JP2000054067A - 耐候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材およびその製造方法 - Google Patents
耐候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材およびその製造方法Info
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Abstract
疲労が懸念される海浜および融雪塩使用地区に施設され
る橋梁、鉄塔などの鋼構造物部材として使用される耐候
性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材を低コストで、し
かも簡易な製造方法で提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.02〜0.20%を
含有し、更に微量Ni,CuおよびMoを必須元素とし
て添加した建築用鋼材であって、Ni/Cuの濃度比が
0.8以上、鋼材表面の内部酸化層が2μm以下、前記
内部酸化層上に厚さ2μm以上のNi,Cu,Moの濃
化層を有することを特徴とする耐候性および耐疲労特性
に優れた圧延鋼材。
Description
よる鋼の腐食および継手部疲労が懸念される海浜および
融雪塩使用地区に施設される橋梁、鉄塔などの鋼構造物
部材として使用される耐候性および耐疲労特性に優れた
圧延鋼材およびその製造方法に関するものである。
は、鋼の腐食と疲労によって決定されるが、防食と疲労
により著しい長寿命化が可能となる。しかし、現状の耐
候性鋼と言えども、塩素濃度の高い海浜近接地域や融雪
塩使用地区では無被服での防食は困難であり、定期的な
塗装、メッキなどの防食処理を施すことが必須となって
いる。また、溶接継手部などの接合部には長期間の車走
行時の振動により金属疲労が発生し、大規模な補修作業
は必要になってくるという問題がある。
の大気暴露試験の結果を示す。このデータは、特に腐食
の大きい臨海工業地帯における前記大気暴露試験結果で
あり、10年間の長期にわたる試験期間において、大気
中のSOX 濃度の上昇に伴い、その腐食量としての目安
となる板厚減少量が、炭素鋼の場合には片面当たりの板
厚減少量が0.5mmにまで達しているのに対し、耐候
性鋼においては、0.2mm以下という優れた結果を示
しており、この種の鋼材のニーズが益々増加しており、
更なる改善が求められている。
がなされている。その代表的な例として、特開平8−1
34587号公報および特開平9−165647号公報
には、C:0.15%以下を含有し、更にMn、Ni、
Mo等の強化元素を添加しNi+3Mo≧1.2%、或
いはNi+Cu+3Mo≧1.2%、Ceq:0.5以
下に調整した耐候性に優れた溶接構造用鋼が開示されて
いる。また、特開平8−277439号公報には、ラス
状フェライトとセメンタイトからなる鋼で、面積率0.
5%以上5%以下の変態ままのマルテンサイトを含む金
属組織とすることで高疲労強度を有する溶接熱影響部が
開示されている。更に、特開平9−249915号公報
には、Mn,TiおよびBを適量添加することによって
組織を冷却速度に依存することなく、ベイナイト単相と
し、またこの組織によって組織の強化を図ると共に、C
uの析出および固溶強化に利用することで、引っ張り強
さを高めて耐疲労性を向上させ、更に、未再結晶の低温
域或いは2相域の温度範囲で圧下率30%以上の圧延を
施すことで疲労限を上昇させることが開示されている。
術においても塩素濃度の高い海浜近接地域や融雪塩使用
地区では無被服での使用に耐えることができず、依然と
して溶接継手部などの接合部には長期間の車走行時の振
動により金属疲労が発生し、定期的な大規模な補修作業
が必要とされていた。
解決すべくなされたもので、海塩粒子の飛散による鋼の
腐食および継手部疲労が懸念される海浜および融雪塩使
用地区に施設される橋梁、鉄塔などの鋼構造物部材とし
て使用される鋼材において、耐候性および耐疲労特性に
優れた圧延鋼材およびその製造方法を提供することを目
的とするものである。
子の飛散による鋼の腐食および継手部疲労が懸念される
海浜および融雪塩使用地区に施設される橋梁、鉄塔など
の鋼構造物部材として使用される鋼材において、腐食を
起点として作用する内部酸化層の生成を抑制し、粒界酸
化を防止するために、Ni,Cu,Moを微量添加し、
Ni/Cuの濃度比を調整し、更に、鋼材表面の内部酸
化層の厚み、内部酸化層上に形成されるNi,Cu,M
oの濃化層の厚み、これらの元素濃度の総量を制御する
ことにより耐候性と耐疲労特性に優れた圧延鋼材を開発
することに成功したものであり、その要旨は次の通りで
ある。
を含有し、更に微量Ni,CuおよびMoを必須元素と
して添加した建築用鋼材であって、Ni/Cuの濃度比
が0.8以上、鋼材表面の内部酸化層が2μm以下、前
記内部酸化層上に厚さ2μm以上のNi,Cu,Moの
濃化層を有することを特徴とする耐候性および耐疲労特
性に優れた圧延鋼材。
%、Mn:≦0.1%、Si:≦0.1%、Cr:≦
0.1%、Al:≦0.1%、Ti:≦0.1%、N
i:0.8〜3.0%、Cu:0.8〜2.0%、M
o:0.4〜0.7%、N :0.001〜0.01
%、P :≦0.1%、S :≦0.006%、を含有
し、かつNi/Cuの濃度比が0.8以上であり、残部
がFeおよび不可避的不純物からなり、更に、鋼材表面
の内部酸化層が2μm以下で、前記内部酸化層上に厚さ
2μm以上のNi,Cu,Moの濃化層を有し、これら
の元素濃度の総量が7.0重量%以上であることを特徴
とする耐候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材。
0.10%、V:0.01〜0.20%、B:0.00
03〜0.0030%のいずれか1種または2種以上、
更に必要に応じて、Ca:0.0005〜0.0050
%、Mg:0.0005〜0.010%、REM:0.
0005〜0.010%のいずれか1種または2種以上
を含有することを特徴とする上記2)記載の耐候性およ
び耐疲労特性に優れた圧延鋼材。
濃度比が0.8以上に調整した鋳片を1100〜130
0℃の温度域に再加熱した後に熱延を開始し、950℃
以下の累積圧下率が40%以上となる圧延を行い、90
0℃以上で熱延を終了し、熱延ままで鋼材表面の内部酸
化層が2μm以下で、前記内部酸化層上に厚さ2μm以
上のNi,Cu,Moの濃化層を有し、これらの元素濃
度の総量が7.0重量%以上であることを特徴とする耐
候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材の製造方法。
Pa級のH形鋼の粒界酸化のメカニズムを鋭意研究を重
ねた結果、内部酸化層と強化元素として添加されるN
i,Cu,Mo等の微量元素が大きく影響していること
が判明した。すなわち、地鉄表層部に形成される内部酸
化層は、Si,Mn,Cr,Feの単独および複合した
酸化物、すなわち、FeとMnO,SiO等の粒子とが
混合した脱合金層で形成されていることが分かり、これ
らの元素が空気中の酸素と結合してファイヤライト(2
SiO2 FeO)を生成し、これが腐食の起点となって
粒界酸化が発生すること、また、Mnの存在によりMn
Sが生成して孔食の起点となって耐候性を著しく阻害す
ることも判明した。
要因を検討し、前述の内部酸化層の生成を抑制するため
には、鉄(FeO)より酸化し易いSi,Mn,Crの
それぞれの量を低減させることによって腐食に起点とし
て作用する内部酸化層の生成を著しく抑制することがで
きる。図2aに通常の高張力H形鋼に含有されるSi,
Mn,Crの量(Si:0.35%、Mn:1.3%、
Cr:0.3%)を低減させない場合の内部酸化層の生
成状態を示した。一方、図2bには本発明によるSi,
Mn,Crの量(Si:0.05%、Mn:0.04
%、Cr:0.01%)を低減した場合の内部酸化層の
生成状態を示した。図2bから明らかなように、Si,
Mn,Crの量を低減した本発明鋼においては内部酸化
層が2μm以下と厚みが極端に薄くなっていることがわ
かる。更に、本発明においては前述したように、Mnの
量も低減しているために、孔食の起点となり耐候性を著
しく阻害するMnSの生成が少ないために、耐孔食性お
よび耐候性に優れた高張力H形鋼が得られる。また、本
発明においては含有S量の低減に加え、Ca,Mg,R
EMを添加することで硫化物生成により固溶S量も併せ
て低減可能になるものである。
上の要因を製造プロセスの観点から探索し、Ni,C
u,Moが添加された高張力H形鋼の場合には、内部酸
化層上にNi,Cu,Moの濃化層が形成され、その濃
化層形成量がスラブ加熱温度の高低に非常に左右される
ことを知見し、特に、スラブ加熱が1100℃〜130
0℃、好ましくは1300℃で4.5時間、という高温
で行われる場合には図3bに示すように、前述のNi,
Cu,Moの濃化層が2μm以上の厚みで形成されてい
ることも知見した。一方、従来のような1100℃以下
という低温スラブ加熱の場合では、図3aに示すよう
に、前記濃化層は、生成されないか、生成しても極めて
薄い濃化層であることが分かり、このために、腐食およ
び孔食深さも抑制され、安定錆の生成速度上昇効果によ
る耐候性向上が図れるものである。
前述したように、鉄(FeO)より酸化し易いSi,M
n,Crのそれぞれの量を低減させることによって腐食
を起点として作用する内部酸化層の生成を著しく抑制す
ることにより、内部酸化層の生成に伴う軟化層・粒界酸
化層による疲労強度低下を防止することができる。な
お、前記粒界酸化層はノッチ効果による応力集中を生
じ、同様に疲労強度低下させる原因ともなっている。ま
た、Si量を低減させることによって、粒界酸化ファイ
ヤライト層の生成抑制作用から疲労強度を上昇させるこ
とができる。更に、前述したような1100℃〜130
0℃、好ましくは1300℃で4.5時間、という高温
スラブ加熱により、酸化による内部酸化層上へのNi,
Cu,Moの濃化層が2μm以上の厚みで形成されるた
め、表面層内部酸化層の軟化抑制効果によって疲労強度
が上昇する。また、この疲労強度は、降伏強度および引
張強度とほぼ直線的な関係にあるため、降伏強度および
引張強度の上昇に伴い疲労強度も上昇することになる。
性に優れた圧延鋼材の合金成分範囲とその製造方法につ
いて詳細に説明する。炭素(C)は、400〜700M
Pa級のH形鋼の母材の降伏強度および引張強度を確保
するために、0.02〜0.20%の範囲で添加する。
珪素(Si)は、母材の強度確保、溶鋼の予備脱酸など
に必要であるが、0.1%以上の添加は、MnSi・O
を形成し、内部酸化層増加、および粒界酸化を促す2S
iO 2FeOを形成する傾向を強めることになるので少
ない程好ましく、上限を0.1%とする。
要な元素であるが、母材および溶接部の靱性および割れ
性に対する許容濃度、およびMnSを生成し、孔食の起
点となり耐候性を著しく阻害するため、出来るだけ少な
い方が望ましく、その上限を0.1%とする必要があ
る。クロム(Cr)は、焼き入れ性向上により母材強化
寄与する元素であるが、0.1%を超えるとCr・Oと
なって内部酸化層を形成して腐食の起点となるため、そ
の上限を0.1%とする。
であり、脱酸と鋼の清浄化およびAlNを析出させ固溶
Nを固定し、靱性を向上させるために0.1%を上限と
して添加される。しかし、Ca,Mg,REM等を添加
し、これらの微細酸化物を積極的に利用する場合には、
多量のAl量添加ではCa,Mg,REM等の微細酸化
物形成を阻害するために、できるだけ少ない方が好まし
い。
Nを低減することにより島状マルテンサイトの生成を抑
制し、微細析出したTiNはγ相の微細化に寄与する。
これらのTiの作用により組織を微細化し強度・靱性を
向上させる。しかし、0.1%以上の過剰な添加は、T
iCを析出し、その析出効果により母材および溶接熱影
響部の靱性を劣化させるので上限を0.1%とした。
が必須となる。これらの元素は共に高強度化元素とし
て、いずれも母材の靱性を高め、しかも内部酸化層上に
2μm以上のNi,Cu,Moを濃化層を形成する重要
な元素である。Niの添加量は、0.8〜3.0%、C
uは0.8〜2.0%の範囲で添加される。Moは母材
強度および高温強度確保に有効な元素であるが、過剰な
添加はMo炭化物を析出して固溶Moとして焼き入れ性
向上効果が飽和するので0.4〜0.7%の範囲で添加
する必要がある。
は、焼き入性を上昇させ、強度を増加させる目的から、
Nb:0.005〜0.10%、V:0.01〜0.2
0%がそれぞれ添加される。しかし、Nbの場合には
0.005%、Vの場合には0.20%を超えるとNb
炭窒化物或いはV炭窒化物の析出量が増加し、固溶Nb
或いは固溶Vとしての効果が飽和するためNb:0.1
0%、V:0.20%を上限とし、また、焼き入れ性、
母材の強度確保の点からは下限をNb:0.005%、
V:0.01%とした。
な元素であり、0.0003〜0.0030%添加され
る。窒素(N)は、窒化物を形成し、γ粒の結晶化に寄
与するが、過剰な固溶Nは靱性を劣化させるのでNの含
有量は0.001〜0.010%添加される。マグネシ
ウム、Ca、REMは孔食の起点となり耐候性を低下さ
せるMnSの生成を防止する目的で、より高温安定性の
高いMg,Ca,REMの硫化物を形成させイオウを固
定するために添加するものである。マグネシウム(M
g)は、合金化によりMg含有濃度を低減し、溶鋼への
添加時の脱酸反応を抑制し、添加時の安全確保とMgの
歩留まりを向上させ、更にMgOの微細酸化物を生成さ
せ、これらを微細分散させることにより鋼の強度および
靱性向上に寄与させる目的で0.0005〜0.010
%添加する。また、Ca、REMは、いずれもスラブ割
れ防止の目的からそれぞれ0.0005〜0.005
%、0.0005〜0.010%の範囲で添加される。
由は、Cu添加鋼の高温加熱による表面割れを防止する
ためである。この割れは、1100℃以上の高温加熱に
より内部酸化層上にCuが濃縮し、溶融Cuがγ粒界に
侵入しCu溶融割れを生じる。この防止には、1100
℃以下の低温加熱をするか、Ni/Cu≧0.8のNi
添加し高融点化することにより防止できる。
とする理由は、実際に、20μm厚さの内部酸化層存在
はおよそ20倍の200μm深さまで表面軟化層を形成
させる。内部酸化層厚さ2μmでは表面軟化層深さ20
μmとなり疲労および腐食の防止には限界の厚さである
ことから内部酸化層2μm以下とした。Ni,Cu,M
oの濃化層の厚さを2μm以上とする理由は、EPMA
での測定結果から、Ni,Cu,Mo濃化層厚さが2μ
m以下では耐候性効果が小さいことが塩水噴霧試験によ
り確認されたためである。
を7.0重量%以上とする理由は、1250℃の加熱実
験によると、内部酸化層上へのCu,Niの濃化度は、
およそ5〜10倍であり、Moは2〜5倍であった。し
かも、これらの濃度の総和が7.0重量%以下では目標
の耐候性・疲労特性が達成できないためである。次に、
本発明における製造方法について説明する。
加熱温度を1100〜1300℃の高温スラブ加熱を行
う必要がある。これは、前述の高温スラブ加熱におい
て、高温加熱酸化により内部酸化層上へのNi,Cu,
Moの濃化層を2μm以上の厚さで形成させるものであ
る。高温加熱酸化において、内部酸化層上へNi,C
u,Moが2μm以上濃化する理由は、これら金属の酸
化物の生成エネルギーは鉄酸化物(FeO)より高いた
め、酸化物を生成できず内部酸化層上に取り残され濃化
するためである。
oの濃化層が、およそ30μm厚さほど形成される。こ
れが圧延により延伸され、延伸比に対応しほぼ比例して
薄くなる。すなわち、厚さが1/10になった場合は、
ほぼその厚さは3μmとなる。更に、前述のように、高
温で加熱されたスラブは熱間圧延に付されるが、この熱
間圧延においては、950℃以下での累積圧下率が40
%以上となる圧延を行う必要がある。
で熱延するのは、圧延温度と圧下条件を制御する制御圧
延により組織微細化を達成するには、オーステナイトの
再結晶・未再結晶温度域において、40%以上の圧下を
加える必要があるためである。
本発明鋼と比較鋼についての化学成分値を有する鋼を転
炉溶製し、合金を添加後、予備脱酸処理を行い、溶鋼の
酸素濃度を調整後、次いでCa,Mg合金、REMを添
加し、連続鋳造により250〜300mm厚鋳片に鋳造
した。
水量と鋳片の引き抜き速度の選択により制御した。この
ようにして得た鋳片を1280℃の高温で加熱し、粗圧
延工程を経て図4に示すユニバーサル圧延装置列でH形
鋼に圧延した。この時の圧延・加速冷却条件を表2に示
した。
表3に示した。特に疲労特性については図5に示したと
おりである。図6にH形鋼の断面形状および機械試験片
の採取位置を示した。図6において、フランジ2の板厚
t2 の中心部(1/2t2 )でフランジ幅全長(B)の
1/4(1/4B)から採取した試験片を用い前述の機
械的特性を求めた。これらの部位について機械的特性を
求めた理由は、フランジ1/4F部はH形鋼の平均的な
機械的特性を示し、H形鋼の機械的特性を代表できると
判断したものである。
法の両者の条件が全て満足された時に表3および図5に
示されるH形鋼、すなわち、本発明鋼A〜Dのように、
耐候性、耐疲労性能にすぐれた、高い耐久性を有する圧
延形鋼の生産が可能になる。
記実施例のH形鋼に限らずI形鋼、山形鋼、溝形鋼、不
等辺不等厚山形鋼等のフランジを有する形鋼にも適用で
きることは勿論である。
の飛散による鋼の腐食および継手部疲労が懸念される海
浜および融雪塩使用地区に施設される橋梁、鉄塔などの
鋼構造物部材として使用される耐候性および耐疲労特性
に優れた圧延鋼材を低コストで、しかも簡易な製造方法
で提供できることが可能になる。
試験の結果を示す図。
態を示す図、bは本発明による内部酸化層の生成状態を
示す図。
濃化層の生成状態を示す図、b,cは本発明によるN
i,Cu,Moの濃化層の生成状態を示す図。
置列を示す図。
を示す図。
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.02〜0.20%を
含有し、更に微量Ni,CuおよびMoを必須元素とし
て添加した圧延鋼材であって、Ni/Cuの濃度比が
0.8以上、鋼材表面の内部酸化層が2μm以下、前記
内部酸化層上に厚さ2μm以上のNi,Cu,Moの濃
化層を有することを特徴とする耐候性および耐疲労特性
に優れた圧延鋼材。 - 【請求項2】 重量%で、C :0.02〜0.20
%、 Mn:≦0.1%、 Si:≦0.1%、 Cr:≦0.1%、 Al:≦0.1%、 Ti:≦0.1%、 Ni:0.8〜3.0%、 Cu:0.8〜2.0%、 Mo:0.4〜0.7%、 N :0.001〜0.01%、 P :≦0.1%、 S :≦0.006%、 を含有し、かつNi/Cuの濃度比が0.8以上であ
り、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、更に、
鋼材表面の内部酸化層が2μm以下で、前記内部酸化層
上に厚さ2μm以上のNi,Cu,Moの濃化層を有
し、これらの元素濃度の総量が7.0重量%以上である
ことを特徴とする耐候性および耐疲労特性に優れた圧延
鋼材。 - 【請求項3】 重量%で、更に、Nb:0.005〜
0.10%、V:0.01〜0.20%、B:0.00
03〜0.0030%のいずれか1種または2種以上を
含有することを特徴とする請求項2記載の耐候性および
耐疲労特性に優れた圧延鋼材。 - 【請求項4】 重量%で、更に、Ca:0.0005〜
0.0050%、Mg:0.0005〜0.010%、
REM:0.0005〜0.010%のいずれか1種ま
たは2種以上を含有することを特徴とする請求項2また
は3記載の耐候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材。 - 【請求項5】 重量%で、C :0.02〜0.20
%、 Mn:≦0.1%、 Si:≦0.1%、 Cr:≦0.1%、 Al:≦0.1%、 Ti:≦0.1%、 Ni:0.8〜3.0%、 Cu:0.8〜2.0%、 Mo:0.4〜0.7%、 N :0.001〜0.01%、 P :≦0.1%、 S :≦0.006%、 を含有し、かつNi/Cuの濃度比が0.8以上であ
り、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳片を1
100〜1300℃の温度域に再加熱した後に熱延を開
始し、950℃以下の累積圧下率が40%以上となる圧
延を行い、900℃以上で熱延を終了し、熱延ままで鋼
材表面の内部酸化層が2μm以下で、前記内部酸化層上
に厚さ2μm以上のNi,Cu,Moの濃化層を有し、
これらの元素濃度の総量が7.0重量%以上であること
を特徴とする耐候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材
の製造方法。 - 【請求項6】 重量%で、更に、Nb:0.005〜
0.10%、V:0.01〜0.20%、B:0.00
03〜0.0030%のいずれか1種または2種以上を
含有することを特徴とする請求項4記載の耐候性および
耐疲労特性に優れた圧延鋼材の製造方法。 - 【請求項7】 重量%で、更に、Ca:0.0005〜
0.0050%、Mg:0.0005〜0.010%、
REM:0.0005〜0.010%のいずれか1種ま
たは2種以上を含有することを特徴とする請求項4また
は5記載の耐候性および耐疲労特性に優れた圧延鋼材の
製造方法。
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1998
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