JP2000057525A - 磁気トンネル接合素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気トンネル接合素子及びその製造方法

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JP2000057525A
JP2000057525A JP10220587A JP22058798A JP2000057525A JP 2000057525 A JP2000057525 A JP 2000057525A JP 10220587 A JP10220587 A JP 10220587A JP 22058798 A JP22058798 A JP 22058798A JP 2000057525 A JP2000057525 A JP 2000057525A
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barrier layer
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Seiji Kumagai
静似 熊谷
Eiji Nakashio
栄治 中塩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな磁気抵抗変化率を得ることができると
ともに、抵抗値の小さい磁気トンネル接合素子及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 第1の磁性層2と第2の磁性層4との間
に介在されるトンネル障壁層3を、その厚み方向に酸化
度が異なるように酸化された金属膜より構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル障壁層を
介して一対の磁性層が積層されてなり、トンネル障壁層
を流れるトンネル電流のコンダクタンスが一対の磁性層
の磁化の相対角度に依存する磁気トンネル接合素子及び
その製造方法に関し、詳しくは、上記トンネル電流のコ
ンダクタンスが4端子法により測定される磁気トンネル
接合素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一対の磁性金属層で絶縁層を
挟持してなる層構造において、絶縁層の厚さを数10Å
程度の極薄とした場合に、この絶縁層を流れるトンネル
電流のコンダクタンスが一対の磁性金属層の磁化の相対
角度に依存して変化するという磁気トンネリング効果が
報告されている。すなわち、一対の磁性金属層で薄い絶
縁層を挟持してなる層構造では、絶縁層に流れるトンネ
ル電流に対する磁気抵抗効果を示すのである。
【0003】特に、近年、T.Miyazaki及びN.Tezuka等に
より、Fe/Al2O3/Feの組み合わせにより室温
において約18%もの大きな磁気抵抗変化率が得られた
ことが報告されている(J.Magn.Magn.Mater.139(1995)L
231)。このように、磁気トンネリング効果を発揮する
素子においては、大きな抵抗変化率を得ることができる
ことから、外部磁界検出用の素子として利用することが
検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな磁気トンネリング効果を発揮する磁気トンネル接合
素子を外部磁界検出用のセンサ等に適用することを考え
た場合、より良好な磁場感度を得るためには、磁気トン
ネル接合素子がなるべく大きな磁気抵抗変化率を有する
ことが望まれる。
【0005】また、このような磁気トンネル接合素子を
外部磁界検出用のセンサ等に適用することを考えた場
合、磁気トンネル接合素子の抵抗値はなるべく小さい方
が望ましい。
【0006】本発明は、以上のような点に鑑みてなされ
たものであり、大きな磁気抵抗変化率を得ることができ
るとともに、抵抗値の小さい磁気トンネル接合素子及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、一対の磁性金属
層間の絶縁層として、厚み方向に酸化度の異なる例えば
酸化アルミニウム膜等の酸化された金属膜を用い、その
抵抗値を低減させることにより、いわゆるGeometricall
y enhanced MR効果を促進して、4端子法で測定したと
きに、従来報告されている磁気抵抗変化率の2倍以上の
磁気抵抗変化率が得られることを見出した。
【0008】本発明に係る磁気トンネル接合素子は、こ
のような知見に基づいて創案されたものであって、第1
の磁性層と第2の磁性層とがトンネル障壁層を介して積
層されてなり、上記トンネル障壁層を流れるトンネル電
流のコンダクタンスが上記第1の磁性層と第2の磁性層
の磁化の相対角度に依存する磁気トンネル接合素子であ
って、上記トンネル電流のコンダクタンスが4端子法に
より検出される磁気トンネル接合素子において、上記ト
ンネル障壁層が、その厚み方向に酸化度が異なるように
酸化された金属膜よりなることを特徴とするものであ
る。
【0009】以上のように構成された本発明に係る磁気
トンネル接合素子は、トンネル障壁層が厚み方向に酸化
度が異なるように酸化された金属膜よりなり、その抵抗
値が低減されていることにより、トンネル障壁層を流れ
る電流密度が不均一になり、4端子法で磁界−磁気抵抗
変化率の変化を測定したときに、主に電流が流れる部分
の電流密度と電圧を測定している部分の電流密度とが異
なることから、見かけ上の抵抗値が減少する。
【0010】一方、この磁気トンネル接合素子におい
て、磁気トンネリング効果による磁界の有無による抵抗
値の変化はほとんど生じない。したがって、この磁気ト
ンネル接合素子においては、大きな磁気抵抗変化率を得
ることができることとなる。
【0011】また、本発明者は、上述した目的を達成す
べく鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム膜等の金属膜
を大気中室温にて酸化させて一対の磁性金属層間の絶縁
層を形成することにより、絶縁層の抵抗値が低減された
磁気トンネル接合素子が得られることを見出した。
【0012】本発明に係る磁気トンネル接合素子の製造
方法は、このような知見に基づいて創案されたものであ
って、第1の磁性層と第2の磁性層とがトンネル障壁層
を介して積層されてなり、上記トンネル障壁層を流れる
トンネル電流のコンダクタンスが上記第1の磁性層と第
2の磁性層の磁化の相対角度に依存する磁気トンネル接
合素子を製造するに際し、上記第1の磁性層上に金属膜
を形成し、この金属膜に対して大気中室温にて酸化処理
を施すことにより上記トンネル障壁層を得ることを特徴
とするものである。
【0013】この磁気トンネル接合素子の製造方法によ
れば、厚み方向に酸化度が異なるように酸化された金属
膜よりなり、抵抗値が低減されたトンネル障壁層を形成
することができる。したがって、この磁気トンネル接合
素子の製造方法によれば、大きな磁気抵抗変化率を得ら
れる磁気トンネル接合素子の製造が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気トンネル
接合素子及びその製造方法の実施の形態を図面を参照し
て説明する。
【0015】本実施の形態に示す磁気トンネル接合素子
は、図1に示すように、非磁性基板1上に帯状に形成さ
れた第1の磁性層2と、この第1の磁性層2の略中心部
を覆うように形成されたトンネル障壁層3と、このトン
ネル障壁層3上に形成された第2の磁性層4とを備え
る。この磁気トンネル素子において、第1の磁性層2及
び第2の磁性層4とは、それぞれの長手方向が略直交す
るように形成されている。このため、この磁気トンネル
素子では、第1の磁性層2と第2の磁性層4とが、それ
ぞれの略中心部でトンネル障壁層3を介して積層されて
いる。
【0016】この磁気トンネル素子における第1の磁性
層2と第2の磁性層4とがトンネル障壁層3を介して積
層された部分の断面図を図2に示す。図2に示すよう
に、この磁気トンネル接合素子は、小さな磁界変化の検
出が可能なスピンバルブ型の構造を有する素子として構
成されている。
【0017】すなわち、この磁気トンネル接合素子にお
いて、第1の磁性層2は、外部磁界に応じて磁化方向を
変化させる磁化自由層(フリー層)により構成され、第
2の磁性層4は、反強磁性膜に隣接することにより所定
の方向の固定磁化とされた磁化固定層(ピン層)と、こ
の磁化固定層の磁化方向を固定させ反強磁性膜とにより
構成される。
【0018】具体的には、第1の磁性層2は、非磁性基
板1側から、膜厚が例えば188Å程度のNi−Fe膜
5と、膜厚が例えば39Å程度のCo膜6とが順次積層
されてなる2層構造とされている。また、第2の磁性層
4は、絶縁層3側から、膜厚が例えば26Å程度のCo
膜7と、膜厚が例えば188Å程度のNiーFe膜8
と、膜厚が例えば450Å程度のFe−Mn膜9とが順
次積層されてなる3層構造とされている。ここで、第2
の磁性層4のうち、Fe−Mn膜9が反強磁性膜であ
る。この反強磁性膜であるFe−Mn膜9には、腐食し
易いという問題がある。そこで、この磁気トンネル接合
素子においては、Fe−Mn膜9の腐食を防止するため
に、Fe−Mn膜9上に、膜厚が例えば200Å程度の
Al層10が形成されている。
【0019】また、この磁気トンネル接合素子において
は、以上のようにトンネル障壁層3をスピン分極率の高
いCo膜6,7で挟み込むことにより、大きな磁気抵抗
変化率が得られるようになされている。
【0020】この磁気トンネル接合素子において、上記
第1の磁性層2及び第2の磁性層4を構成する各膜は、
メタルマスクを用いたスパッタリングによりそれぞれ帯
状に形成されている。また、第1の磁性層2を構成する
各膜を成膜する際と第2の磁性膜4を成膜する際とで、
メタルマスクが90度回転させられることにより、第1
の磁性膜2を構成する各膜と、第2の磁性膜4を構成す
る各膜とは、その長手方向が略直交するようにそれぞれ
形成されている。
【0021】また、この磁気トンネル接合素子におい
て、Fe−Mn膜9の腐食を防止するためのAl層10
も、メタルマスクを用いたスパッタリングにより帯状に
形成されている。
【0022】これら第1の磁性層2及び第2の磁性層4
を構成する各膜及びAl層10のスパッタリング条件の
詳細を図3に示す。
【0023】また、この磁気トンネル接合素子におい
て、トンネル障壁層3は、その厚み方向に酸化度が異な
るように酸化された金属膜により構成されている。具体
的には、トンネル障壁層3は、例えば、膜厚が13Å程
度のアルミニウム膜が大気中室温にて酸化されてなる酸
化アルミニウム膜等により構成される。
【0024】このトンネル障壁層3を形成する際は、ま
ず、第1の磁性層2上に膜厚13Å程度のアルミニウム
膜がスパッタリングにより形成される。このトンネル障
壁層3となるアルミニウム膜のスパッタリング条件の詳
細は、図3に合わせて示す。そして、このアルミニウム
膜に対して、大気中室温にて酸化処理が施される。具体
的には、第1の磁性層2上にアルミニウム膜を形成した
後に、これを大気中に例えば200時間程度放置するこ
とによりアルミニウム膜を酸化させる。これにより、厚
み方向に酸化度の異なる酸化アルミニウム膜よりなるト
ンネル障壁層3が形成される。なお、トンネル障壁層3
は、この例のようにアルミニウム膜に酸化処理を施して
なるものに限定されるものではなく、酸化されることに
よりトンネル障壁層となり得れば、如何なる金属を用い
て形成するようにしても良い。
【0025】また、この磁気トンネル接合素子におい
て、非磁性基板1としては、例えば、平滑性の良いP型
のSi基板が用いられる。そして、この非磁性基板1に
は、上記第1の磁性層2と第2の磁性層4とが非磁性基
板1にて電気的に短絡しないように、その表面に酸化処
理が施され、厚さが3000Å程度の酸化層が形成され
る。
【0026】以上のように構成された本発明に係る磁気
トンネル接合素子に対して、図4に示すように、所定の
電流を供給する定電流源と、第1の磁性層2と第2の磁
性層4との間の電圧を測定する電圧計とを接続して、4
端子法により、磁界−磁気抵抗変化率の変化を測定し
た。得られた磁界−磁気抵抗変化率曲線を図5に示す。
なお、ここで、測定磁界は約±24kA/m(約300
Oe)とした。
【0027】図5に示されるように、本発明に係る磁気
トンネル接合素子は、典型的なスピンバルブ型の抵抗変
化を示し、当該磁気トンネル接合素子の絶対的な抵抗値
Rが1.6Ωのときに、36.8%もの大きな磁気抵抗
変化率が得られることが分かった。なお、図5におい
て、横軸は外部磁界の大きさを示し、縦軸は抵抗値及び
磁気抵抗変化率の大きさを示している。
【0028】一般に、トンネル障壁層を一対のCo膜で
挟み込んだ構成の磁気トンネル接合素子においては、磁
気抵抗変化率の理論値は28%であるといわれている。
本発明に係る磁気トンネル接合素子は、この理論値以上
の磁気抵抗変化率を示している。これは、本発明に係る
磁気トンネル接合素子においては、トンネル障壁層3の
抵抗値が低減されており、これにより、いわゆるGeomet
rically enhanced MR効果が促進された結果であると考
えられる。
【0029】このGeometrically enhanced MR効果につ
いては、J.S.Mooderaらにより”Geometrically Enhance
d Magnetoresistance in Ferromagnet-Insulator-Ferro
magnet Tunnel Junctions”、Applied Physics Letter
s、vol.69、1996、page 708において報告されている。
【0030】これによれば、トンネル障壁層を流れる電
流の電流密度が不均一となることにより、4端子法で磁
界−磁気抵抗変化率の変化を測定したときに、主に電流
が流れる部分の電流密度と電圧を測定している部分の電
流密度とが異なり、見かけ上の抵抗値が減少して、理論
値以上の磁気抵抗変化率が得られる場合がある。
【0031】すなわち、第1の磁性層から第2の磁性層
へ流れる電流の電流密度は、定電流源が接続される端子
に近い部分、すなわち図4中Aで示す領域の方が、定電
流源が接続される端子から離れた部分、すなわち図4中
Bで示す領域よりも高くなっている。そして、4端子法
で磁界−磁気抵抗変化率の変化を測定する場合において
は、電圧は、電流密度の低い図4中Bで示す領域を流れ
る電流を基に測定される。したがって、4端子法で磁界
−磁気抵抗変化率の変化を測定すると、磁気トンネル接
合素子の抵抗値R(V/I)が見かけ上小さくなり、大
きな磁気抵抗変化率が得られることになる。
【0032】本発明に係る磁気トンネル接合素子は、ト
ンネル障壁層3がその厚み方向に酸化度が異なるように
酸化された金属膜により構成され、抵抗値が低減されて
いるので、このGeometrically enhanced MR効果が促進
されているものと考えられる。
【0033】すなわち、トンネル障壁層の抵抗値が高い
と、第1の磁性層及び第2の磁性層自体の抵抗成分はほ
とんど無視することができるが、本発明に係る磁気トン
ネル接合素子のように、トンネル障壁層の抵抗値が低く
なってくると、第1の磁性層及び第2の磁性層自体の抵
抗成分が大きく作用することとなる。そして、トンネル
障壁層の抵抗値が低くなるにしたがって、上述した図4
中Aで示す領域を流れる電流の電流密度と図4中Bで示
す領域を流れる電流の電流密度とのばらつきが大きくな
ってくる。
【0034】このように、主に電流が流れる部分の電流
密度と電圧を測定している部分の電流密度のばらつきが
大きいと、磁気トンネル接合素子の抵抗値Rが見かけ上
非常に小さくなり、極めて大きな磁気抵抗変化率が得ら
れることとなる。
【0035】磁気トンネル接合素子の磁気抵抗変化率の
抵抗値依存性を検証するために、抵抗値の異なる磁気ト
ンネル接合素子を複数作製し、それぞれの磁気トンネル
接合素子により得られる磁気抵抗変化率を測定した。測
定結果を図6に示す。
【0036】各磁気トンネル接合素子の抵抗値は、トン
ネル障壁層の酸化条件を変えることにより変化させた。
具体的には、一部については、トンネル障壁層を構成す
る金属膜を大気中室温にて酸化させて抵抗値の小さな
(2Ω未満)磁気トンネル接合素子を作製し、その他に
ついては、トンネル障壁層を構成する金属膜を真空容器
内部で酸素プラズマを使用して酸化させて抵抗値の大き
な(2Ω以上)磁気トンネル接合素子を作製した。酸化
条件の詳細を図7に示す。なお、抵抗値の小さな磁気ト
ンネル接合素子については、大気中における酸化時間を
変化させることにより抵抗値にばらつきをもたせ、抵抗
値の大きな磁気トンネル接合素子については、真空容器
内における酸化時間を変化させることにより抵抗値にば
らつきをもたせている。
【0037】図6に示されるように、磁気トンネル接合
素子は、その抵抗値が低いほど、大きな磁気抵抗変化率
が得られることが分かる。特に、抵抗値が2Ω未満と小
さな磁気トンネル接合素子については、30%以上と非
常に大きな磁気抵抗変化率が得られることが分かる。な
お、図6において、縦軸は磁気抵抗変化率を示してお
り、横軸は磁気トンネル接合素子の抵抗値を示してい
る。
【0038】以上説明したように、本発明に係る磁気ト
ンネル接合素子は、トンネル障壁層が、その厚み方向に
酸化度が異なるように酸化された金属膜により構成さ
れ、抵抗値が低減されているので、いわゆるGeometrica
lly enhanced MR効果を促進して、非常に大きな磁気抵
抗変化率を得ることができる。
【0039】また、この磁気トンネル接合素子は、トン
ネル障壁層の抵抗値が低減されることにより、素子自体
の抵抗値が低減され、外部磁界検出用のセンサ等への適
用が容易となる。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る磁気トンネル接合素子は、トンネル障壁層がその厚
み方向に酸化度が異なるように酸化された金属膜により
構成されている。したがって、この磁気トンネル接合素
子は、トンネル障壁層の抵抗値が低減され、いわゆるGe
ometrically enhanced MR効果を促進して、非常に大き
な磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0041】また、この磁気トンネル接合素子は、トン
ネル障壁層の抵抗値が低減されることにより、素子自体
の抵抗値が低減されている。したがって、この磁気トン
ネル接合素子は、外部磁界検出用のセンサ等への適用が
容易となる。
【0042】また、本発明に係る磁気トンネル接合素子
の製造方法は、第1の磁性層上に形成された金属膜に対
して大気中室温にて酸化処理を施すことによりトンネル
障壁層を得るようにしている。したがって、この磁気ト
ンネル接合素子の製造方法によれば、トンネル障壁層が
厚み方向に酸化度が異なるように酸化された金属膜より
構成された磁気トンネル接合素子の製造が可能となる。
そして、この磁気トンネル接合素子の製造方法により製
造された磁気トンネル接合素子は、トンネル障壁層が厚
み方向に酸化度が異なるように酸化された金属膜より構
成され、その抵抗値が低減されているので、非常に大き
な磁気抵抗変化率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気トンネル接合素子の要部斜視
図である。
【図2】本発明に係る磁気トンネル接合素子の要部断面
図である。
【図3】本発明に係る磁気トンネル接合素子を構成する
各膜を成膜する際の成膜条件を示す図である。
【図4】定電流源及び電圧計を接続した磁気トンネル接
合素子の要部斜視図である。
【図5】本発明に係る磁気トンネル接合素子の磁界−磁
気抵抗変化率曲線の一例を示す図である。
【図6】磁気抵抗効果率の抵抗値依存性を説明する図で
ある。
【図7】トンネル障壁層を構成する金属膜を酸化させる
際の酸化条件を示す図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板、2 第1の磁性層、3 トンネル障壁
層、4 第2の磁性層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の磁性層と第2の磁性層とがトンネ
    ル障壁層を介して積層されてなり、上記トンネル障壁層
    を流れるトンネル電流のコンダクタンスが上記第1の磁
    性層と第2の磁性層の磁化の相対角度に依存する磁気ト
    ンネル接合素子であって、上記トンネル電流のコンダク
    タンスが4端子法により検出される磁気トンネル接合素
    子において、 上記トンネル障壁層が、その厚み方向に酸化度が異なる
    ように酸化された金属膜よりなることを特徴とする磁気
    トンネル接合素子。
  2. 【請求項2】 上記第1の磁性層が少なくとも外部磁界
    に応じて磁化方向を変化させる磁化自由層を備えるとと
    もに、上記第2の磁性層が少なくとも所定の方向の固定
    磁化とされた磁化固定層を備えることを特徴とする請求
    項1記載の磁気トンネル接合素子。
  3. 【請求項3】 第1の磁性層と第2の磁性層とがトンネ
    ル障壁層を介して積層されてなり、上記トンネル障壁層
    を流れるトンネル電流のコンダクタンスが上記第1の磁
    性層と第2の磁性層の磁化の相対角度に依存する磁気ト
    ンネル接合素子を製造するに際し、 上記第1の磁性層上に金属膜を形成し、この金属膜に対
    して大気中室温にて酸化処理を施すことにより上記トン
    ネル障壁層を得ることを特徴とする磁気トンネル接合素
    子の製造方法。
JP10220587A 1998-08-04 1998-08-04 磁気トンネル接合素子及びその製造方法 Withdrawn JP2000057525A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002314164A (ja) * 2001-02-06 2002-10-25 Sony Corp 磁気トンネル素子及びその製造方法、薄膜磁気ヘッド、磁気メモリ、並びに磁気センサ
JP2006165265A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Sony Corp 記憶素子及びメモリ

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