JP2000057969A - 偏向ヨークコア、その製造方法及び偏向ヨーク - Google Patents

偏向ヨークコア、その製造方法及び偏向ヨーク

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JP2000057969A
JP2000057969A JP10227383A JP22738398A JP2000057969A JP 2000057969 A JP2000057969 A JP 2000057969A JP 10227383 A JP10227383 A JP 10227383A JP 22738398 A JP22738398 A JP 22738398A JP 2000057969 A JP2000057969 A JP 2000057969A
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core
core member
deflection yoke
deflection
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Takahiro Suzuki
孝洋 鈴木
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Sony Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径側が非回転対称形状を成し、かつ、小
口径側が回転対称形状を成した環状のコア部材におい
て、その小口径側でコア部材をより一層電子ビームに接
近できるようにすると共に、電子ビームを長方形に偏向
する特殊な形状の偏向ヨークにおいても、その偏向効率
を向上できるようにする。 【解決手段】 CRTのファンネルに対応する大口径側
が非回転対称形状の四角錐筒形状部12を有し、かつ、
そのネックに対応する小口径側が回転対称形状の円形開
口部13を有した環状のコア部材11であって、そのコ
ア部材11の円形開口部13の内側領域のみが回転研磨
されて成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、横縦の画面比が
16対9の陰極線管(以下単にCRTという)や、表示
画面が平坦ないわゆる平面ブラウン管用の特殊形状の偏
向ヨークに適用して好適な偏向ヨークコア、その製造方
法及び偏向ヨークに関する。
【0002】詳しくは、陰極線管のファンネルに対応す
る大口径側が非回転対称形状を成し、かつ、その陰極線
管のネックに対応する小口径側が回転対称形状を成した
環状のコア部材において、そのコア部材の小口径側の内
側領域のみを回転研磨して、小口径側でコア部材をより
一層電子ビームに接近できるようにすると共に、電子ビ
ームを長方形に偏向する特殊な形状の偏向ヨークに、当
該コア部材を適用した場合であっても、その偏向効率を
向上できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】近年、ガラス強度の向上及び画面の見や
すさから、表示画面の四隅が角張り、かつ、表示画面が
平坦な平面ブラウン管や、横縦の画面比が4対3のCR
Tに代わって、その画面比が16対9のCRTが使用さ
れる場合が多くなってきた。これらの横長CRTを備え
た受像機では、電子ビームを長方形に偏向する方法が採
られる。そのために、偏向ヨークの形状も従来方式のも
のと比べる横長になりつつある。
【0004】一般に、偏向ヨークには2つのタイプがあ
る。第1のタイプは、水平・垂直偏向コイルを鞍型状に
巻線ボビンに巻装し、その巻線ボビンの外側にコア部材
を配したものである。第2のタイプは水平偏向コイルを
巻線ボビンに巻装し、垂直偏向コイルをトロイダル状に
コア部材に巻装して両者を組み合わせるものである。
【0005】図7は画面比が4対3のCRTに用いられ
る第1のタイプの偏向ヨーク10を示す斜視図である。
図7に示す偏向ヨーク10は垂直偏向コイル用の巻線ボ
ビン(以下垂直巻線ボビンという)1を有している。こ
の垂直巻線ボビン1は、CRTのファンネルに対応する
大口径側が円錐筒形状(コーン状)を有し、かつ、その
ネックに対応する小口径側が円形開口状を有している。
この垂直巻線ボビン1には電線(以下垂直偏向コイルと
いう)2が鞍型状に巻装されている。
【0006】この垂直巻線ボビン1の内側には、水平偏
向コイル用の巻線ボビン(以下水平巻線ボビンという)
3が設けられる。この水平巻線ボビン3も大口径側が円
錐筒形状を成している。その小口径側には図示しない下
部ベンド部を有している。この水平巻線ボビン3には上
部ベンド部が設けられ、上部ベンド部と下部ベンド部と
の間で電線(以下水平偏向コイルという)4が鞍型状に
巻装されている。
【0007】この垂直巻線ボビン1の外側には、図8に
示すような環状の偏向ヨークコア5が取付けられてい
る。偏向ヨークコア5は大口径側が回転対称形状の円錐
筒形状部5Aを有し、かつ、小口径側が回転対称形状の
円形開口部5Bを有している。上述の水平・垂直偏向コ
イル2、4は偏向ヨークコア5を磁路として、水平偏向
磁界及び垂直偏向磁界を発生する。偏向ヨーク10には
調整ツマミ6や調整コイル7が設けられる他に、上部ベ
ンド部には前カバー8が装着され、下部ベンド部には裏
カバー9が装着される。
【0008】この種の偏向ヨークコア5は、磁性体を含
有したフェライト部材の粉末を成型した後に、そのフェ
ライト部材を焼結して成形される。成形後の偏向ヨーク
コア5は図9に示す砥石50でその内側が回転研磨処理
される。この研磨処理は、成形されたままの偏向ヨーク
コア5であると、偏向性能を左右するコア内側の寸法精
度が±1%程度と低い。従って、水平・垂直偏向コイル
2、4に対する偏向ヨークコア5の位置決めが困難とな
り、このことが偏向ヨーク性能のバラツキに結び付く。
この性能のバラツキを抑えるために、図9に示す研磨処
理が施される。
【0009】この研磨処理は、偏向ヨークコア5の回転
対称中心(CRTの偏向中心:管軸O)を軸となるよう
に、小口径側から大口径側に至る内側全面をカバーでき
る外観形状で凸状の砥石50を回転させながら、その偏
向ヨークコア5の内面を研磨することにより行われる。
この研磨処理により、偏向ヨークコア5の内側の寸法精
度を向上させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ガラ
ス強度の向上及び画面の見やすさから、平面ブラウン管
や、画面比が16対9のCRTが使用される場合が多く
なってきた。これらの横長CRTを備えた受像機では、
より一層電子ビームを長方形に偏向するために、楕円錐
筒形や、多角錐筒形などの特殊な形状の偏向ヨークが考
案されるようになってきた。このような偏向ヨークでは
偏向能率を上げるために、偏向ヨークコア5も楕円錐筒
形状や、多角錐筒形状に成形される場合が多い。
【0011】しかしながら、従来方式の偏向ヨークコア
5によれば、その内側の寸法精度の向上に関して、従来
方式の回転研磨処理をそのまま採用することができな
い。つまり、偏向ヨークコア5の小口径側は回転対称形
状の円形開口部であることから、回転研磨法が採用でき
る。しかし、大口径側は非回転対称形状の楕円錐筒形状
部や多角錐筒形状部であることから、回転研磨法が採用
できない。従って、大口径側の内側を研磨しようとする
と、新たな研磨装置が必要となったり、その研磨に係る
費用や時間が膨大になる、因みに偏向ヨークコア5の研
磨処理を省略すると、焼結時のそのままの成形品の寸法
が偏向精度に反映されてしまい、その偏向ヨークコア5
(以下コア部材ともいう)を使用した偏向ヨークの性能
が低下するという問題がある。
【0012】そこで、本発明は上記の課題に鑑み創作さ
れたものであり、大口径側が非回転対称形状を成し、か
つ、小口径側が回転対称形状を成した環状のコア部材に
おいて、その小口径側でコア部材をより一層電子ビーム
に接近できるようにすると共に、電子ビームを長方形に
偏向する特殊形状の偏向ヨークにおいても、その偏向効
率を向上できるようにした偏向ヨークコア、その製造方
法及び偏向ヨークを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、陰極線
管のファンネルに対応する大口径側が非回転対称形状を
成し、かつ、該陰極線管のネックに対応する小口径側が
回転対称形状を成した環状のコア部材であって、そのコ
ア部材の小口径側の内側領域が回転研磨されて成ること
を特徴とする偏向ヨークコアによって解決される。
【0014】この発明の偏向ヨークコアによれば、例え
ば、その大口径側に非回転対称形状の楕円錐筒形状部又
は多角錐筒形状部等を有した環状のコア部材において
も、そのコア部材の小口径側の内側領域が回転研磨され
て成るので、その小口径側でコア部材をより一層電子ビ
ームに近づけることができる。従って、電子ビームを長
方形に偏向する特殊な形状の偏向ヨークに、当該コア部
材を適用した場合に、その偏向効率を向上させることが
できる。また、偏向ヨークコアを小型化できるので、特
殊な形状の偏向ヨークにおいても、偏向電力の低消費化
を図ることができる。
【0015】本発明の偏向ヨークコアの製造方法は、陰
極線管のファンネルに対応する大口径側が非回転対称形
状を成し、該陰極線管のネックに対応する小口径側が回
転対称形状を成す環状のコア部材を形成する工程と、少
なくとも、コア部材の小口径側の内側領域のみを回転研
磨する工程とを有することを特徴とするものである。
【0016】この発明の偏向ヨークコアの製造方法によ
れば、例えば、大口径側が楕円錐筒形状又は多角錐筒形
状等の非回転対称形状を成した環状のコア部材を形成し
た後に、そのコア部材の小口径側の内側領域のみが回転
研磨されるものである。
【0017】従って、楕円錐筒形状又は多角錐筒形状等
の非回転対称形状を成した環状のコア部材においては、
その大口径側の回転研磨を省略することができる。従っ
て、従来方式に比べて偏向ヨークコアの研磨時間を短縮
できるので、電子ビームを長方形に偏向する特殊な形状
の偏向ヨークのコストダウンを図ることができる。
【0018】例えば、コア部材の小口径側を型抜きする
ための金型コア部の外径が、コア部材の小口径側の内径
の最小値φDよりも小さく設定され、しかも、コア部材
の小口径側の内径の寸法公差をdとしたときに、そのコ
ア部材の研磨後の小口径側の内径Dxが、その内径の最
小値D以上で、最大値D+2d以下になる範囲内でコア
部材の小口径側の内側領域のみが回転研磨されるので、
精度良くコア部材の内径を最小限に小さく形成すること
ができる。これにより、小口径側でコア部材をより一層
電子ビームに接近できるので、その偏向効率を向上させ
ることができる。また、偏向ヨークコアを小型化できる
ので、偏向電力の低消費化に寄与するところが大きい。
【0019】本発明の偏向ヨークは、陰極線管のファン
ネルに対応する大口径側が非回転対称形状を成し、か
つ、該陰極線管のネックに対応する小口径側が回転対称
形状を成した環状の偏向ヨークコアと、その偏向ヨーク
コアを磁路として偏向磁界を発生する偏向コイルとを備
え、偏向ヨークコアの小口径側の内側領域が回転研磨さ
れて成ることを特徴とするものである。
【0020】本発明の偏向ヨークによれば、上述の偏向
ヨークコアが応用されるので、その小口径側で偏向ヨー
クコアをより一層電子ビームに近づけることができる。
従って、偏向電力が少なく、しかも、電子ビームを長方
形に偏向する特殊な形状の偏向ヨークを提供することが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施形態としての偏向ヨークコア、その製造方法
及び偏向ヨークについて説明をする。
【0022】(1)第1の実施形態 図1は本発明に係る第1の実施形態としての偏向ヨーク
コア100の構成例を示す斜視図である。この実施形態
では、陰極線管(以下CRTという)のファンネルに対
応する大口径側が非回転対称形状を成し、かつ、そのC
RTのネックに対応する小口径側が回転対称形状を成し
た環状のコア部材において、そのコア部材の小口径側の
内側領域のみを回転研磨して、小口径側でコア部材をよ
り一層電子ビームに接近できるようにすると共に、電子
ビームを長方形に偏向する特殊な形状の偏向ヨークにお
いても、その偏向効率を向上できるようにしたものであ
る。
【0023】この発明の偏向ヨークコア100は環状の
コア部材11から成る。このコア部材11は炭素又は金
属元素を含む鉄の固溶体で体心立方構造を有したフェラ
イト部材から成る。例えば、フェライト部材はNi−Z
n系のFeである。
【0024】コア部材11はCRTのファンネルに対応
する大口径側が非回転対称形状を成している。この例で
コア部材11は多角錐筒形状部として大口径側に広がっ
た四角錐筒形状部12を有している。しかし、CRTの
ネックに対応する小口径側は従来方式と同様に回転対称
形状の円形開口部13を有している。このため、円形開
口部13の内側は研磨装置による回転研磨処理を行なう
ことができるが、四角錐筒形状部12の内側は回転研磨
処理を行なうことができない。この例では、コア部材1
1の円形開口部13の内側領域のみを回転研磨処理する
ものである。回転研磨処理は回転機に砥石51を装着し
てコア部材11の円形開口部13の内側領域に当接させ
て行なう。この円形開口部13の内側領域の研磨処理の
必要性は以下による。
【0025】一般に、コーン状(漏斗状)のフェライト
コアの中を通る磁束は、磁気抵抗の少ない小口径側(円
形開口部13)に集中して通る。その結果、フェライト
コアでの磁束密度は小口径側が高くなり大口径側が低く
なる。従って、小口径側の磁束密度が偏向性能を大きく
左右することになる。しかも、カラー用のCRTにおい
て、電子銃から発射された3本の電子ビームの軌道間隔
は大口径側よりも小口径側の方が広い。このため、偏向
感度は小口径側の磁界歪みの変化に大きく左右される。
従って、小口径側の寸法精度が偏向性能に対して重要な
因子となることによる。
【0026】このようにコア部材11の円形開口部13
の内側領域を回転研磨処理することで、その円形開口部
13でコア部材11をより一層電子ビームに近づけるこ
とができる。従って、電子ビームを長方形に偏向する特
殊な形状の偏向ヨークにおいても、その偏向効率を向上
させることができる。また、偏向ヨークコア100を小
型化できるので、特殊な形状の偏向ヨークにおいても、
偏向電力の低消費化を図ることができる。
【0027】次に、本発明の偏向ヨークコア100の製
造方法について説明をする。図2Aは四角錐筒形状部1
2を有したコア部材11の構造例を示す平面図であり、
図2Bはその回転研磨処理時のコア部材11の断面図で
ある。図3はコア部材11の設計寸法を示す図である。
この例では、予め放電加工等により偏向ヨークコア10
0を象ったコア部とそのキャビティ部から成る図示しな
い金型を用いて行うことを前提とする。
【0028】まず、図2Aに示す環状のコア部材11を
形成する。この例で、コア部材11は大口径側が非回転
対称形状の四角錐筒形状部12を有し、円形開口部13
が回転対称形状の円形開口部13を有している。この際
の金型は少なくとも大口径側を型抜きするための四角錐
形状のコア部を有し、円形開口部13を型抜きするため
の円柱状のコア部を有している。
【0029】この例で図3に示す設計寸法図において、
金型コア部60の外径Dcは、コア部材11の円形開口
部13の内径の最小値をφDとしたときに、この最小値
φDよりも小さく設定することが好ましい。これは予め
コア部材11の円形開口部13の内側に研磨しろを確保
するためである。そして、図示しない金型にフェライト
部材の粉末を供給する。その後、金型に供給されたフェ
ライト部材の粉末を焼結する。
【0030】その後、図2Bに示すコア部材11の円形
開口部13の内側領域のみを回転研磨処理する。回転研
磨処理は回転機に砥石51を装着してコア部材11の円
形開口部13の内側領域に当接させて行なう。この際の
砥石51は従来方式の砥石50のように大口径側を研磨
するような大きなものを必要としない。砥石51にはは
例えば珪砂を円柱状に固めたものとか、人工ダイヤモン
ドを円柱状に加工した回転砥石を使用する。
【0031】また、この例の研磨処理ではコア部材11
を固定して砥石51を回転する方法や、コア部材11を
回転して砥石51を固定する方法、コア部材11も回転
して砥石51も回転(コア部材11と反対方向に回転)
する方法が採られる。両者を回転する場合には、一方を
回転する場合に比べて早く研磨できる。
【0032】この例では、図3に示す設計寸法図におい
て、コア部材11の円形開口部13の内径の最小値をφ
Dとし、そのコア部材11の内径の寸法公差をdとし、
そのコア部材11の研磨後の内径をφDxとしたとき、
φD≦φDx≦φD+2dの範囲内で図2Bに示すコア
部材11の円形開口部13の内側領域を回転研磨処理す
る。
【0033】このようにコア部材11の円形開口部13
の内側領域のみを回転研磨処理すればよいので、大口径
側の回転研磨処理を省略することができる。従って、従
来方式に比べて偏向ヨークコア100の研磨時間を短縮
できるので、電子ビームを長方形に偏向する特殊な形状
の偏向ヨークのコストダウンを図ることができる。しか
も、精度良くコア部材11の内径を最小限に小さく形成
することができる。これにより、円形開口部13でコア
部材11をより一層電子ビームに接近できるので、その
偏向効率を向上させることができる。また、偏向ヨーク
コア100を小型化できるので、偏向電力の低消費化に
寄与するところが大きい。
【0034】続いて、上述の偏向ヨークコア100を応
用した偏向ヨーク200について説明する。図4は偏向
ヨーク200の構成例を示す正面図である。この例で
は、横縦の画面比が16対9の36インチのカラーCR
T用の偏向ヨーク200を作製する場合であって、水平
・垂直偏向コイルを鞍型状に巻装した巻線ボビンの外側
に偏向ヨークコア100が取付けられる場合を想定して
説明をする。
【0035】この偏向ヨーク200は垂直偏向コイル用
の巻線ボビン(以下垂直巻線ボビンという)21を有し
ている。もちろん、垂直巻線ボビン21も、CRTのフ
ァンネルに対応する大口径側が四角錐筒形状を成し、か
つ、そのネックに対応する小口径側が円形開口状を成し
ている。この垂直巻線ボビン21には電線(以下垂直偏
向コイルという)22が鞍型状に巻装されている。
【0036】この垂直巻線ボビン21の内側には、水平
偏向コイル用の巻線ボビン(以下錐巻線ボビンという)
23が設けられる。この水平巻線ボビン23も大口径側
が四角錐筒形状を成している。そのネックに対応する小
口径側にはベンドキャップ25を有している。各々の垂
直・水平巻線ボビン21、23には、材質がABC樹脂
などから成る成形部材を射出金型成形したものを使用す
る。この水平巻線ボビン23には上部ベンド部26が設
けられ、上部ベンド部26と下部のベンドキャップ25
の間で電線(以下水平偏向コイルという)24が鞍型状
に巻装されている。この垂直巻線ボビン21の外側に
は、環状の偏向ヨークコア100が嵌入されている。も
ちろん、偏向ヨークコア100は大口径側が非回転対称
形状の四角錐筒形状部12を有し、かつ、そのネックに
対応する小口径側が回転対称形状の円形開口部13を有
している。上述の水平・垂直偏向コイル22、24は偏
向ヨークコア100を磁路として、水平偏向磁界及び垂
直偏向磁界を発生する。この例で、偏向ヨークコア10
0の円形開口部13の内側領域が回転研磨されて成るも
のである。
【0037】ここで、偏向ヨーク200の組み立て例に
ついて説明する。この例では、上述した偏向ヨークコア
100が製造されていることを前提とする。まず、大口
径側が四角錐筒形状を成し、かつ、小口径側が円形開口
状を成した垂直巻線ボビン21に電線22を鞍型状に巻
装する。その後、同様に大口径側が四角錐筒形状を成
し、かつ、小口径側が円形開口状を成した水平巻線ボビ
ン23を、垂直偏向コイル22が巻かれた垂直巻線ボビ
ン21の内側に嵌入する。
【0038】その後、偏向ヨークコア100を垂直巻き
ボビン21の外側に嵌入した後に、水平巻線ボビン23
の下部にベンドキャップ25を取り付ける。その後、水
平巻線ボビン23に電線24を鞍型状に巻装する(図4
参照)。その後は、図示しない前カバーや裏カバーを取
付け、更に、調整ネジや調整コイルを取り付けて偏向ヨ
ーク200を完成する(図7参照)。
【0039】図5Aは本実施の形態としての偏向ヨーク
200をカラー用のCRT300に取付けた例を示す背
面図であり、図5BはそのCRT300の電子ビームの
偏向例を示す一部破砕断面図である。この例で、図5A
に示すCRT300は横縦の画面比が16対9であり、
表示画面部が平坦ないわゆる平面ブラウン管である。従
って、偏向ヨーク200も横に細長く縦に短い特殊な形
状を成している。上部の丸印はCRT300に高電圧を
供給するアノードキャップ43である。
【0040】このカラー用のCRT300において、電
子銃41から発射された3本の電子ビームR,G,Bの
軌道間隔は図5Bに示す偏向ヨークコア100の大口径
側よりも小口径側の方が広くなる。しかしながら、本発
明の偏向ヨーク200の場合には、その偏向ヨークコア
100の小口径側の寸法精度が高いことから、電子ビー
ムR,G,Bに作用する垂直・水平偏向磁界が安定す
る。
【0041】このように本発明の実施形態としての偏向
ヨーク200によれば、上述の偏向ヨークコア100が
応用されるので、その小口径側で偏向ヨークコア100
をより一層電子ビームR,G,Bに近づけることができ
る。従って、偏向電力が少なく、しかも、電子ビーム
R,G,Bを長方形に偏向する特殊な形状の偏向ヨーク
200を提供することができる。
【0042】特に、小口径側において、均一な水平偏向
磁界が電子ビームR,G,Bに与えれるので、その電子
ビームR,G,Bを最適にコンバーゼンス調整するこ
と、及び、その電子ビームR,G,Bを最適に色選別マ
スク40などにランディングさせることができる。従っ
て、この種の偏向ヨーク200を応用した横長で平面ブ
ラウン管を備えた受像機の高画質化かつ高品質化に寄与
するところが大きい。
【0043】(2)第2の実施形態 図6A、図6Bは他の偏向ヨークコアの構造例を示す平
面図及びその回転研磨処理時の断面図を示している。こ
の例では、コア部材の大口径側に向かって広がった楕円
錐筒形状部を有するものである。
【0044】この発明の偏向ヨークコア400は図6A
に示す環状のコア部材31から成る。このコア部材31
も第1の実施形態と同様なフェライト部材から成る。コ
ア部材31は大口径側が非回転対称形状の楕円錐筒形状
部32を有している。この例でも小口径側は第1の実施
形態と同様に回転対称形状の円形開口部33を有してい
る。このため、コア部材31の円形開口部33の内側は
研磨装置による回転研磨処理を行なうことができるが、
その大口径側は回転研磨処理を行なうことができない。
この例でも、コア部材31の円形開口部33の内側領域
のみを回転研磨処理するものである。回転研磨処理は第
1の実施形態と同様に図6Bに示す砥石52を回転機に
装着し、この砥石52をコア部材31の円形開口部33
の内側領域に当接するようにして行なう。
【0045】このようにコア部材31の円形開口部33
の内側領域を回転研磨処理することで、その円形開口部
33でコア部材31をより一層電子ビームに近づけるこ
とができる。従って、この偏向ヨークコア400も、図
5に示した電子ビームR,G,Bを長方形に偏向する特
殊な形状の偏向ヨーク200に使用することができる。
当該コア部材31を適用した場合でも、その偏向効率を
向上させることができる。また、偏向ヨークコア400
を小型化できるので、画面比が16対9のカラー用のC
RT300に最適な偏向ヨーク200を製造することが
できる。しかも、偏向電力の低消費化を図ることができ
る。
【0046】本実施の形態では垂直偏向コイル22を垂
直巻線ボビン21に巻装するタイプの偏向ヨーク200
の場合について説明したが、これに限られることはな
い。もちろん、垂直偏向コイル22を偏向ヨークコア4
00にトロイダル状に巻装したタイプの偏向ヨークに
も、本発明を適用できることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の偏向ヨ
ークコアによれば、大口径側が非回転対称形状を成し、
かつ、小口径側が回転対称形状を成した環状のコア部材
において、そのコア部材の小口径側の内側領域が回転研
磨されて成るものである。
【0048】この構成によって、大口径側が非回転対称
形状を成した環状のコア部材においても、小口径側でコ
ア部材をより一層電子ビームに近づけることができる。
これにより、電子ビームを長方形に偏向する特殊な形状
の偏向ヨークであっても、その偏向効率を向上させるこ
とができる。また、偏向ヨークコアを小型化できるの
で、特殊な形状の偏向ヨークにおいても、偏向電力の低
消費化を図ることができる。
【0049】また、本発明の偏向ヨークコアの製造方法
によれば、大口径側が非回転対称形状を成し、かつ、小
口径側が回転対称形状を成した環状のコア部材を形成し
た後に、そのコア部材の小口径側の内側領域のみが回転
研磨されるものである。
【0050】この構成によって、非回転対称形状を成し
た環状のコア部材においては、その大口径側の回転研磨
を省略することができる。従って、従来方式に比べて偏
向ヨークコアの研磨時間を短縮できるので、電子ビーム
を長方形に偏向する特殊な形状の偏向ヨークのコストダ
ウンを図ることができる。また、最も小口径のコア部材
を形成できるので、小口径側でコア部材をより一層電子
ビームに接近させることができ、その偏向効率を向上さ
せることができる。
【0051】本発明の偏向ヨークによれば、上述の偏向
ヨークコアが応用されるので、その小口径側で偏向ヨー
クコアをより一層電子ビームに近づけることができる。
従って、偏向電力が少なく、しかも、電子ビームを長方
形に偏向する特殊な形状の偏向ヨークを提供することが
できる。
【0052】この発明は水平・垂直偏向コイルを鞍型状
に巻装した巻線ボビンの外側に配されるコア部材、又
は、垂直偏向コイルをトロイダル状に巻装するコア部材
を備えた特殊形状の偏向ヨークに適用して極めて好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としての偏向ヨー
クコア100の構造例を示す斜視図である。
【図2】Aは、そのコア部材11を上面から見た構造
例、Bはその研磨時の断面の構成例を示す図である。
【図3】偏向ヨークコア100の寸法例と金型コア部6
0の外径Dcとの関係を示す概念図である。
【図4】実施形態としての偏向ヨーク200の側面から
見た構成例を示す図である。
【図5】Aは、画面比16対9のCRT300に偏向ヨ
ーク200を取り付けた例を示す背面図、Bは、そのC
RT300の電子ビームの偏向例を示す一部破砕断面図
である。
【図6】Aは、第2の実施形態としての偏向ヨークコア
400の構造例を示す上面図、Bはその研磨時の断面の
構成例を示す図である。
【図7】従来方式の偏向ヨーク10の構成例を示す斜視
図である。
【図8】その偏向ヨークコア5の構造例を示す斜視図で
ある。
【図9】そのコア部材の研磨例を示す断面図である。
【符号の説明】 11,31・・・コア部材、12・・四角錐筒形状部、
13,33・・・円形開口部、21・・・垂直巻線ボビ
ン、22,24・・・電線(垂直,水平偏向コイル)、
25・・・ベンドキャップ、26・・・上部ベンド部、
32・・・楕円錐筒形状部、41・・・電子銃、42・
・・色選別マスク、50〜52・・・砥石、100,4
00・・・偏向ヨークコア、200・・・偏向ヨーク、
300・・・CRT

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管のファンネルに対応する大口径
    側が非回転対称形状を成し、かつ、該陰極線管のネック
    に対応する小口径側が回転対称形状を成した環状のコア
    部材であって、 前記コア部材の小口径側の内側領域が回転研磨されて成
    ることを特徴とする偏向ヨークコア。
  2. 【請求項2】 前記コア部材の大口径側に楕円錐筒形状
    部又は多角錐筒形状部を有することを特徴とする請求項
    1記載の偏向ヨークコア。
  3. 【請求項3】 前記コア部材は、炭素又は金属元素を含
    む鉄の固溶体で体心立方構造を有したフェライト部材で
    あることを特徴とする請求項1記載の偏向ヨークコア。
  4. 【請求項4】 陰極線管のファンネルに対応する大口径
    側が非回転対称形状を成し、該陰極線管のネックに対応
    する小口径側が回転対称形状を成す環状のコア部材を形
    成する工程と、 少なくとも、前記コア部材の小口径側の内側領域のみを
    回転研磨する工程とを有することを特徴とする偏向ヨー
    クコアの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記大口径側が非回転対称形状を成し、
    小口径側が回転対称形状を成す環状のコア部材を形成す
    る際に、 少なくとも前記大口径側を型抜きするための楕円錐筒形
    状又は多角錐筒形状のコア部を有し、前記小口径側を型
    抜きするための円柱状のコア部を有した金型にフェライ
    ト部材の粉末を供給する工程と、 前記金型に供給されたフェライト部材の粉末を焼結する
    工程とを有することを特徴とする請求項4記載の偏向ヨ
    ークコアの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記コア部材の研磨工程において、 前記コア部材の小口径側の内径の最小値をφDとし、該
    コア部材の内径の寸法公差をdとし、該コア部材の研磨
    後の内径をφDxとしたとき、φD≦φDx≦φD+2
    dの範囲内で該コア部材の小口径側の内側領域を回転研
    磨することを特徴とする請求項4記載の偏向ヨークコア
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コア部材の形成工程において、前記
    コア部材の小口径側を型抜きするための金型コア部の外
    径を、前記コア部材の小口径側の内径の最小値φDより
    も小さく設定することを特徴とする請求項4記載の偏向
    ヨークコアの製造方法。
  8. 【請求項8】 陰極線管のファンネルに対応する大口径
    側が非回転対称形状を成し、かつ、該陰極線管のネック
    に対応する小口径側が回転対称形状を成した環状の偏向
    ヨークコアと、 前記偏向ヨークコアを磁路として偏向磁界を発生する偏
    向コイルとを備え、 前記偏向ヨークコアの小口径側の内側領域が回転研磨さ
    れて成ることを特徴とする偏向ヨーク。
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WO2000055883A1 (fr) * 1999-03-15 2000-09-21 Tdk Corporation Noyau de collier de deviation et procede de production correspondant
US6696907B1 (en) 1999-03-15 2004-02-24 Tdk Corporation Core for deflection yoke and its production method

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