JP2000054972A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2000054972A
JP2000054972A JP10224248A JP22424898A JP2000054972A JP 2000054972 A JP2000054972 A JP 2000054972A JP 10224248 A JP10224248 A JP 10224248A JP 22424898 A JP22424898 A JP 22424898A JP 2000054972 A JP2000054972 A JP 2000054972A
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scroll
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liquid refrigerant
teeth
gas
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Kazuhiko Matsukawa
和彦 松川
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動スクロールと固定スクロールとによって
形成される圧縮室のシール性が向上するとともに、各圧
縮室で圧縮される冷媒ガスの温度が過度に上昇するのが
抑えられるスクロール圧縮機を提供する。 【解決手段】 ハウジングに支持された固定スクロール
3と可動スクロール4とによって非対称渦巻きが形成さ
れる。固定スクロール歯3bの外端3cから1つ内側の
固定スクロール歯3bの部分にかけて連続的に形成され
た隔壁7によって、取入口20a、20bに通ずるポケ
ット部8が構成される。そのポケット部 8に向けて油ま
たは液冷媒が放出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール型圧縮機
に関し、特に、良好なシール性が得られ、かつ、所望の
冷媒ガス温度が得られるスクロール型圧縮機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型圧縮機の一例とし
て、特許第2669154号に記載されたスクロール型
圧縮機について図を用いて説明する。図5を参照して、
密閉式のケーシング101の内部上方に、ハウジング1
02を介して固定スクロール103および可動スクロー
ル104が上下対設されている。また、ケーシング10
1の内部下方には、駆動軸105を有するモータ106
が配置されている。固定スクロール103に形成された
固定スクロール歯103bおよび可動スクロール104
に形成された可動スクロール歯104bは、固定スクロ
ール台板103aおよび可動スクロール台板104aの
中心部から外周部にかけて、図6に示すように、所定の
インボリュート形状に合致する螺旋形状に形成されてい
る。また、固定スクロール歯103bおよび可動スクロ
ール歯104bの先端部分には、チップシール103
c、104cがそれぞれ設けられている。固定スクロー
ル103は、ハウジング102の上部取付面に固定ボル
ト130を介して固定支持されている。可動スクロール
104は、ハウジング102の上部に設けられたスラス
ト軸受102aに回動自由に支持されている。
【0003】そして、駆動軸105の上端部に設けられ
たカウンタウェイト150と、そのカウンタウェイト1
50に従動するスイングリング108および自転防止の
ためのオルダムリング109を介して、可動スクロール
104が固定スクロール103に対して公転駆動する。
【0004】この公転駆動により、ケーシング101の
下部に接続された吸入管(図示せず)からケーシング1
01の内部に取込まれた低圧の冷媒ガスは、吸入通路1
25および吸入ポート113を経て、固定スクロール1
03および可動スクロール104により形成される、圧
縮室111a、111b、112a、112b等により
圧縮される。圧縮された冷媒ガスは高圧の冷媒ガスとな
って、固定スクロール台板103aの中央付近に設けら
れた吐出ポート114から吐出され、高圧チャンバ11
0を経て吐出管116からケーシング101の外へ送り
出される。
【0005】以上の構成において、ケーシング101の
側壁に、接続穴117が開口され、その接続穴117に
インジェクション管124と接続された接続座107が
取付けられている。このインジェクション管124に
は、圧縮機、凝縮器および蒸発器を含む一連の冷凍サイ
クルにおいて、圧縮機から吐出した高圧の冷媒ガスから
油を分離するための油分離器や、凝縮器を経て液体とな
った冷媒を収容する受液器から分岐された配管が接続さ
れる。その接続座107の内部には、接続口171から
導入される油または液冷媒を吸入通路125の流れ方向
に沿って吸入通路125に開放させるための水平通路1
72aと上向き通路172bとを有するL字型の開放通
路172が形成されている。
【0006】これにより、インジェクション管124よ
り導入された油を、吸入通路125に流れる低圧の冷媒
ガスの流速に乗せて冷媒ガス中に含ませることができ、
固定スクロール歯103b、可動スクロール歯104b
の摺接部に油膜を形成することができる。その結果、圧
縮室111a、111b、112a、112bのシール
性を保持でき、冷媒ガスの漏れを防止することができ
る。
【0007】また、同様にして、インジェクション管1
24により導入された液冷媒を低圧の冷媒ガス中に含ま
せることができ、圧縮室111a、111b、112
a、112bにて圧縮される冷媒ガスの温度が過度に上
昇するのを防止することができる。従来のスクロール型
圧縮機は上記のように構成され動作する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスクロール型圧縮機では以下に示すような問題点があ
った。図6は、固定スクロール歯103bと可動スクロ
ール歯104bとの相対的な位置関係の1つを示したも
のである。このスクロール型圧縮機では、固定スクロー
ル歯103b の外端が、吐出口114を挟んで可動スク
ロール104b の外端と反対の位置にあることから、特
に、対称渦巻きと呼ばれている。図6を参照して、静止
している固定スクロール歯103bに対して、可動スク
ロール歯104bが公転駆動することにより、固定スク
ロール歯103bの外端には、低圧の冷媒ガスを取込む
ための取入口120aが形成される。また、可動スクロ
ール歯104b の外端にも、低圧ガスを取り込むための
取入口120bが形成される。取入口120aは、固定
スクロール歯103bの外端の内面側に位置している。
取入口120bは、可動スクロール歯104bの外端の
内面側に位置している。
【0009】取入口120aから取込まれた低圧の冷媒
ガスは、可動スクロール104の公転駆動に伴って、可
動スクロール歯104bとその外側に位置する固定スク
ロール歯103bとによって形成された圧縮室112a
に閉じ込められる。一方、取入口120bから取込まれ
た低圧の冷媒ガスは、可動スクロール歯104bとその
内側に位置する固定スクロール歯103bとによって形
成された圧縮室111aに閉じ込められる。その圧縮室
112aおよび圧縮室111aは、可動スクロール10
4の公転駆動に伴い、体積を徐々に減じながら、それぞ
れ圧縮室112b、111bとなり、固定スクロール1
03の中央付近に移動する。そして、固定スクロールに
設けられた吐出ポート114から高圧の冷媒ガスとなっ
て吐出する。
【0010】以上の動作において、各圧縮室111a、
111b、112a、112bのシール性を高めるため
に、インジェクション管124からは油が取入口120
a、120bへ送り込まれる。また、圧縮されて吐出す
る高圧の冷媒ガスが過度に高温にならないように、イン
ジェクション管124から液冷媒が取入口120a、1
20bへ送り込まれる。
【0011】しかしながら、インジェクション管124
から放出された油が取入口120a、120bに達する
までに飛散してしまい、圧縮室111a、111b、1
12a、112bの良好なシール性を得ることができな
いことがあった。また、液冷媒の場合も同様に、インジ
ェクション管124から取入口120a、120bに達
するまでに飛散したりあるいは気化してしまい、圧縮さ
れて吐出する高圧の冷媒ガスを十分に冷却できないこと
があった。そして、これらの不都合を解消するために、
過剰の油または液冷媒を送り込む必要があった。
【0012】さらに、取入口120aと取入口120b
とが離れているために、1つのインジェクション管12
4から放出された油が、取入口120aと取入口120
bとに均等に到達しないことがあった。このため、たと
えば、圧縮室111a、111bと圧縮室112a、1
12bとで一方の圧縮室のシール性が悪化して冷媒ガス
がリークすることがあった。
【0013】また同様の理由によって、取入口120a
と取入口120bとに均等に液冷媒が到達しないことが
あった。このため、たとえば、圧縮室111a、111
bと、圧縮室112a、112bとで、一方の圧縮室に
閉じ込められた冷媒ガスの温度が十分に冷却されず、吐
出する高圧の冷媒ガスの温度が過度に上昇することがあ
った。そして、このようなシール性や冷却の不均一性を
解消するために、過剰の油や液冷媒を供給することによ
り、インジェクションの効率が悪化することがあった。
【0014】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、固定スクロールと可動スクロールとに
よって形成される各圧縮室に均等に油または液冷媒を送
り込むことによって、各圧縮室の良好なシール性および
各圧縮室にて圧縮される冷媒ガスの良好な冷却性が得ら
れるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載されたス
クロール型圧縮機は、ケーシングと、固定スクロール
と、可動スクロールと、第1圧縮室と、第2圧縮室と、
第1ガス取入部と、第2ガス取入部と、インジェクショ
ン管と、導入手段とを備えている。固定スクロールは、
固定スクロール歯を有しケーシング内に固定されてい
る。可動スクロールは、固定スクロール歯と噛み合され
て非対称渦巻きを形成する可動スクロール歯を有してい
る。第1圧縮室は、可動スクロール歯の外側に形成され
ている。第2圧縮室は、可動スクロール歯の内側に形成
されている。第1ガス取入部は、可動スクロール歯の外
端の外面側に位置し、第1圧縮室へガスを導く。第2ガ
ス取入部は、可動スクロール歯の外端の内面側に位置
し、第2圧縮室へガスを導く。インジェクション管は、
第1圧縮室および第2圧縮室に取込まれるガスに、油ま
たは液冷媒を供給する。導入手段は、インジェクション
管から放出される油または液冷媒を、第1ガス取入部お
よび第2ガス取入部に略均等に送り込んでいる。
【0016】この構成によれば、非対称渦巻きにより第
1ガス取入部と第2ガス取入部とが隣接しているため、
対称渦巻きと比べると、インジェクション管から放出さ
れた油または液冷媒が第1ガス取入部と第2ガス取入部
とにほぼ均等に到達しやすくなるとともに、その到達し
た油または液冷媒が導入手段によって、第1ガス取入部
および第2ガス取入部にほぼ均等に送り込まれる。第1
ガス取入部および第2ガス取入部に油が均等に送り込ま
れることによって、第1圧縮室および第2圧縮室のシー
ル性にばらつきが生じるのをなくし、各圧縮室の良好な
シール性が得られる。また、第1ガス取入部および第2
ガス取入部に液冷媒が均等に送り込まれることによっ
て、第1圧縮室および第2圧縮室にてそれぞれ圧縮され
た冷媒ガスが均等に冷却されて、冷媒ガスの温度が過度
に上昇することが抑えられる。
【0017】請求項2に記載されたスクロール型圧縮機
では、固定スクロールは、固定スクロール歯が形成され
る固定台板と、固定スクロール歯の外端から連続的に延
びる周囲を取囲む隔壁によって、第1ガス取入部および
第2ガス取入部に通ずる空間を形成するポケット部とを
含んでいる。インジェクション管がポケット部に向かっ
て油または液冷媒を放出するように配置されている。ポ
ケット部は導入手段として機能する。
【0018】この場合には、インジェクション管から放
出された油または液冷媒がポケット部に一旦溜められる
ことによって、油または液冷媒がポケット部内において
均一に分布するようになる。これにより、第1ガス取入
部および第2ガス取入部に油または液冷媒をそれぞれ容
易に均等に送り込むことができる。
【0019】請求項3に記載されたスクロール型圧縮機
では、隔壁の高さは固定スクロール歯の高さと同じであ
る。
【0020】この場合には、隔壁の先端部分と可動スク
ロールとの隙間がほとんどなくなる。これにより、ポケ
ット部内に取込まれた油または液冷媒が周囲からの影響
を受けることが抑制されて、それぞれより均一に分布す
るようになる。その結果、第1ガス取入部および第2ガ
ス取入部に油または液冷媒をより容易に均等に送り込む
ことができる。
【0021】そのような隔壁としては、より具体的に
は、請求項4に記載されたスクロール型圧縮機のよう
に、隔壁は、固定スクロール歯の外端から、その外端の
1つ内側の固定スクロール歯に向かって連続的に延びて
いるのが好ましい。
【0022】請求項5に記載されたスクロール型圧縮機
では、インジェクション管は、ポケット部に油または液
冷媒を直接放出するように配置されている。
【0023】この場合には、インジェクション管から放
出される油または液冷媒が途中で飛散することなく効率
よくポケット部に送り込まれる。これにより、過剰の油
または液冷媒を供給する必要がなくなり、インジェクシ
ョンの効率が向上する。
【0024】請求項6に記載されたスクロール型圧縮機
では、導入手段は、インジェクション管から放出される
油または液冷媒が直接第1ガス取入部および第2ガス取
入部に向くように、インジェクション管を配置すること
を含んでいる。
【0025】この場合にも、インジェクション管から放
出される油または液冷媒が途中で飛散することなく、第
1ガス取入部および第2ガス取入部にそれぞれ均等に送
り込まれる。その結果、インジェクションの効率が向上
するとともに、第1圧縮室および第2圧縮室の良好なシ
ール性が得られ、かつ、圧縮された冷媒ガスの温度が過
度に上昇するのが抑えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1 本発明の実施の形態1に係るスクロール型圧縮機につい
て図を用いて説明する。図1を参照して、密閉式ケーシ
ング1の内部上方に、ハウジング2を介して固定スクロ
ール3および可動スクロール4が上下対設されている。
ケーシング1の内部下方には、可動スクロール4を駆動
させるための駆動軸5を有するモータ6が配設されてい
る。固定スクロール3は、ハウジング2の上部取付面に
固定ボルト30によって固定支持されており、可動スク
ロール4は、ハウジング2の上部に回動自由に支持され
ている。固定スクロール3には、固定スクロール台板3
aに渦巻き状の固定スクロール歯3bが形成されてい
る。その固定スクロール歯3bの外端近傍には、図2に
示すように、その外端3cから1つ内側の固定スクロー
ル歯3bの部分にかけて連続的に隔壁7が形成されてい
る。可動スクロール4には、可動スクロール台板4aに
渦巻き状の可動スクロール歯4bが形成されている。固
定スクロール歯3bと可動スクロール歯4bとが噛み合
されて、図3に示す非対称渦巻きが形成される。
【0027】非対称渦巻きとは、固定スクロール歯3b
の外端3cと可動スクロール歯4bの外端4cとが近接
した位置にある渦巻きをいう。なお、既に説明したよう
に、一方の外端が吐出ポート14を挟んで他方の外端と
反対の方向に位置する渦巻きを対称渦巻きという。本実
施の形態のスクロール型圧縮機では、非対称渦巻きを対
象とする。
【0028】非対称渦巻きでは、図3に示すように、固
定スクロール歯3bの外側に第1圧縮室としての圧縮室
11a、11bがそれぞれ形成される。可動スクロール
4bの内側に第2圧縮室としての圧縮室12a、12b
がそれぞれ形成される。可動スクロール歯4bの外端4
cの外面側には、圧縮室11a、11bへ冷媒ガスを導
くための第1ガス取入部としての取入口20aが形成さ
れる。可動スクロール歯4bの外端4cの内面側には、
圧縮室12a、12bへ冷媒ガスを導くための第2ガス
取入部としての取入口20bが形成される。したがっ
て、取入口20aと取入口20bとは可動スクロール歯
4bを挟んでそれぞれ位置している。
【0029】そして、隔壁7によって、取入口20a、
20bに通ずるポケット部8が形成される。そのポケッ
ト部8の下方には、図1に示されているように、ポケッ
ト部8に向かって油または液冷媒を放出するためのイン
ジェクション管24が配置されている。このインジェク
ション管24には、従来の技術の項において説明したよ
うに、一連の冷凍サイクルにおいて、圧縮機から吐出し
た高圧の冷媒ガスから油を分離するための油分離器や、
凝縮器を経て液体となった冷媒を収容する受液器から分
岐された配管が接続される。
【0030】次に、上述したスクロール型圧縮機の動作
について説明する。駆動軸5の回転により、可動スクロ
ール4が固定スクロール3に対して公転駆動する。ケー
シング1の下方に接続された吸入管13からケーシング
1の内部へ送り込まれた低圧の冷媒ガスは、ポケット部
8を通じて取入口20a、20bに取入れられる。取入
れられた低圧の冷媒ガスは、圧縮室11a、11b、1
2a、12bにより圧縮される。圧縮された冷媒ガスは
高圧の冷媒ガスとなって吐出ポート14から吐出され、
吐出管16からケーシング1の外へ送り出される。
【0031】この間、インジェクション管24から適宜
ポケット部8へ向けて直接油または液冷媒が放出され
る。上述したスクロール型圧縮機によれば、このとき、
2つの取入口20aおよび取入口20bが隣接している
ため、対称渦巻きの場合と比べると、1つのインジェク
ション管24から放出される油または液冷媒がそれぞれ
の取入口20a、20bにほぼ均等に到達しやすくな
る。そして、2つの取入口20a、20bに通ずるポケ
ット部8に到達した油または液冷媒が一旦溜められるこ
とによって、ポケット部8内において均一に分布するよ
うになる。これにより、油または液冷媒が2つの取入口
20a、20bにそれぞれほぼ均等に送り込まれる。
【0032】取入口20a、20bに油がそれぞれ均等
に送り込まれることによって、圧縮室11a、11bと
圧縮室12a、12bとにおけるシール性にばらつきが
生じるのを抑えて、各圧縮室11a、11b、12a、
12bの良好なシール性が得られる。
【0033】また、取入口20a、20bに液冷媒がそ
れぞれ均等に送り込まれることによって、圧縮室11
a、11bと圧縮室12a、12bとでそれぞれ圧縮さ
れる冷媒ガスの温度にばらつきが生じるのを抑えて、均
等に冷却し、冷媒ガスの温度が過度に上昇するのを抑制
することができる。なお、ポケット部8内に送り込まれ
た油または液冷媒が、周囲から送り込まれる冷媒ガスの
影響をなるべく受けないようにするために、隔壁7の高
さとしては、図2に示すように、固定スクロール歯3b
の高さと同レベルであることが望ましい。
【0034】さらに、インジェクション管24は油また
は液冷媒を直接ポケット部8へ送り込むように配置され
ることが望ましく、ケーシング内に導入された冷媒ガス
によって、油または液冷媒が取入口20a、20bに到
達するまでに飛散するのを抑えることができる。これに
より、必要最小限の油または液冷媒を取入口20a、2
0bに送り込むことによって、所望の圧縮室11a、1
1b、12a、12bのシール性および冷媒ガス温度を
得ることが可能になり、インジェクションの効率が向上
する。
【0035】実施の形態2 本発明の実施の形態2に係るスクロール型圧縮機につい
て図を用いて説明する。実施の形態1において説明した
スクロール型圧縮機では、インジェクション管から放出
される油または液冷媒を2つの取入口にそれぞれ均等に
送り込むために、固定スクロールには隔壁からなるポケ
ットが形成されていた。2つの取入口にそれぞれ均等に
油または液冷媒を送り込むための導入手段としては、こ
れに限られず、インジェクション管から放出される油ま
たは液冷媒が2つの取入口に直接向くようにインジェク
ション管が配置されていてもよい。すなわち、本実施の
形態に係るスクロール型圧縮機では、図4を参照して、
インジェクション管24による油または液冷媒の放出方
向が取入口20a、20bに向けられている。これ以外
の構成は、図1に示すスクロール型圧縮機と同様であ
る。
【0036】上記のように構成されたスクロール型圧縮
機においても、2つの取入口20aおよび取入口20b
が隣接しているため、対称渦巻きの場合と比べると、1
つのインジェクション管24から放出される油または液
冷媒がそれぞれの取入口20a、20bにほぼ均等に到
達しやすくなるとともに、インジェクション管24から
放出される油または液冷媒の方向が取入口20a、20
bに向けられていることによって、油または液冷媒が取
入口20a、20bにそれぞれ均等に送り込まれる。こ
れにより、圧縮室11a、11b、12a、12bのシ
ール性や冷媒ガスの温度について、実施の形態1におい
て説明した効果と同様の効果が得られる。
【0037】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載されたスクロール型圧縮
機によれば、非対称渦巻きにより第1ガス取入部と第2
ガス取入部とが隣接しているため、対称渦巻きと比べる
と、インジェクション管から放出された油または液冷媒
が第1ガス取入部と第2ガス取入部とにほぼ均等に到達
しやすくなるとともに、その到達した油または液冷媒が
導入手段によって、第1ガス取入部および第2ガス取入
部にほぼ均等に送り込まれる。第1ガス取入部および第
2ガス取入部に油が均等に送り込まれることによって、
第1圧縮室および第2圧縮室のシール性にばらつきが生
じるのをなくし、各圧縮室の良好なシール性が得られ
る。また、第1ガス取入部および第2ガス取入部に液冷
媒が均等に送り込まれることによって、第1圧縮室およ
び第2圧縮室にてそれぞれ圧縮された冷媒ガスが均等に
冷却されて、冷媒ガスの温度が過度に上昇することが抑
えられる。
【0039】請求項2に記載されたスクロール型圧縮機
では、固定スクロールは、固定スクロール歯が形成され
る固定台板と、固定スクロール歯の外端から連続的に延
びる周囲を取囲む隔壁によって、第1ガス取入部および
第2ガス取入部に通ずる空間を形成するポケット部とを
含み、インジェクション管がポケット部に向かって油ま
たは液冷媒を放出するように配置されて、ポケット部は
導入手段として機能することにより、インジェクション
管から放出された油または液冷媒がポケット部に一旦溜
められることによって、油または液冷媒がポケット部内
において均一に分布するようになる。これにより、第1
ガス取入部および第2ガス取入部に油または液冷媒をそ
れぞれ容易に均等に送り込むことができる。
【0040】請求項3に記載されたスクロール型圧縮機
では、隔壁の高さは固定スクロール歯の高さと同じであ
ることにより、隔壁の先端部分と可動スクロールとの隙
間がほとんどなくなる。これにより、ポケット部内に取
込まれた油または液冷媒が周囲からの影響を受けること
が抑制されて、それぞれより均一に分布するようにな
る。その結果、第1ガス取入部および第2ガス取入部に
油または液冷媒をより容易に均等に送り込むことができ
る。
【0041】そのような隔壁としては、より具体的に
は、請求項4に記載されたスクロール型圧縮機のよう
に、隔壁は、固定スクロール歯の外端から、その外端の
1つ内側の固定スクロール歯に向かって連続的に延びて
いるのが好ましい。
【0042】請求項5に記載されたスクロール型圧縮機
では、インジェクション管は、ポケット部に油または液
冷媒を直接放出するように配置されていることにより、
インジェクション管から放出される油または液冷媒が途
中で飛散することなく効率よくポケット部に送り込まれ
る。これにより、過剰の油または液冷媒を供給する必要
がなくなり、インジェクションの効率が向上する。
【0043】請求項6に記載されたスクロール型圧縮機
では、導入手段は、インジェクション管から放出される
油または液冷媒が直接第1ガス取入部および第2ガス取
入部に向くように、インジェクション管を配置すること
を含んでいることにより、インジェクション管から放出
される油または液冷媒が途中で飛散することなく、第1
ガス取入部および第2ガス取入部にそれぞれ均等に送り
込まれる。その結果、インジェクションの効率が向上す
るとともに、第1圧縮室および第2圧縮室の良好なシー
ル性が得られ、かつ、圧縮された冷媒ガスの温度が過度
に上昇するのが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスクロール型圧縮
機の部分縦断面図である。
【図2】同実施の形態において、図1に示すスクロール
型圧縮機の固定スクロールの斜視図である。
【図3】同実施の形態において、ポケット部と各スクロ
ール歯の配置を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るスクロール型圧縮
機のインジェクション管と各スクロール歯の配置を示す
平面図である。
【図5】従来のスクロール型圧縮機の一断面図である。
【図6】従来のスクロール型圧縮機における各スクロー
ル歯の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ハウジング 3 固定スクロール 3a 固定スクロール台板 3b 固定スクロール歯 3c 外端部 4 可動スクロール 4a 可動スクロール台板 4b 可動スクロール歯 4c 外端 5 駆動軸 6 モータ 7 隔壁 8 ポケット部 11a、11b、12a、12b 圧縮室 13 吸入管 14 吐出ポート 16 吐出管 20a、20b 取入口 24 インジェクション管 30 固定ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB09 BB12 BB16 BB35 CC04 CC24 CC33 CC42 CC48 3H039 AA03 AA04 AA12 BB13 CC03 CC17 CC22 CC26 CC42 CC47 CC50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(1)と、 前記ケーシング(1)内に固定された、固定スクロール
    歯(3b)を有する固定スクロール(3)と、 前記固定スクロール歯(3b)と噛み合されて非対称渦
    巻きを形成する可動スクロール歯(4b)を有する可動
    スクロール(4)と、 前記可動スクロール歯(4b)の外側に形成される第1
    圧縮室(11a、11b)と、 前記可動スクロール歯(4b)の内側に形成される第2
    圧縮室(12a、12b)と、 前記可動スクロール歯(4b)の外端(4c)の外面側
    に位置し、前記第1圧縮室(11a、11b)へガスを
    導くための第1ガス取入部(20a)と、 前記可動スクロール歯(4b)の外端(4c)の内面側
    に位置し、前記第2圧縮室(12a、12b)へガスを
    導くための第2ガス取入部(20b)と、 前記第1圧縮室(11a、11b)および前記第2圧縮
    室(12a、12b)に取込まれるガスに、油または液
    冷媒を供給するためのインジェクション管(24)と、 前記インジェクション管(24)から放出される油また
    は液冷媒を、前記第1ガス取入部(20a)および前記
    第2ガス取入部(20b)に略均等に送り込むための導
    入手段とを備えた、スクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記固定スクロール(3)は、 前記固定スクロール歯(3b)が形成される固定台板
    (3a)と、 前記固定スクロール歯(3b)の外端(3c)から連続
    的に延びる周囲を取囲む隔壁(7)によって、前記第1
    ガス取入部(20a)および前記第2ガス取入部(20
    b)に通ずる空間を形成するポケット部(8)とを含
    み、 前記インジェクション管(24)が前記ポケット部
    (8)に向かって油または液冷媒を放出するように配置
    されており、 前記ポケット部(8)は前記導入手段として機能する、
    請求項1記載のスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記隔壁(7)の高さは、前記固定スク
    ロール歯(3b)の高さと同じである、請求項2記載の
    スクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記隔壁(7)は、前記固定スクロール
    歯(3b)の外端(3c)から、該外端(3c)の1つ
    内側の前記固定スクロール歯の部分に向かって連続的に
    延びている、請求項2または3に記載のスクロール型圧
    縮機。
  5. 【請求項5】 前記インジェクション管(24)は、前
    記ポケット部(8)に油または液冷媒を直接放出するよ
    うに配置された、請求項2〜4のいずれかに記載のスク
    ロール型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記導入手段は、前記インジェクション
    管(24)から放出される油または液冷媒が直接前記第
    1ガス取入部(20a)および前記第2ガス取入部(2
    0b)に向くように、前記インジェクション管(24)
    を配置することを含む、請求項1記載のスクロール型圧
    縮機。
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