JP2000055055A - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

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JP2000055055A JP10220131A JP22013198A JP2000055055A JP 2000055055 A JP2000055055 A JP 2000055055A JP 10220131 A JP10220131 A JP 10220131A JP 22013198 A JP22013198 A JP 22013198A JP 2000055055 A JP2000055055 A JP 2000055055A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動の発生を押え、かつ、十分な潤滑性能を
有する転がり軸受用保持器を得る。 【解決手段】 リング状部材の軸方向の一側面の円周方
向に形成した、開口部を有する複数のボールポケット4
の底部に平面部5を形成する。この平面部5を有するボ
ールポケット4で転動体を保持する。この平面部5によ
って、転動体の動きが抑制され、かつ、平面部5以外の
凹面と転動体との間に十分な隙間を形成することができ
る。これによりこの隙間に潤滑油が容易に行き渡るよう
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール等の転動体
を保持する、内周面が球面状のボールポケットに平面部
を形成した転がり軸受用保持器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の転がり軸受用保持器(以下、単に
保持器という)を図5に基づいて説明する。図は荷重が
軸方向に沿ってかかる軸受、すなわち、ラジアル玉軸受
に用いられている保持器1の一例を示したものである。
保持器1はリング状の部材により形成されており、その
軸方向の一側面にはボール等の転動体(図示なし)を保
持するボールポケット2が複数個(図においては、八
個)形成されている。これらのボールポケット2の内周
面(凹面)は転動体の外周面の形状に合わせて球面に形
成されている。この保持器1に転動体を装着することに
よって、転がり軸受用の軸受本体が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来技術
において、ボールポケットに設けた単一な凹面(球面)
のみで転動体を保持するようにした保持器の場合におい
て、保持器の振動を低減させるためには、ボールポケッ
トの凹面の曲率を小さくし、転動体を狭く抱持する、す
なわち、転動体と凹面との間に隙間を発生させないよう
にして抱持する方法が有効である。しかし、このように
すると、転動体と凹面との間に潤滑油が浸入しなくなっ
て、転動体の潤滑が犠牲になる場合ある。これによっ
て、通常の防音機能の寿命が短かくなる虞がある。
【0004】また、逆に転動体への十分な潤滑を考慮す
る場合には、ボールポケットの凹面の曲率を大きくする
ことが有効であるが、このようにした場合、保持器の転
動体に対する動き量が大きくなり、軸受の回転時には保
持器に振動が発生し、通常維持されるべく防音機能の寿
命の低下を招く虞がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、十分な潤滑性能を有し、かつ、保持
器の振動の発生を抑えた転がり軸受用保持器を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
リング状部材の軸方向の一側面に開口部を有する複数の
ボールポケットを円周方向で等間隔に形成し、該ボール
ポケットで複数の転動体を抱持した転がり軸受用保持器
において、前記ボールポケットの内周面に前記転動体が
当接する平面部を一か所以上を形成したことを特徴とす
るものである。
【0007】請求項1に記載した発明においては、リン
グ状部材の軸方向の一側面に円周方向で等間隔に形成し
た複数のボールポケットの内周面に各々、転動体が当接
する平面部を一か所以上を形成させて、この平面部でボ
ールポケットに嵌合させた転動体の動きを抑制する。ま
た、平面部以外の凹面(球面)と転動体との間の隙間を
大きく形成させて、潤滑油の流れを良くして転動体の潤
滑性を向上させる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図1乃至図4に基づき、図5と同一の部分には同一の
符号を付して説明する。図1において、符号3で示すも
のは、本発明の転がり軸受用保持器である。
【0009】保持器3は概略リング状部材で形成されて
おり、そのリング状部材の軸方向の一側面には、転動体
を抱持する、内周面(凹面)が転動体の外周面の形状に
沿わせて球面に形成されたボールポケット4が複数個形
成されている。ボールポケット4は円周方向に等間隔、
すなわち、図4に示すように、45°間隔で八個形成さ
れている。この保持器3は、熱可塑性樹脂、例えばナイ
ロン66やPPS(ポリフェニレンスルフィド)等の樹
脂によって形成されている。
【0010】保持器3のボールポケット2の内周面、す
なわちボールポケット4の各々の底面には平面部5が形
成されている。この平面部5はボールポケット4の底面
に一か所だけ形成したものであるが、凹面(球面)の底
面以外の場所にも形成してよい。保持器3が転動体を支
持する際は、従来では、凹面(球面)で支持していたの
に対し、本発明においては、上記平面部5により転動体
を線及び点で支持することになる。このように平面部5
を設けたことにより、ボールポケット4内の転動体の動
きはこの平面部5により抑えられることになる。すなわ
ち、保持器3の転動体に対する動き量が抑制される。
【0011】保持器3の振動の原因の一つである、上記
保持器3の転動体に対する動き量については、保持器3
のボールポケット4が転動体に接触する平面部5の個所
の線及び点または平面部以外の個所の面の寸法(パラメ
ータ)を設定することにより、設計上での制御が可能に
なる。
【0012】また、ボールポケット4の平面部分以外を
構成する凹面(球面)については、潤滑油のボールポケ
ット4内への浸入を促すために、転動体の表面と、ボー
ルポケット4の凹面(球面)との間に充分な隙間を持た
せるように、ボールポケット4の凹面(球面)の曲率を
大きく設定させている。このことにより、保持器4の転
動体に対する動き量を抑制し、かつ、潤滑性能を向上さ
せた保持器を得ることができる。
【0013】上記したように、保持器3のボールポケッ
ト4内に平面部5を一か所形成したので、この平面部5
により転動体を狭い状態で抱持、すなわち、転動体と凹
面との間に隙間を発生させないようにして抱持すれば、
保持器3の転動体に対する動き量が少なくなって、振動
が抑制される。また、平面部5以外の凹面(球面)の部
位では凹面と転動体との間に充分な隙間をとることがで
きるので、この隙間に潤滑油が効率よく行き渡り潤滑性
能が向上する。なお、平面部5を一か所以上形成すれ
ば、転動体の動きは抑制され、潤滑性も損なわれること
はないが、平面部5の数が多過ぎると、転動体及び保持
器3相互の動きの円滑性が損なわれる。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載された発明においては、
ボールポケットの内部が、凹面(球面)と、一か所以上
の平面部とで形成されているので、この平面部によっ
て、凹面の曲率を小さくしなくても、転動体を抑えた状
態で抱持することができる。これによって、保持器の転
動体に対する動き量が抑制されて、保持器の振動を低減
させることができる。したがって、軸受の回転時には、
振動の発生が減少して、防音機能及び回転性能を向上さ
せることができる。
【0015】また、ボールポケットの内部に設けた平面
部によって、保持器の転動体に対する動きが抑制される
ので、凹面の曲率を大きく設定することができ、曲率を
大きくすると、潤滑油が凹面と転動体との間に効率よく
行き渡るようになって、潤滑性を向上させることがで
き、防音機能の寿命を伸ばすことができる。上記のこと
から、転がり軸受の寿命をも伸ばすことができるように
なる。
【0016】さらに、保持器が転動体に接触する個所、
すなわち、平面部の線及び点または平面部以外の部位の
面の寸法設定、すなわち、転動体保持のパラメータ設定
により、保持器の転動体に対する動き量を制御すること
ができ、転がり軸受用保持器の振動を抑えることができ
ると共に、潤滑性を良くすることができる。これによっ
ても、防音機能の向上と回転性能の向上とを同時に達成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、転がり軸受
用保持器の斜視図である。
【図2】図1に示すもののA−A線に沿う断面図であ
る。
【図3】図2に示すもののボールポケットの部分の拡大
図ある。
【図4】図1に示すものの上面図である。
【図5】従来の転がり軸受用保持器の斜視図である。
【符号の説明】
3 軸受用保持器 4 ボールポケット 5 平面部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング状部材の軸方向の一側面に開口部
    を有する複数のボールポケットを円周方向で等間隔に形
    成し、該ボールポケットで複数の転動体を抱持した転が
    り軸受用保持器において、前記ボールポケットの内周面
    に前記転動体が当接する平面部を一か所以上を形成した
    ことを特徴とする転がり軸受用保持器。
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