JPH06212565A - 炭素繊維 - Google Patents
炭素繊維Info
- Publication number
- JPH06212565A JPH06212565A JP5023322A JP2332293A JPH06212565A JP H06212565 A JPH06212565 A JP H06212565A JP 5023322 A JP5023322 A JP 5023322A JP 2332293 A JP2332293 A JP 2332293A JP H06212565 A JPH06212565 A JP H06212565A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sizing agent
- water
- carbon fiber
- carbon fibers
- washing
- Prior art date
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 繊維に付与したサイズ剤により糸扱い性が良
く、且つ容易に水洗によりサイズ剤を除去して、良好な
物性のC/C等の複合材料を製造することができる炭素
繊維を提供することである。 【構成】 炭素繊維にサイズ剤として、ビスフェノール
Aの両水酸基の各々に2〜10個のエチレンオキサイド
が付加した付加物を付与した。 【効果】 上記付加物は分子内にグリシジル基を持たな
い水溶性分子であり、水洗により容易に除去でき、炭素
繊維の長期間の保管によってもその水洗性を維持でき、
目的を達成できる。
く、且つ容易に水洗によりサイズ剤を除去して、良好な
物性のC/C等の複合材料を製造することができる炭素
繊維を提供することである。 【構成】 炭素繊維にサイズ剤として、ビスフェノール
Aの両水酸基の各々に2〜10個のエチレンオキサイド
が付加した付加物を付与した。 【効果】 上記付加物は分子内にグリシジル基を持たな
い水溶性分子であり、水洗により容易に除去でき、炭素
繊維の長期間の保管によってもその水洗性を維持でき、
目的を達成できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸扱い性が良好で、サ
イズ剤の水洗除去が容易な炭素繊維に関する。
イズ剤の水洗除去が容易な炭素繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、炭素繊維のボビンからの解除
や巻取り或いは繊維を編織する際の糸扱い性を向上する
ために、炭化処理後に炭素繊維にサイズ剤(サイジング
剤)が付与されている。
や巻取り或いは繊維を編織する際の糸扱い性を向上する
ために、炭化処理後に炭素繊維にサイズ剤(サイジング
剤)が付与されている。
【0003】サイズ剤としては、通常、エポキシ樹脂を
乳化剤により水に分散した水エマルジョン型のもの、或
いは有機溶剤を使用してエポキシ樹脂を溶解し、溶液と
したものが使用されている。
乳化剤により水に分散した水エマルジョン型のもの、或
いは有機溶剤を使用してエポキシ樹脂を溶解し、溶液と
したものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、エポキシ樹脂な
どを用いて炭素繊維/樹脂複合材料を作成する場合、炭
素繊維に付着しているサイズ剤は除去せずに、炭素繊維
がそのまま使用される。
どを用いて炭素繊維/樹脂複合材料を作成する場合、炭
素繊維に付着しているサイズ剤は除去せずに、炭素繊維
がそのまま使用される。
【0005】一方、C/C複合材料(炭素繊維/炭素複
合材料)やC/M複合材料(炭素繊維/金属複合材料)
を製造する場合には、サイズ剤が付着していると複合材
料の物性が低下するので、サイズ剤を除去することが必
要である。
合材料)やC/M複合材料(炭素繊維/金属複合材料)
を製造する場合には、サイズ剤が付着していると複合材
料の物性が低下するので、サイズ剤を除去することが必
要である。
【0006】従来のサイズ剤を付与した炭素繊維では、
サイズ剤を除去するのに焼成しなければならず、このた
め高温の炉を必要とするばかりか、焼成時に糸切れが発
生するという問題があった。
サイズ剤を除去するのに焼成しなければならず、このた
め高温の炉を必要とするばかりか、焼成時に糸切れが発
生するという問題があった。
【0007】サイズ剤の別の除去法として、アセトン、
メチルエチルケトンなどの溶剤を用いて除去する方法が
あるが、この場合にはコスト高くなる上、溶剤が飛散す
るので環境上、好ましくないという問題点があった。
メチルエチルケトンなどの溶剤を用いて除去する方法が
あるが、この場合にはコスト高くなる上、溶剤が飛散す
るので環境上、好ましくないという問題点があった。
【0008】このため除去が可能な水溶性エポキシ樹脂
をサイズ剤として使用することも試みられているが、水
溶性エポキシ樹脂分子内の反応性の高いグリシジル基
(エポキシ基)のために、保存中の酸化に対する安定性
が悪く、炭素繊維の保管中にサイズ剤が水に不溶化し
て、水による除去ができなくなる欠点があった。
をサイズ剤として使用することも試みられているが、水
溶性エポキシ樹脂分子内の反応性の高いグリシジル基
(エポキシ基)のために、保存中の酸化に対する安定性
が悪く、炭素繊維の保管中にサイズ剤が水に不溶化し
て、水による除去ができなくなる欠点があった。
【0009】本発明の目的は、複合材料を作成する際の
糸扱い性及び繊維束の開繊性が繊維に付与したサイズ剤
により良好であり、且つ良好な物性のC/C複合材料、
C/M複合材料を作成するためのサイズ剤の除去が水洗
により容易に行なえ、更に炭素繊維/樹脂複合材料を作
成する際には、エポキシ樹脂との相溶性が高いためにサ
イズ剤を除去することなく用いても、物性を低下させる
ことなく複合材料を製造することを可能とした炭素繊維
を提供することである。
糸扱い性及び繊維束の開繊性が繊維に付与したサイズ剤
により良好であり、且つ良好な物性のC/C複合材料、
C/M複合材料を作成するためのサイズ剤の除去が水洗
により容易に行なえ、更に炭素繊維/樹脂複合材料を作
成する際には、エポキシ樹脂との相溶性が高いためにサ
イズ剤を除去することなく用いても、物性を低下させる
ことなく複合材料を製造することを可能とした炭素繊維
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
炭素繊維にて達成される。要約すれば本発明は、下記の
化学式:
炭素繊維にて達成される。要約すれば本発明は、下記の
化学式:
【0011】
【化2】 で表されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物を付与したことを特徴とする炭素繊維である。
物を付与したことを特徴とする炭素繊維である。
【0012】以下、本発明について説明する。
【0013】本発明で使用するサイズ剤は、化2に示す
ように、ビスフェノールAの両水酸基の各々に2〜10
個のエチレンオキサイドを付加してなっており、この付
加物は、分子内にグリシジル基(エポキシ基)を持たな
い水溶性分子である。
ように、ビスフェノールAの両水酸基の各々に2〜10
個のエチレンオキサイドを付加してなっており、この付
加物は、分子内にグリシジル基(エポキシ基)を持たな
い水溶性分子である。
【0014】本発明では、このようなビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物からなるサイズ剤を炭素繊
維に付与するものである。例えば炭化処理により得られ
た炭素繊維をボビンに巻取る前にサイズ剤が付与され
る。
のエチレンオキサイド付加物からなるサイズ剤を炭素繊
維に付与するものである。例えば炭化処理により得られ
た炭素繊維をボビンに巻取る前にサイズ剤が付与され
る。
【0015】上記の化2において、(CH2 −CH2 −
O)基の数m、n(付加モル数)は互に同一でも異なっ
ていてもよいが、付加モル数m、nのいずれもが2未満
では、サイズ剤は水に溶解しにくくなり、水洗による除
去がしづらくなる。一方、付加モル数m、nがいずれも
10を超えると、マトリクス樹脂として使用するエポキ
シ樹脂との相溶性が低下し、繊維強化複合樹脂材料にし
たときの層間剪断強度(ILSS)が低下する。又サイ
ズ剤の酸化安定性が悪くなり、炭素繊維保管中の酸化に
よりサイズ剤が水に不溶化して、水によるサイズ剤の除
去がしにくくなる。以上から、サイズ剤は、化2の(C
H2 −CH2 −O)基の付加モル数m、nが2〜10と
される。
O)基の数m、n(付加モル数)は互に同一でも異なっ
ていてもよいが、付加モル数m、nのいずれもが2未満
では、サイズ剤は水に溶解しにくくなり、水洗による除
去がしづらくなる。一方、付加モル数m、nがいずれも
10を超えると、マトリクス樹脂として使用するエポキ
シ樹脂との相溶性が低下し、繊維強化複合樹脂材料にし
たときの層間剪断強度(ILSS)が低下する。又サイ
ズ剤の酸化安定性が悪くなり、炭素繊維保管中の酸化に
よりサイズ剤が水に不溶化して、水によるサイズ剤の除
去がしにくくなる。以上から、サイズ剤は、化2の(C
H2 −CH2 −O)基の付加モル数m、nが2〜10と
される。
【0016】以上のようなサイズ剤を炭素繊維に付与す
るには、通常の水溶性サイズ剤と同様、水溶液にして付
着させればよく、例えばサイズ剤水溶液を収容した水槽
内に炭素繊維を通糸して行なうことができる。サイズ剤
水溶液の濃度は0.1〜20wt%程度にして付与され
る。炭素繊維のサイズ剤付着量(乾燥による水分除去後
の付着量)は0.1〜10wt%がよく、付着量が0.
1wt%未満では、複合材料を作る際の糸扱い性の向上
効果がなく、ず、逆に10wt%を超えると、その効果
の向上が頭打ちになる上、水洗による除去に時間がかか
るようになる。
るには、通常の水溶性サイズ剤と同様、水溶液にして付
着させればよく、例えばサイズ剤水溶液を収容した水槽
内に炭素繊維を通糸して行なうことができる。サイズ剤
水溶液の濃度は0.1〜20wt%程度にして付与され
る。炭素繊維のサイズ剤付着量(乾燥による水分除去後
の付着量)は0.1〜10wt%がよく、付着量が0.
1wt%未満では、複合材料を作る際の糸扱い性の向上
効果がなく、ず、逆に10wt%を超えると、その効果
の向上が頭打ちになる上、水洗による除去に時間がかか
るようになる。
【0017】本発明において、サイズ剤は1種類を単独
で使用するばかりでなく、付加モル数m、nの点におい
て互に異なる2種以上を混合して使用することもでき
る。2種以上のサイズ剤を混合すると、相乗効果により
サイズ剤の水溶性が高まるばかりでなく、エポキシ樹脂
との相溶性が高まり、又酸化安定性が向上する。
で使用するばかりでなく、付加モル数m、nの点におい
て互に異なる2種以上を混合して使用することもでき
る。2種以上のサイズ剤を混合すると、相乗効果により
サイズ剤の水溶性が高まるばかりでなく、エポキシ樹脂
との相溶性が高まり、又酸化安定性が向上する。
【0018】更にサイズ剤にはフェノール系、アミン系
の酸化防止剤を添加して使用することができ、これによ
り酸化安定性を一層向上することができる。この場合、
上記のように2種以上のサイズ剤を混合して使用する
と、酸化防止剤のサイズ剤への相溶性が向上する。
の酸化防止剤を添加して使用することができ、これによ
り酸化安定性を一層向上することができる。この場合、
上記のように2種以上のサイズ剤を混合して使用する
と、酸化防止剤のサイズ剤への相溶性が向上する。
【0019】酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフ
チルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ
−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−
ジアリル−p−フェニレンジアミン、ジアリル−p−フ
ェニレンジアミン;N,N′−ジ−sec−ブチル−p
−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘ
プチル)−p−フェニレンジアミンなどのアミン類及び
その誘導体;4,4′−ジオキシジフェニル、2,4−
ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−
ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−tert−
ブチル−p−クレゾールなどのフェノール誘導体が使用
される。
チルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ
−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−
ジアリル−p−フェニレンジアミン、ジアリル−p−フ
ェニレンジアミン;N,N′−ジ−sec−ブチル−p
−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘ
プチル)−p−フェニレンジアミンなどのアミン類及び
その誘導体;4,4′−ジオキシジフェニル、2,4−
ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−
ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−tert−
ブチル−p−クレゾールなどのフェノール誘導体が使用
される。
【0020】本発明の炭素繊維では、以上のようなサイ
ズ剤を付与したので、サイズ剤付与による炭素繊維の糸
扱い性が良好になるばかりでなく、水洗により炭素繊維
からサイズ剤を容易に除去でき、炭素繊維を用いて良好
な物性のC/CやC/M等の複合材料を製造することが
できる。然もサイズ剤は分子内にグリシジル基がないの
で、炭素繊維を長期間保管しても、酸化により劣化して
水に不溶化するというようなことがなく、サイズ剤の水
洗性を長期間安定して維持することができる。勿論、水
洗後の炭素繊維は開繊性が良好である。更にサイズ剤は
マトリクス樹脂として使用するエポキシ樹脂との相溶性
がよいので、サイズ剤を除去することなく用いて作成し
た炭素繊維強化プリプレグにより、物性低下を生じるこ
となく複合材料を製造することができる。
ズ剤を付与したので、サイズ剤付与による炭素繊維の糸
扱い性が良好になるばかりでなく、水洗により炭素繊維
からサイズ剤を容易に除去でき、炭素繊維を用いて良好
な物性のC/CやC/M等の複合材料を製造することが
できる。然もサイズ剤は分子内にグリシジル基がないの
で、炭素繊維を長期間保管しても、酸化により劣化して
水に不溶化するというようなことがなく、サイズ剤の水
洗性を長期間安定して維持することができる。勿論、水
洗後の炭素繊維は開繊性が良好である。更にサイズ剤は
マトリクス樹脂として使用するエポキシ樹脂との相溶性
がよいので、サイズ剤を除去することなく用いて作成し
た炭素繊維強化プリプレグにより、物性低下を生じるこ
となく複合材料を製造することができる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0022】実施例1 光学的異方性相を98%含み、軟化点が270℃の炭素
繊維用ピッチを紡糸し、その後不融化し、予備炭化し、
2500℃までの炭化を行ない、更に電解酸化処理法で
表面処理を行なって、5000フィラメントからなる炭
素繊維を得た。
繊維用ピッチを紡糸し、その後不融化し、予備炭化し、
2500℃までの炭化を行ない、更に電解酸化処理法で
表面処理を行なって、5000フィラメントからなる炭
素繊維を得た。
【0023】この炭素繊維についてJIS−R−760
1に規定する樹脂含浸ストランド試験を行なったとこ
ろ、樹脂含浸ストランドの引張強度は350kg/mm
2 、引張弾性率は70ton/mm2 であった。又エポ
キシ樹脂との複合材料を作成して、ショートビーム法に
よりその層間剪断強度を測定したところ7.1kg/m
m2 であった。
1に規定する樹脂含浸ストランド試験を行なったとこ
ろ、樹脂含浸ストランドの引張強度は350kg/mm
2 、引張弾性率は70ton/mm2 であった。又エポ
キシ樹脂との複合材料を作成して、ショートビーム法に
よりその層間剪断強度を測定したところ7.1kg/m
m2 であった。
【0024】次に炭素繊維にサイズ剤として、ビスフェ
ノールAにエチレンオキサイドを合計10モル付加した
付加物(化2の付加モル数m+n=10)を付与した。
ノールAにエチレンオキサイドを合計10モル付加した
付加物(化2の付加モル数m+n=10)を付与した。
【0025】サイズ剤の付与は、幅0.6m、高さ0.
4m、長さ2mの図示しない横形の水槽にサイズ剤を6
wt%の水溶液の形にして入れ、このサイズ剤水溶液中
に炭素繊維を連続的に通糸する方法により行なった。
4m、長さ2mの図示しない横形の水槽にサイズ剤を6
wt%の水溶液の形にして入れ、このサイズ剤水溶液中
に炭素繊維を連続的に通糸する方法により行なった。
【0026】炭素繊維はサイズ剤の付与後、ドライヤー
で水分を除去した。水分除去後の繊維のサイズ剤付着量
を測定したところ2.0wt%であった。
で水分を除去した。水分除去後の繊維のサイズ剤付着量
を測定したところ2.0wt%であった。
【0027】サイズ剤付与から1日後、上記の水槽に洗
浄水としてイオン交換水を入れ、この中に炭素繊維を連
続的に通糸して、サイズ剤を水洗除去した。このときの
通糸速度は0.5m/分であり、イオン交換水中の炭素
繊維の滞留時間は2分であった。又イオン交換水の温度
は20℃であり、洗浄中、交換水の撹拌は行なわなかっ
た。
浄水としてイオン交換水を入れ、この中に炭素繊維を連
続的に通糸して、サイズ剤を水洗除去した。このときの
通糸速度は0.5m/分であり、イオン交換水中の炭素
繊維の滞留時間は2分であった。又イオン交換水の温度
は20℃であり、洗浄中、交換水の撹拌は行なわなかっ
た。
【0028】このようにしてサイズ剤が除去された炭素
繊維を120℃で乾燥した後、サイズ剤の残量を測定
し、水洗によるサイズ剤の除去率を求めた。サイズ剤の
除去率は99%であった。
繊維を120℃で乾燥した後、サイズ剤の残量を測定
し、水洗によるサイズ剤の除去率を求めた。サイズ剤の
除去率は99%であった。
【0029】又サイズ剤の除去を行なわずに炭素繊維を
使用して複合材料を作成した。その複合材料を作成する
際の糸扱い性及び繊維束の開繊性は良好であった。又こ
の複合材料の層間剪断強度をショートビーム法により測
定したところ、層間剪断強度は7.1kg/mm2 であ
り、サイズ剤を付与していないときの炭素繊維を用いた
場合と、層間剪断強度の差が殆ど認められたなかった。
使用して複合材料を作成した。その複合材料を作成する
際の糸扱い性及び繊維束の開繊性は良好であった。又こ
の複合材料の層間剪断強度をショートビーム法により測
定したところ、層間剪断強度は7.1kg/mm2 であ
り、サイズ剤を付与していないときの炭素繊維を用いた
場合と、層間剪断強度の差が殆ど認められたなかった。
【0030】次に炭素繊維を室温化で6か月保管後、上
記と同様にしてサイズ剤の除去試験を行なった。この場
合のサイズ剤の除去率は71%であった。
記と同様にしてサイズ剤の除去試験を行なった。この場
合のサイズ剤の除去率は71%であった。
【0031】実施例2 サイズ剤として、ビスフェノールAにエチレンオキサイ
ドを合計10モル付加した付加物(付加モル数m+n=
10)を10wt%、8モル付加した付加物(m+n=
8)、12モル付加した付加物(m+n=12)を混合
して使用した以外は、実施例1と同様に処理した。
ドを合計10モル付加した付加物(付加モル数m+n=
10)を10wt%、8モル付加した付加物(m+n=
8)、12モル付加した付加物(m+n=12)を混合
して使用した以外は、実施例1と同様に処理した。
【0032】この場合、サイズ剤付与から1日後の水洗
によるサイズ剤の除去率は100%であり、6か月保管
後の水洗によるサイズ剤の除去率は95%であった。
によるサイズ剤の除去率は100%であり、6か月保管
後の水洗によるサイズ剤の除去率は95%であった。
【0033】又このサイズ剤を付与した炭素繊維を複合
材料にしたときの層間剪断強度は7.1kg/mm2 で
あり、サイズ剤を付与しなかったものとの差が認められ
なかった。この場合も、複合材料を作る際の繊維の糸扱
い性及び繊維束の開繊性は良好であった。
材料にしたときの層間剪断強度は7.1kg/mm2 で
あり、サイズ剤を付与しなかったものとの差が認められ
なかった。この場合も、複合材料を作る際の繊維の糸扱
い性及び繊維束の開繊性は良好であった。
【0034】実施例3 サイズ剤として実施例2のものを用い、これに更に酸化
防止剤としてN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミンを5wt%添加して使用した。それ以外は、実施
例1と同様に処理した。
防止剤としてN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミンを5wt%添加して使用した。それ以外は、実施
例1と同様に処理した。
【0035】この場合、サイズ剤付与から1日後の水洗
によるサイズ剤の除去率は100%であり、6か月保管
後の水洗によるサイズ剤の除去率も100%であった。
によるサイズ剤の除去率は100%であり、6か月保管
後の水洗によるサイズ剤の除去率も100%であった。
【0036】又このサイズ剤を付与した炭素繊維を複合
材料にしたときの層間剪断強度は7.0kg/mm2 で
あった。この場合も、複合材料を作る際の繊維の糸扱い
性及び繊維束の開繊性は良好であった。
材料にしたときの層間剪断強度は7.0kg/mm2 で
あった。この場合も、複合材料を作る際の繊維の糸扱い
性及び繊維束の開繊性は良好であった。
【0037】比較例1 サイズ剤として、ビスフェノールAにエチレンオキサイ
ドを合計24モル付加した付加物(付加モル数m+n=
24)を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。
ドを合計24モル付加した付加物(付加モル数m+n=
24)を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。
【0038】この場合、サイズ剤付与から1日後の水洗
によるサイズ剤の除去率は100%であり、6か月保管
後の水洗によるサイズ剤の除去率は20%であった。サ
イズ剤の水洗性は、6か月の保管により著しく低下し
た。
によるサイズ剤の除去率は100%であり、6か月保管
後の水洗によるサイズ剤の除去率は20%であった。サ
イズ剤の水洗性は、6か月の保管により著しく低下し
た。
【0039】又このサイズ剤を付与した炭素繊維を複合
材料にしたときの層間剪断強度は5.5kg/mm2 と
顕著に低下した。この場合、複合材料を作成する際の繊
維の糸扱い性及び繊維束の開繊性は実施例1と比べて悪
かった。
材料にしたときの層間剪断強度は5.5kg/mm2 と
顕著に低下した。この場合、複合材料を作成する際の繊
維の糸扱い性及び繊維束の開繊性は実施例1と比べて悪
かった。
【0040】比較例2 サイズ剤として、ビスフェノールAにエチレンオキサイ
ドを合計2モル付加した付加物(付加モル数m+n=
2)を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。
ドを合計2モル付加した付加物(付加モル数m+n=
2)を用いた以外は、実施例1と同様に処理した。
【0041】この場合、サイズ剤付与から1日後の水洗
によるサイズ剤の除去率は10%であり、6か月保管後
の水洗によるサイズ剤の除去率は10%であった。6か
月の保管によるサイズ剤の水洗性の変化は認められなか
ったが、元々、除去率が低すぎる。
によるサイズ剤の除去率は10%であり、6か月保管後
の水洗によるサイズ剤の除去率は10%であった。6か
月の保管によるサイズ剤の水洗性の変化は認められなか
ったが、元々、除去率が低すぎる。
【0042】このサイズ剤を付与した炭素繊維を複合材
料にしたときの層間剪断強度は7.1kg/mm2 であ
り、サイズ剤剤を付与しない炭素繊維と変化がなかっ
た。
料にしたときの層間剪断強度は7.1kg/mm2 であ
り、サイズ剤剤を付与しない炭素繊維と変化がなかっ
た。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の炭素繊維
は、ビスフェノールAの両水酸基の各々に2〜10個の
エチレンオキサイドを付加した付加物をサイズ剤として
付与してなっており、この付加物は分子内にグリシジル
基を持たない水溶性分子であるので、炭素繊維の糸扱い
性が良いばかりか、容易に水洗によりサイズ剤を除去で
き、炭素繊維の長期間保管によってもその水洗性は失わ
れない。従って炭素繊維からサイズ剤を除去して良好な
物性のC/CやC/M等の複合材料を製造することがで
きる。更にサイズ剤のエポキシ樹脂との相溶性が高いの
で、サイズ剤を除去することなく用いて作成した炭素繊
維強化プリプレグにより、物性低下を生じることなく複
合材料を製造することができる。
は、ビスフェノールAの両水酸基の各々に2〜10個の
エチレンオキサイドを付加した付加物をサイズ剤として
付与してなっており、この付加物は分子内にグリシジル
基を持たない水溶性分子であるので、炭素繊維の糸扱い
性が良いばかりか、容易に水洗によりサイズ剤を除去で
き、炭素繊維の長期間保管によってもその水洗性は失わ
れない。従って炭素繊維からサイズ剤を除去して良好な
物性のC/CやC/M等の複合材料を製造することがで
きる。更にサイズ剤のエポキシ樹脂との相溶性が高いの
で、サイズ剤を除去することなく用いて作成した炭素繊
維強化プリプレグにより、物性低下を生じることなく複
合材料を製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の化学式: 【化1】 で表されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物を付与したことを特徴とする炭素繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5023322A JPH06212565A (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | 炭素繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5023322A JPH06212565A (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | 炭素繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06212565A true JPH06212565A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=12107359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5023322A Pending JPH06212565A (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | 炭素繊維 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH06212565A (ja) |
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1993
- 1993-01-18 JP JP5023322A patent/JPH06212565A/ja active Pending
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