JP2000054043A - 高強度・高導電性銅合金 - Google Patents

高強度・高導電性銅合金

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JP2000054043A
JP2000054043A JP10225692A JP22569298A JP2000054043A JP 2000054043 A JP2000054043 A JP 2000054043A JP 10225692 A JP10225692 A JP 10225692A JP 22569298 A JP22569298 A JP 22569298A JP 2000054043 A JP2000054043 A JP 2000054043A
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copper alloy
conductivity
alloy
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Yoshinori Yamamoto
佳紀 山本
Hajime Sasaki
元 佐々木
Takeshi Shimada
健 嶋田
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 42合金と同レベルの強度と60%IACS
以上の高導電率を備え、しかも、溶解鋳造の困難さから
くる高コスト化の問題のない鋳造の容易な銅合金を提供
する。 【解決手段】 FeとNiを合計で0.3〜1.0重量
%、Pを0.05〜0.3重量%、およびZnを0.1
〜1.0重量%含有し、残部がCuから成る銅合金にお
いて、FeとNiの合計重量をPの重量の3〜10倍に
設定し、FeとNiの重量比をFe/Ni=0.8〜
1.2に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度・高導電性
銅合金に関し、特に、42合金と同レベルの強度と、6
0%IACS以上の高い導電率とを備えた高強度・高導
電性銅合金に関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子を搭載する
リードフレームのための構成材料としては、たとえば、
Fe−Ni合金である42合金、あるいは各種の銅系材
料が使用される。銅系材料は、鉄系材料に比べて高い導
電性を有することから、リードフレームにとっては好ま
しい熱放散性を備えているが、反面では強度が低く、こ
の点の改善が望まれている。
【0003】これは、200ピンを越えるような多ピン
のLSIパッケージが製造されるようになり、これに伴
ってリード材をより薄く、インナーリードやアウターリ
ードの幅をより狭くする要求が強くなり、リードそのも
のゝ機械的強度が重要視されてきたことによる。
【0004】また、一方で、半導体素子における高集積
化と高速化の潮流は益々大きく、半導体チップの発熱量
が増大化する傾向にあることから、半導体パッケージか
らの合理的且つ効率的な熱の放出が重要課題としてクロ
ーズアップされている。
【0005】半導体パッケージからの放熱経路として
は、絶縁モールドを通しての放熱、あるいはヒートシン
クを取り付けてこれに放熱させる等の手段以外に、リー
ド材を通した配線基盤への放熱も期待されている。この
リード材を通しての放熱を良好に行わせるためには、リ
ード材を構成する材質自体の熱伝導率(導電率により評
価可能)の高いことが重要な要素となる。
【0006】この点に関して云えば、従来の42合金
は、約3%IACSという極端に低い導電率しか備えて
おらず、当然、放熱特性が問題となる。このため、42
合金から銅系材料への材質転換が進められており、この
転換のなかにおいて特に重要視されている材料特性のひ
とつに機械的強度がある。その要求特性は高く、鉄系の
42合金と同レベルのものが要求されている。従来、4
2合金に代わる材料としては、Cu−Ni−Si系合
金、Cu−Sn系合金、あるいはCu−Cr系合金等が
知られており、リードフレームの用途に多用されてき
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの合金
によると、たとえば、Cu−Ni−Si系合金の場合、
その導電率は50%IACS程度と必ずしも充分とは云
えず、さらに、これがCu−Sn系合金ともなると、S
nをCuに固溶させて強度向上を図っている関係から、
30%IACS程度の極めて低い導電率しか得られな
い。
【0008】一方、Cu−Cr系合金の場合には、70
%IACS以上の高い導電率を有しているけれども、強
度がやゝ不充分であるうえにCrが難溶解材であり、さ
らには、耐火材のカーボンと反応しやすい性質を有して
いることから、溶解と鋳造が難しく、コストが高くなる
という問題を抱えている。
【0009】従って、本発明の目的は、42合金と同レ
ベルの優れた強度と60%IACS以上の高い導電率を
備え、しかも、溶解鋳造の困難さからくる高コスト化の
問題のない鋳造の容易な銅合金を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、FeとNiを合計で0.3〜1.0重量
%、Pを0.05〜0.3重量%、およびZnを0.1
〜1.0重量%含有し、残部がCuから成る銅合金にお
いて、前記Feと前記Niの合計重量が前記Pの重量の
3〜10倍であり、前記Feと前記Niの重量比がFe
/Ni=0.8〜1.2であることを特徴とする高強度
・高導電性銅合金を提供するものである。
【0011】また、本発明は、上記の目的を達成するた
め、FeとNiを合計で0.3〜1.0重量%、Pを
0.05〜0.3重量%、Znを0.1〜1.0重量
%、およびMg、Sn、Mnのうちの少なくとも1種を
0.01〜0.3重量%含有し、残部がCuから成る銅
合金において、前記Feと前記Niの合計重量が前記P
の重量の3〜10倍であり、前記Feと前記Niの重量
比がFe/Ni=0.8〜1.2であることを特徴とす
る高強度・高導電性銅合金を提供するものである。
【0012】本発明の銅合金において注目すべき点は、
42合金なみの高い強度と高い導電率とを同時に具備で
きたことであり、特に、60%IACS以上の高い導電
率を確保できたことは特筆に値する。
【0013】たとえば、本発明と同じようにCu−Ni
−Fe−P系をベースとしたリードフレーム用銅合金が
特開平2−19433号に開示されているが、ここにお
ける導電率のレベルは、その第1表にも示されているよ
うに30%IACS前後であり、本発明が目標とする6
0%IACS以上の導電率に比べるとかけ離れている。
本発明においては、各元素の含有量をさらに深く検討
し、その中から特定の設定範囲を見極め、これよって高
い目標を達成し得たものであり、以下、各元素の含有量
設定理由について説明する。
【0014】まず、FeおよびNiとPの関係について
述べる。FeとNiは、それぞれPとの化合物(燐化合
物)を形成し、強度および導電率を向上させる性質を有
している。Pの含有量として設定した0.05〜0.3
重量%よりもPの量が少なくなると、燐化合物の生成量
が不足することから良好な強度が得られず、逆に、0.
3重量%を超えるときには、鋳造時に燐化合物が偏析し
て鋳塊割れが発生するようになり、実用的でない。
【0015】このPに課せられた0.05〜0.3重量
%の規制内において、熱処理によって燐化合物を効率的
に生成させるためには、FeとNiの量を合計で0.3
〜1.0重量%の範囲内に設定する必要があり、これが
0.3重量%を下回るときには、燐化合物の生成が不充
分となり、逆に、1.0重量%を超過すると、余剰のF
eとNiがCu中に固溶し、特に、導電率の面において
特性を低下させるようになる。
【0016】燐化合物生成による導電率の向上効果を充
分に得るためには、FeとNiの合計重量とPの重量の
比率を(Fe+Ni)/P=3〜10となるように設定
する必要がある。設定比率がこの範囲よりも下廻るとき
にはPが過剰となり、逆に、この範囲を超えるときには
Fe、Niが過剰となることから、燐化合物生成に関与
しないこれら過剰の元素がCu中に固溶状態で存在する
ことになり、その結果、特に、導電率が大きく阻害され
るようになる。高い導電率を確保するうえにおいて、こ
れらFeおよびNiとPの比率は特に重要であり、これ
をより限定された重量比に設定するとすれば、重量比で
P 1に対し、FeおよびNiの合計量を4〜6に設定
することができる。
【0017】FeとNiの最適な比率は、強度と導電率
のバランスを考慮して決める必要がある。Feは、強度
向上への貢献は少ないが、導電率を向上させる性質を有
しており、一方、Niは、強度向上に効果大である半
面、導電率の点ではFeに比べて高いものを得にくい。
【0018】従って、強度および導電率に調和のとれた
材料を設計するためには、合計量が0.3〜1.0重量
%の範囲内において、両者の重量比率を1対1にする必
要があり、さらに、厳密な配合組成下での運転が必ずし
も充分であるとは云い難い量産設備による溶解鋳造作業
に配慮するときには、これをFe/Ni=0.8〜1.
2の範囲内に設定する必要がある。Fe/Niが0.8
未満になると、Ni過剰のために導電率が不充分なもの
となり、逆に、1.2を超過するときには、Feが過剰
になって強度が不足するようになる。
【0019】Znの含有量を0.1〜1.0重量%に設
定する理由は、0.1重量%未満では、この元素を含有
させることによって得られるリードフレーム加工時のは
んだ付け性と強度向上に充分なものが得られず、逆に、
1.0重量%を超えると導電率の低下をもたらすことに
よる。
【0020】以上述べた各元素のほかに、Mg、Sn、
Mnのうちの少なくとも1種を含有させることによっ
て、一層の強度向上を図ることができる。これらの元素
は、単独あるいは2種以上の併用の形で添加され、特
に、後者の場合に、高い強度向上を示す。最適な含有量
は0.01〜0.3重量%である。0.01重量%未満
では効果が不充分となり、0.3重量%を超えると導電
率の低下を招くことから、上記範囲を超えての含有は避
ける必要がある。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明による高強度・高導
電性銅合金の実施の形態について説明する。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示された各実施例および比較例の合
金素材を対象に、まず、高周波溶解炉で溶解し、鋳造す
ることにより直径30mm×長さ250mmのインゴッ
トを製造し、次いで、これらのインゴットを850℃に
加熱して押出加工し、幅20mm、厚さ8mmの板状に
成型した後、これを厚さ1.0mmまで冷間圧延した。
【0024】次に、この冷間圧延材を900℃に加熱し
て10分間保持した後、水中に投じ、毎分300℃の降
温速度で20℃の室温まで冷却した。冷却後、これを厚
さ0.5mmまで冷間圧延した後、470℃で2時間加
熱する熱処理を行い、最後に、0.25mmの厚さまで
冷間圧延して、各実施例および比較例の薄帯を製造し
た。表1に、得られた各薄帯の引張強度と導電率、およ
び鋳造時の鋳塊割れの有無を表示した。
【0025】この表1によれば、本発明による実施例1
〜4が、いずれも42合金なみの600MPa以上の高
い引張強度と60%IACS以上の高い導電率を示し、
鋳塊割れにおいてもこれを発生させていないのに比べ、
比較例の場合には、引張強度、導電率あるいは鋳塊割れ
のいずれかの特性において不充分な結果しか得られてい
ない。
【0026】即ち、Fe、Niの合計量とPの量を本発
明の規定値を超えて含有させた比較例1の場合には、鋳
塊割れが発生しており、また、比較例2においては、F
eとNiとP量が不足しているために不充分な引張強度
しか得られず、さらに、比較例3と4の場合には、Fe
とNiの合計量とP量との対比において、前者がP過
剰、後者がFe、Ni過剰のために、いずれも引張強度
と導電率が低くなっている。
【0027】比較例5と6は、FeとNiの対比におい
て、前者がNi過剰の例、後者がFe過剰の例を示した
ものであるが、前者の導電率と後者の引張強度に充分な
結果が得られず、また、Znが過剰な比較例7の場合に
は、導電率が目標レベルに達していない。
【0028】そして、Mg、Sn、Mnの合計量が本発
明の規定値を超える比較例8の場合には、一段と低い導
電率しか得られないなど、表1の試験結果は、本発明に
よる効果を如実に示している。しかも、表1の元素から
明らかであるように、本発明による銅合金の場合には、
難溶解性であったり、耐火材と反応したりするような成
分とは一切無縁であり、従って、従来のCu−Cr系合
金におけるような溶解と鋳造の難しさを原因とした高コ
スト化の問題もない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による高強
度・高導電性銅合金によれば、Fe、Ni、P、および
Zn、あるいはこれらと一緒にMg、Sn、Mnのうち
の少なくとも1種をCuに含有させ、これら各元素の含
有量をそれぞれ特定の範囲内に設定することによって、
42合金に匹敵する強度と60%IACS以上の高い導
電率を併せ備え、さらに、鋳造が容易で鋳塊割れのない
高強度・高導電性銅合金を提供するものであり、たとえ
ば、リードフレームの品質を高めるうえにおいて、有用
性大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FeとNiを合計で0.3〜1.0重量
    %、Pを0.05〜0.3重量%、およびZnを0.1
    〜1.0重量%含有し、残部がCuから成る銅合金にお
    いて、 前記Feと前記Niの合計重量が前記Pの重量の3〜1
    0倍であり、 前記Feと前記Niの重量比がFe/Ni=0.8〜
    1.2であることを特徴とする高強度・高導電性銅合
    金。
  2. 【請求項2】FeとNiを合計で0.3〜1.0重量
    %、Pを0.05〜0.3重量%、Znを0.1〜1.
    0重量%、およびMg、Sn、Mnのうちの少なくとも
    1種を0.01〜0.3重量%含有し、残部がCuから
    成る銅合金において、 前記Feと前記Niの合計重量が前記Pの重量の3〜1
    0倍であり、 前記Feと前記Niの重量比がFe/Ni=0.8〜
    1.2であることを特徴とする高強度・高導電性銅合
    金。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2809419A1 (fr) * 2000-05-25 2001-11-30 Kobe Steel Ltd Alliage de cuivre pour une utilisation dans des pieces electriques et electroniques
JP2010285671A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Hitachi Cable Ltd 高強度高導電性銅合金とその製造方法

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