JP2000055311A - 触媒燃焼加熱装置 - Google Patents

触媒燃焼加熱装置

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JP2000055311A
JP2000055311A JP11133525A JP13352599A JP2000055311A JP 2000055311 A JP2000055311 A JP 2000055311A JP 11133525 A JP11133525 A JP 11133525A JP 13352599 A JP13352599 A JP 13352599A JP 2000055311 A JP2000055311 A JP 2000055311A
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heated
fuel gas
flow path
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JP11133525A
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Tomoji Yamada
知司 山田
Shoji Hirose
祥司 廣瀬
Atsushi Ogino
温 荻野
Yoshimasa Negishi
良昌 根岸
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
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Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒反応による発熱量を適切に調整し、被加
熱流体への伝熱性能を高めて、フィンやチューブ等の部
材の過熱を防止し、安全で熱交換効率の高い触媒燃焼加
熱装置を提供する。 【解決手段】 容器1内に設けた燃料ガス流路11に、
内部を被加熱流体流路とする多数のチューブ2を層状に
配設する。被加熱流体と燃料ガスの進行方向は逆方向と
する。被加熱流体がガス状態となる燃料ガス流路11の
最上流の層2Aでは、チューブ2の外表面に直接酸化触
媒層を形成し、被加熱流体が液体状態または沸騰状態で
ある下流側の層2B〜2Eでは、チューブ2の外周に接
合したフィン21の外表面に酸化触媒層を形成して、燃
料ガス流路11の上流側における発熱量を適正に制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用あるいは自
動車用暖房器の熱源等に用いられ、燃料ガスの触媒によ
る酸化反応熱を利用して被加熱流体を加熱する触媒燃焼
加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】可燃ガス(燃料ガス)を酸化触媒を用い
て燃焼させ、発生する熱を利用して被加熱流体を加熱す
る触媒燃焼加熱装置が知られており、家庭用、自動車用
をはじめ様々な用途への利用が期待されている。このよ
うな触媒燃焼加熱装置は、通常、燃料ガス流路内に、内
部を被加熱流体が流れるチューブを配設し、該チューブ
の外周に多数の触媒担持フィンを一体に接合した触媒付
熱交換器を備えている。触媒担持フィンは、フィン外表
面に白金やパラジウム等の酸化触媒を担持させたもの
で、これらフィンに燃料ガスを接触させて酸化反応を生
起するようになしてある。
【0003】従来の触媒燃焼加熱装置の一例を図14に
示すと、図中、容器100内には、左右側壁間に掛け渡
した複数のチューブ101と、その外周に接合され、表
面に酸化触媒を担持した多数のフィン102とからなる
触媒付熱交換器が配設されている。複数のチューブ10
1はその左右端部で連結されてその内部に一続きの被加
熱流体流路を形成しており、その上端開口を被加熱流体
の導入口、下端開口を被加熱流体の導出口としている。
液体の被加熱流体は、上記チューブ101内に形成され
る流路を、図の上方から下方へ向けて流れ、その間に昇
温、沸騰して高温のガス状態となる。
【0004】上記容器100の下端部には燃料ガスの供
給口103が、上端部には燃焼ガスの排出口104が設
けてある。燃料ガスは、上記チューブ101外周のフィ
ン102間を図の下方から上方へ流れ、酸化触媒を担持
した上記フィン102表面に接触して触媒反応により燃
焼する。触媒燃焼により発生する熱は、上記チューブ1
01壁を介してその内部を流れる被加熱流体に伝えら
れ、触媒燃焼後の排気ガスは、上記排出口104より容
器100外に放出される。なお、上記供給口103の上
方には、多数の通孔を有する整流板105が燃料ガスの
流路を横切るように配設してあり、その上方には、触媒
を活性化温度以上に加熱するためのヒータ106が配設
してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の触媒燃焼加
熱装置において、燃料ガスは上記容器100内を図の下
方から上方へ燃焼しながら流れ、一方、液体の被加熱流
体は、これとは逆に、上記容器100内を上方から下方
へ向けて昇温しながら流れる。このように、燃料ガスの
流れ方向と被加熱流体の進行方向が逆方向である場合、
燃料ガス流路の下流側に被加熱流体の導入口が位置する
ことになる。すなわち、燃焼ガスの排出口104の近傍
において被加熱流体が低温であるため、燃焼排気ガスの
熱をより低温の被加熱流体に伝達して、発生する熱をよ
り効果的に利用することが期待される。
【0006】ところが、燃料ガス流路の上流側では、燃
料ガスの供給口103近傍の、最も温度が高く、しかも
熱伝達率の小さいガス状態である被加熱流体が流れる上
記チューブ101に、最も濃度の高い燃料ガスが供給さ
れ続けることになる。つまり、最も伝熱抵抗が高い部位
で多くの熱量が発生するために、触媒を担持したフィン
102や被加熱流体の流れる上記チューブ101が部分
的に過熱し、装置に悪影響を与えるおそれがあった。
【0007】一方、液体の被加熱流体が沸騰状態にある
領域では、気化熱として多くの熱量を必要とし、また、
液沸騰状態ではチューブ壁から被加熱流体への熱伝達率
が大きく、伝熱抵抗が小さいことから、発熱量を多くし
て被加熱流体への熱伝達を促進することが、熱交換効率
を向上させる上で望ましい。
【0008】また、熱交換効率を向上させるためには、
上記フィン102やチューブ101と燃焼ガスができる
だけ熱交換しない方がよい。ところが、供給口103よ
り供給される燃料ガスは、通常、常温程度で、チューブ
101内を流れる高温の被加熱流体よりも低温となるこ
とが一般的であるため、フィン102が冷却フィンとし
て作用し、発生した熱が燃焼ガスに奪われて、燃焼排気
ガスが高温となりやすい。一般にガスと金属の熱伝達率
が低いこと、触媒燃焼が火炎燃焼に比較して低温燃焼で
あることから、一度、燃焼ガスに奪われた熱を再び回収
することは困難で、熱交換効率を向上させようとする
と、装置の体格が大きくなる不具合があった。
【0009】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
その目的は、触媒反応による発熱量を適切に調整し、ま
たは被加熱流体への伝熱性能を高めて、フィンやチュー
ブ等の部材の過熱を防止し、安全で熱交換効率の高い触
媒燃焼加熱装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の触媒燃焼加熱装置は、容器内に、燃料ガ
ス流路と被加熱流体流路を接触させて配し、上記燃料ガ
ス流路内に燃料ガスと接触して酸化反応を生起する酸化
触媒層を設けて、燃料ガスの酸化反応熱を上記被加熱流
体流路内の被加熱流体に伝達することにより、液体状態
の被加熱流体をガス状態に加熱する触媒付熱交換器を備
えている。上記触媒付熱交換器内における被加熱流体と
燃料ガスの進行方向は逆方向とする。そして、被加熱流
体がガス状態となる上記燃料ガス流路の上流側では、上
記燃料ガス流路と上記被加熱流体流路とを仕切る壁部の
表面に上記酸化触媒層を直接形成し、被加熱流体が液体
状態または沸騰状態である下流側では、上記壁部に接し
て設けたフィンの表面に上記酸化触媒層を形成する。
【0011】上記構成では、被加熱流体が高温のガス状
態となる上記燃料ガス流路の上流側にフィンを配設せ
ず、上記被加熱流体流路に接する上記壁部の表面に、直
接、上記酸化触媒層を形成したので、触媒の酸化反応に
よる発熱量が必要以上に大きくならず、フィンやチュー
ブといった部材の過熱を防止して安全性を高めることが
できる。また、被加熱流体がガス状態である上流側で
は、下流側に比較して上記被加熱流体流路内への伝熱抵
抗が大きいので、少量の発熱量でも上記壁部の表面は比
較的高温に保持され、この壁部表面に酸化触媒を直接担
持することで、酸化触媒を十分活性状態に維持できる。
【0012】さらに、上記燃料ガス流路の上流側にフィ
ンを配設しないので、低温の燃料ガスが供給されても、
フィンが冷却フィンとして作用することがなく、発生し
た熱が燃焼ガスに奪われにくい。一方、被加熱流体が低
温である上記燃料ガス流路の下流側では、フィンを設け
ることで発熱面積が大きくなり、十分な発熱量が得られ
る。よって、発生する熱を効率よく被加熱流体に伝達す
ることができ、装置を大型化することなく、熱交換効率
を向上させることができる。
【0013】請求項2の触媒燃焼加熱装置では、上記課
題を解決するための他の手段として、上記構成の触媒付
熱交換器内における被加熱流体と燃料ガスの進行方向を
逆方向とするとともに、被加熱流体がガス状態となる上
記燃料ガス流路の上流側において、上記被加熱流体流路
の流路断面積を、被加熱流体が液体状態または沸騰状態
である下流側より小さくする。あるいは、上記被加熱流
体流路の伝熱面積を被加熱流体が液体状態または沸騰状
態である下流側より大きくする。
【0014】上記構成では、被加熱流体が高温のガス状
態となる上記燃料ガス流路の上流側において、上記被加
熱流体流路の流路断面積を下流側よりも小さくしたの
で、流路内を流れる被加熱流体の流速が増加する。流速
を高めることで、被加熱流体への伝熱性能が向上するた
め、フィンやチューブ等の部材の過熱が抑制されるとと
もに、熱交換効率を高めることができる。あるいは、上
記被加熱流体流路の伝熱面積を下流側よりも大きくする
ことによっても、伝熱性能が向上し、同様の効果が得ら
れる。
【0015】請求項3の構成では、請求項1または2の
構成における上記被加熱流体流路を、上記燃料ガス流路
内に、内部を被加熱流体が流れる多数のチューブを流路
を横切るように配設し、これらチューブを互いに連結し
て形成する。そして、被加熱流体がガス状態となる上記
燃料ガス流路の上流側において、上記チューブの径を被
加熱流体が液体状態または沸騰状態である下流側よりも
小さくするとともに、上記チューブを上記下流側よりも
密に設置する。
【0016】具体的には、上記被加熱流体流路を多数の
チューブを連結して構成することができる。この構成で
は、被加熱流体が高温のガス状態となる上記燃料ガス流
路の上流側において、上記チューブの径を下流側よりも
小さくすると、チューブ径の2乗に比例して被加熱流体
の流路断面積が減少する。これにより、上記チューブ内
を流れる被加熱流体の流速が増加して、伝熱性能が向上
し、フィンやチューブ等の部材の過熱を防止しつつ、熱
交換効率を高めることができる。また、チューブ径に比
例して発熱面積と伝熱面積は減少するが、上流側で上記
チューブを密に設置し、設置本数の増加により総表面積
を大きくすることで、必要な発熱面積と伝熱面積を確保
することができる。
【0017】この構成と請求項1の構成を組み合わせた
場合には、小径とした上流側のチューブにフィンを設置
していないので、上流側のチューブ径に合わせた大きさ
のフィンを用意する必要がなく、部品点数を削減して製
作コストを低くすることができる。さらに、フィンを設
置しないことで、同じ発熱量でもフィンを設置した場合
より燃料ガスに奪われる熱量を低くすることができる。
【0018】請求項4の発明では、上記課題を解決する
ための他の手段として、上記構成の触媒付熱交換器を備
えた触媒燃焼加熱装置において、上記燃料ガス流路中、
対応する上記被加熱流体流路の内部を流れる被加熱流体
が伝熱抵抗の高い状態にある領域において、上記酸化触
媒層に供給される燃料ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混
合状態を不均一にする手段を設けている。
【0019】上記構成によれば、被加熱流体が伝熱抵抗
の高い状態にある領域では、上記酸化触媒層に、可燃ガ
スと支燃ガス(通常、空気)との混合状態が不均一な燃
料ガスが供給される。従って、この領域では、部分的な
酸素不足の状態となり、発熱量が小さくなる。よって、
上記酸化触媒層表面での発熱量と被加熱流体への伝熱量
とが釣り合い、必要以上の発熱を抑制して、上記チュー
ブ外表面の過熱を防止するとともに、高い熱交換効率を
実現できる。
【0020】請求項5では、請求項4の発明における、
上記燃料ガスの混合状態を不均一にする手段として、上
記燃料ガス流路の上流端部に支燃ガス供給口を設けると
ともに、可燃ガス供給口を、被加熱流体が伝熱抵抗の高
い状態にある領域の上流側に設ける。このように、支燃
ガスと可燃ガスの供給口を別々に設け、上記燃料ガスの
流路内に分離導入することで、これらガスの混合状態を
不均一にすることができる。特に、可燃ガスの供給口
を、伝熱抵抗の高い領域の上流側に設けているので、こ
の領域の発熱量を小さくして、熱交換を効果的に行うこ
とができる。
【0021】請求項6の発明は、上記課題を解決するた
めの他の手段として、上記構成の触媒付熱交換器を備え
た触媒燃焼加熱装置において、上記燃料ガス流路中、対
応する上記被加熱流体流路の内部を流れる被加熱流体が
伝熱抵抗の低い状態にある領域において、上記酸化触媒
層に供給される燃料ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混合
状態を均一にする手段を設ける。
【0022】上記構成によれば、被加熱流体が伝熱抵抗
の低い状態にある領域では、上記酸化触媒層に、可燃ガ
スと支燃ガスがより均一に混合された燃料ガスが供給さ
れる。従って、この領域における燃焼効率が向上し、発
熱量が大きくなる。被加熱流体が伝熱抵抗の低い状態に
ある領域、例えば、被加熱流体が沸騰状態で気液二層と
なっている領域では熱伝達率が大きいため、発熱量を多
くすることで、被加熱流体への伝熱効率を向上し、高い
熱交換効率を実現する。また、燃焼が促進されるので、
未燃焼のガスが排出されるのを抑制し、立ち上げ時にも
低エミッションの運転が可能である。
【0023】請求項7では、請求項6の発明における上
記燃料ガスの混合状態を均一にする手段として、被加熱
流体が伝熱抵抗の低い状態にある領域の上流側に、多数
の通孔を有する拡散部材を設ける。この拡散部材により
支燃ガスと可燃ガスの混合が促進され、伝熱抵抗の低い
状態にある領域に、より均一な混合状態にある燃料ガス
を供給することができる。
【0024】請求項8では、上記請求項4〜8の触媒付
熱交換器内における上記被加熱流体と上記燃料ガスの進
行方向を逆方向とする。この時、上記した過熱防止効果
がより効果的に発揮される。
【0025】請求項9の発明では、上記課題を解決する
ための他の手段として、上記構成の触媒付熱交換器を備
えた触媒燃焼加熱装置において、上記燃料ガス流路の各
部位に、対応する上記被加熱流体流路の内部を流れる被
加熱流体の状態に応じた量の燃料ガスを分配供給するた
めの燃料分配手段を設ける。
【0026】本発明では、液体状態の被加熱流体を加熱
して高温のガス状態に変化させる時、必要となる熱量の
大半が液体から気体になるための蒸発潜熱であること、
さらに被加熱流体が沸騰状態である時の上記被加熱流体
流路の内壁面から被加熱流体への熱伝達率が、例えばガ
ス化した被加熱流体を加熱する場合と比較して格段に高
いことに着目し、上記燃料分配手段を用いて、内部を流
れる被加熱流体の状態に応じて燃料ガスを分配供給す
る。
【0027】例えば、上記流路触媒付熱交換器中で最も
熱量を必要とし、かつ最も熱が伝わりやすい部位、つま
り被加熱流体が沸騰状態にある部位の上記酸化触媒層
に、他の部位よりも多くの燃料ガスが供給される構成と
すれば、この部位の発熱量を大きくすることができ、熱
交換器の体格を大きくすることなく、効率よく熱伝達を
行うことができる。また、被加熱流体が高温のガス状態
にある部位では、燃料ガスの供給量を少なくして発熱量
が必要以上に大きくならないようにすることができるの
で、上記チューブや上記フィンの過熱を防止して、安全
性を高めることができる。よって、小型で安全性に優
れ、高い熱交換効率を有する触媒燃焼加熱装置を実現す
ることができる。
【0028】請求項10では、上記被加熱流体流路の内
部を流れる被加熱流体が沸騰状態である部位で、上記被
加熱流体流路の単位長さ当たりの発熱面積を他の部位よ
りも大きくする。例えば、上記フィンの取付面積を他の
部位よりも大きくすればよく、これにより、多くの熱量
が必要で熱伝達しやすい沸騰状態の被加熱流体が流れる
部位において、発生する熱量をより大きくすることがで
きる。よって、簡単な構成で、発熱量を適切に調整し、
高い熱交換効率を得ることができる。また、フィンの大
きさを、沸騰状態である部位で他の部位よりも大きくし
たり、取付間隔を小さく、かつフィンの大きさを大きく
するようにしてもよい。
【0029】請求項11では、被加熱流体が定常的に沸
騰状態であるべき部位に、被加熱流体温度を検出する温
度検出手段を設けるとともに、該温度検出手段により検
出される被加熱流体温度から上記部位の被加熱流体がガ
ス状態と判断された時に、上記燃料分配手段によって上
記部位に供給される燃料ガスの供給量を減少させる燃料
減少手段を設ける。
【0030】上記燃料分配手段によって、例えば、被加
熱流体が沸騰状態である部位における発熱量が多くなる
ように構成した場合、急激な流量変化等により、本来沸
騰状態であるべき部位の被加熱流体が完全にガス化して
しまうと、発生する熱が被加熱流体に伝えられず、上記
チューブや上記フィンが過熱するおそれがある。そこ
で、この部位の被加熱流体温度を上記温度検出手段で検
出し、被加熱流体が完全にガス化したと判断された時に
は、燃料ガスの供給量を減少させる。これにより、発熱
量を減少させて、上記チューブや上記フィンの過熱を防
止し、安全性をさらに高めることができる。
【0031】請求項12では、上記燃料分配手段が、上
記燃料ガス流路の各部位に燃料ガスを分配供給するため
の多数の燃料供給口を有し、該燃料供給口の総断面積
を、被加熱流体が沸騰状態である部位で他の部位よりも
大きくする。
【0032】具体的には、上記燃料ガス流路壁に設けた
多数の燃料ガス供給口を介して、上記燃料ガス流路内に
燃料ガスを供給することで、上記燃料ガス流路の各部位
にそれぞれ必要な量の燃料ガスを分配供給することがで
きる。そして、例えばその設置数を被加熱流体が沸騰状
態である部位で多くして、総断面積を大きくする。この
ように簡単な構成で、この部位での発熱量を大きくする
ことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図1により本発明の触媒燃
焼加熱装置の第1の実施の形態を説明する。図1
(a)、(b)は、触媒燃焼加熱装置の主要部を構成す
るチューブ・フィン式の触媒付熱交換器の断面図で、両
端開口の筒状の容器1は、その内部を燃料ガス流路11
となしている。容器1には、図の左端部に燃料供給口1
2が、右端部に排気口13が設けられ、燃料ガスは、図
1(b)に矢印で示すように、燃料ガス流路11内を図
の左方より右方へ向けて流れる。燃料ガスは、例えば、
水素、メタノール等の可燃性ガスと空気の混合気からな
り、図略のガス供給部内で混合された後、燃料ガスとし
て上記燃料ガス流路11内に供給される。
【0034】燃料ガス流路11内には、内部を被加熱流
体流路とする多数のチューブ2が、燃料ガスの流れと直
交する方向(図1(a)の上下方向)に延びている。こ
れらチューブ2は、燃料ガスの流れ方向に層状に並列配
置されており(図1(b))、ここでは、5層のチュー
ブ2の層2A〜2Eが形成してある。これらチューブ2
は燃料ガス流路11と被加熱流体流路とを仕切る壁部と
なる。
【0035】最上流の第1層2Aを構成するチューブ2
は、その両端部に設けた流体溜31、32によって結合
されている(図1(a))。同様に、中間の第2層2
B、第3層2Cを流体溜32、33に、下流側の第4層
2D、第5層2Eを流体溜33、34に連結し、流体溜
34に被加熱流体の導入管41を、流体溜31に導出管
42を連結することで、図に矢印で示すように、燃料ガ
ス流路11内をジグザクに、下流側より上流側へ向かう
被加熱流体の流路が形成される。被加熱流体としては、
例えば水が使用され、この流路内を流通する間に、燃料
ガスの酸化反応熱によって高温に加熱され、沸騰状態を
経て、ガス状態となる。ここでは、例えば、下流側の第
4層2D、第5層2Eで被加熱流体が液体状態(液昇温
部)、中間の第2層2B、第3層2Cで沸騰状態(液沸
騰部)、最上流の第1層2Aでガス状態(ガス昇温部)
となるように流量、発熱量等を制御する。
【0036】ここで、燃料ガス流路11の最上流の第1
層2Aを除き、上記チューブ2の外周には、リング状の
多数のフィン21がロー付け等の方法で一体に接合され
ている。上記チューブ2およびフィン21の外表面に
は、アルミナ等の多孔質体を担体として白金、パラジウ
ム等の酸化触媒を担持した酸化触媒層が形成されてい
る。本実施の形態では、第1層2Aでは、上記チューブ
2にフィン21を接合せず、チューブ2の外表面に直接
酸化触媒層を形成する。
【0037】また、本実施の形態では、最上流の第1層
2Aを構成するチューブ2の径を、これより下流側のチ
ューブ2よりも小さく形成するとともに、第1層2Aに
おいて、上記チューブ2を下流側の層2B〜2Eよりも
密に設置する。つまり、最上流の層2Aを構成するチュ
ーブ2の本数は、下流側の層2B〜2Eの各層を構成す
るチューブ2の本数よりも多くなっている。これは、フ
ィン21を接合しない上、チューブ径を小さくしたこと
による発熱面積の減少を、チューブ2の本数を増加する
ことによる総外表面積の増加で補って、必要な発熱面積
を確保するためである。同時に、チューブ2の本数を増
加することによる総内壁面積の増加により、被加熱流体
がチューブ2の内壁に接する面積、つまり、必要な伝熱
面積を確保している。また、最上流の第1層2Aでは、
チューブ2内を流れる被加熱流体が、熱伝達率の小さい
ガス状態であるため、被加熱流体の流速をより速くし
て、伝熱性能を向上させる狙いがある。
【0038】下流側の層2B〜2Eでは、上記チューブ
2の径、フィン21の径、形状等は同一としてある。ま
た、下流側の層2B〜2Eにおいて、各チューブ2が隣
合う層のチューブ2間に位置するように互い違いに配置
しており、これにより燃料ガス流路の実質長が長くなる
効果がある。また、最下流の2つの層2D、2Eにおい
て、フィン21の取付け間隔を小さくして、より多くの
フィン21を配設し、発熱面積を大きくしている(図1
(a))。なお、フィン21の外径、数は、接合される
上記チューブ2内の被加熱流体に必要な熱量に応じて適
宜設定することができる。また、チューブ2の数や、配
置等も、被加熱流体の流量や状態に応じて適宜設定すれ
ばよい。
【0039】このようにして、容器1の燃料ガス流路1
1内に、導入管41を入口とし、チューブ2および流体
溜31〜34内を経て、出口となる導出管42へ向かう
被加熱流体流路が形成される。ここで、被加熱流体の導
出管42には、管壁に、被加熱流体の出口温度を制御す
るための温度センサ43が設置されている。なお、燃料
供給口12近傍の燃料ガス流路11内に、上記従来の構
成において示したような、多数の通孔を有する整流板
や、触媒加熱用のヒータを配設することもできる。
【0040】上記構成において、可燃性ガスと空気の混
合気からなる燃料ガスは、燃料供給口12より燃料ガス
流路11内に供給され、チューブ2およびフィン21上
の触媒と酸化反応を起こし、触媒燃焼しながら、図の左
方から右方に流れて排気口13へ向かう。酸化反応によ
り発生した熱は、フィン21からチューブ2に伝達さ
れ、その内部を流れる被加熱流体を加熱する。一方、被
加熱流体の進行方向は、燃料ガスの進行方向と逆方向で
あり、チューブ2内を流体溜31〜34を経由しつつ図
の右方から左方に流れる。そして、燃料ガス流路11の
上流側に向かうにつれて高温に加熱され、沸騰してガス
状態となった被加熱流体が、最上流の第1層2Aのチュ
ーブ2内に導入される。
【0041】このように、被加熱流体と燃料ガスの進行
方向が逆方向である場合、上記燃料供給口12に近いチ
ューブ2内を流れる被加熱流体が最も高温となる。この
ため、チューブ2およびフィン21の温度が上昇しやす
いが、上記構成では、最上流の第1層2Aにおいて、チ
ューブ2にフィン21を設けていないので、発熱が抑制
され、フィン21やチューブ2が異常に高温となること
がない。よって、チューブ2の半径方向の熱応力により
フィン21が変形したり、触媒が剥離するといった問題
が生じない。また、フィン21が冷却フィンとして作用
することもない。
【0042】また、最上流の第1層2Aのチューブ2を
小径としたので、チューブ径の2乗に比例して流路断面
積が減少し、チューブ2内を流れる被加熱流体の流速が
増加する。流速を高めることで、伝熱性能が向上するた
め、チューブ2の過熱を抑制し、かつ熱交換効率を高め
ることができる。また、チューブ径に比例して発熱面積
と伝熱面積は減少するが、第1層2Aでチューブ2の設
置本数を多くしチューブ内外の総表面積を大きくするこ
とで、必要な伝熱面積を確保しつつ発熱量を増加させ、
しかも必要以上に大きくならないように適切に制御でき
る。なお、この場合、チューブ2の設置本数が増加して
も、液体がガス状態となることにより被加熱流体の体積
は圧倒的に増加しているので、ベーパロックや流れの偏
りによって一部のチューブ内に被加熱流体が流れなくな
り、フィンやチューブが異常に加熱される心配はない。
【0043】一方、被加熱流体は燃料ガス流路11の下
流側、つまり排気口13に近いほど低温であるため、排
気口13から排出される排気ガスをより低温の被加熱流
体が流れるチューブ2に接触させることにより、排気ガ
ス中の熱を効率よく回収できる。また、チューブ2を隣
合う層間で互い違いに配置したので、燃料ガス流路11
の実質長が長くなり熱交換効率が向上する。よって、容
器1の燃料ガスの流れ方向の長さを短くして装置の体格
を小型化することができる。さらに、下流側に位置する
フィン21の取付け間隔を小さくして、排気ガスとの接
触面積を増大することにより、排気ガスの熱をより効果
的に回収するとともに、未燃ガス燃料を完全に触媒燃焼
させて排気ガスを浄化することができる。
【0044】かくして、装置を大型化することなく、安
全で熱交換効率の高い触媒燃焼加熱装置を実現できる。
なお、上記実施の形態では、触媒燃焼器を横置きとした
が、縦置きとしてももちろんよい。
【0045】図2〜6に本発明の第2の実施の形態を示
す。本実施の形態では、触媒燃焼加熱装置の主要部であ
る触媒付熱交換器が、積層型の基本構成を有している点
で、上記第1の実施の形態と異なっている。図2
(a)、(b)において、矩形断面の容器1内は、隔壁
14、15によって、熱交換部とその上下の流体溜3
5、36に区画されている。熱交換部は、図2(b)の
左右方向に、多数の燃料ガス流路11と被加熱流体流路
22とを交互に積層配設してなり、隣接する燃料ガス流
路11および被加熱流体流路22は、両流路を仕切る壁
部となる多数の仕切板61にて互いに区画されている。
【0046】各燃料ガス流路11は、図2(a)のよう
に、その内部に仕切用のスペーサ16、17を配設する
ことにより、上下方向に3分割されている(11A〜1
1C)。そして、図の上方から下方へ向けてジグザクに
燃料ガスが流れるように、上流部11Aの左端部に燃料
供給口12を、下流部11Cの右端部に排気口13を配
設し、中間部11Bの右端部と上流部11Aを、左端部
と下流部11Cをそれぞれ流路71、72で連結してあ
る。
【0047】一方、図2(b)のように、各被加熱流体
流路22の上下端は、隔壁14、15を貫通してそれぞ
れ流体溜35、36に連通している。そして、図2
(a)のように、下方の流体溜36に被加熱流体の導入
管41を、上方の流体溜35に導出管42を連結するこ
とで、図の下方から上方へ、すなわち燃料ガス流路11
の下流側より上流側へ向けて被加熱流体が流れるように
なしてある。本実施の形態では、被加熱流体流路22内
を、燃料ガス流路11の各部11A〜11Cに対応する
3つの層22A〜22Cに分けており、例えば、燃料ガ
ス流路11の下流部11Cに対応する第3層22Cで被
加熱流体が液体状態、中間部11Bに対応する第2層2
2Bで沸騰状態、上流部11Aに対応する第1層22A
でガス状態となるように流量、発熱量等が制御される。
【0048】ここで、各燃料ガス流路11内には、上流
部11Aを除き、矩形断面の波板状のフィン73が挿通
配設してある。図3のように、フィン73は、流路壁と
なる2枚の仕切板61間に挟持されて、中間部11B、
下流部11C内をさらに多数の流路に区画しており、こ
れらフィン73および仕切板61の表面には、アルミナ
等の多孔質体を担体として白金、パラジウム等の酸化触
媒を担持した酸化触媒層が形成してある。上流部11A
では、仕切板61の表面に直接酸化触媒層を形成してい
る(図2(a))。本実施の形態では、フィン73を矩
形断面形状としたことで仕切板61との接触面積が大き
くなり、伝熱性能が向上する。
【0049】図4(a)、(b)のように、各被加熱流
体流路22内は、矩形断面の波板状のフィン23が挿通
配設されて、さらに多数の流路に区画されている。この
時、図3のように、被加熱流体流路22のフィン23と
燃料ガス流路11のフィン73とは、流路方向が互いに
直交するように配され、平板状の仕切板61を挟んで、
これらフィン23とフィン73とを交互に積層すること
で熱交換部が構成される。また、図4(b)のように、
被加熱流体流路22の第1層22Aには、流路方向(図
の上下方向)に延びる多数のスペーサ62が配置されて
いる。スペーサ62は、図5のように、フィン23によ
って区画される流路のそれぞれに配され、各流路の断面
積を約半分程度に小さくして、流速が増大するようにし
ている。なお、本実施の形態の構成では、チューブ2径
を小さくして流路断面積を小さくする第1の実施の形態
と異なり、流路断面積を小さくすることに伴う発熱面積
の減少は生じない。
【0050】被加熱流体流路22の第1層22Aの流路
断面積を小さくする手段として、スペーサ62を配設す
る代わりに、図6のように、仕切板61を被加熱流体流
路22側路に突出させることもできる。ここでは、フィ
ン23によって区画される流路に対し1つおきに仕切板
61を三角形に突出させているが、形状等は特に制限さ
れない。このようにすると、スペーサ62が不要とな
り、組付けの手間も省ける。また、仕切板61を突出さ
せることによって、伝熱面積が増加し、燃料ガス流路1
1の表面積が増すので、上流部11Aの発熱面積の調整
が容易にできる。
【0051】上記構成によっても、上記第1の実施の形
態と同様の効果が得られる。すなわち、上記燃料ガス流
路11の上流部11Aにフィン73を配設していないの
で、フィン73や流路を構成する仕切板61が異常に高
温となったり、冷却フィンとして作用することがない。
また、被加熱流体流路22の第1層22Aにスペーサ6
2を配設して、流路断面積を小さくしたので、被加熱流
体の流速が増大し、さらに伝熱面積が大きくなるので、
伝熱性能がより向上する。よって、上流部11Aにおけ
る発熱量が適切に制御され、安全性を確保しつつ、熱交
換効率を向上させることができる。なお、流路断面積を
小さくし、かつ伝熱面積を大きくするための構成とし
て、被加熱流体流路22の第1層22A内に配設される
フィン23のピッチを他の層よりも狭くしてもよい。こ
の時、第1層22A内がより断面積が小さいより多くの
流路に区画され、伝熱性能を向上させることができる。
【0052】また、上記積層型の熱交換器は、体積当た
りの比表面積を大きくできるので、小型化が容易であ
る。さらに、積層型の熱交換器は、プレス成形した各構
成部材を積層して一体ロー付けすることにより容易に製
作できるため、コストの低減が可能である。
【0053】図7に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態において、触媒燃焼加熱装置の主要部を構
成する触媒付熱交換器は、上記第1の実施の形態と同様
のチューブ・フィン式の基本構成を有しており、以下、
相違点を中心に説明する。図7(a)、(b)のよう
に、本実施の形態では、筒状の容器1の内部に設けた燃
料ガス流路11内に、3層のチューブ2の層2A〜2C
が形成してあり、燃料ガス流路11の上流側(図の左端
側)から第1層2A〜第3層2Cとしてある。そして、
第1層2Aを流体溜31、32に、第2層2Bを流体溜
32、33に、第3層2Cを流体溜33、34にそれぞ
れ連結することで、被加熱流体の導入管41を入口、導
出管42を出口とし、チューブ2の各層2A〜2Cおよ
び流体溜31〜34内を経て、燃料ガスの流路11内を
ジグザクに、下流側より上流側へ向かう被加熱流体の流
路が形成される。
【0054】各チューブ2の外周には、表面に酸化触媒
層が形成されたリング状の多数のフィン21がロー付け
等の方法で一体に接合されている。酸化触媒層は、アル
ミナ等の多孔質体を担体として白金やパラジウム等の酸
化触媒を担持してなり、燃料ガスと接触して酸化反応を
生起する。酸化反応により発生した熱は、フィン21か
らチューブ2に伝達され、その内部を流れる被加熱流体
を加熱する。
【0055】本実施の形態では、チューブ2の外周に設
けられるフィン21の数や外径を、各層で同じとしてい
るが、必要な発熱量等に応じて適宜変更することもでき
る。また、チューブ2の数や、配置等も、被加熱流体の
流量や状態に応じて適宜設定すればよい。フィン21に
加えてチューブ2の外周表面に酸化触媒層を形成するこ
ともできる。
【0056】チューブ2の各層2A〜2Cは、例えば、
燃料ガス流路11の下流側の第3層2Cが被加熱流体の
液昇温部、中間の第2層2Bが液沸騰部、上流側の第1
層2Aがガス昇温部となるようにする。そして、本実施
の形態では、これらの層2A〜2Cのうち、チューブ2
の内部を流れる被加熱流体が伝熱抵抗の高い状態にある
領域、ここでは、ガス昇温部である第1層2Aにおい
て、チューブ2の周囲に設けた酸化触媒層に供給される
燃料ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を不均一に
する手段を設ける。具体的には、燃料ガスを構成する可
燃ガスと支燃ガスを、上記燃料ガスの流路11内に分離
導入する手段として、容器1の左端部に支燃ガス供給口
12´を設ける一方、チューブ2の第1層2Aの上流側
に、複数の可燃ガス供給管5を配設する。複数の可燃ガ
ス供給管5は、チューブ2と直交する方向に、燃料ガス
流路11を横切って平行に延びており(図1(b)の上
下方向)、燃料ガス流れの上流側の管壁に、複数の可燃
ガス供給口51が開口している。可燃ガスは、この可燃
ガス供給口51より燃料ガス流路11内に導入されて、
ここで支燃ガスと合流し、下流側の排気口13へ向けて
流れる。
【0057】また、チューブ2の内部を流れる被加熱流
体が伝熱抵抗の低い状態にある領域、ここでは、液沸騰
部である第2層2Bにおいて、チューブ2の周囲の酸化
触媒層に供給される燃料ガス中の可燃ガスと支燃ガスの
混合状態を均一にする手段を設ける。具体的には、第2
層2Bの上流側近傍に、ガスの流れを拡散するための多
数の通孔を有する拡散部材たる拡散板6を、燃料ガス流
路11を横切って配設する。この拡散板6は、例えば、
発泡金属板や金属ウール等からなり、可燃ガスと支燃ガ
スの混合を促進して、チューブ2外周のフィン21表面
における燃料ガスの触媒燃焼を促進する効果がある。こ
のような拡散部材は、ガスの流れを拡散する作用を有す
るものであればよく、例えば、焼結金属のような多孔質
体やパンチングメタル単体、さらに開口穴径の異なる複
数のパンチングメタルを平行配設したものでもよい。
【0058】上記構成の触媒燃焼加熱装置の作動を説明
する。導入管41から被加熱流体流路に供給される被加
熱流体(通常、水)は、チューブ2内を流体溜31〜3
4を経由しつつ、燃料ガス流れと逆方向(図の右方から
左方)に流れる。被加熱流体は、その間に、燃料ガスの
酸化反応熱によって徐々に加熱され、燃料ガス流路11
の上流側の第1層2Aにおいて最も高い温度となる。こ
の第1層2Aでは、チューブ2内を流れる被加熱流体が
高温の蒸気で、伝熱抵抗が大きい上、燃料ガスの上流側
で可燃ガス濃度が高くなっているため、従来の構成で
は、チューブ2およびその外周のフィン21が高温にな
りやすい。
【0059】そこで、本実施の形態では、可燃ガスの供
給管5を、この第1層2Aの上流側に配置し、可燃ガス
と支燃ガスの混合が、第1層2Aの酸化触媒層に供給さ
れる直前に行われるようにする。このように、燃料ガス
流路11の上流側における燃料ガスの混合状態を不均一
とし、部分的な酸素不足を生じさせることにより、発熱
量を小さくし、チューブ2内を流れる被加熱流体に必要
な熱量と釣り合うようにすることができる。よって、フ
ィン21や上記チューブ2が必要以上に過熱されないの
で、安全性が向上し、また、伝熱効率が向上する。
【0060】さらに、被加熱流体が沸騰状態で伝熱抵抗
が小さくなっている中間の第2層2Bでは、対応するチ
ューブ2の上流側に拡散板6を配設したので、燃料ガス
が十分拡散混合された後に、フィン21表面の酸化触媒
層に接触する。従って、燃料ガスの燃焼が促進されてよ
り多くの触媒反応熱を得ることができ、伝熱性能が向上
する。さらに、燃料ガスが均一混合されていることによ
り、燃焼が良好に行われるため未燃ガスの排出を抑制す
ることができ、装置の立ち上げ時においても低エミッシ
ョン運転が可能となる。
【0061】図8(a)、(b)に本発明の第4の実施
の形態を示す。本実施の形態では、チューブ2の内部を
流れる被加熱流体が伝熱抵抗の低い状態にある中間の第
2層2Bにおいて、チューブ2の周囲に供給される燃料
ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を均一にする手
段として、上記第3の実施の形態の上記拡散板6を設け
る代わりに、第2層2Bより上流側のチューブ2を、前
後2列に、かつ互い違いに配置する。これにより、燃料
ガスの流れを乱して混合を促進する同様の効果が得られ
る。なお、この場合は、上流側の第1層2Aのチューブ
2およびフィン21の数が増加するので、反応面積を適
正にするために、上記フィン21の表面積を下流側のフ
ィン表面積よりも小さくしてある。その他の構成は、上
記第3の実施の形態と同様である。
【0062】図9、10に本発明の第5の実施の形態を
示す。本実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様
の基本構成を有する積層型の触媒付熱交換器において、
上記第3の実施の形態に示した燃料ガス中の可燃ガスと
支燃ガスの混合状態を不均一にする手段と、燃料ガス中
の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を均一にする手段を設
けている。図9(a)、(b)において、矩形断面の容
器1内は、多数の燃料ガス流路11と被加熱流体流路2
2とを仕切板61を挟んで交互に積層配設してなる熱交
換部と、その上下の流体溜35、36に区画されてい
る。
【0063】各燃料ガス流路11は上下方向に3分割さ
れ、上流部11Aと中間部11Bを流路71で、中間部
11Bと下流部11Cを流路72で連結して、図の上方
から下方へ向けてジグザクに燃料ガスが流れるようにな
してある。また、各部11A〜11Cには、矩形断面の
波板状のフィン73が挿通配設してある。フィン73
は、流路壁となる2枚の仕切板61間に挟持されて、各
部11A〜11C内をさらに多数の流路に区画してお
り、これらフィン73および仕切板61の表面には、ア
ルミナ等の多孔質体を担体として白金、パラジウム等の
酸化触媒を担持した酸化触媒層が形成してある。
【0064】一方、各被加熱流体流路22はそれぞれ流
体溜35、36に連結され、下方の流体溜36には被加
熱流体の導入管41が、上方の流体溜35には導出管4
2が連結してあって、燃料ガス流路11の下流側より上
流側へ向けて(図の下方から上方へ向けて)被加熱流体
が流れる。被加熱流体流路22は、燃料ガス流路11の
各部11A〜11Cに対応する第1層22A〜第3層2
2Cからなり、例えば、燃料ガス流路11の下流部11
Cに対応する第3層22Cが液昇温部、中間部11Bに
対応する第2層22Bで液沸騰部、上流部11Aに対応
する第1層22Aでガス昇温部となるようにする。な
お、図10(a)、(b)のように、各被加熱流体流路
22内も、矩形断面の波板状のフィン23によって、さ
らに多数の流路に区画されている。
【0065】本実施の形態では、被加熱流体流路22は
各層22A〜22Cのうち、被加熱流体が伝熱抵抗の高
い状態にある第1層22Aに対応する、燃料ガス流路1
1の上流部11Aで酸化触媒層に供給される燃料ガス中
の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を不均一にする手段を
設ける。具体的には、上流部11Aの左端部に支燃ガス
供給口12´を設け、該支燃ガス供給口12´内に、可
燃ガス供給管5を配設して、可燃ガスと支燃ガスを上流
部11Aに分離導入する。可燃ガス供給管5は、燃料ガ
ス流れの上流側の管壁に開口する可燃ガス供給口51を
有し、可燃ガスは、この可燃ガス供給口51より燃料ガ
スの流路11内に導入されて、支燃ガスと合流しなが
ら、下流側へ向けて流れる。
【0066】また、被加熱流体が伝熱抵抗の低い状態
(沸騰状態)にある第2層22Bに対応する、燃料ガス
流路11の中間部11Bで酸化触媒層に供給される燃料
ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を均一にする手
段を設ける。具体的には、中間部11Bの上流の流路7
1内に、ガスの流れを拡散するための多数の通孔を有す
る拡散部材63を充填する。この拡散部材63は、例え
ば、発泡金属や金属ウール等からなり、可燃ガスと支燃
ガスの混合を促進して、酸化触媒層表面での燃料ガスの
触媒燃焼を促進する。
【0067】上記構成によっても、上記第3の実施の形
態と同様の効果が得られる。すなわち、可燃ガスの供給
管5を、燃料ガス流路11の上流部11Aの上流側に配
置したので、可燃ガスと支燃ガスの混合が、上流部11
Aの酸化触媒層に供給される直前に行われ、混合状態が
不均一となる。よって、発熱量を小さくし、フィン73
や仕切板61の過熱を防止して、安全性、伝熱効率を向
上できる。
【0068】さらに、燃料ガス流路11の中間部11B
の上流側に、拡散部材63を配設したので、燃料ガスが
十分拡散混合された後に、中間部11Bの酸化触媒層に
接触する。従って、燃料ガスの燃焼が促進されてより多
くの触媒反応熱が得られ、伝熱性能が向上する。さら
に、未燃ガスの排出を抑制して、低エミッション運転を
可能にする。
【0069】また、上記積層型の熱交換器は、体積当た
りの比表面積を大きくできるので、小型化が容易であ
る。さらに、積層型の熱交換器は、プレス成形した各構
成部材を積層して一体ロー付けすることにより容易に製
作できるため、コストの低減が可能である。
【0070】このように、第3〜5の実施の形態の構成
によっても、部材の過熱を防止し、安定した触媒燃焼と
高い熱交換効率が得られる。また、燃料として水素等の
拡散係数の高い気体を用いる場合には、上記第3〜5の
実施の形態の構成のように、支燃ガスと分離導入するこ
とで、逆火を防止でき、燃料の絞り機構等の複雑な機構
を必要とせずに、信頼性の高い触媒燃焼加熱装置を実現
することができる。
【0071】図11に本発明の第6の実施の形態を示
す。本実施の形態において、触媒燃焼加熱装置の主要部
を構成する触媒付熱交換器は、上記第1の実施の形態と
同様のチューブ・フィン式の基本構成を有しており、以
下、相違点を中心に説明する。図11(a)、(b)の
ように、本実施の形態では、筒状の容器1の内部を燃料
ガス流路11となして、その左端部に支燃ガス供給口1
2´を、右端部に排気口13を設けている。容器1の両
側部には、後述する可燃ガスの供給部53が形成されて
いる。
【0072】燃料ガス流路11内には、3層のチューブ
2の層2A〜2Cが形成してあり、燃料ガス流路11の
上流側から第1層2A〜第3層2Cとしてある。そし
て、第1層2Aを流体溜31、32に、第2層2Bを流
体溜32、33に、第3層2Cを流体溜33、34にそ
れぞれ連結することで、被加熱流体の導入管41を入
口、導出管42を出口とし、チューブ2の各層2A〜2
Cおよび流体溜31〜34内を経て、燃料ガスの流路1
1内をジグザクに、下流側より上流側へ向かう被加熱流
体の流路が形成される。チューブ2の各層2A〜2C
は、例えば、燃料ガス流路11の下流側の第3層2Cが
被加熱流体の液昇温部、中間の第2層2Bが液沸騰部、
上流側の第1層2Aがガス昇温部となるようにする。ま
た、被加熱流体の導出管42の管壁には、被加熱流体の
出口温度を制御するための温度センサ43が設置されて
いる。
【0073】各チューブ2の外周には、リング状の多数
のフィン21がロー付け等の方法で一体に接合されてお
り、その外表面に酸化触媒層が形成されている。酸化触
媒層は、例えば、アルミナ等の多孔質体を担体として白
金、パラジウム等の酸化触媒が担持してなる。フィン2
1に加えてチューブ2の外周表面に酸化触媒層を形成す
ることもできる。
【0074】本実施の形態では、チューブ2の各層2A
〜2Cに、内部を流れる被加熱流体の状態に応じた量の
燃料ガスを分配供給するための燃料分配手段として、上
記容器1の両側部に、多数の燃料供給口たる可燃ガス供
給口51を有する可燃ガスの供給部53を設ける。多数
の可燃ガス供給口51は、容器1の両側壁を貫通して燃
料ガス流路11内に開口し(図1(b))、各層2A〜
2Cの上流側に、それぞれ所定数形成されて可燃ガスを
分離供給するようになしてある(図1(a))。各層2
A〜2Cに対応する可燃ガス供給口51の数は、それぞ
れの層の被加熱流体の状態に応じて必要な量の可燃ガス
が供給されるように適宜決定される。被加熱流体は、沸
騰状態である時に熱伝達率が高く、また液体から気体に
なるために多くの熱量を必要とすることから、ここで
は、被加熱流体が沸騰状態である第2層2Bの上流側
に、他の層よりも多くの可燃ガス供給口51を形成す
る。
【0075】可燃ガスの供給部53には、一端側(図1
(b)の左端側)に可燃ガス導入管52が接続してあ
り、他端側は閉鎖している。可燃ガス導入管52内に
は、沸騰状態であるべき部位の被加熱流体のガス状態と
なった時に燃料ガスの供給量を減少させる燃料減少手段
として、絞り弁8が配設されており(図1(b))、そ
の開度を調整することで、可燃ガスの供給部5に導入さ
れる可燃ガスの流量を減少させることができるようにし
ている。また、内部を流れる被加熱流体が定常的に沸騰
状態であるべき部位である流体溜32内に、温度検出手
段たる温度センサ7を設けており、被加熱流体温度から
判断される被加熱流体の状態に応じて、上記絞り弁8の
開度を調整できるようにしている。
【0076】また、本実施の形態では、内部を流れる被
加熱流体が沸騰状態である第2層2Bにおいて、チュー
ブ2の外周に形成させるフィン21の取付間隔を、他の
層よりも小さくする(図1(a))。これにより、第2
層2Bの発熱面積を大きくして、発熱量をさらに大きく
することができる。フィン21の径や形状等は、ここで
は各層で同一としてあるが、接合されるチューブ2内の
被加熱流体に必要な熱量に応じて適宜変更することもで
きる。また、チューブ2の径や数、配置等も、被加熱流
体の流量や状態に応じて適宜設定すればよい。
【0077】次に、本実施の形態の触媒燃焼加熱装置の
作動について説明する。上記構成において、燃料ガス流
路11内には、支燃ガス供給口12´より支燃ガスが供
給され、可燃ガスの供給部53より多数の可燃ガス供給
口51を介して供給される可燃ガスと混合して、チュー
ブ2の各層2A〜2Cに供給される。一方、被加熱流体
は、燃料ガスの流れとは逆に、チューブ2内を流体溜3
1〜34を経由しつつ図の右方から左方に流れる。そし
て、燃料ガス流路11の上流側に向かうにつれて高温に
加熱され、中間の第2層2Bで沸騰状態となる。この第
2層2Bでは、液体から気体に変化するために大量の熱
量を必要とし、さらに被加熱流体が沸騰状態であるため
伝熱抵抗が最も低くなっている。
【0078】そこで、本実施の形態では、チューブ2の
各層に対応する多数の可燃ガス供給口51を設けて、各
層2A〜2Cに燃料ガスを分配供給する。特に、液沸騰
部である第2層2Bに対応する可燃ガス供給口51の数
を他の層より多くして、燃料ガス供給量を多くし、発熱
量を大きくする。また、この第2層2Bにおいて、フィ
ン21の取付間隔を他の層より小さくし、チューブ2の
単位長さ当たりの発熱面積を大きくしたので、より多く
の発熱量を得ることができる。さらに、上流の第1層2
Aでは、従来のように予混合した燃料ガスを供給する場
合には、燃料ガス中の可燃ガス濃度が高くなるため、発
熱量が大きくなりやすいが、可燃ガス供給口51の数を
必要な発熱量に応じた数とすることで、フィン21やチ
ューブ2の過熱を防止することができる。よって、安全
性が向上し、フィン21の変形や触媒の剥離といった不
具合が生じることもない。
【0079】このように、多数の可燃ガス供給口51を
設けて、その数を被加熱流体の状態に応じて適切に設定
することで、小型で、安全であり、しかも熱交換効率の
高い触媒燃焼加熱装置を得ることができる。
【0080】さらに、上記構成では、被加熱流体が定常
的に沸騰状態であるべき流体溜32内に温度センサ7を
設けるとともに、可燃ガス導入管52内に絞り弁8を設
けたので、被加熱流体の状態に応じて、可燃ガスの流量
を適切に制御できる。従って、例えば、急激な流量変化
等によりこの部位の被加熱流体が完全にガス化してしま
った場合でも、温度センサ7で検出される被加熱流体温
度から被加熱流体の状態を知り、絞り弁8の開度を小さ
くして可燃ガスの流量を減少させることで、発熱量を小
さくすることができる。よって、チューブ2やフィン2
1の過熱が防止でき、安全性をさらに高めることができ
る。
【0081】図12、13に本発明の第7の実施の形態
を示す。本実施の形態では、上記第2の実施の形態と同
様の基本構成を有する積層型の触媒付熱交換器におい
て、上記第6の実施の形態に示した内部を流れる被加熱
流体の状態に応じた量の燃料ガスを分配供給するための
燃料分配手段を設けている。図12(a)、(b)にお
いて、矩形断面の容器1内は、多数の燃料ガス流路11
と被加熱流体流路22とを仕切板61を挟んで交互に積
層配設してなる熱交換部と、その上下の流体溜35、3
6に区画されている。
【0082】各燃料ガス流路11は上下方向に3分割さ
れ、上流部11Aに支燃ガス供給口12´を、下流部1
1Cに排気口13を連結するとともに、上流部11Aと
中間部11Bを流路71で、中間部11Bと下流部11
Cを流路72で連結して、図の上方から下方へ向けてジ
グザクに燃料ガスが流れるようになしてある。また、各
部11A〜11Cには、矩形断面の波板状のフィン73
が挿通配設してある。フィン73は、流路壁となる2枚
の仕切板61間に挟持されて、各部11A〜11C内を
さらに多数の流路に区画しており、これらフィン73お
よび仕切板61の表面には、アルミナ等の多孔質体を担
体として白金、パラジウム等の酸化触媒を担持した酸化
触媒層が形成してある。
【0083】一方、各被加熱流体流路22はそれぞれ流
体溜35、36に連結され、下方の流体溜36には被加
熱流体の導入管41が、上方の流体溜35には導出管4
2が連結してあって、燃料ガス流路11の下流側より上
流側へ向けて(図の下方から上方へ向けて)被加熱流体
が流れる。被加熱流体流路22は、燃料ガス流路11の
各部11A〜11Cに対応する第1層22A〜第3層2
2Cからなり、例えば、燃料ガス流路11の下流部11
Cに対応する第3層22Cが液昇温部、中間部11Bに
対応する第2層22Bで液沸騰部、上流部11Aに対応
する第1層22Aでガス昇温部となるようにする。な
お、図13(a)、(b)のように、各被加熱流体流路
22内も、矩形断面の波板状のフィン23によって、さ
らに多数の流路に区画されている。
【0084】本実施の形態では、被加熱流体流路22内
部を流れる被加熱流体の状態に応じた量の燃料ガスを分
配供給するための燃料分配手段として、図12(b)、
図13(a)に示すように、容器1の側部に、多数の燃
料供給口たる可燃ガス供給口51を有する可燃ガスの供
給部53を設ける。これら可燃ガス供給口51は、図1
2(a)のように、燃料ガス流路11の各部11A〜1
1Cの上流側に可燃ガスを分離供給するためのもので、
支燃ガス供給口12´、流路71および流路72に連通
させて、それぞれ所定数形成してある。各部11A〜1
1Cに形成する可燃ガス供給口51の数は、各部11A
〜11Cに対応する被加熱流体の状態に応じて必要な量
の可燃ガスが供給されるように適宜決定される。被加熱
流体は、沸騰状態である時に熱伝達率が高く、また液体
から気体になるために多くの熱量を必要とすることか
ら、ここでは、被加熱流体が沸騰状態である第2層22
Bの上流である流路71に、より多くの可燃ガス供給口
51を形成する。
【0085】また、本実施の形態では、燃料ガス流路1
1の中間部11Bにおいて、フィン73を構成する波板
の対向面間の間隔を、上流部11A、下流部11Cより
も小さくする(図12(a)、(b))。これにより、
内部を流れる被加熱流体が沸騰状態である第2層22B
に対応する発熱面積を大きくして、発熱量をさらに大き
くすることができる。
【0086】上記構成によっても、上記第6の実施の形
態と同様の効果が得られる。すなわち、燃料ガス流路1
1の各部11A〜11Cに燃料ガスを分配供給する可燃
ガスの供給部53を設けて、液沸騰部である第2層22
Bに対応する可燃ガス供給口51の数を他の層より多く
したこと、また、この第2層22Bにおいて、フィン2
1の取付間隔を他の層より小さくし、被加熱流体流路2
2の単位長さ当たりの発熱面積を大きくしたことで、よ
り多くの発熱量を得ることができる。さらに、上流の第
1層22Aに対応する可燃ガス供給口51の数を適切に
設定することで、フィン21やチューブ2の過熱を防止
することができる。よって、小型で、安全であり、しか
も熱交換効率の高い触媒燃焼加熱装置を得ることができ
る。
【0087】また、上記積層型の熱交換器は、体積当た
りの比表面積を大きくできるので、小型化が容易であ
る。さらに、積層型の熱交換器は、プレス成形した各構
成部材を積層して一体ロー付けすることにより容易に製
作できるため、コストの低減が可能である。なお、本実
施の形態の構成において、上記第6の実施の形態のよう
な絞り弁8や温度センサ7を設け、被加熱流体の状態に
応じて可燃ガスの流量を制御する構成とすることももち
ろんできる。
【0088】このように、第6、7の実施の形態の構成
によっても、部材の過熱を防止しつつ、安定した触媒燃
焼を行い、高い熱交換効率を実現することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、図1(a)
は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱交換器
の断面図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線断面
図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示し、図2(a)
は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱交換器
の断面図で、図2(b)のIIa−IIa線断面図、図2
(b)は触媒付熱交換器の断面図である。
【図3】第2の実施の形態の触媒付熱交換器の熱交換部
の部分拡大図である。
【図4】図4(a)は図4(b)のIVa−IVa線断面
図、図4(b)は図2(b)のIVb−IVb線断面図であ
る。
【図5】図5は図4(b)のV−V線断面図である。
【図6】第2の実施の形態における被加熱流体流路の第
1層の流路形状の他の例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示し、図7(a)
は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱交換器
の断面図、図7(b)は図7(a)の VIIb− VIIb線
断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示し、図8(a)
は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱交換器
の断面図、図8(b)は図8(a)のVIIIb−VIIIb線
断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態を示し、図9(a)
は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱交換器
の断面図で、図9(b)のIXa−IXa線断面図、図9
(b)は触媒付熱交換器の断面図である。
【図10】図10(a)は図10(b)のXa−Xa線
断面図、図10(b)は図9(b)のXb−Xb線断面
図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態を示し、図11
(a)は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱
交換器の断面図、図11(b)は図11(a)のXIb
−XIb線断面図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態を示し、図12
(a)は触媒燃焼加熱装置の主要部を構成する触媒付熱
交換器の断面図で、図12(b)の XIIa− XIIa線断
面図、図12(b)は触媒付熱交換器の断面図である。
【図13】図13(a)は図12(a)のXIIIa−XIII
a線断面図、図13(b)は図12(b)のXIIIb−XI
IIb線断面図である。
【図14】従来の触媒燃焼加熱装置の主要部断面図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 11 燃料ガス流路 11A 上流部 11B 中間部 11C 下流部 12 燃料ガス供給口 12´ 支燃ガス供給口 13 排気口 2 チューブ 21 フィン 22 被加熱流体流路 23 フィン 2A 第1層 2B 第2層 2C 第3層 22A 第1層 22B 第2層 22C 第3層 31〜34 流体溜 41 被加熱流体の導入管 42 被加熱流体の導出管 5 可燃ガスの供給部(燃料分配手段) 51 可燃ガス供給口(燃料供給口) 52 可燃ガス導入管 53 可燃ガスの供給部(燃料分配手段) 6 拡散板(拡散部材) 61 仕切板 62 スペーサ 63 拡散部材 7 温度センサ(温度検出手段) 71、72 流路 73 フィン 8 絞り弁(燃料減少手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 祥司 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 荻野 温 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 根岸 良昌 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に、燃料ガス流路と被加熱流体流
    路を接触させて配し、上記燃料ガス流路内に燃料ガスと
    接触して酸化反応を生起する酸化触媒層を設けて、燃料
    ガスの酸化反応熱を上記被加熱流体流路内の被加熱流体
    に伝達することにより、液体状態の被加熱流体をガス状
    態に加熱する触媒付熱交換器を備えた触媒燃焼加熱装置
    において、上記触媒付熱交換器内における被加熱流体と
    燃料ガスの進行方向を逆方向とするとともに、上記酸化
    触媒層を、被加熱流体がガス状態となる上記燃料ガス流
    路の上流側では、上記燃料ガス流路と上記被加熱流体流
    路とを仕切る壁部の表面に直接形成し、被加熱流体が液
    体状態または沸騰状態である下流側では、上記壁部に接
    して設けたフィンの表面に形成したことを特徴とする触
    媒燃焼加熱装置。
  2. 【請求項2】 容器内に、燃料ガス流路と被加熱流体流
    路を接触させて配し、上記燃料ガス流路内に燃料ガスと
    接触して酸化反応を生起する酸化触媒層を設けて、燃料
    ガスの酸化反応熱を上記被加熱流体流路内の被加熱流体
    に伝達することにより、液体状態の被加熱流体をガス状
    態に加熱する触媒付熱交換器を備えた触媒燃焼加熱装置
    において、上記触媒付熱交換器内における被加熱流体と
    燃料ガスの進行方向を逆方向とするとともに、被加熱流
    体がガス状態となる上記燃料ガス流路の上流側におい
    て、上記被加熱流体流路の流路断面積を、被加熱流体が
    液体状態または沸騰状態である下流側より小さくし、ま
    たは上記被加熱流体流路の伝熱面積を被加熱流体が液体
    状態または沸騰状態である下流側より大きくしたことを
    特徴とする触媒燃焼加熱装置。
  3. 【請求項3】 上記燃料ガス流路内に、内部を被加熱流
    体が流れる多数のチューブを流路を横切るように配設
    し、これらチューブを互いに連結して上記被加熱流体流
    路を形成するとともに、被加熱流体がガス状態となる上
    記燃料ガス流路の上流側において、上記チューブの径を
    被加熱流体が液体状態または沸騰状態である下流側より
    も小さくし、かつ上記チューブを上記下流側よりも密に
    設置した請求項1または2記載の触媒燃焼加熱装置。
  4. 【請求項4】 容器内に、燃料ガス流路と被加熱流体流
    路を接触させて配し、上記燃料ガス流路内に燃料ガスと
    接触して酸化反応を生起する酸化触媒層を設けて、燃料
    ガスの酸化反応熱を上記被加熱流体流路内の被加熱流体
    に伝達することにより、液体状態の被加熱流体をガス状
    態に加熱する触媒付熱交換器を備えた触媒燃焼加熱装置
    において、上記燃料ガス流路中、対応する上記被加熱流
    体流路の内部を流れる被加熱流体が伝熱抵抗の高い状態
    にある領域において、上記酸化触媒層に供給される燃料
    ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を不均一にする
    手段を設けたことを特徴とする触媒燃焼加熱装置。
  5. 【請求項5】 上記燃料ガスの混合状態を不均一にする
    手段として、上記燃料ガス流路の上流端部に支燃ガス供
    給口を設けるとともに、可燃ガス供給口を、被加熱流体
    が伝熱抵抗の高い状態にある領域の上流側に設けた請求
    項4記載の触媒燃焼加熱装置。
  6. 【請求項6】 容器内に、燃料ガス流路と被加熱流体流
    路を接触させて配し、上記燃料ガス流路内に燃料ガスと
    接触して酸化反応を生起する酸化触媒層を設けて、燃料
    ガスの酸化反応熱を上記被加熱流体流路内の被加熱流体
    に伝達することにより、液体状態の被加熱流体をガス状
    態に加熱する触媒付熱交換器を備えた触媒燃焼加熱装置
    において、上記燃料ガス流路中、対応する上記被加熱流
    体流路の内部を流れる被加熱流体が伝熱抵抗の低い状態
    にある領域において、上記酸化触媒層に供給される上記
    燃料ガス中の可燃ガスと支燃ガスの混合状態を均一にす
    る手段を設けたことを特徴とする触媒燃焼加熱装置。
  7. 【請求項7】 上記燃料ガスの混合状態を均一にする手
    段として、被加熱流体が伝熱抵抗の低い状態にある領域
    の上流側に、多数の通孔を有する拡散部材を設けた請求
    項6記載の触媒燃焼加熱装置。
  8. 【請求項8】 上記触媒付熱交換器内における上記被加
    熱流体と上記燃料ガスの進行方向が逆方向である請求項
    4ないし7のいずれか記載の触媒燃焼加熱装置。
  9. 【請求項9】 容器内に、燃料ガス流路と被加熱流体流
    路を接触させて配し、上記燃料ガス流路内に燃料ガスと
    接触して酸化反応を生起する酸化触媒層を設けて、燃料
    ガスの酸化反応熱を上記被加熱流体流路内の被加熱流体
    に伝達することにより、液体状態の被加熱流体をガス状
    態に加熱する触媒付熱交換器を備えた触媒燃焼加熱装置
    において、上記燃料ガス流路の各部位に、対応する上記
    被加熱流体流路の内部を流れる被加熱流体の状態に応じ
    た量の燃料ガスを分配供給するための燃料分配手段を設
    けたことを特徴とする触媒燃焼加熱装置。
  10. 【請求項10】 上記被加熱流体流路の内部を流れる被
    加熱流体が沸騰状態である部位で、上記被加熱流体流路
    の単位長さ当たりの発熱面積を他の部位よりも大きくし
    た請求項9記載の触媒燃焼加熱装置。
  11. 【請求項11】 被加熱流体が定常的に沸騰状態である
    べき部位の被加熱流体温度を検出する温度検出手段を設
    けるとともに、該温度検出手段により検出される被加熱
    流体温度から上記部位の被加熱流体がガス状態と判断さ
    れた時に、上記部位に供給される燃料ガスの量を減少さ
    せる燃料減少手段を設けた請求項9または10記載の触
    媒燃焼加熱装置。
  12. 【請求項12】 上記燃料分配手段が、上記燃料ガス流
    路の各部位に燃料ガスを分配供給するための多数の燃料
    供給口を有し、該燃料供給口の総断面積を、被加熱流体
    が沸騰状態である部位で他の部位よりも大きくした請求
    項9ないし11のいずれか記載の触媒燃焼加熱装置。
JP11133525A 1998-05-14 1999-05-14 触媒燃焼加熱装置 Withdrawn JP2000055311A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014027514A1 (ja) * 2012-08-16 2014-02-20 カルソニックカンセイ株式会社 熱交換器
WO2019098456A1 (ko) * 2017-11-17 2019-05-23 한국전력공사 순환유동층 보일러
CN113432121A (zh) * 2021-06-09 2021-09-24 西安交通大学 一种异径环肋水冷型表面燃烧燃气装置

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