JP2000054269A - チョップ用及び脱サイズ編織物用炭素繊維 - Google Patents

チョップ用及び脱サイズ編織物用炭素繊維

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JP2000054269A
JP2000054269A JP10219064A JP21906498A JP2000054269A JP 2000054269 A JP2000054269 A JP 2000054269A JP 10219064 A JP10219064 A JP 10219064A JP 21906498 A JP21906498 A JP 21906498A JP 2000054269 A JP2000054269 A JP 2000054269A
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博靖 小川
Megumi Mizokoshi
恵 溝越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱い性やカットの際の毛
羽の飛散による環境汚染、また、編織などの繊維加工を
して品質の良い加工品を得、さらに、水環境を汚染しな
いサイズ組成物を付着した炭素繊維を提供することを目
的とする。 【解決手段】 HLB値が9〜17であり且
つポリオキシエチレン基と炭素数が8〜18のアルキル
基からなる界面活性剤または該界面活性剤にポリプロピ
レンオキシド基を結合した界面活性剤の一種以上を10
〜50重量%とポリビニルアルコール系水溶性熱可塑性
樹脂50〜90重量%からなるサイズ組成物を0.2〜
5重量%付着したチョップ用及び脱サイズ編織物用炭素
繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサイズ組成物を付着
してカットした炭素繊維を紙・不織布、強化コンクリー
ト、電池用電極材等など水を媒体として製造される製品
に用いること及び水で容易に除去できる脱サイズ編織物
用炭素繊維に関するものである。より詳しくは特定の界
面活性剤と特定の水溶性熱可塑性樹脂を含むサイズ組成
物を付着した、取り扱い性、繊維加工性、水分散性、脱
サイズ特性に優れ、かつ水環境汚染を惹起しないチョッ
プ用及び脱サイズ編織物用炭素繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水溶性界面活性剤、グリセリ
ン、エチレンオキシドの重合物、ポリビニールアルコー
ル、水溶性ナイロンなどの化合物をサイズ剤として付着
した炭素繊維がある。
【0003】これらのサイズ剤を付着した炭素繊維は長
さ数〜十数mmにカットされ、チョップとしてそのまま
セメントに混和したり、電池の電極材として用いられた
り、水媒体に分散して紙や不織布に加工した後、各種の
樹脂を母材として複合材料にして強さや剛性を高めた
り、電磁波遮蔽材、面発熱体、腐食抵抗材などとして利
用されている。さらに、該炭素繊維は各種編織物などに
繊維加工され、そのまま、または水媒体とする樹脂系、
例えば、フェノール系樹脂の水溶液に浸漬した後樹脂を
含浸させてプレプリグにして木質系の材料の強化材とし
て、また該繊維加工品を水で脱サイズして編織物にした
後、各種の樹脂、例えばエポキシ、ポリイミド、ナイロ
ン等熱硬化性、または熱可塑性樹脂と複合化した複合材
料として使用されている。
【0004】これらのサイズ剤付着炭素繊維はサイズ剤
が水に溶解して繊維から離脱して、単繊維の一本一本が
水媒体中に均一に分散できるので紙や不織布などに加工
するには適しているが、炭素繊維の集束性や編織りなど
の加工性は十分ではなく、繊維の取り扱い性、カット時
の炭素繊維の単繊維の飛散による環境汚染や、衛生面で
問題となっている。また、該繊維を編織などに繊維加工
する製織工程において毛羽が発生するために製織速度を
低くせざるを得ない上に、得られた製品の表面に毛羽立
ちが目立つなど品質不良品になりやすい問題があった。
【0005】また、これらのサイズ剤を付着した炭素繊
維やその編織物を水媒体で紙などに加工したり脱サイズ
する場合、水に溶けだしたサイズ剤が水中のBODなど
を上昇させて水を汚染するため、多大の費用をかけて水
を浄化しなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな水溶性サイズ剤を付着した炭素繊維の取り扱い性や
カット時の環境汚染、繊維加工性に劣る問題や水環境を
汚染する問題は、未だ十分には解決されていない。
【0007】そこで、本発明は、取り扱い性がよく、カ
ットの際の毛羽の飛散による環境汚染が低く、また、編
織などの繊維加工をしても品質の良い加工品を得ること
ができ、且つ水環境を汚染しないサイズ組成物を付着し
た炭素繊維を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者等はかかる従来の問題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定のHLBと特定の
炭素数のアルキル基を有し且つポリオキシエチレン基ま
たはポリオキシエチレン基とポリプロピレンオキシド基
を結合した界面活性剤の一種以上とポリビニルアルコー
ル系水溶性熱可塑性樹脂を含むサイズ組成物を付着した
炭素繊維は、環境汚染なくカットでき、また、取り扱い
性や編織などの繊維加工に優れているだけでなく、該炭
素繊維を水に浸漬した場合、水中に溶けだした該サイズ
組成物が水環境汚染を惹起しない生分解性を有すること
を発見し、これらの繊維を用いることによって前記問題
点を解消できることを見い出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明のサイズ組成物を付着し
た炭素繊維は、HLB値が9〜17であり且つポリオキ
シエチレン基と炭素数が8〜18のアルキル基からなる
界面活性剤または該界面活性剤にポリプロピレンオキシ
ド基を結合した界面活性剤の一種以上を10〜50重量
%とポリビニルアルコール系水溶性熱可塑性樹脂50〜
90重量%からなるサイズ組成物を0.2〜5重量%付
着した炭素繊維からなる。
【0010】本発明の炭素繊維はアクリロニトリル繊維
またはアクリロニトリル系繊維、ピッチ、メゾフェース
ピッチ、フェノール樹脂繊維を原料とする炭素繊維に前
記サイズ組成物を付着した繊維であり、環境汚染なくカ
ットでき、取り扱い性や繊維加工性に優れているだけで
なく、生物分解性であるので水環境汚染を惹起しないと
いう特徴を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0012】サイズ組成物 本発明で使用されるサイズ組成物は、HLB値が9〜1
7であり且つポリオキシエチレン基と炭素数が8〜18
のアルキル基からなる界面活性剤または該界面活性剤に
ポリプロピレンオキシド基を結合した界面活性剤の一種
以上とポリビニルアルコール系水溶性熱可塑性樹脂を含
むサイズ組成物と定義される。
【0013】本発明のサイズ組成物に使用されるHLB
値が9〜17であり且つポリオキシエチレン基と炭素数
が8〜18のアルキル基からなり且つHLB値が9〜1
7である界面活性剤または該界面活性剤にポリプロピレ
ンオキシド基を結合した界面活性剤は、アルキルアルコ
ールにエチレンオキシドを付加重合するか、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドを付加して得られるもので
あり、その付加量はHLB値が9〜17になるようにす
る。HLBが9以下の場合は水溶解性が低下するため、
水媒体でのサイズ浴を作りにくくなり、また、水での該
炭素繊維からの脱サイズが困難になるので好ましくな
い。ここで、HLB値はポリエチレンオキシド成分の分
子量を界面活性剤の分子量で除した値に20を乗じて求
めた値である。HLBが9〜17であって炭素数が8未
満である界面活性剤の場合、付着した炭素繊維の滑りが
低下し、繊維加工性が低くなるので好ましくない。ま
た、HLBが9〜17であって炭素数が18超である界
面活性剤の場合、サイズ組成物の水溶解性が低下し、サ
イズ組成物の水溶液を作りにくくするので好ましくな
い。しかし、本発明の界面活性剤は水中で生分解性を有
するために水環境保全には良好である。また、これらの
化合物としては例えば松本油脂製薬(株)製商品名BF
−021、BF−022、BF−023などがある。
【0014】本発明のサイズ組成物に使用されるポリビ
ニルアルコール系水溶性熱可塑性樹脂は、特に、日本合
成化学工業(株)製商品があり、生物分解性を有する2
5℃で固体で水に溶解性のあるものが炭素繊維に付着し
た場合に繊維の集束性が向上するだけでなく適度の硬さ
と柔軟性のものにできるので好ましい。それらは特に、
日本合成化学工業(株)製商品のエコマティAX200
0、エコマティAX400TN、エコマティAX30
0、エコマティーAX50などである。また、これらの
化合物は水中で生分解性を有するために水環境を汚染し
ないものである。
【0015】本発明のサイズ組成物を付着した炭素繊維
に使用されるサイズ組成物は、構成する各成分の割合
が、好ましくは、界面活性剤が10〜50重量%、水溶
性熱可塑性樹脂が50〜90重量%である。
【0016】前記サイズ組成物を構成する界面活性剤が
10重量%以下の場合は、サイズ組成物を付着した炭素
繊維の摩擦抵抗が大きくなり炭素繊維を編織などの繊維
加工する際に単繊維の切断を惹起し加工性が低下するの
で好ましくない。50重量%を超える場合は、サイズ組
成物を付着した炭素繊維の単繊維間の集束性が低下し、
カットしてチョップを作る際に環境汚染を惹起し、ま
た、炭素繊維の編織などの加工性が低下し毛羽が発生す
るので好ましくない。
【0017】前記サイズ組成物を構成するポリビニルア
ルコール系水溶性熱可塑性樹脂が50重量%以下の場
合、サイズ組成物を付着した炭素繊維の単繊維間の集束
性が低下するため炭素繊維の編織などの加工性が低下す
るので好ましくない。90重量%超の場合サイズ組成物
を付着した炭素繊維の硬くなり柔軟性がなくなるととも
に、繊維加工性が低下するので好ましくない。
【0018】前記サイズ組成物の炭素繊維に付着する量
は、付着した炭素繊維に対して0.2〜5重量%とする
ことが、炭素繊維の適度の硬さ、取り扱い性やカットや
編織などの繊維加工するに適するだけでなく水汚染など
の環境汚染を惹起させないために好ましい。
【0019】前記サイズ組成物の炭素繊維に付着する量
が0.2重量%以下の場合は、炭素繊維の集束性が低下
しカットの際に単繊維が飛散したり、製織の際に毛羽立
つので好ましくない。また、付着量が5重量%超の場合
は、繊維が硬くなりすぎてカットした繊維により紙、不
織布を作製する際に、繊維を水中に均一に分散すること
が困難になり、また、製織においても繊維が硬すぎて製
織が難しくなるので好ましくない。
【0020】前記サイズ組成物には、本発明の界面活性
剤の他に公知の水溶性化合物を、本発明の炭素繊維の集
束性、摩擦特性、微生物固着特性をそこなわない限り混
合して使うことが出来る。
【0021】炭素繊維 本発明で使用される炭素繊維は、アクリル繊維、ピッ
チ、メゾフェースピッチ、を酸素などの酸化性ガス雰囲
気中、加熱炉などの公知の炉を用いて酸化し得た酸化繊
維およびフェノール樹脂繊維を800℃以上の不活性ガ
ス中で炭素化して得られるアクリロニトリル系(PAN
系という)、ピッチ系、メゾフェースピッチ系、フェノ
ール系炭素繊維であり、の直径が5〜10ミクロンm、
引張強度が500MPa以上、引張弾性率が50GPa
以上を有する公知の繊維であり、構成本数が1000〜
1,000,000本のフィラメントおよびトウと称さ
れる繊維と定義される。
【0022】前記サイズ組成物の炭素繊維への付着は、
炭素繊維フィラメントに前記サイズ組成物の1〜50g
/リットルの水溶液とし、この水溶液の浴に炭素繊維を
浸漬するか水溶液を炭素繊維に滴下またはローラ表面に
作った水溶液の被膜を転写するなどの公知の方法により
付着する。
【0023】前記炭素繊維のチョップは、前記サイズ組
成物が付着された炭素繊維をギロチンカッターなどの公
知の切断機で繊維の長さを1〜10mmにカットして作
られる。
【0024】本発明のサイズ剤付炭素繊維は単繊維の飛
散のないカットが出来、さらに、カットして得たチョッ
プは水分散性に優れているため炭素繊維が均一に含浸さ
れた紙や不織布、コンクリート構造物を、また、水を媒
体とする樹脂との複合材を作れる。本発明の炭素繊維は
毛羽立ちのない編織などの繊維加工品を効率よく作るこ
とができるので良い作業環境を確保でき、かつ品質の優
れた毛羽立ちのない加工品を低コストで作ることがで
き、該編織物を水で脱サイズできるので、脱サイズ編織
物に公知の樹脂を母材とした品質の良い複合材料をつく
るのに効果がある。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り下記実施例に
限定されるものではない。なお、特に指定しない限り%
は重量%を意味する。
【0027】なお、サイズ組成物の付着量は、付着した
炭素繊維ストランドを110℃で十分に乾燥して、サイ
ズ組成物の付着した繊維総重量(Wt)を測定し、サイ
ズ脱落後の繊維重量(Wf)から、付着量(%)=(W
t−Wf)/WfX100として求めた。
【0028】また、サイズ組成物を付着した炭素繊維の
硬さや柔軟性は触感で判定した。
【0029】水による脱サイズ性は25℃の水500c
cを入れたビーカー3個を用意し、炭素繊維0.8g
(HTA−12K(登録商標ベスファイト)の場合は1
m)を約3cmの直径の輪にして1個目のビーカーの水
に15秒つけた後5秒引き上げることを4回繰り返した
後、次のビーカーの水で同様の操作を行い、さらに3個
目のビーカーの水でも同様の操作を繰り返した後110
℃で1時間乾燥して、脱サイズ前の重量(A)と脱サイ
ズ後の重量(B)を測定し、脱サイズ量=(A)ー
(B)/(B)×100として求めた。
【0030】製織性は、受け渡し式レピア式製織機を用
いて、経糸を炭素繊維ストランド、横糸をポリエステル
繊維として、たて糸のアルミナ製ガイド(直径5mm)
をとおして誘導して、織り幅120cm中に30cm幅
のブロックごとに各サンプル炭素繊維ストランドを打ち
込み本数1.3本/cmで、横糸は打ち込み本数10本
/cmで配置し、織速度20cm/分で製織試験し評価
した。評価は織り長さ10mまでの、ガイドでの単繊維
つまり程度、織機の下に脱落する単繊維量の程度、織物
表面の毛羽立ちを目視判定した。
【0031】水環境汚染は、水に溶解したサイズ剤の生
分解性を調べた。すなわち、用意した5リットル広口ビ
ンに、MLSSが6000mg/リットルのセルロース
排水の活性汚泥水5リットルを入れ、これに該サイズ剤
を溶解してBODの値を20mg/リットル増加し、こ
の液中に100cc/分で空気をバブリングしながら、
24時間処理したのち、BODを測定した。コントロー
ルとして該サイズ剤を溶解しない試験を同様に行いその
差を求め、差が少ない方が該サイズ剤に生分解性がある
こととした。
【0032】〔実施例1〕エチレンオキシドを炭素数が
12のアルキルアルコールに付加し結合して得たHLB
が15の界面活性剤20%とポリビニルアルコール系水
溶性熱可塑性樹脂エコマティAX2000(日本合成化
学工業(株)製)80%からなるサイズ組成物(実施例
1)、HLBが8以外は上記と同様にして得たサイズ組
成物(比較例1)、HLBが18以外は上記と同様にし
て得たサイズ組成物(比較例2)のそれぞれ7.5グラ
ムを85℃の温水1リットルに溶解して得た3種類のサ
イズ組成物水溶液を常温に冷却してサイズ浴に入れ、P
AN系炭素繊維ストランド(東邦レーヨン(株)製商品
名HTA−12000、繊維直径7ミクロンm、構成本
数12000本、引張強度3780MPa、引張弾性率
238GPa)を張力150グラムで浴内にジグザグに
配置した5つのローラ(直径10cm)を1m/分の速
度でとおして当該サイズ組成物を付着させて3種類のサ
ンプルを各100mを得た。このサイズ組成物の生分解
性、およびサイズ組成物を付着した炭素繊維の柔軟性、
製織性を調べた。
【0033】実施例1、比較例1、比較例2について、
界面活性剤の水溶解性、サイズ組成物の生分解性、炭素
繊維に付着したサイズ組成物の量、サイズ組成物を付着
した炭素繊維の柔軟性、サイズ組成物の水脱落量を評価
した。その結果をを表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】また、サイズ組成物を付着した炭素繊維の
製織試験結果(ガイド毛羽を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表1、表2に示すように、本発明の範囲
(実施例1)は水に対する界面活性剤の溶解性が良好で
あるため、それを使ったサイズ組成物の水溶液の作製が
容易である。また、当該サイズ組成物を付着した炭素繊
維は柔軟であり、水脱落性、製織性に優れていた。これ
に対して、本発明の範囲をはずれた場合(比較例1、比
較例2)は、水溶解性に劣り、サイズ組成物の溶液作製
に時間を要したり、また、付着した炭素繊維の製織時の
ガイドでの毛羽つまりや脱落毛羽が多く、織物表面の毛
羽立ちが多いなどの欠点を有し、全体的に満足のいく結
果は得られなかった。
【0038】〔比較例3、比較例4〕界面活性剤のアル
キル基の炭素数が5(比較例3)および20(比較例
4)である以外は実施例1と同様にして得た2種のサイ
ズ組成物とそのサイズ組成物を付着した炭素繊維につい
て、実施例1と同様にして、界面活性剤の水溶解性、サ
イズ組成物の生分解性、炭素繊維に付着したサイズ組成
物の量、繊維の柔軟性、サイズ組成物の水脱落量を評価
した。その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】また、サイズ組成物を付着した炭素繊維の
製織試験結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】表3、表4に示すように、本発明の範囲外
の場合は、界面活性剤の繊維の柔軟性に欠けたり、製織
時のガイドでの毛羽つまりや脱落毛羽が多かったり、織
物の織性が劣るなど、どれかの評価項目が劣っていた。
【0043】〔実施例2、比較例5〕実施例1で得た界
面活性剤11%と水溶性熱可塑性樹脂(日本合成化学工
業株式会社製エコマティAX300)89%からなるサ
イズ組成物(実施例2)および、該界面活性剤63%と
水溶性熱可塑性樹脂(日本合成化学工業株式会社製エコ
マティAX300)37%からなるサイズ組成物(比較
例5)とする以外は実施例1と同様にして、サイズ組成
物水溶液を作製し炭素繊維に付着し、界面活性剤の水溶
解性、サイズ組成物の生分解性、炭素繊維に付着したサ
イズ組成物の量、サイズ組成物を付着した炭素繊維の柔
軟性、サイズ組成物の水脱落性を評価した。その結果を
表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】また、サイズ組成物を付着した炭素繊維の
製織試験結果を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】表5、表6に示すように、本発明の範囲外
の場合は、界面活性剤の繊維の柔軟性に欠けたり、製織
時のガイドでの毛羽つまりや脱落毛羽が多かったり、織
物の品質が劣っていた。
【0048】〔実施例3、比較例6、比較例7〕実施例
1で得たサイズ組成物を0.7グラム(比較例6)、1
0.0グラム(実施例3)、53グラム(比較例7)と
する以外は実施例1と同様にしてサイズ付着炭素繊維を
得た。これらの繊維をギロチンカッターにより長さ6m
mにカットし、カット時の単繊維の飛散による環境汚染
の程度と、得られたカット品1グラムを水1リットルの
割合で水に分散させて炭素繊維の分散性を調べた。
【0049】それらの結果を表7に示す。
【0050】
【表7】
【0051】表7に示すように、本発明の範囲外の場合
は、カット時の単繊維の飛散が多くなったり、水分散性
に劣っていた。
【0052】
【発明の効果】本発明のサイズ組成物付着炭素繊維は、
HLB値が9〜17であり且つポリオキシエチレン基と
炭素数が8〜18のアルキル基からなる界面活性剤また
は該界面活性剤にポリプロピレンオキシド基を結合した
界面活性剤の一種以上とポリビニルアルコール系水溶性
熱可塑性樹脂を含む炭素繊維用サイズ組成物であり、特
に、該界面活性剤が10〜50重量%、ポリビニルアル
コール系水溶性熱可塑性樹脂が50〜90重量%である
サイズ組成物であり、該サイズ組成物を0.2〜5重量
%付着した炭素繊維である。さらに、該サイズ組成物を
付着した炭素繊維は取り扱い性、製織性、繊維加工性な
どに優れており得られた加工品の毛羽立ちが少なく、カ
ット時の単繊維の飛散による環境汚染や、水環境汚染を
引き起こさず、水環境保全に優れた特徴を有す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月20日(1998.8.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】前記サイズ組成物の炭素繊維に付着する量
が0.2重量%未満の場合は、炭素繊維の集束性が低下
しカットの際に単繊維が飛散したり、製織の際に毛羽立
つので好ましくない。また、付着量が5重量%超の場合
は、繊維が硬くなりすぎてカットした繊維により紙、不
織布を作製する際に、繊維を水中に均一に分散すること
が困難になり、また、製織においても繊維が硬すぎて製
織が難しくなるので好ましくない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】製織性は、受け渡し式レピア式製織機を用
いて、経糸を炭素繊維ストランド、糸をポリエステル
繊維として、糸のアルミナ製ガイド(直径5mm)を
とおして誘導して、織り幅120cm中に30cm幅の
ブロックごとに各サンプル炭素繊維ストランドを打ち込
み本数1.3本/cmで、糸は打ち込み本数10本/
cmで配置し、織速度20cm/分で製織試験し評価し
た。評価は織り長さ10mまでの、ガイドでの単繊維つ
まり程度、織機の下に脱落する単繊維量の程度、織物表
面の毛羽立ちを目視判定した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例1、比較例1、比較例2について、
界面活性剤の水溶解性、サイズ組成物の生分解性、炭素
繊維に付着したサイズ組成物の量、サイズ組成物を付着
した炭素繊維の柔軟性、サイズ組成物の水脱落量を評価
した。その結果をを表1に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表2】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【表7】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HLB値が9〜17であり且つポリオキ
    シエチレン基と炭素数が8〜18のアルキル基からなる
    界面活性剤または該界面活性剤にポリプロピレンオキシ
    ド基を結合した界面活性剤の一種以上を10〜50重量
    %とポリビニルアルコール系水溶性熱可塑性樹脂50〜
    90重量%からなるサイズ組成物を0.2〜5重量%付
    着したチョップ用及び脱サイズ編織物用炭素繊維。
JP21906498A 1998-08-03 1998-08-03 チョップ用及び脱サイズ編織物用炭素繊維 Expired - Fee Related JP3643485B2 (ja)

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