の画素電極14に対応し
て各画素毎に独立された接続電極6が形成されている。
これにより、対向基板2の半導体基板16上の画素間が
電気的に分離され、放射線や光線の入射により半導体基
板16内で発生した電荷が、入射位置に対応した接続電
極6にのみ収集され、周囲の画素に回り込むことなく電
気的クロストークが抑制される。
【0071】さらに、図に示すように、両基板(アクテ
ィブマトリクス基板1および対向基板2)を接続する導
電性材料3の接続面積は、対向基板2上の接続電極6の
面積よりも小さく構成されていることにより、アクティ
ブマトリクス基板1と対向基板2との貼り合わせ時に位
置ずれが生じたとしても、隣接画素との電気的クロスト
ークを抑制することが可能になる。本実施の形態1で
は、導電性材料3の接続面積を一辺が約80μmのほぼ
正方形とし、接続電極6の形状を一辺が約120μmの
ほぼ正方形とすることにより、アクティブマトリクス基
板1および対向基板2の貼り合わせ時の位置ずれに対し
て、±20μmのマージンを確保することができた。
【0072】なお、本実施の形態1では、最初に導電性
材料3をアクティブマトリクス基板1側の画素電極14
上に電着法により層形成した後に対向基板2を貼り合わ
せた例を示したが、最初に対向基板2側の接続電極6上
に電着法により層形成した後にアクティブマトリクス基
板1を貼り合わせる場合には、両基板を接続する導電性
材料3の接続面積は、画素電極14の面積よりも小さく
構成しておくとよい。
【0073】次に、本実施の形態1で用いる導電性材料
3について、さらに詳細に説明する。上述したように、
本実施の形態1では、樹脂を電着法により基板電極上に
積層する際に、導電粒子を取り込むことにより樹脂層に
導電性を付加している。
【0074】以下、具体的に説明すると、使用する高分
子樹脂は親水性基、例えばカルボキシル基などの酸性基
を有しており、無機アルカリ、有機アミンなどの塩基で
中和、水溶化することにより水溶化または水分散化され
て負に荷電する。水溶化した高分子の水溶液に導電粒子
を分散させた電解液に、アクティブマトリクス基板1を
浸漬し、電極に電圧を印加すると水溶液中で解離してい
る例えばカルボキシルアニオンが電気泳動し、基板電極
上すなわちアノード上で水の電気分解により生じたプロ
トンと反応することによって、高分子樹脂が不溶化、析
出する。その際に電極付近に分散している導電粒子が樹
脂中に取り込まれることになる。
【0075】また、親水性基にアミノ酸などの塩基性基
を用い、酸により中和、水溶化すれば逆にカソード上で
高分子の析出が見られることになる。なお、水溶性或い
は水分散性でない樹脂を用いる場合には、レドックス反
応性を有する界面活性剤のミセル溶液中に樹脂および導
電粒子を分散させた電解液を用いて、前記と同様の電着
法を行うことも可能である。
【0076】また、使用する高分子樹脂としては、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキ
ッド樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられるが、本実
施の形態1では、アニオン性アクリル樹脂を用いた。ま
た、使用できる導電粒子としては、Au、Agなどの金
属粒子にNiメッキを施した金属粒子、ITOなどの透
明導電粒子、あるいはカーボンの粉末、金属の粉末など
が挙げられが、本実施の形態1では、ITO微粒子を使
用した。
【0077】なお、電着法を用いて導電性を有する樹脂
を電極上に選択的に配置することにより、両基板の電極
間に限定した電気的および物理的な接続が可能であり、
これにより、画素毎に電気絶縁性が確保され、隣接画素
同士のクロストークの発生を確実に抑えることが可能と
なっている。
【0078】以下に、前記導電性材料3を用いて、アク
ティブマトリクス基板1と対向基板2とを貼り合わせる
際の具体的な方法について説明する。図4(a)〜
(c)は、両者の基板の貼り合わせプロセスを示す図面
である。
【0079】先ず、図4(a)に示すように、一般的な
手法(例えば、特開平8−292314号公報など)に
より合成されたアニオン性アクリル樹脂とITO微粒子
を分散させた電解液に、アクティブマトリクス基板1お
よび白金板を浸漬する。
【0080】次に、図4(b)に示すように、画素電極
14をアノード電極、白金板をカソード電極として電解
を行い、画素電極14上にITO微粒子を取り込んだ樹
脂層を形成する。
【0081】その後、図4(c)に示すように、両基板
1、2を僅かな間隔を設けた状態で対向配置させ、両者
の位置合わせ(アライメント)を行って、減圧(真空)
プレス装置を用いて加熱プレス処理を行う。減圧(真
空)プレス方法とは、プレスすべき基板1、2間の隙間
を減圧することで、外部からの大気圧を利用してプレス
を行う方法であり、大面積基板同士を貼り合わせる際で
も、均一にプレスすることが可能となる。
【0082】具体的に説明すると(図面は省略)、まず
定盤として使用する土台(ステージ)に、プレス対象と
なる両基板1、2を載せ、さらにその上にフィルムシー
トを覆い被せる。次に、土台に設けられた穴から排気を
行うことで、土台とフィルムシートとの間を減圧する。
本実施の形態1の場合には、両基板(アクティブマトリ
クス基板1と対向基板2)の間隙は、ほぼ樹脂層の厚み
に相当する隙間が形成されているが、その隙間について
も減圧されることになる。この結果、両基板1、2は、
フィルムシートを介して大気圧でプレスされることにな
る。
【0083】このようにして、減圧(真空)プレス装置
を用いて両基板1、2をプレスした状態で、装置自身を
オーブンなどを利用して約160℃以上に加熱すること
により、導電性材料3よる両基板1、2の接着が完了す
る。なお、土台の内部にヒーターを内臓しておき、その
ヒーターで加熱する方法を利用してもよい。
【0084】なお、減圧(真空)プレス装置を用いる
と、大気圧を利用してプレスを行うことができるため、
大面積基板同士を貼り合わせる際でも、均一にプレスす
ることが可能となる。ちなみに、一般的な剛体を用いた
加圧プレスの場合、プレスされる基板表面の平坦性と、
プレスする剛体表面の平坦性とが合致しない場合、面内
でのプレス圧にばらつきが生じる場合があり、このよう
なばらつきは、特に基板サイズが大きくなるほど顕著に
表れる傾向がある。
【0085】ただし、減圧(真空)プレス方式は、大気
圧を利用するプレス方法であるため、大気圧(1kgf
/cm2)以上のプレス圧を得ることはできない。した
がって、用いる導電性材料3が1kgf/cm2以上の
プレス圧を必要とする場合には、油圧プレスなどを用い
た加圧プレス装置を使用する必要がある。このような加
圧プレス装置を用いれば、1kgf/cm2以上のプレ
ス圧を容易に得ることが可能である。
【0086】また、加熱ローラーを用いて両基板を貼り
合わせる方法もあり、この場合は、対向配置された両基
板1、2を一方端から接着剤の硬化温度に加熱されたゴ
ム製のローラー間に徐々に通して行く。このとき、基板
を急激に加熱すると熱割れを生じることがあるため、ロ
ーラー加熱を行う前に余熱を与えておくか、または低温
用と高温用の2種類以上の加熱ローラーを用いて段階的
に加熱を行うことが望ましい。
【0087】なお、ローラーを用いた加熱処理を行う
と、大面積のアクティブマトリクス基板1と対向基板2
との貼り合わせの際でも、大規模な油圧プレス装置など
を必要としないため、接着工程および装置を容易にする
ことが可能となる。例えば、用いる導電性材料3が10
kgf/cm2のプレス圧を必要とする場合、40cm
×50cm程度のサイズの基板同士に油圧プレス装置で
全面プレスを施そうとすれば、20000kgfものプ
レス力が必要になってしまうため大規模なプレス装置が
必要となるが、上述したようにローラーによって順次加
圧を施すような方法によれば、200〜500kgf程
度のプレス力で両基板を貼り合わせることが可能とな
り、装置も大幅に簡略化することができる。
【0088】(実施の形態2)本発明に係る二次元画像
検出器の作製時に用いられる導電性材料の作製プロセス
は、上述したようなプロセスに限定されるものではな
く、上述した実施の形態1で示した二次元画像検出器の
他の作製プロセスについて以下に説明する。なお、本実
施の形態2では、導電性高分子を電解酸化重合により基
板電極上に直接形成することにより、両基板の電極間を
電気的および物理的に接続した。
【0089】ここで使用する高分子樹脂としては、それ
自身が導電能力を持つ(電子伝導性)高分子であるポリ
アセチレン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、
ポリピロール、ポリチオフェンなどが挙げられる。
【0090】以下に、導電性高分子としてポリアニリン
を用いて、アクティブマトリクス基板1と対向基板2と
を貼り合わせる際の具体的な方法について説明する。な
お、ここではアクティブマトリクス基板側の電極上に導
電性高分子を形成する例を説明するが、この点について
は対向基板側の電極上に導電性高分子を形成しても構わ
ない。
【0091】先ず、アニリン0.5mol/lと硫酸
0.5mol/lとを混合した電解液に、アクティブマ
トリクス基板1および白金板を浸漬する。
【0092】次に、画素電極14をアノード電極、白金
板をカソード電極として、電流密度100μA/cm2
で約10分間の通電を行い、画素電極14上にポリアニ
リン膜を重合する。
【0093】その後、両基板1、2を僅かな間隔を設け
た状態で対向配置させ、両者の位置合わせ(アライメン
ト)を行って、減圧(真空)プレス装置を用いて加熱プ
レス処理を行う。なお、具体的なプレス処理方法につい
ては、実施の形態1と同様である。
【0094】ここで、導電性を高めたい場合には、必要
に応じてドーピング処理を行うとよい。一般的に、ドー
ピングされる化合物としては、例えばハロゲン化物類
(ヨウ素、臭素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素など)、ルイ
ス酸(五フッ化ヒ素、五フッ化りん、五フッ化アンチモ
ン、二フッ化ホウ素、二塩化ホウ素、二臭化ホウ素、二
酸化硫黄など)、ブレンステッド酸類(フッ化水素、塩
化水素、フッ化スルホン酸、塩化スルホン酸、過塩素
酸、トリフルオロメタスルホン酸、トリエンスルホン酸
など)、遷移金属塩化物類(塩化第二鉄、四塩化チタン
など)、有機化合物(テトラシアノエチレン、テトラフ
ルオロテトラシアノキノジメタン、テトラフルオロベン
ゾキノンなど)が挙げられる。本実施の形態2では、P
ka値が4.8以上であるプロトン酸あるいはその溶液
中に浸漬して、プロトン酸によるドーピングを行う方法
やヨウ素の蒸気に曝すことにより、ドーピングを行っ
た。
【0095】本実施の形態2では、基本的には上述した
実施の形態1と同様の効果が得られるが、それに加え
て、ポリマーの生成量を通電電荷量によってコントロー
ルすることができるため、電極上に重合される導電性高
分子の膜厚制御が可能となり、また、ドーピング処理に
より電導度(抵抗値)を制御することも可能となってい
る。
【0096】(実施の形態3)本発明に係る二次元画像
検出器に用いられる対向基板は、図2に示した構造に限
定されるものではなく、上述した実施の形態1で示した
二次元画像検出器の他の構成について以下に説明する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る二次元画像検出器
を示すものであり、該二次元画像検出器の全体構成の概
略を示す断面図である。
【0097】なお、本実施の形態3に係る二次元画像検
出器の構成は、図2に示した本実施の形態1に係る二次
元画像検出器の構成と類似しているため、図2で用いた
部材と同一の機能を有する部材については同一の部材番
号を付記し、その説明を省略する。
【0098】本実施の形態3に係る二次元画像検出器
は、図6に示すように、アクティブマトリクス基板1上
に形成された1つの画素電極14に対応して、対向基板
2上の接続電極6が複数個形成されている。また、導電
性材料3の接続面積が、画素電極14の面積とほぼ等し
くなるように構成されている。そして、その他の製造方
法や基本的な動作原理については、上述した実施の形態
1と同様である。
【0099】本実施の形態3に係る二次元画像検出器
は、このような構造の対向基板2を用いていることによ
り、両基板(アクティブマトリクス基板1および対向基
板2)を貼り合わせる際に、各画素電極14に対応する
複数の接続電極6は、貼り合わせの位置に応じて任意に
決定されることになる。したがって、両基板の貼り合わ
せ時に位置ずれが生じたとしても支障はなく、微細な位
置合わせを不用にすることが可能となる。
【0100】このとき、隣接画素電極14間のリークを
防ぐために、接続電極6の電極幅aは、画素電極14の
電極間距離bよりも小さい方が好ましい。また、例えば
X線の入射により半導体内で発生した電荷を効率よく吸
収し、対応する画素電極14に正確に接続するために
は、接続電極6の有効面積は可能な限り大きい方が好ま
しい。本実施の形態3では、画素電極14および導電性
材料3の接続面積を一辺が約120μmの正方形(約1
50μmピッチ)とし、接続電極6の一辺を約10μm
の正方形(約15μmピッチ)として二次元画像検出器
を作製した。
【0101】(実施の形態4)本発明に係る二次元画像
検出器に用いられるアクティブマトリクス基板は、図2
に示した構造に限定されるものではなく、上述した実施
の形態1で示した二次元画像検出器の他の構成について
以下に説明する。図6は、本発明の実施の形態4に係る
二次元画像検出器を示すものであり、該二次元画像検出
器の1画素当たりの構成を示す断面図である。
【0102】なお、本実施の形態4に係る二次元画像検
出器の構成は、図2に示した本実施の形態1に係る二次
元画像検出器の構成と類似しているため、図2で用いた
部材と同一の機能を有する部材については同一の部材番
号を付記し、その説明を省略する。
【0103】図6に示すように、本実施の形態4におけ
る二次元画像検出器は、本実施の形態1に係る二次元画
像検出器と同様に、ガラス基板7上にXYマトリクス状
の電極配線(ゲート電極8とソース電極9)、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)5、蓄積容量電極(Cs電極)4な
どが形成されている。
【0104】このガラス基板7には、無アルカリガラス
基板(例えばコーニング社製#7059や#1737)
を用い、その上にTaなどの金属膜からなるゲート電極
8を形成する。ゲート電極8は、Taなどをスパッタ蒸
着で約3000Å成膜した後、所望の形状にパターニン
グして得られる。この際、同時に蓄積容量電極(Cs電
極)4も形成される。次に、SiNxやSiOxからな
る絶縁膜11をCVD法で約3500Å成膜して形成す
る。この絶縁膜11は、前記薄膜トランジスタ(TF
T)5のゲート絶縁膜および蓄積容量(Cs)の電極間
の誘電層として作用する。なお、絶縁膜11として、S
iNxやSiOxだけでなく、ゲート電極8とCs電極
4とを陽極酸化した陽極酸化膜を併用してもよい。
【0105】次に、薄膜トランジスタ(TFT)5のチ
ャネル部となるa−Si膜(i層)12と、ソース・ド
レイン電極とのコンタクトを図るa−Si膜(n+層)
13とをCVD法で各々約1000Å、約400Å成膜
した後、所望の形状にパターニングする。次に、Taや
Alなどの金属膜からなるソース電極9とドレイン電極
41とを形成する。このソース電極9とドレイン電極4
1とは、上記金属膜をスパッタ蒸着で約3000Å成膜
した後、所望の形状にパターニングすることで得られ
る。
【0106】その後、アクティブマトリクス基板1のほ
ぼ全面を覆う形で、絶縁保護膜42を約3μmの厚みで
コートする。この絶縁保護膜42には、感光性を有する
有機絶縁膜、例えばアクリル樹脂などを用いる。その
後、絶縁保護膜42をフォトリソグラフィ技術でパター
ニングし、所定の場所にスルーホール43を形成する。
次に、絶縁保護膜42の上に、Al、Ti、ITOなど
の導電膜からなる画素電極14をスパッタ蒸着法で約2
000Å成膜し、所望の形状にパターニングする。この
時、保護絶縁膜42に設けたスルーホール43を介し
て、画素電極14と薄膜トランジスタ(TFT)5のド
レイン電極41とを電気的に接続する。
【0107】上述したような構造のアクティブマトリク
ス基板1を、実施の形態1と同様に、X線に対して光導
電性を有する半導体基板(光導電体基板)16を支持基
板とする対向基板2と導電性材料3で貼り合わせること
で、本実施の形態4における二次元画像検出器は完成す
る。実施の形態1に記載の二次元画像検出器と比較する
と、アクティブマトリクス基板1の構造が若干異なるだ
けで、二次元画像検出器としての基本的な動作原理は同
じである。
【0108】以上のように、本実施の形態4に係る二次
元画像検出器は、アクティブマトリクス基板1のほぼ全
表面を有機絶縁膜からなる絶縁保護膜42で覆った構成
となっているため、該絶縁保護膜42が下地基板(ガラ
ス基板7上にXYマトリクス状の電極配線やTFT5が
形成されている状態のもの)の平坦化効果をもたらす。
すなわち、図2に示した本実施の形態1の構成では、T
FT5やXYマトリクス状の電極配線によりアクティブ
マトリクス基板1の表面に1μm程度の凹凸が生じる
が、本実施の形態4では、図6に示すように、絶縁保護
膜42によって下地基板の表面が平坦化されるため、ア
クティブマトリクス基板1表面の凹凸は約0.2μm程
度に抑えられる。
【0109】また、本実施の形態4の構成では、画素電
極14をTFT5や電極配線の上にオーバーラップさせ
た状態で形成させることができるため、画素電極14の
設計マージンを大きくとることが可能となっている。
【0110】(実施の形態5)本発明に係る二次元画像
検出器に用いられる対向基板は、図2に示した構造に限
定されるものではなく、上述した実施の形態1で示した
二次元画像検出器の他の構成について以下に説明する。
図7は、本発明の実施の形態5に係る二次元画像検出器
を示すものであり、該二次元画像検出器の1画素当たり
の構成を示す断面図である。
【0111】なお、本実施の形態5に係る二次元画像検
出器の構成は、図2に示した本実施の形態1に係る二次
元画像検出器の構成と類似しているため、図2で用いた
部材と同一の機能を有する部材については同一の部材番
号を付記し、その説明を省略する。
【0112】図7に示すように、ここで用いる対向基板
2は、支持基板46と、該支持基板46上に成膜される
半導体膜(半導体層)47とによって主に構成されてい
る。具体的には、支持基板46としては、X線や可視光
に対して透過性を有する基板を用いる必要があり、ガラ
ス、セラミック、シリコン基板などを用いることができ
る。なお、ここでは、X線と可視光の両者に対して透過
性の優れた、厚みが0.7〜1.1mmのガラス基板を
用いている。このような基板であれば、40〜100k
eVのX線をほとんど透過する。
【0113】まず、支持基板46の一方の面のほぼ全面
に、Ti、Agなどの金属によって上部電極17を形成
する。但し、この二次元画像検出器を可視光による像の
検出に用いる場合には、前記上部電極17として可視光
に対して透明なITO電極を用いる。
【0114】次に、この上部電極17上に半導体膜47
として、MOCVD法を用いてCdTeやCdZnTe
の多結晶膜を約0.5mmの厚みで形成する。MOCV
D法は、大面積基板への成膜に適しており、原料である
有機カドミウム(ジメチルカドミウム[DMCd]な
ど)、有機テルル(ジエチルテルル[DETe]やジイ
ソプロピルテルル[DiPTe]など)、有機亜鉛(ジ
エチル亜鉛[DEZn]やジイソプロピル亜鉛[DiP
Zn]やジメチル亜鉛[DMZn]など)を用いて、4
00〜500℃の成膜温度で成膜が可能である。
【0115】更にその上に、AlOxの薄い絶縁層から
なる電子阻止層18を、ほぼ全面に形成した後、Taや
Alなど金属膜を約2000Å成膜し所望の形状にパタ
ーニングすることで接続電極6を形成する。この接続電
極6は、アクティブマトリクス基板1に形成された画素
電極14と対応する位置に形成するとよい。
【0116】前記構造の対向基板2を、実施の形態1と
同様に、アクティブマトリクス基板1と導電性材料3で
貼り合わせることで、本実施の形態5における二次元画
像検出器が完成する。これを実施の形態1に記載の二次
元画像検出器と比較すると、対向基板の構造が若干異な
るだけで、その基本的な動作原理は同じである。
【0117】前記構造の対向基板2を用いると、支持基
板46上に光導電性を有する半導体膜47を形成してい
るので、実施の形態1に記載の対向基板に比べて、力学
的強度を増すことが可能になる。したがって、対向基板
とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせる際に、対
向基板が割れにくくなり、プロセスマージンが増大す
る。
【0118】また、この二次元画像検出器の使用目的を
X線による像の検出に限定すれば、X線を透過しやすい
金属基板を用いて、支持基板46と上部電極17とを兼
用させることも可能である。
【0119】なお、上述したような実施の形態1〜5で
は、主にX線(放射線)に対する二次元画像検出器の場
合について説明してきたが、使用する半導体(光導電
体)がX線などの放射線に対する光導電性だけでなく、
可視光や赤外光に対しても光導電性を示す場合は、可視
光や赤外光の二次元画像検出器として使用することも可
能である。ただし、この場合は、半導体(光導電体)か
らみて光入射側に配置される上部電極17の材料として
は、ITOなどの可視光や赤外光を透過する透明電極を
材料として用いる必要がある。また、半導体(光導電
体)の厚みも、可視光、赤外光の吸収効率に応じて最適
化する必要がある。
【0120】
【発明の効果】本発明の二次元画像検出器によれば、格
子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられた
複数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介し
て前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積容
量とからなる画素配列層とを含むアクティブマトリクス
基板と、光導電性を有する半導体層がほぼ全面に具備さ
れた対向基板とが、少なくとも一方の基板に形成された
電極上に自己整合により配置された導電性材料によって
接続されていることにより、従来半導体層の成膜温度と
アクティブマトリクス基板の耐熱性との関係で、アクテ
ィブマトリクス基板上に直接成膜することができなかっ
た半導体材料を、前記半導体層として使用することが可
能になった。
【0121】このとき、パターニングを行うことなく導
電性材料を電極上に選択的に配置することが可能である
ため、両基板の電極間のみに限定した電気的接続が可能
となり、隣り合う画素電極同士の電気的絶縁性を確保す
ることができ、隣り合う画素電極同士のクロストークの
発生を防ぐことが可能になった。
【0122】また、前記二次元画像検出器において、前
記半導体層が放射線に対して感度を有していることによ
り、放射線に対する二次元画像検出器を実現することが
可能になった。なお、このような構成により使用可能な
半導体材料としては、例えば、CdTeもしくはCdZ
nTe化合物半導体が挙げられるが、これらの半導体材
料は、従来用いられていたa−Seに比べて、X線など
の放射線に対する感度が高く、前記半導体層にCdTe
もしくはCdZnTe化合物半導体を用いる場合には、
二次元画像検出器の応答性が向上し、動画の撮影も可能
になった。
【0123】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることにより、対向基板上の
半導体層における画素電極間が電気的に分離され、放射
線や光線の入射によって半導体層内で発生した電荷が入
射位置に対応した接続電極にのみ収集され、周囲の画素
電極に回り込むことがなくなるため、電気的クロストー
クを抑制することが可能になった。
【0124】また、前記二次元画像検出器において、前
記各接続電極および各画素電極のうち、少なくとも一方
の電極の面積が、前記自己整合により配置された導電性
材料の接続面積よりも大きく構成されていることによ
り、アクティブマトリクス基板と対向基板との貼り合わ
せの際に位置ずれが生じた場合であっても、隣り合う画
素電極同士の電気的クロストークを抑制することが可能
になった。
【0125】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることにより、1つの画素電
極に対応する複数の対向電極がアクティブマトリクス基
板と対向基板との貼り合わせ位置により任意に決定され
ることになり、アクティブマトリクス基板と対向基板と
の貼り合わせの際に微細な位置合わせを行う必要がなく
なった。
【0126】また、前記二次元画像検出器において、前
記各接続電極の幅が、隣接する画素電極間の距離よりも
小さく構成されていることにより、アクティブマトリク
ス基板と対向基板との貼り合わせの際に位置ずれが生じ
た場合であっても、隣り合う画素電極同士の電気的クロ
ストークを抑制することが可能になった。
【0127】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板が光導電性を有する半導体層自身を支持基板
にしていることにより、ブリッジマン法やグラディエン
トフリーズ法、トラベルヒーティング法などによって得
られる結晶性半導体基板を利用することが可能になっ
た。
【0128】また、前記二次元画像検出器において、前
記対向基板が検出する光や放射線を透過する基板を支持
基板とし、該支持基板上に光導電性を有する半導体膜を
形成していることにより、対向基板自身の強度を増すこ
とが可能になった。
【0129】本発明の二次元画像検出器の製造方法によ
れば、アクティブマトリクス基板と対向基板とのどちら
か一方を樹脂および導電粒子を分散して得た電解液中に
浸漬し、電着法により導電粒子を取り込んだ樹脂層を該
基板に形成された電極上に積層することで、導電性材料
を該電極上に直接形成していることにより、パターニン
グなどの処理を行うことなく、極めて容易に自己整合す
ることができ、製造工程を大幅に短縮することが可能に
なった。
【0130】本発明の二次元画像検出器の製造方法によ
れば、アクティブマトリクス基板および対向基板のどち
らか一方を導電性高分子形成能を有するモノマーを溶解
して得た電解液中に浸漬し、電解酸化重合により導電性
高分子を該基板に形成された電極上に電析させることに
より、導電性材料を該電極上に直接形成していることに
より、パターニングなどの処理を行うことなく、極めて
容易に自己整合することができ、製造工程を大幅に短縮
することが可能になるとともに、接続材料である高分子
そのものが導電性を有するため、導電粒子などを混入さ
せることにより導電性を付加する必要がなく、また、通
電電荷量による膜厚の制御およびドーパントの付加によ
る電導度の制御が可能になった。
【0131】また、前記二次元画像検出器の製造方法に
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を減圧プレス(真空プ
レス)方式でプレスしながら加熱処理を施して貼り合わ
せていることにより、大面積のアクティブマトリクス基
板と対向基板との貼り合わせの際でも、均一にプレスす
ることが可能になった。
【0132】また、前記二次元画像検出器の製造方法に
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を加圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせていることに
より、汎用的な熱プレス装置を使用することができ、例
えば使用する樹脂の接着に1kgf/cm2以上のプレ
ス圧を必要とする場合であっても容易に対応することが
可能になった。
【0133】また、前記二次元画像検出器の製造方法に
おいて、前記導電性材料を基板上に形成したのち、該ア
クティブマトリクス基板および対向基板を加熱ローラー
間を通すことにより接続していることにより、大面積の
アクティブマトリクス基板と対向基板との貼り合わせの
際でも、大規模な油圧プレス装置などを必要とすること
なく容易に貼り合わせすることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る二次元画
像検出器の全体構成の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1に係る二次元画
像検出器の1画素当たりの構成の概略を示す断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1に係る二次元画
像検出器の1画素当たりの等価回路を示す図面である。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1
に係る二次元画像検出器におけるアクティブマトリクス
基板と対向基板との貼り合わせを示したプロセス図であ
る。
【図5】図5は、本発明の実施の形態3に係る二次元画
像検出器の全体構成の概略を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態4に係る二次元画
像検出器の1画素当たりの構成の概略を示す断面図であ
る。
【図7】図7は、本発明の実施の形態5に係る二次元画
像検出器の1画素当たりの構成の概略を示す断面図であ
る。
【図8】図8は、従来の二次元画像検出器の構造の模式
的に示した図面である。
【図9】図9は、従来の二次元画像検出器の1画素当た
りの構成の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 アクティブマトリクス基板 2 対向基板 3 導電性材料 4 蓄積容量電極 5 薄膜トランジスタ(TFT) 6 接続電極 7 ガラス基板 8 ゲート電極 9 ソース電極 11 絶縁膜 12 a−Si膜(i層) 13 a−Si膜(n+層) 14 画素電極 15 絶縁保護膜 16 半導体基板 17 上部電極 18 電子阻止層 41 ドレイン電極 42 絶縁保護膜 43 コンタクトホール 46 支持基板 47 半導体膜(光導電膜) 51 ガラス基板 52 ゲート電極 53 ソース電極 54 薄膜トランジスタ(TFT) 55 蓄積容量電極 56 光導電膜(Se) 57 誘電体層 58 上部電極 59 Cs電極 60 画素電極 61 絶縁膜 62 電子阻止層
フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 AA08 AB01 BA05 CA05 CA06 CA32 CB05 CB14 EA01 FB09 FB13 FB16 GA10 HA20 HA24 HA26 5C024 AA00 CA31 FA01 FA11 GA31 5F088 AA11 AB09 BA02 BA18 DA05 LA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子状に配列された電極配線と、各格子
    点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッ
    チング素子を介して前記電極配線に接続される画素電極
    を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 前記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
    と、 前記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
    を有する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器にお
    いて、 前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板と、 前記電極部および半導体層を含む対向基板とを備えてお
    り、 前記アクティブマトリクス基板の画素配列層と、前記対
    向基板の半導体層とが対向するように両基板が配置され
    るとともに、該両基板は、少なくとも一方の基板に形成
    された電極上に自己整合により配置された導電性材料に
    よって接続されていることを特徴とする二次元画像検出
    器。
  2. 【請求項2】 前記半導体層が、放射線に対して感度を
    有することを特徴とする請求項1に記載の二次元画像検
    出器。
  3. 【請求項3】 前記半導体層が、CdTeもしくはCd
    ZnTe化合物半導体であることを特徴とする請求項2
    に記載の二次元画像検出器。
  4. 【請求項4】 前記対向基板の半導体層表面に、前記ア
    クティブマトリクス基板上に形成されている各画素電極
    に対応して、複数の接続電極が形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至3に記載の二次元画像検出器。
  5. 【請求項5】 前記各接続電極および各画素電極のう
    ち、少なくとも一方の電極の面積が、前記自己整合によ
    り配置された導電性材料の接続面積よりも大きいことを
    特徴とする請求項4に記載の二次元画像検出器。
  6. 【請求項6】 前記対向基板の半導体層表面に、前記ア
    クティブマトリクス基板上に形成されている各画素電極
    に対応して、複数の接続電極が形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至3に記載の二次元画像検出器。
  7. 【請求項7】 前記各接続電極の幅は、隣接する画素電
    極間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項6に記
    載の二次元画像検出器。
  8. 【請求項8】 前記対向基板は、光導電性を有する半導
    体層自身が支持基板であることを特徴とする請求項1乃
    至7に記載の二次元画像検出器。
  9. 【請求項9】 前記対向基板は、検出する光や放射線を
    透過する基板を支持基板とし、該支持基板上に光導電性
    を有する半導体膜が形成されていることを特徴とする請
    求項1乃至7に記載の二次元画像検出器。
  10. 【請求項10】 格子状に配列された電極配線と、各格
    子点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイ
    ッチング素子を介して前記電極配線に接続される画素電
    極を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 前記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
    と、 前記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
    を有する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器の製
    造方法において、 前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板を作製
    する工程と、 前記電極部および半導体層を含む対向基板を作製する工
    程と、 前記アクティブマトリクス基板および対向基板のどちら
    か一方を樹脂および導電粒子を分散して得た電解液中に
    浸漬し、電着法により導電粒子を取り込んだ樹脂層を該
    基板に形成された電極上に積層することにより、導電性
    材料を該電極上に直接形成する工程と、を含むことを特
    徴とする二次元画像検出器の製造方法。
  11. 【請求項11】 格子状に配列された電極配線と、各格
    子点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイ
    ッチング素子を介して前記電極配線に接続される画素電
    極を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 前記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
    と、 前記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
    を有する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器の製
    造方法において、 前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板を作製
    する工程と、 前記電極部および半導体層を含む対向基板を作製する工
    程と、 前記アクティブマトリクス基板および対向基板のどちら
    か一方を導電性高分子形成能を有するモノマーを溶解し
    て得た電解液中に浸漬し、電解酸化重合により導電性高
    分子を該基板に形成された電極上に電析させることによ
    り、導電性材料を該電極上に直接形成する工程と、を含
    むことを特徴とする二次元画像検出器の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記導電性材料を基板上に形成したの
    ち、該アクティブマトリクス基板および対向基板を減圧
    プレス方式でプレスしながら加熱処理を施して接続する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の二次元
    画像検出器の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記導電性材料を基板上に形成したの
    ち、該アクティブマトリクス基板および対向基板を加圧
    プレス方式でプレスしながら加熱処理を施して接続する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の二次元
    画像検出器の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記導電性材料を基板上に形成したの
    ち、該アクティブマトリクス基板および対向基板を加熱
    ローラー間を通すことにより接続することを特徴とする
    請求項10または11に記載の二次元画像検出器の製造
    方法。
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